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JPH11188260A - 有機塩素化合物分解処理用触媒及びその製造方法 - Google Patents

有機塩素化合物分解処理用触媒及びその製造方法

Info

Publication number
JPH11188260A
JPH11188260A JP9359389A JP35938997A JPH11188260A JP H11188260 A JPH11188260 A JP H11188260A JP 9359389 A JP9359389 A JP 9359389A JP 35938997 A JP35938997 A JP 35938997A JP H11188260 A JPH11188260 A JP H11188260A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
component
oxide
metal
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9359389A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironori Suzuki
宏典 鈴木
Kazuo Hirota
一雄 広田
Toshio Suzuki
俊男 鈴木
Satoko Yabe
里子 矢部
Takehiko Shimomura
岳彦 下村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP9359389A priority Critical patent/JPH11188260A/ja
Publication of JPH11188260A publication Critical patent/JPH11188260A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排ガスに含まれる硫黄酸化物の酸化性および
被毒性が低く、有機塩素化合物を低温で効率よく、安価
に無害化する触媒を提供する。 【解決手段】 以下に示すA成分とB成分からなり、A
成分に対してB成分が1〜40wt%であることを特徴
とする有機塩素化合物の分解処理用触媒。 (A):(a) チタニウム酸化物と(b) ジルコニウム酸化
物および/またはケイ素酸化物からなる2元系以上の複
合酸化物、ただし、(b) が(a) に対し2〜40wt%で
ある。 (B):(イ)バナジウムの金属または金属酸化物から
なる組成物、あるいは(イ)と(ロ)タングステンの金
属もしくは金属酸化物および/または(ハ)モリブデン
の金属もしくは金属酸化物からなる組成物、ただし、
(ロ)または(ハ)が(イ)に対し各々重量比10以下
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪族および芳香
族の有機塩素化合物を分解処理するための触媒およびそ
の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、有機塩素化合物としてダイオキシ
ン類を分解処理する触媒として、酸化チタン担体に五酸
化バナジウムと三酸化タングステンを担持させた触媒が
知られているが、これは、ごみ焼却炉排ガス中に含まれ
る窒素酸化物を、アンモニアを還元剤として除去する触
媒として一般的に使用されていたものである(特開平2
−35914号公報参照)。また、ハロゲン含有有機化
合物、例えばフロン、トリクレン、パークレン等の脂肪
族有機塩素化合物の分解触媒としては、酸性ゼオライト
または周期律表の第2周期から第6周期に属する金属置
換ゼオライトが知られている(特開平4−250825
号公報参照)。さらに、塩化メチレン、臭化メチルなど
有機ハロゲン化合物の分解触媒として、TiO2 −Zr
2 複合酸化物担体に貴金属(Pt,Pd)を担持した
触媒が知られている(特開平8−173760号公
報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のごみ焼却炉排ガ
ス中に含まれる窒素酸化物をアンモニアを還元剤として
除去する触媒を利用するものでは、ポリ塩化ジベンゾダ
イオキシン(PCDDs)とポリ塩化ジベンゾフラン
(PCDFs)といった有機塩素化合物を除去する効率
は、温度が280℃、空間速度(SV)が9600h-1
といった条件で30〜48%と低いものであった。さら
に、このような触媒では、実用的な濃度である低い濃度
域では処理能力が劣っていた。また、脂肪族有機塩素化
合物分解処理触媒として使用されているH型モルデナイ
ト型ゼオライトをCo,Cu,Ni,Feで置換したも
のでは、ジクロルメタン(CH2 Cl2 )の除去効率は
350℃で49〜58%と低いものであった。また、こ
のような触媒は比較的低分子量のハロゲン含有有機化合
物の処理には適しているが、ベンゼン環を有する高分子
系のものについては例がない。また、反応で生成するC
2 ,HClや排ガス中に存在する硫黄酸化物等の酸性
物質に対する耐久性が悪く問題となっていた。さらに、
有機ハロゲン化合物の分解触媒として使用されているP
t・Pd/TiO2 −ZrO2 では塩化メチレン(CH
2 Cl2 )の分解率が350℃で71〜88%と良好で
あるものの、貴金属を使用しているため触媒の製造コス
トが高くなり、また酸性物質に対する耐久性が悪く問題
となっていた。
【0004】本発明は、かかる問題点を解決し、触媒を
劣化させる主たる原因である酸性物質を含んだ排ガス
や、処理によって発生し触媒そのものに影響を及ぼす排
ガスであっても、触媒の劣化が少なく安定して使用で
き、使用する温度が150〜300℃といった低温であ
り、その時の有機塩素化合物の除去効率を高く、なおか
つ触媒の製造コストおよびランニングコストも廉価な触
媒およびその製造方法を提供することを目的とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の組成
の複合酸化物を担体とし、それに特定の組成の金属また
は金属酸化物を担持させることが有効であることを見出
し、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明の第一は、以下に示すA
成分とB成分からなり、A成分に対してB成分が1〜4
0wt%であることを特徴とする有機塩素化合物の分解
処理用触媒を要旨とするものである。 (A):(a) チタニウム酸化物と(b) ジルコニウム酸化
物および/またはケイ素酸化物からなる2元系以上の複
合酸化物、ただし、(b) が(a) に対し2〜40wt%で
ある。 (B):(イ)バナジウムの金属または金属酸化物から
なる組成物、あるいは(イ)と(ロ)タングステンの金
属もしくは金属酸化物および/または(ハ)モリブデン
の金属もしくは金属酸化物からなる組成物、ただし、
(ロ)または(ハ)が(イ)に対し各々重量比10以下
である。 本発明の第二は、上記の触媒において、(B)成分中の
(イ)、(ロ)または(ハ)の結晶度が、各々60%以
下であることを特徴とする有機塩素化合物の分解処理用
触媒を要旨とするものである。。また本発明の第三は、
上記の触媒の製造方法であり、A成分の原料を調整、乾
燥した後、300〜800℃で空気気流中で焼成して複
合酸化物を調製し、これをB成分を含む溶液に含浸し
て、乾燥した後、300〜800℃で空気気流中で焼成
することを特徴とする触媒の製造方法を要旨とするもの
である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。まず、本発明の第一の有機塩素化合物の分解処理用
触媒について説明する。本発明における有機塩素化合物
は、ポリ塩化ジべンゾダイオキシン(PCDDs)、ポ
リ塩化ジべンゾフラン(PCDFs)などのダイオキシ
ン類のほか、これらダイオキシン類の前駆体であるモノ
クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、o−クロロフェノ
ール等の塩素化有機化合物も含み、さらに脂肪族有機塩
素化合物であるフロン、トリクレン、パークレン等も含
まれる。
【0008】本発明の触媒は、A成分とB成分からな
り、B成分がA成分に対し1〜40wt%であることが
必要であり、好ましくは5〜30wt%である。A成分
に対してB成分が少なすぎても触媒としての活性が低く
なってしまい、逆に多すぎるとA成分からなる担体上に
均一に分散せず、凝集体をつくり、担体の細孔を閉塞し
てしまい、活性の低下を引き起こしてしまうので好まし
くない。
【0009】本発明の触媒のA成分は、(a) チタニウム
酸化物と(b) ジルコニウム酸化物および/またはケイ素
酸化物からなる2元系以上の複合酸化物であり、(b) が
(a)に対し2〜40wt%であることが必要であり、好
ましくは5〜20wt%である。この範囲外では成型が
しにくく、強度が低下してしまい、触媒の担体として耐
久性が問題となる。
【0010】本発明で用いられるチタニウム酸化物の具
体例としては、TiO2、TiO2n-1(n =4 〜9)、Ti2O5 、Ti
2O3 、TiO が挙げられる。これらの中でルチル、ブルッ
カイト、アナターゼの3種の変態を持つTiO2が好まし
く、特にアナターゼ形態が好ましい。また、本発明で用
いられるジルコニウム酸化物の具体例としては、ZrO2
挙げられる。また、本発明で用いられるケイ素酸化物の
具体例としては、SiO 、SiO2が挙げられる。これらの中
でSiO2が好ましい。本発明においてA成分は、TiO2とSi
O2、TiO2とZrO2、TiO2とSiO2とZrO2などの複合酸化物で
あるので、A成分中の各酸化物は必ずしも上記の結晶形
態に限定されず、Ti-O-Si 、Ti-O-Zr 、Zr-O-Si 結合を
含み無定形構造をとることが好ましい。
【0011】本発明の触媒のB成分は、(イ)バナジウ
ムの金属または金属酸化物からなる組成物、あるいは
(イ)と(ロ)タングステンの金属もしくは金属酸化物
および/または(ハ)モリブデンの金属もしくは金属酸
化物からなる組成物であり、(ロ)または(ハ)が
(イ)に対し各々重量比10以下であることが必要であ
る。好ましくは、5以下である。
【0012】本発明におけるバナジウムの金属または金
属酸化物の具体例としては、VO、V2O3、VO2 、V2O5、 V
n O2n-1(n =4 〜8)、 Vn O2n+1(n =3,6)が挙げられ
る。これらの中でV2O5が好ましい。本発明におけるタン
グステンの金属または金属酸化物の具体例としては、WO
2、WO3 、W18O49、W20O58、W50O148 、W40O119 が挙げ
られる。これらの中でWO3が好ましい。本発明における
モリブデンの金属または金属酸化物の具体例としては、
MoO2、MoO3、Mo3O8 、Mo8O23、Mo9O26、Mo4O11、Mo17O
47 、Mo5O14が挙げられる。これらの中でMoO3が好まし
い。
【0013】本発明の第二の有機塩素化合物分解処理用
触媒は、上記の本発明の第一の触媒のうちさらに(B)
成分中の(イ)、(ロ)または(ハ)の結晶度が、各々
60%以下であることが必要である。ここでいう結晶度
とは、以下のようにして求めたものである。B成分中の
金属がそれぞれ全てV2 5 ,WO3 ,MoO3 で表さ
れる結晶性酸化物(i)であると仮定したときのX線理
論回折強度Ii は次式で示される。
【0014】
【数1】
【0015】Iipはi成分純品のX線回折強度、(μ/
ρ)i はi成分の質量吸収係数、(μ' /ρ)は試料の
平均質量吸収係数、Wi は試料中のi成分の重量分率で
ある。これはICPなどにより金属量を測定し、検出さ
れた金属は全て結晶酸化物であると仮定したときの値で
ある。そして試料のi成分のX線回折強度(I)を測定
し、試料中のi成分の結晶度はI/Ii と定義される。
回折強度は5〜90°、好ましくは10〜40°の回折
角度(2θ)の範囲に現れる強度とする。
【0016】本発明の第二の触媒は、上記の式で求めら
れる結晶度が60%以下であることが必要であり、好ま
しくは50%以下である。担持金属はその全てが結晶性
酸化物の形態で担持されているわけではない。すなわち
担体上にエネルギー的に不安定な状態で存在するので活
性が高くなると考えられる。
【0017】次に、本発明の製造法について説明する。
本発明の触媒の複合酸化物担体となるA成分の原料とし
ては特に限定されないが、チタニア酸化物はチタニアゾ
ル、硫酸チタン、酸化塩化チタン、四塩化チタン、硫酸
チタニルなど、ケイ素酸化物は水ガラス、シリカゾル、
ケイ酸ナトリウム、エチルシリケートなど、ジルコニウ
ム酸化物はジルコニアゾル、酸化ジルコニウム、塩化ジ
ルコニウム、硫酸ジルコニウム、シュウ酸ジルコニウ
ム、オキシ塩化ジルコニウムなどが用いられる。それぞ
れ好ましくは、四塩化チタン、シリカゾル、塩化ジルコ
ニウムである。
【0018】上記のチタニア酸化物、ジルコニウム酸化
物、ケイ素酸化物のうち好ましい原料をそれぞれ所定の
重量比となるよう混合し、80〜160℃、好ましくは
100〜140℃で8〜16時間、好ましくは10〜1
4時間乾燥する。それ以上の温度では乾燥速度が速くな
りすぎ、均一な複合酸化物前駆体が得られなくなる。焼
成は300〜800℃、好ましくは350〜700℃で
1〜10時間、好ましくは2〜6時間、酸化雰囲気で行
う。処理時間が長すぎ、焼成温度が高すぎるとシンタリ
ングが起こって表面積が減少してしまう。
【0019】触媒の担持物となるB成分であるV,Wま
たはMoの原料としては特に限定されないが、Vは硫酸
バナジル、バナジン酸アンモニウム、シュウ酸バナジ
ル、塩化バナジルなど、Wはタングステン酸アンモニウ
ム、タングステン酸、ケイタングステン酸など、Moは
モリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンモリブデン酸、
モリブデン酸アンモニウムなどがあり、それぞれの群か
ら選ばれた化合物をホウ酸水溶液、シュウ酸水溶液、メ
チルアミン溶液などに溶解させそれぞれの担体の担持溶
液とする。これら原料のうち好ましくはそれぞれバナジ
ン酸アンモニウム、タングステン酸アンモニウム、モリ
ブデン酸アンモニウムがよい。これらの担持溶液は混合
して使用してもよい。
【0020】上記のV,W,Moの原料から選ばれた
V,W,Moを含む溶液に担体を含浸させ、80〜16
0℃、好ましくは100〜140℃で8〜16時間、好
ましくは10〜14時間乾燥する。担体に活性成分が弱
く吸着している場合には、乾燥時に成分の再分配が起こ
り、不均一分布してしまう。活性成分の分布を均一化す
るには上記の温度域でゆっくり昇温するとよい。
【0021】焼成は300〜800℃、好ましくは35
0〜700℃で1〜10時間、好ましくは2〜6時間、
酸化雰囲気で行う。担体の焼成と同時に処理時間が長す
ぎ、反応温度が高すぎるとシンタリングにより表面積が
低下し、活性が低下する。このようにして本発明の第一
の有機塩素化合物分解処理用触媒が調製される。
【0022】本発明の第二の触媒においては、B成分の
結晶度を特定の範囲にする必要があり、そのために焼成
は300〜800℃で行う必要がある。低温で焼成を行
うと結晶の成長が十分に行われず結晶度が低くなりす
ぎ、高温すぎても結晶度が高くなりすぎてしまい高活性
な触媒が得られない。B成分の原料として、バナジン酸
アンモニウム、タングステン酸アンモニウム、モリブデ
ン酸アンモニウムを用いることが好ましく、また触媒中
の他成分が核(たね)となり結晶の成長を促進すること
ができる。
【0023】本発明の触媒は用途に応じてハニカム状、
ペレット状に成型することができ、また、ガラス繊維な
どの布状基材に塗布することでも触媒としての性能が発
揮できる。使用条件としてはSV値20000 /h以下、好
ましくは10000 /h以下で行えばよく、また温度は50
0℃以下、好ましくは300℃以下で行えばよい。
【0024】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、得られた触媒におけるX線回折法による結
晶性酸化物量の測定は以下のようにして行った。試料を
深さ0.2mmのガラスセルに詰めて、広角X線測定を
行った。X線回折測定装置は理学電気RAD−rBであ
る。スリット構成は、DS(発散スリット)=1.0
゜、RS(受光スリット)=0.3mm、RSM =(な
し)とし、50kV/200mAの出力のCu−Kα線
を湾曲型グラファイトモノクロメータで単色化して使用
した。測定方法は対称反射法で、スキャンは3゜/mi
n、ステップ0.01゜、2θ範囲3〜90゜を測定し
た。V2 5 、WO3 およびMoO3 の結晶性物質の回
折角度をそれぞれ20.2、23.5、27.3とし、
そのときのピーク強度、結晶性物質純品のX線回折強度
および質量吸収係数、試料の平均質量吸収係数を測定し
た。またICPにより触媒中の金属量を測定し、結晶度
を計算した。
【0025】実施例1 チタニア酸化物とケイ素酸化物からなる二元複合酸化物
担体(TiO2 −SiO2 )を以下の手法により調製し
た。TiCl4 (Tiとして約16wt%含有)溶液
3.75gに蒸留水60gを加え、氷で冷却しながら撹
拌、混合し、アンモニア水(28wt%)をpH=7〜
8になるまで添加し中和した。得られた溶液を遠心管に
分注し、回転数3000rpmで1分間遠心分離したの
ち、上澄みを捨て残差に蒸留水を加え撹拌、混合し、再
び回転数3000rpmで1分間遠心分離した。この操
作を5回繰り返したのち、スノーテックスO(日産化学
製シリカゾル;SiO2 として約20wt%含有)を
0.25g加え、混合させ、120℃で12時間乾燥さ
せた。次いで、500℃で2時間空気雰囲気下で焼成
し、粉砕し平均粒径300〜500μmとなるように整
粒し、TiO2 −SiO2 からなる二元複合酸化物担体
(TiO2 :95wt%、SiO2 :5wt%)を得
た。
【0026】次に上記の二元複合酸化物担体をバナジン
酸アンモニウムを溶解させたシュウ酸水溶液(担体に対
して5wt%V2 5 が添加されるように調製したも
の)に含浸させ、120℃で12時間乾燥させ、500
℃で2時間空気雰囲気下で焼成し、V2 5 /TiO2
−SiO2 なる触媒を得た。得られた触媒中のV2 5
の結晶度は44%であった。
【0027】実施例2 実施例1で調製したTiO2 −SiO2 からなる二元複
合物酸化物担体に対してV2 5 、WO3 がそれぞれ5
wt%担持されるように調製した溶液に含浸させ、以下
実施例1と同様な方法で、V2 5 ・WO3 /TiO2
−SiO2 なる触媒を作製した。得られた触媒中のV2
5 の結晶度は38%であり、WO3 の結晶度は42%
であった。
【0028】比較例1 H型モルデナイト型ゼオライト(東ソー株式会社製、商
品名「HSZ−640HOA」Si/Al=10)を担
体として用いた以外は、実施例1と同様な方法で触媒を
作製した。
【0029】比較例2 シリカゾルの添加を省略した以外は、実施例1と同様な
方法により、V2 5/TiO2 なる触媒を作製した。
この触媒中のV2 5 の結晶度は61%であった。
【0030】比較例3 シリカゾルの添加を省略し、焼成温度を500℃から9
00℃に変更した以外は、実施例1と同様な方法によ
り、V2 5 /TiO2 なる触媒を作製した。この触媒
中のV2 5 の結晶度は83%であった。
【0031】比較例4 TiO2 が50wt%、ZrO2 が50wt%からなる
複合酸化物担体を以下のような方法により調製した。T
iCl4 (Tiとして約16wt%含有)溶液3.75
gに蒸留水60gを加え、氷で冷却しながら攪拌、混合
し、アンモニア水(28wt%)をpH=7〜8になる
まで添加し中和した。得られた溶液を遠心管に分注し、
回転数3000rpmで1分間遠心分離したのち、上澄
みを捨て残差に蒸留水を加え攪拌、混合し、再び回転数
3000rpmで1分間遠心分離した。この操作を5回
繰り返したのち、ジルコニアゾル(日産化学製ジルコニ
アゾル;ZrO2 として約30.4wt%含有)を3.
29g加え、混合させ、120℃で12時間乾燥した。
次いで、500℃で2時間空気雰囲気下で焼成し、粉砕
し平均粒径300〜500μmとなるように整粒し、T
iO2 −ZrO2 からなる二元複合酸化物担体を得た。
次いでこの複合酸化物担体にPd,Ptをそれぞれ2w
t%担持させて触媒を作製した。
【0032】参考例1〔モノクロルベンゼンの分解率〕 有機塩素化合物のモデル化合物としてモノクロルベンゼ
ン(MCB:C6 5Cl)120ppm、および酸性
物質である塩化水素(HCl)を含む空気を被処理ガス
とし、触媒に200〜300℃、空間速度SV値500
0hr-1にて通じた。用いた触媒は、実施例1、比較例
1〜3で得られたものである。なお処理ガスの分析はガ
スクロマトグラフ〔島津製作所製GC−8A(FI
D)〕により分析し、次式により計算した値を分解率と
した。 分解率(%)=(1−(反応後MCB濃度)/(反応前
MCB濃度))×100 結果を図1に示す。図1から明らかなように、本発明の
触媒は、ゼオライト(比較例1)やV2 5 /TiO2
(比較例2および3)からなる触媒に比較し活性が高ま
ることが示された。また触媒中のV2 5 の結晶度が高
すぎると触媒としての活性は低くなることが示された。
【0033】参考例2〔触媒の寿命評価〕 モノクロルベンゼン、SOxを含む空気を被処理ガスと
し、200℃、空間速度SV値5000hr-1にて10
00時間連続して通じ、任意時間毎に処理ガスを分析
し、モノクロルベンゼンの分解率を算出し、SOxの触
媒被毒による活性の劣化度について評価した。用いた触
媒は、実施例2、比較例1、2および4で得られたもの
である。結果を図2に示す。図2から明らかなように、
本発明の触媒は、SO2 の影響をあまり受けず、安定し
た活性を保つことが示された。
【0034】参考例3〔塩化メチレンの分解率〕 脂肪族有機塩素化合物のモデル化合物として塩化メチレ
ン(CH2 Cl2 )120ppm、および酸性物質であ
る塩化水素(HCl)を含む空気を被処理ガスとし、上
記触媒に200〜300℃、空間速度SV値5000h
-1にて通じた。用いた触媒は、実施例2および比較例
4で得られたものである。なお処理ガスの分析はガスク
ロマトグラフ〔島津製作所製GC−8A(FID)〕に
より行い、塩化メチレンの分解率を算出した。結果を図
3に示す。図3から明らかなように、本発明の触媒は、
SOx,HClなどの酸性物質による触媒被毒も抑えら
れ、塩化メチレンのような脂肪族有機塩素化合物も効率
よく分解して無害化処理できることが示唆された。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、焼却炉排ガス中に触媒
を劣化させる主たる原因である酸性物質とともに低濃度
で含まれる有機塩素化合物を、触媒の劣化が少なく安定
して使用でき、高い除去率で、低コストすなわち使用触
媒量が少なくてすみ、また、低い排ガス温度で実現する
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒のモノクロロベンゼン分解に対す
る反応温度の影響を示す図である。
【図2】本発明の触媒の寿命評価試験結果を示す図であ
る。
【図3】本発明の触媒の塩化メチレン分解に対する反応
温度の影響を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢部 里子 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 下村 岳彦 京都府宇治市宇治小桜23番地 株式会社ユ ニチカリサーチラボ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下に示すA成分とB成分からなり、A
    成分に対してB成分が1〜40wt%であることを特徴
    とする有機塩素化合物分解処理用触媒。 (A):(a) チタニウム酸化物と(b) ジルコニウム酸化
    物および/またはケイ素酸化物からなる2元系以上の複
    合酸化物、 ただし、(b) が(a) に対し2〜40wt%である。 (B):(イ)バナジウムの金属または金属酸化物から
    なる組成物、あるいは(イ)と(ロ)タングステンの金
    属もしくは金属酸化物および/または(ハ)モリブデン
    の金属もしくは金属酸化物からなる組成物、 ただし、(ロ)または(ハ)が(イ)に対し各々重量比
    10以下である。
  2. 【請求項2】 (B)成分中の(イ)、(ロ)または
    (ハ)の結晶度が、各々60%以下であることを特徴と
    する請求項1記載の有機塩素化合物分解処理用触媒。
  3. 【請求項3】 A成分の原料を調製、乾燥した後、30
    0〜800℃で空気気流中で焼成して複合酸化物を調製
    し、これをB成分を含む溶液に含浸して、乾燥した後、
    300〜800℃で空気気流中で焼成することを特徴と
    する請求項1または請求項2記載の触媒の製造方法。
JP9359389A 1997-12-26 1997-12-26 有機塩素化合物分解処理用触媒及びその製造方法 Pending JPH11188260A (ja)

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