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JPH11148542A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

Info

Publication number
JPH11148542A
JPH11148542A JP31346497A JP31346497A JPH11148542A JP H11148542 A JPH11148542 A JP H11148542A JP 31346497 A JP31346497 A JP 31346497A JP 31346497 A JP31346497 A JP 31346497A JP H11148542 A JPH11148542 A JP H11148542A
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JP
Japan
Prior art keywords
power
power rollers
power roller
hardened layer
peripheral surface
Prior art date
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Granted
Application number
JP31346497A
Other languages
English (en)
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JP3718973B2 (ja
Inventor
Takashi Imanishi
尚 今西
Nobuo Goto
伸夫 後藤
Makoto Fujinami
誠 藤波
Hiroshi Kato
寛 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP31346497A priority Critical patent/JP3718973B2/ja
Priority to US09/108,174 priority patent/US6174257B1/en
Priority to DE19861362A priority patent/DE19861362B4/de
Priority to DE1998129631 priority patent/DE19829631B4/de
Publication of JPH11148542A publication Critical patent/JPH11148542A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3718973B2 publication Critical patent/JP3718973B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パワーローラ8及びスラスト玉軸受32の耐
久性を確保する。 【解決手段】 パワーローラ8及び外輪33の各部に所
定の処理及び加工を施す。そして、運転時に加わる大き
なスラスト荷重に拘らず、各部に加わる応力を緩和する
と共に当接部の潤滑性を良好にし、各部に亀裂や早期摩
耗が発生するのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るトロイダル型
無段変速機は、例えば自動車用の自動変速機として利用
する。特に本発明は、この様なトロイダル型無段変速機
を構成するパワーローラ部分の耐久性向上を図るもので
ある。
【0002】
【従来の技術】自動車用変速機として、図5〜6に略示
する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究さ
れている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開
昭62−71465号公報に開示されている様に、入力
軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸1
と同心に配置された出力軸3の端部に出力側ディスク4
を固定している。トロイダル型無段変速機を収めたケー
シングの内側には、枢軸5、5を中心として揺動する複
数個(通常2〜3個)のトラニオン6、6を設けてい
る。尚、これら各枢軸5、5は、上記入力側、出力側両
ディスク2、4の軸方向(図5〜6の左右方向)に関し
てこれら両ディスク2、4の中間部に、これら両ディス
ク2、4の軸方向に対し直角方向で且つこれら両ディス
ク2、4の中心軸に対し捻れの位置に配置している
【0003】即ち、これら各トラニオン6、6は、それ
ぞれの両端部外側面に上記各枢軸5、5を設けている。
又、これら各トラニオン6、6の中間部には変位軸7、
7の基端部を支持し、上記各枢軸5、5を中心として上
記各トラニオン6、6を揺動させる事により、上記各変
位軸7、7の傾斜角度の調節を自在としている。上記各
トラニオン6、6に支持した変位軸7、7の周囲には、
それぞれパワーローラ8、8を回転自在に支持してい
る。そして、これら各パワーローラ8、8を、上記入力
側、出力側両ディスク2、4の間に挟持している。これ
ら入力側、出力側両ディスク2、4の互いに対向する内
側面2a、4aは、それぞれ断面が、上記枢軸5上の点
を中心とする円弧を、上記入力軸1及び出力軸3を中心
に回転させた場合に得られる凹面をなしている。そし
て、球状凸面に形成された各パワーローラ8、8の周面
8a、8aを、上記内側面2a、4aに当接させてい
る。
【0004】上記入力軸1と入力側ディスク2との間に
は、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧
装置9によって、上記入力側ディスク2を出力側ディス
ク4に向け、弾性的に押圧している。この押圧装置9
は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器11
により保持された複数個(例えば4個)のローラ12、
12とから構成している。上記カム板10の片側面(図
5〜6の左側面)には、円周方向に亙る凹凸面であるカ
ム面13を形成し、上記入力側ディスク2の外側面(図
5〜6の右側面)にも、同様のカム面14を形成してい
る。そして、上記複数個のローラ12、12を、上記入
力軸1の中心に対して放射方向の軸を中心とする回転自
在に支持している。
【0005】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回
転すると、カム面13が複数個のローラ12、12を、
入力側ディスク2外側面のカム面14に押圧する。この
結果、上記入力側ディスク2が、上記各パワーローラ
8、8に押圧されると同時に、上記1対のカム面13、
14と複数個のローラ12、12との押し付け合いに基
づいて、上記入力側ディスク2が回転する。そして、こ
の入力側ディスク2の回転が、上記各パワーローラ8、
8を介して出力側ディスク4に伝わり、この出力側ディ
スク4に固定の出力軸3を回転させる。
【0006】入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速
比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で
減速を行なう場合には、枢軸5、5を中心として各トラ
ニオン6、6を揺動させ、各パワーローラ8、8の周面
8a、8aが図5に示す様に、入力側ディスク2の内側
面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4a
の外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、各変位軸
7、7を傾斜させる。反対に、増速を行なう場合には、
上記枢軸5、5を中心として上記各トラニオン6、6を
揺動させ、各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図
6に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄
り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分
とに、それぞれ当接する様に、各変位軸7、7を傾斜さ
せる。各変位軸7、7の傾斜角度を図5と図6との中間
にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比
を得られる。
【0007】更に、図7〜8は、実願昭63−6929
3号(実開平1−173552号)のマイクロフィルム
に記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速
機を示している。入力側ディスク2と出力側ディスク4
とは入力軸15の周囲に、それぞれニードル軸受16、
16を介して回転自在に支持している。又、カム板10
は上記入力軸15の端部(図7の左端部)外周面にスプ
ライン係合し、鍔部17により、上記入力側ディスク2
から離れる方向への移動を阻止している。そして、この
カム板10とローラ12、12とにより、上記入力軸1
5の回転に基づいて上記入力側ディスク2を、出力側デ
ィスク4に向け押圧しつつ回転させる、ローディングカ
ム式の押圧装置9を構成している。上記出力側ディスク
4には出力歯車18を、キー19、19により結合し、
これら出力側ディスク4と出力歯車18とが同期して回
転する様にしている。この出力歯車18、並びにこの出
力歯車18と噛合した図示しない歯車等が、出力ディス
クの回転を取り出す為の動力取り出し手段を構成する。
【0008】1対のトラニオン6、6の両端部に設けた
枢軸5、5は1対の支持ポスト20、20に、揺動並び
に軸方向(図7の表裏方向、図8の左右方向)に亙る変
位自在に支持している。上記1対の支持ポスト20、2
0は、十分な剛性を有する金属板状で、中央部に形成し
た円孔21を、ケーシング22の内面若しくはこのケー
シング22内に設けたシリンダケース23の側面に固設
した支持ピン24a、24bに外嵌する事により、上記
ケーシング22の内側に、揺動並びに上記各枢軸5、5
の軸方向に亙る変位自在に支持している。又、上記各支
持ポスト20、20の両端部には、それぞれ円形の支持
孔25、25を形成しており、これら各支持孔25、2
5に、それぞれ上記各枢軸5、5を、それぞれが外輪2
6、26を備えたラジアルニードル軸受27、27によ
り、支持している。これらの構成に基づいて上記各トラ
ニオン6、6を、上記各枢軸5、5を中心とする揺動並
びにこれら各枢軸5、5の軸方向に亙る変位を自在とし
て、上記ケーシング22内に支持している。
【0009】上述の様にして上記ケーシング22内に支
持した、上記各トラニオン6、6の中間部に形成した円
孔40、40部分に、変位軸7、7を支持している。こ
れら各変位軸7、7は、互いに平行で且つ偏心した支持
軸部28、28と枢支軸部29、29とを、それぞれ有
する。このうちの各支持軸部28、28を上記各円孔4
0、40の内側に、ラジアルニードル軸受30、30を
介して、揺動自在に支持している。又、上記各枢支軸部
29、29の周囲にパワーローラ8、8を、ラジアルニ
ードル軸受31、31を介して、回転自在に支持してい
る。
【0010】尚、上記1対の変位軸7、7は、前記入力
軸15を中心として、180度反対側位置に設けてい
る。又、これら各変位軸7、7の各枢支軸部29、29
が各支持軸部28、28に対し偏心している方向は、上
記入力側、出力側両ディスク2、4の回転方向に関し同
方向(図8で左右逆方向)としている。又、偏心方向
は、上記入力軸15の配設方向(図7の左右方向、図8
の表裏方向)に対しほぼ直交する方向としている。従っ
て上記各パワーローラ8、8は、上記入力軸15の配設
方向に亙る若干の変位自在に支持される。この結果、構
成各部品の寸法精度のばらつき、或は動力伝達時の弾性
変形等に起因して、上記各パワーローラ8、8が上記入
力軸15の軸方向(図7の左右方向、図8の表裏方向)
に変位する傾向となった場合でも、構成各部品に無理な
力を加える事なく、この変位を吸収できる。
【0011】又、上記各パワーローラ8、8の外側面と
上記各トラニオン6、6の中間部内側面との間には、パ
ワーローラ8、8の外側面の側から順に、スラスト玉軸
受32、32等のスラスト転がり軸受と、次述する外輪
33、33に加わるスラスト荷重を支承するスラストニ
ードル軸受34、34等のスラスト軸受とを設けてい
る。このうちのスラスト玉軸受32、32は、請求項1
に記載したスラスト転がり軸受に相当するもので、上記
各パワーローラ8、8に加わるスラスト方向の荷重を支
承しつつ、これら各パワーローラ8、8の回転を許容す
る。又、上記各スラストニードル軸受34、34は、上
記各パワーローラ8、8から上記各スラスト玉軸受3
2、32の外輪33、33に加わるスラスト荷重を支承
しつつ、上記枢支軸部29、29及び上記外輪33、3
3が上記支持軸部28、28を中心に揺動する事を許容
する。
【0012】又、上記各トラニオン6、6の一端部(図
8の左端部)には、それぞれ駆動ロッド35、35を結
合し、これら各駆動ロッド35、35の中間部外周面に
駆動ピストン36、36を固設している。そして、これ
ら各駆動ピストン36、36をそれぞれ、前記シリンダ
ケース23内に設けた駆動シリンダ37、37内に油密
に嵌装している。更に、前記ケーシング22内に設けた
支持壁38と前記入力軸15との間には1対の転がり軸
受39、39を設けて、上記入力軸15を上記ケーシン
グ22内に回転自在に支持している。
【0013】上述の様に構成するトロイダル型無段変速
機の場合には、入力軸15の回転を押圧装置9を介して
入力側ディスク2に伝える。そして、この入力側ディス
ク2の回転を、1対のパワーローラ8、8を介して出力
側ディスク4に伝達し、更にこの出力側ディスク4の回
転を、前記出力歯車18より取り出す。上記入力軸15
と出力歯車18との間の回転速度比を変える場合には、
前記1対の駆動ピストン36、36を互いに逆方向に変
位させる。これら各駆動ピストン36、36の変位に伴
って上記1対のトラニオン6、6が、それぞれ逆方向に
変位し、例えば図8の下側のパワーローラ8が同図の右
側に、同図の上側のパワーローラ8が同図の左側に、そ
れぞれ変位する。この結果、これら各パワーローラ8、
8の周面8a、8aと上記入力側ディスク2及び出力側
ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用する、
接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向き
の変化に伴って上記各トラニオン6、6が、支持ポスト
20、20に枢支された枢軸5、5を中心として、図7
で互いに逆方向に揺動する。この結果、前述の図5〜6
に示した様に、上記各パワーローラ8、8の周面8a、
8aと上記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、
上記入力軸15と出力歯車18との間の回転速度比が変
化する。
【0014】尚、動力伝達時に構成各部品が弾性変形す
る結果、上記各パワーローラ8、8が上記入力軸15の
軸方向に変位すると、これら各パワーローラ8、8を枢
支している上記各変位軸7、7が、前記各支持軸部2
8、28を中心として僅かに揺動する。この揺動の結
果、前記各スラスト玉軸受32、32の外輪33、33
の外側面と上記各トラニオン6、6の内側面とが相対変
位する。これら外側面と内側面との間には、前記各スラ
ストニードル軸受34、34が存在する為、この相対変
位に要する力は小さい。従って、上述の様に各変位軸
7、7の傾斜角度を変化させる為の力が小さくて済む。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され作
用するトロイダル型無段変速機に組み込む各パワーロー
ラ8、8及びスラスト玉軸受32、32の基本構成自体
は、これら各パワーローラ8、8を内輪とし、これら各
パワーローラ8、8と外輪33、33との間に加わるス
ラスト荷重を玉41、41により支承するスラスト玉軸
受と考える事ができる。ところが、トロイダル型無段変
速機に組み込む上記各パワーローラ8、8及びスラスト
玉軸受32、32は、使用形態の特殊性から、一般的な
スラスト玉軸受に比べて、耐久性確保が難しい。この理
由は、次の(1)〜(3)の通りである。
【0016】(1)上記各パワーローラ8、8及び外輪
33、33に加わる曲げ応力が非常に大きくなる。即
ち、一般的なスラスト転がり軸受の場合には、例えば1
0個程度存在する玉等の転動体が均等にスラスト荷重を
受ける構造であり、内外輪には殆ど曲げ応力が加わる事
はない為、これら内外輪の曲げ応力に対する強度はあま
り重要ではない。これに対してトロイダル型無段変速機
に組み込む各パワーローラ8、8の周面8a、8aは、
円周方向反対側2個所位置で、入力側ディスク2及び出
力側ディスク4の内側面2a、4aと強く当接する。こ
の為、これら両ディスク2、4から上記各パワーローラ
8、8に加わるスラスト荷重は、円周方向に亙って不均
一になり、これら各パワーローラ8、8及びこれら各パ
ワーローラ8、8から玉41、41を介してスラスト荷
重を受ける上記各外輪33、33に、大きな曲げ応力が
加わる。この様にして各パワーローラ8、8及び各外輪
33、33に加わる曲げ応力は、トロイダル型無段変速
機の運転状況、伝達トルク、上記各部材8、33の肉厚
等により大きく異なるが、最大で100kgf/mm2 程度に
も達する。この様に大きな曲げ応力が加わる上記各パワ
ーローラ8、8や各外輪33、33に、何らの対策も施
さないと、これら各部材8、33が早期破損を起こし易
くなる等、十分な耐久性を確保できなくなる。
【0017】(2)図5〜8に示す様な、ハーフトロイ
ダル型の無段変速機の場合、各玉41、41の転動面と
内輪軌道及び外輪軌道との当接部に加わる接触面圧が非
常に高くなる。即ち、一般的なスラスト転がり軸受の場
合、各転動体の転動面と各軌道輪の軌道面との当接部の
接触面圧Pmax は2〜3GPa 程度である。これに対し
て、トロイダル型無段変速機に組み込むスラスト玉軸受
32、32の場合、上記各玉41、41の転動面と内輪
軌道及び外輪軌道との当接部の接触面圧Pmax は、2.
5〜3.5GPa 程度に達する。特に、図6に示す様な最
大減速時には、上記接触面圧Pmax が4GPa 程度にまで
達する場合がある。そして、この様に上記接触面圧P
max が大きくなると、上記各玉41、41の転動面と内
輪軌道及び外輪軌道との当接部に存在する接触楕円の径
が大きくなる。例えば、外径が200mm以下の一般的な
スラスト玉軸受の場合、接触楕円の短径は1mmに満たな
いのに対して、トロイダル型無段変速機に組み込むスラ
スト玉軸受32、32の場合には1.5mm程度にも達す
る。この様に接触楕円の径が大きくなると、最大剪断応
力が達する深度が深くなり、上記内輪軌道及び外輪軌道
の表面部分に形成する硬化層の厚さを大きくしないと、
これら各軌道部分の転がり疲れ寿命を確保できなくな
る。一方、単にこれら各軌道部分の硬化層の厚さを大き
くすると、トロイダル型無段変速機の小型化と構成各部
材の靱性確保とを両立させる事ができなくなる。
【0018】(3)上記各入力側、出力側両ディスク
2、4の内側面2a、4aと上記各パワーローラ8、8
の周面8a、8aとの当接部が、スピンしながら非常に
大きな動力の伝達を行なう。即ち、トラクションドライ
ブ変速機であるトロイダル型無段変速機の場合、上記当
接部に存在する、径が僅か数mmの接触楕円部分で、大き
なものは50kw程度もの動力を伝達する。しかも、この
接触楕円部分でスピンが生じる為、この接触楕円部分に
大きな剪断応力並びに発熱が生じる。この為、上記各周
面8a、8aの強度を高くしない限り、上記各パワーロ
ーラ8、8の耐久性を十分に確保できない。本発明のト
ロイダル型無段変速機は、この様な事情に鑑みて発明し
たものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のトロイダル型無
段変速機は、前述の従来から知られているトロイダル型
無段変速機と同様に、回転自在に支持された入力軸と、
この入力軸と共に回転自在な入力側ディスクと、この入
力側ディスクと同心に配置され、且つこの入力側ディス
クに対する回転自在に支持された出力側ディスクと、こ
れら入力側、出力側両ディスクの軸方向に関してこれら
両ディスクの中間部に、これら両ディスクの軸方向に対
し直角方向で且つこれら両ディスクの中心軸に対し捻れ
の位置に配置されて当該位置で揺動する複数のトラニオ
ンと、これら各トラニオンに支持された変位軸に回転自
在に支持され、入力側、出力側両ディスクの間に挟持さ
れた複数個のパワーローラと、これら各パワーローラの
外側面と上記各トラニオンの内側面との間に設けたスラ
スト転がり軸受とから構成され、入力側、出力側両ディ
スクの互いに対向する内側面を、それぞれ断面が円弧形
の凹面とし、上記各パワーローラの周面を球面状の凸面
として、この周面と上記内側面とを当接させている。
【0020】特に、本発明のトロイダル型無段変速機に
於いては、次の〜のうちの少なくとも一つの条件を
満たす。 上記各パワーローラの表面に熱処理による硬化層を
形成しており、これら各パワーローラの内周面と内側面
との連続部には、これら各パワーローラの軸方向に亙る
寸法が、これら各パワーローラ全体の軸方向寸法の15
%以下の面取り部が、上記硬化層を形成した後に形成さ
れており、上記硬化層のうちの熱処理異常層はこの面取
り部で除去されている。 上記パワーローラの表面に熱処理による硬化層を形
成しており、このパワーローラの内周面と内側面との連
続部には、上記硬化層を形成した後にショット・ピーニ
ングが施されており、上記連続部にはこのショット・ピ
ーニングに基づく圧縮残留応力が存在する。 上記各パワーローラの周面を、超仕上により粗さが
0.05Ra以下の平滑面としている。 上記各パワーローラの外側面に形成した上記スラス
ト転がり軸受の内輪軌道及び上記各トラニオンの内側面
に添設した外輪の内側面に形成した外輪軌道を、超仕上
により粗さが0.05Ra以下の平滑面としている。 上記スラスト転がり軸受の外輪を上記各トラニオン
の内側面に添設しており、上記各パワーローラの周面及
びこれら各パワーローラの外側面に形成した内輪軌道部
分に、硬度がHv550以上である硬化層を、これら各面
の表面から2〜4mmの範囲まで形成しており、上記外輪
の内側面に形成した外輪軌道部分に同様の硬化層を、表
面から0.7〜1.5mmの範囲まで形成している。
【0021】
【作用】上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段
変速機が入力側ディスクと出力側ディスクとの間で回転
力を伝達する際の作用、並びにこれら入力側ディスクと
出力側ディスクとの間の変速比を変える際の作用は、前
述した従来構造の場合と同様である。特に、本発明のト
ロイダル型無段変速機の場合には、パワーローラとこの
パワーローラに加わるスラスト荷重を支承するスラスト
転がり軸受とに関して、〜の要件を備えさせる事に
より、これらパワーローラ又はスラスト転がり軸受の耐
久性向上を図れる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のトロイダル型無
段変速機の要部である、パワーローラ8と、このパワー
ローラ8に加わるスラスト荷重を支承するスラスト転が
り軸受であるスラスト玉軸受32とを示している。この
スラスト玉軸受32は、上記パワーローラ8の外側面
(図1の上面)に形成した内輪軌道42と、トラニオン
6(図5〜8)の内側面に添設した外輪33の内側面
(図1の下面)に形成した外輪軌道43との間に、円輪
状の保持器44に保持された複数個の玉41、41を、
転動自在に設けて成る。そして、上記パワーローラ8の
周面8aを球面状の凸面として、この周面8aと入力
側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4a(図5
〜7)とを当接させて、これら両ディスク2、4同士の
間での動力伝達を自在とする。
【0023】上記パワーローラ8の表面は、熱処理によ
る硬化層を形成している(前述のの点)。又、このパ
ワーローラ8の内周面45と内側面46との連続部に
は、断面形状が四分の一円弧状の面取り部47を形成し
ている。この面取り部47の、上記パワーローラ8の軸
方向に亙る寸法L47は、このパワーローラ8全体の軸方
向寸法L8 の15%以下(L47≦0.15L8 )として
いる。又、この面取り部47は、上記パワーローラ8の
表面に、上記硬化層を形成した後に形成している。そし
て、この硬化層のうちの熱処理異常層は、上記面取り部
47で除去されている。尚、上記内周面45は、表面粗
さが0.2Ra以下の平滑面としている。
【0024】上記パワーローラ8の内側面内周縁部に、
上述の様な条件を満たす面取り部47を形成する事によ
り、トロイダル型無段変速機の運転時に上記パワーロー
ラ8に大きな曲げ応力が加わった場合でも、このパワー
ローラ8の内側面内周縁部に亀裂等の損傷を発生する事
を抑えられる。即ち、上記周面8a側2個所位置に加わ
る大きな押し付け力Fc に基づき、上記パワーローラ8
に曲げ応力が加わると、上記内側面内周縁部に大きな応
力(引っ張り応力)が集中する。一方、上記パワーロー
ラ8の表面を硬化させる為、高周波焼き入れ、浸炭焼き
入れ等の熱処理を施すと、上記内側面内周縁部に、内部
歪みを残したままの熱処理異常層が存在したままにな
る。この様な熱処理異常層が存在すると、上記曲げ応力
に伴う応力集中により、上記内側面内周縁部に亀裂等の
損傷が発生し、上記パワーローラ8が破断等の損傷を受
ける。
【0025】これに対して、上述の様に上記パワーロー
ラ8に熱処理を施した後、上記面取り部47を形成し
て、上記内側面内周縁部に存在する硬化層を除去し、こ
の硬化層部分に存在する上記熱処理異常層を除去してお
けば、上述の様な原因で上記パワーローラ8が破断等の
損傷を受ける事を防止できる。但し、上記面取り部47
を大きくし過ぎると、その分上記パワーローラ8の容積
が減少し、上記曲げ応力を受ける容積が小さくなって、
残り部分に加わる応力が大きくなり、やはり上記パワー
ローラ8の耐久性が損なわれる。本発明者が、上記パワ
ーローラ8全体の軸方向寸法L8 に対する上記面取り部
47の寸法L47を種々変える事により、この寸法L47
このパワーローラ8の耐久性に及ぼす影響を調べる実験
を行なったところ、次の表1及び図2に示す様な結果を
得た。この実験は、上記パワーローラ8全体の軸方向寸
法L8 を22mmとし、上記面取り部47の寸法L47
0.5〜5mmの範囲で変える事により、上記パワーロー
ラ8の破損に至るまでの時間を測定したものである。
【0026】
【表1】
【0027】この実験から、この面取り部47の、上記
パワーローラ8の軸方向に亙る寸法L47を、このパワー
ローラ8全体の軸方向寸法L8 の15%以下にすれば、
上記内側面内周縁部から生じる損傷に関して、上記パワ
ーローラ8の耐久性を十分に向上させられる事が分る。
但し、上記面取り部47の寸法L47は、上記硬化層のう
ち、少なくとも熱処理異常層を除去できるだけのもので
なければならない。
【0028】又は、上記パワーローラ8の表面に熱処理
による硬化層を形成しており、このパワーローラ8の内
周面45と内側面46との連続部(=上記内側面内周縁
部)に、上記硬化層を形成した後にショット・ピーニン
グを施している。そして、上記連続部に、このショット
・ピーニングに基づく圧縮残留応力を存在させている
(前述のの点)。
【0029】上述の様に、パワーローラ8の内周面45
と内側面46との連続部に圧縮残留応力を存在させる
と、トロイダル型無段変速機の運転時に、上記パワーロ
ーラ8に曲げ応力が加わっても、上記連続部から亀裂等
の損傷を発生する事がない。即ち、上記パワーローラ8
が上記連続部から破損する場合には、この連続部の一部
に大きな引っ張り応力が加わる事になる。これに対し
て、上述の様に上記連続部に圧縮残留応力を存在させれ
ば、この圧縮残留応力が上記引っ張り応力を相殺して、
上記亀裂等の損傷を発生しにくくできる。尚、ショット
・ピーニングにより上記連続部に残留させる圧縮応力
は、好ましくは20〜70kgf/mm2 程度、更に好ましく
は100kgf/mm2 程度にする。又、ショット・ピーニン
グを施すのは、トロイダル型無段変速機の運転時に(引
っ張り)応力が集中する上記連続部のみで良い。但し、
この連続部にショット・ピーニングを施すと、ラジアル
ニードル軸受31(図7〜8)の外輪軌道としての役目
を有する、上記内周面45が荒れる可能性がある。但
し、この内周面は、上記ショット・ピーニング処理後に
研削による仕上加工を施すので、ショット・ピーニング
により、上記ラジアルニードル軸受31の耐久性が損な
われる事はない。又、この様にショット・ピーニングに
より上記連続部に圧縮残留応力を存在させる場合には、
この連続部に上記熱処理後に上述の様な面取り部47を
形成する必要はない。但し、面取り部47の形成とショ
ット・ピーニングによる残留圧縮応力の付与との両方を
行なわせれば、より優れた耐久性を確保できる。
【0030】又、上記パワーローラ8の周面8aを、超
仕上により粗さが0.05Ra以下の平滑面としている
(前述のの点)。前述した通り上記周面8aは、入力
側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4aとの当
接部で、スピンしながら非常に大きな動力の伝達を行な
う。そして、この様なスピンに基づき、上記当接部が発
熱すると共にこの当接部に油膜が形成されにくくなる。
上記周面8aの転がり疲れ寿命を確保する為には、この
様な発熱を抑え、上記当接部に油膜が形成され易くする
必要がある。上述の様に、上記周面8aを平滑面とすれ
ば、上記油膜を形成し易くして、この周面8aの転がり
疲れ寿命を確保できる。
【0031】本発明者が、上記周面8aの表面粗さを種
々変える事により、この表面粗さが上記パワーローラ8
の耐久性に及ぼす影響を調べる実験を行なったところ、
次の表2及び図3に示す様な結果を得た。この実験は、
上記周面8aの表面粗さを0.01〜1.5Raの範囲で
変える事により、この周面8aが剥離するに至るまでの
時間を測定したものである。尚、上記表面粗さが0.0
1〜0.05Raのものは超仕上によるものを、同じく
0.7〜1.5Raのものは超仕上によらないものを、そ
れぞれ示している。
【0032】
【表2】
【0033】この実験から、上記周面の表面粗さを、超
仕上により0.05Ra以下にすれば、この周面8aが剥
離するまでに要する時間を長くして、上記パワーローラ
8の耐久性を十分に確保できる事が分る。
【0034】又、上記パワーローラ8の外側面に形成し
た前記上記スラスト転がり軸受の内輪軌道42及び前記
外輪33の内側面に形成した外輪軌道43を、超仕上に
より粗さが0.05Ra以下の平滑面としている。この様
に上記各軌道42、43を平滑面にする事により、これ
ら各軌道42、43と前記各玉41、41の転動面との
当接部に油膜が形成され易くして、これら各軌道42、
43と転動面との転がり疲れ寿命を確保する様にしてい
る。特に、本発明の対象となる様なハーフトロイダル型
のトロイダル型無段変速機の場合には、パワーローラ8
の周面8aに、図1に矢印で示す様な法線方向の押し付
け力Fc が加わり、この押し付け力Fのうちで上記パ
ワーローラ8の軸方向の分力が、上記パワーローラ8に
スラスト荷重として加わる。しかも、上記パワーローラ
8の回転速度は、トロイダル型無段変速機が増速側の場
合にはエンジンの回転速度よりも速くなり、10000
r.p.m.若しくはそれ以上に達する。従って、上記
各軌道42、43と前記各玉41、41の転動面との当
接部の潤滑条件は非常に厳しくなる。この様なハーフト
ロイダル型のトロイダル型無段変速機に組み込むスラス
ト玉軸受32特有の問題を解決する為、上述の様に上記
各軌道42、43を平滑にして上記各当接部に油膜を形
成し易くしている。そして、上記スラスト玉軸受32の
耐久性確保を図っている。
【0035】本発明者が、上記各軌道42、43の表面
粗さを種々変える事により、この表面粗さが上記スラス
ト玉軸受32の耐久性に及ぼす影響を調べる実験を行な
ったところ、次の表3及び図4に示す様な結果を得た。
この実験は、上記各軌道42、43の表面粗さを種々変
える事により、上記各軌道42、43が剥離するに至る
までの時間を測定したものである。尚、上記各軌道4
2、43を超仕上により加工したものは表面粗さが0.
01〜0.05Raであるが、超仕上によらないものは表
面粗さが0.7〜1.5Raと、超仕上によるものよりも
1桁程度粗かった。尚、上記スラスト玉軸受32の接触
角は90度とした。
【0036】
【表3】
【0037】この実験から、上記各軌道42、43の表
面粗さを、超仕上により0.05Ra以下にすれば、これ
ら各軌道が剥離するまでに要する時間を長くして、上記
スラスト玉軸受32の耐久性を十分に向上させられる事
が分る。
【0038】又、前記パワーローラ8の周面8a及びこ
のパワーローラ8の外側面に形成した内輪軌道42部分
に、硬度がHv550以上である硬化層を、これら各面の
表面から2〜4mmの範囲まで形成している。これに対し
て、上記スラスト玉軸受32を構成する外輪33の内側
面に形成した外輪軌道43部分に同様の硬化層を、表面
から0.7〜1.5mmの範囲まで形成している。前述し
た通り、本発明の対象となるハーフトロイダル型の無段
変速機の場合、各玉41、41の転動面と内輪軌道及び
外輪軌道との当接部に加わる接触面圧が非常に高くな
り、上記各玉41、41の転動面と内輪軌道及び外輪軌
道との当接部に存在する接触楕円の径が大きくなって、
最大剪断応力が達する深度が深くなる。又、前記各入力
側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4aと上記
パワーローラ8の周面8aとの当接部に存在する、径が
僅か数mmの接触楕円部分が、スピンしながら非常に大き
な動力の伝達を行なう。従って、上記各軌道42、43
及び周面8a部分の転がり疲れ寿命(剥離寿命)を確保
する為には、これら各軌道42、43及び周面8aの表
面部分の硬化層の厚さを、一般的なスラスト転がり軸受
に比べて大きくする必要がある。
【0039】一方、上記各接触楕円のうち、上記各玉4
1、41の転動面と内輪軌道及び外輪軌道との当接部に
存在する接触楕円の長径は3〜4mm程度であり、内側面
2a、4aと上記パワーローラ8の周面8aとの当接部
に存在する接触楕円の長径は10mm程度である。上記最
大剪断応力が達する深度は、接触楕円の径が大きくなる
程深くなる為、上記各軌道42、43及び周面8a部分
の転がり疲れ寿命を同程度にする為には、上記周面8a
の表面部分の硬化層を、上記各軌道42、43の表面部
分の硬化層よりも厚くする必要がある。このうち、周面
8aと内輪軌道42とは何れもパワーローラ8の表面に
存在する為、上記硬化層の厚さを変える事は面倒で現実
的ではない。これに対して、上記パワーローラ8に比べ
て薄肉の外輪33の内面に形成する外輪軌道43部分の
硬化層の厚さを大きくし過ぎると、硬化層以外の生の部
分の厚さが薄くなり、この外輪33の靱性を確保できな
くなって、この外輪33の疲労破壊強度が低下する。そ
こで、前述した通り、周面8a及び内輪軌道42部分の
硬化層の厚さを2〜4mmとし、外輪軌道43部分の硬化
層を0.7〜1.5mmとした。これにより、上記周面8
a及び内外両軌道42、43部分の転がり疲れ寿命の確
保と、上記外輪33の疲労破壊強度の確保とを両立させ
る事ができる。
【0040】
【発明の効果】本発明のトロイダル型無段変速機は、以
上に述べた通り構成され作用するので、パワーローラ又
はスラスト転がり軸受の耐久性を向上させて、これらパ
ワーローラ及びスラスト転がり軸受を組み込んだトロイ
ダル型無段変速機の耐久性向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトロイダル型無段変速機に組み込むパ
ワーローラとスラスト玉軸受とを示す断面図。
【図2】面取り部の寸法がパワーローラの耐久性に及ぼ
す影響を知る為に行なった実験の結果を示す棒グラフ。
【図3】パワーローラの周面の粗さがこの周面の寿命に
及ぼす影響を知る為に行なった実験の結果を示す棒グラ
フ。
【図4】スラスト玉軸受の軌道面の粗さがこの周面の寿
命に及ぼす影響を知る為に行なった実験の結果を示す棒
グラフ。
【図5】トロイダル型無段変速機の基本構成を、最大減
速時の状態で示す略側面図。
【図6】同じく最大増速時の状態で示す略側面図。
【図7】従来から知られている具体的構造の1例を示す
要部断面図。
【図8】図7のA−A断面図。
【符号の説明】
1 入力軸 2 入力側ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4 出力側ディスク 4a 内側面 5 枢軸 6 トラニオン 7 変位軸 8 パワーローラ 8a 周面 9 押圧装置 10 カム板 11 保持器 12 ローラ 13、14 カム面 15 入力軸 16 ニードル軸受 17 鍔部 18 出力歯車 19 キー 20 支持ポスト 21 円孔 22 ケーシング 23 シリンダケース 24a、24b 支持ピン 25 支持孔 26 外輪 27 ラジアルニードル軸受 28 支持軸部 29 枢支軸部 30 ラジアルニードル軸受 31 ラジアルニードル軸受 32 スラスト玉軸受 33 外輪 34 スラストニードル軸受 35 駆動ロッド 36 駆動ピストン 37 駆動シリンダ 38 支持壁 39 転がり軸受 40 円孔 41 玉 42 内輪軌道 43 外輪軌道 44 保持器 45 内周面 46 内側面 47 面取り部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 寛 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転自在に支持された入力軸と、この入
    力軸と共に回転自在な入力側ディスクと、この入力側デ
    ィスクと同心に配置され、且つこの入力側ディスクに対
    する回転自在に支持された出力側ディスクと、これら入
    力側、出力側両ディスクの軸方向に関してこれら両ディ
    スクの中間部に、これら両ディスクの軸方向に対し直角
    方向で且つこれら両ディスクの中心軸に対し捻れの位置
    に配置されて当該位置で揺動する複数のトラニオンと、
    これら各トラニオンに支持された変位軸に回転自在に支
    持され、入力側、出力側両ディスクの間に挟持された複
    数個のパワーローラと、これら各パワーローラの外側面
    と上記各トラニオンの内側面との間に設けたスラスト転
    がり軸受とから構成され、入力側、出力側両ディスクの
    互いに対向する内側面を、それぞれ断面が円弧形の凹面
    とし、上記各パワーローラの周面を球面状の凸面とし
    て、この周面と上記内側面とを当接させたトロイダル型
    無段変速機に於いて、次の〜のうちの少なくとも一
    つの条件を満たす事を特徴とするトロイダル型無段変速
    機。 上記各パワーローラの表面に熱処理による硬化層を
    形成しており、これら各パワーローラの内周面と内側面
    との連続部には、これら各パワーローラの軸方向に亙る
    寸法が、これら各パワーローラ全体の軸方向寸法の15
    %以下の面取り部が、上記硬化層を形成した後に形成さ
    れており、上記硬化層のうちの熱処理異常層はこの面取
    り部で除去されている。 上記パワーローラの表面に熱処理による硬化層を形
    成しており、このパワーローラの内周面と内側面との連
    続部には、上記硬化層を形成した後にショット・ピーニ
    ングが施されており、上記連続部にはこのショット・ピ
    ーニングに基づく圧縮残留応力が存在する。 上記各パワーローラの周面を、超仕上により粗さが
    0.05Ra以下の平滑面としている。 上記各パワーローラの外側面に形成した上記スラス
    ト転がり軸受の内輪軌道及び上記各トラニオンの内側面
    に添設した外輪の内側面に形成した外輪軌道を、超仕上
    により粗さが0.05Ra以下の平滑面としている。 上記スラスト転がり軸受の外輪を上記各トラニオン
    の内側面に添設しており、上記各パワーローラの周面及
    びこれら各パワーローラの外側面に形成した内輪軌道部
    分に、硬度がHv550以上である硬化層を、これら各面
    の表面から2〜4mmの範囲まで形成しており、上記外輪
    の内側面に形成した外輪軌道部分に同様の硬化層を、表
    面から0.7〜1.5mmの範囲まで形成している。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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