JPH11140235A - ゴム組成物 - Google Patents
ゴム組成物Info
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- JPH11140235A JPH11140235A JP31235397A JP31235397A JPH11140235A JP H11140235 A JPH11140235 A JP H11140235A JP 31235397 A JP31235397 A JP 31235397A JP 31235397 A JP31235397 A JP 31235397A JP H11140235 A JPH11140235 A JP H11140235A
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- rubber
- weight
- carbon black
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 加硫ゴムのtanδバランスの制御によりウ
ェットスキッド抵抗及び耐摩耗製に優れたゴム組成物を
得る。 【解決手段】 平均ガラス転移温度TgAが−110℃
〜−15℃の少なくとも1種の原料ゴム20〜80重量
部と、平均ガラス転移温度TgBがTgB≧TgA+1
0℃の範囲である少なくとも一種の原料ゴムB80〜2
0重量部との合計量100重量部に対して、シリカもし
くは変性シリカ0.1〜20%重量部を付着させた表面
処理カーボンブラック40〜120重量部を配合してな
るゴム組成物。
ェットスキッド抵抗及び耐摩耗製に優れたゴム組成物を
得る。 【解決手段】 平均ガラス転移温度TgAが−110℃
〜−15℃の少なくとも1種の原料ゴム20〜80重量
部と、平均ガラス転移温度TgBがTgB≧TgA+1
0℃の範囲である少なくとも一種の原料ゴムB80〜2
0重量部との合計量100重量部に対して、シリカもし
くは変性シリカ0.1〜20%重量部を付着させた表面
処理カーボンブラック40〜120重量部を配合してな
るゴム組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリカ表面処理カー
ボンブラック含有ゴム組成物に関し、更に詳しくは平均
ガラス転移温度Tgの異なる二群の原料ゴムA及びBに
シリカ表面処理カーボンブラックを配合してtanδの
バランスが改良され、耐摩耗性及びウェットスキッド抵
抗に優れたタイヤ用として有用なゴム組成物に関する。
ここで言うtanδバランスとは、0℃のtanδを6
0℃のtanδで割った値(勾配)で示されるものであ
る。つまり、ウェットスキッド抵抗性の尺度である0℃
付近のtanδと転がり抵抗の尺度である60℃付近の
tanδの比であり、この値が大きくなる程、tanδ
の温度依存性が大きくなることで、高ウェットスキッド
抵抗性と低転がり抵抗性が両立されることになる。
ボンブラック含有ゴム組成物に関し、更に詳しくは平均
ガラス転移温度Tgの異なる二群の原料ゴムA及びBに
シリカ表面処理カーボンブラックを配合してtanδの
バランスが改良され、耐摩耗性及びウェットスキッド抵
抗に優れたタイヤ用として有用なゴム組成物に関する。
ここで言うtanδバランスとは、0℃のtanδを6
0℃のtanδで割った値(勾配)で示されるものであ
る。つまり、ウェットスキッド抵抗性の尺度である0℃
付近のtanδと転がり抵抗の尺度である60℃付近の
tanδの比であり、この値が大きくなる程、tanδ
の温度依存性が大きくなることで、高ウェットスキッド
抵抗性と低転がり抵抗性が両立されることになる。
【0002】
【従来の技術】自動車の低燃費化、その他のためにタイ
ヤトレッドゴムのtanδのバランスを改良することが
提案されており、具体的にはカーボンブラックの改良や
シリカ配合、配合成分組合せや分割混合、更には末端変
性ゴムの使用等が提案されている。
ヤトレッドゴムのtanδのバランスを改良することが
提案されており、具体的にはカーボンブラックの改良や
シリカ配合、配合成分組合せや分割混合、更には末端変
性ゴムの使用等が提案されている。
【0003】例えば、特開平3−239137号公報に
は、溶液重合法SBR又はこれとジエン系ゴムとのブレ
ンドゴムにシリカ充填剤を配合することが提案されてい
る。又、特開平3−252431号公報には溶液重合法
SBR又はこれとジエン系ゴムとのブレンドゴムにシリ
カ充填剤及びシランカップリング剤を配合することが提
案されている。又、特開昭59−159839号公報に
は、スチレン含有量の異なるSBR及びBRを乾式混合
したゴム組成物が、特開平2−129241号公報には
末端変性/カップリングゴムを溶液中でカーボンブラッ
クと混合し、その後にジエン系ゴムを配合するゴム組成
物の製造方法が記載されている。特開昭58−1520
31号公報には、SBRとBRから成るマスターバッチ
が開示されており、更に特開昭57−00430号公報
には高分子量ゴムと低分子量ゴムとを分割混合してゴム
組成物を製造することが提案されている。また、特開平
8−269243号公報には、高ガラス転移点SBRと
予めカーボンブラックを含む低ガラス転移点SBRマス
ターバッチとブレンドすることが開示されており、特開
平8−319377号公報にはSBRの油展ゴムとその
ゴム成分よりガラス転移温度の高いSBRのカーボンブ
ラックマスターバッチとを一定の条件でブレンドするこ
とが開示されており、更に特開平8−302029号公
報には、ジエン系合成ゴムのカーボンブラックマスター
バッチに、天然ゴムと残部のカーボンブラックを混合す
ることが記載されている。
は、溶液重合法SBR又はこれとジエン系ゴムとのブレ
ンドゴムにシリカ充填剤を配合することが提案されてい
る。又、特開平3−252431号公報には溶液重合法
SBR又はこれとジエン系ゴムとのブレンドゴムにシリ
カ充填剤及びシランカップリング剤を配合することが提
案されている。又、特開昭59−159839号公報に
は、スチレン含有量の異なるSBR及びBRを乾式混合
したゴム組成物が、特開平2−129241号公報には
末端変性/カップリングゴムを溶液中でカーボンブラッ
クと混合し、その後にジエン系ゴムを配合するゴム組成
物の製造方法が記載されている。特開昭58−1520
31号公報には、SBRとBRから成るマスターバッチ
が開示されており、更に特開昭57−00430号公報
には高分子量ゴムと低分子量ゴムとを分割混合してゴム
組成物を製造することが提案されている。また、特開平
8−269243号公報には、高ガラス転移点SBRと
予めカーボンブラックを含む低ガラス転移点SBRマス
ターバッチとブレンドすることが開示されており、特開
平8−319377号公報にはSBRの油展ゴムとその
ゴム成分よりガラス転移温度の高いSBRのカーボンブ
ラックマスターバッチとを一定の条件でブレンドするこ
とが開示されており、更に特開平8−302029号公
報には、ジエン系合成ゴムのカーボンブラックマスター
バッチに、天然ゴムと残部のカーボンブラックを混合す
ることが記載されている。
【0004】しかしながら、シリカ充填剤は自己凝集性
が高いのでゴム中の分散が容易でなく、そのために加工
性が劣るという問題がある。更に、シリカ充填剤は非導
電性であるため、カーボンブラック等の導電性のフィラ
ーを併用せずに単独に、例えばタイヤトレッド用コンパ
ウンドに使用した時に、路面への静電気の流入が十分で
なくなり、その結果、放電による自動車内電子機器への
障害の恐れがある。また、前記した配合成分の分割混合
法や末端変性ゴムの使用などの技術は、例えばオイル及
びカーボンブラックの高配合系においては効果がうすい
などの問題があり、依然としてその改善が求められてい
る。またTgの異なるゴムポリマーにカーボンブラック
を偏在させる手法として分割混合する方法が提案されて
いるが、この方法には混合ステップの増加及び加工性の
悪化という問題がある。更にマスターバッチの場合に
は、従来のマスターバッチではカーボンブラックも同時
に配合する必要があり、所望の効果は得られない。
が高いのでゴム中の分散が容易でなく、そのために加工
性が劣るという問題がある。更に、シリカ充填剤は非導
電性であるため、カーボンブラック等の導電性のフィラ
ーを併用せずに単独に、例えばタイヤトレッド用コンパ
ウンドに使用した時に、路面への静電気の流入が十分で
なくなり、その結果、放電による自動車内電子機器への
障害の恐れがある。また、前記した配合成分の分割混合
法や末端変性ゴムの使用などの技術は、例えばオイル及
びカーボンブラックの高配合系においては効果がうすい
などの問題があり、依然としてその改善が求められてい
る。またTgの異なるゴムポリマーにカーボンブラック
を偏在させる手法として分割混合する方法が提案されて
いるが、この方法には混合ステップの増加及び加工性の
悪化という問題がある。更にマスターバッチの場合に
は、従来のマスターバッチではカーボンブラックも同時
に配合する必要があり、所望の効果は得られない。
【0005】かかる状況下に、本発明者らは、先きに、
平均ガラス転移温度の異なる二群の原料ゴムを特定の表
面処理カーボンブラックと一定の条件下に混合して、加
硫ゴムのtanδバランスに優れ、高グリップ性能と低
発熱性のバランスを維持又は改良しつつ、耐摩耗性を改
良したタイヤトレッド用として好適に用いることのでき
るゴム組成物を提示した。
平均ガラス転移温度の異なる二群の原料ゴムを特定の表
面処理カーボンブラックと一定の条件下に混合して、加
硫ゴムのtanδバランスに優れ、高グリップ性能と低
発熱性のバランスを維持又は改良しつつ、耐摩耗性を改
良したタイヤトレッド用として好適に用いることのでき
るゴム組成物を提示した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は加硫
ゴムのtanδバランスを制御することにより、ウェッ
トスキッド抵抗及び耐摩耗性に優れたタイヤ用とした好
適に用いることのできるゴム組成物を提供することを目
的とする。
ゴムのtanδバランスを制御することにより、ウェッ
トスキッド抵抗及び耐摩耗性に優れたタイヤ用とした好
適に用いることのできるゴム組成物を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、平均ガ
ラス転移温度TgAが−110℃〜−15℃の少なくと
も1種の原料ゴム20〜80重量部と、平均ガラス転移
温度TgBがTgB≧TgA+10℃の範囲である少な
くとも一種の原料ゴムB80〜20重量部との合計量1
00重量部に対して、シリカもしくは変性シリカ0.1
〜20%重量部を付着させた表面処理カーボンブラック
40〜120重量部を配合してなるゴム組成物が提供さ
れる。
ラス転移温度TgAが−110℃〜−15℃の少なくと
も1種の原料ゴム20〜80重量部と、平均ガラス転移
温度TgBがTgB≧TgA+10℃の範囲である少な
くとも一種の原料ゴムB80〜20重量部との合計量1
00重量部に対して、シリカもしくは変性シリカ0.1
〜20%重量部を付着させた表面処理カーボンブラック
40〜120重量部を配合してなるゴム組成物が提供さ
れる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成及び作用効果
について詳しく説明する。本発明は、通常のカーボンブ
ラックに代えてシリカ(珪酸)又は有機シラン化合物で
表面処理したカーボンブラックを用い、かかる表面処理
カーボンブラックが原料ゴムのミクロ構造の違いにより
混合時の取り込まれ方が異なることを利用してtanδ
バランスを制御して所望のゴム組成物を得ることに成功
した。更に具体的には、特定のミクロ構造を持ち、Tg
Aが−110℃〜−15℃の原料ゴムAと、原料ゴムA
とは異なるミクロ構造を有しTgB≧TgA+10℃の
関係にあるガラス転移温度TgBを有する原料ゴムBと
にシリカ(珪酸)又は有機シラン化合物で表面処理した
カーボンブラックを配合することによって所望のtan
δバランスを有するゴム組成物が得られる。
について詳しく説明する。本発明は、通常のカーボンブ
ラックに代えてシリカ(珪酸)又は有機シラン化合物で
表面処理したカーボンブラックを用い、かかる表面処理
カーボンブラックが原料ゴムのミクロ構造の違いにより
混合時の取り込まれ方が異なることを利用してtanδ
バランスを制御して所望のゴム組成物を得ることに成功
した。更に具体的には、特定のミクロ構造を持ち、Tg
Aが−110℃〜−15℃の原料ゴムAと、原料ゴムA
とは異なるミクロ構造を有しTgB≧TgA+10℃の
関係にあるガラス転移温度TgBを有する原料ゴムBと
にシリカ(珪酸)又は有機シラン化合物で表面処理した
カーボンブラックを配合することによって所望のtan
δバランスを有するゴム組成物が得られる。
【0009】更に説明すれば、Tgの異なる原料ゴムを
ブレンドした場合、その状態は相溶・部分相溶・非相溶
いずれかの状態を採りうる。その時のtanδの温度分
散曲線は図1に示すような形を採る。この時、非相溶→
部分相溶→相溶と変化するに従って、それぞれの原料ゴ
ムのTgはシフトし、低Tg側原料ゴムのtanδピー
ク温度は高Tg側に、高Tg側原料ゴムのそれは低Tg
側に移動する。本発明者らは、この相分離・相溶の過程
をカーボンブラックなどのフィラーの取り込ませ方で制
御でき、且つ、そのTgシフトがフィラー偏在効果の目
安となることを見出した。つまり、低Tg側原料ゴム側
に偏在させることで、高Tg側原料ゴムと非相溶化し、
tanδピーク温度が高温側にシフトすることを見出し
た。また、低Tg側原料ゴムにフィラーを取り込ませ
て、高Tg側原料ゴムのフィラーからの相互作用を低減
させることによって、高Tg側原料ゴムのtanδ曲線
ピークがシャープになることも発見した。これらの2つ
の知見を組み合わせることで、図2に示すように低Tg
側原料ゴムにフィラーを偏在させることで、高Tg側原
料ゴムのtanδ曲線ピークがシャープで且つ高温側に
シフトした形を採り、0℃付近/60℃付近のtanδ
バランスを大幅に改良することができる。
ブレンドした場合、その状態は相溶・部分相溶・非相溶
いずれかの状態を採りうる。その時のtanδの温度分
散曲線は図1に示すような形を採る。この時、非相溶→
部分相溶→相溶と変化するに従って、それぞれの原料ゴ
ムのTgはシフトし、低Tg側原料ゴムのtanδピー
ク温度は高Tg側に、高Tg側原料ゴムのそれは低Tg
側に移動する。本発明者らは、この相分離・相溶の過程
をカーボンブラックなどのフィラーの取り込ませ方で制
御でき、且つ、そのTgシフトがフィラー偏在効果の目
安となることを見出した。つまり、低Tg側原料ゴム側
に偏在させることで、高Tg側原料ゴムと非相溶化し、
tanδピーク温度が高温側にシフトすることを見出し
た。また、低Tg側原料ゴムにフィラーを取り込ませ
て、高Tg側原料ゴムのフィラーからの相互作用を低減
させることによって、高Tg側原料ゴムのtanδ曲線
ピークがシャープになることも発見した。これらの2つ
の知見を組み合わせることで、図2に示すように低Tg
側原料ゴムにフィラーを偏在させることで、高Tg側原
料ゴムのtanδ曲線ピークがシャープで且つ高温側に
シフトした形を採り、0℃付近/60℃付近のtanδ
バランスを大幅に改良することができる。
【0010】通常のカーボンブラックに比べて、シリカ
(珪酸)又は有機シラン化合物で処理したカーボンブラ
ックはミクロ構造の違いによりゴムとの混合時の取り込
まれ方が異なる。ある特定の原料ゴムの組み合わせで表
面処理カーボンブラックを使用した場合、特定のミクロ
構造を有する原料ゴム側に表面処理カーボンブラックが
偏在し、別のミクロ構造を有する原料ゴム側には相互作
用を及ぼさなくなる。比較的Tgが低いゴムと高いゴム
とのブレンドの場合、低Tg側が表面処理カーボンブラ
ックが取り込み易いミクロ構造であり、高Tg側が取り
込みにくいミクロ構造であれば、表面処理カーボンを配
合すると自動的に低Tg側原料ゴム側に偏在し、高Tg
側原料ゴムに相互作用を及ぼさず、−10℃〜60℃付
近のtanδ曲線が純ゴムに近いものが得られて、ta
nδバランスが改良される。本発明はかかる知見に基づ
いてなされたものである。
(珪酸)又は有機シラン化合物で処理したカーボンブラ
ックはミクロ構造の違いによりゴムとの混合時の取り込
まれ方が異なる。ある特定の原料ゴムの組み合わせで表
面処理カーボンブラックを使用した場合、特定のミクロ
構造を有する原料ゴム側に表面処理カーボンブラックが
偏在し、別のミクロ構造を有する原料ゴム側には相互作
用を及ぼさなくなる。比較的Tgが低いゴムと高いゴム
とのブレンドの場合、低Tg側が表面処理カーボンブラ
ックが取り込み易いミクロ構造であり、高Tg側が取り
込みにくいミクロ構造であれば、表面処理カーボンを配
合すると自動的に低Tg側原料ゴム側に偏在し、高Tg
側原料ゴムに相互作用を及ぼさず、−10℃〜60℃付
近のtanδ曲線が純ゴムに近いものが得られて、ta
nδバランスが改良される。本発明はかかる知見に基づ
いてなされたものである。
【0011】本発明において原料ゴムAとして用いられ
るゴムは、平均ガラス転移温度TgAが−110℃〜−
15℃、好ましくは−110℃〜−30℃の天然ゴム
(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、各種ポリブタ
ジエンゴム(BR)、スチレン−ブダジエン共重合体ゴ
ム(SBR)、スチレン−ブタジエン−イソプレン共重
体(SBIR)などをあげることができ、なお、これら
の原料ゴムAは単独又は任意の混合物として使用するこ
とができる。原料ゴムAの配合量は全ゴム量100重量
部当り20〜80重量部、好ましくは30〜70重量部
であり、この配合量が多過ぎると0℃付近のtanδを
上昇させる高Tg側原料ゴムBの量が少なくなり所望の
効果が得られず好ましくなく、逆に少な過ぎるとフィラ
ーが偏在すべき原料ゴム成分Aの量が減ることで、充分
な偏在効果が得られず、所望の効果が得られないので好
ましくない。
るゴムは、平均ガラス転移温度TgAが−110℃〜−
15℃、好ましくは−110℃〜−30℃の天然ゴム
(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、各種ポリブタ
ジエンゴム(BR)、スチレン−ブダジエン共重合体ゴ
ム(SBR)、スチレン−ブタジエン−イソプレン共重
体(SBIR)などをあげることができ、なお、これら
の原料ゴムAは単独又は任意の混合物として使用するこ
とができる。原料ゴムAの配合量は全ゴム量100重量
部当り20〜80重量部、好ましくは30〜70重量部
であり、この配合量が多過ぎると0℃付近のtanδを
上昇させる高Tg側原料ゴムBの量が少なくなり所望の
効果が得られず好ましくなく、逆に少な過ぎるとフィラ
ーが偏在すべき原料ゴム成分Aの量が減ることで、充分
な偏在効果が得られず、所望の効果が得られないので好
ましくない。
【0012】原料ゴムAとして用いられる合成ゴムは溶
液重合したゴムが好ましく、特にSBRを用いるときは
スチレン含有量が好ましくは30重量%以下、更に好ま
しくは15〜30重量%でブタジエン部分中のトランス
部分が好ましくは70モル%以下、更に好ましくは20
〜60モル%であるのがよい。また、原料ゴムAとして
は、前記要件を満たす範囲内で例えば上記ゴムの合成末
端のアルカリ金属(例えばLi)やアルカリ土類金属
(例えばMg)をN,N′−ジエチルホルムアミド、
N,N′−ジメチルアセトアミド、N,N′−メチルベ
ンズアミドなどのアミド類、N,N′−ジメチルエチレ
ン尿素などの尿素類、ε−カプロラクタム、N−メチル
−ε−カプロラクタム、N−メチル−ε−2−ピロリド
ン、N−ビニル−ε−2−ピロリドンなどのラクタム類
など特開昭61−103904号公報に記載の化合物、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ
メチルエチレンチオウレアなどの特開昭61−2687
02号公報に記載の化合物と反応させて、末端を変性し
たり、例えば、ゴムの分子末端のアルカリ金属やアルカ
リ土類金属又は上記方法で末端変性された合成ゴムの残
存末端アルカリ金属やアルカリ土類金属を例えばハロゲ
ン化スズもしくはハロゲン化珪素などでカップリング処
理した末端変性/カップリング処理された原料ゴムを用
いることもできる。かかるゴムの末端変性やカップリン
グ処理は当業界で公知の技術である。
液重合したゴムが好ましく、特にSBRを用いるときは
スチレン含有量が好ましくは30重量%以下、更に好ま
しくは15〜30重量%でブタジエン部分中のトランス
部分が好ましくは70モル%以下、更に好ましくは20
〜60モル%であるのがよい。また、原料ゴムAとして
は、前記要件を満たす範囲内で例えば上記ゴムの合成末
端のアルカリ金属(例えばLi)やアルカリ土類金属
(例えばMg)をN,N′−ジエチルホルムアミド、
N,N′−ジメチルアセトアミド、N,N′−メチルベ
ンズアミドなどのアミド類、N,N′−ジメチルエチレ
ン尿素などの尿素類、ε−カプロラクタム、N−メチル
−ε−カプロラクタム、N−メチル−ε−2−ピロリド
ン、N−ビニル−ε−2−ピロリドンなどのラクタム類
など特開昭61−103904号公報に記載の化合物、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ
メチルエチレンチオウレアなどの特開昭61−2687
02号公報に記載の化合物と反応させて、末端を変性し
たり、例えば、ゴムの分子末端のアルカリ金属やアルカ
リ土類金属又は上記方法で末端変性された合成ゴムの残
存末端アルカリ金属やアルカリ土類金属を例えばハロゲ
ン化スズもしくはハロゲン化珪素などでカップリング処
理した末端変性/カップリング処理された原料ゴムを用
いることもできる。かかるゴムの末端変性やカップリン
グ処理は当業界で公知の技術である。
【0013】本発明において原料ゴムBとして用いられ
るゴムは、ガラス転移温度TgBがTgB≧TgA+1
0℃、好ましくは−15℃≧TgB≧TgA+10℃の
範囲にあるスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SB
R)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体(S
IBR)、ブタジエン重合体(BR)、ポリイソプレ
ン、天然ゴムなどをあげることができ、好ましくはSB
Rである。SBRなどとしては乳化重合されたものが好
ましく、好ましいSBRとしてはスチレン含有量が20
重量%以上、更に好ましくは20〜50重量%のもので
ある。TgBの値が上記範囲外の場合にはフィラー偏在
による効果が薄れるので好ましくない。
るゴムは、ガラス転移温度TgBがTgB≧TgA+1
0℃、好ましくは−15℃≧TgB≧TgA+10℃の
範囲にあるスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SB
R)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体(S
IBR)、ブタジエン重合体(BR)、ポリイソプレ
ン、天然ゴムなどをあげることができ、好ましくはSB
Rである。SBRなどとしては乳化重合されたものが好
ましく、好ましいSBRとしてはスチレン含有量が20
重量%以上、更に好ましくは20〜50重量%のもので
ある。TgBの値が上記範囲外の場合にはフィラー偏在
による効果が薄れるので好ましくない。
【0014】原料ゴムBの配合量は全ゴム量100重量
部当り80〜20重量部、好ましくは70〜30重量部
であり、この配合量が多過ぎるとフィラーが偏在すべき
原料ゴム成分Aの量が減ることで充分な偏在効果が得ら
れず、所望の効果が得られないので好ましくなく、逆
に、少な過ぎると0℃付近のtanδを上昇させる高T
g側原料ゴムBの量が少なくなり所望の効果が得られな
いので好ましくない。
部当り80〜20重量部、好ましくは70〜30重量部
であり、この配合量が多過ぎるとフィラーが偏在すべき
原料ゴム成分Aの量が減ることで充分な偏在効果が得ら
れず、所望の効果が得られないので好ましくなく、逆
に、少な過ぎると0℃付近のtanδを上昇させる高T
g側原料ゴムBの量が少なくなり所望の効果が得られな
いので好ましくない。
【0015】本発明のゴム組成物に配合される表面処理
カーボンブラックはタイヤ用、その他のゴム組成物に補
強用として一般的に配合されているカーボンブラックの
表面に任意の方法でシリカ(珪酸)もしくは変性シリカ
0.1〜20重量%、好ましくは1.0〜10重量%付
着させたもので、この付着量が少な過ぎると特定の原料
ゴム成分側へのフィラーの偏在効果が低下するのと同時
に、高温域(40℃以降)のtanδが上昇してしまう
ので好ましくなく、逆に多過ぎると導電性が低下してし
まうとともに、充填剤の凝集力が強くなり混練中に大き
な不良分散が発生するので好ましくない。
カーボンブラックはタイヤ用、その他のゴム組成物に補
強用として一般的に配合されているカーボンブラックの
表面に任意の方法でシリカ(珪酸)もしくは変性シリカ
0.1〜20重量%、好ましくは1.0〜10重量%付
着させたもので、この付着量が少な過ぎると特定の原料
ゴム成分側へのフィラーの偏在効果が低下するのと同時
に、高温域(40℃以降)のtanδが上昇してしまう
ので好ましくなく、逆に多過ぎると導電性が低下してし
まうとともに、充填剤の凝集力が強くなり混練中に大き
な不良分散が発生するので好ましくない。
【0016】カーボンブラックの表面にシリカ又は変性
シリカを付着させる方法には特に限定はないが、例えば
まずオイルファーネス法等でカーボンブラックを製造し
たのちに、ホワイトカーボンを生成させる雰囲気中に投
入し、カーボンブラック表面にシリカを付着させること
により製造される。一例としては、特開昭63−637
55号公報のごとく、カーボンブラックを水中に分散さ
せ、pHを6以上に調節し、温度を70℃以上に保ちなが
ら、例えば水ガラス(ケイ酸ナトリウム)を加水分解さ
せ、カーボンブラック粒子表面上に無定形シリカを付着
又は沈積させることによって製造することができる。ま
た、コロイダルシリカを用いて、例えばコロイダルシリ
カ(コロイダルシリカスラリーとしては塩基性に安定化
され含有されるシリカ粒子の直径は1nm〜100nmが好
ましく、更に好ましくは5〜80nmで、ナトリウムイオ
ンの含有量がN2 O換算で1.0重量%以下が好まし
い。)を通常のカーボンブラックの製造に使用される造
粒工程(連続式又は、バッチ式のいずれでもよい)の
前、または造粒中に添加して製造するが、その際通常は
シリカ濃度が5000ppm 以下、好ましくは2500pp
m 〜5000ppm のコロイダルシリカをカーボンブラッ
ク供給量の50〜1000重量%用意し添加し、適当な
温度(例えば60〜700℃)で造粒することによって
カーボンブラック粒子の表面上にシリカを付着又は沈積
させることができる。また、設備の保護、表面処理カー
ボンブラックのpH調整のため、上記コロイダルシリカに
酸(例えば硫酸、塩酸など)を添加して中性域にして添
加しても良い。更に、アルコキシ基、アシルオキシ基、
シラノール基などの置換基を少なくとも一個有するシリ
コン化合物を用いて、例えばカーボンブラックの造粒工
程においてこれらを添加するのが好ましい。特に200
℃以下で湿式造粒、つまりカーボンブラックと同量程度
の造粒水中に上記シリコン化合物を添加することによっ
てカーボンブラック粒子の表面上にシリカを付着又は沈
積させることができる。更に好ましくは、シリコン化合
物(例えば全ての有機基が酸素を介して珪素に結合して
いるシラン及び/又はポリシロキサン)をノニオン系界
面活性剤等で造粒水中に乳化分散させ、添加する方法が
用いられる。その他、任意の方法でカーボンブラックの
表面にシリカ(SiO2 )又は変性シリカを付着させた
ものも本発明において使用することができる。
シリカを付着させる方法には特に限定はないが、例えば
まずオイルファーネス法等でカーボンブラックを製造し
たのちに、ホワイトカーボンを生成させる雰囲気中に投
入し、カーボンブラック表面にシリカを付着させること
により製造される。一例としては、特開昭63−637
55号公報のごとく、カーボンブラックを水中に分散さ
せ、pHを6以上に調節し、温度を70℃以上に保ちなが
ら、例えば水ガラス(ケイ酸ナトリウム)を加水分解さ
せ、カーボンブラック粒子表面上に無定形シリカを付着
又は沈積させることによって製造することができる。ま
た、コロイダルシリカを用いて、例えばコロイダルシリ
カ(コロイダルシリカスラリーとしては塩基性に安定化
され含有されるシリカ粒子の直径は1nm〜100nmが好
ましく、更に好ましくは5〜80nmで、ナトリウムイオ
ンの含有量がN2 O換算で1.0重量%以下が好まし
い。)を通常のカーボンブラックの製造に使用される造
粒工程(連続式又は、バッチ式のいずれでもよい)の
前、または造粒中に添加して製造するが、その際通常は
シリカ濃度が5000ppm 以下、好ましくは2500pp
m 〜5000ppm のコロイダルシリカをカーボンブラッ
ク供給量の50〜1000重量%用意し添加し、適当な
温度(例えば60〜700℃)で造粒することによって
カーボンブラック粒子の表面上にシリカを付着又は沈積
させることができる。また、設備の保護、表面処理カー
ボンブラックのpH調整のため、上記コロイダルシリカに
酸(例えば硫酸、塩酸など)を添加して中性域にして添
加しても良い。更に、アルコキシ基、アシルオキシ基、
シラノール基などの置換基を少なくとも一個有するシリ
コン化合物を用いて、例えばカーボンブラックの造粒工
程においてこれらを添加するのが好ましい。特に200
℃以下で湿式造粒、つまりカーボンブラックと同量程度
の造粒水中に上記シリコン化合物を添加することによっ
てカーボンブラック粒子の表面上にシリカを付着又は沈
積させることができる。更に好ましくは、シリコン化合
物(例えば全ての有機基が酸素を介して珪素に結合して
いるシラン及び/又はポリシロキサン)をノニオン系界
面活性剤等で造粒水中に乳化分散させ、添加する方法が
用いられる。その他、任意の方法でカーボンブラックの
表面にシリカ(SiO2 )又は変性シリカを付着させた
ものも本発明において使用することができる。
【0017】本発明に従えば、前記のシリカもしくは変
性シリカを表面に付着させた表面処理カーボンブラック
はゴム量100重量部に対し、40〜120重量部、好
ましくは45〜100重量部配合される。この配合量が
少な過ぎるとゴム物性(例えば引張り強度、耐摩耗性、
硬度等)が低下し、工業製品として不適なので好ましく
なく、逆に多過ぎるとゴム加工性が悪化するので好まし
くない。
性シリカを表面に付着させた表面処理カーボンブラック
はゴム量100重量部に対し、40〜120重量部、好
ましくは45〜100重量部配合される。この配合量が
少な過ぎるとゴム物性(例えば引張り強度、耐摩耗性、
硬度等)が低下し、工業製品として不適なので好ましく
なく、逆に多過ぎるとゴム加工性が悪化するので好まし
くない。
【0018】本発明に係るシリカ又は変性シリカ表面処
理カーボンブラックの特性には特に限定はないが、好ま
しくは窒素比表面積(N2 SA)が90〜250m2 /
g、更に好ましくは90〜200m2 /gで、DBP吸
油量が90〜180ml/100gである。カーボンブラ
ックの窒素比表面積の値が低く過ぎると、耐摩耗性、引
張り強度が低下するので好ましくなく、逆に高すぎると
ゴム加工性が悪化する。
理カーボンブラックの特性には特に限定はないが、好ま
しくは窒素比表面積(N2 SA)が90〜250m2 /
g、更に好ましくは90〜200m2 /gで、DBP吸
油量が90〜180ml/100gである。カーボンブラ
ックの窒素比表面積の値が低く過ぎると、耐摩耗性、引
張り強度が低下するので好ましくなく、逆に高すぎると
ゴム加工性が悪化する。
【0019】本発明の好ましい態様に従えば、前記ゴム
組成物に更にシリカを表面に付着させたカーボンブラッ
クの重量に対し20重量%以下のシランカップリング剤
を配合することができる。シランカップリング剤の配合
量が20重量%を超えて配合しても特に物性上の改良が
ないだけでなく、コストの上昇やスコーチタイムの短縮
などがあり好ましくない。本発明の好ましい態様におい
て使用することができるシランカップリング剤として
は、従来ゴム組成物中にシリカ充填剤と一緒に配合され
ている任意のシランカップリング剤を配合することがで
きる。そのようなシランカップリング剤としては、例え
ば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メ
トキシエトキシ)シラン、β−(3,4エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチル
ジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエ
トキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミ
ノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、ビス−(3−〔トリエトキシシリル〕−プロピ
ル)−テトラサルファンなどを挙げることができる。
組成物に更にシリカを表面に付着させたカーボンブラッ
クの重量に対し20重量%以下のシランカップリング剤
を配合することができる。シランカップリング剤の配合
量が20重量%を超えて配合しても特に物性上の改良が
ないだけでなく、コストの上昇やスコーチタイムの短縮
などがあり好ましくない。本発明の好ましい態様におい
て使用することができるシランカップリング剤として
は、従来ゴム組成物中にシリカ充填剤と一緒に配合され
ている任意のシランカップリング剤を配合することがで
きる。そのようなシランカップリング剤としては、例え
ば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メ
トキシエトキシ)シラン、β−(3,4エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチル
ジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエ
トキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミ
ノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、ビス−(3−〔トリエトキシシリル〕−プロピ
ル)−テトラサルファンなどを挙げることができる。
【0020】前記ゴム組成物には、前記ゴム、シリカ又
は変性シリカ表面カーボンブラック、シランカップリン
グ剤などに加えて、ゴム工業で通常使用される任意の配
合剤、例えば硫黄、有機過酸化物、軟化剤、老化防止
剤、加硫促進剤、充填剤、可塑剤、等を必要に応じて、
通常の配合量の範囲で適宜配合することができる。
は変性シリカ表面カーボンブラック、シランカップリン
グ剤などに加えて、ゴム工業で通常使用される任意の配
合剤、例えば硫黄、有機過酸化物、軟化剤、老化防止
剤、加硫促進剤、充填剤、可塑剤、等を必要に応じて、
通常の配合量の範囲で適宜配合することができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に説明する
が、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでな
いことは言うまでもない。なお、以下の例において用い
た加硫物性の評価方法は以下の通りである。
が、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでな
いことは言うまでもない。なお、以下の例において用い
た加硫物性の評価方法は以下の通りである。
【0022】1)tanδ(0℃又は60℃) (株)東洋精機製作所製、粘弾製スペクトロメータを用
いて、幅5mmの試料片で振幅±2%、周波数20Hz、静
歪み10%の条件で温度0℃又は60℃において測定し
た。なお粘弾製温度分散測定でのtanδ曲線の最大ピ
ーク時温度は、上記と同形状のサンプルを振幅±0.5
%、周波数20Hz、静歪み10%の条件で、−100℃
〜100℃の範囲と昇温速度5(℃/分)で2℃おきに
測定して得られたtanδ曲線の最大ピーク値を読み取
り、その時の温度を誤差±0.2の範囲で読み取った。
(2ピークの場合、高Tg側のピークを読んだ。)
いて、幅5mmの試料片で振幅±2%、周波数20Hz、静
歪み10%の条件で温度0℃又は60℃において測定し
た。なお粘弾製温度分散測定でのtanδ曲線の最大ピ
ーク時温度は、上記と同形状のサンプルを振幅±0.5
%、周波数20Hz、静歪み10%の条件で、−100℃
〜100℃の範囲と昇温速度5(℃/分)で2℃おきに
測定して得られたtanδ曲線の最大ピーク値を読み取
り、その時の温度を誤差±0.2の範囲で読み取った。
(2ピークの場合、高Tg側のピークを読んだ。)
【0023】2)ウェットスキッド抵抗 英ロスタンレー社製ピータブルスキッドテスターを用い
て測定、標準例1又は2の値を100として指数表示
(この値が大きいほど湿潤路面での制動性及びグリップ
力に優れる。
て測定、標準例1又は2の値を100として指数表示
(この値が大きいほど湿潤路面での制動性及びグリップ
力に優れる。
【0024】3)耐摩耗性 ランボーン型摩耗試験を用いて室温時の摩耗残量をJI
S K 6264に準拠して測定、結果は標準例1又は
2の値を100として指数表示した。(値が大きいほど
耐摩耗性は良好である。)
S K 6264に準拠して測定、結果は標準例1又は
2の値を100として指数表示した。(値が大きいほど
耐摩耗性は良好である。)
【0025】4)体積固有電気抵抗 JIS K 6911に準拠して室温にて測定した。こ
の値が大きい程、導電性は悪化する。
の値が大きい程、導電性は悪化する。
【0026】5)フィラーの分散性 コンパウンドの加硫ゴムシートをカミソリ刃で切断後、
断面の光学顕微鏡による観察(100倍)により断面に
存在する100μm径以上の凝集塊の数と大きさにより
○、△、×の3段階で評価した。 ○…100μm径以上の凝集塊が殆んど存在しない状態
であり、分散が進んでいる。 △…100μm径以上の凝集塊が数個存在しておりやや
分散が悪い。 ×…100μm径以上の凝集塊が多数存在しており分散
がかなり悪い。
断面の光学顕微鏡による観察(100倍)により断面に
存在する100μm径以上の凝集塊の数と大きさにより
○、△、×の3段階で評価した。 ○…100μm径以上の凝集塊が殆んど存在しない状態
であり、分散が進んでいる。 △…100μm径以上の凝集塊が数個存在しておりやや
分散が悪い。 ×…100μm径以上の凝集塊が多数存在しており分散
がかなり悪い。
【0027】標準例1、実施例1〜2及び比較例1〜2 表Iに示す配合において加硫系を除く各成分を1.8リ
ットルの密閉型ミキサーで3〜5分間混練し、165±
5℃に達したときに放出したマスターバッチに加硫促進
剤と硫黄を8インチのオープンロール混練し、ゴム組成
物を得た。次に、この組成物を15×15×0.2cmの
金型中で160℃で20分間プレス加硫して目的とする
試験片(ゴムシート)を調製し、前記方法で加硫物性を
評価した。結果を表Iに示す。
ットルの密閉型ミキサーで3〜5分間混練し、165±
5℃に達したときに放出したマスターバッチに加硫促進
剤と硫黄を8インチのオープンロール混練し、ゴム組成
物を得た。次に、この組成物を15×15×0.2cmの
金型中で160℃で20分間プレス加硫して目的とする
試験片(ゴムシート)を調製し、前記方法で加硫物性を
評価した。結果を表Iに示す。
【0028】
【表1】
【0029】標準例2、実施例3〜5及び比較例3〜4 表IIに示す配合において加硫系を除く各成分を1.8リ
ットルの密閉型ミキサーで3〜5分間混練し、165±
5℃に達したときに放出したマスターバッチに加硫促進
剤と硫黄を8インチのオープンロール混練し、ゴム組成
物を得た。次に、この組成物を15×15×0.2cmの
金型中で160℃で20分間プレス加硫して目的とする
試験片(ゴムシート)を調製し、前記方法で加硫物性を
評価した。結果を表IIに示す。
ットルの密閉型ミキサーで3〜5分間混練し、165±
5℃に達したときに放出したマスターバッチに加硫促進
剤と硫黄を8インチのオープンロール混練し、ゴム組成
物を得た。次に、この組成物を15×15×0.2cmの
金型中で160℃で20分間プレス加硫して目的とする
試験片(ゴムシート)を調製し、前記方法で加硫物性を
評価した。結果を表IIに示す。
【0030】
【表2】
【0031】なお、上記各例において得た配合成分は以
下の通りである。 NR:天然ゴム SIR−20 SBR1:日本ゼオン製ニポールNS116、溶液重合
SBR(カップリング/末端変性処理)(スチレン量2
1重量%、ビニル量(ブタジエン成分中の分率)、67
%、重量平均分子量36万、ガラス転移点温度−30
℃) SBR2:33.3%油展処理乳化重合SBR(スチレ
ン量35重量%、ビニル量(ブタジエン成分中の分率)
14%、重量平均分子量82万、ガラス転移点温度−3
5℃) SBR3:16.7%油展処理溶液重合SBR(スチレ
ン量18重量%、ビニル量(ブタジエン成分中の分率)
11%、重量平均分子量55万、ガラス転移点温度−7
2℃)
下の通りである。 NR:天然ゴム SIR−20 SBR1:日本ゼオン製ニポールNS116、溶液重合
SBR(カップリング/末端変性処理)(スチレン量2
1重量%、ビニル量(ブタジエン成分中の分率)、67
%、重量平均分子量36万、ガラス転移点温度−30
℃) SBR2:33.3%油展処理乳化重合SBR(スチレ
ン量35重量%、ビニル量(ブタジエン成分中の分率)
14%、重量平均分子量82万、ガラス転移点温度−3
5℃) SBR3:16.7%油展処理溶液重合SBR(スチレ
ン量18重量%、ビニル量(ブタジエン成分中の分率)
11%、重量平均分子量55万、ガラス転移点温度−7
2℃)
【0032】カーボンブラックHAF:三菱化学製DI
ABLACK−H 〔シリカ表面処理カーボンブラック1の製法〕カーボン
ブラックとして「N330」(「DIABLAK−
H」:三菱化学(株)製)の未造粒品1000gをラボ
造粒装置に入れる。テトラメトキシシランの低縮合物で
あるオリゴマー(商品名:「MKCシリケートMS5
1」:三菱化学(株))20gをノニオン系界面活性剤
(商品名:「エマルゲン920」、花王(株))で乳化
し、水と共に上記カーボンブラックに加えてから密閉
し、60℃で高速撹はんする。こうして得られた造粒物
をドライヤーで乾燥させ、シリカ表面処理カーボンブラ
ック1を得る。
ABLACK−H 〔シリカ表面処理カーボンブラック1の製法〕カーボン
ブラックとして「N330」(「DIABLAK−
H」:三菱化学(株)製)の未造粒品1000gをラボ
造粒装置に入れる。テトラメトキシシランの低縮合物で
あるオリゴマー(商品名:「MKCシリケートMS5
1」:三菱化学(株))20gをノニオン系界面活性剤
(商品名:「エマルゲン920」、花王(株))で乳化
し、水と共に上記カーボンブラックに加えてから密閉
し、60℃で高速撹はんする。こうして得られた造粒物
をドライヤーで乾燥させ、シリカ表面処理カーボンブラ
ック1を得る。
【0033】〔シリカ表面処理カーボンブラック2の製
法〕カーボンブラックとして「N330」(「DIAB
LAK−H」:三菱化学(株))の未造粒品1000g
をラボ造粒装置に入れる。コロイダルシリカとして、水
酸化ナトリウムでph10に調整した水に、JIS1号珪
酸ナトリウム水溶液と、それを中和する量の希硫酸を所
定量加え、最終的にSiO2 量として2重量%になるよ
うに調整したものを1000gを添加した後、密閉中、
70〜80℃で高速撹はんする。こうして得られた造粒
物をドライヤーで乾燥させ、シリカ表面処理カーボンブ
ラックを得る。
法〕カーボンブラックとして「N330」(「DIAB
LAK−H」:三菱化学(株))の未造粒品1000g
をラボ造粒装置に入れる。コロイダルシリカとして、水
酸化ナトリウムでph10に調整した水に、JIS1号珪
酸ナトリウム水溶液と、それを中和する量の希硫酸を所
定量加え、最終的にSiO2 量として2重量%になるよ
うに調整したものを1000gを添加した後、密閉中、
70〜80℃で高速撹はんする。こうして得られた造粒
物をドライヤーで乾燥させ、シリカ表面処理カーボンブ
ラックを得る。
【0034】〔シリカ表面処理カーボンブラック3の製
法〕カーボンブラックとして「N330」(「DIAB
LAK−H」:三菱化学(株))を特開昭63−637
55号公報により行った。即ち、カーボンブラックスラ
リーを常法に従って調整した後、JIS3号珪酸ナトリ
ウムを定量ポンプで添加しつつpH5〜10に酸及びアル
カリで維持しながらシリカをカーボンブラック表面に沈
積させた。その後、ろ過、水洗、乾燥して目的物を得
た。今回のシリカ含有量は2重量%になるように系のph
調整及び珪酸ナトリウム添加量を調整した。上記表面処
理カーボンブラックのコロイダル特性及びシリカ含有量
について表III に示す。
法〕カーボンブラックとして「N330」(「DIAB
LAK−H」:三菱化学(株))を特開昭63−637
55号公報により行った。即ち、カーボンブラックスラ
リーを常法に従って調整した後、JIS3号珪酸ナトリ
ウムを定量ポンプで添加しつつpH5〜10に酸及びアル
カリで維持しながらシリカをカーボンブラック表面に沈
積させた。その後、ろ過、水洗、乾燥して目的物を得
た。今回のシリカ含有量は2重量%になるように系のph
調整及び珪酸ナトリウム添加量を調整した。上記表面処
理カーボンブラックのコロイダル特性及びシリカ含有量
について表III に示す。
【0035】
【表3】
【0036】シリカ:日本シリカ製ニップミール(Ni
pzil)AQ シランカップリング剤:デクッサ製Si69(ビス−
〔3−(トリエトキシシリル)−プロピルテトラスルフ
ィド) 老化防止剤6C:N−フェニル−N′−(1,3−ジメ
チルブチル)−p−フェニレンジアミン 硫黄:5%油処理の粉末硫黄 加硫促進剤NS:N−tert−ブチル−2−ベンゾチ
アゾリルスルフェンアミド 加硫促進剤CZ:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチア
ジルスルフェンアミド 加硫促進剤DPG:ジフェニルグアニジン
pzil)AQ シランカップリング剤:デクッサ製Si69(ビス−
〔3−(トリエトキシシリル)−プロピルテトラスルフ
ィド) 老化防止剤6C:N−フェニル−N′−(1,3−ジメ
チルブチル)−p−フェニレンジアミン 硫黄:5%油処理の粉末硫黄 加硫促進剤NS:N−tert−ブチル−2−ベンゾチ
アゾリルスルフェンアミド 加硫促進剤CZ:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチア
ジルスルフェンアミド 加硫促進剤DPG:ジフェニルグアニジン
【0037】表Iは天然ゴム(NR)及び溶液重合SB
R(ニポールNS116)での例を示す。シリカ表面処
理カーボンブラック1,2を使用した実施例1,2は、
標準例1に比べて粘弾性温度分散測定でのtanδ曲線
の最大ピーク時温度は上昇しており、天然ゴム側へのフ
ィラーの偏在による効果が現われている。その時、ta
nδ(0℃)が上昇し、かつtanδ(60℃)が低減
しており、大幅なtanδバランスの向上が見受けられ
る。その上、ウェットスキット値も上昇しており、ta
nδバランスを向上させることで、グリップ性能/低発
熱性が両立されていることがわかる。また耐摩耗性も向
上している。一方、シリカを使用した比較例1,2と比
べた場合、フィラーの分散状態及び導電性が悪化すると
ともに、耐摩耗性も悪化している。またtanδでは、
60℃側は低減されているが0℃側も同時に低下し、ウ
ェットスキッド値も悪化している。
R(ニポールNS116)での例を示す。シリカ表面処
理カーボンブラック1,2を使用した実施例1,2は、
標準例1に比べて粘弾性温度分散測定でのtanδ曲線
の最大ピーク時温度は上昇しており、天然ゴム側へのフ
ィラーの偏在による効果が現われている。その時、ta
nδ(0℃)が上昇し、かつtanδ(60℃)が低減
しており、大幅なtanδバランスの向上が見受けられ
る。その上、ウェットスキット値も上昇しており、ta
nδバランスを向上させることで、グリップ性能/低発
熱性が両立されていることがわかる。また耐摩耗性も向
上している。一方、シリカを使用した比較例1,2と比
べた場合、フィラーの分散状態及び導電性が悪化すると
ともに、耐摩耗性も悪化している。またtanδでは、
60℃側は低減されているが0℃側も同時に低下し、ウ
ェットスキッド値も悪化している。
【0038】表IIはSBR2(33.3%油展乳化重合
SBR、スチレン量35重量%、ビニル量(ブタジエン
成分中の分率))14%、重量平均分子量82万、ガラ
ス転移点温度−35℃)とSBR3(16.7%油展溶
液重合SBR、スチレン量18重量%、ビニル量(ブタ
ジエン成分中の分率)11%、重量平均分子量55万、
ガラス転移点温度−72℃)での例を示す。シリカ表面
処理カーボンブラック1,2,3を使用した実施例3,
4,5は標準例1に比べて、tanδ曲線最大ピーク時
温度は上昇しており、SBR3へのフィラーの偏在によ
る効果が現われている。その時tanδ(0℃)が上昇
し、かつtanδ(60℃)が低減しており、大幅なt
anδバランスの向上が見受けられる。その上、ウェッ
トスキッド値も上昇しており、tanδバランスを向上
させることでグリップ性能/低発熱性が両立されている
ことがわかる。
SBR、スチレン量35重量%、ビニル量(ブタジエン
成分中の分率))14%、重量平均分子量82万、ガラ
ス転移点温度−35℃)とSBR3(16.7%油展溶
液重合SBR、スチレン量18重量%、ビニル量(ブタ
ジエン成分中の分率)11%、重量平均分子量55万、
ガラス転移点温度−72℃)での例を示す。シリカ表面
処理カーボンブラック1,2,3を使用した実施例3,
4,5は標準例1に比べて、tanδ曲線最大ピーク時
温度は上昇しており、SBR3へのフィラーの偏在によ
る効果が現われている。その時tanδ(0℃)が上昇
し、かつtanδ(60℃)が低減しており、大幅なt
anδバランスの向上が見受けられる。その上、ウェッ
トスキッド値も上昇しており、tanδバランスを向上
させることでグリップ性能/低発熱性が両立されている
ことがわかる。
【0039】一方、シリカを用いた比較例3,4と比べ
た場合、耐摩耗性が悪化している上に0℃、60℃とも
にtanδが低下し、ウェットスキッド値も悪化してい
る。また、比較例5に示すように高Tg側原料ゴムSB
R2を30重量部後工程に分割して混合した場合と比較
して、同等以上の性能を示しており、かつ工程数も少な
い)。
た場合、耐摩耗性が悪化している上に0℃、60℃とも
にtanδが低下し、ウェットスキッド値も悪化してい
る。また、比較例5に示すように高Tg側原料ゴムSB
R2を30重量部後工程に分割して混合した場合と比較
して、同等以上の性能を示しており、かつ工程数も少な
い)。
【0040】図3及び4に、実施例1及び標準例1、実
施例3,4及び標準例2のtanδの温度分散曲線を比
較したものである。図3において、双方の曲線において
2つのピークらしきものが見受けられ、低温側ピークが
NR(天然ゴム)、高温側ピークがSBRI(ニポール
NS116)に対応している。実施例1は標準例1に比
べ、相分離によるピーク位置のシフトと高温側ピークの
シャープ化が進んでおり、0℃〜60℃のtanδバラ
ンスが改良されていることがわかる。
施例3,4及び標準例2のtanδの温度分散曲線を比
較したものである。図3において、双方の曲線において
2つのピークらしきものが見受けられ、低温側ピークが
NR(天然ゴム)、高温側ピークがSBRI(ニポール
NS116)に対応している。実施例1は標準例1に比
べ、相分離によるピーク位置のシフトと高温側ピークの
シャープ化が進んでおり、0℃〜60℃のtanδバラ
ンスが改良されていることがわかる。
【0041】図4は実施例3,4及び標準例2でのta
nδ温度分散曲線であるが、図3の場合に比べ、相溶状
態が進んでいるが、低温側にやや肩状の線が現われてお
り、低温側が、SBR3(16.7%油展溶液重合SB
R、スチレン量18%、ビニル量(ブタジエン成分中の
分率)11%、重量平均分子量55万、ガラス転移点温
度−72℃)、高温側がSBR2(33.3%油展乳化
重合SBR、スチレン量35%、ビニル量(ブタジエン
成分中の分率)11%、重量平均分子量82万、ガラス
転移点温度−35℃)に対応している。実施例3,4
は、標準例2に比べて、低温側が明確でないが高温側ピ
ーク位置とシャープ化が進んでおり、0℃〜60℃のt
anδバランスが改良されていることがわかる。
nδ温度分散曲線であるが、図3の場合に比べ、相溶状
態が進んでいるが、低温側にやや肩状の線が現われてお
り、低温側が、SBR3(16.7%油展溶液重合SB
R、スチレン量18%、ビニル量(ブタジエン成分中の
分率)11%、重量平均分子量55万、ガラス転移点温
度−72℃)、高温側がSBR2(33.3%油展乳化
重合SBR、スチレン量35%、ビニル量(ブタジエン
成分中の分率)11%、重量平均分子量82万、ガラス
転移点温度−35℃)に対応している。実施例3,4
は、標準例2に比べて、低温側が明確でないが高温側ピ
ーク位置とシャープ化が進んでおり、0℃〜60℃のt
anδバランスが改良されていることがわかる。
【0042】
【発明の効果】表I及びIIの結果に示すように本発明に
従って平均ガラス転移温度Tgの異なる二群の原料ゴム
A及びBにシリカ表面処理カーボンブラックを配合して
tanδのバランスを制御した実施例1〜2及び実施例
3〜5では導電性や加工性を悪化させることなく優れた
ウェットスキッド抵抗及び耐摩耗性が得られるのに対
し、普通のカーボンブラック及びシリカ(比較例1及び
3)やシリカのみ(比較例2及び4)とを配合した場合
には良好な結果は得られない。また高Tg側原料ゴム後
工程分割混合(比較例5)に比べて、同等以上の性能を
有しながら、1工程減らすことが可能となる。
従って平均ガラス転移温度Tgの異なる二群の原料ゴム
A及びBにシリカ表面処理カーボンブラックを配合して
tanδのバランスを制御した実施例1〜2及び実施例
3〜5では導電性や加工性を悪化させることなく優れた
ウェットスキッド抵抗及び耐摩耗性が得られるのに対
し、普通のカーボンブラック及びシリカ(比較例1及び
3)やシリカのみ(比較例2及び4)とを配合した場合
には良好な結果は得られない。また高Tg側原料ゴム後
工程分割混合(比較例5)に比べて、同等以上の性能を
有しながら、1工程減らすことが可能となる。
【図1】Tgの異なる原料ゴムをブレンドした場合の相
溶、部分相溶及び非相溶の状態でのtanδ温度分散曲
線のモデル図である。
溶、部分相溶及び非相溶の状態でのtanδ温度分散曲
線のモデル図である。
【図2】低Tg原料ゴム側にフィラーが偏在した場合の
tanδ温度分散曲線のモデル図である。
tanδ温度分散曲線のモデル図である。
【図3】標準例1及び実施例1のtanδの温度分散曲
線を示す図面である。
線を示す図面である。
【図4】標準例2、実施例3及び実施例4のtanδの
温度分散曲線を示す図面である。
温度分散曲線を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 9/00 C08L 9/00 9/06 9/06 C09C 1/56 C09C 1/56
Claims (9)
- 【請求項1】 平均ガラス転移温度TgAが−110℃
〜−15℃の少なくとも1種類の原料ゴム20〜80重
量部と、平均ガラス転移温度TgBがTgB≧TgA+
10℃の範囲である少なくとも一種の原料ゴムB80〜
20重量部との合計量100重量部に対して、シリカも
しくは変性シリカ0.1〜20%重量部を付着させた表
面処理カーボンブラック40〜120重量部を配合して
なるゴム組成物。 - 【請求項2】 表面処理カーボンブラックに対してシラ
ンカップリング剤を1〜20重量%配合した請求項1に
記載のゴム組成物。 - 【請求項3】 原料ゴムAが天然ゴム(NR)ポリイソ
プレンゴム(IR)及びポリブタジエンゴム(BR)か
らなる群から選ばれた少なくとも1種のゴムである請求
項1又は2に記載のゴム組成物。 - 【請求項4】 原料ゴムAが溶液重合法で得られたゴム
である請求項1又は2に記載のゴム組成物。 - 【請求項5】 原料ゴムBが乳化重合法で得られたゴム
である請求項1又は2に記載のゴム組成物。 - 【請求項6】 原料ゴムAがスチレン−ブタジエン共重
合体ゴム(SBR)であり、そのスチレン含有量が30
重量%以下であり、ブタジエン部分中のトランス部分が
70モル%以下である請求項1,2,4及び5のいずれ
か1項に記載のゴム組成物。 - 【請求項7】 原料ゴムAが末端変性/カップリッグ処
理された原料ゴムである請求項1,2,4,5及び6の
いずれか1項に記載のゴム組成物。 - 【請求項8】 原料ゴムBがスチレン−ブタジエン共重
合体ゴム(SBR)であり、そのスチレン含有量が20
重量%以上である請求項1〜7のいずれか1項に記載の
ゴム組成物。 - 【請求項9】 表面処理カーボンブラックの製造に用い
るシリカが、水ガラス、コロイダルシリカ、又はアルコ
キシ基、アシルオキシ基及びシラノール基の中から少な
くとも1種の置換基を有するシリコン化合物である請求
項1〜8のいずれか1項に記載のゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31235397A JPH11140235A (ja) | 1997-11-13 | 1997-11-13 | ゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31235397A JPH11140235A (ja) | 1997-11-13 | 1997-11-13 | ゴム組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11140235A true JPH11140235A (ja) | 1999-05-25 |
Family
ID=18028233
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31235397A Pending JPH11140235A (ja) | 1997-11-13 | 1997-11-13 | ゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11140235A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002285007A (ja) * | 2001-03-27 | 2002-10-03 | Dainippon Printing Co Ltd | 黒色樹脂組成物、黒色被膜、ブラックマトリックス基板および黒色樹脂組成物の製造方法 |
JP2005047956A (ja) * | 2003-07-29 | 2005-02-24 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
JP2017082123A (ja) * | 2015-10-29 | 2017-05-18 | 横浜ゴム株式会社 | 重荷重用タイヤ用ゴム組成物 |
EP3575331A1 (en) * | 2018-05-29 | 2019-12-04 | JSR Corporation | Polymer composition, method for producing the same, and tire |
-
1997
- 1997-11-13 JP JP31235397A patent/JPH11140235A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002285007A (ja) * | 2001-03-27 | 2002-10-03 | Dainippon Printing Co Ltd | 黒色樹脂組成物、黒色被膜、ブラックマトリックス基板および黒色樹脂組成物の製造方法 |
JP2005047956A (ja) * | 2003-07-29 | 2005-02-24 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
JP2017082123A (ja) * | 2015-10-29 | 2017-05-18 | 横浜ゴム株式会社 | 重荷重用タイヤ用ゴム組成物 |
EP3575331A1 (en) * | 2018-05-29 | 2019-12-04 | JSR Corporation | Polymer composition, method for producing the same, and tire |
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