JPH11131190A - 高低圧一体型ロータ用高強度耐熱鋼及びタービンロータ - Google Patents
高低圧一体型ロータ用高強度耐熱鋼及びタービンロータInfo
- Publication number
- JPH11131190A JPH11131190A JP29232697A JP29232697A JPH11131190A JP H11131190 A JPH11131190 A JP H11131190A JP 29232697 A JP29232697 A JP 29232697A JP 29232697 A JP29232697 A JP 29232697A JP H11131190 A JPH11131190 A JP H11131190A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel
- temperature
- rotor
- resistant steel
- strength
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
Abstract
リープ強さを維持すると同時に、優れた靱性をも兼ね備
えた12%Cr系耐熱鋼を提供し、さらに、優れた高温
クリープ強さと優れた靱性とを兼ね備えた高低圧一体型
タービンロータ及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 特定割合のC、Ni、Cr、Mo、V、
N及びNbを必須成分として含有し、特定割合のTa、
B、W及びCoのうちの一種以上を任意成分として含有
し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、該不可避
的不純物のうちのSi、Mn、P及びSの含有量が特定
範囲以下であることを特徴とする高低圧一体型ロータ用
高強度耐熱鋼、これを用いて特定条件で焼入れ、焼戻し
を行うことを特徴とする高低圧一体型タービンロータの
製造方法、及び高低圧一体型タービンロータ。
Description
を一体化した蒸気タービンのロータに用いられる優れた
高温強度を備えた高低圧一体型ロータ用高強度耐熱鋼、
該耐熱鋼により形成された高低圧一体型タービンロータ
及びその製造方法に関する。
部を含む)と低圧部とが一体化したロータを称し、その
特徴は高圧部には高いクリープ強度が、低圧部には引張
強度と靱性というように1本のロータで全ての材料特性
が要求される点である。図1にロータ直径とロータ温度
の関係で整理した場合のロータ材の選定基準の例を示
す。高圧ロータ用Cr−Mo−V鋼及び低圧ロータ用
3.5Ni−Cr−Mo−V鋼の使用可能範囲をそれぞ
れ斜線で示す。また、低圧ロータ用2.5Ni−Cr−
Mo−V鋼のそれは枠表示で示す。さらに、Cr−Mo
−V鋼の改良材として開発された高低圧一体型ロータ用
2.25Cr−Mo−V鋼(例えば、特公昭54−19
370号公報)の使用可能範囲をメッシュで示す。図1
のように2.25Cr−Mo−V鋼の高低圧一体型ロー
タ材の使用可能範囲は広く、従来の高圧ロータ材および
低圧ロータ材のそれらを大部分内包している。
低圧一体型ロータの製造実績は、比較的最近のことであ
るが、従来の高低圧一体型ロータ材のこれまでの製造実
績は以下のとおりである。当初は小型のものが多く、ロ
ータ温度が480℃程度以下の場合には、クリープ強度
は比較的低いが靱性が良好な2.5Ni−Cr−Mo−
V鋼が使用され、480℃を越え550℃程度までの場
合には、クリープ強度の優れたCr−Mo−V鋼が使用
されていた。ただし、Cr−Mo−V鋼を使用する場合
には、靱性確保のため通常の高圧ロータの場合よりオー
ステナイト化温度を下げたり、焼入れ冷却速度を早くし
たりする処置がとられていた。その後、プラントの高温
大型化に伴い、ロータの直径も大きくなる傾向にあり、
Cr−Mo−V鋼のロータ中心部での靱性低下が問題と
なってきた。その対策として、これまで主に2.5Ni
−Cr−Mo−V鋼で検討されていた要求性能の異なる
高圧部と低圧部にそれぞれ最適な熱処理を施す傾斜熱処
理法がCr−Mo−V鋼にも適用され、高圧部の高温強
度を確保しながら低圧部の靱性改善がはかられるように
なった。しかしながら、このような対策を講じたCr−
Mo−V鋼傾斜熱処理ロータ材といえども、必要な強度
を確保しながら、ロータ中心部での必要な靱性の確保
は、ロータ直径に限界(1600mm程度まで)があり
それ以上の大型化は難しいのが現状であった。
範囲で示した2.25Cr−Mo−V鋼ロータ材は、高
低圧一体型蒸気タービンの高温大型化に対処するために
開発された新しいロータ材である。このロータ材は、最
大径1950mmまでの製造実績を有し、十分に大型化
に耐え得る熱処理特性を有し、中心部のFATT(Frac
ture Appearance Transition Temperature:破面遷移温
度:Vノッチシャルピー衝撃試験片の脆性破面率が50
%になる温度を指し、この温度が低いほど靱性が優れ
る、以下FATTと略称する)が20〜60℃と靱性に
優れた材料である。また、このロータ材の通常の常温の
0.2%耐力は70〜75kgf/mm2級とすること
もでき、十分大型化が可能となっている。
対応のCr−Mo−V鋼ロータ材のクリープ強度を超え
る十分な高温クリープ強さを得ようとした場合、高靱性
を要求される低圧部の軸芯においては、破面遷移温度
(FATT)を室温以下にすることは達成できず、しか
も、566℃の高温クリープ強さの目標値(例えば、5
66℃/105 時間におけるクリープ破断応力σ=14
kgf/mm2 )そのものを満足することが達成できて
いない。一方、従来より566℃対応の高中圧ロータ材
として広く用いられている12%Cr系耐熱鋼(例え
ば、特公昭40−4137号公報)は、高温クリープ強
さには優れているものの、靱性が不足しているため、高
圧ロータあるいは中圧ロータ用材料としてのみ使用され
てきた。したがって12%Cr系耐熱鋼では、例えば高
低圧一体型ロータ用材料として用いた場合、高圧部に必
要とされる高温クリープ強さには優れているものの、低
圧部において充分な靱性が得られない。
な従来技術の実状に鑑み、12%Cr系耐熱鋼におい
て、優れた高温クリープ強さを維持すると同時に、優れ
た靱性をも兼ね備えた12%Cr系耐熱鋼を提供し、さ
らに、優れた高温クリープ強さと優れた靱性とを兼ね備
えた高低圧一体型タービンロータ及びその製造方法を提
供することを目的とする。
温でも強度を有し、かつ常温でも優れた靱性を有する化
学組成の高低圧一体型蒸気タービン用ロータ材を開発す
べく鋭意研究を重ねた。その結果、12%Cr系耐熱鋼
において、高温クリープ強さを低下させることなく靱性
を大幅に改善するために、従来の12%Cr系耐熱鋼よ
りもNi含有量を増加させ、Si、Mn及びその他の不
可避的不純物の含有量を低減させることにより、マルテ
ンサイト組織のちみつ化が可能で、高温強度を確保しな
がら靱性が改善できることを見出し本発明に至ったもの
である。
の構成を有するものである。 (1)重量%でC:0.05〜0.2%、Ni:2.5
%以下、Cr:8〜11%、Mo:0.3〜2%、V:
0.1〜0.3%、N:0.01〜0.08%及びN
b:0.02〜0.15%を含有し、残部がFe及び不
可避的不純物からなり、該不可避的不純物のうちのS
i、Mn、P及びSの含有量が重量%でSi:0.1%
以下、Mn:0.3%以下、P:0.015%以下、
S:0.008%以下であることを特徴とする高低圧一
体型ロータ用高強度耐熱鋼。 (2)前記(1)の組成に加えて、さらに重量%でT
a:0.02〜0.2%、B:0.001〜0.03
%、W:1〜2%、Co:1〜4%のうちの一種又は二
種以上を含有する高低圧一体型ロータ用高強度耐熱鋼。
度耐熱鋼となる組成の原材料を溶解、精錬、造塊する工
程と、該工程により得られた鋼塊より所望形状のタービ
ンロータ素体に鍛造成形する工程と、前記タービンロー
タ素体を1000〜1150℃に加熱して焼入れする工
程と、前記焼入れされたタービンロータ素体に、530
℃〜700℃の焼戻しを1回以上施す工程とを具備する
ことを特徴とする高低圧一体型タービンロータの製造方
法。
度耐熱鋼となる組成の原材料を溶解、精錬、造塊する工
程と、該工程により得られた鋼塊より所望形状のタービ
ンロータ素体に鍛造成形する工程と、前記タービンロー
タ素体を高中圧部は1000〜1150℃、低圧部は9
50℃以上でかつ高中圧部よりも30〜80℃低い温度
に加熱して焼入れする工程と、前記焼入れされたタービ
ンロータ素体に、530℃〜700℃の焼戻しを1回以
上施す工程とを具備することを特徴とする高低圧一体型
タービンロータの製造方法。
度耐熱鋼となる組成の原材料を溶解、精錬、造塊し、得
られた鋼塊を所望形状のタービンロータ素体に鍛造成形
し、該成形物を1000〜1150℃に均一加熱するか
又は高中圧部は1000〜1150℃、低圧部は950
℃以上でかつ高中圧部よりも30〜80℃低い温度に傾
斜加熱して焼入れした後、530℃〜700℃の焼戻し
を1回以上施すことによって得られるM23C6 型化物お
よび金属間化合物を主として結晶粒界及びマルテンサイ
ト境界に析出させ、かつMX型炭化窒化物をマルテンサ
イトラス内部に析出させた耐熱鋼より形成されてなるこ
とを特徴とする高低圧一体型タービンロータ。
の化学成分組成及びその限定理由について説明する。な
お、以下の説明において、含有量を表す%は、重量比と
する。
イト変態を促進させるとももに、合金中のFe、Cr、
Mo、V、Wなどと結合してM23C6 型炭化物を結晶粒
界、マルテンサイトラス粒界上に形成するとともにN
b、Vなどと結合してMX型炭化窒化物をマルテンサイ
トラス内に形成する。これより、両者の炭化物の析出強
化により室温引張強さ及び高温クリープ強さを向上させ
る。しかし、C含有量が0.05%未満では充分な室温
引張強さ、高温クリープ強さが得られず、また、0.2
%を超えて含有させると、低温靱性が劣化し、さらに、
炭化物の粗大化が起こりやすくなり高温クリープ強さも
劣化するので、その含有量を0.05〜0.2%に限定
する。望ましくは、0.10〜0.15%の範囲であ
る。
上させるが、高温クリープ強さを低下させる作用を有し
ている。しかし、その含有量が0.2%未満では高低圧
一体型ロータに必要な著しい靱性の向上が認めらられ
ず、また、2.5%を超えて含有させると従来材と同等
の高温クリープ強さを維持することをが難しくなるの
で、その含有量を2.5%以下に限定する。望ましく
は、0.2〜1%の範囲である。
あり、耐酸化性及び高温耐食性を高め、さらに、合金中
に固溶して、合金の強度を向上させるが、その含有量が
8%未満では、充分な耐酸化性や強度を得ることができ
ず、11%を超えて含有させると有害なデルタフェライ
トを生成し、低温における延性、靱性及び高温における
クリープ強さを低下させるので、その含有量を8〜11
%に限定する。望ましくは9.5〜10.5%の範囲で
ある。
増大し低温及び高温における強度を高めるとともに、微
細炭化物を形成し、高温クリープ強さを向上させる。ま
た、焼戻し脆化の抑制に寄与する元素である。その含有
量が0.3%未満ではその作用効果が少なく、2%を超
えて含有させると逆にクリープ強さが低下するので、そ
の含有量を0.3〜2%に限定する。望ましくは、0.
6〜1.4%の範囲である。
ンサイトラス内に形成、高温クリープ強さを向上させる
が、その含有量が0.1%未満ではその作用効果が不十
分であり、下限を0.1%とする。また、0.3%を超
えて含有させるとデルタフェライトを生成し、高温クリ
ープ強さが低下するとともに、靱性が低下するのでその
上限を0.3%とする。望ましくは、0.15〜0.2
5%の範囲である。
を形成し、高温クリープ強さを向上させるが、その含有
量が0.01%未満では充分な強度及び高温クリープ強
さを得ることができず、0.08%を超えて含有させる
と鋼塊の製造が困難となり、かつ熱間加工性が悪くなる
ので、その含有量を0.01〜0.08%に限定する。
望ましくは、0.02〜0.04%の範囲である。
成し、高温クリープ強さを向上させるとともに、結晶粒
の微細化を促進し、低温靱性を向上させるのに必要な元
素である。その作用効果を得るためには,少なくとも
0.02%含有させる必要がある。しかし、0.15%
を超えて含有させると、粗大な炭化物および炭窒化物が
析出し、靱性を低下させるため、その上限を0.15%
とする。望ましくは、0.03〜0.07%の範囲であ
る。
温クリープ強さを向上させるともに、低温靱性の向上に
寄与するので、所望により添加する。その含有量が0.
02%未満では、上記作用効果が不十分であり、0.2
%を超えて含有させると、粗大な炭化物が析出し、靱性
を低下させるため、その含有量を0.02〜0.2%に
限定する。なお、Nb+Taの合計量は0.25%以下
に抑えるのが望ましい。
靱性を向上させるとともに粒界の炭化物の析出凝集を抑
え、高温クリープ強さの向上に寄与するので、所望によ
り添加される。その含有量は0.001%未満では上記
効果が不十分であり、0.03%を超えると高温クリー
プ延性が著しく低下するため、その含有量を0.001
〜0.03%の範囲に限定する。
凝集粗大化を抑制する効果があり、さらに固溶体強化元
素として、クリープ強度の高温強度の向上に有効な元素
であり、その効果はMoとの複合添加の場合に顕著であ
り、所望により添加される。その作用効果を得るために
は、少なくとも1%含有させる必要がある。しかし、2
%を超えて含有させると、デルタフェライトや金属間化
合物が生成しやすくなり、延性および靱性を低下させる
ため、その上限を2%とする。望ましくは、1.3〜
1.8%の範囲である。
に、デルタフェライトの析出抑制効果があり、大型鍛造
品の製造に有用であり、所望により添加される。その作
用効果を得るためには、少なくとも1%含有させる必要
がある。しかし、4%を超えて含有させると延性が低下
し、またコストが上昇するので、その上限は4%とす
る。望ましくは、2〜3%の範囲である。
Sについては以下のとおりである。Siは、脱酸材とし
て通常使用されるが、Si含有量が高いと、鋼塊内部の
偏析が増加し、また、焼戻し脆化感受性が極めて大とな
り切欠靱性が損なわれるため、極力低減することが望ま
しい。現在、真空カーボン脱酸性などの適用により、S
i含有量を低減させているが、その許容含有量を工業的
に可能な精錬技術の限界を考慮して0.1%以下に制限
する。
的に使用されている。しかし、MnはSと結合して非金
属介在物を形成し、靱性を低下させ、また、Siと同様
に焼戻し脆化感受性を増大させる作用がある。現在、炉
外精錬などの精錬技術によりS量の低減が容易となり、
Mnを合金成分として添加する必要がなくなってきてい
る。本発明では、Mnを不可避的不純物とし、その許容
含有量を精錬技術の限界を考慮して0.3%以下に制限
する。
であり、経年劣化させ減少させ、信頼性を向上させるた
めには、極力減少させることが望ましく、その許容含有
量を精錬技術の限界を考慮して0.015%以下とす
る。Sは、大型鋼塊においてV偏析及び逆V偏析の生成
傾向を助長し、また、Mn、Nb、V、Feなどと硫化
物を形成し、靱性を劣化させるので、とりべ精錬などに
より極力低減することが望ましく、その許容含有量を現
状の精錬技術の限界を考慮して0.008%以下とす
る。
s、Sn、Sbが挙げられる。これらの不純物は、Pと
同様に焼戻し脆化感受性を増大させる元素であり、極力
低減することが望ましい。しかし、これらの不純物元素
は、原材料に付随して不可避的に混入するものであり、
精錬によって除去することは困難である。したがって、
原材料の厳選によるところが大きく、焼戻し脆化感受性
低減の見地からAs:0.008%以下、Sn:0.0
1%以下、Sb:0.005%以下とすることが望まし
い。
法によりタービンロータを製造すれば、鋼塊は、焼入れ
時の加熱により組織がオーステナイト化され、焼入れで
マルテンサイト変態して十分な強度が得られ、さらに、
焼戻しによって靱性が向上する。
しマルテンサイト組織を有しており、高低圧一体型ロー
タの熱処理としては均一熱処理を標準とする。すなわ
ち、焼入れ時の加熱温度を適正範囲とすることにより、
高中圧部(高圧部と中圧部)と低圧部とで同一の加熱温
度としても、全体として均一な、高中圧部に必要な高い
高温クリープ強度と、低圧部に必要な優れた靱性を有す
る材料が得られる。なお、高低圧一体型ロータの熱処理
法として、所望により傾斜熱処理を採用することも可能
である。傾斜熱処理とは、例えば高中圧部と低圧部との
間に断熱性仕切板を設け、高中圧部と低圧部の加熱温度
及び冷却速度を変えることにより、高中圧部と低圧部と
にそれぞれ異なった材料特性が付与できる(強度、靱
性、組織等が軸方向に沿って緩やかに変化する)方法で
ある。
する際の焼入れ及び焼戻し時の温度について説明する。
焼入れ加熱温度(オーステナイト化温度)は均一熱処理
の場合は1000〜1150℃とする。この温度が10
00℃未満では、十分な高温クリープ強さが得られず、
また1150℃を超えると、高温での切欠弱化、低温靱
性の低下などが認められることから上記範囲とする。
傾斜熱処理とする場合には、高中圧部のオーステナイト
化温度は均一熱処理と同じ1000〜1150℃でよ
い。低圧部では高い靱性が要求される低圧部のオーステ
ナイト化温度は高中圧部よりも低い方が望ましく、95
0℃以上でかつ高中圧部の加熱温度よりも30〜80℃
低い温度とする。950℃未満では、フェライト相が生
成しやすく、低温の強度が十分に得られない。なお、低
圧部のオーステナイト化温度を、高中圧部のオーステナ
イト化温度よりも30〜80℃低い温度とするのは、傾
斜熱処理の作用効果を得るには30℃以上の温度差を付
ける必要があり、また、その温度差が80℃を超えると
製造が難しいためである。
十分な焼戻し効果が得られず、したがって、良好な靱性
が得られない。また、700℃を超えた焼戻し温度で
は、所望の強度が得られないため、焼戻し温度は530
〜700℃と限定する。
説明する。なお、実施例において高圧部とは高圧部、中
圧部及び低圧部に分けた場合の高中圧部に相当する。 (実施例1)供試材として用いた22種類の耐熱鋼の化
学組成を表1に示す。このうちNo.1からNo.18
は本発明に係る耐熱鋼の化学組成範囲内の鋼であり、N
o.19〜No.22は本発明に係る耐熱鋼の化学組成
範囲外の比較材である。これらの比較材はいずれもMn
の添加量が本発明の範囲外であるが、さらに、No.2
0はSiの添加量が、No.21はMoの添加量が本発
明の範囲に入らない鋼である。No.21は例えば特開
昭62−103345号公報に開示れている鋼で、高中
圧蒸気タービン用ロータ材として使用されているもので
あり、No.20は従来材の12%Cr鋼成分である。
炉にて溶解し、50kg鋼塊を溶製した。これらの鋼塊
を実機のロータ材を想定して均一加熱と鍛造(据込1/
2.8U、鍛伸3.7Sの鍛練)を行って、小型鍛造材
を製作した。その後、この鍛造材を結晶粒度調整を目的
に予備熱処理(例えば、1050℃空冷及び650℃空
冷)を施した。この鍛造材を、高圧部直径1200mm
の大型高低圧一体型ロータの中心部の焼入冷却速度をシ
ミュレートした条件で熱処理した。すなわち、1070
℃で15時間加熱して完全にオーステナイト化後、ロー
タの高圧部中心部の焼入冷却速度:約100℃/hの冷
却速度で焼入れした後、550℃で15時間の1次焼戻
しと660℃〜700℃で23時間の2次焼戻しを行っ
た。
圧一体型ロータの中心部の焼入冷却速度シミュレートし
た熱処理を行った。すなわち、1070℃で15時間加
熱後、ロータの低圧部中心部の焼入冷却速度:約40℃
/hの冷却速度で焼入れした後、前述の高圧部と同様に
550℃で15時間の1次焼戻しと660〜700℃で
23時間の2次焼戻しを行った。なお、焼戻し処理の条
件は、高圧部及び低圧部ともにロータ材の設計に必要な
強度、すなわち室温における0.2%耐力が70kg/
mm2 以上となるように調整されたものである。
No.19〜No.22について室温(20℃)におい
て引張試験及び衝撃試験を行った。シャルピー衝撃試験
結果より衝撃値及び50%FATTを求め、引張性質と
ともに表2に示す。また、本発明鋼No.1〜No.1
8及び比較鋼No.19〜No.22を600℃及び6
50℃の各温度でクリープ破断試験を実施、その結果か
ら565℃の105 時間におけるクリープ破断強度を外
挿により推定した。結果を表2に合わせて示す。
鋼の場合も室温における0.2%耐力は70kg/mm
2 以上の強度レベルとなっており、高低圧一体型蒸気タ
ービンロータ材として十分な強度を有している。また、
伸び、絞りも一般のロータ材で要求される伸び16%以
上、絞り45%以上を十分に満足している。一方、衝撃
特性であるが、高低圧一体型蒸気タービンロータ材の低
圧部50%FATTの目標値は+20℃であるが、本発
明鋼であるNo.1〜No.18はいずれの場合も目標
値以下であり、充分な靱性を有していることがわかる。
これに対して、比較鋼であるNo.19〜No.22の
55%FATTは25〜45%と高く目標値を満足せ
ず、高低圧一体型ロータ材として靱性が不十分であるこ
とがわかる。
o.18の565℃×105 hrクリープ破断強度は、
いずれも14kgf/mm2 以上あり、クリープ破断強
度が改善されており、格段にクリープ破断寿命が長いこ
とがわかる。なお、比較鋼No.19及びNo.21
は、上述の通り靱性が目標値を満足しないものの、56
5℃×105 hのクリープ破断強度は14kgf/mm
2 以上あり、本発明鋼のそれらと同等とみなすことがで
きる。これらの材料試験結果より明らかなように、本発
明鋼は、高温クリープ強さ、靱性ともに優れていた。こ
れに対して、比較鋼は高温クリープ強さと靱性の両方を
満足することはできなかった。
耐熱鋼の化学組成を表3に示す。このうちNo.23か
らNo.26は本発明に係る耐熱鋼の化学組成範囲の鋼
であり、かつ、Ni含有量を系統的に変化させた鋼であ
る。また、No.27は本発明に係る耐熱鋼の化学組成
範囲外の比較材である。比較材No.27は、Mnの添
加量は本発明の範囲内に入っているものの、Moの添加
量が本発明の範囲に入らない鋼である。
炉にて溶解し、50kg鋼塊を溶製した。これらの鋼塊
を実機のロータ材を想定して均一加熱と鍛造(据込1/
2.8U、鍛伸3.7Sの鍛練)を行って、小型鍛造材
を製作した。その後、この鍛造材を結晶粒度調整を目的
に予備熱処理(例えば、1050℃空冷及び650℃空
冷)を施した。この鍛造材を、高圧部直径1200mm
の大型高低圧一体型ロータの中心部の焼入冷却速度をシ
ミュレートした条件で熱処理した。すなわち、1070
℃で15時間加熱して完全にオーステナイト化後、ロー
タの高圧部中心部の焼入冷却速度:約100℃/hの冷
却速度で焼入れした後、550℃で15時間の1次焼戻
しと660℃〜700℃で23時間の2次焼戻しを行っ
た。
圧一体型ロータの中心部の焼入冷却速度をシミュレート
した熱処理を行った。すなわち、1070℃で15時間
加熱後、ロータの低圧部中心部の焼入冷却速度:約40
℃/hの冷却速度で焼入れした後、前述の高圧部と同様
に550℃で15時間の1次焼戻しと660〜700℃
で23時間の2次焼戻しを行った。なお、焼戻し処理の
条件は、高圧部及び低圧部ともにロータ材の設計に必要
な強度、すなわち室温における0.2%耐力が70kg
/mm2 以上となるように調整されたものである。
較鋼No.27について室温(20℃)において引張試
験及び衝撃試験を行った。シャルピー衝撃試験結果より
衝撃値及び50%FATTを求め、引張性質とともに表
4に示す。また、本発明鋼No.23〜No.26及び
比較鋼No.27を600℃および650℃の各温度で
クリープ破断試験を実施、その結果から565℃の10
5 時間におけるクリープ破断強度を外挿により推定し
た。結果を表4に合わせて示す。
鋼の場合も室温における0.2%耐力は70kg/mm
2 以上の強度レベルとなっており、高低圧一体型蒸気タ
ービンロータ材として十分な強度を有している。また、
伸び・絞りも一般のロータ材で要求される伸び16%以
上、絞り45%以上を十分に満足している。一方、衝撃
特性であるが、高低圧一体型蒸気タービンロータ材の低
圧部50%FATTの目標値は±20℃以下であるが、
本発明鋼のうちNi含有量を0.2%〜0.8%に系統
的に変化させた鋼であるNo.23〜No.26はいず
れの場合も目標値以下であることがわかる。さらに、N
i含有量の0.2%〜0.8%の範囲においては、Ni
含有量が減少するとともに50%FATTは増加してい
ることがわかる。
強度は、いずれも14kgf/mm 2 以上あり、目標値
を満足している。また、これらのNo.23〜No.2
6の鋼において、Ni含有量の及ぼすクリープ破断強度
の影響を見てみると、Ni含有量が減少けるとともにク
リープ破断強度がわずかながら改善されていることがわ
かる。このように、50%FATTで表される靱性を改
善するとクリープ破断強度は低下の傾向があることが認
められる。
添加量は本発明の範囲に入っているもののMoの添加量
が本発明の範囲に入らない鋼である。一般に、Mo添加
は材料の靱性向上に効果があるとされており、No.2
7の比較鋼のようにMo含有量を0.01%まで低下さ
せた鋼の50%FATTは、+35℃と高く目標値を満
足しないことがわかる。しかも、No.27の比較鋼は
クリープ破断強度の目標値も満足しないことがわかる。
このように、Mnの添加量は本発明の範囲に入っている
ものの、本発明の特徴の一つであるMo及びWの添加量
が本発明の範囲に入らず最適値となっていない比較鋼の
場合には、高温クリープ強さ及び高温クリープ強さと靱
性の両方を満足することはできなかった。
熱鋼は高温クリープ強さに優れ、靱性の著しく良好な高
強度耐熱鋼であり、かかる特性が要求される高圧部と低
圧部を一体化したタービンロータ軸材などの耐熱材料と
して適用が可能である。また、焼戻し脆化感受性に影響
を及ぼす不純物元素含有量を低減させることによって、
より一層の信頼性が得られるようになった。なお、従来
鋼よりも、優れた高温クリープ強さが得られることか
ら、本鋼種が高低圧一体型のロータ軸材のみならず、比
較的靱性を要求されない中圧、高圧、超高圧用のロータ
軸材料などに適用の範囲が広がる効果もある。また、本
発明の高強度耐熱鋼はタービンロータのみならずボルト
等のタービン部材等にも適用可能である。
からなる高低圧一体型タービンロータを容易に製造する
ことができる。さらに、この方法における熱処理方法
は、均一熱処理を標準としているが、所望により傾斜熱
処理を採用することも可能であり、その場合には、焼入
れ温度を高、中圧部と低圧部とで変化させることによ
り、部位に応じて、適した機械的特性(高温クリープ強
さ、靱性)が得られる効果がある。
リープ強さに優れ、さらに靱性に著しく良好であるた
め、タービンの使用蒸気温度を向上させて(例えば56
6℃対応以上)の熱効率の向上やタービンロータの大容
量化を図ることができる。
のロータ材の選定基準の例を示す図。
Claims (5)
- 【請求項1】 重量%でC:0.05〜0.2%、N
i:2.5%以下、Cr:8〜11%、Mo:0.3〜
2%、V:0.1〜0.3%、N:0.01〜0.08
%及びNb:0.02〜0.15%を含有し、残部がF
e及び不可避的不純物からなり、該不可避的不純物のう
ちのSi、Mn、P及びSの含有量が重量%でSi:
0.1%以下、Mn:0.3%以下、P:0.015%
以下、S:0.008%以下であることを特徴とする高
低圧一体型ロータ用高強度耐熱鋼。 - 【請求項2】 請求項1記載の組成に加えて、さらに重
量%でTa:0.02〜0.2%、B:0.001〜
0.03%、W:1〜2%、Co:1〜4%のうちの一
種又は二種以上を含有する高低圧一体型ロータ用高強度
耐熱鋼。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の高強度耐熱鋼と
なる組成の原材料を溶解、精錬、造塊する工程と、該工
程により得られた鋼塊より所望形状のタービンロータ素
体に鍛造成形する工程と、前記タービンロータ素体を1
000〜1150℃に加熱して焼入れする工程と、前記
焼入れされたタービンロータ素体に、530℃〜700
℃の焼戻しを1回以上施す工程とを具備することを特徴
とする高低圧一体型タービンロータの製造方法。 - 【請求項4】 請求項1又は2に記載の高強度耐熱鋼と
なる組成の原材料を溶解、精錬、造塊する工程と、該工
程により得られた鋼塊より所望形状のタービンロータ素
体に鍛造成形する工程と、前記タービンロータ素体を高
中圧部は1000〜1150℃、低圧部は950℃以上
でかつ高中圧部よりも30〜80℃低い温度に加熱して
焼入れする工程と、前記焼入れされたタービンロータ素
体に、530℃〜700℃の焼戻しを1回以上施す工程
とを具備することを特徴とする高低圧一体型タービンロ
ータの製造方法。 - 【請求項5】 請求項1又は2に記載の高強度耐熱鋼と
なる組成の原材料を溶解、精錬、造塊し、得られた鋼塊
を所望形状のタービンロータ素体に鍛造成形し、該成形
物を1000〜1150℃に均一加熱するか又は高中圧
部は1000〜1150℃、低圧部は950℃以上でか
つ高中圧部よりも30〜80℃低い温度に傾斜加熱して
焼入れした後、530℃〜700℃の焼戻しを1回以上
施すことによって得られるM23C6 型化物および金属間
化合物を主として結晶粒界及びマルテンサイト境界に析
出させ、かつMX型炭化窒化物をマルテンサイトラス内
部に析出させた耐熱鋼より形成されてなることを特徴と
する高低圧一体型タービンロータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29232697A JP3546127B2 (ja) | 1997-10-24 | 1997-10-24 | 高低圧一体型ロータ用高強度耐熱鋼及びタービンロータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29232697A JP3546127B2 (ja) | 1997-10-24 | 1997-10-24 | 高低圧一体型ロータ用高強度耐熱鋼及びタービンロータ |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002137255A Division JP2003027192A (ja) | 2002-05-13 | 2002-05-13 | 高低圧一体型ロータ用高強度耐熱鋼及びタービンロータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11131190A true JPH11131190A (ja) | 1999-05-18 |
JP3546127B2 JP3546127B2 (ja) | 2004-07-21 |
Family
ID=17780343
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29232697A Expired - Lifetime JP3546127B2 (ja) | 1997-10-24 | 1997-10-24 | 高低圧一体型ロータ用高強度耐熱鋼及びタービンロータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3546127B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012140666A (ja) * | 2010-12-28 | 2012-07-26 | Toshiba Corp | 鍛造用耐熱鋼、鍛造用耐熱鋼の製造方法、鍛造部品および鍛造部品の製造方法 |
JP2015529780A (ja) * | 2012-09-24 | 2015-10-08 | ヌオーヴォ ピニォーネ ソチエタ レスポンサビリタ リミタータNuovo Pignone S.R.L. | 蒸気タービンブレードのための特定の材料の選択 |
CN114622142A (zh) * | 2021-08-30 | 2022-06-14 | 天津重型装备工程研究有限公司 | 一种630℃以上超超临界汽轮机锻件用耐热钢及其制备方法 |
CN116555679A (zh) * | 2023-05-19 | 2023-08-08 | 苏州沃泰尔精密模具机械有限公司 | 一种高红硬性热挤压模具钢及其制备方法 |
-
1997
- 1997-10-24 JP JP29232697A patent/JP3546127B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012140666A (ja) * | 2010-12-28 | 2012-07-26 | Toshiba Corp | 鍛造用耐熱鋼、鍛造用耐熱鋼の製造方法、鍛造部品および鍛造部品の製造方法 |
CN103602919A (zh) * | 2010-12-28 | 2014-02-26 | 株式会社东芝 | 锻造用耐热钢及其制造方法、锻造部件及其制造方法 |
US8999078B2 (en) | 2010-12-28 | 2015-04-07 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Forging heat resistant steel, manufacturing method thereof, forged parts and manufacturing method thereof |
JP2015529780A (ja) * | 2012-09-24 | 2015-10-08 | ヌオーヴォ ピニォーネ ソチエタ レスポンサビリタ リミタータNuovo Pignone S.R.L. | 蒸気タービンブレードのための特定の材料の選択 |
CN114622142A (zh) * | 2021-08-30 | 2022-06-14 | 天津重型装备工程研究有限公司 | 一种630℃以上超超临界汽轮机锻件用耐热钢及其制备方法 |
CN116555679A (zh) * | 2023-05-19 | 2023-08-08 | 苏州沃泰尔精密模具机械有限公司 | 一种高红硬性热挤压模具钢及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3546127B2 (ja) | 2004-07-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR0175075B1 (ko) | 증기터빈용 회전자 및 그 제조방법 | |
US5798082A (en) | High-strength and high-toughness heat-resistant cast steel | |
JPH0830251B2 (ja) | 高温強度の優れたフェライト系耐熱鋼 | |
JP3354832B2 (ja) | 高靭性フェライト系耐熱鋼 | |
JPH08176671A (ja) | 高低圧一体型タービンロータの製造方法 | |
EP0770696B1 (en) | High strength and high toughness heat resisting steel and its manufacturing method | |
US6106766A (en) | Material for gas turbine disk | |
JP3422658B2 (ja) | 耐熱鋼 | |
JP3546127B2 (ja) | 高低圧一体型ロータ用高強度耐熱鋼及びタービンロータ | |
JPS616256A (ja) | 12%Cr耐熱鋼 | |
JP4177136B2 (ja) | 含B高Cr耐熱鋼の製造方法 | |
JP3819848B2 (ja) | 耐熱鋼及びその製造方法 | |
JPH05113106A (ja) | 高純度耐熱鋼および高純度耐熱鋼からなる高低圧一体型タービンロータの製造方法 | |
JP3468975B2 (ja) | 低合金耐熱鋼および蒸気タービンロータ | |
JPH11350076A (ja) | 析出強化型フェライト系耐熱鋼 | |
JPH11217655A (ja) | 高強度耐熱鋼およびその製造方法 | |
JP2001049398A (ja) | 高靭性耐熱鋼およびタービンロータの製造方法 | |
JPH0931600A (ja) | 高温用蒸気タービンロータ材 | |
JPH08120414A (ja) | 耐熱鋼 | |
JP3662151B2 (ja) | 耐熱鋳鋼及びその熱処理方法 | |
JP2003027192A (ja) | 高低圧一体型ロータ用高強度耐熱鋼及びタービンロータ | |
JP2000248332A (ja) | 耐熱性に優れた金型およびその製造方法 | |
JP3581458B2 (ja) | 高温用蒸気タービンロータ材 | |
JPH04120239A (ja) | 高強度・高靭性低合金鋼 | |
JPS6017016A (ja) | タ−ビンロ−タの熱処理方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040316 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040412 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080416 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090416 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100416 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110416 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140416 Year of fee payment: 10 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |