JPH11103756A - 硫酸第一鉄を用いたパンの製造方法 - Google Patents
硫酸第一鉄を用いたパンの製造方法Info
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- JPH11103756A JPH11103756A JP28765697A JP28765697A JPH11103756A JP H11103756 A JPH11103756 A JP H11103756A JP 28765697 A JP28765697 A JP 28765697A JP 28765697 A JP28765697 A JP 28765697A JP H11103756 A JPH11103756 A JP H11103756A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 臭素酸カリウムを酸化剤としての効果を得る
のに十分な量添加しても、最終製品にこれが残存せずし
かも品質の良好なパンを製造することができる方法及び
そのための改良剤を提供する。 【構成】 本発明のパンの製造方法は、臭素酸カリウム
を用いたパンの製造方法において、生地中に、硫酸第一
鉄を添加することにより、焼成して得られるパン中に臭
素酸カリウムを残存させないようにしたことを特徴とす
るものであり、また、本発明のパン生地の改良剤は、硫
酸第一鉄を有効成分とすることを特徴とする。
のに十分な量添加しても、最終製品にこれが残存せずし
かも品質の良好なパンを製造することができる方法及び
そのための改良剤を提供する。 【構成】 本発明のパンの製造方法は、臭素酸カリウム
を用いたパンの製造方法において、生地中に、硫酸第一
鉄を添加することにより、焼成して得られるパン中に臭
素酸カリウムを残存させないようにしたことを特徴とす
るものであり、また、本発明のパン生地の改良剤は、硫
酸第一鉄を有効成分とすることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パンの製造方法及びパ
ン生地の改良剤に関し、より詳しくは、生地中に酸化剤
として添加された臭素酸カリウムを完成品であるパン中
に残存させないための技術に関する。
ン生地の改良剤に関し、より詳しくは、生地中に酸化剤
として添加された臭素酸カリウムを完成品であるパン中
に残存させないための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】臭素酸カリウムは、1910年代にアメ
リカで製パン用改良剤として推奨されて以来、広く世界
で用いられているが、わが国では、製パンのための臭素
酸カリウムの使用量は、臭素酸として、小麦粉1Kgに
つき0.03g以下でなければならず、又、使用した臭
素酸カリウムについては、製品に残存してはならないと
いう使用基準がある。
リカで製パン用改良剤として推奨されて以来、広く世界
で用いられているが、わが国では、製パンのための臭素
酸カリウムの使用量は、臭素酸として、小麦粉1Kgに
つき0.03g以下でなければならず、又、使用した臭
素酸カリウムについては、製品に残存してはならないと
いう使用基準がある。
【0003】そして、従来、パン中に臭素酸カリウムを
残存させないための方法としては、パン生地の発酵時間
や焼成時間を十分にとり臭素酸カリウムの化学反応を完
全なものにするか、臭素酸カリウムの添加量を低減する
かのいずれか、あるいはこれらを組み合わせた方法が行
われてきた。また、発明者等はアスコビン酸を添加する
ことにより、臭素酸カリウムをパン中に残存させない方
法を既に開発している(特開平8−116857号公
報)。
残存させないための方法としては、パン生地の発酵時間
や焼成時間を十分にとり臭素酸カリウムの化学反応を完
全なものにするか、臭素酸カリウムの添加量を低減する
かのいずれか、あるいはこれらを組み合わせた方法が行
われてきた。また、発明者等はアスコビン酸を添加する
ことにより、臭素酸カリウムをパン中に残存させない方
法を既に開発している(特開平8−116857号公
報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発明者
等の開発に係る後述の高速液体クロマトグラフ測定法に
よると、発酵時間や焼成時間の非常に短い製法や改良剤
として臭素酸カリウムを多量に用いる製法、例えば諸外
国で行われているショートプロセス法、ノータイム法等
によりパンを製造する場合、さらには一部の菓子パンの
製法や冷凍生地による製パン法の場合は、臭素酸カリウ
ムの反応は化学反応であるが故に完全なものとならない
おそれがあり、僅かでも残存する可能性が残ることが判
明した。これは、当該測定法の臭素酸カリウムの検出限
界がパン中3ppbと同じく発明者等が開発した従来の
測定法(上掲公報および特開平7−83890号公報参
照)の検出限界30ppbから大きく検出限界値が下が
ったことにより確認されたことによるが、本発明はその
微少の残存性を除去する為に新たに開発したものであ
る。
等の開発に係る後述の高速液体クロマトグラフ測定法に
よると、発酵時間や焼成時間の非常に短い製法や改良剤
として臭素酸カリウムを多量に用いる製法、例えば諸外
国で行われているショートプロセス法、ノータイム法等
によりパンを製造する場合、さらには一部の菓子パンの
製法や冷凍生地による製パン法の場合は、臭素酸カリウ
ムの反応は化学反応であるが故に完全なものとならない
おそれがあり、僅かでも残存する可能性が残ることが判
明した。これは、当該測定法の臭素酸カリウムの検出限
界がパン中3ppbと同じく発明者等が開発した従来の
測定法(上掲公報および特開平7−83890号公報参
照)の検出限界30ppbから大きく検出限界値が下が
ったことにより確認されたことによるが、本発明はその
微少の残存性を除去する為に新たに開発したものであ
る。
【0005】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
ので、その課題は、臭素酸カリウムを酸化剤としての効
果を得るのに十分な量添加しても、最終製品にこれが残
存せずに、しかも品質の良好なパンを製造することがで
きる方法及びそのための改良剤を提供することである。
ので、その課題は、臭素酸カリウムを酸化剤としての効
果を得るのに十分な量添加しても、最終製品にこれが残
存せずに、しかも品質の良好なパンを製造することがで
きる方法及びそのための改良剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明が採用したパンの製造方法は、臭素酸カ
リウムを用いたパンの製造方法において、生地中に硫酸
第一鉄を添加することにより、焼成して得られるパン中
の臭素酸カリウムを残存させないか、又はその残存量を
減少させるようにしたことを特徴とするものであり、更
に硫酸第一鉄を臭素酸カリウムを完成品であるパン中に
残存させないか、あるいは残存量を減少させる有効成分
とすることを特徴とするものである。
るために本発明が採用したパンの製造方法は、臭素酸カ
リウムを用いたパンの製造方法において、生地中に硫酸
第一鉄を添加することにより、焼成して得られるパン中
の臭素酸カリウムを残存させないか、又はその残存量を
減少させるようにしたことを特徴とするものであり、更
に硫酸第一鉄を臭素酸カリウムを完成品であるパン中に
残存させないか、あるいは残存量を減少させる有効成分
とすることを特徴とするものである。
【0007】本発明において、パンの製造方法およびパ
ン生地の改良剤ともに、硫酸第一鉄は、アスコルビン酸
と併用することが望ましい。
ン生地の改良剤ともに、硫酸第一鉄は、アスコルビン酸
と併用することが望ましい。
【0008】
【作用】パン生地(中種を含む)に添加された硫酸第一
鉄は、パン生地との関係では、良好な鉄強化剤として機
能するが、臭素酸カリウムとの関係では、還元剤若しく
はこれに類するものとして働き、臭素酸カリウムの化学
反応を完全なものにする。本発明は基本的にはかかる知
見に基づいて完成されたものである。
鉄は、パン生地との関係では、良好な鉄強化剤として機
能するが、臭素酸カリウムとの関係では、還元剤若しく
はこれに類するものとして働き、臭素酸カリウムの化学
反応を完全なものにする。本発明は基本的にはかかる知
見に基づいて完成されたものである。
【0009】又、硫酸第一鉄とアスコルビン酸を併用す
ると、臭素酸カリウムの低減作用を完全なものとしつ
つ、製パン性を向上させることができる。
ると、臭素酸カリウムの低減作用を完全なものとしつ
つ、製パン性を向上させることができる。
【0010】
【実施例】以下に本発明に係る製造方法及び改良剤の実
施例に言及しつつ、本発明を詳細に説明する。なお、硫
酸第一鉄は、FeSO4 の化学式で表され、結晶物(7
水塩)及び乾燥物(1〜1.5水塩)があり、それぞれ
を硫酸第一鉄(結晶)及び硫酸第一鉄(乾燥)と称す
る。硫酸第一鉄(結晶)は食品添加物として昭和32年
指定され、昭和39年硫酸第一鉄(乾燥)も追加され、
この両者をまとめて硫酸第一鉄と称することとなった。
製法は、鉄と稀硫酸を加えて以下のように製造する。F
e+H2 SO4 +7H2 O → FeSo4 ・7H2 O
(結晶物)+H2乾燥物は、上記により得られた結晶物
を40℃で乾燥し、粉末として製造する。本発明におけ
る硫酸第一鉄は、結晶物・乾燥物のいずれかでも良い
が、実施例においてはより純度が高い結晶物のFeSO
4 ・7H2 Oを使用した。
施例に言及しつつ、本発明を詳細に説明する。なお、硫
酸第一鉄は、FeSO4 の化学式で表され、結晶物(7
水塩)及び乾燥物(1〜1.5水塩)があり、それぞれ
を硫酸第一鉄(結晶)及び硫酸第一鉄(乾燥)と称す
る。硫酸第一鉄(結晶)は食品添加物として昭和32年
指定され、昭和39年硫酸第一鉄(乾燥)も追加され、
この両者をまとめて硫酸第一鉄と称することとなった。
製法は、鉄と稀硫酸を加えて以下のように製造する。F
e+H2 SO4 +7H2 O → FeSo4 ・7H2 O
(結晶物)+H2乾燥物は、上記により得られた結晶物
を40℃で乾燥し、粉末として製造する。本発明におけ
る硫酸第一鉄は、結晶物・乾燥物のいずれかでも良い
が、実施例においてはより純度が高い結晶物のFeSO
4 ・7H2 Oを使用した。
【0011】実施例1 製造するパンは、中種製法によるロ−ルパン(菓子パ
ン)とした。まず、試料となるパンの原料配合は、小麦
粉(パン用二等強力粉、14.0%水分ベ−スで灰分が
0.52%、蛋白質が13.2%のもの)100に対し
て、イ−ストを3.5%、イ−ストフ−ド0.1%(酸
化剤を含まないもの)、臭素酸カリウム0.15pp
m、硫酸第一鉄5,10,15,20又は37mg/1
00g粉、加水54.0%、グラニュー糖28.0%、
食塩0.7%、ショートニング5.0%、卵4.0%で
ある。
ン)とした。まず、試料となるパンの原料配合は、小麦
粉(パン用二等強力粉、14.0%水分ベ−スで灰分が
0.52%、蛋白質が13.2%のもの)100に対し
て、イ−ストを3.5%、イ−ストフ−ド0.1%(酸
化剤を含まないもの)、臭素酸カリウム0.15pp
m、硫酸第一鉄5,10,15,20又は37mg/1
00g粉、加水54.0%、グラニュー糖28.0%、
食塩0.7%、ショートニング5.0%、卵4.0%で
ある。
【0012】その小麦粉の70にイ−スト2.5%、イ
−ストフ−ド0.1%、臭素酸カリウム0、15pp
m、硫酸第一鉄5,10,15,20又は37mg/1
00g粉、グラニュ−糖3.0%、加水40.0%を加
え低速(100rpm)で3分間、中速(200rp
m)で2分間ミキシングし26℃に捏ね上げて、まず中
種を作成する。この中種を27℃(相対湿度75%)で
2時間醗酵させた。生地は、この中種にショ−トニング
を除く残りの原料を全て加え、低速(100rpm)で
2分間、中速(200rpm)で2分30秒間ミキシン
グし、続いてショ−トニングを加え低速(100rp
m)で2分間、中速(200rpm)で3分30秒間ミ
キシングし、28℃に捏ね上げた。この生地を50分間
ねかし、80gに計量して丸め、更に20分間生地をね
かしてそのまま成形し、天板にのせた。次いで38℃
(相対湿度85%)で60分間ホイロをとり、220℃
で9分間、焼成した。
−ストフ−ド0.1%、臭素酸カリウム0、15pp
m、硫酸第一鉄5,10,15,20又は37mg/1
00g粉、グラニュ−糖3.0%、加水40.0%を加
え低速(100rpm)で3分間、中速(200rp
m)で2分間ミキシングし26℃に捏ね上げて、まず中
種を作成する。この中種を27℃(相対湿度75%)で
2時間醗酵させた。生地は、この中種にショ−トニング
を除く残りの原料を全て加え、低速(100rpm)で
2分間、中速(200rpm)で2分30秒間ミキシン
グし、続いてショ−トニングを加え低速(100rp
m)で2分間、中速(200rpm)で3分30秒間ミ
キシングし、28℃に捏ね上げた。この生地を50分間
ねかし、80gに計量して丸め、更に20分間生地をね
かしてそのまま成形し、天板にのせた。次いで38℃
(相対湿度85%)で60分間ホイロをとり、220℃
で9分間、焼成した。
【0013】実施例2 中種製法によるあんパンについて、硫酸第一鉄の添加量
を15mg/100g粉とし、他は全て実施例1と同じ
原料配合を用いて、実施例1と同じ工程を経て全量を2
8℃で捏ね上げた生地を50分間ねかし、55gに計量
して丸め、更に20分間ねかしてあん55gを包み込み
成形し、天板にのせ、次いで38℃(相対湿度85%)
で60分間ホイロをとり、220℃で10分間焼成し
た。
を15mg/100g粉とし、他は全て実施例1と同じ
原料配合を用いて、実施例1と同じ工程を経て全量を2
8℃で捏ね上げた生地を50分間ねかし、55gに計量
して丸め、更に20分間ねかしてあん55gを包み込み
成形し、天板にのせ、次いで38℃(相対湿度85%)
で60分間ホイロをとり、220℃で10分間焼成し
た。
【0014】比較例1 上記実施例1の原料配合から硫酸第一鉄を除き実施例1
と同一製造方法により焼成したロールパンを比較例1と
する。
と同一製造方法により焼成したロールパンを比較例1と
する。
【0015】比較例2 上記実施例2の原料配合から硫酸第一鉄を除き、実施例
2と同一の製造方法により焼成したあんパンを比較例2
とする。
2と同一の製造方法により焼成したあんパンを比較例2
とする。
【0016】実施例3 製造する冷凍生地使用パンは、直捏製法によるロ−ルパ
ン(菓子パン)とした。まず、試料となるパンの原料配
合は、小麦粉(パン用一等強力粉、14.0%水分ベ−
スで灰分が0.37%、蛋白質が11.8%のもの)1
00に対して、イ−ストを5.0%、イ−ストフ−ド
0.5%(酸化剤を含まないもの)、臭素酸カリウム
0、15ppm、硫酸第一鉄10,15,20又は30
mg/100g粉、アスコルビン酸100ppm、加水
50.0%、グラニュ−糖25.0%、食塩0.7%、
ショ−トニング5.0%、卵4.0%である。生地は、
低速(100rpm)で2分間、中速(200rpm)
で3分間ミキシングし、続いてショ−トニングを加え低
速(100rpm)で2分間、中速(200rpm)で
5分間ミキシングし、24℃に捏ね上げて、この生地を
10分間ねかし、80gに計量して丸め、更に15分間
ねかし、そのまま成形し、−25℃で急速冷凍した。1
0日間冷凍保管した生地を24℃で50分間解凍し、3
0℃(相対湿度75%)で90分間ホイロをとり、21
5℃で10分間焼成した。
ン(菓子パン)とした。まず、試料となるパンの原料配
合は、小麦粉(パン用一等強力粉、14.0%水分ベ−
スで灰分が0.37%、蛋白質が11.8%のもの)1
00に対して、イ−ストを5.0%、イ−ストフ−ド
0.5%(酸化剤を含まないもの)、臭素酸カリウム
0、15ppm、硫酸第一鉄10,15,20又は30
mg/100g粉、アスコルビン酸100ppm、加水
50.0%、グラニュ−糖25.0%、食塩0.7%、
ショ−トニング5.0%、卵4.0%である。生地は、
低速(100rpm)で2分間、中速(200rpm)
で3分間ミキシングし、続いてショ−トニングを加え低
速(100rpm)で2分間、中速(200rpm)で
5分間ミキシングし、24℃に捏ね上げて、この生地を
10分間ねかし、80gに計量して丸め、更に15分間
ねかし、そのまま成形し、−25℃で急速冷凍した。1
0日間冷凍保管した生地を24℃で50分間解凍し、3
0℃(相対湿度75%)で90分間ホイロをとり、21
5℃で10分間焼成した。
【0017】比較例3 上記実施例3の原料配合から硫酸第一鉄を除き、実施例
3と同一の製造方法により冷凍後焼成したロールパンを
比較例3とする。
3と同一の製造方法により冷凍後焼成したロールパンを
比較例3とする。
【0018】こうして焼上がったパン中の臭素酸カリウ
ムの残存量を、以下に示すポストカラム反応装置付高速
液体クロマトグラフを使用した臭素酸定量法により測定
した。なお当該定量法による検出限界は、パン中の濃度
として3ppbである。
ムの残存量を、以下に示すポストカラム反応装置付高速
液体クロマトグラフを使用した臭素酸定量法により測定
した。なお当該定量法による検出限界は、パン中の濃度
として3ppbである。
【0019】検査用の器具および装置としては次のもの
を使用した。 1)銀カ−トリッジカラム:Dionex社製OnGuard-Ag(商
品名)カ−トリッジカラム、Part No. 039637 をあらか
じめHPLC用水10mlで洗浄したものを用いた。 2)ディスポ−ザルディスクフィルタ−:Gelman社製 N
ylon acrodisc 0.45 umx 25 mm 、Part No. 4438 3)陽イオン交換カ−トリッジカラム:Varian社製 Bon
d Elut PRS カ−トリッジカラム、Part No. 1210 - 20
39 (500mg/3cc)をあらかじめメタノ−ル10ml、続い
てHPLC用水10mlで洗浄したものを用いた。 4)固相抽出カ−トリッジカラム:Waters社製 Sep-Pak
Plus tC18 Environmental(900mg) 、Part No. WAT0368
00 をあらかじめメタノ−ル10ml、続いてHPLC
用水10mlで洗浄したものを用いた。 5)限外ろ過カ−トリッジフィルタ−:Millipore 社製
Molcut L Cat. No. UFP2 TTK 6)冷凍遠心器:日立社製 Model CR20B2 と50mlx8のア
ングルロ−タを用いた。 7)フ−ドプロセッサ−:東芝社製 CQM-62 8)ポストカラム反応装置付高速液体クロマトグラフ(H
PLC):Waters社製 送液ポンプ616 LC system 、オ−ト
サンプラ− Model 717、検出器 Model 486、恒温槽 Mod
el CHM、反応コイル Model RXN 1000 、デ−タ処理装置
ミレニアム、ラボコ−テック社製ポストカラムポンプ
Model MP-311 イナ−ト仕様
を使用した。 1)銀カ−トリッジカラム:Dionex社製OnGuard-Ag(商
品名)カ−トリッジカラム、Part No. 039637 をあらか
じめHPLC用水10mlで洗浄したものを用いた。 2)ディスポ−ザルディスクフィルタ−:Gelman社製 N
ylon acrodisc 0.45 umx 25 mm 、Part No. 4438 3)陽イオン交換カ−トリッジカラム:Varian社製 Bon
d Elut PRS カ−トリッジカラム、Part No. 1210 - 20
39 (500mg/3cc)をあらかじめメタノ−ル10ml、続い
てHPLC用水10mlで洗浄したものを用いた。 4)固相抽出カ−トリッジカラム:Waters社製 Sep-Pak
Plus tC18 Environmental(900mg) 、Part No. WAT0368
00 をあらかじめメタノ−ル10ml、続いてHPLC
用水10mlで洗浄したものを用いた。 5)限外ろ過カ−トリッジフィルタ−:Millipore 社製
Molcut L Cat. No. UFP2 TTK 6)冷凍遠心器:日立社製 Model CR20B2 と50mlx8のア
ングルロ−タを用いた。 7)フ−ドプロセッサ−:東芝社製 CQM-62 8)ポストカラム反応装置付高速液体クロマトグラフ(H
PLC):Waters社製 送液ポンプ616 LC system 、オ−ト
サンプラ− Model 717、検出器 Model 486、恒温槽 Mod
el CHM、反応コイル Model RXN 1000 、デ−タ処理装置
ミレニアム、ラボコ−テック社製ポストカラムポンプ
Model MP-311 イナ−ト仕様
【0020】試薬としては次のものを用いた。 1)水:本実施例においては、試料からの臭素酸イオン
の抽出と引き続いてのクリ−ンアップはイオン交換後蒸
留した水を用い、ポストカラム高速液体クロマトグラフ
ィ−の移動相およびカ−トリッジカラムの洗浄には関東
化学社製の高速液体クロマトグラフィ−用の水を用い
た。 2)臭素酸カリウム:純正化学社製試薬特級 3)メタノ−ル:関東化学社製高速液体クロマトグラフ
ィ−用 4)o−ジアニシジン・ジハイドロクロライド:Sigma
Chemical Co. 5)硝酸:関東化学社製 精密分析用、70% 6)テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド(T
BAH):40%溶液、Aldrich Chemical Co.,Inc. 7)臭化カリウム:応用光研工業(Oken)社製IR
分析用 8)その他の試薬:試薬特級 9)臭素酸標準溶液:本実施例においては、臭素酸カリ
ウム130.5mgを精秤し、水に解かして100ml
とした溶液(本液は1mlは臭素酸として1000μg
を含む)を適宜に水で希釈し、1−20ng/mlの溶
液を作成し、標準溶液とした。 10)ポストカラム反応試薬:HPLC用蒸留水700mL
に70%硝酸90g(60ml)、臭化カリウム10g
を加え、O−ジアニシジン ジハイドロクロライド50
0mgをHPLC用メタノール200mLを用いて溶解
しながら加え(沈殿が残らぬよう完全に溶解させる)、
HPLC用蒸留水を用いて1000mlとした。
の抽出と引き続いてのクリ−ンアップはイオン交換後蒸
留した水を用い、ポストカラム高速液体クロマトグラフ
ィ−の移動相およびカ−トリッジカラムの洗浄には関東
化学社製の高速液体クロマトグラフィ−用の水を用い
た。 2)臭素酸カリウム:純正化学社製試薬特級 3)メタノ−ル:関東化学社製高速液体クロマトグラフ
ィ−用 4)o−ジアニシジン・ジハイドロクロライド:Sigma
Chemical Co. 5)硝酸:関東化学社製 精密分析用、70% 6)テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド(T
BAH):40%溶液、Aldrich Chemical Co.,Inc. 7)臭化カリウム:応用光研工業(Oken)社製IR
分析用 8)その他の試薬:試薬特級 9)臭素酸標準溶液:本実施例においては、臭素酸カリ
ウム130.5mgを精秤し、水に解かして100ml
とした溶液(本液は1mlは臭素酸として1000μg
を含む)を適宜に水で希釈し、1−20ng/mlの溶
液を作成し、標準溶液とした。 10)ポストカラム反応試薬:HPLC用蒸留水700mL
に70%硝酸90g(60ml)、臭化カリウム10g
を加え、O−ジアニシジン ジハイドロクロライド50
0mgをHPLC用メタノール200mLを用いて溶解
しながら加え(沈殿が残らぬよう完全に溶解させる)、
HPLC用蒸留水を用いて1000mlとした。
【0021】ポストカラム反応装置付高速液体クロマト
グラフは次の条件で測定した。試料抽出溶液はオ−トサ
ンプラ−を使用しHPLCに導入し、カラムにより臭素
酸と夾雑物を分離した後、引続き反応コイル中でポスト
カラム反応試薬と混合し、臭素酸の酸化反応により試薬
中のo−ジアニシジンを発色させ、それを検出波長45
0nmを用いて測定した。 1)移動相 :HPLC用蒸留水700mlにHPLC
用メタノール200ml、氷酢酸2g、TBAH19g
を加えTBAHでpH6.3〜6.5に調整し、HPLC用
蒸留水を用いて1000mlとする。この移動相の流速
は、1ml/minとした。 2)カラム:Zorbax社製分析カラム SB C-18 Column
(4.6 mm x 25 cm, 5 um)および ガ−ドカラムSB C18
(4 mm x 1.25 cm ) 3)ポストカラム反応液の流速:0.3ml/min 4)反応温度:60℃ 5)注入量:250 μl 6)測定波長:450nm 7)移動相、ポストカラム反応試薬は常時ヘリウムガス
(10ml/min)で脱気した。
グラフは次の条件で測定した。試料抽出溶液はオ−トサ
ンプラ−を使用しHPLCに導入し、カラムにより臭素
酸と夾雑物を分離した後、引続き反応コイル中でポスト
カラム反応試薬と混合し、臭素酸の酸化反応により試薬
中のo−ジアニシジンを発色させ、それを検出波長45
0nmを用いて測定した。 1)移動相 :HPLC用蒸留水700mlにHPLC
用メタノール200ml、氷酢酸2g、TBAH19g
を加えTBAHでpH6.3〜6.5に調整し、HPLC用
蒸留水を用いて1000mlとする。この移動相の流速
は、1ml/minとした。 2)カラム:Zorbax社製分析カラム SB C-18 Column
(4.6 mm x 25 cm, 5 um)および ガ−ドカラムSB C18
(4 mm x 1.25 cm ) 3)ポストカラム反応液の流速:0.3ml/min 4)反応温度:60℃ 5)注入量:250 μl 6)測定波長:450nm 7)移動相、ポストカラム反応試薬は常時ヘリウムガス
(10ml/min)で脱気した。
【0022】以上の試料、器具、試薬、装置を用いて、
下記の手順でパン中の臭素酸残存量を測定した。まず、
フ−ドプロセッサ−により粉砕、均一化したパン試料1
0.0gを100mlのガラスビ−カ−に採取し、溶媒
として水50mlを加え、30分間マグネチックスタ−
ラ−で室温で撹拌した後、上清を5℃で、15000r
pmで15分間遠心分離した。上清をホワットマン社製
ろ紙No.2でろ過した。プラスティックシリンジ(1
0ml)でろ液約10mlを採取し、それをディスポ−
ザルディスクフィルタ−、固相抽出カ−トリッジカラ
ム、銀カ−トリッジカラムの順番で直列に接続したもの
の中を通過させた。最初の3mlを捨て、その後の通過
液3mlを限外ろ過カ−トリッジフィルタ−に負荷し、
その通過液を陽イオン交換カ−トリッジカラムに負荷し
た。最初の1mlを捨てその後の通過液をHPLC用試
料溶液とした。
下記の手順でパン中の臭素酸残存量を測定した。まず、
フ−ドプロセッサ−により粉砕、均一化したパン試料1
0.0gを100mlのガラスビ−カ−に採取し、溶媒
として水50mlを加え、30分間マグネチックスタ−
ラ−で室温で撹拌した後、上清を5℃で、15000r
pmで15分間遠心分離した。上清をホワットマン社製
ろ紙No.2でろ過した。プラスティックシリンジ(1
0ml)でろ液約10mlを採取し、それをディスポ−
ザルディスクフィルタ−、固相抽出カ−トリッジカラ
ム、銀カ−トリッジカラムの順番で直列に接続したもの
の中を通過させた。最初の3mlを捨て、その後の通過
液3mlを限外ろ過カ−トリッジフィルタ−に負荷し、
その通過液を陽イオン交換カ−トリッジカラムに負荷し
た。最初の1mlを捨てその後の通過液をHPLC用試
料溶液とした。
【0023】得られた上記HPLC用試料溶液250μ
lをポストカラム反応装置付高速液体クロマトグラフに
注入し、臭素酸を分離し、得られたピ−ク高さにより、
予め臭素酸標準溶液から作成した検量線の回帰式から試
料溶液中の臭素酸を定量した。
lをポストカラム反応装置付高速液体クロマトグラフに
注入し、臭素酸を分離し、得られたピ−ク高さにより、
予め臭素酸標準溶液から作成した検量線の回帰式から試
料溶液中の臭素酸を定量した。
【0024】上記測定法によって得た、臭素酸残存試験
結果を以下の表1乃至表3に示す。
結果を以下の表1乃至表3に示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【0025】なお、これらの表中、臭素酸カリウム(K
BrO3 )の、添加量および残存量は、臭素酸(HBr
O3 )量に統一して表示しており、特に断らない限り臭
素酸カリウムと記載した。また、「残存量」の数値は、
繰返し点数5回における平均値を示す。更に、「検出せ
ず」とあるのは、上記測定法の検出限界である3ppb
未満であることを意味する。
BrO3 )の、添加量および残存量は、臭素酸(HBr
O3 )量に統一して表示しており、特に断らない限り臭
素酸カリウムと記載した。また、「残存量」の数値は、
繰返し点数5回における平均値を示す。更に、「検出せ
ず」とあるのは、上記測定法の検出限界である3ppb
未満であることを意味する。
【0026】この結果、臭素酸カリウム添加量が15p
pmのときに、臭素酸カリウム単独の場合には、比較例
1で11ppb、比較例2で17ppb、比較例3で3
7ppbの臭素酸カリウムが最終製品であるパンから検
出されたのに対して、硫酸第一鉄を15mg/100g
粉以上添加した場合には、実施例1乃至3のいずれにお
いても臭素酸カリウムは検出されなかった。
pmのときに、臭素酸カリウム単独の場合には、比較例
1で11ppb、比較例2で17ppb、比較例3で3
7ppbの臭素酸カリウムが最終製品であるパンから検
出されたのに対して、硫酸第一鉄を15mg/100g
粉以上添加した場合には、実施例1乃至3のいずれにお
いても臭素酸カリウムは検出されなかった。
【0027】実施例4 実施例1の中種法ロールパンにおいて臭素酸カリウムの
残存が認められなかった臭素酸カリウム15ppm、硫
酸第一鉄15mg/100g粉の組み合わせに、更にア
スコルビン酸を併用した場合の製パン性向上効果につい
て示した。すなわち、小麦粉に対し、臭素酸カリウム1
5ppmと硫酸第一鉄15mg/100g粉を添加し、
更にアスコルビン酸を5、10、15ppm添加し、そ
の他の条件は前記の実施例1と同一にしてロールパンを
作成した。こうしてでき上がったパンの品質を訓練を積
んだ20名のパネラーによる評価によって比較した結果
は、以下の表4に示す通りであった。
残存が認められなかった臭素酸カリウム15ppm、硫
酸第一鉄15mg/100g粉の組み合わせに、更にア
スコルビン酸を併用した場合の製パン性向上効果につい
て示した。すなわち、小麦粉に対し、臭素酸カリウム1
5ppmと硫酸第一鉄15mg/100g粉を添加し、
更にアスコルビン酸を5、10、15ppm添加し、そ
の他の条件は前記の実施例1と同一にしてロールパンを
作成した。こうしてでき上がったパンの品質を訓練を積
んだ20名のパネラーによる評価によって比較した結果
は、以下の表4に示す通りであった。
【表4】
【0028】なお、表4において比較例4は臭素酸カリ
ウム15ppmのみを添加し、硫酸第一鉄とアスコルビ
ン酸を添加しないもの、比較例5は臭素酸カリウム15
ppmと硫酸第一鉄15mg/100g粉を添加し、ア
スコルビン酸を添加しないもので、その他は実施例1と
同一の条件で作成したものである。
ウム15ppmのみを添加し、硫酸第一鉄とアスコルビ
ン酸を添加しないもの、比較例5は臭素酸カリウム15
ppmと硫酸第一鉄15mg/100g粉を添加し、ア
スコルビン酸を添加しないもので、その他は実施例1と
同一の条件で作成したものである。
【0029】実施例5 実施例2の中種法あんパン(製品クラム中)において臭
素酸カリウムの残存が認められなかった臭素酸カリウム
15ppm、硫酸第一鉄15mg/100g粉の組み合
わせに、更にアスコルビン酸を併用した場合の製パン性
向上効果について示した。すなわち、小麦粉に対し、臭
素酸カリウム15ppmと硫酸第一鉄15mg/100
g粉を添加し、更にアスコルビン酸を5、10、15p
pm添加し、その他の条件は前記の実施例2と同一にし
てあんパンを作成した。 こうしてでき上がったパンの
品質を訓練を積んだ20名のパネラーによる評価によっ
て比較した結果は、以下の表5に示す通りであった。
素酸カリウムの残存が認められなかった臭素酸カリウム
15ppm、硫酸第一鉄15mg/100g粉の組み合
わせに、更にアスコルビン酸を併用した場合の製パン性
向上効果について示した。すなわち、小麦粉に対し、臭
素酸カリウム15ppmと硫酸第一鉄15mg/100
g粉を添加し、更にアスコルビン酸を5、10、15p
pm添加し、その他の条件は前記の実施例2と同一にし
てあんパンを作成した。 こうしてでき上がったパンの
品質を訓練を積んだ20名のパネラーによる評価によっ
て比較した結果は、以下の表5に示す通りであった。
【表5】
【0030】なお、表5において比較例6は臭素酸カリ
ウム15ppmのみを添加し、硫酸第一鉄とアスコルビ
ン酸を添加しないもので、その他は実施例2と同一の条
件で作成したもの、比較例7は実施例2と全て同一条件
で作成したもの、すなわち、臭素酸カリウム15ppm
と硫酸第一鉄15mg/100g粉を添加し、アスコル
ビン酸を添加しないものである。
ウム15ppmのみを添加し、硫酸第一鉄とアスコルビ
ン酸を添加しないもので、その他は実施例2と同一の条
件で作成したもの、比較例7は実施例2と全て同一条件
で作成したもの、すなわち、臭素酸カリウム15ppm
と硫酸第一鉄15mg/100g粉を添加し、アスコル
ビン酸を添加しないものである。
【0031】上記表4及び表5から明らかなように、ア
スコルビン酸を更に適量添加した実施例4及び実施例5
に係るパンは総合評価において臭素酸カリウムと硫酸第
一鉄のみを併用した比較例5,7を上回り、臭素酸カリ
ウムを単独で添加した比較例4,6と同等の十分に高い
評価を得た。また、アスコルビン酸の添加は硫酸第一鉄
の臭素酸カリウム低減効果に悪影響を及ぼさないことも
確認された。
スコルビン酸を更に適量添加した実施例4及び実施例5
に係るパンは総合評価において臭素酸カリウムと硫酸第
一鉄のみを併用した比較例5,7を上回り、臭素酸カリ
ウムを単独で添加した比較例4,6と同等の十分に高い
評価を得た。また、アスコルビン酸の添加は硫酸第一鉄
の臭素酸カリウム低減効果に悪影響を及ぼさないことも
確認された。
【0032】なお、上記各実施例においては、臭素酸カ
リウム、硫酸第一鉄及びアスコルビン酸の添加はそれぞ
れ別個に行ったが、臭素酸カリウムと硫酸第一鉄或はこ
れら全てを構成成分とする改良剤として添加してもよ
く、改良剤と別添の組み合わせでもよい。改良剤として
添加する場合には、塩化アンモニウムや硫酸アンモニウ
ム等のアンモニウム塩、炭酸カルシウムや硫酸カルシウ
ム等のカルシウム塩、グルタチオンやシステイン等の還
元剤、アミラーゼやプロテアーゼ等の酵素剤、グリセリ
ン脂肪酸エステルやレシチン等の乳化剤、乾燥小麦粉や
スターチ等の分散剤とともに、臭素酸カリウム、硫酸第
一鉄(必要に応じてアスコルビン酸を追加)を配合して
使用することができる。
リウム、硫酸第一鉄及びアスコルビン酸の添加はそれぞ
れ別個に行ったが、臭素酸カリウムと硫酸第一鉄或はこ
れら全てを構成成分とする改良剤として添加してもよ
く、改良剤と別添の組み合わせでもよい。改良剤として
添加する場合には、塩化アンモニウムや硫酸アンモニウ
ム等のアンモニウム塩、炭酸カルシウムや硫酸カルシウ
ム等のカルシウム塩、グルタチオンやシステイン等の還
元剤、アミラーゼやプロテアーゼ等の酵素剤、グリセリ
ン脂肪酸エステルやレシチン等の乳化剤、乾燥小麦粉や
スターチ等の分散剤とともに、臭素酸カリウム、硫酸第
一鉄(必要に応じてアスコルビン酸を追加)を配合して
使用することができる。
【0033】また、臭素酸カリウム、硫酸第一鉄及びア
スコルビン酸の添加時期は、中種法においては中種作成
時・生地作成時のいずれでもよいが、臭素酸カリウムの
低減効果をいっそう確実なものにするためには中種作成
時に臭素酸カリウム及び硫酸第一鉄を添加することが望
ましく、直捏法においては生地作成時に行う。
スコルビン酸の添加時期は、中種法においては中種作成
時・生地作成時のいずれでもよいが、臭素酸カリウムの
低減効果をいっそう確実なものにするためには中種作成
時に臭素酸カリウム及び硫酸第一鉄を添加することが望
ましく、直捏法においては生地作成時に行う。
【0034】更に、アスコルビン酸は、被覆等されてい
ない裸の状態のアスコルビン酸、又は油脂で被覆された
アスコルビン酸、又は、油脂およびモノグリセライド脂
肪酸エステル等の乳化剤で被覆されたアスコルビン酸の
いずれを用いてもよい。
ない裸の状態のアスコルビン酸、又は油脂で被覆された
アスコルビン酸、又は、油脂およびモノグリセライド脂
肪酸エステル等の乳化剤で被覆されたアスコルビン酸の
いずれを用いてもよい。
【0035】
【発明の効果】以上のとおり、硫酸第一鉄を臭素酸カリ
ウムと併用する本発明に係るパンの製造方法又はパン生
地の改良剤は、臭素酸カリウムを最終製品に残存させる
ことなくパンを製造することができるという新規な効果
を奏するものである。また、アスコルビン酸を併用する
ことにより、本発明は臭素酸カリウムを単独で使用した
場合と同等のパンの品質改良効果を得ることができると
いう優れた効果を奏することができる。
ウムと併用する本発明に係るパンの製造方法又はパン生
地の改良剤は、臭素酸カリウムを最終製品に残存させる
ことなくパンを製造することができるという新規な効果
を奏するものである。また、アスコルビン酸を併用する
ことにより、本発明は臭素酸カリウムを単独で使用した
場合と同等のパンの品質改良効果を得ることができると
いう優れた効果を奏することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日俣克一 東京都墨田区千歳三丁目15番6号 山崎製 パン株式会社中央研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 硫酸第一鉄を添加することにより、臭素
酸カリウムを完成品であるパン中に残存させないか、あ
るいは残存量を減少させることを特徴とするパンの製造
方法。 - 【請求項2】 アスコルビン酸を更に添加することを特
徴とする請求項1に記載のパンの製造方法。 - 【請求項3】 臭素酸カリウムを完成品であるパン中に
残存させないか、あるいは残存量を減少させる有効成分
として硫酸第一鉄を含有することを特徴とするパン生地
の改良剤。 - 【請求項4】 アスコルビン酸を含有することを特徴と
する請求項3に記載のパン生地の改良剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09287656A JP3131898B2 (ja) | 1997-10-03 | 1997-10-03 | 硫酸第一鉄を用いたパンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09287656A JP3131898B2 (ja) | 1997-10-03 | 1997-10-03 | 硫酸第一鉄を用いたパンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11103756A true JPH11103756A (ja) | 1999-04-20 |
JP3131898B2 JP3131898B2 (ja) | 2001-02-05 |
Family
ID=17720037
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09287656A Expired - Lifetime JP3131898B2 (ja) | 1997-10-03 | 1997-10-03 | 硫酸第一鉄を用いたパンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3131898B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2398474A (en) * | 2003-02-17 | 2004-08-25 | Yamazaki Seipan Kabushiki Kais | Method for making breads |
WO2004071199A1 (ja) * | 2003-02-17 | 2004-08-26 | Yamazaki Seipan Kabushiki Kaisha | 角型食パン類の製造方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7341755B2 (en) | 2003-02-17 | 2008-03-11 | Yamazaki Seipan Kabushiki Kaisha | Method for making breads |
-
1997
- 1997-10-03 JP JP09287656A patent/JP3131898B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2398474A (en) * | 2003-02-17 | 2004-08-25 | Yamazaki Seipan Kabushiki Kais | Method for making breads |
WO2004071199A1 (ja) * | 2003-02-17 | 2004-08-26 | Yamazaki Seipan Kabushiki Kaisha | 角型食パン類の製造方法 |
GB2416476A (en) * | 2003-02-17 | 2006-02-01 | Yamazaki Seipan Kabushiki Kais | Method for making pullman type breads |
GB2398474B (en) * | 2003-02-17 | 2006-10-11 | Yamazaki Seipan Kabushiki Kais | Method for making breads |
GB2416476B (en) * | 2003-02-17 | 2007-03-14 | Yamazaki Seipan Kabushiki Kais | Method for making pullman type bread |
AU2004211858B2 (en) * | 2003-02-17 | 2008-09-25 | Yamazaki Seipan Kabushiki Kaisha | Method for making pullman type breads |
US7736682B2 (en) | 2003-02-17 | 2010-06-15 | Yamazaki Seipan Kabushiki Kaisha | Process for producing loaf bread |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3131898B2 (ja) | 2001-02-05 |
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