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JPH1087587A - N−t−ブチルアクリルアミドの精製方法 - Google Patents

N−t−ブチルアクリルアミドの精製方法

Info

Publication number
JPH1087587A
JPH1087587A JP25738896A JP25738896A JPH1087587A JP H1087587 A JPH1087587 A JP H1087587A JP 25738896 A JP25738896 A JP 25738896A JP 25738896 A JP25738896 A JP 25738896A JP H1087587 A JPH1087587 A JP H1087587A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solution
crystal
butylacrylamide
reaction solution
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25738896A
Other languages
English (en)
Inventor
Akinori Satou
了紀 佐藤
Takeshi Narita
健 成田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nitto Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nitto Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP25738896A priority Critical patent/JPH1087587A/ja
Publication of JPH1087587A publication Critical patent/JPH1087587A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】従来より析出結晶が大きく、着色度合いも少な
い高品位のN−t−ブチルアクリルアミド結晶が得られ
るN−t−ブチルアクリルアミドの精製方法を提供する
ことにある。 【構成】アクリロニトリルとt−ブチルアルコールとを
強酸の存在下で反応させて得られる反応液を、水もしく
は低級脂肪族アルコールの水溶液に添加してN−t−ブ
チルアクリルアミドの結晶を析出させるにあたり、水も
しくは水溶液のpHを0.1〜3に維持しつつ反応液を
添加することを特徴とするN−t−ブチルアクリルアミ
ドの精製方法。 【効果】本発明の方法により、従来より析出結晶が大き
く、合成時の副反応で生じた不純物、重合体の含有量も
少なく、着色度合いも少ない高品位のN−t−ブチルア
クリルアミド結晶が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高分子改質材、塗
料、接着材などの原材料あるいは化粧品の添加剤として
有用なN−t−ブチルアクリルアミドの精製方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、N−t−ブチルアクリルアミドの
製造方法として、1)アクリロニトリルとt−ブチルア
ルコールとを濃硫酸の存在下で反応させて得られる反応
液をアルカリ水溶液中に加えて、析出した結晶を得る方
法が知られている。又、2)反応液に水を添加した後、
アルカリ水溶液で中和して析出する結晶を得る方法(特
開平8−109159号公報)、3)反応液に低級アル
コールを添加した後水中に懸濁させて結晶を析出させる
方法(特開平3ー193750号公報)もある。
【0003】 しかし、上記1)の方法で得られるN−
t−ブチルアクリルアミドの結晶は非常に細かい針状晶
であるため、副反応で生じた硫酸ソーダや重合体等の不
純物が結晶中に取り込まれやすく、これらの不純物を多
く含む結晶となる。また結晶析出時の系のpHが強アル
カリになると、反応液中の酸や、結晶析出液中のアルカ
リに含まれる不純物などに由来する鉄分が3価の水酸化
鉄として析出し、着色の原因となる。そのため、高品位
のN−t−ブチルアクリルアミドを得るためには、再結
晶を繰り返し行わねばならなかった。
【0004】又、2)の方法は、スラリー濃度が高くな
るため特殊な攪拌装置を必要とし、設備コストが高くな
るという問題がある。3)の方法は、晶析中のスラリー
溶液が高度の腐食性を示すので、晶析槽としてグラスラ
イニング槽のような高価な設備を必要とするという問題
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来の
アクリロニトリルとt−ブチルアルコールとを強酸の存
在下で反応させて得られる反応液から、結晶析出法によ
りN−t−ブチルアクリルアミドを得る方法につき鋭意
検討した結果、反応液を直接アルカリ水溶液中に添加す
るのではなく、ある一定量の水もしくは低級脂肪族アル
コールの水溶液中に、水もしくは水溶液のpHを0.1
〜3に維持しつつ該反応液を添加すると、析出した結晶
は従来法の結晶より大きくなり、その結果、結晶の洗浄
効率が高まり、硫酸ソーダや重合体等の副反応で生じた
不純物が従来より少なくなり、更に、析出中のpHが酸
性であるため3価の水酸化鉄の析出が抑制され結晶の着
色度合も小さくなり、高品位のN−t−ブチルアクリル
アミドが得られることを見出し、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、アクリ
ロニトリルとt−ブチルアルコールとを強酸の存在下で
反応させて得られる反応液を、水もしくは低級脂肪族ア
ルコールの水溶液に添加してN−t−ブチルアクリルア
ミドの結晶を析出させるにあたり、水もしくは水溶液の
pHを0.1〜3に維持しつつ反応液を添加することを
特徴とするN−t−ブチルアクリルアミドの精製方法に
ある。
【0007】本発明の方法において、結晶析出中の水又
は低級脂肪酸水溶液のpHは0.1〜3であり、好まし
くは1から2である。pHが3より大きいと析出結晶は
微細な針状結晶となり、副反応で生じた硫酸ソーダや重
合体等の不純物の含量が多く、また輸送時における固結
の危険性も高くなる。又、pHの制御範囲がこの範囲よ
り小さくなりすぎるとると析出結晶がpH>3のケース
程ではないが小さくなり、また、液の腐蝕性が高まり、
防蝕のたのめ装置コストが高まる。水又は水溶液のpH
を0.1〜3、好ましくは1〜2に維持する方法として
は反応液の添加と同時に連続的あるいは間欠的にアルカ
リ水溶液を添加する方法を採用できる。
【0008】本発明において、結晶析出のために反応液
を添加する対象媒体としては水でもよいが、析出結晶が
より大きくなることから、低級アルコールの水溶液であ
ることが好ましい。低級脂肪族アルコールとしては水に
易溶なものが好ましいことから、メチルアルコール、エ
チルアルコール及びプロピルアルコールの1種以上が用
いられる。これらの中ではメチルアルコールが好まし
い。
【0009】本発明において、低級脂肪族アルコールの
添加量は、反応液中のN−t−ブチルアクリルアミドに
対する重量比で0.1〜1.0であることが好ましく、
0.5〜1.0であることがより好ましい。低級脂肪族
アルコールの添加量がこの範囲より小さい場合は、析出
結晶の大きさは該アルコールを添加しない場合と殆ど同
じで、この範囲より大きい場合は水溶液中へN−t−ブ
チルアクリルアミドが溶解したまま残る量が多くなり、
経済性の点から好ましくない。なお、結晶析出中のpH
の制御範囲は低級脂肪族アルコールが添加されていても
アルコールが添加されていない場合と同様である。
【0010】低級脂肪族アルコールは反応液の方に添加
することも可能であるが、水に添加した方が、N−t−
ブチルアクリルアミドの析出開始時の溶解度は向上する
ことから析出結晶がより大きくなるため好ましい。
【0011】本発明においてはアクリロニトリルとt−
ブチルアルコールとを強酸の存在下で反応させて得られ
る反応液を用いるが、強酸としては硫酸及び燐酸を例示
でき、この中では硫酸が好ましく用いられる。
【0012】
【実施例】以下に、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではない。N−t−ブチルアクリルアミドの結晶は
柱状晶であるため、結晶の大きさを一概に規定できな
い。そこで、ここでは、各実施例、比較例の処方で析出
させた結晶の大きさを定量的に比較するため、各々の結
晶と水とを混合してスラリー溶液をつくり、それを真空
度400〜405mmHgで減圧濾過した。濾過終了後
のケーキ層厚さが同じになるようにしておけば結晶サイ
ズが大きいほど濾過速度は大きくなる。また、粒径分布
が既知のガラスビーズ(球状)を用いてこれを水と混合
しスラリー溶液をつくり、同様に平均濾過速度を測定
し、粒径と濾過速度のキャリブレーションデータを取っ
た。このデータを用い、前述した該結晶スラリーの平均
濾過速度よりN−t−ブチルアクリルアミド結晶を球形
とした時の相当直径を求め、比較するようにした。装置
の濾過面積は16.6cm2 、濾紙はNo.5Bを用
い、ケーキ層の厚さは27mmとした。キャリブレーシ
ョン用には26〜100μmの粒径の異なるガラスビー
ズ5種を用いた。又、APHAはJIS K4101に
準拠して測定した。
【0013】実施例1 (合成工程)1リットルの内容積を有するガラス製容器
中に80%硫酸470.8gを仕込み、反応温度が40
℃を越えないように冷却攪拌しながらアクリロニトリル
169.8gと14%含水t−ブチルアルコール31
7.2gを1時間かけて滴下し、滴下終了後、更に4時
間40℃に維持しつつ攪拌を続けてN−t−ブチルアク
リルアミドを合成した。
【0014】(晶析工程)次いで、1リットルの内容積
を有するガラス製容器中に水243g、メタノール40
gを入れ、この溶液に上記で得られた反応液の200g
を4時間かけて連続的に加えた。その際、晶析中の液温
を50〜52℃に維持しつつ、pHコントローラーとチ
ューブポンプを組み合わせて晶析中の液のpHが1〜2
になるように48%水酸化ナトリウム水溶液を晶析中の
液に添加した。
【0015】反応液添加終了後、反応槽内のスラリーの
pHを4.5〜5.0に調整し、遠心分離器で析出結晶
を分離した。分離後の結晶は相当直径100μmとな
り、10%メタノール水溶液100gに湿結晶10gを
溶かしたときのAPHAは20であった。
【0016】実施例2 晶析工程においてメタノール40gを用いなかった以外
は実施例1と同様にした。得られた湿結晶の相当直径は
80μm、10%メタノール水溶液100gに湿結晶1
0gを溶かしたときのAPHAは20であった。
【0017】比較例1 1リットルの内容積を有するガラス製容器中に水243
gと48%水酸化ナトリウム水溶液143gを仕込み、
実施例1の合成工程と同様にして得た反応液200gを
2時間かけて添加した。添加終了後、スラリーのpHを
4.5〜5.0に調整し、析出結晶を遠心分離器で分離
した。分離後の結晶は微細な針状結晶で、相当直径は3
0μm、10%メタノール水溶液100gに湿結晶10
gを溶かしたときのAPHAは100であった。
【0018】比較例2 水酸化ナトリウム水溶液の代わりに水を仕込んだ以外は
比較例1と同様にした。分離後の結晶は相当直径30μ
mであった。
【0019】
【発明の効果】本発明の方法によれば、析出した結晶は
従来法での結晶より大きくなり、合成時の副反応で生じ
た不純物及び重合体の含まれる量も従来より少なくな
る。しかも本発明の方法は、晶析槽がグラスライニング
の反応釜でなくてもSUS316製であれば装置的に対
応可能であり、装置コストが安価になるという特徴を有
する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリロニトリルとt−ブチルアルコール
    とを強酸の存在下で反応させて得られる反応液を、水も
    しくは低級脂肪族アルコールの水溶液に添加してN−t
    −ブチルアクリルアミドの結晶を析出させるにあたり、
    水もしくは水溶液のpHを0.1〜3に維持しつつ反応
    液を添加することを特徴とするN−t−ブチルアクリル
    アミドの精製方法。
  2. 【請求項2】水溶液中の低級脂肪族アルコールの量が反
    応液中のN−t−ブチルアクリルアミドに対する重量比
    で0.1から1.0であることを特徴とする請求項1記
    載のN−t−ブチルアクリルアミドの精製方法
JP25738896A 1996-09-09 1996-09-09 N−t−ブチルアクリルアミドの精製方法 Pending JPH1087587A (ja)

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JPH1087587A true JPH1087587A (ja) 1998-04-07

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JP (1) JPH1087587A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011178715A (ja) * 2010-03-01 2011-09-15 Toagosei Co Ltd 着色の低減されたN−tert−ブチルアクリルアミドの製造方法
JP2011178716A (ja) * 2010-03-01 2011-09-15 Toagosei Co Ltd 着色の低減されたN−tert−ブチルアクリルアミドの製造方法
JP2016117719A (ja) * 2010-09-01 2016-06-30 日本曹達株式会社 フェノール性化合物を用いた記録材料

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011178715A (ja) * 2010-03-01 2011-09-15 Toagosei Co Ltd 着色の低減されたN−tert−ブチルアクリルアミドの製造方法
JP2011178716A (ja) * 2010-03-01 2011-09-15 Toagosei Co Ltd 着色の低減されたN−tert−ブチルアクリルアミドの製造方法
JP2016117719A (ja) * 2010-09-01 2016-06-30 日本曹達株式会社 フェノール性化合物を用いた記録材料

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