JPH1081837A - 高耐候性メタリック顔料 - Google Patents
高耐候性メタリック顔料Info
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- JPH1081837A JPH1081837A JP25544696A JP25544696A JPH1081837A JP H1081837 A JPH1081837 A JP H1081837A JP 25544696 A JP25544696 A JP 25544696A JP 25544696 A JP25544696 A JP 25544696A JP H1081837 A JPH1081837 A JP H1081837A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 メタリック感,隠蔽性,耐久性に優れたメタ
リック顔料を得る。 【解決手段】 このメタリック顔料は、鱗片状基体の表
面にチタニア層,錫合金層及び酸化錫層が順次積層され
ている。錫合金層は、Al,Ag,Ni,Cr又はCu
とSnとの合金からなり、スパッタリング法で50〜3
00Åの厚みに形成することが好ましい。 【効果】 樹脂塗料,印刷インク,プラスチック成形品
用樹脂組成物等に混合され、メタリック感,隠蔽性,耐
久性に優れた表面を形成する。
リック顔料を得る。 【解決手段】 このメタリック顔料は、鱗片状基体の表
面にチタニア層,錫合金層及び酸化錫層が順次積層され
ている。錫合金層は、Al,Ag,Ni,Cr又はCu
とSnとの合金からなり、スパッタリング法で50〜3
00Åの厚みに形成することが好ましい。 【効果】 樹脂塗料,印刷インク,プラスチック成形品
用樹脂組成物等に混合され、メタリック感,隠蔽性,耐
久性に優れた表面を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、意匠性に優れた表面状
態を付与するため各種塗料やプラスチック成形品用樹脂
組成物,印刷インク等に混合される高耐候性のメタリッ
ク顔料に関する。
態を付与するため各種塗料やプラスチック成形品用樹脂
組成物,印刷インク等に混合される高耐候性のメタリッ
ク顔料に関する。
【0002】
【従来の技術】外装建材,自動車用車体,屋外配置され
る家電製品等では、周囲との調和や識別性,意匠性を高
めるため、種々な方法で色調の改善が進められている。
たとえば、自動車用の上塗り塗装では、きらきらしたメ
タリック調の表面を得るためパールマイカ顔料が用いら
れている。パールマイカ顔料は、マイカの全表面にチタ
ニアをコーティングしたものであり、チタニアの高屈折
率に起因する干渉色を意匠性の改善に利用している。し
かし、パールマイカ顔料は、隠蔽力やメタリック感に乏
しいため、種々の改良が提案されている。たとえば、め
っきにより金属被覆層をマイカの全表面に形成した顔料
が特開昭57−161055号公報で紹介されている。
また、マイカの全表面にTiの低次酸化物層を形成した
上で更にチタニア層で被覆した顔料が市販されている。
特開平1−108267号公報では、パールマイカの表
面に金属光輝部を島状に形成した顔料が紹介されてい
る。
る家電製品等では、周囲との調和や識別性,意匠性を高
めるため、種々な方法で色調の改善が進められている。
たとえば、自動車用の上塗り塗装では、きらきらしたメ
タリック調の表面を得るためパールマイカ顔料が用いら
れている。パールマイカ顔料は、マイカの全表面にチタ
ニアをコーティングしたものであり、チタニアの高屈折
率に起因する干渉色を意匠性の改善に利用している。し
かし、パールマイカ顔料は、隠蔽力やメタリック感に乏
しいため、種々の改良が提案されている。たとえば、め
っきにより金属被覆層をマイカの全表面に形成した顔料
が特開昭57−161055号公報で紹介されている。
また、マイカの全表面にTiの低次酸化物層を形成した
上で更にチタニア層で被覆した顔料が市販されている。
特開平1−108267号公報では、パールマイカの表
面に金属光輝部を島状に形成した顔料が紹介されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開昭57−1610
55号公報の顔料は、マイカの全表面がめっき金属で被
覆されているため、隠蔽力,耐候性等がかなり改善され
ている。しかし、めっき金属の表面に微小な凹凸が発生
することが避けられず、メタリック感が不足している。
この点は、特開平1−108267号公報の顔料も同様
である。他方、Tiの低次酸化物層を介してチタニア層
でマイカを被覆した顔料は、隠蔽力,メタリック感,耐
候性等がやや不足している。パールマイカ顔料の耐候性
は、チタニア被覆マイカを水酸化クロムで処理する方法
(特開昭54−96534号公報),含水酸化ジルコニ
ウムとCo,Mn,Ce等の含水酸化物を付着させる方
法(特開平1−292067号公報),Ce,Sbの塩
化物を被覆した後で更にシリカやアルミナで処理する方
法(特開平4−249584号公報)等で改善される。
しかし、何れの後処理によっても、十分満足できるまで
耐候性が改善されない。しかも、後処理によって黄色み
が増したり、メタリック感が却って低下することもあ
り、実用的には問題が多い。本発明は、このような問題
を解消すべく案出されたものであり、鱗片状基体を被覆
したチタニア層の上に錫合金層及び酸化錫層を形成する
ことにより、耐候性に優れ、隠蔽力及びメタリック感を
兼ね備えたメタリック顔料を提供することを目的とす
る。
55号公報の顔料は、マイカの全表面がめっき金属で被
覆されているため、隠蔽力,耐候性等がかなり改善され
ている。しかし、めっき金属の表面に微小な凹凸が発生
することが避けられず、メタリック感が不足している。
この点は、特開平1−108267号公報の顔料も同様
である。他方、Tiの低次酸化物層を介してチタニア層
でマイカを被覆した顔料は、隠蔽力,メタリック感,耐
候性等がやや不足している。パールマイカ顔料の耐候性
は、チタニア被覆マイカを水酸化クロムで処理する方法
(特開昭54−96534号公報),含水酸化ジルコニ
ウムとCo,Mn,Ce等の含水酸化物を付着させる方
法(特開平1−292067号公報),Ce,Sbの塩
化物を被覆した後で更にシリカやアルミナで処理する方
法(特開平4−249584号公報)等で改善される。
しかし、何れの後処理によっても、十分満足できるまで
耐候性が改善されない。しかも、後処理によって黄色み
が増したり、メタリック感が却って低下することもあ
り、実用的には問題が多い。本発明は、このような問題
を解消すべく案出されたものであり、鱗片状基体を被覆
したチタニア層の上に錫合金層及び酸化錫層を形成する
ことにより、耐候性に優れ、隠蔽力及びメタリック感を
兼ね備えたメタリック顔料を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のメタリック顔料
は、その目的を達成するため、鱗片状基体の表面にチタ
ニア層,錫合金層及び酸化錫層が順次積層されているこ
とを特徴とする。錫合金層は、Al,Ag,Ni,Cr
又はCuとSnとの合金からなり、スパッタリング法で
50〜300Åの厚みに形成することが好ましい。この
メタリック顔料は、塗料に配合され、メタリック感に優
れた塗膜の形成に使用される。また、樹脂組成物に混入
され、表面性状に優れたプラスチック成形品の製造に利
用することもできる。更には、印刷インクに配合し、反
射テープ,表示材料,看板,道路標識用に使用される。
は、その目的を達成するため、鱗片状基体の表面にチタ
ニア層,錫合金層及び酸化錫層が順次積層されているこ
とを特徴とする。錫合金層は、Al,Ag,Ni,Cr
又はCuとSnとの合金からなり、スパッタリング法で
50〜300Åの厚みに形成することが好ましい。この
メタリック顔料は、塗料に配合され、メタリック感に優
れた塗膜の形成に使用される。また、樹脂組成物に混入
され、表面性状に優れたプラスチック成形品の製造に利
用することもできる。更には、印刷インクに配合し、反
射テープ,表示材料,看板,道路標識用に使用される。
【0005】
【実施の形態】本発明で使用する鱗片状基体としては、
マイカ,ガラスフレーク,Alフレーク,グラファイ
ト,二硫化モリブデン,板状酸化鉄等が使用される。な
かでも、天然に鱗片状結晶体として産出される白雲母,
黒雲母,金雲母等の天然マイカや合成マイカが好適であ
る。通常、基体としては、厚み/長さの比がほぼ(1〜
5)/100,平均厚みがほぼ500〜1000Å,一
辺の長さがほぼ3〜50μmである。以下の説明では、
鱗片状基体の代表例としてマイカで説明する。鱗片状基
体の全表面には、従来のパールマイカ顔料と同様に、チ
タニア層が被覆される。このチタニア層の厚みに応じ
て、種々の干渉色が発色する。マイカにルチル型のチタ
ニア皮膜を形成するためには、たとえば米国特許第40
38099号明細書に記載されているように、最終的な
仮焼生成物中にルチル型結晶のチタニアが確実に確保さ
れるように錫化合物を被覆する。錫化合物の被覆は、マ
イカの水性スラリーを塩化第二錫又は硫酸第二錫の溶液
で処理することにより、効果的に施すことができる。ス
ラリー中のマイカ濃度は、1〜25重量%,好ましくは
5〜15重量%の範囲に維持される。
マイカ,ガラスフレーク,Alフレーク,グラファイ
ト,二硫化モリブデン,板状酸化鉄等が使用される。な
かでも、天然に鱗片状結晶体として産出される白雲母,
黒雲母,金雲母等の天然マイカや合成マイカが好適であ
る。通常、基体としては、厚み/長さの比がほぼ(1〜
5)/100,平均厚みがほぼ500〜1000Å,一
辺の長さがほぼ3〜50μmである。以下の説明では、
鱗片状基体の代表例としてマイカで説明する。鱗片状基
体の全表面には、従来のパールマイカ顔料と同様に、チ
タニア層が被覆される。このチタニア層の厚みに応じ
て、種々の干渉色が発色する。マイカにルチル型のチタ
ニア皮膜を形成するためには、たとえば米国特許第40
38099号明細書に記載されているように、最終的な
仮焼生成物中にルチル型結晶のチタニアが確実に確保さ
れるように錫化合物を被覆する。錫化合物の被覆は、マ
イカの水性スラリーを塩化第二錫又は硫酸第二錫の溶液
で処理することにより、効果的に施すことができる。ス
ラリー中のマイカ濃度は、1〜25重量%,好ましくは
5〜15重量%の範囲に維持される。
【0006】予め錫化合物で処理したマイカの水性スラ
リー中に酸性の硫酸チタニル溶液を添加することによ
り、チタニア被覆が形成される。硫酸チタニル溶液は、
通常TiO2 として2〜12重量%,好ましくは3〜6
重量%の濃度をもち、10〜30重量%の硫酸を含む。
この系は、硫酸チタニルを効果的に加水分解するため7
0〜110℃に加熱される。加熱により、マイカ粒子が
含水無定形水酸化チタニウムで被覆される。被覆された
マイカ粒子は、濾過分離され、蒸留水で洗浄された後、
オーブン中で80〜130℃に1〜6時間加熱すること
により乾燥される。チタニアによる被覆は、TiCl4
等の可溶性チタニウム化合物又は錯化合物を用いても行
うことができる。マイカ表面に沈積した水酸化チタニウ
ムを高温長時間で仮焼するとき、ルチル型のチタニア結
晶系に変わると共に優れた耐候性が付与される。この
点、少なくとも950℃に30分加熱する仮焼処理条件
が採用される。
リー中に酸性の硫酸チタニル溶液を添加することによ
り、チタニア被覆が形成される。硫酸チタニル溶液は、
通常TiO2 として2〜12重量%,好ましくは3〜6
重量%の濃度をもち、10〜30重量%の硫酸を含む。
この系は、硫酸チタニルを効果的に加水分解するため7
0〜110℃に加熱される。加熱により、マイカ粒子が
含水無定形水酸化チタニウムで被覆される。被覆された
マイカ粒子は、濾過分離され、蒸留水で洗浄された後、
オーブン中で80〜130℃に1〜6時間加熱すること
により乾燥される。チタニアによる被覆は、TiCl4
等の可溶性チタニウム化合物又は錯化合物を用いても行
うことができる。マイカ表面に沈積した水酸化チタニウ
ムを高温長時間で仮焼するとき、ルチル型のチタニア結
晶系に変わると共に優れた耐候性が付与される。この
点、少なくとも950℃に30分加熱する仮焼処理条件
が採用される。
【0007】これらの方法で鱗片状基体をチタニアで被
覆したものとしては、酸化チタン被覆マイカ(特開昭5
8−164653号公報),酸化チタン被覆アルミフレ
ーク(特開平2−669号公報),酸化チタン被覆板状
酸化鉄(特開昭64−75569号公報),酸化チタン
被覆ガラスフレーク(特開平6−116507号公
報),酸化チタン被覆グラファイト(特開平4−348
170号公報)等が市販されている。本発明では、この
ようにチタニア被覆されたマイカ等の鱗片状基体を錫合
金被覆の対象としている。チタニア被覆層は紫外線吸収
部として作用するが、チタニア被覆層の上に形成された
錫合金層は赤外線反射部として作用する。また、錫合金
層の上に形成された酸化錫層は、耐候性を改善する。
覆したものとしては、酸化チタン被覆マイカ(特開昭5
8−164653号公報),酸化チタン被覆アルミフレ
ーク(特開平2−669号公報),酸化チタン被覆板状
酸化鉄(特開昭64−75569号公報),酸化チタン
被覆ガラスフレーク(特開平6−116507号公
報),酸化チタン被覆グラファイト(特開平4−348
170号公報)等が市販されている。本発明では、この
ようにチタニア被覆されたマイカ等の鱗片状基体を錫合
金被覆の対象としている。チタニア被覆層は紫外線吸収
部として作用するが、チタニア被覆層の上に形成された
錫合金層は赤外線反射部として作用する。また、錫合金
層の上に形成された酸化錫層は、耐候性を改善する。
【0008】錫合金としては、Sn−Al,Sn−A
g,Sn−Ni,Sn−Cr,Sn−Cu等の合金系が
挙げられる。これら合金に含まれるSn量は、10〜5
0重量%,好ましくは20〜40重量%に調整される。
10重量%に満たないSn含有量では、表面に十分な厚
みをもつ酸化錫層が形成されず、耐候性の改善が不十分
となる。しかし、50重量%を超える多量のSnが含ま
れると、合金の色調が変化し、Al,Ag,Ni,Cr
及びCuが本来呈する美麗な色調が発現しない。なお、
Al,Ag,Ni,Cr,Cuの外に、Zn,Sb,C
o,Mn,Ti,Mo,Ta,Zr,Nb,W,N,
B,P等の1種又は2種以上を10重量%以下の割合で
含むこともできる。錫合金層は、50〜300Å,好ま
しくは100〜200Åの膜厚でチタニア被覆マイカに
施される。錫合金層は、50Å以上の膜厚で、基材の全
表面を均一に被覆することができる。しかし、300Å
を超える厚膜で錫合金層を施しても、厚膜化による効果
が飽和し、却ってコストを上昇させる原因となる。
g,Sn−Ni,Sn−Cr,Sn−Cu等の合金系が
挙げられる。これら合金に含まれるSn量は、10〜5
0重量%,好ましくは20〜40重量%に調整される。
10重量%に満たないSn含有量では、表面に十分な厚
みをもつ酸化錫層が形成されず、耐候性の改善が不十分
となる。しかし、50重量%を超える多量のSnが含ま
れると、合金の色調が変化し、Al,Ag,Ni,Cr
及びCuが本来呈する美麗な色調が発現しない。なお、
Al,Ag,Ni,Cr,Cuの外に、Zn,Sb,C
o,Mn,Ti,Mo,Ta,Zr,Nb,W,N,
B,P等の1種又は2種以上を10重量%以下の割合で
含むこともできる。錫合金層は、50〜300Å,好ま
しくは100〜200Åの膜厚でチタニア被覆マイカに
施される。錫合金層は、50Å以上の膜厚で、基材の全
表面を均一に被覆することができる。しかし、300Å
を超える厚膜で錫合金層を施しても、厚膜化による効果
が飽和し、却ってコストを上昇させる原因となる。
【0009】錫合金層は、スパッタリング,イオンプレ
ーティング,真空蒸着等によってチタニア被覆マイカの
表面に施すことができる。なかでも、各金属元素が均一
に固溶した錫合金皮膜を形成する上で、本発明者等が開
発した粉末スパッタリング法が最適である。たとえば、
回転ドラムに粉末を投入し、回転ドラムの回転によって
流動化させた粉末粒子をスパッタリングする方法(特開
平2−153068号公報),繰り返される粉末の落下
流に金属をスパッタリングする方法(特開昭62−25
0172号公報)等が採用される。粉末スパッタリング
では、たとえば設備構成を図1に示す装置を使用する。
この粉末スパッタリング装置においては、回転ドラム1
を2本のロール2で支持し、一方のロール2をモータ3
で回転させる。回転ドラム1の内部には、2個のスパッ
タリング源4が配置されており、投入した粉末原料5が
スパッタリングされる。
ーティング,真空蒸着等によってチタニア被覆マイカの
表面に施すことができる。なかでも、各金属元素が均一
に固溶した錫合金皮膜を形成する上で、本発明者等が開
発した粉末スパッタリング法が最適である。たとえば、
回転ドラムに粉末を投入し、回転ドラムの回転によって
流動化させた粉末粒子をスパッタリングする方法(特開
平2−153068号公報),繰り返される粉末の落下
流に金属をスパッタリングする方法(特開昭62−25
0172号公報)等が採用される。粉末スパッタリング
では、たとえば設備構成を図1に示す装置を使用する。
この粉末スパッタリング装置においては、回転ドラム1
を2本のロール2で支持し、一方のロール2をモータ3
で回転させる。回転ドラム1の内部には、2個のスパッ
タリング源4が配置されており、投入した粉末原料5が
スパッタリングされる。
【0010】回転ドラム1の上方には、外周に加熱コイ
ル6を備えた減圧処理室7が配置されており、減圧処理
室7の底部がバルブ8を備えた供給管9を介して回転ド
ラム1に接続されている。供給管9は、バルブ8より下
側の部分でArガス導入管10が内部に挿入された二重
管構造になっており、側面から回転ドラム1の内部に挿
入され、先端が回転ドラム1の底部に延びている。ま
た、バルブ8より下側で供給管9に分岐管11が取り付
けられており、分岐管11の先端が流体ジェットミル1
2に接続されている。流体ジェットミル12の出側は、
循環管13を経て減圧処理室7の上部に接続されてい
る。分岐管11,循環管13にバルブ14,15が挿入
されており、循環管13には固気分離装置16が接続さ
れている。回転ドラム1内でスパッタリングにより金属
被覆された粉末5は、分岐管11,循環管13から減圧
処理室7に送られ、所定厚み皮膜が形成されるまでスパ
ッタリング処理に繰返し供される。所定の厚みをもつ皮
膜が形成された粉末5は、固気分離装置16で回収され
る。
ル6を備えた減圧処理室7が配置されており、減圧処理
室7の底部がバルブ8を備えた供給管9を介して回転ド
ラム1に接続されている。供給管9は、バルブ8より下
側の部分でArガス導入管10が内部に挿入された二重
管構造になっており、側面から回転ドラム1の内部に挿
入され、先端が回転ドラム1の底部に延びている。ま
た、バルブ8より下側で供給管9に分岐管11が取り付
けられており、分岐管11の先端が流体ジェットミル1
2に接続されている。流体ジェットミル12の出側は、
循環管13を経て減圧処理室7の上部に接続されてい
る。分岐管11,循環管13にバルブ14,15が挿入
されており、循環管13には固気分離装置16が接続さ
れている。回転ドラム1内でスパッタリングにより金属
被覆された粉末5は、分岐管11,循環管13から減圧
処理室7に送られ、所定厚み皮膜が形成されるまでスパ
ッタリング処理に繰返し供される。所定の厚みをもつ皮
膜が形成された粉末5は、固気分離装置16で回収され
る。
【0011】粉末スパッタリング法で錫合金層を形成す
るとき、焼結法,溶融法等で用意されたターゲットが使
用される。複数の結晶相からなるターゲットでは、目標
とする錫合金層の平均組成に等しくなるように調整され
る。また、目標とする錫合金層の主成分からなる金属板
に合金化しようとする金属を埋め込んだターゲット,複
数の単一金属を組み合わせたターゲット等も使用され
る。一般に、基体に施す皮膜が厚くなるほど、皮膜表面
の凹凸が大きくなり、光輝性が低下するといわれてい
る。たとえば、無電解めっきでは皮膜厚みを1,000
Å以上に厚くしないと粉末の表面全体を均一に被覆でき
ないとされているが、スパッタリング法では300Å以
下の薄膜でも十分に表面全体を均一に被覆することが可
能である。そのため、より優れた光輝性が鱗片状基体に
付与される。しかも、被覆量を少なくできることから、
製造コストも低減できる。
るとき、焼結法,溶融法等で用意されたターゲットが使
用される。複数の結晶相からなるターゲットでは、目標
とする錫合金層の平均組成に等しくなるように調整され
る。また、目標とする錫合金層の主成分からなる金属板
に合金化しようとする金属を埋め込んだターゲット,複
数の単一金属を組み合わせたターゲット等も使用され
る。一般に、基体に施す皮膜が厚くなるほど、皮膜表面
の凹凸が大きくなり、光輝性が低下するといわれてい
る。たとえば、無電解めっきでは皮膜厚みを1,000
Å以上に厚くしないと粉末の表面全体を均一に被覆でき
ないとされているが、スパッタリング法では300Å以
下の薄膜でも十分に表面全体を均一に被覆することが可
能である。そのため、より優れた光輝性が鱗片状基体に
付与される。しかも、被覆量を少なくできることから、
製造コストも低減できる。
【0012】スパッタリング法によるとき少量の被覆金
属でマイカ表面を均一に被覆できることは、プラズマ状
態まで励起された金属原子がマイカ表面に高速で衝突す
る現象を繰り返し、金属皮膜形成時の核発生密度が極め
て密になることが原因であると考えられる。これに対
し、無電解めっきでは、マイカ表面をパラジウム等で予
め活性する前処理が施されるが、このパラジウム付着部
分が無電解めっき時に金属皮膜形成の発生用核になると
いわれている。しかし、物理吸着であるパラジウムの付
着密度は、スパッタリング法におけるプラズマ状態に励
起された金属原子の衝突密度に比較すると、極端に小さ
いものと推定される。
属でマイカ表面を均一に被覆できることは、プラズマ状
態まで励起された金属原子がマイカ表面に高速で衝突す
る現象を繰り返し、金属皮膜形成時の核発生密度が極め
て密になることが原因であると考えられる。これに対
し、無電解めっきでは、マイカ表面をパラジウム等で予
め活性する前処理が施されるが、このパラジウム付着部
分が無電解めっき時に金属皮膜形成の発生用核になると
いわれている。しかし、物理吸着であるパラジウムの付
着密度は、スパッタリング法におけるプラズマ状態に励
起された金属原子の衝突密度に比較すると、極端に小さ
いものと推定される。
【0013】また、2成分以上の合金めっきであること
も皮膜を微細化する原因の一つである。すなわち、無電
解めっき法等によるとき、Ag等の単一金属を被覆する
場合には核の発生及び成長時に結晶が粗大化し易いが、
合金めっきの場合には逆に核の発生と成長時に結晶が微
細化し易い傾向にある。全表面にチタニア層が被覆され
た基材を使用する点も、本発明の大きな特徴である。す
なわち、マイカ,ガラスフレーク,アルミフレーク,グ
ラファイト,二硫化モリブデン,板状酸化鉄等の鱗片状
基体は、製造及び取扱いに起因する微細な凹凸が表面に
あるため、そのままでは錫合金を被覆しても高い光沢度
が得られ難い。そこで、これら基材の全表面に径が数十
Åの微細な球状粒子からなるチタニアを被覆しておく
と、錫合金を被覆したときに高光沢になり易い。同様
に、シリカ,ジルコニア,アルミナ等の微細な球状粒子
でゾル−ゲル法等で鱗片状基体を被覆しておくこともで
きる。
も皮膜を微細化する原因の一つである。すなわち、無電
解めっき法等によるとき、Ag等の単一金属を被覆する
場合には核の発生及び成長時に結晶が粗大化し易いが、
合金めっきの場合には逆に核の発生と成長時に結晶が微
細化し易い傾向にある。全表面にチタニア層が被覆され
た基材を使用する点も、本発明の大きな特徴である。す
なわち、マイカ,ガラスフレーク,アルミフレーク,グ
ラファイト,二硫化モリブデン,板状酸化鉄等の鱗片状
基体は、製造及び取扱いに起因する微細な凹凸が表面に
あるため、そのままでは錫合金を被覆しても高い光沢度
が得られ難い。そこで、これら基材の全表面に径が数十
Åの微細な球状粒子からなるチタニアを被覆しておく
と、錫合金を被覆したときに高光沢になり易い。同様
に、シリカ,ジルコニア,アルミナ等の微細な球状粒子
でゾル−ゲル法等で鱗片状基体を被覆しておくこともで
きる。
【0014】チタニア被覆を介して錫合金層を鱗片状基
体の全表面に形成すると、紫外線がチタニア層で吸収さ
れ、赤外線が錫合金層で反射される。そのため、外装建
材に使用すると、塗膜を構成している樹脂の紫外線劣化
が防止され、建材の温度上昇が赤外線反射により抑制さ
れるので、機能的に極めて優れた外装建材用メタリック
顔料として使用される。通常のチタニアを被覆したパー
ルマイカ顔料は、そのままでは耐候性が劣ることから種
々の後処理が施されている。しかし、後処理によっても
十分満足できるレベルまで耐候性を改善することは困難
であり、却って黄色みが増しメタリック感が低下する問
題が生じる。しかも、後処理工程を余分に必要とするの
で、製造コストを上昇させる原因ともなる。この点、本
発明では、錫合金層を形成することにより耐候性を改善
している。錫合金層は、耐候性のある酸化錫層を自然環
境下で表面に形成する。しかも、酸化錫層は、透明皮膜
であるため光沢度が実質的に低下せず、製造コストを上
げる原因となる後処理工程が不要である。
体の全表面に形成すると、紫外線がチタニア層で吸収さ
れ、赤外線が錫合金層で反射される。そのため、外装建
材に使用すると、塗膜を構成している樹脂の紫外線劣化
が防止され、建材の温度上昇が赤外線反射により抑制さ
れるので、機能的に極めて優れた外装建材用メタリック
顔料として使用される。通常のチタニアを被覆したパー
ルマイカ顔料は、そのままでは耐候性が劣ることから種
々の後処理が施されている。しかし、後処理によっても
十分満足できるレベルまで耐候性を改善することは困難
であり、却って黄色みが増しメタリック感が低下する問
題が生じる。しかも、後処理工程を余分に必要とするの
で、製造コストを上昇させる原因ともなる。この点、本
発明では、錫合金層を形成することにより耐候性を改善
している。錫合金層は、耐候性のある酸化錫層を自然環
境下で表面に形成する。しかも、酸化錫層は、透明皮膜
であるため光沢度が実質的に低下せず、製造コストを上
げる原因となる後処理工程が不要である。
【0015】スパッタリング法で鱗片状基体の表面を錫
合金層で均一に被覆した後、塗料に対する分散性及び樹
脂との密着性を改善するため、脂肪酸等の有機物を使用
した被覆処理や各種カップリング剤を使用した表面処理
等を施すことができる。カップリング剤としては、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン,N−β−アミノエ
チル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン,ビニルトリエ
トキシシラン,γ−メタクリルオキシプロピルトリメト
キシシラン,チタン系カップリング剤,ジルコニア系カ
ップリング剤,アルミ系カップリング剤等が具体的に挙
げられる。錫合金を被覆した鱗片状基体は、樹脂のビヒ
クル成分(固形量)100重量部当り0.1〜30重量
部の割合で樹脂と配合される。鱗片状基体の配合割合が
0.1重量部未満では、奥行のある高級なメタリック感
が得られ難い。配合割合の上限は特に制約されるもので
なく、樹脂の種類,要求される成形品の物性等に応じて
適宜定められるが、通常は20重量部以下、好ましくは
5重量部以下の割合で樹脂に配合される。
合金層で均一に被覆した後、塗料に対する分散性及び樹
脂との密着性を改善するため、脂肪酸等の有機物を使用
した被覆処理や各種カップリング剤を使用した表面処理
等を施すことができる。カップリング剤としては、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン,N−β−アミノエ
チル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン,ビニルトリエ
トキシシラン,γ−メタクリルオキシプロピルトリメト
キシシラン,チタン系カップリング剤,ジルコニア系カ
ップリング剤,アルミ系カップリング剤等が具体的に挙
げられる。錫合金を被覆した鱗片状基体は、樹脂のビヒ
クル成分(固形量)100重量部当り0.1〜30重量
部の割合で樹脂と配合される。鱗片状基体の配合割合が
0.1重量部未満では、奥行のある高級なメタリック感
が得られ難い。配合割合の上限は特に制約されるもので
なく、樹脂の種類,要求される成形品の物性等に応じて
適宜定められるが、通常は20重量部以下、好ましくは
5重量部以下の割合で樹脂に配合される。
【0016】ビヒクル成分としては、基体樹脂と架橋剤
とを主成分とする硬化性樹脂塑性物が好ましい。基体樹
脂には、架橋性官能基をもつアクリル樹脂,ポリエステ
ル樹脂,アルキド樹脂等があるが、透明度の高い樹脂が
好ましい、架橋剤としては、メチロール化又はアルキル
エーテル化メラミン樹脂,尿素樹脂,ポリイソシアネー
ト化合物等が使用される。また、自己硬化性樹脂,熱硬
化性樹脂等も使用可能である。勿論、染料,顔料等で着
色した樹脂も使用可能である。溶剤としては、塗料用有
機溶剤や水等がある。
とを主成分とする硬化性樹脂塑性物が好ましい。基体樹
脂には、架橋性官能基をもつアクリル樹脂,ポリエステ
ル樹脂,アルキド樹脂等があるが、透明度の高い樹脂が
好ましい、架橋剤としては、メチロール化又はアルキル
エーテル化メラミン樹脂,尿素樹脂,ポリイソシアネー
ト化合物等が使用される。また、自己硬化性樹脂,熱硬
化性樹脂等も使用可能である。勿論、染料,顔料等で着
色した樹脂も使用可能である。溶剤としては、塗料用有
機溶剤や水等がある。
【0017】
実施例1:図1の粉末スパッタリング装置を使用して、
パールマイカ顔料(マール社製,マグナパール100
0,平均粒径:25μm,平均厚み:1μm)の表面
に、膜厚300Åの錫合金(10%Sn−90%Al)
をコーティングした。内径200mm,軸方向長さ20
0mmの回転ドラム1に、2個の10%Sn−90%A
l合金スパッタリング源4を配置した。スパッタリング
源4としては、Snターゲット及びAlターゲットを組
み合わせて出力1.5KWのマグネトロン型を使用し
た。パールマイカ顔料5を100g投入し、減圧処理室
7を3.0×10-3Paに減圧した後、Arガス導入管
10からArガスを15cm3 /分の流量で導入し、パ
ールマイカ顔料5を分岐管11,流体ジェットミル12
及び循環管13を経て減圧処理室7に吸引移送した。そ
して、減圧処理室7で加熱コイル6により200℃に3
0分間加熱して乾燥脱ガスした。
パールマイカ顔料(マール社製,マグナパール100
0,平均粒径:25μm,平均厚み:1μm)の表面
に、膜厚300Åの錫合金(10%Sn−90%Al)
をコーティングした。内径200mm,軸方向長さ20
0mmの回転ドラム1に、2個の10%Sn−90%A
l合金スパッタリング源4を配置した。スパッタリング
源4としては、Snターゲット及びAlターゲットを組
み合わせて出力1.5KWのマグネトロン型を使用し
た。パールマイカ顔料5を100g投入し、減圧処理室
7を3.0×10-3Paに減圧した後、Arガス導入管
10からArガスを15cm3 /分の流量で導入し、パ
ールマイカ顔料5を分岐管11,流体ジェットミル12
及び循環管13を経て減圧処理室7に吸引移送した。そ
して、減圧処理室7で加熱コイル6により200℃に3
0分間加熱して乾燥脱ガスした。
【0018】次いで、回転ドラム1の雰囲気をArガス
で完全に置換した後、減圧処理室7のパールマイカ顔料
5を供給管9から回転ドラム1に落下させ、回転ドラム
1を5rpmの速度で回転させながら3.0×10-3P
aの減圧雰囲気下でスパッタリング源4からスパッタリ
ングした。スパッタリングを10分間継続した後、減圧
処理室7を減圧にすると共にArガス導入管10からA
rガスを導入し、パールマイカ顔料5を流体ジェットミ
ル12経由で減圧処理室7に吸引返送し、スパッタリン
グ中に塊状化されたパールマイカ顔料5をできるだけ個
々の粒子にほぐした。減圧処理室7に返送されたパール
マイカ顔料5には、厚み10Åの10%Sn−90%A
l合金が被覆されていた。このスパッタリングを5回繰
り返すことにより、合金皮膜を50Åまで成長させた
後、固気分離装置16から回収した。
で完全に置換した後、減圧処理室7のパールマイカ顔料
5を供給管9から回転ドラム1に落下させ、回転ドラム
1を5rpmの速度で回転させながら3.0×10-3P
aの減圧雰囲気下でスパッタリング源4からスパッタリ
ングした。スパッタリングを10分間継続した後、減圧
処理室7を減圧にすると共にArガス導入管10からA
rガスを導入し、パールマイカ顔料5を流体ジェットミ
ル12経由で減圧処理室7に吸引返送し、スパッタリン
グ中に塊状化されたパールマイカ顔料5をできるだけ個
々の粒子にほぐした。減圧処理室7に返送されたパール
マイカ顔料5には、厚み10Åの10%Sn−90%A
l合金が被覆されていた。このスパッタリングを5回繰
り返すことにより、合金皮膜を50Åまで成長させた
後、固気分離装置16から回収した。
【0019】実施例2〜8:実施例1と同じ方法で、パ
ールマイカ顔料の表面に20%Sn−80%Ag,30
%Sn−70%Ni,40%Sn−60%Cr,50%
Sn−50%Cu,30%Sn−65%Ag−5%A
l,30%Sn−60%Ni−10%Cr,30%Sn
−42%Cu−28%Znの各合金層をそれぞれ表1に
示す膜厚で形成した。 比較例1〜6:実施例1と同じ方法で、パールマイカ顔
料の表面にSn,Al,Ag,Ni,Cr,Cuの単一
金属をそれぞれ表1に示す膜厚で形成した。
ールマイカ顔料の表面に20%Sn−80%Ag,30
%Sn−70%Ni,40%Sn−60%Cr,50%
Sn−50%Cu,30%Sn−65%Ag−5%A
l,30%Sn−60%Ni−10%Cr,30%Sn
−42%Cu−28%Znの各合金層をそれぞれ表1に
示す膜厚で形成した。 比較例1〜6:実施例1と同じ方法で、パールマイカ顔
料の表面にSn,Al,Ag,Ni,Cr,Cuの単一
金属をそれぞれ表1に示す膜厚で形成した。
【0020】得られた合計14種類の顔料を使用して、
塗装板を作製した。塗装に際し、乾燥塗膜中の顔料濃度
が10%となるように各顔料をアクリル・メラミンクリ
ア塗料に混合し、白黒隠蔽上に25milのバーコータ
で塗布した。そして、140℃×30分の焼付け乾燥処
理を施すことにより、膜厚30μmの塗膜を形成した。
形成された塗膜について、白地,黒地それぞれの表面に
おける色調を測定し、隠蔽力を目視観察で官能判定し、
三段階評価した。メタリック感については、デジタル変
角光沢計(スガ試験機株式会社製 UGV−5K)を使
用し60度鏡面反射率を測定した。
塗装板を作製した。塗装に際し、乾燥塗膜中の顔料濃度
が10%となるように各顔料をアクリル・メラミンクリ
ア塗料に混合し、白黒隠蔽上に25milのバーコータ
で塗布した。そして、140℃×30分の焼付け乾燥処
理を施すことにより、膜厚30μmの塗膜を形成した。
形成された塗膜について、白地,黒地それぞれの表面に
おける色調を測定し、隠蔽力を目視観察で官能判定し、
三段階評価した。メタリック感については、デジタル変
角光沢計(スガ試験機株式会社製 UGV−5K)を使
用し60度鏡面反射率を測定した。
【0021】耐候性は、1,000時間のQUV試験で
調査した。QUV試験は、約60℃で紫外線ランプを4
時間点灯した後、約50℃で水分又は湿気凝結を伴う4
時間の非点灯を1サイクルとし、このサイクルを24時
間に3回繰り返した。この試験では、試験パネルが模擬
高温熱帯性昼間条件に続いて暖かい高湿性夜間条件に曝
されることになり、その間に湿気又は水分がパネル面に
凝結する。パネルが凝結した水分で濡れている間は、紫
外線点灯過程の反復に従ってパネルが強烈な紫外光に曝
される。金属パネル表面にある塗膜に含まれるほとんど
の高分子材料に非常に悪影響を与えることが判ったの
は、この組合せの影響、すなわち高温多湿条件下におけ
る塗膜表面への紫外線照射の影響である。
調査した。QUV試験は、約60℃で紫外線ランプを4
時間点灯した後、約50℃で水分又は湿気凝結を伴う4
時間の非点灯を1サイクルとし、このサイクルを24時
間に3回繰り返した。この試験では、試験パネルが模擬
高温熱帯性昼間条件に続いて暖かい高湿性夜間条件に曝
されることになり、その間に湿気又は水分がパネル面に
凝結する。パネルが凝結した水分で濡れている間は、紫
外線点灯過程の反復に従ってパネルが強烈な紫外光に曝
される。金属パネル表面にある塗膜に含まれるほとんど
の高分子材料に非常に悪影響を与えることが判ったの
は、この組合せの影響、すなわち高温多湿条件下におけ
る塗膜表面への紫外線照射の影響である。
【0022】塗装板をQUV試験機中に曝し、定期的に
試験機から塗装板を取り出し、外観の変化を色差計及び
デジタル変角光沢計で測定した。そして、各試験片につ
いて試験前からの変化量を色差ΔE及び光沢保持率%と
して求めた。以上の調査結果を、表1に示す。表1か
ら、本発明に従った顔料を使用した実施例1〜8では、
比較例1〜6と比べて、何れも隠蔽力及びメタリック感
が優れていた。また、比較例1〜6と比べて、色調及び
光沢度の変化も抑制されていた。このことから、本発明
に従って調製された顔料は、隠蔽力,メタリック感,耐
久性の何れにも優れた塗膜を形成することに有効である
ことが判る。また、プラスチック成形品用の樹脂塑性物
に配合した場合も、同様に優れた表面をもつ成形品が得
られた。
試験機から塗装板を取り出し、外観の変化を色差計及び
デジタル変角光沢計で測定した。そして、各試験片につ
いて試験前からの変化量を色差ΔE及び光沢保持率%と
して求めた。以上の調査結果を、表1に示す。表1か
ら、本発明に従った顔料を使用した実施例1〜8では、
比較例1〜6と比べて、何れも隠蔽力及びメタリック感
が優れていた。また、比較例1〜6と比べて、色調及び
光沢度の変化も抑制されていた。このことから、本発明
に従って調製された顔料は、隠蔽力,メタリック感,耐
久性の何れにも優れた塗膜を形成することに有効である
ことが判る。また、プラスチック成形品用の樹脂塑性物
に配合した場合も、同様に優れた表面をもつ成形品が得
られた。
【0023】
【0024】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のメタリ
ック顔料は、チタニア被覆した鱗片状基体に錫合金層及
び酸化錫層を形成しているので、樹脂塗料に混合して鋼
板等の表面に塗布するとき、優れた隠蔽力及びメタリッ
ク感を呈し耐久性の良好な塗膜を形成することができ
る。そのため、外装建材,自動車用車体,屋外用家電製
品等の塗装に高品質顔料として使用される。また、印刷
インクや各種プラスチック成形品に練り込んで、反射テ
ープ,表示材料,看板,道路標識等としても使用され
る。
ック顔料は、チタニア被覆した鱗片状基体に錫合金層及
び酸化錫層を形成しているので、樹脂塗料に混合して鋼
板等の表面に塗布するとき、優れた隠蔽力及びメタリッ
ク感を呈し耐久性の良好な塗膜を形成することができ
る。そのため、外装建材,自動車用車体,屋外用家電製
品等の塗装に高品質顔料として使用される。また、印刷
インクや各種プラスチック成形品に練り込んで、反射テ
ープ,表示材料,看板,道路標識等としても使用され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 マイカ片に錫合金被覆を施すスパッタリング
装置
装置
1:回転ドラム 2:ロール 3:モータ 4:
スパッタリング源 5:粉末原料(パールマイカ顔料) 6:加熱コイル
7:減圧処理室 8:バルブ 9:供給管 10:Arガス導入管
11:分岐管 12:流体ジェットミル 13:循環管 14,1
5:バルブ 16:固気分離装置
スパッタリング源 5:粉末原料(パールマイカ顔料) 6:加熱コイル
7:減圧処理室 8:バルブ 9:供給管 10:Arガス導入管
11:分岐管 12:流体ジェットミル 13:循環管 14,1
5:バルブ 16:固気分離装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 11/00 PTF C09D 11/00 PTF
Claims (3)
- 【請求項1】 鱗片状基体の表面にチタニア層,錫合金
層及び酸化錫層が順次積層されている高耐候性メタリッ
ク顔料。 - 【請求項2】 錫合金層が膜厚50〜300Åでスパッ
タリング法により形成されている請求項1記載の高耐候
性メタリック顔料。 - 【請求項3】 Al,Ag,Ni,Cr又はCuとSn
との合金から錫合金層が形成されている請求項1記載の
高耐候性メタリック顔料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25544696A JPH1081837A (ja) | 1996-09-05 | 1996-09-05 | 高耐候性メタリック顔料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25544696A JPH1081837A (ja) | 1996-09-05 | 1996-09-05 | 高耐候性メタリック顔料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1081837A true JPH1081837A (ja) | 1998-03-31 |
Family
ID=17278890
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25544696A Withdrawn JPH1081837A (ja) | 1996-09-05 | 1996-09-05 | 高耐候性メタリック顔料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1081837A (ja) |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1996
- 1996-09-05 JP JP25544696A patent/JPH1081837A/ja not_active Withdrawn
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