JPH1035411A - シートベルト用リトラクター - Google Patents
シートベルト用リトラクターInfo
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- JPH1035411A JPH1035411A JP8206389A JP20638996A JPH1035411A JP H1035411 A JPH1035411 A JP H1035411A JP 8206389 A JP8206389 A JP 8206389A JP 20638996 A JP20638996 A JP 20638996A JP H1035411 A JPH1035411 A JP H1035411A
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- JP
- Japan
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- bobbin
- torsion bar
- locking plate
- webbing
- shear pin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 乗員の初期拘束性能を向上させると共に、車
両衝突時に乗員の身体に作用する衝突エネルギーを効率
よく吸収することができる良好なエネルギー吸収機構を
備えたシートベルト用リトラクターを提供する。 【解決手段】 シートベルト用リトラクター100 は、リ
トラクターベース1に回転可能に取付けられると共に車
両緊急時にウェビング引出し方向の回転を阻止されるト
ーションバー2と、ウェビングが巻装されると共にトー
ションバー2に回転可能に支持される円筒状のボビン3
と、トーションバー2を主体としてボビン3とロッキン
グプレート5の間に構成されたエネルギー吸収機構200
と、トーションバー2とボビン3との間に配設されて所
定トルクで剪断する剪断ピン50とを備える。ロッキング
プレート5とボビン3とが相対回転した際には、剪断ピ
ン50が破断された後、トーションバー2が捩じり変形さ
れる。
両衝突時に乗員の身体に作用する衝突エネルギーを効率
よく吸収することができる良好なエネルギー吸収機構を
備えたシートベルト用リトラクターを提供する。 【解決手段】 シートベルト用リトラクター100 は、リ
トラクターベース1に回転可能に取付けられると共に車
両緊急時にウェビング引出し方向の回転を阻止されるト
ーションバー2と、ウェビングが巻装されると共にトー
ションバー2に回転可能に支持される円筒状のボビン3
と、トーションバー2を主体としてボビン3とロッキン
グプレート5の間に構成されたエネルギー吸収機構200
と、トーションバー2とボビン3との間に配設されて所
定トルクで剪断する剪断ピン50とを備える。ロッキング
プレート5とボビン3とが相対回転した際には、剪断ピ
ン50が破断された後、トーションバー2が捩じり変形さ
れる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートベルト装置
のリトラクター(巻取装置)に関し、特にエネルギー吸
収機構を備えたシートベルト用リトラクターに関する。
のリトラクター(巻取装置)に関し、特にエネルギー吸
収機構を備えたシートベルト用リトラクターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の乗員等を座席に安全に保持
するためのシートベルト用リトラクターにおいては、急
な加速、衝突又は減速に反応する慣性感知手段によって
リトラクターを物理的にロックする緊急ロック機構を備
えて乗員を効果的及び安全に拘束する緊急ロック式リト
ラクターが用いられている。
するためのシートベルト用リトラクターにおいては、急
な加速、衝突又は減速に反応する慣性感知手段によって
リトラクターを物理的にロックする緊急ロック機構を備
えて乗員を効果的及び安全に拘束する緊急ロック式リト
ラクターが用いられている。
【0003】このような緊急ロック式リトラクターとし
ては、例えば特開昭50−79024号、特公昭59−
21624号及び実公平2−45088号公報等に開示
されたシートベルト用リトラクターのように、ウェビン
グを巻装する巻取軸の一端に配設された係合部材が車両
緊急時にリトラクターベースの被係合部に係合して前記
巻取軸のウェビング引出し方向の回転を阻止することが
できるロック手段を備えたものがある。
ては、例えば特開昭50−79024号、特公昭59−
21624号及び実公平2−45088号公報等に開示
されたシートベルト用リトラクターのように、ウェビン
グを巻装する巻取軸の一端に配設された係合部材が車両
緊急時にリトラクターベースの被係合部に係合して前記
巻取軸のウェビング引出し方向の回転を阻止することが
できるロック手段を備えたものがある。
【0004】そして、前記ロック手段においては、巻取
軸が貫通するリトラクターベースの巻取軸貫通穴に形成
された係止噛合部や、その巻取軸貫通穴に併設された内
歯プレートに形成されたラチェット歯が被係合部として
用いられる一方、巻取軸と共に回転するロックプレート
や係止爪が係合部材として用いられており、車両緊急時
にそれら係合部材と被係合部材とが係合して巻取軸のウ
ェビング引出し方向の回転を阻止するように構成されて
いる。
軸が貫通するリトラクターベースの巻取軸貫通穴に形成
された係止噛合部や、その巻取軸貫通穴に併設された内
歯プレートに形成されたラチェット歯が被係合部として
用いられる一方、巻取軸と共に回転するロックプレート
や係止爪が係合部材として用いられており、車両緊急時
にそれら係合部材と被係合部材とが係合して巻取軸のウ
ェビング引出し方向の回転を阻止するように構成されて
いる。
【0005】一方、衝突による衝撃力が極めて大きい時
には、衝突後の時間の経過と共にウェビング張力が増大
するため、乗員の身体に急激な減速度を生じることにな
り、ウェビングから乗員にかかる負荷が極めて大きくな
る。そこで、ウェビングに作用する荷重が予め設定した
所定値以上となった際、シートベルトを所定量繰り出さ
せることにより、乗員の身体に生じる衝撃を吸収するエ
ネルギー吸収機構を備え、乗員の身体をより確実に保護
するようにしたシートベルト装置も種々提案されてい
る。このような構成のシートベルト用リトラクターとし
ては、特開昭46−7710号公報に記載された、「と
くに安全ベルト用のエネルギ吸収装置」が知られてい
る。
には、衝突後の時間の経過と共にウェビング張力が増大
するため、乗員の身体に急激な減速度を生じることにな
り、ウェビングから乗員にかかる負荷が極めて大きくな
る。そこで、ウェビングに作用する荷重が予め設定した
所定値以上となった際、シートベルトを所定量繰り出さ
せることにより、乗員の身体に生じる衝撃を吸収するエ
ネルギー吸収機構を備え、乗員の身体をより確実に保護
するようにしたシートベルト装置も種々提案されてい
る。このような構成のシートベルト用リトラクターとし
ては、特開昭46−7710号公報に記載された、「と
くに安全ベルト用のエネルギ吸収装置」が知られてい
る。
【0006】前記エネルギ吸収装置では、エネルギ吸収
装置が力を伝達する部分となる巻き取り部材と、この巻
き取り部材に対して相対的に回動可能とされたホルダ
(ボビン)とが備えられ、それらホルダと巻き取り部材
との間に、トーションバー(エネルギー吸収機構)が配
置されている。そこで、車両緊急時に巻取軸の回転が阻
止された後、さらにロック手段に荷重が負荷されたとき
には、前記トーションバーが自身の軸回りに捩じれるこ
とにより、乗員の身体に作用する衝突エネルギーがトー
ションバーの変形仕事として吸収される。
装置が力を伝達する部分となる巻き取り部材と、この巻
き取り部材に対して相対的に回動可能とされたホルダ
(ボビン)とが備えられ、それらホルダと巻き取り部材
との間に、トーションバー(エネルギー吸収機構)が配
置されている。そこで、車両緊急時に巻取軸の回転が阻
止された後、さらにロック手段に荷重が負荷されたとき
には、前記トーションバーが自身の軸回りに捩じれるこ
とにより、乗員の身体に作用する衝突エネルギーがトー
ションバーの変形仕事として吸収される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、衝突時
の衝撃は車両構造によって異なり、乗員の身体を十分に
保護する為には、車両特性に合わせてエネルギー吸収荷
重(ウェビングに作用する荷重)の荷重曲線を変化さ
せ、任意の荷重特性を得る必要がある。ところが、上述
のトーションバーの如き塑性変形手段を用いたエネルギ
ー吸収機構の場合、塑性変形手段の変形荷重がほぼ一定
の為、エネルギー吸収荷重はその作動範囲の全域でほぼ
一定である。
の衝撃は車両構造によって異なり、乗員の身体を十分に
保護する為には、車両特性に合わせてエネルギー吸収荷
重(ウェビングに作用する荷重)の荷重曲線を変化さ
せ、任意の荷重特性を得る必要がある。ところが、上述
のトーションバーの如き塑性変形手段を用いたエネルギ
ー吸収機構の場合、塑性変形手段の変形荷重がほぼ一定
の為、エネルギー吸収荷重はその作動範囲の全域でほぼ
一定である。
【0008】即ち、衝突直後における乗員の初期拘束性
能は、塑性変形手段の変形荷重により決まってしまう。
そこで、エネルギー吸収機構を備えたリトラクターにお
いて、衝突直後の初期拘束性能を向上させて乗員の移動
量を少なくする為には、例えば緊急時にウェビングを挾
持してリトラクターからのウェビングの伸び出しを阻止
するクランプ機構を組み合わせる必要がある。
能は、塑性変形手段の変形荷重により決まってしまう。
そこで、エネルギー吸収機構を備えたリトラクターにお
いて、衝突直後の初期拘束性能を向上させて乗員の移動
量を少なくする為には、例えば緊急時にウェビングを挾
持してリトラクターからのウェビングの伸び出しを阻止
するクランプ機構を組み合わせる必要がある。
【0009】従って、本発明の目的は上記課題を解消す
ることに係り、乗員の初期拘束性能を向上させると共
に、車両衝突時に乗員の身体に作用する衝突エネルギー
を効率よく吸収することができる良好なエネルギー吸収
機構を備えたシートベルト用リトラクターを提供するこ
とである。
ることに係り、乗員の初期拘束性能を向上させると共
に、車両衝突時に乗員の身体に作用する衝突エネルギー
を効率よく吸収することができる良好なエネルギー吸収
機構を備えたシートベルト用リトラクターを提供するこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、リ
トラクターベースに回転可能に取付けられると共に車両
緊急時にウェビング引出し方向の回転を阻止される巻取
シャフトと、ウェビングが巻装されると共に前記巻取シ
ャフトに回転可能に支持される円筒状のボビンと、巻取
シャフトとボビンとを所定荷重で相対回転可能に係合す
る塑性変形手段と、前記巻取シャフトと前記ボビンとの
間に配設されて所定トルクで剪断する剪断ピンとを備え
たシートベルト用リトラクターにより達成される。
トラクターベースに回転可能に取付けられると共に車両
緊急時にウェビング引出し方向の回転を阻止される巻取
シャフトと、ウェビングが巻装されると共に前記巻取シ
ャフトに回転可能に支持される円筒状のボビンと、巻取
シャフトとボビンとを所定荷重で相対回転可能に係合す
る塑性変形手段と、前記巻取シャフトと前記ボビンとの
間に配設されて所定トルクで剪断する剪断ピンとを備え
たシートベルト用リトラクターにより達成される。
【0011】尚、本願発明において巻取シャフトに相対
回転可能に支持されるボビンとは、恒久的に巻取シャフ
トに固定されているものではなく、巻取シャフトに対し
て常時相対回転自在に支持されているボビンや、通常使
用状態においては巻取シャフト共に一体回転するが、所
定以上の荷重が付加された際には該巻取シャフトに対し
て相対回転できる状態に軸支されているボビンを含むも
のである。
回転可能に支持されるボビンとは、恒久的に巻取シャフ
トに固定されているものではなく、巻取シャフトに対し
て常時相対回転自在に支持されているボビンや、通常使
用状態においては巻取シャフト共に一体回転するが、所
定以上の荷重が付加された際には該巻取シャフトに対し
て相対回転できる状態に軸支されているボビンを含むも
のである。
【0012】そこで、好ましくは前記塑性変形手段が、
一端側でボビンと一体回転するように取付けられ、他端
側でウェビング引出し方向の回転を阻止されるのに応答
して捩れることにより、乗員の身体に作用する衝突エネ
ルギーを変形仕事として吸収するトーションバーとして
の巻取シャフトによって構成される。又、前記剪断ピン
は、巻取シャフトとボビンとが所定角度相対回転した後
に破断するように構成される。
一端側でボビンと一体回転するように取付けられ、他端
側でウェビング引出し方向の回転を阻止されるのに応答
して捩れることにより、乗員の身体に作用する衝突エネ
ルギーを変形仕事として吸収するトーションバーとして
の巻取シャフトによって構成される。又、前記剪断ピン
は、巻取シャフトとボビンとが所定角度相対回転した後
に破断するように構成される。
【0013】又、前記剪断ピンは、巻取シャフトとボビ
ンとが所定角度相対回転する間、回転トルクに対し抵抗
を付与した後に破断するように構成される。
ンとが所定角度相対回転する間、回転トルクに対し抵抗
を付与した後に破断するように構成される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
に係るシートベルト用リトラクターの一実施形態を詳細
に説明する。図1は本発明の実施形態に基づくシートベ
ルト用リトラクター100の正面縦断面図であり、図2
は図1に示したシートベルト用リトラクター100の要
部分解斜視図である。
に係るシートベルト用リトラクターの一実施形態を詳細
に説明する。図1は本発明の実施形態に基づくシートベ
ルト用リトラクター100の正面縦断面図であり、図2
は図1に示したシートベルト用リトラクター100の要
部分解斜視図である。
【0015】前記シートベルト用リトラクター100
は、リトラクターベース1に回転可能に取付けられると
共に少なくとも一端に円盤状のロッキングプレート5が
取付けられた巻取シャフトである円柱状のトーションバ
ー2と、車両緊急時に前記ロッキングプレート5のウェ
ビング引出し方向の回転を阻止する緊急ロック手段30
0と、ウェビングが巻装されると共に前記トーションバ
ー2の他端に一体回転するように取付けられる円筒状の
ボビン3と、前記ロッキングプレート5と前記ボビン3
の対向部分に形成された案内部13に配設されたロック
ピース15とを備えている。
は、リトラクターベース1に回転可能に取付けられると
共に少なくとも一端に円盤状のロッキングプレート5が
取付けられた巻取シャフトである円柱状のトーションバ
ー2と、車両緊急時に前記ロッキングプレート5のウェ
ビング引出し方向の回転を阻止する緊急ロック手段30
0と、ウェビングが巻装されると共に前記トーションバ
ー2の他端に一体回転するように取付けられる円筒状の
ボビン3と、前記ロッキングプレート5と前記ボビン3
の対向部分に形成された案内部13に配設されたロック
ピース15とを備えている。
【0016】前記リトラクターベース1は、その大部分
がコの字状断面を有し、対向する側板1a,1bには前
記ボビン3と組み合わされたトーションバー2が回動自
在に橋架されている。トーションバー2の他端には、ウ
ェビングを巻取る方向(矢印X1 方向)に該トーション
バー2を常時付勢している周知の巻取りバネ装置(図示
せず)が配設されている。
がコの字状断面を有し、対向する側板1a,1bには前
記ボビン3と組み合わされたトーションバー2が回動自
在に橋架されている。トーションバー2の他端には、ウ
ェビングを巻取る方向(矢印X1 方向)に該トーション
バー2を常時付勢している周知の巻取りバネ装置(図示
せず)が配設されている。
【0017】そして、前記側板1aに設けられたシャフ
ト貫通穴20の外側には、略円環状の内歯ラチェット2
1が並設されており、この内歯ラチェット21の内周縁
には、係合内歯25が形成されている。内歯ラチェット
21は、前記シャフト貫通穴20の周縁部に穿設された
孔22と、該内歯ラチェット21の外周縁に設けられた
孔23とを嵌通したリベット26により鋲着されてい
る。
ト貫通穴20の外側には、略円環状の内歯ラチェット2
1が並設されており、この内歯ラチェット21の内周縁
には、係合内歯25が形成されている。内歯ラチェット
21は、前記シャフト貫通穴20の周縁部に穿設された
孔22と、該内歯ラチェット21の外周縁に設けられた
孔23とを嵌通したリベット26により鋲着されてい
る。
【0018】即ち、車両緊急時にロッキングプレート5
のウェビングの引出し方向の回転を阻止すべく、後述す
る係合部材と係合される緊急ロック手段300の被係合
部が、前記係合内歯25によって構成されている。前記
トーションバー2を介してリトラクターベース1に支持
される前記ボビン3は、アルミニウム合金あるいは鋼と
樹脂とを組み合わせた略円筒形とされ、ウェビングが巻
回される胴部には、ウェビングの端部を挿通させて保持
するために、径方向に貫通するスリット開口3aが設け
られている。
のウェビングの引出し方向の回転を阻止すべく、後述す
る係合部材と係合される緊急ロック手段300の被係合
部が、前記係合内歯25によって構成されている。前記
トーションバー2を介してリトラクターベース1に支持
される前記ボビン3は、アルミニウム合金あるいは鋼と
樹脂とを組み合わせた略円筒形とされ、ウェビングが巻
回される胴部には、ウェビングの端部を挿通させて保持
するために、径方向に貫通するスリット開口3aが設け
られている。
【0019】前記ボビン3の軸方向両端部には、角穴3
1及び丸穴32が各々貫通形成されている。又、前記角
穴31が形成された巻取りバネ装置(図示せず)側のボ
ビン3の端部には、側板1bのシャフト貫通穴に嵌挿さ
れるリテーナ40が冠着されている。更に、前記丸穴3
2が形成された緊急ロック手段300側のボビン3の端
部には、その外周縁に沿ってC字形状の有底溝とされた
ガイド溝11が刻設されている。又、前記ガイド溝11
が刻設されたボビン3の端部に対向する前記ロッキング
プレート5の内側面には、図3に示すように、該ガイド
溝11と共に案内部13を構成するガイド溝12が刻設
されている。そして、案内部13には、ガイド溝11及
び12の曲率に対応する曲率を有し、これらガイド溝1
1及び12の内壁面に沿って摺動可能な略繭状に形成さ
れたロックピース15が配設されている。
1及び丸穴32が各々貫通形成されている。又、前記角
穴31が形成された巻取りバネ装置(図示せず)側のボ
ビン3の端部には、側板1bのシャフト貫通穴に嵌挿さ
れるリテーナ40が冠着されている。更に、前記丸穴3
2が形成された緊急ロック手段300側のボビン3の端
部には、その外周縁に沿ってC字形状の有底溝とされた
ガイド溝11が刻設されている。又、前記ガイド溝11
が刻設されたボビン3の端部に対向する前記ロッキング
プレート5の内側面には、図3に示すように、該ガイド
溝11と共に案内部13を構成するガイド溝12が刻設
されている。そして、案内部13には、ガイド溝11及
び12の曲率に対応する曲率を有し、これらガイド溝1
1及び12の内壁面に沿って摺動可能な略繭状に形成さ
れたロックピース15が配設されている。
【0020】前記ガイド溝11は、図4(b)に示した
ように、ガイド溝11の初期端部11Aから終端部11
Bに至る距離がボビン3の外周距離の略4分の3となる
ように設定されており、溝幅が全域でロックピース15
の幅よりも広い。前記ガイド溝12は、図4(a)に示
したように、ガイド溝12の初期端部12Aから終端部
12Bに至る距離がロッキングプレート5の外周距離の
略4分の3となるように設定されており、初期端部12
A側ではロックピース15の幅よりも溝幅が広い広幅部
12aとされ、終端部12B側ではロックピース15の
幅よりも溝幅が狭い変形部分である狭幅部12bとされ
ている。
ように、ガイド溝11の初期端部11Aから終端部11
Bに至る距離がボビン3の外周距離の略4分の3となる
ように設定されており、溝幅が全域でロックピース15
の幅よりも広い。前記ガイド溝12は、図4(a)に示
したように、ガイド溝12の初期端部12Aから終端部
12Bに至る距離がロッキングプレート5の外周距離の
略4分の3となるように設定されており、初期端部12
A側ではロックピース15の幅よりも溝幅が広い広幅部
12aとされ、終端部12B側ではロックピース15の
幅よりも溝幅が狭い変形部分である狭幅部12bとされ
ている。
【0021】尚、これらガイド溝11,12の設定距離
は、適宜選択することができる。又、広幅部12aと狭
幅部12bの割合も適宜選択される。そこで、前記ロッ
クピース15は、ガイド溝11の全域でボビン3に対し
て相対移動自在であり、ガイド溝12の広幅部12aで
はロッキングプレート5に対して相対移動自在である。
一方、ガイド溝12の狭幅部12bでは、ロックピース
15に所定以上の力が作用した際、前記狭幅部12bを
押し広げるか、或いは削るかして該狭幅部12bを変形
させながら前記ロックピース15はロッキングプレート
5に対して相対移動可能である。
は、適宜選択することができる。又、広幅部12aと狭
幅部12bの割合も適宜選択される。そこで、前記ロッ
クピース15は、ガイド溝11の全域でボビン3に対し
て相対移動自在であり、ガイド溝12の広幅部12aで
はロッキングプレート5に対して相対移動自在である。
一方、ガイド溝12の狭幅部12bでは、ロックピース
15に所定以上の力が作用した際、前記狭幅部12bを
押し広げるか、或いは削るかして該狭幅部12bを変形
させながら前記ロックピース15はロッキングプレート
5に対して相対移動可能である。
【0022】但し、前記ボビン3と前記ロッキングプレ
ート5との間には、所定トルクで剪断する剪断ピン50
が配設されている。剪断ピン50は、ロッキングプレー
ト5の貫通孔5bを貫通してボビン3の係止孔3bに嵌
合しており、該ボビン3のロッキングプレート5に対す
る相対回転を規制している。そして、これらボビン3と
ロッキングプレート5との間に所定以上の回転トルクが
作用すると、該剪断ピン50が剪断されてボビン3をロ
ッキングプレート5に対して相対回転可能とする。
ート5との間には、所定トルクで剪断する剪断ピン50
が配設されている。剪断ピン50は、ロッキングプレー
ト5の貫通孔5bを貫通してボビン3の係止孔3bに嵌
合しており、該ボビン3のロッキングプレート5に対す
る相対回転を規制している。そして、これらボビン3と
ロッキングプレート5との間に所定以上の回転トルクが
作用すると、該剪断ピン50が剪断されてボビン3をロ
ッキングプレート5に対して相対回転可能とする。
【0023】更に、前記ロッキングプレート5の外側面
には、係合内歯25に係合可能な係合部材であるポール
16が揺動回動可能に軸支される支軸7が突設されると
共に、ボビン3を回転自在に支持するため該ロッキング
プレート5を貫通したトーションバー2の回転支軸6が
突出している。ここで、前記ボビン3又は前記ロッキン
グプレート5は、別体に形成した円盤部材にそれぞれガ
イド溝11又は12を厚さ方向に貫通する貫通溝として
形成し、これら円盤部材を各々ボビン3又はロッキング
プレート5と組立時に一体にする構成としても良い。そ
して、ガイド溝11とガイド溝12は、どちらか一方だ
けが形成される構成も好適である。
には、係合内歯25に係合可能な係合部材であるポール
16が揺動回動可能に軸支される支軸7が突設されると
共に、ボビン3を回転自在に支持するため該ロッキング
プレート5を貫通したトーションバー2の回転支軸6が
突出している。ここで、前記ボビン3又は前記ロッキン
グプレート5は、別体に形成した円盤部材にそれぞれガ
イド溝11又は12を厚さ方向に貫通する貫通溝として
形成し、これら円盤部材を各々ボビン3又はロッキング
プレート5と組立時に一体にする構成としても良い。そ
して、ガイド溝11とガイド溝12は、どちらか一方だ
けが形成される構成も好適である。
【0024】尚、ロッキングプレート5は、ポール16
が係合内歯25と係合する方向へ揺動回転した時に、ポ
ール16の揺動側端部と反対側のポール16e(図2参
照)を位置決めするとともに、係合内歯25との間で、
ポール16に大きな荷重が加わった場合に、その荷重を
受ける受圧面4を有する。前記トーションバー2の軸方
向両端部には、ロッキングプレート5の角穴5aに圧入
嵌合できる大きさに設定された角柱状部2aと、ボビン
3及びリテーナ40の角穴31及び40aに圧入嵌合で
きる大きさに設定された角柱状部2bとが形成される。
そこで、トーションバー2の回転支軸6及び角柱状部2
bは、各々、後述するギアケース34の軸支部34bと
側板1bのシャフト貫通穴に嵌挿されたリテーナ40と
によって回転自在に軸支される。なお、リテーナ40
は、側板1bとの間に嵌挿されたリング状の軸受けブッ
シュ41を介して軸支される。尚、本実施形態において
は、前記角柱状部2a,2bと前記角穴5a,31,4
0aとは六角形状とされているが、これに限定されるも
のではない。
が係合内歯25と係合する方向へ揺動回転した時に、ポ
ール16の揺動側端部と反対側のポール16e(図2参
照)を位置決めするとともに、係合内歯25との間で、
ポール16に大きな荷重が加わった場合に、その荷重を
受ける受圧面4を有する。前記トーションバー2の軸方
向両端部には、ロッキングプレート5の角穴5aに圧入
嵌合できる大きさに設定された角柱状部2aと、ボビン
3及びリテーナ40の角穴31及び40aに圧入嵌合で
きる大きさに設定された角柱状部2bとが形成される。
そこで、トーションバー2の回転支軸6及び角柱状部2
bは、各々、後述するギアケース34の軸支部34bと
側板1bのシャフト貫通穴に嵌挿されたリテーナ40と
によって回転自在に軸支される。なお、リテーナ40
は、側板1bとの間に嵌挿されたリング状の軸受けブッ
シュ41を介して軸支される。尚、本実施形態において
は、前記角柱状部2a,2bと前記角穴5a,31,4
0aとは六角形状とされているが、これに限定されるも
のではない。
【0025】前記ロッキングプレート5の外側には、前
記緊急ロック手段300を車両緊急時に作動させるロッ
ク作動手段としてのラチェットホイール18が、該ロッ
キングプレート5に対して相対回転可能に配設されてい
る。従って、ボビン3とロッキングプレート5の間に
は、トーションバー2を主体とする塑性変形手段を用い
たエネルギー吸収機構200が構成されている。即ち、
前記緊急ロック手段300によりウェビングの引出しが
阻止された状態で、ロッキングプレート5に所定以上の
荷重(ボビン3を回転させる方向)が負荷されたときに
は、先ず前記剪断ピン50に所定以上の回転トルクが作
用して該剪断ピン50が剪断されることにより、乗員の
持つ運動エネルギーの一部が吸収された後、トーション
バー2が自身の軸回りに捩じれて所定のトルクのもとで
ボビン3を回転させることができる。そこで、緊急ロッ
ク手段300によってロッキングプレート5のウェビン
グ引出し方向の回転が阻止されているにも係わらず、所
定のウェビング張力下で所定量のウェビングの引出しが
可能となり、トーションバー2は捩じり変形することに
よって乗員の持つ運動エネルギーを吸収できる。
記緊急ロック手段300を車両緊急時に作動させるロッ
ク作動手段としてのラチェットホイール18が、該ロッ
キングプレート5に対して相対回転可能に配設されてい
る。従って、ボビン3とロッキングプレート5の間に
は、トーションバー2を主体とする塑性変形手段を用い
たエネルギー吸収機構200が構成されている。即ち、
前記緊急ロック手段300によりウェビングの引出しが
阻止された状態で、ロッキングプレート5に所定以上の
荷重(ボビン3を回転させる方向)が負荷されたときに
は、先ず前記剪断ピン50に所定以上の回転トルクが作
用して該剪断ピン50が剪断されることにより、乗員の
持つ運動エネルギーの一部が吸収された後、トーション
バー2が自身の軸回りに捩じれて所定のトルクのもとで
ボビン3を回転させることができる。そこで、緊急ロッ
ク手段300によってロッキングプレート5のウェビン
グ引出し方向の回転が阻止されているにも係わらず、所
定のウェビング張力下で所定量のウェビングの引出しが
可能となり、トーションバー2は捩じり変形することに
よって乗員の持つ運動エネルギーを吸収できる。
【0026】更に、ボビン3とロッキングプレート5と
が所定角度以上相対回転しトーションバー2が捩じられ
ると、ガイド溝12の狭幅部12bに達したロックピー
ス15に所定以上の力が作用することにより、前記案内
部13に配設されたロックピース15は、前記狭幅部1
2bを押し広げるか、或いは削るかして該狭幅部12b
を変形させながらロッキングプレート5に対して相対移
動する。そこで、これら案内部13とロックピース15
によっても乗員の身体に作用する衝突エネルギーを変形
仕事として吸収することができる。
が所定角度以上相対回転しトーションバー2が捩じられ
ると、ガイド溝12の狭幅部12bに達したロックピー
ス15に所定以上の力が作用することにより、前記案内
部13に配設されたロックピース15は、前記狭幅部1
2bを押し広げるか、或いは削るかして該狭幅部12b
を変形させながらロッキングプレート5に対して相対移
動する。そこで、これら案内部13とロックピース15
によっても乗員の身体に作用する衝突エネルギーを変形
仕事として吸収することができる。
【0027】図1から理解されるように、トーションバ
ー2、ロッキングプレート5、ボビン3、ロックピース
15及びリテーナ40が、リトラクターベース1に組付
けられた状態では、トーションバー2の軸方向両端部に
おける角柱状部2aと角柱状部2bは、角穴31及び4
0aと角穴5aとにそれぞれ圧入嵌合されているので、
通常使用状態においては、ボビン3はロッキングプレー
ト5と一体的に回動する。尚、前述のように、前記剪断
ピン50によってもボビン3はロッキングプレート5に
対する相対回転を規制されている。
ー2、ロッキングプレート5、ボビン3、ロックピース
15及びリテーナ40が、リトラクターベース1に組付
けられた状態では、トーションバー2の軸方向両端部に
おける角柱状部2aと角柱状部2bは、角穴31及び4
0aと角穴5aとにそれぞれ圧入嵌合されているので、
通常使用状態においては、ボビン3はロッキングプレー
ト5と一体的に回動する。尚、前述のように、前記剪断
ピン50によってもボビン3はロッキングプレート5に
対する相対回転を規制されている。
【0028】更に、イナーシャプレート30の外側に配
設されたギアケース34には、その中心部にトーション
バー2の回転支軸6を回転自在に軸支する軸支部34b
が設けられ、軸支部34bの底面はトーションバー2の
軸線方向の位置決め面とされている。ギアケース34の
下部には、図示しない車体加速度感知手段を格納する箱
型の格納部43が設けられ、また、ギアケース34を覆
う側板1aの外側には、センサーカバー35が配設され
ている。
設されたギアケース34には、その中心部にトーション
バー2の回転支軸6を回転自在に軸支する軸支部34b
が設けられ、軸支部34bの底面はトーションバー2の
軸線方向の位置決め面とされている。ギアケース34の
下部には、図示しない車体加速度感知手段を格納する箱
型の格納部43が設けられ、また、ギアケース34を覆
う側板1aの外側には、センサーカバー35が配設され
ている。
【0029】次に、上記シートベルト用リトラクター1
00の動作について説明する。先ず、通常使用状態にお
いては、ロッキングプレート5と係合されたラチェット
ホイール18が、該ロッキングプレート5と一体に回転
自在であり、緊急ロック手段300は非作動状態であ
る。そこで、前記リトラクター100はウェビングを図
示しない巻取りバネ装置の付勢力で巻取り可能であると
共に、バネ力に抗してウェビングを引出し自在となって
いる。
00の動作について説明する。先ず、通常使用状態にお
いては、ロッキングプレート5と係合されたラチェット
ホイール18が、該ロッキングプレート5と一体に回転
自在であり、緊急ロック手段300は非作動状態であ
る。そこで、前記リトラクター100はウェビングを図
示しない巻取りバネ装置の付勢力で巻取り可能であると
共に、バネ力に抗してウェビングを引出し自在となって
いる。
【0030】次に、急ブレーキ等のある程度の大きさの
減速度が車両に発生すると、乗員が前方に移動してウェ
ビングが引き出され、ボビン3を介してトーションバー
2及びロッキングプレート5に所定以上の衝撃的なウェ
ビング引き出し方向(矢印X2 方向)の回動力が作用さ
れると、前記イナーシャプレート30は慣性力を受けて
ロッキングプレート5のウェビング引き出し方向の回転
に対し回転遅れが生じる。すると、該イナーシャプレー
ト30は図示しないロックアームを作動してラチェット
ホイール18をギアケース34に係止させる。
減速度が車両に発生すると、乗員が前方に移動してウェ
ビングが引き出され、ボビン3を介してトーションバー
2及びロッキングプレート5に所定以上の衝撃的なウェ
ビング引き出し方向(矢印X2 方向)の回動力が作用さ
れると、前記イナーシャプレート30は慣性力を受けて
ロッキングプレート5のウェビング引き出し方向の回転
に対し回転遅れが生じる。すると、該イナーシャプレー
ト30は図示しないロックアームを作動してラチェット
ホイール18をギアケース34に係止させる。
【0031】その結果、ラチェットホイール18はウェ
ビング引出し方向に回転するロッキングプレート5に対
して回転遅れを生じ、前記ポール16を係合内歯25と
の係合方向(図2中矢印Y1 方向)へ揺動回転させるの
で、緊急ロック手段300が作動する。又、前記ラチェ
ットホイール18は、車両の加速度を感知した車体加速
度感知手段(図示せず)によっても、ウェビング引出し
方向(図2中矢印X2方向)に回転するロッキングプレ
ート5に対して回転遅れを生じ、前記ポール16を係合
内歯25との係合方向へ揺動回転させることができる。
ビング引出し方向に回転するロッキングプレート5に対
して回転遅れを生じ、前記ポール16を係合内歯25と
の係合方向(図2中矢印Y1 方向)へ揺動回転させるの
で、緊急ロック手段300が作動する。又、前記ラチェ
ットホイール18は、車両の加速度を感知した車体加速
度感知手段(図示せず)によっても、ウェビング引出し
方向(図2中矢印X2方向)に回転するロッキングプレ
ート5に対して回転遅れを生じ、前記ポール16を係合
内歯25との係合方向へ揺動回転させることができる。
【0032】そこで、前記ポール16が係合内歯25と
確実に係合する位置まで移動すると、ポール16を軸支
しているロッキングプレート5の矢印X2 方向の回転は
ロックされる。この時、一端部が角穴5aを介しロッキ
ングプレート5に連結され、他端部が角穴31を介しボ
ビン3に連結されたトーションバー2には、所定以上の
捩じり力が作用せず、該トーションバー2が捩じり変形
することはない。
確実に係合する位置まで移動すると、ポール16を軸支
しているロッキングプレート5の矢印X2 方向の回転は
ロックされる。この時、一端部が角穴5aを介しロッキ
ングプレート5に連結され、他端部が角穴31を介しボ
ビン3に連結されたトーションバー2には、所定以上の
捩じり力が作用せず、該トーションバー2が捩じり変形
することはない。
【0033】従って、ボビン3の矢印X2 方向の回転も
ロックされ、ウェビングの伸び出しが阻止される。そし
て、この状態で、さらにウェビングに大きな張力が負荷
されると、ウェビングの一端が係止されたボビン3が回
転し始め、先ず剪断ピン50が剪断されることにより、
乗員の持つ運動エネルギーの一部が吸収された後、回転
をロックされたロッキングプレート5に一端部を連結さ
れたトーションバー2は、自身の軸回りに捩じれるの
で、エネルギー吸収機構としての機能が作用する。
ロックされ、ウェビングの伸び出しが阻止される。そし
て、この状態で、さらにウェビングに大きな張力が負荷
されると、ウェビングの一端が係止されたボビン3が回
転し始め、先ず剪断ピン50が剪断されることにより、
乗員の持つ運動エネルギーの一部が吸収された後、回転
をロックされたロッキングプレート5に一端部を連結さ
れたトーションバー2は、自身の軸回りに捩じれるの
で、エネルギー吸収機構としての機能が作用する。
【0034】そこで、図8に示したように、衝突直後に
おけるウェビング伸び出し量に対するエネルギー吸収荷
重(ウェビングに作用する荷重)の荷重曲線は、剪断ピ
ン50を剪断することにより急激に立上った状態とな
る。即ち、図8中に破線で示した剪断ピン50が無い状
態の荷重曲線に対して、図中斜線部分の剪断ピン50に
よるエネルギー吸収量が合成されるので、エネルギー吸
収機構200は衝突直後におけるエネルギー吸収量を一
時的に高めることができる。そして、該剪断ピン50の
剪断強度を変化させることによって、エネルギー吸収機
構200のエネルギー吸収量を変化させることができ
る。
おけるウェビング伸び出し量に対するエネルギー吸収荷
重(ウェビングに作用する荷重)の荷重曲線は、剪断ピ
ン50を剪断することにより急激に立上った状態とな
る。即ち、図8中に破線で示した剪断ピン50が無い状
態の荷重曲線に対して、図中斜線部分の剪断ピン50に
よるエネルギー吸収量が合成されるので、エネルギー吸
収機構200は衝突直後におけるエネルギー吸収量を一
時的に高めることができる。そして、該剪断ピン50の
剪断強度を変化させることによって、エネルギー吸収機
構200のエネルギー吸収量を変化させることができ
る。
【0035】更に、図4に示したように、ウェビングに
さらに大きな張力が負荷され始めた状態では、ロックピ
ース15がガイド溝11の初期端部11A及びガイド溝
12の初期端部12Aに位置している。そして、トーシ
ョンバー2が捩じり変形し、ガイド溝11の長さ(3/
4回転)に相当する角度、ボビン3がロッキングプレー
ト5に対して図中の矢印T方向へ回転されると共にロッ
クピース15がガイド溝11内を摺動して相対的に矢印
S方向へ移動すると、図5に示したように、ロックピー
ス15がガイド溝11の終端部11Bに達する。
さらに大きな張力が負荷され始めた状態では、ロックピ
ース15がガイド溝11の初期端部11A及びガイド溝
12の初期端部12Aに位置している。そして、トーシ
ョンバー2が捩じり変形し、ガイド溝11の長さ(3/
4回転)に相当する角度、ボビン3がロッキングプレー
ト5に対して図中の矢印T方向へ回転されると共にロッ
クピース15がガイド溝11内を摺動して相対的に矢印
S方向へ移動すると、図5に示したように、ロックピー
ス15がガイド溝11の終端部11Bに達する。
【0036】そして、ボビン3が図中の矢印T方向へ回
転されると、ガイド溝11の終端部11Bに押圧付勢さ
れたロックピース15は、ロッキングプレート5のガイ
ド溝12の初期端部12Aから摺動を開始し、それに伴
って、図6(a)に示した位置まで図中の矢印T方向へ
ガイド溝12の広幅部12a内を移動する。この間、前
記ボビン3は、ロッキングプレート5に対して矢印T方
向へ約405度回転(例えば、ウェビングの伸び出し量
としては150mm)しているが、ロックピース15は
溝幅が全域で広いガイド溝11とガイド溝12の広幅部
12a内を摺動しただけなので、乗員の身体に作用する
衝突エネルギーは、トーションバー2が自身の軸回りに
捩じれることにより変形仕事として吸収するのみであ
る。即ち、トーションバー2の捩じり変形トルクはほぼ
一定の為、エネルギー吸収トルクはその作動範囲の全域
でほぼ一定である。そこで、図8に示したように、ウェ
ビング伸び出し量に対するエネルギー吸収荷重(ウェビ
ングに作用する荷重)の荷重曲線は、略同じ傾きの比例
状態となる。
転されると、ガイド溝11の終端部11Bに押圧付勢さ
れたロックピース15は、ロッキングプレート5のガイ
ド溝12の初期端部12Aから摺動を開始し、それに伴
って、図6(a)に示した位置まで図中の矢印T方向へ
ガイド溝12の広幅部12a内を移動する。この間、前
記ボビン3は、ロッキングプレート5に対して矢印T方
向へ約405度回転(例えば、ウェビングの伸び出し量
としては150mm)しているが、ロックピース15は
溝幅が全域で広いガイド溝11とガイド溝12の広幅部
12a内を摺動しただけなので、乗員の身体に作用する
衝突エネルギーは、トーションバー2が自身の軸回りに
捩じれることにより変形仕事として吸収するのみであ
る。即ち、トーションバー2の捩じり変形トルクはほぼ
一定の為、エネルギー吸収トルクはその作動範囲の全域
でほぼ一定である。そこで、図8に示したように、ウェ
ビング伸び出し量に対するエネルギー吸収荷重(ウェビ
ングに作用する荷重)の荷重曲線は、略同じ傾きの比例
状態となる。
【0037】そして更に、ボビン3が図中の矢印T方向
へ回転しトーションバー2が捩じられると、前記ガイド
溝12の狭幅部12bに達したロックピース15には所
定以上の力が作用し、該ロックピース15は前記狭幅部
12bを押し広げるか、或いは削るかして該狭幅部12
bを変形させながら図7(a)に示した終端部12Bま
で図中の矢印T方向へガイド溝12の狭幅部12b内を
移動する。
へ回転しトーションバー2が捩じられると、前記ガイド
溝12の狭幅部12bに達したロックピース15には所
定以上の力が作用し、該ロックピース15は前記狭幅部
12bを押し広げるか、或いは削るかして該狭幅部12
bを変形させながら図7(a)に示した終端部12Bま
で図中の矢印T方向へガイド溝12の狭幅部12b内を
移動する。
【0038】即ち、前記ボビン3が、ロッキングプレー
ト5に対して矢印T方向へ約405度〜約540度回転
(例えば、ウェビングの伸び出し量としては150〜2
00mm)する間は、ロックピース15による前記狭幅
部12bの変形によっても、乗員の身体に作用する衝突
エネルギーを変形仕事として吸収することができる。そ
こで、エネルギー吸収荷重の荷重曲線は、図8に示した
ように、トーションバー2の捩じれ分と狭幅部12bの
変形分(摩擦力を含む)を合成した傾きに変わる。
ト5に対して矢印T方向へ約405度〜約540度回転
(例えば、ウェビングの伸び出し量としては150〜2
00mm)する間は、ロックピース15による前記狭幅
部12bの変形によっても、乗員の身体に作用する衝突
エネルギーを変形仕事として吸収することができる。そ
こで、エネルギー吸収荷重の荷重曲線は、図8に示した
ように、トーションバー2の捩じれ分と狭幅部12bの
変形分(摩擦力を含む)を合成した傾きに変わる。
【0039】こうして、ロックピース15がガイド溝1
2の終端部12Bまでくると、ボビン3は該ロックピー
ス15によってロッキングプレート5に対する相対回転
が規制されるので、それ以上のトーションバー2の捩じ
れは阻止される。以上説明したように、本実施形態にお
けるシートベルト用リトラクター100では、車両緊急
時にポール16が係合内歯25に係合し、ロッキングプ
レート5の回転が緊急ロック手段300により一旦阻止
された後に、ウェビングに所定以上の張力が負荷される
と、ボビン3が回転するのに対応して剪断ピン50が剪
断されることによりエネルギー吸収荷重が急激に立ち上
がった後、トーションバー2は捩じられてウェビングの
伸び出しが可能となり、エネルギー吸収機構として動作
する。更に、ボビン3とロッキングプレート5とが所定
角度(本実施形態においては約405度)以上相対回転
すると、ロックピース15が狭幅部12bを変形させな
がらボビン3は回転されるので、エネルギー吸収荷重は
トーションバー2の捩じれ分と狭幅部12bの変形分を
合成した荷重となる。
2の終端部12Bまでくると、ボビン3は該ロックピー
ス15によってロッキングプレート5に対する相対回転
が規制されるので、それ以上のトーションバー2の捩じ
れは阻止される。以上説明したように、本実施形態にお
けるシートベルト用リトラクター100では、車両緊急
時にポール16が係合内歯25に係合し、ロッキングプ
レート5の回転が緊急ロック手段300により一旦阻止
された後に、ウェビングに所定以上の張力が負荷される
と、ボビン3が回転するのに対応して剪断ピン50が剪
断されることによりエネルギー吸収荷重が急激に立ち上
がった後、トーションバー2は捩じられてウェビングの
伸び出しが可能となり、エネルギー吸収機構として動作
する。更に、ボビン3とロッキングプレート5とが所定
角度(本実施形態においては約405度)以上相対回転
すると、ロックピース15が狭幅部12bを変形させな
がらボビン3は回転されるので、エネルギー吸収荷重は
トーションバー2の捩じれ分と狭幅部12bの変形分を
合成した荷重となる。
【0040】従って、形状や材質を変えて剪断ピン50
の剪断強度を変化させると共に、ガイド溝11,12の
設定距離、広幅部12aと狭幅部12bの割合、狭幅部
12bの溝幅等を適宜選択することにより、ウェビング
伸び出し量に対するエネルギー吸収荷重の荷重曲線を変
化させることが容易である。特に、剪断ピン50を使用
する事により、剪断ピン50の剪断荷重が乗員の持つ運
動エネルギーの吸収に使われ、エネルギー吸収開始時の
エネルギー吸収荷重を一時的に高めることができるの
で、衝突直後の初期拘束性能を向上させて乗員の移動量
を少なくすることができる。
の剪断強度を変化させると共に、ガイド溝11,12の
設定距離、広幅部12aと狭幅部12bの割合、狭幅部
12bの溝幅等を適宜選択することにより、ウェビング
伸び出し量に対するエネルギー吸収荷重の荷重曲線を変
化させることが容易である。特に、剪断ピン50を使用
する事により、剪断ピン50の剪断荷重が乗員の持つ運
動エネルギーの吸収に使われ、エネルギー吸収開始時の
エネルギー吸収荷重を一時的に高めることができるの
で、衝突直後の初期拘束性能を向上させて乗員の移動量
を少なくすることができる。
【0041】そこで、車両特性に合わせて任意の荷重特
性を得ることができ、車両衝突時に乗員の身体に作用す
る衝突エネルギーを効率よく吸収することができる良好
なエネルギー吸収機構を構成することができる。又、上
記実施形態における剪断ピン50は、ロッキングプレー
ト5の貫通孔5bに遊びなく貫通されているので、ボビ
ン3とロッキングプレート5とが相対回転されると直ち
に剪断される。一方、該貫通孔5bを例えば長孔で構成
し、剪断ピン50が遊びを以て貫通されるようにする
と、ボビン3とロッキングプレート5とが所定角度相対
回転してから剪断ピン50が剪断されるので、ボビン3
とロッキングプレート5とが所定角度相対回転する間
は、トーションバー2の捩じれ分によるエネルギー吸収
荷重のみとなる。
性を得ることができ、車両衝突時に乗員の身体に作用す
る衝突エネルギーを効率よく吸収することができる良好
なエネルギー吸収機構を構成することができる。又、上
記実施形態における剪断ピン50は、ロッキングプレー
ト5の貫通孔5bに遊びなく貫通されているので、ボビ
ン3とロッキングプレート5とが相対回転されると直ち
に剪断される。一方、該貫通孔5bを例えば長孔で構成
し、剪断ピン50が遊びを以て貫通されるようにする
と、ボビン3とロッキングプレート5とが所定角度相対
回転してから剪断ピン50が剪断されるので、ボビン3
とロッキングプレート5とが所定角度相対回転する間
は、トーションバー2の捩じれ分によるエネルギー吸収
荷重のみとなる。
【0042】そこで、ウェビング伸び出し量に対するエ
ネルギー吸収荷重(ウェビングに作用する荷重)の荷重
曲線は、図9に示したように、トーションバー2による
エネルギー吸収荷重が所定量立ち上がった後、剪断ピン
50を剪断することにより急激に立上った状態となる。
即ち、ピーク荷重に対する剪断ピン50の剪断強度は、
トーションバー2のエネルギー吸収荷重が大きい分低く
て済む。この為、剪断ピン50を細くコンパクトにする
事ができる。但し、剪断ピン50が貫通孔5bに遊びな
く貫通されている場合に比べて、この場合は衝突直後の
初期拘束性能が低くなるので、プリテンショナーとの組
み合わせ等で効果が発揮される。
ネルギー吸収荷重(ウェビングに作用する荷重)の荷重
曲線は、図9に示したように、トーションバー2による
エネルギー吸収荷重が所定量立ち上がった後、剪断ピン
50を剪断することにより急激に立上った状態となる。
即ち、ピーク荷重に対する剪断ピン50の剪断強度は、
トーションバー2のエネルギー吸収荷重が大きい分低く
て済む。この為、剪断ピン50を細くコンパクトにする
事ができる。但し、剪断ピン50が貫通孔5bに遊びな
く貫通されている場合に比べて、この場合は衝突直後の
初期拘束性能が低くなるので、プリテンショナーとの組
み合わせ等で効果が発揮される。
【0043】又、アルミ、生鉄線、樹脂等の柔らかい材
質で前記剪断ピン50を構成することにより、該剪断ピ
ン50が破断してエネルギー吸収を完了するまでのウェ
ビング伸び出し量を大きく設定することができる。更
に、図10(a)に示したように、係止孔3bの開口部
と貫通孔5bの開口にそれぞれC面取りを施し、剪断ピ
ン50に対する切れ味を意図的に悪くすることにより、
該剪断ピン50が破断してエネルギー吸収を完了するま
でのウェビング伸び出し量を大きくすることもできる。
即ち、ボビン3とロッキングプレート5との間に所定以
上の回転トルクが作用した際、剪断ピン50には大きな
剪断力を作用させることができず、図10(b)に示す
ように該剪断ピン50は引き千切られるようにして破断
し、直ちに破断することができない。
質で前記剪断ピン50を構成することにより、該剪断ピ
ン50が破断してエネルギー吸収を完了するまでのウェ
ビング伸び出し量を大きく設定することができる。更
に、図10(a)に示したように、係止孔3bの開口部
と貫通孔5bの開口にそれぞれC面取りを施し、剪断ピ
ン50に対する切れ味を意図的に悪くすることにより、
該剪断ピン50が破断してエネルギー吸収を完了するま
でのウェビング伸び出し量を大きくすることもできる。
即ち、ボビン3とロッキングプレート5との間に所定以
上の回転トルクが作用した際、剪断ピン50には大きな
剪断力を作用させることができず、図10(b)に示す
ように該剪断ピン50は引き千切られるようにして破断
し、直ちに破断することができない。
【0044】又、図11(a)に示したように、貫通孔
5bの開口部に逃げ部5cを設け、剪断ピン50を塑性
変形させた後に剪断させることにより、該剪断ピン50
が破断してエネルギー吸収を完了するまでのウェビング
伸び出し量を大きくすることもできる。即ち、ボビン3
とロッキングプレート5との間に所定以上の回転トルク
が作用した際、剪断ピン50は直ちに剪断されず、図1
1(b)に示すように塑性変形された後に破断される。
5bの開口部に逃げ部5cを設け、剪断ピン50を塑性
変形させた後に剪断させることにより、該剪断ピン50
が破断してエネルギー吸収を完了するまでのウェビング
伸び出し量を大きくすることもできる。即ち、ボビン3
とロッキングプレート5との間に所定以上の回転トルク
が作用した際、剪断ピン50は直ちに剪断されず、図1
1(b)に示すように塑性変形された後に破断される。
【0045】又、ロッキングプレート5を貫通してボビ
ン3に嵌合される剪断ピン50の配設位置を変更し、該
剪断ピン50が上記ガイド溝11及びガイド溝12の少
なくとも一方の領域を貫通するように構成することによ
って、案内部13に配設されたロックピース15を剪断
ピン50と干渉させ、ウェビング伸び出し量に対するエ
ネルギー吸収荷重の荷重曲線を変化させることができ
る。
ン3に嵌合される剪断ピン50の配設位置を変更し、該
剪断ピン50が上記ガイド溝11及びガイド溝12の少
なくとも一方の領域を貫通するように構成することによ
って、案内部13に配設されたロックピース15を剪断
ピン50と干渉させ、ウェビング伸び出し量に対するエ
ネルギー吸収荷重の荷重曲線を変化させることができ
る。
【0046】即ち、所定以上の回転トルクが作用して剪
断ピン50が破断された後、ボビン3とロッキングプレ
ート5とが相対回転してロックピース15が案内部13
内を移動すると、破断された剪断ピン50の残骸と該ロ
ックピースが干渉し、その抵抗によってもエネルギー吸
収荷重を変化させることができる。尚、上記実施形態に
おける案内部の構成は、上記ガイド溝11及びガイド溝
12の構成に限定されるものではなく、種々の形態を採
りうることは言うまでもない。例えば、ガイド溝11に
広幅部及び狭幅部を設け、ガイド溝12の溝幅を全域で
ロックピース15の幅よりも広くしても良い。
断ピン50が破断された後、ボビン3とロッキングプレ
ート5とが相対回転してロックピース15が案内部13
内を移動すると、破断された剪断ピン50の残骸と該ロ
ックピースが干渉し、その抵抗によってもエネルギー吸
収荷重を変化させることができる。尚、上記実施形態に
おける案内部の構成は、上記ガイド溝11及びガイド溝
12の構成に限定されるものではなく、種々の形態を採
りうることは言うまでもない。例えば、ガイド溝11に
広幅部及び狭幅部を設け、ガイド溝12の溝幅を全域で
ロックピース15の幅よりも広くしても良い。
【0047】又、初期位置でガイド溝の溝幅を狭くして
おけば、ロックピースのガタを防止してガタ音を防止す
ることができる。この場合、ロックピースの挿入側にテ
ーパ部を設けておけば、組立も容易である。更に、本発
明における塑性変形手段は、上記実施形態のシートベル
ト用リトラクター100のように、必ずしもトーション
バーと案内部とを組み合わせる必要はなく、何れか一方
の塑性変形のみでエネルギー吸収荷重を受け持つことも
可能である。又、塑性変形手段も上記トーションバー及
び上記案内部の構成に限定されるものではない。又、ト
ーションバーが充分な許容捩じり角を有している場合に
は、該トーションバーがねじ切れる前に車両衝突が終了
するので、塑性変形手段はストッパー機構(ガイド溝1
1,12及びロックピース15)によってトーションバ
ーの所定以上の捩じれを阻止する必要はない。
おけば、ロックピースのガタを防止してガタ音を防止す
ることができる。この場合、ロックピースの挿入側にテ
ーパ部を設けておけば、組立も容易である。更に、本発
明における塑性変形手段は、上記実施形態のシートベル
ト用リトラクター100のように、必ずしもトーション
バーと案内部とを組み合わせる必要はなく、何れか一方
の塑性変形のみでエネルギー吸収荷重を受け持つことも
可能である。又、塑性変形手段も上記トーションバー及
び上記案内部の構成に限定されるものではない。又、ト
ーションバーが充分な許容捩じり角を有している場合に
は、該トーションバーがねじ切れる前に車両衝突が終了
するので、塑性変形手段はストッパー機構(ガイド溝1
1,12及びロックピース15)によってトーションバ
ーの所定以上の捩じれを阻止する必要はない。
【0048】また、上記緊急ロック手段は、上記実施形
態における構成に限定されるものではなく、種々の変更
が可能であり、例えば、車両緊急時に作動する慣性感知
手段は、車体加速度感知手段とウェビング加速度感知手
段のいずれか一方のみを備える構成でも良い。更に、巻
取シャフトとボビンとの間に配設されて所定トルクで剪
断する剪断ピンの構成も、上記実施形態の如くボビン3
とロッキングプレート5との間に配設される構成に限定
されるものではなく、例えば、ボビンの胴部を半径方向
内方に貫通してトーションバーに嵌合される構成とする
こともできる。又は、ボビンと一体的に成形された柱状
の剪断ピンがロッキングプレートの穴に嵌合されること
により、前記剪断ピン50と同様の効果を得ることもで
きる。
態における構成に限定されるものではなく、種々の変更
が可能であり、例えば、車両緊急時に作動する慣性感知
手段は、車体加速度感知手段とウェビング加速度感知手
段のいずれか一方のみを備える構成でも良い。更に、巻
取シャフトとボビンとの間に配設されて所定トルクで剪
断する剪断ピンの構成も、上記実施形態の如くボビン3
とロッキングプレート5との間に配設される構成に限定
されるものではなく、例えば、ボビンの胴部を半径方向
内方に貫通してトーションバーに嵌合される構成とする
こともできる。又は、ボビンと一体的に成形された柱状
の剪断ピンがロッキングプレートの穴に嵌合されること
により、前記剪断ピン50と同様の効果を得ることもで
きる。
【0049】
【発明の効果】上述したように、本発明のシートベルト
用リトラクターでは、巻取シャフトとボビンとの間に剪
断ピンを配設することにより、該剪断ピンの剪断荷重が
乗員の持つ運動エネルギーの吸収に使われるので、剪断
ピンの材質や形状、或いは取付け状態等を変更するだけ
で、車両特性に合わせてエネルギー吸収荷重特性を任意
に変えることができる。
用リトラクターでは、巻取シャフトとボビンとの間に剪
断ピンを配設することにより、該剪断ピンの剪断荷重が
乗員の持つ運動エネルギーの吸収に使われるので、剪断
ピンの材質や形状、或いは取付け状態等を変更するだけ
で、車両特性に合わせてエネルギー吸収荷重特性を任意
に変えることができる。
【0050】更に、剪断ピンを使用することにより、エ
ネルギー吸収開始時又は開始直後のエネルギー吸収荷重
を一時的に高めることができるので、衝突直後の初期拘
束性能を向上させて乗員の移動量を少なくすることがで
きる。そこで、乗員の初期拘束性能を向上させると共
に、車両特性に合わせて任意の荷重特性を得ることがで
き、車両衝突時に乗員の身体に作用する衝突エネルギー
を効率よく吸収することができる良好なエネルギー吸収
機構を備えたシートベルト用リトラクターを提供するこ
とができる。
ネルギー吸収開始時又は開始直後のエネルギー吸収荷重
を一時的に高めることができるので、衝突直後の初期拘
束性能を向上させて乗員の移動量を少なくすることがで
きる。そこで、乗員の初期拘束性能を向上させると共
に、車両特性に合わせて任意の荷重特性を得ることがで
き、車両衝突時に乗員の身体に作用する衝突エネルギー
を効率よく吸収することができる良好なエネルギー吸収
機構を備えたシートベルト用リトラクターを提供するこ
とができる。
【図1】本発明の実施形態に基づくシートベルト用リト
ラクターの正面縦断面図である。
ラクターの正面縦断面図である。
【図2】図1に示したシートベルト用リトラクターの要
部分解斜視図である。
部分解斜視図である。
【図3】図1に示したロッキングプレートの要部斜視図
である。
である。
【図4】図1に示したシートベルト用リトラクターのエ
ネルギー吸収機構の動作を説明する為の説明図であり、
(a) は図1におけるA−A断面矢視図、(b) は図1にお
けるB−B断面矢視図である。
ネルギー吸収機構の動作を説明する為の説明図であり、
(a) は図1におけるA−A断面矢視図、(b) は図1にお
けるB−B断面矢視図である。
【図5】図1に示したシートベルト用リトラクターのエ
ネルギー吸収機構の動作を説明する為の説明図である。
ネルギー吸収機構の動作を説明する為の説明図である。
【図6】図1に示したシートベルト用リトラクターのエ
ネルギー吸収機構の動作を説明する為の説明図である。
ネルギー吸収機構の動作を説明する為の説明図である。
【図7】図1に示したシートベルト用リトラクターのエ
ネルギー吸収機構の動作を説明する為の説明図である。
ネルギー吸収機構の動作を説明する為の説明図である。
【図8】図1に示したシートベルト用リトラクターにお
けるウェビング伸び出し量とエネルギー吸収荷重との関
係を示すグラフである。
けるウェビング伸び出し量とエネルギー吸収荷重との関
係を示すグラフである。
【図9】他の実施形態に基づくシートベルト用リトラク
ターにおけるウェビング伸び出し量とエネルギー吸収荷
重との関係を示すグラフである。
ターにおけるウェビング伸び出し量とエネルギー吸収荷
重との関係を示すグラフである。
【図10】他の実施形態に基づくシートベルト用リトラ
クターにおける剪断ピンの破断状態を説明する為の要部
拡大断面図である。
クターにおける剪断ピンの破断状態を説明する為の要部
拡大断面図である。
【図11】他の実施形態に基づくシートベルト用リトラ
クターにおける剪断ピンの破断状態を説明する為の要部
拡大断面図である。
クターにおける剪断ピンの破断状態を説明する為の要部
拡大断面図である。
1 リトラクターベース 2 トーションバー 3 ボビン 5 ロッキングプレート 11 ガイド溝 12 ガイド溝 13 案内部 16 ポール 50 剪断ピン 100 シートベルト用リトラクター 200 エネルギー吸収機構 300 緊急ロック手段
Claims (1)
- 【請求項1】 リトラクターベースに回転可能に取付け
られると共に車両緊急時にウェビング引出し方向の回転
を阻止される巻取シャフトと、ウェビングが巻装される
と共に前記巻取シャフトに回転可能に支持される円筒状
のボビンと、巻取シャフトとボビンとを所定荷重で相対
回転可能に係合する塑性変形手段と、前記巻取シャフト
と前記ボビンとの間に配設されて所定トルクで剪断する
剪断ピンとを備えたシートベルト用リトラクター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8206389A JPH1035411A (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | シートベルト用リトラクター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8206389A JPH1035411A (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | シートベルト用リトラクター |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1035411A true JPH1035411A (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=16522544
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8206389A Pending JPH1035411A (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | シートベルト用リトラクター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1035411A (ja) |
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6416008B1 (en) | 1999-09-30 | 2002-07-09 | Takata Corporation | Seat belt retractor |
KR20020083826A (ko) * | 2001-04-30 | 2002-11-04 | 현대자동차주식회사 | 자동차용 로드 리미터 |
JP2003019945A (ja) * | 2001-07-09 | 2003-01-21 | Nsk Autoliv Co Ltd | シートベルト装置 |
WO2003043860A1 (fr) * | 2000-05-24 | 2003-05-30 | Kabushiki Kaisha Tokai-Rika-Denki-Seisakusho | Enrouleur de ceinture de securite |
US6969089B2 (en) * | 2000-12-28 | 2005-11-29 | Takata-Petri (Ulm) Gmbh | Seat belt force limiter |
JP2006232256A (ja) * | 2005-01-25 | 2006-09-07 | Tokai Rika Co Ltd | ウエビング巻取装置 |
JP2007507392A (ja) * | 2003-10-06 | 2007-03-29 | オートリブ ディヴェロプメント アクチボラゲット | 安全装置 |
JP2008024102A (ja) * | 2006-07-19 | 2008-02-07 | Takata Corp | シートベルトリトラクタ及びシートベルト装置 |
US7354014B2 (en) | 2003-06-27 | 2008-04-08 | Takata Corporation | Seat belt retractor |
EP1975017A2 (en) | 2007-03-28 | 2008-10-01 | Takata Corporation | Seat belt retractor and seat belt apparatus having the same |
EP1975016A2 (en) | 2007-03-28 | 2008-10-01 | Takata Corporation | Seat belt retractor and seat belt apparatus having the same |
JP2011037325A (ja) * | 2009-08-07 | 2011-02-24 | Tokai Rika Co Ltd | ウェビング巻取装置 |
JP2017013630A (ja) * | 2015-07-01 | 2017-01-19 | タカタ株式会社 | シートベルトリトラクタ及びシートベルト装置 |
DE102010048583B4 (de) * | 2009-10-29 | 2017-03-02 | Autoliv Development Ab | Sicherheitsgurtvorrichtung |
CN113454350A (zh) * | 2019-02-20 | 2021-09-28 | 蒂森克虏伯普利斯坦股份公司 | 用于机动车辆的转向柱 |
-
1996
- 1996-07-18 JP JP8206389A patent/JPH1035411A/ja active Pending
Cited By (21)
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EP1975016A2 (en) | 2007-03-28 | 2008-10-01 | Takata Corporation | Seat belt retractor and seat belt apparatus having the same |
JP2008238998A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Takata Corp | シートベルトリトラクタおよびこれを備えたシートベルト装置 |
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US7874589B2 (en) | 2007-03-28 | 2011-01-25 | Takata Corporation | Seat belt retractor |
EP1975017A2 (en) | 2007-03-28 | 2008-10-01 | Takata Corporation | Seat belt retractor and seat belt apparatus having the same |
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US11970206B2 (en) | 2019-02-20 | 2024-04-30 | Thyssenkrupp Presta Ag | Steering column for a motor vehicle |
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