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JPH10310027A - シートベルト用リトラクター - Google Patents

シートベルト用リトラクター

Info

Publication number
JPH10310027A
JPH10310027A JP9122197A JP12219797A JPH10310027A JP H10310027 A JPH10310027 A JP H10310027A JP 9122197 A JP9122197 A JP 9122197A JP 12219797 A JP12219797 A JP 12219797A JP H10310027 A JPH10310027 A JP H10310027A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
retractor
base
peripheral portion
bobbin
inner peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9122197A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Hirase
敏 平瀬
Katsuyasu Ono
勝康 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP9122197A priority Critical patent/JPH10310027A/ja
Publication of JPH10310027A publication Critical patent/JPH10310027A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンパクトな構成でありながらエネルギー吸
収荷重が大きいシートベルト用リトラクターを提供する
こと。 【解決手段】 ボビン3は、リトラクターベース1の側
板1bに形成された孔の内周部50との対向部3bを有
するとともに、半径方向に所定の力が作用したとき前記
リトタクターベース1との対向部間で半径方向に移動可
能であり、前記リトラクターベース1の孔の内周部50
と前記ロッキングベース5の外周部5bがスラスト方向
で重ならないように位置し、前記リトラクターベース1
の孔の内周部50が研削手段を有し、前記ボビン3は前
記研削手段により削られる材料からなるシートベルト用
リトラクター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートベルト装置
のリトラクター(巻取装置)に関し、特に、エネルギー
吸収機構を備えたシートベルト用リトラクターに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の乗員等を座席に安全に保持
するためのシートベルト用リトラクターにおいては、急
な加速、衝突又は減速に反応する慣性感知手段によって
リトラクターを物理的にロックする緊急ロック機構を備
えて乗員を効果的及び安全に拘束する緊急ロック式リト
ラクターが用いられている。
【0003】このような緊急ロック式リトラクターとし
ては、例えば特開昭50−79024号、特公昭59−
21624号及び実公平2−45088号公報等に開示
されたシートベルト用リトラクターのように、ウェビン
グを巻装する巻取軸の一端に配設された係合部材が車両
緊急時にリトラクターベースの被係合部に係合して前記
巻取軸のウェビング引き出し方向の回転を阻止すること
ができるロック手段を備えたものがある。
【0004】そして、前記ロック手段においては、巻取
軸が貫通するリトラクターベースの巻取軸貫通穴に形成
された係止噛合部や、その巻取軸貫通穴に併設された内
歯プレートに形成されたラチェット歯が被係合部として
用いられる一方、巻取軸と共に回転するロックプレート
や係止爪が係合部材として用いられており、車両緊急時
にそれら係合部材と被係合部材とが係合して巻取軸のウ
ェビング引き出し方向の回転を阻止するように構成され
ている。
【0005】一方、衝突による衝撃力が極めて大きい時
には、衝突後の時間の経過と共にウェビング張力が増大
するため、乗員の身体に急激な減速度を生じることにな
り、ウェビングから乗員にかかる負荷が極めて大きくな
る。そこで、ウェビングに作用する荷重が予め設定した
所定値以上となった際、シートベルトを所定量繰り出さ
せることにより、乗員の身体に生じる衝撃を吸収するエ
ネルギー吸収機構を備え、乗員の身体をより確実に保護
するようにしたシートベルト装置も種々提案されてい
る。このような構成のシートベルト用リトラクターとし
ては、特開昭46−7710号公報に記載された、「と
くに安全ベルト用のエネルギ吸収装置」が知られてい
る。
【0006】前記エネルギ吸収装置は、エネルギ吸収装
置が力を伝達する部分となる巻取り部材(ボビン)と、
この巻取り部材に対して相対的に回動可能とされたホル
ダ(リトラクターベース)とが備えられ、それらホルダ
と巻取り部材との間に、トーションバー(捩り棒)が配
置されている。そこで、車両緊急時に巻取軸の回転が阻
止された後、さらにロック手段に荷重が負荷されたとき
には、前記トーションバー自体が捩れることにより、乗
員の身体に作用する衝突エネルギーがトーションバーの
変形仕事として吸収される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、乗員の緩衝
力を大きくするためにはエネルギー吸収荷重を大きくす
ればよいが、上記特開昭46−7710号公報に記載さ
れた安全ベルト用のエネルギ吸収装置においては、トー
ションバーのみでエネルギーを吸収しなければならない
ので、エネルギー吸収荷重に限界があった。また、仮に
トーションバーの変形仕事のみで大きなエネルギーを吸
収しようとすると、トーションバー自体を大きくしなけ
ればならないので、シートベルトリトラクター自体が大
型化してしまう。そこで、本発明の目的は上記課題を解
決することにあり、コンパクトな構成でありながらエネ
ルギー吸収荷重が大きいシートベルト用リトラクターを
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成される。 (1) ウェビングが巻装される略筒状のボビンと、車
両緊急時にロッキングベースをリトラクターベースと連
結させてウェビング引き出し方向の回転を阻止する緊急
ロック手段と、ロック後の前記ウェビングに所定の荷重
を付加しながら前記ウェビングを引き出し可能とするエ
ネルギー吸収手段とを備えたシートベルト用リトラクタ
ーにおいて、前記ボビンは、前記リトラクターベースの
側板に形成された孔の内周部との対向部を有するととも
に、半径方向に所定の力が作用したとき前記リトタクタ
ーベースとの対向部間で半径方向に移動可能であり、前
記リトラクターベースの孔の内周部と前記ロッキングベ
ースの外周部がスラスト方向で重ならないように位置
し、前記リトラクターベースの孔の内周部が研削手段を
有し、前記ボビンは前記研削手段により削られる材料か
らなることを特徴とするシートベルト用リトラクター。
【0009】(2) ウェビングが巻装される略筒状の
ボビンと、車両緊急時にロッキングベースをリトラクタ
ーベースと連結させてウェビング引き出し方向の回転を
阻止する緊急ロック手段と、ロック後の前記ウェビング
に所定の荷重を付加しながら前記ウェビングを引き出し
可能とするエネルギー吸収手段とを備えたシートベルト
用リトラクターにおいて、前記ボビンは、前記リトラク
ターベースの側板に形成された孔の内周部との対向部を
有するとともに、半径方向に所定の力が作用したとき前
記リトタクターベースとの対向部間で半径方向に移動可
能であり、前記リトラクターベースの孔の内周部と前記
ロッキングベースの外周部がスラスト方向で重なるよう
に位置し、前記リトラクターベースの孔の内周部が研削
手段を有し、前記ボビンは前記研削手段により削られる
材料からなり、前記ロッキングベースは前記ボビンより
も小径であることを特徴とするシートベルト用リトラク
ター。
【0010】
【作用】上記(1)及び(2)の本発明によれば、リト
ラクターベースの側板に形成された孔の内周部の研削手
段がボビンを削ることにより、エネルギー吸収手段とと
もにエネルギー吸収を行う。研削手段がボビンを削る仕
事はエネルギー吸収荷重となり、これが既存のエネルギ
ー吸収手段によるエネルギー吸収荷重に付加される。し
たがって、エネルギー吸収荷重が従来のエネルギー吸収
手段のみの場合に比べて増大する。
【0011】また、上記(2)の発明によれば、上記に
加えて更に、リトラクターベースの孔の内周部とロッキ
ングベースの外周部がスラスト方向で重なるように位置
し、ロッキングベースが前記ボビンよりも小径であるこ
とにより、前記ボビンが前記ロッキングベースと同径に
なるまで削られるとそれ以後は削られなくなるので、エ
ネルギー吸収ストロークの後半のエネルギー吸収をエネ
ルギー吸収手段のみに依存することとなり、エネルギー
吸収ストローク後半のエネルギー吸収荷重が下がる。し
たがって、例えばエアバッグ装着車において、エアバッ
グが展開されたストローク後半に、ボビンがロッキング
ベースと同径になるまで磨耗するように、エアバッグ展
開時期とボビンの摩耗可能量とを調整することにより、
エアバッグ展開後のシートベルトによる乗員の拘束を弱
めることができる。したがって、エアバッグ展開後に乗
員にシートベルトによる負担がかからない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の第1実施形態を詳細に説明する。図1に、本発明の第
1実施形態に係るシートベルト用リトラクター100の
正面縦断面図を示す。シートベルトリトラクター100
は、ウェビングが巻装される略円筒状のボビン3と、ボ
ビン3を挿通してリトラクターベース1に回転自在に支
持されるとともに、一端側(図1中、左側)では前記ボ
ビン3と一体的に結合され、他端側(図1中、右側)で
は円盤状のロッキングベース5と一体的に結合される円
柱状の捩り棒2(エネルギー吸収軸)と、車両緊急時に
ロッキングベース5のウェビング引き出し方向の回転を
阻止する緊急ロック手段300とを備えている。
【0013】リトラクターベース1は、車体に固定され
る背板1cの両側から左右に側板1a,1bが立ち上が
り、略コ字状の断面を有するように硬質金属板をプレス
成形したものであり、左右の側板1a,1bの対向位置
にはボビン3と組み合わされた捩り棒2が回動自在に橋
架されている。リトラクターベース1の側板1aを挿通
した捩り棒2の一端部には、捩り棒2を介してボビン3
をウェビング巻取り方向に常時付勢する公知の巻取りば
ね装置(図示せず)が装備されている。
【0014】捩り棒2の一端側にはボビン3と一体回転
可能な結合を果たすボビン結合部2aを有し、他端部に
はロッキングベース5と一体回転可能な結合を果たすロ
ッキングベース結合部2bを有している。これらの結合
部2a,2bは、断面形状を六角形に成形したものであ
る。ボビン結合部2aは、ボビン3の一端側に形成され
た嵌合凹部3aに嵌合されたリテーナ40の断面六角形
の挿通穴40aに嵌合することで、ボビン3と一体回転
可能に結合されている。なお、リテーナ40は、ブッシ
ュ41を介して側板1aに回動可能に支持されている。
【0015】ロッキングベース結合部2bは断面六角形
状を有し、図3に示すようにロッキングベース5のボビ
ン側端面に突設された円筒状のボス部8の断面六角形の
挿通穴8aに嵌合することで、ロッキングベース5と一
体回転可能に結合されている。ボビン3のロッキングベ
ース側端部には、ロッキングベース5のボス8を受容す
る嵌合凹部9が凹設されており、ロッキングベース5が
嵌合凹部9を介してボビン3に対して相対回転可能に軸
支されている。ボビン3は、捩り棒2を捩じるので、ボ
ビン結合部2a側では、捩り棒2に対して相対回転せ
ず、エネルギー吸収時にはボス部8を軸にロッキングベ
ース5に対し相対回転可能である。また、ボビン3の外
周部3bと、リトラクターベース1の側板1bに形成さ
れた孔の内周部50とは所定の間隙で対向している。リ
トラクターベース1の側板1bの孔の内周部50には、
研削手段としてローレット加工によりヤスリ目が形成さ
れている。そして内周部50は、ロッキングベース5の
外周部5bとスラスト方向で重ならないように位置して
いる。なお、ボビン3はアルミダイキャスト製であり、
リトラクターベース1の内周部50はアルミニウムより
硬い金属よりなる。したがって、研削手段としてのヤス
リ目を有する内周部50は、ボビン3の外周部3bを削
ることができる。
【0016】捩り棒2は、結合部2a,2b間に所定以
上の回転トルクが作用して、これらの結合部2a,2b
が捩れ変形を起こすことにより、乗員の身体に作用する
衝撃エネルギーの吸収を行うように構成されたエネルギ
ー吸収機構である。
【0017】本発明において、車両緊急時にロッキング
ベース5のウェビング引き出し方向への回転を拘束する
緊急ロック手段300の具体的な構成は、公知の種々の
ものを採用することができる。例えば第1実施形態の場
合は、図2に示すように、ロッキングベース5の支軸7
には、先端に係止歯16aを備えたポール16が回動可
能に軸支されている。また、側板1bの内周部50の外
側には、係止歯16aが噛合可能な係合内歯25を内周
に備えた内歯ラチェット21が並設されている。
【0018】そして、センサーカバー35内に配設され
た緊急ロック手段300は、車両緊急時にポール16の
係止歯16aを内歯ラチェット21の係合内歯25に噛
合させることで、ロッキングベース5のウェビング引き
出し方向への回転を阻止する構成となっている。
【0019】次に、第1実施形態のシートベルト用リト
ラクター100の作動について説明する。衝突等の車両
緊急時に緊急ロック手段300が作動すると、捩り棒2
の他端に結合されたロッキングベース5のウェビング引
き出し方向への回転が阻止される。すると、ウェビング
張力により、捩り棒2に一体的にねじ込まれたピン60
0を介しボビン3を軸支するギアケース400及びこれ
を覆うカバー500が撓み、ボビン3がウェビング引き
出し方向(図1中、上方向)へ移動し、ボビン3の外周
部3bがリトラクターベース1の内周部50に当接する
ので、外周部3bはウェビング引き出し方向の移動を規
制される。
【0020】そして、ウェビングに作用する荷重により
所定以上の回転トルクがボビン3を介して捩り棒2の一
端側に作用すると、捩り棒2の捩れ変形が始まって衝撃
エネルギーが吸収される。この衝撃エネルギー吸収動作
時には、ボビン3のロッキングベース側端部が捩り棒2
に対して相対回転するが、捩り棒2に一体的にねじ込ま
れたピン600を介しボビン3を軸支するギアケース4
00及びこれを覆うカバー500が撓むことによりボビ
ン3が変位して、ボビン3の外周部3bはリトラクター
ベース1の内周部50と摩擦摺動する。すなわち、研削
手段としてローレット加工によりヤスリ目が形成された
内周部50は、ボビン3の外周部3bを削ることによ
り、外周部3bと摩擦摺動する。この摩擦摺動する際の
摩擦力により、従来と比較してエネルギー吸収荷重が大
きくなる。ここで、リトラクターベース1の内周部50
は、ロッキングベース1の外周部5bとスラスト方向で
重ならないので、エネルギー吸収の進行に伴いボビン3
の外周部3bが削られても、内周部50とロッキングベ
ース1の外周部5bとは接触せず、エネルギー吸収荷重
増加の妨げにならない。
【0021】なお、本第1実施形態において、リトラク
ターベース1の内周部50のローレット加工の深さを浅
くすると、ボビン3の外周部3bの削りカスが内周部5
0のローレット加工部に目づまりして所望量回転すると
外周部3bが削られなくなる。これによりエネルギー吸
収ストローク後半のエネルギー吸収荷重を下げることが
でき、エネルギー吸収中であっても、エネルギー吸収ス
トロークの後半であってエアバッグ展開後にエネルギー
吸収荷重を下げることができる。したがって、エアバッ
グ自体で乗員を緩衝できるエアバッグ装着車において、
エアバッグが展開されたストローク後半時に、ボビンの
外周部3bが削られなくなるように、エアバッグの展開
時期と、リトラクターベースの内周部50のローレット
加工の深さを調整することで、シートベルトによる乗員
の拘束を弱めることができる。また、次に説明する第2
実施形態によっても同様にエネルギー吸収ストロークの
後半にエネルギー吸収荷重を下げることができる。
【0022】次に、添付図面に基づいて本発明の第2実
施形態を詳細に説明する。なお、従来と同様のシートベ
ルトリトラクターの構成については、詳細な説明を省略
する。図4に、本発明の第2実施形態に係るシートベル
ト用リトラクター110の正面縦断面図を示す。ボビン
60の外周部60bと、リトラクターベース70の側板
70bに形成された孔の内周部75とは、所定の間隙で
対向している。ボビン60の外周部60bと対向する位
置におけるリトラクターベース70の側板70bの孔の
内周部75には、研削手段としてのヤスリ目がローレッ
ト加工により形成されている。そして内周部75は、ロ
ッキングベース80の外周部80bとスラスト方向で重
なるように位置している。また、ロッキングベース80
の外周部80bの外径は、ボビン60の外周部60bの
外径よりも小径である。
【0023】次に、第2実施形態のシートベルト用リト
ラクター110の作動について説明する。衝突等の車両
緊急時に緊急ロック手段300が作動すると、捩り棒2
の他端に結合されたロッキングベース80のウェビング
引き出し方向への回転が阻止される。すると、ウェビン
グ張力により、捩り棒2に一体的にねじ込まれたピン6
00を介しボビン3を軸支するギアケース400及びこ
れを覆うカバー500が撓み、ボビン60がウェビング
引き出し方向(図4中、上方向)へ移動し、ボビン60
の外周部60bがリトラクターベース70の内周部75
に当接するので、外周部60bはウェビング引き出し方
向の移動を規制される。
【0024】そして、ウェビングに作用する荷重により
所定以上の回転トルクがボビン60を介して捩り棒2の
一端側に作用すると、捩り棒2の捩れ変形が始まって衝
撃エネルギーが吸収される。この衝撃エネルギー吸収動
作時には、ボビン60のロッキングベース側端部が捩り
棒2に対して相対回転するが、捩り棒2に一体的にねじ
込まれたピン600を介しボビン3を軸支するギアケー
ス400及びこれを覆うカバー500が撓むことにより
ボビン60が変位して、ボビン60の外周部60bはリ
トラクターベース70の内周部75と摩擦摺動する。即
ち、ローレット加工された内周部75は、ボビン60の
外周部60bを削ることにより、外周部60bと摩擦摺
動する。この摩擦摺動する際の摩擦力により、従来と比
較してエネルギー吸収荷重が大きくなる。
【0025】更に、エネルギー吸収が進行するとボビン
60の外周部60bが摩耗し、外周部60bの外径が小
さくなる。外周部60bの外径とロッキングベース80
の外周部80bの外径が等しくなると、ロッキングベー
ス80の外周部80bがリトラクターベース70の内周
部75と接するので、ボビン60の外周部60bはそれ
以上摩耗しなくなり、摩擦力によるエネルギー吸収荷重
増加の工程は終了する。そして、エネルギー吸収ストロ
ーク後半のエネルギー吸収は、捩り棒2のみに依存する
こととなるので、ストローク後半のエネルギー吸収荷重
を下げることができる。したがって、例えばエアバッグ
自体で乗員を緩衝できるエアバッグ装着車において、エ
アバッグが展開されたストローク後半に、ボビン60の
外周部60bの外径がロッキングベース80の外径部8
0bの外径と等しくなるまで削られるように、エアバッ
グの展開時期、ボビン60の硬度、ボビン60の外周部
60bとロッキングベースの外周部80bとの外径差、
ローレット加工の深さ等を適当に調整することにより、
エアバッグ展開後にシートベルトによる乗員の拘束を弱
めることができる。
【0026】なお、第1実施形態及び第2実施形態にお
いて、リトラクターベース1,70の内周面50,75
はローレット加工によりヤスリ目が形成されているが、
図5に示すようにリトラクターベース1,70の内周部
50,75は、溝91と刃93からなる鬼目ヤスリ状で
あってもよい。刃93のヤスリ目93aはウェビング引
き出し方向Aと逆側を向いている。図6に鬼目ヤスリ状
の表面をもつリトラクターベース1,70の内周部5
0,75を半径方向内方から見た図を示す。図6に示す
ように、リトラクターベース1,70の内周部50,7
5が鬼目ヤスリ状の表面を持つとき、ヤスリ目93aが
ウェビング引き出し方向Aに対し、緊急ロック手段30
0側Cに向いて傾いており、溝91を通って削りカスを
緊急ロック手段側Bに案内する構成とすることが好まし
い。このような構成であれば、ボビン3,60の削りカ
スがボビン3,60側Cのウェビングに付着しにくい。
また、鬼目ヤスリ状の表面は、目づまりしにくいので高
荷重下でのエネルギー吸収ストロークを長くできる。な
お、上記各実施形態は捩り棒を用いたエネルギー吸収手
段を備えた構成であるが、エネルギー吸収手段としては
他の構成であってもよい。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、リトラクターベースの
側板に形成された孔の内周部の研削手段が前記ボビンを
削る仕事がエネルギー吸収荷重になり、これが既存のエ
ネルギー吸収手段によるエネルギー吸収荷重に付加され
るので、エネルギー吸収荷重が従来のエネルギー吸収手
段のみの場合に比べて増大する。したがって、コンパク
トな構成でありながらエネルギー吸収荷重が大きいシー
トベルト用リトラクターを提供することができる。
【0028】また、前記リトラクターベースの孔の内周
部と前記ロッキングベースの外周部がスラスト方向で重
なるように位置し、前記ロッキングベースが前記ボビン
よりも小径であることにより、ボビンがロッキングベー
スと同径になるまで削られるとそれ以後は削られなくな
り、エネルギー吸収ストロークの後半のエネルギー吸収
をエネルギ吸収手段のみに依存することとなり、エネル
ギー吸収ストローク後半のエネルギー吸収荷重が下が
る。したがって、例えばエアバッグ装着車において、エ
アバッグが展開されたストローク後半にボビンがロッキ
ングベースと同径になるまで削られるように、エアバッ
グ展開時期とボビンの摩耗可能量とを調整することによ
り、エアバッグ展開後のシートベルトによる乗員の拘束
を弱めることができるので乗員に負担がかからなくな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るシートベルト用リ
トラクターの正面縦断面図である。
【図2】図1に示したシートベルト用リトラクターの要
部分解斜視図である。
【図3】図2に示したロッキングベースの要部斜視図で
ある。
【図4】本発明の第2実施形態に係るシートベルト用リ
トラクターの正面縦断面図である。
【図5】鬼目ヤスリ状であるリトラクターベース1,7
0の内周部50,75の斜視図である。
【図6】ヤスリ状の表面を持つリトラクターベース1,
70の内周部50,75を半径方向内方から見た図であ
る。
【符号の説明】
1,70 リトラクターベース 1a,1b 側板 2 捩り棒 2a ボビン結合部 2b ロッキングベース部 3,60 ボビン 3a 嵌合凹部 3b,5b,60b 外周部 5,80 ロッキングベース 7 支軸 8 ボス部 8a 挿通孔 9 嵌合凹部 16 ポール 16a 係止歯 20 貫通孔 21 内歯ラチェット 25 係合内歯 40 リテーナ 40a 挿通孔 41 ブッシュ 50,75 内周部 80b フランジ 91 溝 93 刃 100,110 シートベルト用リトラクター 300 緊急ロック手段 400 ギアケース 500 カバー 600 ピン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェビングが巻装される略筒状のボビン
    と、車両緊急時にロッキングベースをリトラクターベー
    スと連結させてウェビング引き出し方向の回転を阻止す
    る緊急ロック手段と、ロック後の前記ウェビングに所定
    の荷重を付加しながら前記ウェビングを引き出し可能と
    するエネルギー吸収手段とを備えたシートベルト用リト
    ラクターにおいて、 前記ボビンは、前記リトラクターベースの側板に形成さ
    れた孔の内周部との対向部を有するとともに、半径方向
    に所定の力が作用したとき前記リトタクターベースとの
    対向部間で半径方向に移動可能であり、前記リトラクタ
    ーベースの孔の内周部と前記ロッキングベースの外周部
    がスラスト方向で重ならないように位置し、前記リトラ
    クターベースの孔の内周部が研削手段を有し、前記ボビ
    ンは前記研削手段により削られる材料からなることを特
    徴とするシートベルト用リトラクター。
  2. 【請求項2】 ウェビングが巻装される略筒状のボビン
    と、車両緊急時にロッキングベースをリトラクターベー
    スと連結させてウェビング引き出し方向の回転を阻止す
    る緊急ロック手段と、ロック後の前記ウェビングに所定
    の荷重を付加しながら前記ウェビングを引き出し可能と
    するエネルギー吸収手段とを備えたシートベルト用リト
    ラクターにおいて、 前記ボビンは、前記リトラクターベースの側板に形成さ
    れた孔の内周部との対向部を有するとともに、半径方向
    に所定の力が作用したとき前記リトタクターベースとの
    対向部間で半径方向に移動可能であり、前記リトラクタ
    ーベースの孔の内周部と前記ロッキングベースの外周部
    がスラスト方向で重なるように位置し、前記リトラクタ
    ーベースの孔の内周部が研削手段を有し、前記ボビンは
    前記研削手段により削られる材料からなり、前記ロッキ
    ングベースは前記ボビンよりも小径であることを特徴と
    するシートベルト用リトラクター。
JP9122197A 1997-05-13 1997-05-13 シートベルト用リトラクター Pending JPH10310027A (ja)

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JP9122197A JPH10310027A (ja) 1997-05-13 1997-05-13 シートベルト用リトラクター

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