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JPH10158612A - ゴムと繊維との接着方法および動力伝動用ベルト - Google Patents

ゴムと繊維との接着方法および動力伝動用ベルト

Info

Publication number
JPH10158612A
JPH10158612A JP33507896A JP33507896A JPH10158612A JP H10158612 A JPH10158612 A JP H10158612A JP 33507896 A JP33507896 A JP 33507896A JP 33507896 A JP33507896 A JP 33507896A JP H10158612 A JPH10158612 A JP H10158612A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
fiber
soaking
iodine value
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33507896A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Jonen
博志 常念
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
Priority to JP33507896A priority Critical patent/JPH10158612A/ja
Publication of JPH10158612A publication Critical patent/JPH10158612A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温度環境下や高温度環境下で、しかもこの
温度差が大きくなっても繊維とゴムとの界面の接着力を
高水準に維持する。 【解決手段】 ニトリル基を含む共重合体の分子中の二
重結合を部分的に水素化したニトリル基含有高飽和共重
合体ゴムと繊維とを接着で、繊維にソーキングゴム6を
付着して加熱するソーキング処理を施し被着ゴム3と密
着加硫するゴムと繊維との接着方法において、被着ゴム
のヨウ素価と繊維に付着するソーキングゴム6のヨウ素
価の差を13未満としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は動力伝動用ベルトの
心線とゴムとの接着やゴムと補強用の繊維との接着等に
用いられる接着方法および動力伝動用ベルトに係り、詳
しくは接着性を改善すること、そして耐熱性、耐寒性及
び耐屈曲性を改善してベルト寿命を大きく延長させたV
ベルトやVリブドベルトを含む動力伝動用ベルトを実現
するゴムと繊維との接着方法および動力伝動用ベルトに
関する。
【0002】
【従来の技術】耐熱性に優れたゴムとして、水素化ニト
リルゴムが様々な用途に用いられている。また、最近で
は使用環境温度もこれまでより更に低温から高温までと
幅広くなってきており、耐寒性が改善されるニトリル基
含有高飽和共重合体ゴム組成物が開発されてきた。これ
については、例えば特公平7−88440号公報、特公
平3−109448公報、特公平3−109449公報
に開示されている。
【0003】これらのニトリル基含有高飽和共重合体ゴ
ム組成物は、従来のニトリルゴムの利点である耐油性を
保持しつつ、耐熱性や耐寒性を改良したゴムである。こ
のようなニトリル基含有高飽和共重合体ゴム組成物は、
ホース、伝動ベルト、コンベヤベルト、タイヤ等の様々
な用途に用いる場合、繊維材料にて補強された複合体で
用いるのが通常であり、ゴムと繊維との間の接着には強
力な接着力が要求される。
【0004】一般的に、ゴムと繊維との接着方法として
は、レゾルシン−ホルマリン−ゴムラテックス液(RF
L液)で繊維を処理する方法が良く知られている。ま
た、近年自動車に使用されるVベルトやVリブドベルト
などの動力伝動用ベルトは、エンジンの高出力、燃料の
効率化が求められるに従って、高度の耐熱性が要求され
るようになってきた。例えば、接着ゴム層とベルト長さ
方向に延びる少なくとも2つのリブ部を有する圧縮ゴム
層からなるVリブドベルトは、自動車のクランク軸に装
着されたプーリの回転をオールタネート等の複数の補機
を同時に回転させるため、これらのプーリにサーペンテ
ィーン状に巻き付けている。
【0005】このため、Vリブドベルトは高度の耐熱性
と耐屈曲性が求められており、クロロプレン、クロロス
ルフォン化ポリエチレン(CSM)やアクリロニトリル
−ブタジエン共重合体を水素添加して得られる水素化ニ
トリルゴム(HNBR)等の耐熱性のエラストマーを用
いたゴム配合物が使用されるようになってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】まず、ゴムと繊維との
間の接着力については、従来の方法であるRFL液で処
理するだけでは、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム組
成物と繊維との間で、ゴム破断に至るような強力な接着
力を得ることができず、例えば、動力伝動用ベルトに埋
設されている心線に適用した場合、心線とゴムとの接着
力不足によりゴムから心線が飛び出してしまうポップア
ウトが起こるなどの問題があり、より強力な接着力が得
られるような接着方法が求められていた。
【0007】また、環境温度に対する特性については、
水素化ニトリルゴムは、従来のNBRに比べて耐オゾン
性や耐熱性が極めて優れているが、ニトリル基の含有量
や不飽和度によっては耐寒性がクロロプレンゴムよりも
劣る場合があった。更に、動力伝動用ベルトにアルキル
化クロロスルフォン化ポリエチレンゴム組成物を、接着
ゴム層に水素化ニトリルゴム組成物あるいはクロロプレ
ンゴム組成物を用い、耐熱性と耐寒性を改善するものが
特開平4−211748号公報に開示されている。しか
し、このベルトも更に低温から高温まで温度差が必要な
環境では、更に改善が必要であった。
【0008】そして、VベルトやVリブドベルトなどの
動力伝動用ベルトを温度差のある環境で長寿命とするに
は、耐寒性を更に向上させるために、圧縮ゴム層のみな
らず、接着ゴム層にも耐寒性が改善されたニトリル基含
有高飽和共重合体ゴム組成物を使用することが考えら
れ、そうすることによって、接着ゴム層の耐寒性を増す
ことができ、ひいてはベルト全体としての寿命を長くす
ることができる。
【0009】本発明はこのような問題点を改善するもの
であり、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム組成物から
なるゴム層と心線やゴム補強用の繊維との間の接着性を
改善すること、または、低温度環境下や高温度環境下
で、しかもこの温度差が大きくなっても十分な耐屈曲性
を有する耐寒性が改善されたニトリル基含有高飽和共重
合体ゴム組成物からなるゴム層と心線やゴム補強用の繊
維との間の接着性を改善することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本願の請求項1の
発明は、ニトリル基を含む共重合体の分子中の二重結合
を部分的に水素化したニトリル基含有高飽和共重合体ゴ
ムと繊維とを接着する際に、繊維にソーキングゴムを付
着して加熱するソーキング処理を施した後に被着ゴムと
密着加硫するゴムと繊維との接着方法において、被着ゴ
ムのヨウ素価と繊維に付着するソーキングゴムのヨウ素
価の差を13未満としてその価を近接させることによっ
て、繊維とゴムとの界面の接着力を高水準に維持する。
【0011】請求項2では、繊維に共重合体の分子中の
二重結合が80%以上水素化された水素化ニトリルゴム
のゴム組成物からなるソーキングゴムを付着して加熱す
るソーキング処理を施し、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−カルボン酸エステルの三元共重合体を部分水素化し
た高飽和共重合体のゴム組成物からなる被着ゴムと密着
加硫するゴムと繊維との接着方法において、被着ゴムの
ヨウ素価とソーキングゴムのヨウ素価との差を13未満
としたことを特徴とするゴムと繊維との接着方法であ
り、環境温度の変化に対する物性の保持、特に耐寒性に
優れたニトリル基含有高飽和共重合体ゴムにおいて、請
求項1と同様にソーキングゴムのヨウ素価と前記ゴム層
のヨウ素価の差を13未満としてその価を近接させるこ
とによって、繊維に付着したソーキングゴムとゴム層と
の間の接着力を高水準に維持する。
【0012】また請求項3においては、ベルト長さ方向
に沿ってソーキング処理を施した心線をスパイラル状に
埋設した接着ゴム層と、該接着ゴム層に積層した圧縮ゴ
ム層とからなる動力伝動用ベルトにおいて、接着ゴム層
に、アクリロニトリル−ブタジエン−カルボン酸エステ
ルの三元重合体を部分水素化した高飽和共重合体のゴム
組成物を使用するとともに、心線に付着するソーキング
ゴムには共重合体の分子中の2重結合が80%以上水素
化された水素化ニトリルのゴム組成物を使用し、ソーキ
ングゴムに用いた水素化ニトリルのヨウ素価と、接着ゴ
ム層に用いた高飽和共重合体のヨウ素価の差を13未満
にすることによって、心線と接着ゴム層との間の接着力
を高水準に維持する。
【0013】請求項4においては、 圧縮ゴム層に用い
るゴム組成物が、アクリロニトリル−ブタジエン−カル
ボン酸エステルの三元共重合体を部分水素化した高飽和
共重合体100重量部に対してソーキング処理を施した
短繊維を1〜30重量部含有するとともに、短繊維には
共重合体の分子中の二重結合が80%以上水素化された
水素化ニトリルゴムのゴム組成物からなるソーキングゴ
ムを付着しており、ソーキングゴムに用いた水素化ニト
リルのヨウ素価と、圧縮ゴム層に用いた高飽和共重合体
のヨウ素価の差を13未満にしているので、短繊維によ
って耐側圧性を高めてベルトの耐久性を改善するという
効果が長期にわたって維持できることになる。
【0014】請求項5においては、短繊維が特にアラミ
ド繊維であるため、ベルト側面の摩擦係数が低下し、よ
り一層駆動初期段階でのベルト走行時の異音を阻止する
ことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の接着方法は、通常の水素
化ニトリルゴムや、不飽和カルボン酸金属塩と有機過酸
化物を含んだ水素化ニトリルゴムや、アクリロニトリル
−ブタジエン−カルボン酸エステルの三元共重合体を部
分水素化した高飽和共重合体などのニトリル基含有高飽
和共重合体ゴムの組成物とソーキングゴムを付着し加熱
するソーキング処理を施した繊維とを密着加硫するゴム
と繊維との接着方法において、ニトリル基含有高飽和共
重合体ゴムのヨウ素価と、繊維に付着するソーキングゴ
ムのヨウ素価の差を少なくとも13未満にして近接させ
ることによって、被着ゴムと繊維との間の接着力を向上
させるものである。
【0016】具体的にその接着方法を動力伝動用ベルト
に適用した場合を次に説明する。なお、次に説明する動
力伝動用ベルトでは、耐寒性を改善したニトリル基含有
高飽和共重合体ゴムからなる接着ゴム層と心線との接着
であり、心線に付着するソーキングゴムとしては通常の
水素化ニトリルゴムを使用している。
【0017】図1に示すのは、本発明のゴムと繊維との
接着方法を実施したVリブドベルトであり、このベルト
1は、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維を
素材とする高強度で低伸度のコードよりなる心線2を接
着ゴム層3中にスパイラル状に埋設し、その下側に弾性
体層である圧縮ゴム層4を有している。この圧縮ゴム層
4にはベルト長手方向にのびる断面略三角形の複数のリ
ブ部7が設けられ、またベルト表面には付着した1〜数
プライのゴム付帆布5が設けられている。
【0018】図3に示す動力伝動用ベルトはVベルト9
であり、心線2をスパイラル状に埋設した接着ゴム層3
とその下側に弾性体層である圧縮ゴム層4から形成さ
れ、更に圧縮ゴム層4と接着ゴム層3の各表面には1〜
数プライのゴム付帆布5を積層している。むろん、Vベ
ルト9は、圧縮ゴム層4に長手方向に沿って一定間隔で
溝部を設けたゴク付きベルトであってもよい。
【0019】圧縮ゴム層4および接着ゴム層3に使用さ
れる原料ゴムのアクリロニトリル−ブタジエン−カルボ
ン酸エステルの三元共重合体を部分水素化した高飽和共
重合体は、アクリロニトリルとブタジエンと不飽和カル
ボン酸エステルを乳化重合法により得られた共重合ゴム
中のブタジエンを通常の方法で水素化したゴムであり、
耐寒性と耐熱性に優れている。上記高飽和共重合体に結
合しているアクリロニトリルは、10〜40重量%であ
り、ヨウ素価は10〜40g/100gである。
【0020】ここで使用する不飽和カルボン酸エステル
はメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピル
アクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタア
クリレートなどの炭素数1〜18程度のアルキル基を有
するアクリレート及びメタアクリレート、マレイン酸モ
ノエチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジ−n−ブ
チルなどの不飽和カルボン酸のモノ及びジアルキルエス
テルなどがある。配合剤としては、硫黄、テトラメチル
チウラムダイサルファイドの様な硫黄供与性化合物、各
種加硫促進剤からなる硫黄加硫系、またジクミルパーオ
キサイドなどの有機過酸化物加硫系が使用され、他にカ
ーボンブラック、シリカ、タルク、炭酸カルシウム等の
補強剤、可塑剤、プロセス油、老化防止剤等が使用され
る。
【0021】しかして、接着ゴム層3と心線2との間の
接着方法において本発明が実施されており、接着ゴム層
3と心線2に付着するソーキングゴム6に使用するアク
リロニトリル−ブタジエン−カルボン酸エステルの三元
共重合体を部分水素化した高飽和共重合体と水素化ニト
リルゴムのヨウ素価の差を13未満、好ましくは10未
満にして、その価を近接させることが必要になる。これ
により、接着ゴム層3とソーキングゴム6との間の接着
力を高水準に維持することができる。しかし、ヨウ素価
の差が13より大きくなると、高温雰囲気下での接着力
が不足する。
【0022】一方、ソーキングゴム6に使用される原料
ゴムの水素化ニトリルゴムは、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合体を水素添加して得られるゴムで、水素添
加率80%以上であり、耐熱性及び耐オゾン性の特性を
発揮するために好ましくは90%以上が良い。水素添加
率80%未満の水素化ニトリルゴムは、耐熱性及び耐オ
ゾン性は極度に低下する。耐油性及び耐寒性を考慮する
と、結合アクリロニトリル量は20〜45%の範囲が好
ましい。また、ヨウ素価は10〜40g/100gであ
る。
【0023】ここで、一般的にソーキング処理というの
は、ゴムにカーボン、酸化亜鉛、シリカ、加硫剤、加硫
促進剤などを配合した練りゴムを溶剤に溶かして糊状の
ゴム組成物し、そのゴム組成物に繊維を浸して繊維にゴ
ムを付着し、その後100〜200℃の温度で1〜10
分程度加熱することによって溶剤を蒸発させるととも
に、多少加硫させてゴムに粘度を持たせ、繊維に被覆す
ることをいう。ゴムの配合の内、加硫剤と加硫促進剤は
添加しなくても、被着ゴムに配合した加硫剤や加硫促進
剤が移行して加硫することもできる。用いられる溶剤と
しては、特に、限定されるものではないが、トルエン、
キシレン、ベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、酢酸エチル、酢酸アミルなどが挙げられ
る。
【0024】また、圧縮ゴム層4には、ナイロン6、ナ
イロン66、ポリエステル、綿、アラミドからなる短繊
維を混入して圧縮ゴム層4の耐側圧性を向上させるとと
もに、プーリと接する面になる圧縮ゴム層4の表面に該
短繊維を突出させ、圧縮ゴム層4の摩擦係数を低下させ
て、ベルト走行時の騒音を軽減する。これらの短繊維の
うち、剛直で強度を有し、しかも耐磨耗性を有するアラ
ミド短繊維が最も効果がある。
【0025】上記アラミド短繊維が前述の効果を充分に
発揮するためには、アラミド繊維の繊維長さは1〜20
mmで、その添加量は水素化ニトリルゴム100重量部
に対して1〜30重量部である。このアラミド繊維は分
子構造中に芳香環をもつアラミド、例えば商品名コーネ
ックス、ノーネックス、ケブラー、テクノーラ、トワロ
ン等である。尚、アラミド短繊維の添加量が1重量部未
満の場合には、圧縮ゴム層4のゴムが粘着しやすくなっ
て磨耗する欠点があり、また一方30重量部を越えると
短繊維がゴム中に均一に分散しなくなる。
【0026】また、上記短繊維と圧縮ゴム層4の間の接
着方法においても本発明が実施されており、短繊維に施
されたソーキングゴムは、水素化ニトリルゴムであり、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体を水素添加して
得られるゴムで、水素添加率80%以上であり、耐熱性
及び耐オゾン性の特性を発揮するために好ましくは90
%以上が良い。水素添加率80%未満の水素化ニトリル
ゴムは、耐熱性及び耐オゾン性は極度に低下する。耐油
性及び耐寒性を考慮すると、結合アクリロニトリル量は
20〜45%の範囲が好ましい。また、ヨウ素価は10
〜40g/100gである。
【0027】また、通常ソーキング処理に先立って水素
化ニトリルゴムとの接着を向上させるためにも、短繊維
をエポキシ化合物やイソシアネート化合物から選ばれた
処理液による接着処理及びRFL処理のいずれか一方も
しくは両方の処理が施される。
【0028】このエポキシ化合物としては、例えばエチ
レングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等
の多価アルコールや、ポリエチレングリコール等のポリ
アルキレングリコールとエピクロルヒドリンのようなハ
ロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物や、レゾルシ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルメタン、
フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ホル
ムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類やハロゲン含有
エポキシ化合物との反応生成物などである。このエポキ
シ化合物はトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤
に混合して使用される。
【0029】また、イソシアネート化合物としては、例
えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ト
ルエン2,4−ジイソシアネート、P−フェニルジイソ
シアネート、ポリアリールポリイソシアネート等があ
る。このイソシアネート化合物もトルエン、メチルエチ
ルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
【0030】RFL処理というのは、繊維をRFL液に
浸漬し、熱処理するものである。RFL液は、通常、レ
ゾルシンとホルマリンとをレゾルシン/ホルマリンモル
比1/3〜3/1の範囲にあるように含むのが好まし
く、ゴムラテックス固形分/レゾルシンとホルマリンの
固形分重量比は10/1〜1/3の範囲にあるのが好ま
しい。また、上記ゴムラテックスとしては、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)ラテック
ス、カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体ゴムラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ゴ
ム(SBR)ラテックスビニルピリジン(Vp)ゴムラ
テックス、クロロプレンゴム(CR)ラテックス、クロ
ロスルフォン化ポリエチレン(CSM)ラテックス等が
用いられる。RFL液に浸漬後、繊維材料は、通常、1
00〜250℃の範囲の温度に数分間加熱し、RFL液
を繊維に定着させる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。ポリエステル繊維からなるロープを、イソシアネ
ート化合物またはエポキシ化合物で前処理したのちRF
L液で処理し更に、表1のソーキングゴムの欄に示した
配合のゴムを付着させて150℃で3分間加熱し、その
ロープを表1の配合1に示すゴム組成物および配合2に
示すゴム組成物(実施例1、比較例1)のシート上に長
手方向に隙間なく平行に配列した後、170℃で30分
加熱架橋させて二つの接着物を得た。
【0032】この二つの接着物を横断方向に1インチ幅
に裁断し、繊維ロープと加硫ゴムとのあいだの180°
剥離接着力を剥離装置100mm/分にて室温と、12
0℃の2条件で測定した。その結果を表2に示す。
【0033】次に、本実施例で作製したVリブドベルト
では、ポリエステル繊維のロープからなる心線が接着ゴ
ム層内に埋設され、その上側にゴム付綿帆布を1プライ
積層され、他方接着ゴム層の下側には圧縮ゴム層があっ
て3個のリブ部がベルト長手方向に有している。得られ
たVリブドベルトはRMA規格による長さ1100mm
のK型3リブドベルトであり、リブピッチ3.56m
m、リブ高さ2.9mm、ベルト厚さ5.3mm、リブ
角度40°である。
【0034】ここでソーキングゴムは、表1のソーキン
グゴムの欄に示す配合、接着ゴム層は、表1の配合1の
欄に示す配合で調製し、接着ゴム層はバンバリーミキサ
ーで混練後、カレンダーロールで圧延したものを用い
た。圧縮ゴム層には短繊維が含まれベルト幅方向に配向
している。尚、該短繊維はあらかじめトルエン90gに
PAPI(化成アップジョン社製ポリイソシアネート化
合物)10gからなる処理液に浸漬した。
【0035】
【表1】
【0036】次いで、前記Vリブドベルト1の耐熱性を
評価した。この評価に用いた走行試験は、図4に示すよ
うに駆動プーリ10(直径120mm)、従動プーリ1
1(直径120mm)、これにアイドラープーリ12
(直径85mm)とテンションプーリ13(直径45m
m)とを組み合わせて配置した走行試験機に掛架し、雰
囲気温度120℃で走行した。駆動プーリの回転数は4
900rpm、従動プーリの負荷は12PSとし、テン
ションプーリに558.6Nの初張力をかけた。また、
アイドラープーリ12はVリブドベルト1の背面で係合
し、その巻き付き角度は約120度である。この走行試
験方法によって、ベルトが寿命になるまでの時間を測定
し、その時の故障現象を観察した。その結果を表2に示
す。
【0037】また、比較例としては、他の条件は前記実
施例と同じで、接着ゴム層の配合を表1の配合2の欄に
示した配合としたベルトを用いて、実施例と同様に走行
させてベルトが寿命になるまでの時間を測定し、その時
の故障現象を観察した。その結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】このように、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−カルボン酸エステルの三元共重合体を部分水素化し
た高飽和共重合体と水素化ニトリルゴムの組み合わせに
おいて、実施例のVリブドベルトは、特に各ゴムのヨウ
素価を等しくしており、比較例のVリブドベルトはヨウ
素価が13離れている。そのため実施例は比較例に比べ
て高温走行や低温走行でも接着ゴム層と心線との間の接
着力を高水準に維持して、ベルト走行中の心線の剥離に
よって起きるポップアウト現象が起きる前に、リブにク
ラックが生じてベルトの寿命となっている。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本願の請求項1の発明
は、ニトリル基を含む共重合体の分子中の二重結合を部
分的に水素化したニトリル基含有高飽和共重合体ゴムと
繊維との接着方法において、被着ゴムのヨウ素価と繊維
に付着するソーキングゴムのヨウ素価の差を13未満と
することによって、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム
と繊維との間の接着力を高水準に維持することができ
る。
【0041】本願の請求項2の発明は、ソーキングゴム
に使用した水素化ニトリルのヨウ素価とそれと接着する
ゴムに用いたアクリロニトリル−ブタジエン−カルボン
酸エステルの三元共重合体を部分水素化した高飽和共重
合体のヨウ素価の差を13未満にして、その価を近接さ
せることにより、被着ゴムと繊維との間の接着力を高水
準に維持して、耐寒性に優れたゴムの繊維による補強を
行うことができる。
【0042】本願の請求項3の発明は、ソーキングゴム
に使用した水素化ニトリルのヨウ素価と接着ゴム層に用
いたアクリロニトリル−ブタジエン−カルボン酸エステ
ルの三元共重合体を部分水素化した高飽和共重合体のヨ
ウ素価の差を13未満にして、その価を近接させること
により、心線と接着ゴム層との間の接着力を高水準に維
持して、ベルト走行中の剥離を阻止することができる効
果がある。
【0043】請求項4の発明は、圧縮ゴム層に用いるゴ
ム組成物が、アクリロニトリル−ブタジエン−カルボン
酸エステルの三元共重合体を部分水素化した高飽和共重
合体100重量部に対して短繊維を1〜30重量部含有
するとともに、短繊維には共重合体の分子中の二重結合
が80%以上水素化された水素化ニトリルゴムのゴム組
成物からなるソーキングゴムを付着しており、ソーキン
グゴムに用いた水素化ニトリルのヨウ素価と、圧縮ゴム
層に用いた高飽和共重合体のヨウ素価の差を13未満に
しているので、耐側圧性を高めてベルトの耐久性を改善
できる効果がある。
【0044】本願の請求項5の発明は、短繊維が特にア
ラミド繊維であるため、ベルト側面の摩擦係数が低下
し、より一層駆動初期段階でのベルト走行時の異音を阻
止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るVリブドベルトの断面図である。
【図2】心線と接着ゴム層の詳細を示す要部拡大図であ
る。
【図3】本発明に係るVベルトの断面図である。
【図4】Vリブドベルトの耐熱走行試験機の側面図であ
る。
【符号の説明】
1 Vリブドベルト 2 心線 3 接着ゴム層 4 圧縮ゴム層 6 ソーキングゴム 7 リブ部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニトリル基を含む共重合体の分子中の二
    重結合を部分的に水素化したニトリル基含有高飽和共重
    合体ゴムと繊維とを接着する際に、繊維にソーキングゴ
    ムを付着して加熱するソーキング処理を施した後に被着
    ゴムと密着加硫するゴムと繊維との接着方法において、
    被着ゴムのヨウ素価と繊維に付着するソーキングゴムの
    ヨウ素価の差を13未満としたことを特徴とするゴムと
    繊維との接着方法。
  2. 【請求項2】 繊維に共重合体の分子中の二重結合が8
    0%以上水素化された水素化ニトリルゴムのゴム組成物
    からなるソーキングゴムを付着して加熱するソーキング
    処理を施し、アクリロニトリル−ブタジエン−カルボン
    酸エステルの三元共重合体を部分水素化した高飽和共重
    合体のゴム組成物からなる被着ゴムと密着加硫するゴム
    と繊維との接着方法において、被着ゴムのヨウ素価とソ
    ーキングゴムのヨウ素価との差を13未満としたことを
    特徴とするゴムと繊維との接着方法。
  3. 【請求項3】 ベルト長さ方向に沿ってソーキング処理
    を施した心線をスパイラル状に埋設した接着ゴム層と、
    該接着ゴム層に積層した圧縮ゴム層とからなる動力伝動
    用ベルトにおいて、接着ゴム層に、アクリロニトリル−
    ブタジエン−カルボン酸エステルの三元重合体を部分水
    素化した高飽和共重合体のゴム組成物を使用するととも
    に、心線に付着するソーキングゴムには共重合体の分子
    中の2重結合が80%以上水素化された水素化ニトリル
    のゴム組成物を使用し、ソーキングゴムに用いた水素化
    ニトリルのヨウ素価と、接着ゴム層に用いた高飽和共重
    合体のヨウ素価の差を13未満にしたことを特徴とする
    動力伝動用ベルト。
  4. 【請求項4】 圧縮ゴム層に用いるゴム組成物が、アク
    リロニトリル−ブタジエン−カルボン酸エステルの三元
    共重合体を部分水素化した高飽和共重合体100重量部
    に対してソーキング処理を施した短繊維を1〜30重量
    部含有するとともに、短繊維には共重合体の分子中の二
    重結合が80%以上水素化された水素化ニトリルゴムの
    ゴム組成物からなるソーキングゴムを付着しており、ソ
    ーキングゴムに用いた水素化ニトリルのヨウ素価と、圧
    縮ゴム層に用いた高飽和共重合体のヨウ素価の差を13
    未満にした請求項3記載の動力伝動用ベルト。
  5. 【請求項5】 短繊維がアラミド繊維である請求項4記
    載の動力伝動用ベルト。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010054403A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Mitsuboshi Belting Ltd Vリブドベルトの寿命予測方法
JP2010071333A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Gates Unitta Asia Co ベルト及びその心線と心線の処理液
WO2016170747A1 (ja) * 2015-04-24 2016-10-27 バンドー化学株式会社 伝動ベルト

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