JPH10131971A - ボールベアリング - Google Patents
ボールベアリングInfo
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- JPH10131971A JPH10131971A JP8286724A JP28672496A JPH10131971A JP H10131971 A JPH10131971 A JP H10131971A JP 8286724 A JP8286724 A JP 8286724A JP 28672496 A JP28672496 A JP 28672496A JP H10131971 A JPH10131971 A JP H10131971A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】この発明は、確実な衝撃・振動対策を実現し
て、潤滑の信頼性の向上を図り、長寿命化の促進を図る
ことにある。 【解決手段】内輪10のボール案内溝10a、ボール1
2のボール摺接面、外輪14のボール案内溝14bのボ
ール摺接面に二硫化モリブデン被膜12a(ボール12
の箇所のみ図示)を形成し、内輪10の内周壁及び外輪
14の外周壁に二硫化モリブデン被膜10a,14bを
形成して、内輪10の内周壁の二硫化モリブデン被膜1
0a及び外輪14の外周壁の二硫化モリブデン被膜14
bがそれぞれ回転軸11及びハウジング15の各金属部
と直接的に接触されるように構成したものである。
て、潤滑の信頼性の向上を図り、長寿命化の促進を図る
ことにある。 【解決手段】内輪10のボール案内溝10a、ボール1
2のボール摺接面、外輪14のボール案内溝14bのボ
ール摺接面に二硫化モリブデン被膜12a(ボール12
の箇所のみ図示)を形成し、内輪10の内周壁及び外輪
14の外周壁に二硫化モリブデン被膜10a,14bを
形成して、内輪10の内周壁の二硫化モリブデン被膜1
0a及び外輪14の外周壁の二硫化モリブデン被膜14
bがそれぞれ回転軸11及びハウジング15の各金属部
と直接的に接触されるように構成したものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば宇宙空間
や真空環境等の極限環境で使用するのに好適するボール
ベアリングに関する。
や真空環境等の極限環境で使用するのに好適するボール
ベアリングに関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、宇宙空間は、超高熱真空
環境を有しており、人工衛星等の宇宙航行体に搭載する
宇宙搭載機器の回転機構等に、地上で使用する油やグリ
ースを用いた潤滑方式が困難である。そこで、宇宙空間
で使用するボールベアリングには、二硫化モリブデン等
の固体潤滑剤で固体潤滑膜を内輪及び外輪のボール案内
溝とボールに形成して潤滑する、いわゆる固体潤滑方式
が採用されている。
環境を有しており、人工衛星等の宇宙航行体に搭載する
宇宙搭載機器の回転機構等に、地上で使用する油やグリ
ースを用いた潤滑方式が困難である。そこで、宇宙空間
で使用するボールベアリングには、二硫化モリブデン等
の固体潤滑剤で固体潤滑膜を内輪及び外輪のボール案内
溝とボールに形成して潤滑する、いわゆる固体潤滑方式
が採用されている。
【0003】このような固体潤滑方式のボールベアリン
グは、ロケット等を用いて宇宙空間に打上げる際、組付
けた機器が地球の重力に抗して大きな加速度で飛翔する
ため、振動環境にさらされる。この際、ボールベアリン
グには、その内輪及び外輪の軌道面とボールとの間、内
輪及び外輪と回転軸及び固定側のハウジングとの間にお
いて振動が発生する。
グは、ロケット等を用いて宇宙空間に打上げる際、組付
けた機器が地球の重力に抗して大きな加速度で飛翔する
ため、振動環境にさらされる。この際、ボールベアリン
グには、その内輪及び外輪の軌道面とボールとの間、内
輪及び外輪と回転軸及び固定側のハウジングとの間にお
いて振動が発生する。
【0004】ところが、上記ボールベアリングにあって
は、内輪及び外輪の軌道面とボールとの間は固体潤滑剤
膜が存在することで、損傷等が効果的に防止されるが、
内輪及び外輪と回転軸及びハウジングとの間における振
動により、損傷したり、損傷しないまでも金属同士の接
触による摩擦により、異常摩擦(フレッチング)が発生
する虞れを有する。
は、内輪及び外輪の軌道面とボールとの間は固体潤滑剤
膜が存在することで、損傷等が効果的に防止されるが、
内輪及び外輪と回転軸及びハウジングとの間における振
動により、損傷したり、損傷しないまでも金属同士の接
触による摩擦により、異常摩擦(フレッチング)が発生
する虞れを有する。
【0005】そこで、従来、宇宙空間で使用するボール
ベアリングには、内輪及び外輪と回転軸及びハウジング
との間に真空グリースを塗布して、打上げ時に加わる振
動による損傷及び異常の発生を防止する方法が採られて
いる。
ベアリングには、内輪及び外輪と回転軸及びハウジング
との間に真空グリースを塗布して、打上げ時に加わる振
動による損傷及び異常の発生を防止する方法が採られて
いる。
【0006】しかしながら、上記防止方法では、塗布し
た真空グリースが長い間に溶けだして、内輪及び外輪と
ボールとの間に溶け込んで固体潤滑剤膜を劣化させた
り、剥離したりする虞れがあるために、シールド構造等
の施策を施こさなければならいことにより、構成が複雑
となるという問題を有する。また、シールド構造等の施
策を施したとしても、効果的な防止が困難であり、ベア
リング性能が低下されると共に、寿命が低下されるとい
う問題を有する。
た真空グリースが長い間に溶けだして、内輪及び外輪と
ボールとの間に溶け込んで固体潤滑剤膜を劣化させた
り、剥離したりする虞れがあるために、シールド構造等
の施策を施こさなければならいことにより、構成が複雑
となるという問題を有する。また、シールド構造等の施
策を施したとしても、効果的な防止が困難であり、ベア
リング性能が低下されると共に、寿命が低下されるとい
う問題を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来のボールベアリングでは、振動・衝撃防止手段を施さ
なければならないために、構成が複雑となると共に、ベ
アリング性能及び寿命の低下を招くという問題を有す
る。
来のボールベアリングでは、振動・衝撃防止手段を施さ
なければならないために、構成が複雑となると共に、ベ
アリング性能及び寿命の低下を招くという問題を有す
る。
【0008】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、簡易な構成で、確実な衝撃・振動対策を実現し
て、潤滑の信頼性の向上を図り、寿命の長寿命化を図り
得るようにしたボールベアリングを提供することを目的
とする。
ので、簡易な構成で、確実な衝撃・振動対策を実現し
て、潤滑の信頼性の向上を図り、寿命の長寿命化を図り
得るようにしたボールベアリングを提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、外周壁にボ
ール案内溝が設けられ、内周壁に回転体あるいは固定体
の一方が嵌着されるリング状の内輪と、内周壁に前記内
輪が内挿され、外周壁に前記回転体あるいは固定体の他
方が嵌着されるものであって、内周壁にボール案内溝が
前記内輪のボール案内溝に対応して設けられたリング状
の外輪と、前記内輪のボール案内溝と前記外輪のボール
案内溝との間に摺動自在に介在されるボールと、前記内
輪のボール案内溝のボール摺接面、前記外輪のボール案
内溝のボール摺接面あるいはボールの外周面の少なくと
も一箇所に形成される第1の固体潤滑膜と、前記内輪の
内周壁あるいは前記外輪の外周壁の少なくとも一方に形
成される第2の固体潤滑膜とを備えてボールベアリング
を構成したものである。
ール案内溝が設けられ、内周壁に回転体あるいは固定体
の一方が嵌着されるリング状の内輪と、内周壁に前記内
輪が内挿され、外周壁に前記回転体あるいは固定体の他
方が嵌着されるものであって、内周壁にボール案内溝が
前記内輪のボール案内溝に対応して設けられたリング状
の外輪と、前記内輪のボール案内溝と前記外輪のボール
案内溝との間に摺動自在に介在されるボールと、前記内
輪のボール案内溝のボール摺接面、前記外輪のボール案
内溝のボール摺接面あるいはボールの外周面の少なくと
も一箇所に形成される第1の固体潤滑膜と、前記内輪の
内周壁あるいは前記外輪の外周壁の少なくとも一方に形
成される第2の固体潤滑膜とを備えてボールベアリング
を構成したものである。
【0010】上記構成によれば、振動・衝撃が外部から
加わると、内輪、外輪及びボール間が第1の固体潤滑膜
摩擦を介して接触されて、相互の金属同士の直接的な接
触が防止され、且つ、内輪及び外輪が、回転軸及び固定
体との間が第2の固体潤滑膜を介して接触されて、相互
の金属同士の接触が防止される。これにより、衝撃・振
動による内輪、外輪及びボールの損傷が効果的に防止さ
れ、信頼性の高い潤滑動作が確保されて、寿命の長寿命
化が図れる。
加わると、内輪、外輪及びボール間が第1の固体潤滑膜
摩擦を介して接触されて、相互の金属同士の直接的な接
触が防止され、且つ、内輪及び外輪が、回転軸及び固定
体との間が第2の固体潤滑膜を介して接触されて、相互
の金属同士の接触が防止される。これにより、衝撃・振
動による内輪、外輪及びボールの損傷が効果的に防止さ
れ、信頼性の高い潤滑動作が確保されて、寿命の長寿命
化が図れる。
【0011】また、この発明は、第1の固体潤滑膜及び
第2の固体潤滑膜を、同一あるいは同種の材料で形成し
て構成した。上記構成によれば、仮に、第2の固体潤滑
膜が衝撃・振動により摩耗粉となって脱落した場合にお
いて、摩耗粉が内輪、外輪及びボールの間に侵入して
も、該摩耗粉が第1の固体潤滑膜と同様の潤滑機能を持
ち、結果として、潤滑剤量が増加されることとになり、
摩耗粉が第1の固体潤滑膜と協働して潤滑動作に供され
て、さらに、寿命の長寿命化が図れる。
第2の固体潤滑膜を、同一あるいは同種の材料で形成し
て構成した。上記構成によれば、仮に、第2の固体潤滑
膜が衝撃・振動により摩耗粉となって脱落した場合にお
いて、摩耗粉が内輪、外輪及びボールの間に侵入して
も、該摩耗粉が第1の固体潤滑膜と同様の潤滑機能を持
ち、結果として、潤滑剤量が増加されることとになり、
摩耗粉が第1の固体潤滑膜と協働して潤滑動作に供され
て、さらに、寿命の長寿命化が図れる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照して詳細に説明する。第1図はこの発
明の一実施の形態に係るボールベアリングを示すもの
で、リング状の内輪10には、その内周壁に衝撃・振動
防止用固体潤滑膜、例えば二硫化モリブデン被膜10a
が、例えばスパッタリング法により被着される。そし
て、この内輪10の内周部には、図示しない回転機構を
構成する回転軸11が嵌合される。これにより、回転軸
11は、内輪10の内周部に嵌合されると、その外周部
が二硫化モリブデン被膜10aに当接され、該二硫化モ
リブデン被膜10aにより内輪自体の金属部と直接的に
接触することが阻止される。
いて、図面を参照して詳細に説明する。第1図はこの発
明の一実施の形態に係るボールベアリングを示すもの
で、リング状の内輪10には、その内周壁に衝撃・振動
防止用固体潤滑膜、例えば二硫化モリブデン被膜10a
が、例えばスパッタリング法により被着される。そし
て、この内輪10の内周部には、図示しない回転機構を
構成する回転軸11が嵌合される。これにより、回転軸
11は、内輪10の内周部に嵌合されると、その外周部
が二硫化モリブデン被膜10aに当接され、該二硫化モ
リブデン被膜10aにより内輪自体の金属部と直接的に
接触することが阻止される。
【0013】また、内輪10の外周壁には、ボール案内
溝10bが周方向に形成され、このボール案内溝10b
には、複数のボール12が保持器13を介して摺動自在
に収容される。そして、このボール12の外周部には、
リング状の外輪14が外装される。外輪14の内周壁に
は、ボール案内溝14aが内輪10のボール案内溝10
bに対応して設けられ、このボール案内溝14aには、
上記ボール12が摺動自在に収容される。
溝10bが周方向に形成され、このボール案内溝10b
には、複数のボール12が保持器13を介して摺動自在
に収容される。そして、このボール12の外周部には、
リング状の外輪14が外装される。外輪14の内周壁に
は、ボール案内溝14aが内輪10のボール案内溝10
bに対応して設けられ、このボール案内溝14aには、
上記ボール12が摺動自在に収容される。
【0014】上記外輪14には、その外周壁に衝撃・振
動防止用固体潤滑膜、例えば二硫化モリブデン被膜14
bが、例えば周知のスパッタリング法により被着され
る。そして、この外輪14の外周部には、例えば宇宙搭
載機器のハウジング15が固着される。これにより、ハ
ウジング15は、外輪14が固定された状態で、その一
部が二硫化モリブデン被膜14aに当接され、該二硫化
モリブデン被膜14aにより外輪自体の金属部と直接的
に接触することが阻止される。
動防止用固体潤滑膜、例えば二硫化モリブデン被膜14
bが、例えば周知のスパッタリング法により被着され
る。そして、この外輪14の外周部には、例えば宇宙搭
載機器のハウジング15が固着される。これにより、ハ
ウジング15は、外輪14が固定された状態で、その一
部が二硫化モリブデン被膜14aに当接され、該二硫化
モリブデン被膜14aにより外輪自体の金属部と直接的
に接触することが阻止される。
【0015】また、上記内輪10のボール案内溝10b
のボール摺接面、ボール12及び外輪14のボール案内
溝14aのボール摺接面の少なくともいずれか一箇所
に、ベアリング潤滑用固体潤滑膜、例えば二硫化モリブ
デン被膜12a(図1中では、図の都合上、ボール12
の部分のみ図示)が形成される。これにより、回転軸1
1が回転駆動されると、内輪10が回転駆動され、これ
に連動してボール12が内輪10のボール案内溝10b
及び外輪14のボール案内溝14aに摺動され、これに
より、内輪10、ボール12及び外輪14間の潤滑が二
硫化モリブデン被膜12a(ボール12の箇所のみ図
示)を介して実行されて、安定した回転駆動が行われ
る。
のボール摺接面、ボール12及び外輪14のボール案内
溝14aのボール摺接面の少なくともいずれか一箇所
に、ベアリング潤滑用固体潤滑膜、例えば二硫化モリブ
デン被膜12a(図1中では、図の都合上、ボール12
の部分のみ図示)が形成される。これにより、回転軸1
1が回転駆動されると、内輪10が回転駆動され、これ
に連動してボール12が内輪10のボール案内溝10b
及び外輪14のボール案内溝14aに摺動され、これに
より、内輪10、ボール12及び外輪14間の潤滑が二
硫化モリブデン被膜12a(ボール12の箇所のみ図
示)を介して実行されて、安定した回転駆動が行われ
る。
【0016】上記構成により、内輪10及び外輪14
は、回転軸11及びハウジング15が組付けされた状態
でおいて、宇宙空間に打上げられると、その打上げ時に
過大な衝撃・振動が加わる。すると、内輪10は、回転
軸11との間に振動が発生するが、二硫化モリブデン被
膜10aの作用により、回転軸11の金属部と直接的に
接触することがない。同時に、外輪14は、ハウジング
15との間に振動が発生するが、同様に二硫化モリブデ
ン被膜14aの作用により、ハウジング15の金属部と
直接的に接触することがない。
は、回転軸11及びハウジング15が組付けされた状態
でおいて、宇宙空間に打上げられると、その打上げ時に
過大な衝撃・振動が加わる。すると、内輪10は、回転
軸11との間に振動が発生するが、二硫化モリブデン被
膜10aの作用により、回転軸11の金属部と直接的に
接触することがない。同時に、外輪14は、ハウジング
15との間に振動が発生するが、同様に二硫化モリブデ
ン被膜14aの作用により、ハウジング15の金属部と
直接的に接触することがない。
【0017】この際、内輪10の内周壁及び外輪14の
外周壁の二硫化モリブデン被膜10a,14bの摩擦粉
が発生して、該摩耗粉が内輪10、ボール12及び外輪
14間に侵入したとしても、該二硫化モリブデン被膜1
0a,14bの摩耗粉が固定潤滑機能を持つことで、以
後の潤滑機能に悪影響を及ぼすことなく、むしろ潤滑材
料量の増加に寄与し、潤滑寿命を向上される。
外周壁の二硫化モリブデン被膜10a,14bの摩擦粉
が発生して、該摩耗粉が内輪10、ボール12及び外輪
14間に侵入したとしても、該二硫化モリブデン被膜1
0a,14bの摩耗粉が固定潤滑機能を持つことで、以
後の潤滑機能に悪影響を及ぼすことなく、むしろ潤滑材
料量の増加に寄与し、潤滑寿命を向上される。
【0018】このように、上記ボールベアリングは、そ
の内輪10のボール案内溝10a、ボール12のボール
摺接面、外輪14のボール案内溝14bのボール摺接面
に二硫化モリブデン被膜12a(ボール12の箇所のみ
図示)を形成し、内輪10の内周壁及び外輪14の外周
壁に二硫化モリブデン被膜10a,14bを形成して、
内輪10の内周壁の二硫化モリブデン被膜10a及び外
輪14の外周壁の二硫化モリブデン被膜14bがそれぞ
れ回転軸11及びハウジング15の各金属部と直接的に
接触されるように構成した。
の内輪10のボール案内溝10a、ボール12のボール
摺接面、外輪14のボール案内溝14bのボール摺接面
に二硫化モリブデン被膜12a(ボール12の箇所のみ
図示)を形成し、内輪10の内周壁及び外輪14の外周
壁に二硫化モリブデン被膜10a,14bを形成して、
内輪10の内周壁の二硫化モリブデン被膜10a及び外
輪14の外周壁の二硫化モリブデン被膜14bがそれぞ
れ回転軸11及びハウジング15の各金属部と直接的に
接触されるように構成した。
【0019】これによれば、例えば宇宙空間への打上げ
時に、過大な衝撃・振動が加わった場合においても、内
輪10及び外輪14が二硫化モリブデン被膜10a,1
4bを介して回転軸11及びハウジング15の金属部に
接触され、直接的に接触しないことにより、内輪10及
び外輪14に異常摩耗(フレッチング)や損傷が発生す
ることが防止されて、信頼性の高い潤滑動作が確保さ
れ、長期間に亘る確実な動作が実現されるため、寿命の
長寿命化が図れる。
時に、過大な衝撃・振動が加わった場合においても、内
輪10及び外輪14が二硫化モリブデン被膜10a,1
4bを介して回転軸11及びハウジング15の金属部に
接触され、直接的に接触しないことにより、内輪10及
び外輪14に異常摩耗(フレッチング)や損傷が発生す
ることが防止されて、信頼性の高い潤滑動作が確保さ
れ、長期間に亘る確実な動作が実現されるため、寿命の
長寿命化が図れる。
【0020】なお、上記実施の形態では、内輪10の内
周壁及び外輪14の外周壁に形成する衝撃・振動防止用
の固体潤滑膜と、内輪10のボール案内溝10bのボー
ル摺接面、ボール12及び外輪14のボール案内溝14
aのボール摺接面に形成するベアリング潤滑用の固体潤
滑膜として、二硫化モリブデン被膜12aをスパッタリ
ング法により形成するように構成した場合で説明した
が、これに限ることなく、構成可能である。
周壁及び外輪14の外周壁に形成する衝撃・振動防止用
の固体潤滑膜と、内輪10のボール案内溝10bのボー
ル摺接面、ボール12及び外輪14のボール案内溝14
aのボール摺接面に形成するベアリング潤滑用の固体潤
滑膜として、二硫化モリブデン被膜12aをスパッタリ
ング法により形成するように構成した場合で説明した
が、これに限ることなく、構成可能である。
【0021】すなわち、衝撃・振動防止用の固体潤滑膜
としては、回転軸11及びハウジング15の取付構造に
応じて、内輪の内周壁、外輪の外周壁の双方、あるいは
いずれか一方に形成するように構成してもよい。
としては、回転軸11及びハウジング15の取付構造に
応じて、内輪の内周壁、外輪の外周壁の双方、あるいは
いずれか一方に形成するように構成してもよい。
【0022】そして、ベアリング潤滑用固体潤滑膜とし
ては、例えば要求されるベアリング潤滑特性により、内
輪10のボール案内溝10bのボール摺接面、ボール1
2及び外輪14のボール案内溝14aのボール摺接面の
少なくとも一つに形成すれば、所望の潤滑機能を確保す
ることが可能となる場合もある。
ては、例えば要求されるベアリング潤滑特性により、内
輪10のボール案内溝10bのボール摺接面、ボール1
2及び外輪14のボール案内溝14aのボール摺接面の
少なくとも一つに形成すれば、所望の潤滑機能を確保す
ることが可能となる場合もある。
【0023】また、二硫化モリブデン被膜10a,14
b,12aの形成方法としては、スパッタリング法に換
えて周知のイオンプレーティング法により形成するよう
に構成してもよい。
b,12aの形成方法としては、スパッタリング法に換
えて周知のイオンプレーティング法により形成するよう
に構成してもよい。
【0024】さらに、上記実施の形態では、衝撃・振動
防止用及びベアリング潤滑用固体潤滑膜として二硫化モ
リブデン被膜10a,14b,12aを用いて構成した
が、これに限ることなく、二硫化タングステン被膜をス
パッタリング法あるいはイオンプレーティング法により
形成するように構成してもよい。
防止用及びベアリング潤滑用固体潤滑膜として二硫化モ
リブデン被膜10a,14b,12aを用いて構成した
が、これに限ることなく、二硫化タングステン被膜をス
パッタリング法あるいはイオンプレーティング法により
形成するように構成してもよい。
【0025】また、衝撃・振動防止用及びベアリング潤
滑用固体潤滑膜を、二硫化モリブデンを主成分とし、結
合剤により内輪10の内周壁及び外輪14の外周壁に接
着、焼成により形成するように構成してもよい。
滑用固体潤滑膜を、二硫化モリブデンを主成分とし、結
合剤により内輪10の内周壁及び外輪14の外周壁に接
着、焼成により形成するように構成してもよい。
【0026】また、さらに衝撃・振動防止用及びベアリ
ング潤滑用固体潤滑膜を、金、銀、鉛等の軟質金属材料
の被膜を形成するように構成してもよい。この軟質金属
材料の被膜は、メッキ法、スパッタリング法、あるいは
イオンプレーティング法により形成される。
ング潤滑用固体潤滑膜を、金、銀、鉛等の軟質金属材料
の被膜を形成するように構成してもよい。この軟質金属
材料の被膜は、メッキ法、スパッタリング法、あるいは
イオンプレーティング法により形成される。
【0027】さらに、また、上記実施の形態では、衝撃
・振動防止用及びベアリング潤滑用固体潤滑膜を同一の
材料で形成するように構成した場合で説明したが、これ
に限ることなく、これら双方の固体潤滑膜を同種の異な
る材料を用いて形成するように構成してもよい。
・振動防止用及びベアリング潤滑用固体潤滑膜を同一の
材料で形成するように構成した場合で説明したが、これ
に限ることなく、これら双方の固体潤滑膜を同種の異な
る材料を用いて形成するように構成してもよい。
【0028】また、上記実施の形態では、宇宙空間で使
用する機器に適用した場合を代表して説明したが、これ
に限ることなく、油やグリースの使用が困難な極限環境
ににおいても適用可能であり、略同様に有効な効果が期
待される。
用する機器に適用した場合を代表して説明したが、これ
に限ることなく、油やグリースの使用が困難な極限環境
ににおいても適用可能であり、略同様に有効な効果が期
待される。
【0029】さらに、上記実施の形態では、内輪10に
回転軸11を嵌着し、外輪14に固定側のハウジング1
5を固着するように構成した場合で説明したが、これに
限ることなく、内輪10に固定側を固着し、外輪14に
回転軸を取付け配置するように構成することも可能であ
る。よって、この発明は上記実施の形態に限ることな
く、その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の
変形を実施し得ることは勿論のことである。
回転軸11を嵌着し、外輪14に固定側のハウジング1
5を固着するように構成した場合で説明したが、これに
限ることなく、内輪10に固定側を固着し、外輪14に
回転軸を取付け配置するように構成することも可能であ
る。よって、この発明は上記実施の形態に限ることな
く、その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の
変形を実施し得ることは勿論のことである。
【0030】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、簡易な構成で、確実な衝撃・振動対策を実現して、
潤滑の信頼性の向上を図り、寿命の長寿命化を図り得る
ようにしたボールベアリングを提供することができる。
ば、簡易な構成で、確実な衝撃・振動対策を実現して、
潤滑の信頼性の向上を図り、寿命の長寿命化を図り得る
ようにしたボールベアリングを提供することができる。
【図1】この発明の一実施の形態に係るボールベアリン
グの一部を破断して示した図。
グの一部を破断して示した図。
10…内輪。 10a,12a,14b…二硫化モリブデン被膜。 10b,14a…ボール案内溝。 11…回転軸。 12…ボール。 13…保持器。 14…外輪。 15…ハウジング。
Claims (10)
- 【請求項1】 外周壁にボール案内溝が設けられ、内周
壁に回転体あるいは固定体の一方が嵌着されるリング状
の内輪と、 内周壁に前記内輪が内挿され、外周壁に前記回転体ある
いは固定体の他方が嵌着されるものであって、内周壁に
ボール案内溝が前記内輪のボール案内溝に対応して設け
られたリング状の外輪と、 前記内輪のボール案内溝と前記外輪のボール案内溝との
間に摺動自在に介在されるボールと、 前記内輪のボール案内溝のボール摺接面、前記外輪のボ
ール案内溝のボール摺接面あるいはボールの外周面の少
なくとも一箇所に形成される第1の固体潤滑膜と、 前記内輪の内周壁あるいは前記外輪の外周壁の少なくと
も一方に形成される第2の固体潤滑膜とを具備したボー
ルベアリング。 - 【請求項2】 前記第1の固体潤滑膜及び第2の固体潤
滑膜は、同一あるいは同種の材料で形成されることを特
徴とする請求項1記載のボールベアリング。 - 【請求項3】 前記第1及び第2の固体潤滑膜は、二硫
化モリブデン被膜又は二硫化タングステン被膜で形成さ
れることを特徴とする請求項2に記載のボールベアリン
グ。 - 【請求項4】 前記二硫化モリブデン被膜又は二硫化タ
ングステン被膜は、スパッタリング法により形成される
ことを特徴とする請求項3に記載のボールベアリング。 - 【請求項5】 前記二硫化モリブデン被膜又は二硫化タ
ングステン被膜は、イオンプレーティング法により形成
されることを特徴とする請求項3に記載のボールベアリ
ング。 - 【請求項6】 前記第1及び第2の固体潤滑膜は、二硫
化モリブデンを主成分とし、結合剤により接着あるいは
焼成により被膜形成したことを特徴とする請求項1記載
のボールベアリング。 - 【請求項7】 前記第1の固体潤滑膜及び第2の固体潤
滑膜は、軟質金属材料で被膜形成することを特徴とする
請求項1記載のボールベアリング。 - 【請求項8】 前記軟質金属材料の被膜は、メッキによ
り形成することを特徴とする請求項7記載のボールベア
リング。 - 【請求項9】 前記軟質金属材料の被膜は、スパッタリ
ング法により形成することを特徴とする請求項7記載の
ボールベアリング。 - 【請求項10】 前記軟質金属材料の被膜は、イオンプ
レーティング法により形成することを特徴とする請求項
7記載のボールベアリング。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8286724A JPH10131971A (ja) | 1996-10-29 | 1996-10-29 | ボールベアリング |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8286724A JPH10131971A (ja) | 1996-10-29 | 1996-10-29 | ボールベアリング |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10131971A true JPH10131971A (ja) | 1998-05-22 |
Family
ID=17708200
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8286724A Pending JPH10131971A (ja) | 1996-10-29 | 1996-10-29 | ボールベアリング |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10131971A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000346956A (ja) * | 1999-06-03 | 2000-12-15 | Taisei Corp | トンネル切羽前方探査方法 |
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-
1996
- 1996-10-29 JP JP8286724A patent/JPH10131971A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20050317 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060718 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060714 |
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