[go: up one dir, main page]

JPH0999035A - 医療用容器 - Google Patents

医療用容器

Info

Publication number
JPH0999035A
JPH0999035A JP7259046A JP25904695A JPH0999035A JP H0999035 A JPH0999035 A JP H0999035A JP 7259046 A JP7259046 A JP 7259046A JP 25904695 A JP25904695 A JP 25904695A JP H0999035 A JPH0999035 A JP H0999035A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lldpe
sheet
density
layer
vessel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7259046A
Other languages
English (en)
Inventor
Osami Shinonome
修身 東雲
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP7259046A priority Critical patent/JPH0999035A/ja
Publication of JPH0999035A publication Critical patent/JPH0999035A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高圧蒸気滅菌可能な透明性、柔軟性に優れた医
療用容器を提供すること。 【解決手段】医療用容器が、密度0.920g/cm3
下のメタロセン触媒系線状底密度ポリエチレンを内層ま
たは中間層として用いた多層シートにより形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は血液、医薬液等医療
分野において扱われる液体を収容する容器、特にソフト
バッグに関する。
【0002】
【従来の技術】採血、輸血、輸液等の医療分野において
用いられる容器の材料には、安全性・衛生性の他、種々
の技術が要求され、なかでも柔軟性、透明性および耐熱
性(耐高圧蒸気滅菌性)やこれらのバランスは重視され
る項目である。上記用途のポリマー素材には従来から軟
質ポリ塩化ビニルの他、エチレン−酢酸ビニルコポリマ
ーや低密度ポリエチレン(高圧法低密度ポリエチレンあ
るいはZiegler-Natta 系線状低密度ポリエチレン)の如
きポリエチレン系ポリマーが主として使われているが、
軟質ポリ塩化ビニルでは可塑剤の溶出、廃棄処理などに
おいて問題を生じることがある。エチレン−酢酸ビニル
コポリマーは透明性と柔軟性において通常の(酢酸ビニ
ル成分を含まない)低密度ポリエチレンに比してすぐれ
ているが、耐熱性に劣り、放射線架橋などの耐熱化処理
を要する。また通常低密度ポリエチレンにおいては柔軟
性、透明性、耐熱性いずれも不十分であり、比較的バラ
ンスのよいZiegler-Natta 触媒系線状低密度ポリエチレ
ンでもこれらの要件を満たすのは難しい。例えば特開昭
61−290954号、特開昭62−133959号、
特開昭62−44256号、特開昭62−64363
号、特開昭63−248633号、特開平3−2965
9号、特開平3−277365号、特開平3−2773
66号、特開平4−150860号、特開平5−968
92号、特開平6−246886号などにおいて線状低
密度ポリエチレン自身の適正化あるいはブレンド、多層
化(複層化)など種々の提案がなされているが、Ziegle
r-Natta 系線状低密度ポリエチレンの本質に係わる問題
すなわち上記性能の不足を解消できていないのが実状で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の持
つ上述の如き諸問題のうち、特にポリエチレン系医療容
器の柔軟性、透明性および耐熱性のバランス不足を解決
すべくなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者の検討で明らか
になったのは特定密度以下のメタロセン触媒系線状低密
度ポリエチレンからなる層を容器を形成する多層シート
の一成分として利用することが課題解決につながること
であり、密度0.920g/cm3以下のメタロセン触媒系
線状低密度ポリエチレンからなる層が内層または中間層
を構成している多層シートにより形成されている医療用
容器を要旨とする本発明に至った。
【0005】メタロセン触媒系線状低密度ポリエチレン
は通常のZiegler-Natta 触媒系線状低密度ポリエチレン
(以下ZN−LLDPEと称す)に比し、均一系触媒の
効果が発揮され、分子量分布が非常に狭く、ランダム性
に富み均質な分子構造をとるので、透明性と柔軟性にす
ぐれていることは周知の通りであるが、この傾向は本発
明の多層シートからなる医療用容器を高圧蒸気滅菌処理
しても保持されることが本発明において見出されたので
ある。
【0006】本発明における密度密度0.920g/cm3
以下のメタロセン触媒系線状低密度ポリエチレン(以下
M−LLDPEと称す)は、Kaminsky(カミンスキイ)
−Sinn(ジン)触媒(活性点の性質が同一という点に着
目してシングルサイト触媒あるいは均一系触媒とも呼ば
れる)とも呼ばれるメタロセン触媒(一般にはZr, Hf,
Tiなどの遷移金属のシクロペンタジエニル系、インデニ
ル系あるいはフルオレニル系化合物)を用いて製造され
る線状低密度ポリエチレンのうち密度が0.920g/c
m3以下のものであり、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキ
セン−1、オクテン−1、デセン−1、4−メチルペン
テン−1などのα−オレフィン類を少量(2〜15モル
%)共重合して得られる。製法等については例えば曽我
和雄ほか著「日本化学会編・新産業化学シリーズ・重合
プロセス技術−ポリオレフィン」(大日本図書(株)1
994年発行)に述べられている。ここで本発明のM−
LLDPEが密度0.920g/cm3以下を要件とするの
は、密度が0.920g/cm3を超えるとM−LLDPE
の透明性や柔軟性が十分でなくなるからである。より好
ましいM−LLDPE密度の範囲は0.895〜0.91
8g/cm3である。そして成形品(シート)の強度、成
形性・シート形成能などを考慮すると、温度190℃、
荷重2,160gにおけるMFR(メルトフローレイ
ト)が0.5〜20より好ましくは1〜10のものを選
ぶのがよい。
【0007】上述の如く、本発明の医療用容器を形成す
るシートはM−LLDPEを層成分として含む多層シー
トであり、M−LLDPEは内層または中間層を構成す
る。ここで内層とは医療容器の接液層(内壁層)を指
し、中間層とは内層と外層(容器の表面層)との間の任
意の層を意味する。このような構成とすることによっ
て、高圧蒸気滅菌時の蒸気からの直接攻撃をM−LLD
PEが受けなくて済み、透明性、柔軟性、外観などに対
する損傷が抑制される。特にM−LLDPEを中間層と
する場合は、より大きな保護効果が発揮される。
【0008】本発明の医療用容器(多層シート)を構成
する(密度0.920g/cm3以下のM−LLDPE以外
の)「他のポリマー層」としては次のものが代表的であ
る。 (1)密度0.925〜0.935g/cm3の低密度ポリ
エチレン:高圧法低密度ポリエチレン、ZN−LLDP
Eの他、M−LLDPEを用いてもよい。密度が0.9
25g/cm3より低いと耐熱性に問題が生ずることがあ
り、0.935g/cm3を超えると透明性が出にくいこと
がある。また、これらは力学的性質、成形性などから、
前述の測定条件におけるMFRが0.5〜20より好ま
しくは1〜10のものを選ぶのがよい。 (2)結晶性ポリプロピレン:アイソタクチックタイプ
もしくはシンジオタクチックタイプのホモポリマーある
いはコポリマー(好ましくはランダムコポリマー)が用
いられる。ただし、剛性が高く、柔軟性の点で問題が生
じやすいので、柔軟化剤として熱可塑性エラストマー特
にブロック(ポリスチレン−エチレンブチレンコポリマ
ー−ポリスチレン)、ブロック(ポリスチレン−エチレ
ンプロピレンコポリマー−ポリスチレン)などのスチレ
ン系エラストマーを添加することも行われ得る。ポリプ
ロピレンのMFR(温度230℃、荷重2,160gで
測定)は0.5〜10より好ましくは1〜8のものがよ
い。 (3)結晶性ポリブテン−1:アイソタクチックポリブ
テン−1またはこれを主成分とするコポリマーであっ
て、MFR(温度190℃、荷重2,160gで測定)
が0.2〜20より好ましくは1〜15のものがよい。 上記(1)、(2)および(3)のうちでは、層間の親
和性、成形のしやすさなどから(1)が最も汎用性に富
む。
【0009】本発明の医療用容器を形成するシート(多
層シート)は2種以上のポリマーと2層以上の層からな
る。また、容器の用途に要求される透明性、柔軟性、耐
熱性、強度、ガスバリヤー性などによって異なるが、一
般にはシートは全体の厚さが80〜800μmより好ま
しくは100〜600μmであって、「他のポリマー」
の厚さの合計が8〜100μmでかつシート全体の厚さ
の10%以下であるのがよい。この範囲であれば、密度
0.920g/cm3以下であるM−LLDPEの透明性と
柔軟性をより一層生かすことができる。本発明において
医療用容器とは血液等の体液保存用の薬液、輸液、腹膜
透析液等の薬液等医療において扱われる液体を収容する
容器を意味するが、かような製品は通常公知の方法で得
られる。すなわちポリマーの流動開始以上の温度好まし
くは160〜230℃より好ましくは170〜220℃
で多層押出用Tダイや多層押出用チューブラーダイを介
して押出し(キャスティングローラーや水冷リングで冷
却して結晶化を抑えることが好ましい)、得られたフラ
ット状のシート、チューブ状のシート、パリソンなどに
ついて、サーモフォーミング、ブロー、延伸、裁断、熱
シールなどの手法を適宜活用して所定の寸法・形状に加
工すればよい。また、無延伸状態、延伸状態いずれでも
よいが、シール性の点から通常は前者の方が選ばれる。
さらに、耐ブロッキング性を向上させる目的でシートの
表面を粗面化(エンボス加工)することやスリップ剤・
アンチブロッキング剤を添加することもさしつかえな
く、本発明の趣旨を損わない範囲で、他のポリマー、可
塑剤、無機フィラー、安定剤、着色剤などを添加しても
よい。なお、高圧蒸気滅菌の温度は100〜121℃が
一般的であるが、好ましくは105〜115℃で行うの
がよい。本発明は、血液または血液成分保存容器とし
て、また生理食塩水、電解質液、デキストラン製剤、マ
ンニトール製剤、糖類製剤、アミノ酸製剤、脂肪乳剤な
どの輸液剤、あるいは腹膜透析液等の容器として有用で
ある。
【0010】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに具体的に
説明する。 1)実験方法 (i)使用ポリマー:表1に示すポリマーを組合せて使
用した。
【0011】
【表1】
【0012】(ii)シートの作製:(i)のペレットを
適宜選択して別々にエクストルーダーで170〜180
℃で溶融し、2種2層型もしくは2種3層型のインフレ
ダイに供給し、ダイから吐出させ(ブローアップ比1.
2)、水冷リングで冷却後、5m/分の速度で捲取っ
て、厚さ0.35mm、折径150mmのインフレシートを
得た。なお、単層シートは2つのエクストルーダーに同
じポリマーを供給することによって得た。表2にシート
構成を示す。 (iii)容器の作製:(ii)で得られたシートを240m
m長に裁断し、熱シールしてバッグを作製し、生理食塩
水500mlを入れて密封した (iv)高圧蒸気滅菌テスト:(iii)で得られた生理食
塩水入り容器をレトルト型高圧蒸気滅菌機に入れ、温度
108℃、ゲージ圧1.8kg/cm2、時間60分の条件で
処理した。温度まで冷却後さらに3日間放置し、(v)
の測定用サンプルとした。 (v)シート物性の測定:(ii)の滅菌前のシートおよ
び(iv)の3日間放置後の容器シートについて、波長4
50nmにおける水中透過率を島津ダブルビーム型自記分
光光度計UV−300にて測定し、透明性の尺度とし
た。また、滅菌前後のシートについて、JISK711
3に準じて引張弾性率を測定し、柔軟性の尺度とした。 (vi)溶出物試験:日本薬局方一般試験法「輸液用プラ
スチック容器試験法「輸液用プラスチック容器試験法」
に準じて、(ii)で得られたシートについて試験した。
【0013】
【表2】
【0014】2)実験結果 (i)シートの押出成形は順調でいずれの組成において
も、異物、発泡、ブロッキングなどは観察されず、均一
なシートが得られた。 (ii)いずれの組成のシートにおいても溶出物は日本薬
局方に適合することが確認された。 (iii)表2の「シートの性質」から、次のことが明ら
かである。 (イ)密度0.920g/cm3以下のM−LLDPEを内
層または中間層とする多 層シートは滅菌前後いずれにおいても透明性と柔軟性に
すぐれている。 (ロ)密度0.915g/cm3のM−LLDPEの単層シ
ート(比較例1)は滅菌によってダメージを受け、透明
性が著しく低下する。なお、比較例1では滅菌後の容器
に多数のアバタ状の模様が発生した。これらの現象は密
度0.95g/cm3のZN−LLDPEの単層シート(比
較例5)でも同様にあらわれた。 (ハ)密度0.925g/cm3のM−LLDPEの単層シ
ート(比較例2)は透明性と柔軟性に劣る。 (ニ)低密度のZN−LLDPEを中間層とした比較例
3では、良好な透明性が発現しない。また、比較的高密
度のZN−LLDPEの単層シート(比較例4)は透明
性と柔軟性に劣る。
【0015】
【発明の効果】以上記載した如く、本発明の医療用容器
は0.920g/cm3以下と比較的低密度であるM−L
LDPEを多層シートの内層あるいは中間層とすること
によって、該M−LLDPEの良好な透明性と柔軟性が
高圧蒸気滅菌後も保たれることを巧みに利用して生じた
ものであり、生産性、汎用性にもすぐれているので、そ
の工業的価値は高いものがある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度0.920g/cm3以下のメタロセン
    触媒系線状低密度ポリエチレンからなる層が内層または
    中間層を構成している多層シートにより形成されている
    ことを特徴とする医療用容器。
JP7259046A 1995-10-05 1995-10-05 医療用容器 Pending JPH0999035A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7259046A JPH0999035A (ja) 1995-10-05 1995-10-05 医療用容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7259046A JPH0999035A (ja) 1995-10-05 1995-10-05 医療用容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0999035A true JPH0999035A (ja) 1997-04-15

Family

ID=17328588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7259046A Pending JPH0999035A (ja) 1995-10-05 1995-10-05 医療用容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0999035A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1090621A1 (en) 1999-10-08 2001-04-11 Nissho Corporation Heat-resistant plastic sheet for infusion bag
US6492475B1 (en) 1998-06-19 2002-12-10 Japan Polyolefins Co., Ltd. Ethylene/α-olefin copolymer

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6492475B1 (en) 1998-06-19 2002-12-10 Japan Polyolefins Co., Ltd. Ethylene/α-olefin copolymer
EP1090621A1 (en) 1999-10-08 2001-04-11 Nissho Corporation Heat-resistant plastic sheet for infusion bag
US6545096B1 (en) 1999-10-08 2003-04-08 Nipro Corporation Heat-resistant plastic sheet and infusion bag using the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105612208B (zh) 聚乙烯树脂组合物、由其制成的叠层体及使用该叠层体的医疗容器
MXPA02005804A (es) Pelicula multicapas libre de pvc, que puedes ser autoclave, en particular para el empaque de liquidos, productos medicinales, procedimiento de produccion, y uso.
JP3052398B2 (ja) 医療用バッグ
JP2019111805A (ja) 積層体及びそれよりなる医療容器
JP6163952B2 (ja) ポリエチレン製積層体およびそれよりなる医療容器
JP3549643B2 (ja) 医療用基材
JP7310445B2 (ja) ポリエチレン樹脂組成物、積層体および医療容器
JP3949739B2 (ja) 医療用複室容器
JPH0999035A (ja) 医療用容器
JP3054426B2 (ja) 医療用袋
JP3625497B2 (ja) 医療容器用基材
JPH0999036A (ja) 医療用容器
JPH06171040A (ja) ポリオレフィン系医療容器用基材
JP7608856B2 (ja) ポリエチレン樹脂組成物、積層体および医療容器
JP2000197688A (ja) 医療用容器
JPH06169974A (ja) ポリオレフィン系医療容器用基材
JPH07164604A (ja) 医療容器用基材
JPH06209981A (ja) 医療容器用基材
JPH11152378A (ja) 医療用エチレン−α−オレフィン共重合体組成物およびこの組成物を用いた成形物
JPH05317385A (ja) 医療容器用基材
JP3973703B2 (ja) 医療用複室容器
JP4016049B2 (ja) 医療用複室容器
JP3244349B2 (ja) 医療容器用基材
JPH07125158A (ja) 医療容器用基材
JPH06169972A (ja) ポリオレフィン系医療容器用基材