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JPH09316424A - ポリウレタン系樹脂粘着剤 - Google Patents

ポリウレタン系樹脂粘着剤

Info

Publication number
JPH09316424A
JPH09316424A JP8162417A JP16241796A JPH09316424A JP H09316424 A JPH09316424 A JP H09316424A JP 8162417 A JP8162417 A JP 8162417A JP 16241796 A JP16241796 A JP 16241796A JP H09316424 A JPH09316424 A JP H09316424A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyurethane resin
polyurethane
adhesive
polyol
sensitive adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8162417A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichiro Nakamura
康一郎 中村
Shohei Tsunoda
正平 角田
Shin Konishi
伸 小西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Polyurethane Industry Co Ltd filed Critical Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Priority to JP8162417A priority Critical patent/JPH09316424A/ja
Publication of JPH09316424A publication Critical patent/JPH09316424A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期粘着力が高く、粘着力の安定的な長期間
保持が可能で、かつ粘着力の耐熱性、耐寒性に優れたポ
リウレタン系樹脂粘着剤を提供する。 【解決手段】 炭素数1〜10の炭化水素基側鎖を1以
上有するポリオールを含有する活性水素化合物と有機ポ
リイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン
系樹脂からなる粘着剤において、該ポリウレタン系樹脂
が分子内にスルホン酸金属塩基をポリマー当たり0.0
01〜1.0mmol/g有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着性のテープ、
ラベル、シート等の各種粘着性加工品に使用される粘着
剤、特に、粘着力の耐熱性、耐寒性に優れたポリウレタ
ン系樹脂粘着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン樹脂を粘着剤として使用し
た場合には、柔軟性、加工性等に優れているが、一般に
凝集力が強いため、初期粘着力が低く、温度変化に伴う
粘着物性が低下、或いは長期保存下での粘着物性が不安
定等、粘着物性に問題があった。そのため、両面或いは
片面が粘着性のテープ、ラベル、シート等の粘着層への
ポリウレタン樹脂の展開が困難であった。このような欠
点を解消するために、例えばポリオールに少量のポリイ
ソシアネートを配合し、低分子量の重合体を形成させる
ことが知られているが、この方法で粘着力を発現させた
ものは、湿度の影響で粘着特性にバラツキが生じやす
く、架橋密度が低いため高温時に樹脂の機械物性が低下
し、被着体から剥がれやすいなど安定した性能を得るこ
とが困難であった。またこれらを改善するため、ポリウ
レタン樹脂にポリイソシアネート硬化剤を併用して硬化
させ耐熱性を高めたりしているが、この場合には粘着物
性が低下するという問題がある。この点を改良するた
め、イソシアネート基に水酸基を反応させる前に水と接
触させて尿素結合を積極的に生成させることも知られて
いるが、この方法では必要以上に尿素結合が生成する結
果となり、粘着物性のバランスが取れず、特に初期粘着
力が低下する傾向がある。
【0003】一般にポリウレタン樹脂粘着剤には、粘着
付与剤として、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェ
ノール樹脂、キシレンホルムアルデヒド樹脂、ロジン、
水添ロジン等の−CH2 OH、−OH、−COOH基等
の極性基を有するものが併用されているが、この様な粘
着付与剤を用いた場合は、分子中の極性基が硬化剤のイ
ソシアネート基と反応し、特にアルキルフェノール樹
脂、テルペンフェノール樹脂等のフェノール系樹脂を用
いた場合は、分子中のフェノール性水酸基が硬化剤のイ
ソシアネート基と結合してフェノール型ブロックイソシ
アネートを形成し、その後徐々にイソシアネート基への
解離が起こるため、粘着剤層の構造及び物性に変化をも
たらし、経時で粘着剤層の性能を低下させるという欠点
を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を
解決して、初期粘着力が高く、粘着力の安定的な長期間
保持が可能で、かつ粘着力の耐熱性、耐寒性に優れたポ
リウレタン系樹脂粘着剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、これら課
題を解決することを目的として鋭意検討を重ねた結果、
本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、炭素数1
〜10の炭化水素基側鎖を1以上有するポリオールを含
有する活性水素化合物と有機ポリイソシアネートとを反
応させて得られるポリウレタン系樹脂からなる粘着剤に
おいて、該ポリウレタン系樹脂が分子内にスルホン酸金
属塩基をポリマー当たり0.001〜1.0mmol/
g有するポリウレタン系樹脂であることを特徴とする前
記粘着剤である。
【0006】また本発明は、炭素数1〜10の炭化水素
基側鎖を1以上有するポリオールを含有する活性水素化
合物と有機ポリイソシアネートとを反応させて得られる
ポリウレタン系樹脂がポリイソシアネート硬化剤で架橋
されてなる粘着剤において、該ポリウレタン系樹脂が分
子内にスルホン酸金属塩基をポリマー当たり0.001
〜1.0mmol/g有するポリウレタン系樹脂である
ことを特徴とする前記粘着剤である。
【0007】
【発明の実施の形態】まず、本発明の粘着剤において、
ポリウレタン系樹脂の製造に使用される活性水素化合物
について説明する。この活性水素化合物は、2以上の水
酸基が直接結合している主鎖炭化水素基好ましくはアル
キレン基に側鎖として炭素数1〜10の炭化水素基好ま
しくはアルキル基が1以上結合しているポリオールをそ
の全部又は一部として含有するが、このポリオールのみ
からなるのが好ましい。このようなポリオールとして、
1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオ−ル、
1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−
1,3−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペン
タンジオール、2−メチル−4,4−ジメチルヘキサン
ジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパン
ジオ−ル、2−メチル−1,5−ヘプタンジオール、2
−メチル−1,8−オクタンジオール等のジオール自
体、或いは好適には、これらのジオール或いはこれらの
ジオールとそれ以外のジオールとの混合物と、アジピン
酸、セバシン酸、3−メチル−1,4−アジピン酸、フ
ェニルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、アリルマ
ロン酸等のジカルボン酸やそのエステル、酸無水物等の
誘導体やδ−バレロラクトン等を反応させて得られるポ
リエステルジオール、また或いは特に好適には、これら
のジカルボン酸やその誘導体のかわりに或いはその一部
として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリ
ウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフ
タル酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、5−ナトリ
ウムスルホビス(β−ヒドロキシルエチル)イソフタレ
ート、5−ナトリウムスルホジメチルイソフタレート等
を使用して得られるスルホン酸金属塩基含有ポリエステ
ルジオールを例示することができる。前記のスルホン酸
金属塩基を含有していないジオールやポリエステルジオ
ールは、前記のスルホン酸金属塩基含有ポリエステルジ
オールと混合して使用するのが好ましい。
【0008】本発明で用いられる炭素数1〜10の炭化
水素基側鎖を1以上有するポリオールは、数平均分子量
が500〜5000のものが好ましい。数平均分子量が
500未満ではウレタン結合濃度が大きくなり、溶剤へ
の溶解性が低下し好ましくない。また、数平均分子量が
5000を越えると、逆にウレタン結合濃度が低下する
ため、ポリウレタン系樹脂の強靭性、耐熱性が低下し好
ましくない。
【0009】前記活性水素化合物の一部として、必要に
より、前記ポリエステルジオール以外のポリエステルポ
リオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネート
ポリオール等を用いることができ、これらは分子内にス
ルホン酸金属塩基を含有しているものであってもよい。
前記ポリエステルジオール以外のポリエステルポリオー
ルとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸、アゼライン酸、ダイマー酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソ
フタル酸等のジカルボン酸、これらの酸エステル或いは
酸無水物と、エチレングリコール、1,3−プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オク
タンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレング
リコール、ダイマー酸ジオール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ヘキサントリオール、クオドロール或
いはビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピ
レンオキサイド付加物等のポリオール、或いはヘキサメ
チレンジアミン、キシレンジアミン、イソホロンジアミ
ン、モノエタノールアミン、イソプロパノールトリアミ
ン等のジアミン、トリアミン又はアミノアルコール等単
独、又はこれらの混合物との脱水縮合反応で得られる、
ポリエステルポリオール又はポリエステルアミドポリオ
ールが挙げられる。更に、ε−カプロラクトン、アルキ
ル置換ε−カプロラクトン等の環状エステル(ラクト
ン)モノマーの開環重合により得られるラクトン系ポリ
エステルポリオール等のポリエステルポリオールが挙げ
られる。ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒド
ロフラン等を開環重合させたポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテ
ルグリコール、及びこれらを共重合させたポリエーテル
グリコールが挙げられる。ポリカーボネートポリオール
としては、例えば、多価アルコールと、ジエチレンカー
ボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、ジフェニルカーボネート等との脱アルコール反応で
得られるものが挙げられる。この多価アルコールとして
は、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオ
ール、ジエチレングリコール等が挙げられる。炭素数1
〜10の炭化水素基側鎖を1以上有するポリオールに併
用することのできるこれらのポリオールの量は、本発明
の特徴である粘着力の耐熱性、耐寒性、及び長期保存性
等の性質を保持する範囲に限られ、そのポリオールの性
質によって相違はあるが、活性水素化合物中で50重量
%未満、特に30重量%未満にとどめるのが好ましい。
【0010】前記活性水素化合物の一部として、必要に
より、鎖延長剤を用いることもでき、これは分子内にス
ルホン酸金属塩基を含有しているものであってもよい。
鎖延長剤は、一般に、分子量300以下の分子内に2個
以上の活性水素基を有する化合物である。具体的には、
エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、
ダイマー酸ジオール、トリメチロールプロパン、グリセ
リン、ヘキサントリオール、クオドロール或いはビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド或いはプロピレンオキ
サイド付加物等のポリオール、又は、ヘキサメチレンジ
アミン、キシレンジアミン、イソホロンジアミン、メチ
レンビス(オルソクロロアニリン)、モノエタノールア
ミン等のジアミン或いはアミノアルコール等が挙げら
れ、他に水や尿素も用いることができる。これらの化合
物はいずれも単独又はこれらの2種以上の混合物として
用いることもできる。
【0011】鎖延長剤の使用モル数の合計は、鎖延長剤
以外の活性水素化合物のモル数の合計以下、特にその1
/2以下が好ましい。鎖延長剤の配合モル数の合計が鎖
延長剤以外の活性水素化合物のモル数の合計を超えた場
合、凝集力の強いウレタン結合量が増し、強靱な機械的
強度が得られるが、粘着力が低下してしまう。
【0012】本発明において用いられる有機ポリイソシ
アネートとしては、一般にポリウレタン樹脂の製造に使
用できるものは全て使用可能であり、具体的には、2,
4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイ
ソシアネ−ト、2,2′−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の
芳香族ジイソシアネート、或いはテトラメチレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、リジン
ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、また或
いはイソホロンジイソシアネート、水添化トリレンジイ
ソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネー
ト等の脂環族ジイソシアネート、さらにこれらの混合物
等の有機ジイソシアネートが好ましいが、これらの一部
をウレタン化、ウレトジオン化、又はカルボジイミド化
した変性ポリイソシアネートも使用可能である。
【0013】活性水素化合物と有機ポリイソシアネート
のNCO/OHモル比は、反応におけるゲル化を避ける
ため、0.5/1.00〜1.00/1.00が好まし
い。通常、接着剤分野のバインダーのポリオール成分と
して用いられるポリブチレンアジペート(ポリオー
ル)、ポリヘキサメチレンアジペート(ポリオール)、
ポリカプロラクトンポリオール等のポリエステルポリオ
ールは、融点が常温以上であり、それらを用いたポリウ
レタン樹脂は化学構造によって差はあるが、いずれも原
料のポリエステルポリオールのメチレン連鎖の折れたた
みによる結晶性を有する。これらのポリウレタン樹脂を
粘着剤として用いた場合、結晶性が強く低温環境下に放
置した場合の結晶収縮によって粘着物性が低下し被着体
からの剥離や、高温時には結晶性融解によって粘着物性
が低下する等のトラブルが発生することがある。しかし
ながら、本発明の粘着剤は、炭素数1〜10の炭化水素
基側鎖を1以上有するポリオールを使用した特定量のス
ルホン酸金属塩基含有ポリウレタン系樹脂からなるもの
であるため、ほとんど結晶性を示さず、粘着力の耐熱
性、耐寒性に優れたものとなり、長期保存後の粘着力の
安定性に優れた粘着剤が得られ、更に、溶剤に対する溶
解性がよく、溶液は低粘度であり、使用する溶剤量の削
減が可能となり、乾燥工程の時間短縮等の合理化が可能
となった。非結晶性のポリウレタン樹脂としては、これ
までもジエチレンアジペート系、ポリプロピレンアジペ
ート系等のポリウレタン樹脂があるが、これらはいずれ
も耐熱性が悪く、温度変化を伴う環境、特に高温時に粘
着力が低下するため、粘着剤としてはほとんど実用に耐
え得ない。本発明におけるポリウレタン系樹脂は、スル
ホン酸金属塩基をポリマー当たり、0.001〜1.0
mmol/g含有する。ポリマー当たりのスルホン酸金
属塩基が、0.001mmol/g未満であると、温度
変化に伴い粘着力が低下するばかりか、同時に長期保存
下で安定した粘着物性を得ることができない。また、ポ
リマー当たりのスルホン酸金属塩基が1.0mmol/
gを超えると、ポリウレタン系樹脂が溶剤溶解性に欠け
たものとなる。好ましいスルホン酸塩基は、スルホン酸
のアルカリ金属塩基である。前記アルカリ金属の例とし
て、Li、Na、Kaが挙げられる。
【0014】本発明の粘着剤に用いられるポリウレタン
系樹脂の数平均分子量は、5000以上が好ましい。数
平均分子量5000未満では、ポリイソシアネート硬化
剤を併用しない場合はその数平均分子量が小さすぎるた
め、フィルム形成性能が悪くなる。一般に粘着剤に用い
られるポリウレタン樹脂は、高分子量にするとポリウレ
タン樹脂溶液の溶液粘度が高くなり、ハンドリング性が
悪くなる。ポリウレタン樹脂の耐久性、耐熱性向上のた
めには高分子量であることが望ましく、ハンドリング性
とは相反するのが一般的である。しかし、本発明におけ
るポリウレタン系樹脂は、高分子量のものであっても、
溶剤への溶解性が良好で低粘度の溶液である。
【0015】本発明におけるポリウレタン系樹脂の製造
は、例えば、溶融状態で反応させるバルク重合(固形反
応)法、溶液重合法等の通常の方法を用いることができ
る。溶液重合法にて用いる溶剤としては、具体的には、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル
等のエステル系溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン
等のエーテル系溶剤、セロソルブ、カルビトール等のグ
リコールエーテル系溶剤、セロソルブアセテート等の酢
酸グリコールエーテル系溶剤、ジメチルアセトアミド、
ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤等、更に
これらの混合溶剤が挙げられる。
【0016】本発明におけるポリウレタン系樹脂を製造
する際には、必要に応じて触媒及び添加剤等を用いるこ
とができる。触媒としては例えば、トリエチルアミン、
トリエチレンジアミン等の含窒素化合物、ジブチル錫ジ
ラウレート、オクチル酸錫、ステアリン酸錫等の有機金
属化合物が挙げられる。添加剤としては、例えば、置換
ベンゾトリアゾール類等の紫外線吸収剤、フェノール誘
導体等の酸化防止剤、及び加水分解防止剤等が挙げられ
る。
【0017】上記のポリウレタン系樹脂にポリイソシア
ネート硬化剤を併用すると、架橋結合が形成され、更に
耐熱性及び耐久性に優れた粘着剤を得ることができる。
硬化剤として用いられるポリイソシアネートとして、前
記の有機ポリイソシアネートも使用することができる
が、これらと2官能以上のポリオールとの反応で得られ
るイソシアネートのポリオールアダクトが好ましく、ま
た、ポリメリックポリイソシアネート、イソシアヌレー
ト変性体、カルボジイミド変性体等も好ましい。具体的
には、日本ポリウレタン工業製のコロネートL、コロネ
ート3041、コロネート2030、コロネート203
1、コロネートHL、コロネートHX、ミリオネートM
TL、ミリオネートMR等が挙げられる。その使用量
は、前記ポリウレタン系樹脂100重量部に対して、4
0重量部以下(いずれも固形分として)であることが好
ましい。
【0018】本発明の粘着剤におけるポリウレタン系樹
脂には、上記成分以外に他樹脂や添加剤を併用してもよ
い。例えば、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノ
ール樹脂、キシレンホルムアルデヒド樹脂、ロジン、水
添ロジンなどの−CH2 OH、−OH、−COOH基等
の極性基を有するものを併用することもできる。
【0019】更に本発明におけるポリウレタン系樹脂
は、磁気記録媒体のバインダー、フィルムラミネート用
バインダー、インキバインダー、プラスチック等の表面
処理剤、その他の接着剤、コーティング剤としても使用
できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく述べ
るが、本発明は実施例のみに限定して解釈されるもので
はない。以下の合成例、実施例、及び比較例中の部、%
は、原則として、それぞれ重量部、重量%を示す。
【0021】〔ポリエステルジオールの製造〕 合成例1〜8 温度計、攪拌機及び部分還流式冷却器を具備した反応器
に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル2部、
2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール7
24部を加え、140〜220℃で5時間エステル交換
反応を行った。次いでアジピン酸266部を加え、20
0〜220℃で10時間反応させた後、反応系を3時間
かけて20mmHgまで減圧し、さらに5〜20mmH
g、210℃で2時間重縮合反応を行った。得られたポ
リエステルジオール(A)は、1分子当たりの平均水酸
基数2.0、水酸基価224、数平均分子量500であ
った。
【0022】同様の製造方法により、表1及び表2に示
すジカルボン酸成分及びジオール成分から構成されるポ
リエステルジオール(B)〜(H)を得た。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】〔ポリウレタン樹脂の製造〕 合成例9〜16 温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応容器に、表1及び
表2に示すポリエステルジオールに対してMEKを固形
分70%になるように加え、ウレタン化触媒としてジブ
チル錫ジラウレートを前記固形分に対して0.02%加
え、40℃で混合し、次いで有機ジイソシアネートを加
え、80℃にて反応させた。反応により発熱がおこり内
温が約80℃となり、粘度も時間とともに上昇した。適
時MEKを加えて希釈しながら80℃に保って7時間反
応させ、均一透明な液体を得た。最終的な固形分は40
%であった。これらのポリウレタン樹脂溶液(I)〜
(VIII)の構成原料及びその比並びに特性値をまとめて
表3及び表4に示す。なお、表中のNCO/OHは、ポ
リエステルジオールの水酸基と有機ジイソシアネートの
イソシアネート基のモル比を示す。ポリウレタン樹脂の
数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーにて、ポリスチレン検量線を用いて求めた。
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】〔評価〕 実施例1〜9、比較例1〜8 (1)ポリウレタン樹脂溶液(I)100部、及びポリ
イソシアネート(コロネートL;日本ポリウレタン工業
製)10部(各々固形分換算)を均一に混合したのち脱
泡し、PETフィルム(厚み0.1mm)上にナイフコ
ータを用い乾燥膜厚100μとなるように塗布した。次
いで、60℃で30分間さらに120℃で60分間硬化
乾燥させたのち、塗膜表面上を離型紙で覆い粘着物性評
価の実施例1の試料とした。 (2)ポリウレタン樹脂溶液(II) をPETフィルム
(厚み0.1mm)上にナイフコータを用い乾燥膜厚1
00μとなるように塗布した。次いで、60℃で30分
間さらに120℃で60分間硬化乾燥させたのち、塗膜
表面上を離型紙で覆い粘着物性評価の実施例2の試料と
した。 (3)ポリウレタン樹脂溶液(VII)100部、及びテル
ペンフェノール樹脂40部(各々固形分換算)を均一に
混合したのち脱泡し、PETフィルム(厚み0.1m
m)上にナイフコータを用い乾燥膜厚100μとなるよ
うに塗布した。次いで、60℃で30分間さらに120
℃で60分間硬化乾燥させたのち、塗膜表面上を離型紙
で覆い粘着物性評価の比較例5の試料とした。 (4)ポリウレタン樹脂溶液(VII)100部、テルペン
フェノール樹脂40部、及びポリイソシアネート(コロ
ネートL;日本ポリウレタン工業製)10部(各々固形
分換算)を均一に混合したのち脱泡し、PETフィルム
(厚み0.1mm)上にナイフコータを用い乾燥膜厚1
00μとなるように塗布した。次いで、60℃で30分
間さらに120℃で60分間硬化乾燥させたのち、塗膜
表面上を離型紙で覆い粘着物性評価の比較例6の試料と
した。同様に、表5〜表8に示すポリウレタン樹脂溶液
などを用いて、粘着物性評価の各試料を得た。この様に
して得られたポリウレタン樹脂粘着剤(試料)の粘着物
性を下記のようにして測定し評価した。ポリウレタン樹
脂粘着剤の構成原料及び粘着物性の測定、評価結果を表
5〜表8に示す。 (イ)粘着力の長期保存性 上記の各試料の初期粘着力と、各試料を−10℃、25
℃で95%RH、又は50℃で95%RHの各条件下で
3週間又は3か月間保存後、室温に戻し離型紙を剥が
し、塗膜表面の(経時)粘着力をプロブタック試験機で
測定した。これらの測定結果を、初期粘着力に対する経
時粘着力の比、すなわち粘着力減少率として次の評価基
準で示す。 評価基準 ◎:粘着力減少率 5%以下 ○:粘着力減少率 5〜10% △:粘着力減少率 10〜20% ×:粘着力減少率 20%以上 (ロ)粘着力の耐寒性、耐熱性 上記の各試料の離型紙を剥がし、直径20cmの塩化ビ
ニルパイプの側面に貼り付け、−10℃又は50℃の条
件下で3か月間保存後、その外観を目視観察した。 評価基準 ○:外観に変化なし △:一部が剥離 ×:すべて剥離
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】
【表7】
【0032】
【表8】
【0033】表5〜表8の結果から明らかなように、本
発明で規定する化学構造を有しスルホン酸金属塩基を特
定量含有する実施例1〜9のポリウレタン樹脂粘着剤
は、初期粘着力が高く、粘着力を長期間保持することが
可能で、かつ耐寒性、耐熱性に優れるばかりか、溶剤に
対する溶解性に優れているため、低粘度で優れた作業性
を有する。それに対し、本発明の範囲を外れる比較例1
〜8の粘着剤は、前述の粘着物性の大部分あるいはいず
れかに著しく劣っていた。
【0034】
【発明の効果】本発明におけるポリウレタン系樹脂は、
粘着性のテープ、ラベル、シート或いは両面粘着テープ
等の各種の粘着性加工品の粘着剤として使用した場合、
初期粘着力が高く、粘着力の耐熱性、耐寒性及び長期間
の保存安定性等に優れており、かつ、溶剤に対する溶解
性が良好で、樹脂溶液は低粘度であるのでハンドリング
性に優れている。また高固形分化が可能となるので、乾
燥時間の短縮による作業工程の合理化、乾燥時に排出さ
れる溶剤量の削減により、安全衛生面にも優れるという
バランスのとれた特性を有している。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数1〜10の炭化水素基側鎖を1以
    上有するポリオールを含有する活性水素化合物と有機ポ
    リイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン
    系樹脂からなる粘着剤において、 該ポリウレタン系樹脂が、分子内にスルホン酸金属塩基
    をポリマー当たり0.001〜1.0mmol/g有す
    るポリウレタン系樹脂であること、を特徴とする前記粘
    着剤。
  2. 【請求項2】 炭素数1〜10の炭化水素基側鎖を1以
    上有するポリオールを含有する活性水素化合物と有機ポ
    リイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン
    系樹脂がポリイソシアネート硬化剤で架橋されてなる粘
    着剤において、 該ポリウレタン系樹脂が、分子内にスルホン酸金属塩基
    をポリマー当たり0.001〜1.0mmol/g有す
    るポリウレタン系樹脂であること、を特徴とする前記粘
    着剤。
  3. 【請求項3】 前記ポリオールが、炭素数1〜10の炭
    化水素基側鎖を1以上有するジオールとジカルボン酸或
    いはその誘導体とを反応させて得られるポリエステルジ
    オールであり、かつ、該ポリエステルジオールがスルホ
    ン酸金属塩基を有する、請求項1又は2に記載の粘着
    剤。
JP8162417A 1996-06-03 1996-06-03 ポリウレタン系樹脂粘着剤 Pending JPH09316424A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007262176A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Asahi Glass Co Ltd ウレタン樹脂の製造方法および粘着剤
CN104628981A (zh) * 2015-02-10 2015-05-20 新纶科技(常州)有限公司 一种水性聚氨酯胶黏剂的制备方法
KR102184968B1 (ko) * 2020-07-21 2020-12-02 (주)명신기연 반응성 열용융 접착제의 제조방법 및 이에 의해 제조된 접착제

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CN104628981A (zh) * 2015-02-10 2015-05-20 新纶科技(常州)有限公司 一种水性聚氨酯胶黏剂的制备方法
KR102184968B1 (ko) * 2020-07-21 2020-12-02 (주)명신기연 반응성 열용융 접착제의 제조방법 및 이에 의해 제조된 접착제

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Effective date: 20040217