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JPH09193309A - プレコート紙を用いた化粧板 - Google Patents

プレコート紙を用いた化粧板

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Publication number
JPH09193309A
JPH09193309A JP2049496A JP2049496A JPH09193309A JP H09193309 A JPH09193309 A JP H09193309A JP 2049496 A JP2049496 A JP 2049496A JP 2049496 A JP2049496 A JP 2049496A JP H09193309 A JPH09193309 A JP H09193309A
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JP
Japan
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resin
paper
impregnated
layer
top coat
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Application number
JP2049496A
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English (en)
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JP3954665B2 (ja
Inventor
Kazuhiro Takahashi
一弘 高橋
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP02049496A priority Critical patent/JP3954665B2/ja
Publication of JPH09193309A publication Critical patent/JPH09193309A/ja
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Publication of JP3954665B2 publication Critical patent/JP3954665B2/ja
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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Finishing Walls (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐摩耗性を有し、トップコート層と樹
脂含浸紙との間及び樹脂含浸紙と基板との間の層間強度
が高く、耐久性に優れ、しかも製造が容易でありコスト
的にも安価であるプレコート化粧板を提供する。 【解決手段】 化粧紙原紙2に硬化性樹脂からなる含浸
樹脂3が含浸された樹脂含浸紙5と、該樹脂含浸紙5の
表面側に設けられた硬化性樹脂からなるトップコート層
6と、硬化性樹脂からなる接着剤層8を介して上記樹脂
含浸紙5の裏面側に積層された基板9とからなるプレコ
ート化粧板であって、上記含浸樹脂3として完全に硬化
しない状態に於いて乾燥又は冷却によって常温で非流動
性であり且つ非粘着性の塗膜を与える樹脂を用い、該含
浸樹脂3が完全に硬化しない状態の樹脂含浸紙5にトッ
プコート層6及び接着剤層8を積層して硬化し、プレコ
ート化粧板1を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性樹脂が含浸
された化粧紙の表面側に、耐摩耗性に優れたトップコー
ト層が設けられ、該化粧紙の裏面側が基板に積層されて
なり、床材や机表面等の耐摩耗性が要求される用途に利
用可能な化粧板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、建築物の内装や家具、キャビ
ネット等の表面の装飾用の材料として、メラミン化粧
板、ダップ化粧板、ポリエステル化粧板等の各種の化粧
板が用いられている。これらの化粧板は、表面に絵柄等
の模様を設けた紙に硬化性の樹脂を含浸させ、その裏面
側に接着剤等を介して化粧板の基材を積層し、全体を加
熱、加圧して一体化して形成される。
【0003】このような化粧板として例えば、特公平4
−11385号公報に開示されているように、パネル
(基板)の表面にフラットな表面を与えるのに充分な粘
度をもつ湿潤電子線硬化型接着剤層を塗布し、その外表
面に液体浸透性化粧層を積層し、その上面にトップコー
トとして、湿潤電子線硬化型低粘度液体ラッカーを塗布
し、前記化粧層上のトップコートに充分な滞留時間を与
えて、化粧層中にトップコートの液体ラッカーが浸透す
るようにした後で、電子線を照射して湿潤ラッカー及び
湿潤接着剤とを同時に硬化させて、トップコート層、化
粧層、接着剤層及びパネルを一体の永久構造物とする、
化粧層の積層方法が公知である。
【0004】上記の化粧板は、化粧紙(化粧層)やトッ
プコート層を全部積層した後に、各層の樹脂を硬化させ
て基板と一体にするものであり、トップコート層は通
常、化粧紙を基板に積層した後に塗工して形成されるた
め、アフコターコート化粧板とも呼ぶことができる。こ
の化粧板は、全体を硬化性樹脂により構成することがで
きるため、表面物性や層間強度等の点において優れてい
る。しかしながら、このアフターコート化粧板は、合板
等のパネルを用いることや、未硬化の樹脂を積層して一
度に硬化させる必要があることから、枚葉式で製造しな
ければならず、製造工程が複雑になり生産性が良くない
という欠点があった。
【0005】一方、上記のアフターコート化粧板の生産
性を改良したものとして、プレコート紙を化粧板の基板
に積層してなる化粧板が公知である。化粧板は、樹脂含
浸紙の表面にトップコート層を予め形成したプレコート
紙を準備して、該化粧紙を基板に積層して一体化したも
のであり、予め作られたプレコート紙を基板に貼り付け
るだけで容易に化粧板を製造することができるので、生
産性に優れる。
【0006】しかしながら、上記の硬化性樹脂が含浸硬
化されてなる樹脂含浸紙の表面にトップコート層を形成
した場合、トップコート層と含浸紙との間の層間強度が
劣るという欠点があった。即ち、樹脂含浸紙の表面は既
に硬化している樹脂で覆われた状態であり、トップコー
ト層を形成する樹脂と含浸紙の樹脂との間で架橋反応が
起こらないので、トップコート層が含浸紙の表面から剥
離し易い。特にトップコート層を構成する樹脂として電
離放射線硬化性樹脂を用いた場合には、電離放射線硬化
性樹脂の表面が平滑に形成されやすいこと等ともあいま
って、トップコート層と含浸紙との間の層間強度が低
く、剥離し易く、耐摩耗性が不充分なものであった。
【0007】化粧板に於ける、トップコート層と含浸紙
との間の層間強度を改良する手段は、例えば特開昭60
−75697号公報に開示されている。この方法は、浸
透性良好な紙(あるいは印刷紙)に、分子中にエチレン
性二重結合を有する電子線硬化性混合物を主成分とする
含浸剤を含浸し、該含浸紙の表面に該含浸剤よりも高粘
度の電子線硬化性混合物を主成分とする塗工剤を塗工
し、しかる後に電子線を照射して含浸剤と塗工剤を同時
に硬化させて、含浸紙の表面に電子線硬化性樹脂からな
るトップコート層が形成されたプレコート紙を得るもの
である。
【0008】上記の方法では、含浸樹脂とトップコート
層の塗工物とを同時に硬化させるために、トップコート
層と含浸樹脂との間の密着性に優れたものが得られ、電
子線硬化型樹脂等のトップコート層が耐摩耗性に優れる
といった特徴がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(特開昭60−75697号公報)の方法は、含浸樹脂
が未硬化の状態でトップコート層の塗工剤を含浸紙に塗
工してから含浸樹脂をトップコートと同時に硬化させる
ため、含浸樹脂が浸透性良好な紙から垂れたり、浸透し
すぎて流れてしまい、含浸量が変動したり、又、樹脂含
浸から塗工剤を塗工して樹脂を硬化させるまでの間の化
粧紙の製造ラインが含浸紙から垂れた樹脂により汚染さ
れるという欠点があった。
【0010】また、上記方法では、トップコート層の樹
脂の粘度が高いため、含浸紙表面への均一な塗工が困難
になり易く、塗工時の温度が変化した際の塗工剤の粘度
変化が大きく、トップコート層の塗工物の含浸紙への浸
透量が変化し易く、トップコート層塗工の際の温度管理
等に非常に手間がかかるという問題があった。
【0011】尚、同公報には塗工剤が高粘度で平滑性を
得ることが困難な場合には、塗工後に離型性フィルムを
塗工面に抱き合わせて電子線照射し、塗工剤が硬化した
後で離型性フィルムを剥離する方法がよいといった記載
があるが、塗工剤をフィルムで保持して硬化させる方法
は、フィルムを使用することによりコストアップになっ
てしまい、製造が複雑になるという問題があり、あまり
実用的ではなかった。
【0012】更に、上記のプレコート紙を接着剤層を介
して合板に積層する場合に、接着剤層と含浸紙との間の
層間強度の問題がある。例えば、接着剤に感熱接着剤を
使用したのでは、トップコート層自体に耐摩耗性の優れ
た材料を使用しても、接着剤層と含浸紙の樹脂との間で
剥離し易く、化粧板としては良好な耐摩耗性が得られな
かった。
【0013】又、上記のプレコート紙を硬化性樹脂から
なる接着剤を用いて基板に積層した場合には、接着剤層
と基板との間の層間強度は熱可塑性樹脂を用いた場合よ
りも向上する。しかし、既に硬化されている含浸樹脂に
接着剤層が接触して硬化するため、接着剤層と含浸紙と
の間の層間強度が劣り、界面で剥離し易い。特に含浸樹
脂として電離放射線硬化性樹脂を使用した場合には、上
記のプレコート紙の含浸紙とトップコート層との間の層
間強度と同様に、更に層間強度が低下し易いという問題
があった。
【0014】又、水平面等に使用される化粧板は、耐摩
耗性が優れることが望まれる。上記の電子線硬化型樹脂
からなるトップコート層を有する化粧板において、電子
線硬化型樹脂を架橋密度等を上げてトップコート層を硬
くして耐摩耗性を改良することは、従来から行われてい
た。
【0015】しかしながら、プレコート紙を基板に積層
して化粧板を製造する際、トップコート層の架橋密度を
上げると化粧紙の柔軟性が低下して、ロールに巻き取る
際等に該層が割れたり、又、化粧板とした場合の衝撃等
で亀裂が発生する虞れが生じるため、樹脂の種類や架橋
密度等を変えて化粧板の耐摩耗性を改良するには限界が
あり、ある程度の柔軟性を有し且つ表面の耐摩耗性も優
れる化粧板が望まれている。
【0016】本発明は上記従来技術の欠点を解決するた
めになされたものであり、プレコート紙を利用した化粧
板において優れた耐摩耗性を有し、トップコート層と樹
脂含浸紙との間及び樹脂含浸紙と基板との間の層間強度
が高く、耐久性に優れ、しかも製造が容易でありコスト
的にも安価である化粧板を提供すること目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)化粧紙
原紙に硬化性樹脂からなる含浸樹脂が含浸された樹脂含
浸紙の表面に硬化性樹脂からなるトップコート層が設け
られたプレコート紙が、樹脂含浸紙の裏面に接着剤層を
介して基板に積層一体化されてなる化粧板であって、上
記含浸樹脂及び接着剤層の樹脂が互いに反応する反応基
を有する硬化性樹脂であり、上記プレコート紙の含浸樹
脂が完全に硬化しない状態であり、常温で非流動性且つ
非粘着性に形成され、上記プレコート紙のトップコート
層が非流動性且つ非粘着性に形成され、上記プレコート
紙の含浸樹脂を未硬化の接着剤層と接触させた後、含浸
樹脂及び接着剤層を完全に硬化せしめて、プレコート紙
と基板とが積層一体化されているものであることを特徴
とするプレコート紙を用いた化粧板、(2)トップコー
ト層の樹脂が含浸樹脂と互いに反応する反応基を有する
ものである上記(1)記載のプレコート紙を用いた化粧
板、(3)プレコート紙のトップコート層が完全に硬化
しない状態で、プレコート紙が基材に積層一体化されて
なる上記(1)又は(2)記載のプレコート紙を用いた
化粧板、(4)トップコート層に該層の硬化性樹脂より
も高硬度の球状粒子が含有せしめられている上記(1)
〜(3)のいずれか1に記載のプレコート紙を用いた化
粧板、(5)トップコート層の硬化性樹脂の平均架橋間
分子量が100〜1000である上記(1)〜(4)の
いずれか1に記載のプレコート紙を用いた化粧板、を要
旨とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を説
明する。図1は本発明の化粧板の1例を示す縦断面図で
ある。図1に示す本発明の化粧板1は、化粧紙原紙2に
硬化性樹脂からなる含浸樹脂が含浸されてなる樹脂含浸
紙5の表面に絵柄層4等が形成され、更に該絵柄層4の
上から樹脂含浸紙5の表面に硬化性樹脂からなる塗工組
成物が塗工されてトップコート層6が設けられたプレコ
ート紙7が、樹脂含浸紙4の裏面に硬化性樹脂からなる
接着剤層8を介して化粧板の基板9に積層されてなるも
のである。
【0019】上記のプレコート紙7において、該プレコ
ート紙7が化粧板の基板9に積層されるまでは、樹脂含
浸紙5の含浸樹脂3は完全に硬化しない状態であり且つ
非流動性且つ非粘着性の状態に形成されている。又、プ
レコート紙7のトップコート層6は、硬化した状態で
も、または完全に硬化しない状態のいずれでもよいが、
完全に硬化しない状態の場合は、含浸樹脂3と同様に非
流動性であり且つ非粘着性の状態に形成されている。更
に、上記のプレコート紙7の未硬化の状態にある含浸樹
脂3は、化粧板の基板9に積層されて接着剤層8と接触
した状態とした後に完全に硬化せしめられている。ま
た、本発明において、含浸樹脂3と接着剤層8の樹脂
は、互いに反応する反応基を有する樹脂が用いられる。
【0020】化粧紙原紙2は含浸樹脂が浸透可能なもの
であればよく、具体的には薄葉紙、クラフト紙、チタン
紙、リンター紙、板紙、石膏ボード紙、紙にポリ塩化ビ
ニル樹脂をゾル塗工又はドライラミネートしたいわゆる
ビニル壁紙原反、上質紙、コート紙、アート紙、硫酸
紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、和紙
等が挙げられる。
【0021】又、紙類似シートも含浸樹脂が浸透可能で
あれば化粧紙原紙2として用いることができる。上記の
紙類似シートとは、硝子繊維、石綿、チタン酸カリウム
繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭素繊維等の無機質
繊維、ポリエステル、ビニロン等の有機樹脂等を用いた
織布又は不織布等が挙げれる。化粧紙原紙2として特に
好ましくは、酸化チタンなどの隠蔽性顔料を混抄した
「チタン紙」と呼ばれる紙が、樹脂液の含浸適性、及び
プレコート紙を貼り付ける化粧板基材(基板)の隠蔽性
に優れる点等から最適である。化粧紙原紙2は坪量が2
0g/m2 〜120g/m2 が好ましい。
【0022】又、絵柄層4は、化粧紙原紙2の表面側に
上記樹脂含浸の前又は後のいずれに形成してもよいが、
樹脂含浸前に形成するのが好ましい。絵柄層4は、公知
の絵柄形成用印刷インキ等でグラビア印刷、オフセット
印刷、又はシルクスクリーン印刷等の既知の印刷手段を
用いて設ける。絵柄層4は、一部にパターン状(例えば
木目、布目、図形、文字等の絵柄模様)に設けても、ま
た全面に設けても良い。例えば絵柄を部分的に設けるの
は、絵柄の一部(例えば木目柄の照り部分)を特に強調
させたい場合等であり、全面的に設けるのはベタ状の絵
柄模様において全体的にパール感や干渉的外観を現出さ
せる場合等である。尚、特に図示しないが本発明では絵
柄層4を形成せずに化粧紙原紙2自体に着色や絵柄が形
成されたものを用いてもよい。
【0023】含浸樹脂3は、未硬化又は半硬化等の完全
に硬化しない状態に於いて、常温では固体であり、かつ
熱可塑性、溶剤溶解性を有していながら、塗工後の乾燥
又は冷却によって、見かけ上、又は手で触った時にも非
流動性(指触乾燥性)であり、かつ非粘着性である塗膜
を与える樹脂(以下、完全に硬化しない状態で常温で固
体である樹脂という)を用いる。
【0024】含浸樹脂3は例えば、無溶剤の組成物で、
加熱により流動性を有し、冷却により常温で固体状とな
るような硬化性を有する樹脂組成物や、溶剤を含む組成
物で、溶剤を含有した状態では流動性を有し溶剤を揮発
させると固体状となる硬化性を有する樹脂等がある。
【0025】化粧紙原紙2への含浸樹脂3の含浸量(化
粧紙原紙に対する重量%)は、50%〜200%が好ま
しく、含浸量が50%未満では化粧紙原紙全体が樹脂に
より充分含浸されない虞れがあり、一方含浸量が200
%を超えると過剰な含浸となる虞れがある。
【0026】本発明において含浸樹脂3は、化粧紙原紙
2の強度を向上させるために硬化性樹脂が用いられ、好
ましい含浸樹脂3として、電離放射線硬化性樹脂や熱硬
化性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は該樹脂の硬化前
の状態における分子量や分子構造等に基づいて融点や結
晶性等を調節することで、完全に硬化しない状態に於い
て常温で固体状の樹脂を得ることができる。含浸樹脂3
として特に好ましいのは、固相反応型電離放射線硬化性
樹脂であり、具体的には次の(イ)、(ロ)の2種類の
樹脂が挙げられる。
【0027】(イ)ガラス転移温度が0〜250℃のポ
リマー中にラジカル重合性不飽和基を有する樹脂。具体
的には以下の〜を重合もしくは共重合させたものに
対し、後述する(a)〜(d)の方法により、ラジカル
共重合性不飽和基を導入したものである。
【0028】水酸基を有する単量体:N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3フェノキシプロピル(メタ)ア
クリレート等、カルボキシル基を有する単量体:(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルモ
ノサクシネート等、エポキシ基を有する単量体:グリ
シジル(メタ)アクリレート等、アジリジニル基を有
する単量体:2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレ
ート、2−アジリジニルプロピオン酸アリル等、アミ
ノ基を有する単量体:(メタ)アクリルアミド、ダイア
セトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート等、スルフォン基を有する単量体:2−
(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォ
ン酸等、イソシアネート基を有する単量体:2,4−
トルエンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートの1モル対1モル付加物等のジイソシ
アネートと活性水素を有するラジカル重合性単量体の付
加物等、更に、上記の共重合体のガラス転移点を調節
したり、含浸紙全体の物性を調節したりするために、上
記の化合物と、この化合物と共重合可能な以下のような
単量体とを共重合させることができる。
【0029】上記〜の化合物と共重合可能な単量体
としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)
アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソ
アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる
【0030】上述のようにして得られた重合体にラジカ
ル重合性不飽和基を導入する方法は、(a)水酸基を有
する単量体の重合体または共重合体の場合には、(メ
タ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する単量体等を
縮合反応させる、(b)カルボキシル基、スルフォン基
を有する単量体の重合体または共重合体の場合には、前
述の水酸基を有する単量体を縮合反応させる、(c)エ
ポキシ基、イソシアネート基あるいはアジリジニル基を
有する単量体の重合体または共重合体の場合には、前述
の水酸基を有する単量体もしくはカルボキシル基を有す
る単量体を付加させる、(d)水酸基あるいはカルボキ
シル基を有する単量体の重合体または共重合体の場合に
は、エポキシ基を有する単量体あるいはアジリジニル基
を有する単量体あるいはジイソシアネート化合物と水酸
基含有アクリル酸エステル単量体の1対1モルの付加物
を付加反応させる等の方法がある。
【0031】(ロ)融点が常温(20℃)〜250℃で
あり、ラジカル重合性不飽和基を有する化合物。具体的
にはステアリルアクリレート、ステアリル(メタ)アク
リレート、トリアクリルイソシアヌレート、シクロヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン
ジオールジ(メタ)アクリレート、スピログリコールジ
アクリレート、スピログリコール(メタ)アクリレート
などが挙げられる。
【0032】また、前記(1)及び(2)の化合物を混
合して用いることもでき、さらにそれらに対してラジカ
ル重合性不飽和単量体を加えることもできる。このラジ
カル重合性不飽和単量体は電離放射線照射の際、架橋密
度を向上させ、耐熱性を向上させるものであって、前述
の単量体の他にエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレングリコール
ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アク
リレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテル
ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
グリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ソルビト
ールテトラグリシジルエーテルテトラ(メタ)アクリレ
ートなどを用いることができ、電離放射線線硬化性樹脂
100重量部に対して、0.1〜100重量部で用いる
ことが好ましい。
【0033】更に上記の組成物に増感剤としてベンゾキ
ノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテルなどのベ
ンゾインエーテル類、ハロゲン化アセトフェノン類、ビ
アセチル類などの紫外線照射によりラジカルを発生する
ものを添加して、組成物を紫外線硬化性にすることもで
きる。
【0034】また、完全に硬化しない状態に於いて常温
で固体の含浸樹脂としては、熱可塑性樹脂と反応性可塑
剤を混合し溶剤等で希釈した組成物を硬化性樹脂として
用いることもできる。
【0035】また、未硬化の状態で常温で固体の含浸樹
脂3として用いられる熱硬化性樹脂としては、フェノー
ル樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン
樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポ
リウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹
脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキ
サン樹脂等が挙げられる。
【0036】また、含浸樹脂3は上記したような未硬化
の状態に於いて固体状の硬化性樹脂以外にも、未硬化の
状態では流動性を有するが電離放射線の照射条件や加熱
条件を調節して一部硬化させた半硬化の状態では見掛け
状又は手で触ったときに非流動性であり非粘着性である
塗膜を与える樹脂が使用できる。
【0037】又、含浸樹脂3は、熱硬化性樹脂と電離放
射線硬化性樹脂との混合樹脂を用いることができる。上
記の混合樹脂は、加熱又は電離放射線を照射して一方の
樹脂を硬化させることで、他の一方の樹脂が未硬化の状
態となり、完全に硬化しない状態に於いて常温又は冷却
した状態で固体状であり且つ硬化性を有する樹脂となる
ものである。
【0038】トップコート層6は、電離放射線硬化性樹
脂または熱硬化性樹脂(常温硬化型樹脂、二液反応硬化
型樹脂を含む)等の従来公知の化粧材のトップコート層
に用いられる樹脂が利用できる。なかでも電離放射線硬
化性樹脂が、耐摩耗性に優れ硬化速度も速く作業性が良
好であり、しかも柔軟性等の樹脂の物性の調節も容易で
あることから、シート状のプレコート紙を効率良く連続
生産可能であり好ましい。
【0039】更に好ましいトップコート層6の硬化性樹
脂は、含浸樹脂3の説明のところで例示した、完全に硬
化しない状態に於いて常温で固体状の樹脂である。トッ
プコート層の塗布量は5〜100g/m2 の範囲が好ま
しく、更に好ましくは10〜30g/m2 である。ま
た、トップコート層には、再塗装性、耐汚染性、耐セロ
テープ性、耐擦傷性等の表面特性を付与することもでき
る。
【0040】上記のトップコート層6の硬化性樹脂とし
て用いられる電離放射線硬化性樹脂としては、例えば分
子中に重合性不飽和結合または、エポキシ基を有するプ
レポリマー、オリゴマー、及び/又はモノマーを適宜混
合した、電離放射線により硬化可能な組成物が挙げられ
る。尚、本発明において電離放射線とは、電磁波または
荷電粒子線のうち分子を重合或いは架橋し得るエネルギ
ー量子を有するものを意味し、通常紫外線または電子線
が用いられる。
【0041】電離放射線硬化性樹脂としてのモノマーを
選定する際、硬化物の可撓性が要求される場合は塗工適
性上支障のない範囲でモノマーの量を少なめにしたり、
1官能または2官能アクリレートモノマーを用い、比較
的低架橋密度の構造とする。また、トップコート層に耐
摩耗性、耐熱性、耐溶剤性等が要求される場合には、塗
工適性上支障のない範囲でモノマーの量を多めにした
り、3官能以上のアクリレートモノマーを用いることで
高架橋密度の構造とすることができる。尚、1、2官能
モノマーと3官能以上のモノマーを混合し塗工適性と硬
化物の物性とを調整することもできる。
【0042】以上のような1官能性アクリレートモノマ
ーとしては、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヘキシ
ルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等が挙
げられる。又、2官能アクリレートとしてはエチレング
リコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレート等が、また3官能以上のアクリレートとし
ては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペン
タエリスリトールトリ(テトラ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
【0043】更に、上記の電離放射線硬化性樹脂には、
硬化物の可撓性、表面硬度等の物性を調整するための電
離放射線非硬化性樹脂を添加することができる。尚、該
電離放射線非硬化性樹脂としてはウレタン系、繊維素
系、ポリエステル系、アクリル系、ブチラール系、ポリ
塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂が用いら
れ、特に繊維素系、ウレタン系、ブチラール系が可撓性
の点から好ましい。
【0044】又、以上の如き組成の電離放射線硬化性樹
脂を硬化させるために紫外線を照射する場合には、光重
合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン
類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミノキシ
ムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、
チオキサントン類、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スル
ホニウム塩、メタロセン、又、光重合促進剤(増感剤)
としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n
−ブチルホスフィン等を、更に樹脂組成物中に混合して
用いることができる。
【0045】トップコート層6の熱硬化性樹脂として
は、例えばフェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレ
ート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリ
エステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、
アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪
素樹脂、ポリシロキサン樹脂等がある。
【0046】上記の熱硬化性樹脂には、必要に応じて架
橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤等を添加する
ことができる。上記の硬化剤として通常、イソシアネー
ト又は有機スルホン酸塩が不飽和ポリエステル系樹脂や
ポリウレタン系樹脂に、アミンがエポキシ樹脂に、メチ
ルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物やアゾイソ
ブチルニトリル等のラジカル開始剤が不飽和ポリエステ
ル等によく使用される。上記のイソシアネートとして
は、2価以上の脂肪族又は芳香族イソシアネートを使用
できるが、熱変色防止、耐候性の点から脂肪族イソシア
ネートが望ましい。具体的なイソシアネートとしてトリ
レンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等
が挙げられる。
【0047】本発明において、トップコート層6には、
硬化性樹脂及び球状粒子以外に、染料や顔料等の着色
剤、その他のCaCO3 、BaSO4 、ナイロン樹脂ビ
ーズ等の公知の艶消調整剤や増量剤といった充填剤、そ
の他の添加剤を適宜、含有せしめることができる。
【0048】本発明の化粧板1に用いられる基板9は、
従来公知の化粧板の基板として用いられるものが使用で
きる。基板9は例えば、木材単板、木材合板、パーチク
ルボード、MDF(中密度繊維板)等の木質板、石膏
板、石膏スラグ板等の石膏系板、珪酸カルシウム板、石
綿スレート板、軽量発泡コンクリート板、中空押出セメ
ント板等のセメント板、パルプセメント板、石綿セメン
ト板、木片セメント板等の繊維セメント板、陶器、磁
気、せっ器、土器、硝子、琺瑯等のセラミックス板、鉄
板、亜鉛メッキ鋼板、ポリ塩化ビニルゾル塗工鋼板、ア
ルミニウム板、銅板等の金属板、ポリオレフィン樹脂
板、アクリル樹脂板、ABS板、ポリカーボネート板等
の熱可塑性樹脂板、フェノール樹脂板、尿素樹脂板、不
飽和ポリエステル樹脂板、ポリウレタン樹脂板、エポキ
シ樹脂板、メラミン樹脂板等の熱硬化性樹脂板、フェノ
ール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフ
タレート樹脂等の樹脂を、硝子繊維不織布、布帛、紙、
その他の各種繊維質基材に含浸硬化して複合化したいわ
ゆるFRP板等の樹脂板が挙げられる。また、基板9と
して、上記各種基板の2種以上を接着剤、熱融着等の公
知の手段により積層した複合基板を用いてもよい。
【0049】接着剤層8は、含浸樹脂3及び基板9の材
料に応じて、樹脂含浸紙5及び基板9とを接着可能とす
る樹脂が適宜用いられる。接着剤層8の硬化性樹脂とし
て、具体的にはトップコート層6や含浸樹脂3の説明で
例示した樹脂が用いられる。接着剤層8の樹脂として好
ましい樹脂は、含浸樹脂3と反応して架橋可能な樹脂で
ある。接着剤層8の厚み(塗工量)は10〜60g/m
2 が好ましい。
【0050】図2(a)〜(c)は本発明の化粧板の製
造方法の例を示す工程図である。以下、化粧板1の製造
方法について説明する。まず図2(a)に示すように、
含浸樹脂3を絵柄層4が設けられた化粧紙原紙2に含浸
させて樹脂含浸紙5を製造する。尚、この時点では含浸
樹脂3は完全に硬化しない状態であるが、見掛け上は含
浸樹脂が硬化された含浸紙と同じように、常温で非流動
性であり且つ非粘着性に形成されている。
【0051】化粧紙原紙2に含浸樹脂3を含浸する手段
としては、含浸樹脂3を溶剤等に溶解した含浸樹脂組成
物や、加熱して溶融させた含浸樹脂組成物の中に化粧紙
原紙2を浸漬した後、含浸樹脂3が硬化しない条件で溶
剤を揮発させて乾燥したり、冷却する方法や、含浸樹脂
3を溶剤等に溶解したり又は加熱する等して(樹脂が硬
化しない範囲で)流動状態とした含浸樹脂組成物を化粧
紙原紙2の表面に塗工して内部に浸透させた後、加熱
(含浸樹脂が硬化しない範囲)して溶剤を乾燥もしくは
冷却して固体状とする含浸方法等がある。特に好ましい
含浸方法としては、含浸樹脂組成物を化粧紙原紙2の表
面に塗工して含浸させる方法であり、生産性が高い点か
ら最も好ましい。
【0052】この含浸樹脂3を化粧紙原紙2の表面に塗
工する場合は、含浸樹脂が固体状となる前に化粧紙原紙
の裏面にまで含浸樹脂組成物が浸透しないように塗工す
るのが好ましい。そのためには、含浸樹脂組成物の粘度
及び温度や、ラインの乾燥もしくは冷却スピード等を適
宜調整することで、含浸量を調節しながら塗工すること
ができる。
【0053】図2(b)に示すプレコート紙7におい
て、トップコート層6として完全に硬化しない状態に於
いて流動性を有する樹脂を用いた場合には、トップコー
ト層6を完全に硬化させて流動性のない状態とする。
又、トップコート層6の樹脂として、含浸樹脂と同様に
完全に硬化しない状態で常温で固体状の樹脂を用いた場
合には、乾燥させただけで未硬化の状態であってもよい
し、完全に硬化させてしまってもよい。但し、プレコー
ト紙7において、トップコート層6の硬化の有無に係わ
らず、樹脂含浸紙5の含浸樹脂3は完全に硬化しない状
態としておくことが必要である。
【0054】化粧紙原紙2に含浸樹脂3の組成物を塗工
して含浸する場合の塗工方法は、グラビアコート、グラ
ビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピ
ンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、
ナイフコート、キスコート、ホイラーコート、ディップ
コート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤー
バーコート、フローコート、コンマコート、又かけ流し
コート、刷毛塗り、スプレーコート等が挙げられる。特
に好ましい塗工方法は、塗工し易さの点からディップコ
ートである。
【0055】次に図2(b)に示すように、化粧紙原紙
2に含浸樹脂3を含浸してなる樹脂含浸紙5の表面にト
ップコート層6を形成してプレコート紙7を得る。トッ
プコート層6は化粧紙の絵柄等を保護し表面に耐摩耗性
等の表面物性を付与する目的で形成される。図2(b)
に示したプレコート紙7は、直ちに基板との積層工程に
移し、化粧板としてもよいが、プレコート紙7の状態で
一旦ロール状に巻取る等しておき、このロールを別の場
所等に移してしかる後に基板9に積層接着して化粧板1
を製造することもできる。
【0056】トップコート層6は硬化性樹脂を主体とし
て、該硬化性樹脂よりも高硬度の球状粒子11等の添加
剤を添加してなる塗工組成物を、樹脂含浸紙5の表面に
塗工して形成する。この塗工組成物を樹脂含浸紙表面へ
塗工する手段としては、公知の塗工手段を用いることが
でき、例えば上記の含浸樹脂3を化粧紙原紙2へ塗工す
る手段が利用できる。
【0057】更に、図2(c)に示すように、トップコ
ート層6が表面に形成され含浸紙5の含浸樹脂3が完全
に硬化していない状態のプレコート紙7を、該化粧紙7
の裏面が接着剤層8と接するようにして、該接着材層8
を介して基板9に積層して、含浸樹脂3が完全に硬化し
ていない状態の樹脂含浸紙5と接着剤層8が接触する状
態で、プレコート紙7の含浸樹脂3と硬化性樹脂からな
る接着剤層8をともに硬化させてプレコート紙7と基板
9とを一体化して、図1に示す如き化粧板1が得られ
る。
【0058】尚、上記含浸樹脂3の硬化と接着剤層8の
硬化は、両者が接触している状態であればいずれを先に
硬化させてもよく、同時であってもよいし、又、含浸樹
脂3を先に硬化させても、接着剤層8を先に硬化させて
も、いずれでもよい。又、トップコート層6が完全に硬
化していない場合には、適当な時期に完全に硬化させ
る。この硬化時期は、接着剤層8の硬化と同時、その
前、後、又は含浸樹脂3の硬化と同時その前、後のいず
れの時期であってもよい。
【0059】化粧板1において、更に層間強度を向上さ
せるためには、下記の手段を用いるのか好ましい。
(ア)含浸樹脂3とトップコート層6の樹脂どうし、
(イ)含浸樹脂3と接着剤層8の樹脂どうし、(ウ)含
浸樹脂3とトップコート層6の樹脂どうし、及び含浸樹
脂3と接着剤層8の樹脂どうしが反応する樹脂を用い、
各層の樹脂が硬化する際に架橋するように構成するのが
好ましい。特に好ましいのは、上記(ウ)の構成であ
り、全体の層間強度がきわめて優れた化粧板が得られ
る。具体的には下記の表1に示す〜の手段を用いる
のが好ましい。
【0060】
【表1】
【0061】トップコート層6の樹脂として、含浸樹
脂3同様に完全に硬化しない状態において常温で固体状
の樹脂を使用して、含浸樹脂3、トップコート層6及び
接着剤層8の樹脂が、同じ硬化手段によって硬化可能な
反応性基を有する樹脂により構成する。そして、プレコ
ート紙7を形成した時点ではトップコート層6の樹脂及
び含浸樹脂7を共に完全に硬化しない状態とし、接着剤
層8を介して上記プレコート紙7を基板9に積層した後
に、含浸樹脂3、トップコート層6及び接着剤層8の樹
脂を硬化させる。この場合の硬化性樹脂は電離放射線硬
化性樹脂、及び熱硬化性樹脂の何れも使用できる。具体
的には、表1−aに示すように、硬化性樹脂として例
えば電離放射線硬化性樹脂(RC)を用いる場合や、同
表−bに示すように熱硬化性樹脂(HC)を用いる場
合がある。
【0062】含浸樹脂3として電離放射線硬化性(R
C)及び熱硬化性(HC)の両方の反応性基を有する樹
脂を用い、トップコート層6の樹脂として上記のいずれ
か一方のみの反応性基しか持たない樹脂を用い、接着剤
層8の樹脂としてトップコート層6の樹脂とは異なる反
応性基を有する樹脂を用いる。そして、プレコート紙7
の製造の際、トップコート層6を塗工した後にトップコ
ート層6と含浸樹脂3の一方を共に硬化させ、トップコ
ート層6の樹脂と含浸樹脂3の一部とを架橋させる。そ
の結果、接着剤層8の樹脂と同じ反応性基が含浸樹脂3
に残っているプレコート紙7が得られる。最後にこのプ
レコート紙7を接着剤層8を介して基板9に積層した
後、化粧紙7の含浸樹脂3を接着剤層8と共に上記のト
ップコート層6の硬化手段とは異なる手段で硬化させ
て、接着剤層8の樹脂と含浸樹脂3とを架橋させる。
尚、上記の含浸樹脂3として電離放射線硬化性及び熱硬
化性の両方の性質を示す樹脂としては、両硬化性樹脂を
混合したもの、又は1分子中に電離放射線硬化性及び熱
硬化性の両方の反応性基を有する樹脂のいずれを使用し
てもよい。
【0063】トップコート層6の樹脂として電離放射
線硬化性(RC)及び熱硬化性(HC)の両方の反応性
基を有する樹脂を用い、含浸樹脂3として上記のいずれ
か一方のみの反応性基しか持たない樹脂を用い、接着剤
層8の樹脂として含浸樹脂3と同じ反応性基のみを有す
る樹脂を用いる。そして、プレコート紙7の製造の際、
トップコート層6を塗工した後に含浸樹脂3が硬化しな
い方の硬化手段によって、トップコート層6を半硬化さ
せて含浸樹脂3が未硬化のプレコート紙7を得る。この
プレコート紙7を基板9に積層した後に、トップコート
層6を硬化した手段とは異なる手段でプレコート紙7の
トップコート層6の一部の未硬化の樹脂、含浸樹脂3及
び接着剤層8の樹脂を硬化させる
【0064】化粧板1を製造する場合、含浸樹脂、トッ
プコート層の樹脂又は接着剤層の樹脂のいずれかに電離
放射線硬化性樹脂を用いた場合、電離放射線照射装置が
用いられる。
【0065】電離放射線照射装置は、電離放射線として
紫外線を照射する場合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低
圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライトランプ、メ
タルハライドランプ等の光源が用いられ、又、電子線を
照射する場合には、コックロフトワルトン型、バンデグ
ラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直
線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速
器等を用いる。尚、電子線を照射する場合、通常100
〜1000keV、好ましくは100〜300keVの
エネルギーを持つ電子を0.1〜30Mrad程度の照
射量で照射して硬化させるのが化粧紙(原紙等)の劣化
を防止する点から好ましい。
【0066】又、各層の何れかに熱硬化性樹脂を用いた
場合の硬化装置としては、各種の加熱手段を備えた装置
が用いられる。加熱装置としては例えば、赤外線照射、
温風吹付、加熱ローラーからの熱伝導等の公知の方法が
用いられる。
【0067】プレコート紙7を基板9へ積層するには、
プレスラミネート、ロールラミネート等の方法が用いら
れる。好ましい積層方法は、樹脂含浸のし易さの点から
プレスラミネートである。
【0068】本発明の化粧板1は、トップコート層6及
び接着剤層8と樹脂含浸紙5の界面では、樹脂含浸紙の
樹脂が完全に硬化しない状態で樹脂含浸紙と各層が接触
するため、樹脂どうしがよくなじんで、層間強度が向上
する。
【0069】また、含浸樹脂の含浸量が多少多くても、
乾燥又は冷却後に指触乾燥性を有するため、プレコート
紙の製造ラインのガイドロール等を汚染する虞れはな
い。また、含浸樹脂の含浸量がやや少なくても、乾燥又
は冷却後は固体状に形成されるため、含浸紙の表面に塗
工するトップコート層の塗工組成物の粘度が多少低い際
に、塗工組成物が含浸紙の裏面にまで達して流落した
り、含浸樹脂と塗工組成物とが混合してしまう虞れがな
い。
【0070】本発明の化粧板1は、トップコート層6に
該層の硬化性樹脂よりも高硬度の球状粒子10が含有さ
れていることが好ましい。球状粒子10は、真球状、あ
るいは球を偏平にした楕円球状ならびに該真球や楕円球
状に近い形状等のように、表面が滑らかな曲面で囲まれ
ていればよい。球状粒子10は、特に粒子表面に突起や
角のない、いわゆるカッティングエッジのない球状が好
ましい。
【0071】球状粒子10をトップコート層6の塗工組
成物に含有せしめる量は、球状粒子10が硬化後のトッ
プコート層において、硬化性樹脂からなるバインダー成
分100重量部に対し5〜20重量部となるようにトッ
プコート層の塗工組成物を調整するのが好ましい。
【0072】球状粒子10の粒子径は、通常0.1〜1
00μm(平均粒径)のものが使用可能である。球状粒
子10の粒子径が小さくなると耐摩耗性は低下し、一
方、粒子径が大きくなると耐摩耗性が向上するが、粒子
径が大きくなりすぎると、塗工の際の均一な塗工が困難
になる。又、好ましい球状粒子10の粒子径はトップコ
ート層6の厚みによっても異なり、例えば、トップコー
ト層6の厚みを10〜30μmに形成する場合には、球
状粒子10の粒子径は10〜50μmの範囲が好まし
く、更に好ましくは10〜30μmである。
【0073】球状粒子10の材質はトップコート層6に
用いられる硬化性樹脂よりも高硬度であればよく、無機
粒子及び有機樹脂粒子のいずれも用いることができる。
球状粒子10の硬化性樹脂との硬度の差は、硬度はモー
ス硬度、ビッカース硬度等の方法で計測され、例えばモ
ース硬度で表した場合1以上あるのが好ましい。
【0074】球状粒子10の具体的な材質として、α−
アルミナ、シリカ、酸化クロム、酸化鉄、ダイヤモン
ド、黒鉛等の無機粒子、及び、架橋アクリル等の合成樹
脂ビーズ等の有機樹脂粒子が挙げられる。特に好ましい
球状粒子10として、非常に硬度が高く耐摩耗性に対す
る効果が大きいこと、及び球形状のものが比較的容易に
得やすい等の理由から、球形のα−アルミナを挙げるこ
とができる。
【0075】球形のα−アルミナは、特開平2−552
69号公報に記載されているように、アルミナ水和物、
ハロゲン化合物、硼素化合物等の鉱化剤あるいは結晶剤
を、電融アルミナあるいは焼結アルミナの粉砕品に少量
添加し、1400℃以上の温度で2時間以上熱処理する
ことで、アルミナ中のカッティングエッジが減少し同時
に形状が球形化したものが得られる。このような球形状
のアルミナは、昭和電工(株)より「球状アルミナ(S
pherical Alumina)AS−10、AS
−20、AS−30、AS−40、AS−50」として
各種の平均粒子径のものが市販されている。
【0076】球状粒子10は、その粒子表面を処理する
ことができる。例えばステアリン酸等の脂肪酸で処理す
ることで分散性が向上する。又、表面をシランカップリ
ング剤で処理することで、バインダーとして使用する硬
化性樹脂との間の密着性や塗工組成物中での粒子の分散
性が向上する。シランカップリング剤としては、分子中
にビニルやメタクリル等のラジカル重合性不飽和結合を
有するアルコキシシランや、分子中にエポキシ、アミ
ノ、メルカプト等の官能基を有するアルコキシシランが
挙げられる。シランカップリング剤は、球状粒子と共に
使用する硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択できる。
【0077】球状粒子10の表面を処理するシランカッ
プリング剤は、例えばトップコート層6の硬化性樹脂と
して(メタ)アクリレート等の電離放射線硬化性樹脂を
用いた場合には、ラジカル重合性不飽和結合を有するア
ルコキシシランを用いる。又トップコート層6の硬化性
樹脂として、二液硬化型のウレタン樹脂を用いた場合に
は、エポキシ基やアミノ基を有するアルコキシシランを
用いる。このように、シランカップリング剤は、トップ
コート層の硬化性樹脂に応じてラジカル重合性不飽和結
合や官能基の種類等を選択することが好ましい。
【0078】ラジカル重合性不飽和結合を有するアルコ
キシシランとして具体的には、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
ジメチルメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
ジメチルエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルジメチルメ
トキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、γ−アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシランなどの分子中にラジカル
重合性不飽和結合を有するアルコキシシランや、分子中
にエポキシ、アミノ、メルカプト等の官能基を有するア
ルコキシシラン等がある。
【0079】球状粒子10の表面をシランカップリング
剤で処理する方法は、特に制限はなく、公知の方法が使
用できる。例えば、乾式法として球状粒子10を激しく
かくはんしながら所定量のシランカップリング剤を吹き
つける方法や、湿式法としてトルエン等の溶剤中に球状
粒子10を分散させた後に、所定量のシランカップリン
グ剤を加え反応させる方法が挙げられる。
【0080】球状粒子に対するシランカップリング剤の
処理量(所要量)は、球状粒子の比表面積100に対し
てシランカップリング剤の最小被覆面積が10以上とな
る処理量が好ましい。球状粒子の最小被覆面積が球状粒
子の比表面積100に対して10未満の場合はあまり効
果がない。
【0081】トップコート層6に用いる硬化性樹脂は、
その架橋密度が高くなるほど耐摩耗性は向上するが、柔
軟性(可撓性)は低下する。そのため硬化性樹脂の架橋
密度は、化粧板の用途等によって耐摩耗性と柔軟性に応
じて適宜選定するのが好ましい。
【0082】トップコート層6に柔軟性を持たせること
で、一旦プレコート紙7を製造し該プレコート紙7を基
板9に積層接着する場合に、プレコート紙をロール状に
巻き取る際、トップコート層6に亀裂が入ったり割れが
生じるのを防ぐことができる。又、化粧板1として成形
された後では、表面の感触に優れ、表面に対する強い衝
撃等による割れを防止できる。
【0083】トップコート層6の架橋密度は、硬化性樹
脂が多成分のプレポリマー、オリゴマー、モノマー等を
混合して構成される場合、下記の数1に示す平均架橋間
分子量で表すことができる。
【0084】
【数1】 平均架橋間分子量=全体の分子量/架橋点の数・・・・・・・・・・〔1〕 但し、上記〔1〕式において、全体の分子量は、Σ(各
成分の配合モル数×各成分の分子量)であり、架橋点の
数は、Σ[{(各成分の官能基数−1)×2}×各成分
のモル数]である。
【0085】トップコート層6の硬化性樹脂について、
平均架橋間分子量と塗膜の耐摩耗性と可撓性の関係をみ
た実験例を下記の表2に示した。表2は、硬化性樹脂を
ウレタンアクリレートオリゴマーと2種類のアクリレー
トモノマーとの3成分から構成し各成分の混合比を変え
て平均架橋間分子量を異ならしめ、塗布量25g/m2
として塗工したものを硬化させた場合の耐摩耗性と可撓
性を比較したものである。
【0086】表2の耐摩耗性試験はJIS K6902
に準じて行い樹脂層の厚みが半分になるまでの回数を示
した。また可撓性は、硬化した硬化性樹脂が非常に柔軟
であるのを◎、良好を○、やや柔軟性が低いのを△、柔
軟性がかなり低いものを×で示した。
【0087】尚、上記の塗膜組成物中に、実験No.1
〜5は球状粒子としてA:平均粒径30μmの球状のα
−アルミナを硬化性樹脂100重量部に対し11重量部
添加し、実験No.6は球状粒子を用いずにB:平均粒
子径30μmの不定形のカドを有する従来型のα−アル
ミナを同量添加したものである。
【0088】
【表2】
【0089】表2の樹脂系では、平均架橋間分子量は1
00〜1000の範囲で用いることができるが、より好
ましくは100〜700である。また、プレコート紙7
を基板9に貼着して化粧板1を製造する場合、トップコ
ート層6に柔軟性が要求されるが、平均架橋間分子量が
300〜700のものを用いた場合には、柔軟性及び耐
摩耗性ともに良好なトップコート層6が得られる。
【0090】又、トップコート層6の硬化性樹脂の平均
架橋間分子量が小さい程(即ち、架橋密度が大きい)、
バインダーとしての硬化性樹脂が球状粒子10をしっか
りと保持し、耐摩耗性が更に向上することを示すもので
ある。従って、可撓性を損なわない範囲で硬化性樹脂の
平均架橋間分子量を小さく調節することで、更に耐摩耗
性を向上させることができる。
【0091】〔参考例〕現在市販されている一般的な各
種化粧材について、上記実験例と同様にして耐摩耗性試
験を行った結果を、参考例として下記の表3に示した。
【0092】
【表3】
【0093】高硬度の球状粒子10を含有せしめること
で、更に耐摩耗性が向上する。また、球状粒子10は、
不定形粒子と比較して、トップコート層の耐摩耗性が向
上するにも係わらず、それ自身は他の物を摩耗させにく
いため、トップコート層塗工時のローラーやブレード等
を摩耗させず、トップコート層として形成した後にトッ
プコート層と接触する物体を摩耗させないという利点が
ある。また、球状粒子10の、耐摩耗性を大きく向上さ
せ、塗工装置を摩耗させず、硬化塗膜と接する他の物を
摩耗させないといった特徴は、カッティングエッジがな
い場合特に効果が大きい。これらの理由について以下に
述べる。
【0094】化粧材に限らず一般的に表面の樹脂層の耐
摩耗性を改良する手段として、硬い粒子を添加すること
は、従来から行われている。例えば特開昭60−234
62号公報には、従来からサンドブラスト法やブラシ研
磨法等の研磨剤として使用されていた平均粒子径が約1
〜50μmのSiO2 及びAl2 3 を主成分とする天
然ガラスの粉末を配合した塗料を用いて表面樹脂層を構
成することが開示されている。上記の塗料は優れた硬度
の被膜を形成し、摩擦や引っかき力等に対して優れた耐
久性を与えるとされている。
【0095】また、表面の耐摩耗性や耐擦傷性を向上さ
せる目的で、電離放射線硬化型樹脂に該樹脂100重量
部当たり10〜30重量部の粒径1〜5μmのα−アル
ミナ粉体を添加して構成した樹脂層を、転写シートの転
写後に被転写体の表面に位置する表面保護層として構成
した転写シートを本願出願人は先に出願している(特開
平3−76698号公報)。
【0096】しかしながら、上記のα−アルミナや天然
ガラスの粉末等の無機材料を添加した塗料を用いて化粧
材とした場合、化粧材の耐摩耗性は無機材料を添加しな
いものと比較して向上するものの、いまだ不十分なもの
である。特に、床面に使用される化粧材のように高い耐
摩耗性が要求される場合には、更に優れた耐摩耗性が望
まれている。
【0097】また、含浸紙等の化粧材の基材表面に上記
の塗料を用いて塗工して耐摩耗性を有する表面樹脂層
(トップコート層)を形成する際、グラビアロールコー
トを用いる場合にはグラビアロールやドクターブレード
が上記塗料と直接接するが、α−アルミナは菱面晶系の
結晶であり、塗料に研削材や研磨材等として利用される
α−アルミナや天然ガラスの粉末等は不定形、乃至は多
角形状のカドの尖った形状の為、グラビアロールやドク
ターブレードを摩耗させたり傷を付けたりする。
【0098】また上記の不定形のα−アルミナの様な粉
末を添加した塗膜は、白濁して透明性が低下し化粧材の
意匠が充分に生かせない。更に、硬質で多角形状の粉末
を添加した塗膜は、手触り感が荒く、又、靴等のそれに
隣する物体を摩耗させてしまう欠点がある。
【0099】図3は本発明の化粧板の作用を説明するた
めの図であり、同図(a)は球状粒子を用いたトップコ
ート層の表面に応力が加わった場合の表面付近を拡大し
た状態を表し、また同図(b)は従来の不定形乃至多角
形状粒子を用いたトップコート層の表面に応力が加わっ
た場合の表面付近を拡大した状態を表している。
【0100】同図(a)に示すように本発明の化粧板の
表面に他の接触物11により応力が加わった場合、トッ
プコート層6の球状粒子10は滑らかな表面を有するた
め、該粒子10の表面を接触物11がすべり易く、応力
が分散される。従って、バインダーとしての硬化性樹脂
から球状粒子10が脱落したりする虞れがない。
【0101】そのため本発明の化粧板のトップコート層
は滑りがよく耐摩耗性が著しく向上する。これに対し、
同図(b)に示すように従来の不定形粒子12を使用し
た場合には、該粒子12の表面の突起状に形成された部
分に接触物11が引っ掛かり応力が加わり易くなって、
不定形粒子12は硬化性樹脂から脱落し易い。
【0102】また、トップコート層6の球状粒子10は
不定形粒子11と比較してぞうきんがけ等の際に引っ掛
かる虞れがなく、他の接触物の表面を傷つけたり、摩耗
させたりすることがない。
【0103】又、熱可塑性樹脂のような非架橋性樹脂で
ある軟質の樹脂に、それより格段に硬い粒子を添加分散
させた場合は、粒子外力が加わった際に、樹脂が硬質粒
子により破壊されて脱落したり、或いは摩耗物に引きず
られて鍬が畑を耕す如く樹脂表面を傷つける作用をな
し、耐摩耗性は期待した程向上しない。
【0104】これに対し本発明に於いては、バインダー
樹脂として硬化性樹脂を用いているため強度が高く此の
ような硬質粒子の脱落、傷付けを起こさず、よって著し
く塗膜の耐摩耗性を向上させることができる。
【0105】更に、同図(b)に示すように、従来の不
定形粒子11を使用したトップコート層6は、不定形粒
子10の周囲に空隙13等が存在し易くなるが、本願発
明の場合には球状粒子であるためそのような空隙13は
発生しにくい。従って、トップコート層には空気の層が
できにくく、表面が白化しないので意匠性を低下させな
い。また、隙間ができないことはバインダーの硬化性樹
脂との結合強度も強まり上記の耐摩耗性の向上にも寄与
している。
【0106】以下、具体的実施例を挙げ本発明を更に詳
細に説明する。 実施例1 絵柄印刷が表面に施された坪量60gの化粧紙原紙の表
面に、メラミン樹脂(乾燥後に常温で固体状となる樹
脂)を含浸して乾燥し樹脂含浸紙を製造し、この樹脂含
浸紙の印刷面に下記組成Aのトップコート層塗工組成物
をロールコートにて30g/m2 塗工した後、175k
v・5Mradの電子線を照射して、トップコート層を
半硬化させたプレコート紙を得た。尿素系接着剤が30
g/m2 塗工された厚さ10mmのパーチクルボードを
上記プレコート紙の裏面側に積層し、加熱してラミネー
トプレスを行って、含浸紙の未硬化のメラミン樹脂とト
ップコート層の未硬化のメラミンポリマー、及び接着剤
の尿素系樹脂とを同時に硬化させて、化粧板を得た。
【0107】 〔組成A:トップコート層の塗工物組成〕 ・ウレタンアクリレートオリゴマー 30重量部 ・2官能アクリレートモノマー 20重量部 ・シリコンアクリレート 0.5重量部 ・メラミンポリマー 30重量部 ・溶剤 20重量部
【0108】得られた化粧板は、トップコート層と含浸
紙、含浸紙と接着剤層との間の層間強度に優れたもので
あり、又、プレコート紙形成の際に含浸樹脂が常温で固
体状であるため、トップコート層の塗工を安定して行う
ことができ、作業性が良好であった。又、プレコート紙
はトップコート層が半硬化した状態で流動性がないた
め、プレコート紙からトップコートの樹脂が垂れる等の
不具合がなく、基板への積層も作業性良く行うことがで
きた。
【0109】実施例2 絵柄印刷が表面に施された坪量30gの化粧紙原紙の表
面に、電子線硬化型ポリエステルアクリレート樹脂(乾
燥後に未硬化の状態で固体状となる樹脂)を含浸した
後、この化粧紙の印刷面に下記組成Bの塗工組成物をロ
ールコートにて30g/m2 塗工した後、160W×3
Pの紫外線を照射して半硬化の状態のトップコート層を
形成したプレコート紙を得た。次いで、厚さ10mmの
パーチクルボードの表面に電子線硬化型ウレタンアクリ
レート接着剤を30g/m2 塗工した該接着剤面に、上
記のプレコート紙を積層し、ラミネートプレスを行い加
熱によりトップコート層のメラミン樹脂を完全に硬化さ
せた後、175kv・10Mradの電子線を照射して
含浸樹脂及び接着剤層の樹脂を完全に硬化させて化粧板
を得た。
【0110】 〔組成B:トップコート層の塗工物組成〕 ・ウレタンアクリレートオリゴマー 20重量部 ・2官能アクリルモノマー 20重量部 ・メラミンポリマー 20重量部 ・光開始剤 2重量部 ・溶剤 20重量部
【0111】得られた化粧板は、トップコート層と含浸
紙、含浸紙と接着剤層との間の層間強度、及び耐摩耗性
に優れたものであり、又、プレコート紙形成の際に含浸
樹脂が常温で固体状であるため、トップコート層の塗工
を安定して行うことができ、作業性が良好であった。
又、プレコート紙はトップコート層が半硬化した状態で
流動性がないため、プレコート紙からトップコートの樹
脂が垂れる等の不具合がなく、基板への積層も作業性良
く行うことができた。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように本発明の化粧板は、
含浸樹脂が完全に硬化しない状態の樹脂含浸紙にトップ
コート層及び接着剤層が積層され硬化されてなる構成を
採用したことにより、樹脂含浸紙とトップコート層、及
び樹脂含浸紙と基板との間で強固に密着しているため、
層間強度が高く良好な耐摩耗性が得られる。しかも、化
粧板であるためアフターコート化粧板と比較して生産性
に優れる。
【0113】本発明の化粧板は、含浸樹脂として完全に
硬化しない状態に於いて乾燥又は冷却によって常温で非
流動性であり且つ非粘着性の塗膜を与える樹脂を用いて
いるため、化粧板製造の際に樹脂含浸紙の表面に均一な
トップコート層を形成可能であり、更にトップコート層
の塗工の際に含浸樹脂が垂れる虞れがなく、周囲を汚さ
ずに製造が容易に行える。
【0114】更に、化粧板の製造の際に、特殊な製造装
置や含浸樹脂を保持するためのフィルム等が不要であ
り、製造する際に幅広い製造方法に対応することができ
る。例えば樹脂含浸紙を形成する工程、トップコート層
を形成する工程、及び基板に積層する工程等を別々のラ
インに分けて行うことができる。また、含浸樹脂が未硬
化の状態でトップコート層が形成されたプレコート紙を
一旦製造しておいて、しかる後に、別の工程で上記プレ
コート紙を基板に積層一体化することで化粧板を容易に
製造可能である。このように、従来の化粧板の化粧紙を
製造する場合のような、含浸樹脂を含浸して直ぐにトッ
プコート層を塗工して両者を硬化させる必要はないた
め、生産ラインを自由に設計することができる。
【0115】本発明の化粧板において、トップコート層
の硬化性樹脂が、完全に硬化しない状態に於いて乾燥又
は冷却によって常温で非流動性であり且つ非粘着性の塗
膜を与える樹脂である場合は、化粧板を製造する際、含
浸樹脂及びトップコート層を完全に硬化させない状態の
プレコート紙を一旦製造し、接着剤層を介して基板に積
層する場合に全体を一度に硬化させることができる。上
記のプレコート紙の場合、トップコート層が流動する虞
れがなく、作業性に優れる。
【0116】又、上記の化粧板において、トップコート
層の硬化性樹脂が、樹脂含浸紙の含浸樹脂と反応する樹
脂である場合や、接着剤層の硬化性樹脂が、樹脂含浸紙
の含浸樹脂と反応する樹脂である場合は、更に各層の層
間強度が良好であり、耐久性が向上する。
【0117】又、化粧板のトップコート層に球状粒子を
含有せしめた場合には、更に優れた耐摩耗性が得られ
る。特に、上記のトップコート層の硬化性樹脂の平均架
橋間分子量が100〜1000である場合には、柔軟性
と耐摩耗性が共に良好な化粧板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧板の1例を示す縦断面図である。
【図2】本発明の化粧板の製造方法の1例を示す工程図
である。
【図3】本発明の化粧板の作用を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1 化粧板 2 化粧紙原紙 3 含浸樹脂 5 樹脂含浸紙 6 トップコート層 7 プレコート紙 8 接着剤層 9 基板 10 球状粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 5/24 CFD C08J 5/24 CFD E04F 13/18 8913−2E E04F 13/18 A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化粧紙原紙に硬化性樹脂からなる含浸樹
    脂が含浸された樹脂含浸紙の表面に硬化性樹脂からなる
    トップコート層が設けられたプレコート紙が、樹脂含浸
    紙の裏面に接着剤層を介して基板に積層一体化されてな
    る化粧板であって、上記含浸樹脂及び接着剤層の樹脂が
    互いに反応する反応基を有する硬化性樹脂であり、上記
    プレコート紙の含浸樹脂が完全に硬化しない状態であ
    り、常温で非流動性且つ非粘着性に形成され、上記プレ
    コート紙のトップコート層が非流動性且つ非粘着性に形
    成され、上記プレコート紙の含浸樹脂を未硬化の接着剤
    層と接触させた後、含浸樹脂及び接着剤層を完全に硬化
    せしめて、プレコート紙と基板とが積層一体化されてい
    るものであることを特徴とするプレコート紙を用いた化
    粧板。
  2. 【請求項2】トップコート層の樹脂が含浸樹脂と互いに
    反応する反応基を有するものである請求項1記載のプレ
    コート紙を用いた化粧板。
  3. 【請求項3】 プレコート紙のトップコート層が完全に
    硬化しない状態で、プレコート紙が基材に積層一体化さ
    れてなる請求項1又は2記載のプレコート紙を用いた化
    粧板。
  4. 【請求項4】 トップコート層に該層の硬化性樹脂より
    も高硬度の球状粒子が含有せしめられている請求項1〜
    3のいずれか1項に記載のプレコート紙を用いた化粧
    板。
  5. 【請求項5】 トップコート層の硬化性樹脂の平均架橋
    間分子量が100〜1000である請求項1〜4のいず
    れか1項に記載のプレコート紙を用いた化粧板。
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