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JPH11309998A - 化粧材の製造方法 - Google Patents

化粧材の製造方法

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Publication number
JPH11309998A
JPH11309998A JP13427998A JP13427998A JPH11309998A JP H11309998 A JPH11309998 A JP H11309998A JP 13427998 A JP13427998 A JP 13427998A JP 13427998 A JP13427998 A JP 13427998A JP H11309998 A JPH11309998 A JP H11309998A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
resin
transfer
sheet
transfer layer
Prior art date
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Pending
Application number
JP13427998A
Other languages
English (en)
Inventor
Reiko Suga
玲子 菅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP13427998A priority Critical patent/JPH11309998A/ja
Publication of JPH11309998A publication Critical patent/JPH11309998A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬質の表面保護層等となる樹脂転写層と、絵
柄転写層との基材への転写を1工程で済ませる。 【解決手段】 離型性支持体シート1上に、未硬化の状
態では常温で非流動状態であり、かつ、熱可塑性である
電離放射線硬化性樹脂の未硬化物からなる樹脂転写層2
を有する中間シートS1に対し、離型性支持体シート1
a上に絵柄転写層4として少なくとも絵柄層5を有する
絵柄転写シートS2から絵柄転写層を樹脂転写層面に転
写して一体型転写シートSとした後、一体型転写シート
で、基材に樹脂転写層及び絵柄転写層を転写後、電離放
射線を照射して樹脂転写層を架橋硬化させて化粧材Dと
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の外装及び内
装材、家具、家電製品等に用いる化粧材の製造方法に関
する。具体的には、表面保護層等となる樹脂層を有する
無機系化粧板等の化粧材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、化粧板等として各種化粧材
が、基材への転写法等を利用した装飾で製造されてい
る。そして、耐擦傷性等の表面物性を向上させたりする
為には、硬質の樹脂層からなる表面保護層等を例えば、
以下の方法等で設けている。 基材に、紫外線硬化性樹脂塗料をスプレー塗装して表
面保護層ともなる装飾層を形成して化粧材とする方法。 或いは、基材に、絵柄層を転写法等により形成した
後、更にその上に紫外線硬化性樹脂塗料等により表面保
護層を形成する方法。 或いは、特公平5−57120号公報に記載の如く、
離型性支持体シート上に転写層として、未硬化状態でも
常温で非粘着固体の紫外線硬化性樹脂または電子線硬化
性樹脂の未硬化樹脂層からなる保護層、及び絵柄層を有
する転写シートにて、基材に保護層及び絵柄層を転写し
た後、紫外線または電子線を照射して転写された保護層
を架橋硬化させる方法。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の方法では、スプレー塗装による為に、ムラ、抜け等の
塗装欠点が多く、生産性も劣った。また、全面単色で1
色のみによる表面化粧は可能だが、パターンを有する絵
柄は不可能で、意匠感に優れた化粧材は得られない。ま
た、上記の方法では、絵柄の転写工程と、表面保護層
の塗装工程等と、2工程が必要であったために、作業効
率が劣った。また、上記の方法では、保護層の硬化後
の硬度等の表面物性を向上させる為には硬化塗膜の架橋
密度を高くする為、一般に低分子量のモノマーを主成分
とする必要がある。しかし、その様にすると未硬化状態
の保護層の耐溶剤性が不十分となり、その上に印刷した
場合に印刷インキ中の溶剤で保護層が溶解、膨潤して、
版側に取られたり、或いは、未硬化樹脂層からなる保護
層が、常温で粘着性を帯びたりして、該未硬化樹脂層上
に絵柄層が印刷できなくなる。この為、基材に表面保護
層と絵柄層とを1工程で同時転写する場合では、該表面
保護層として表面物性に優れたものは得られなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の化粧材の製造方法は、第1の離型性支
持体シート上に、未硬化の状態では常温で非流動状態で
あり、かつ、熱可塑性である電離放射線硬化性樹脂の未
硬化物からなる樹脂転写層を有する中間シートに対し
て、第2の離型性支持体シート上に絵柄転写層として少
なくとも絵柄層を有する絵柄転写シートを用いて、該絵
柄転写層を前記樹脂転写層面に転写することで、前記第
1の離型性支持体シート上に、樹脂転写層及び絵柄転写
層がこの順に一体となって積層された一体型転写シート
とした後、該一体型転写シートを用いて、基材に樹脂転
写層及び絵柄転写層を転写した後、電離放射線を照射し
て転写された樹脂転写層を架橋硬化させて化粧材とする
様にした。この結果、表面保護層等となる樹脂転写層
と、絵柄転写層とを1工程で同時に基材に転写して化粧
材を製造でき、作業効率が向上する。しかも、表面保護
層等となる樹脂転写層を、高架橋密度とする為に、耐溶
剤性が劣り、また未硬化時に常温で粘着性の出易い、低
分子量のモノマーを多量に使用しても、(一体型)転写
シートに於ける絵柄転写層の形成を直接印刷ではなく転
写法で行う為、支障なく絵柄を樹脂転写層上に形成する
事もできる。
【0005】また、上記製造方法において、更に、樹脂
転写層の電離放射線硬化性樹脂の主成分として、重合性
不飽和基を持た無い熱可塑性のアクリル系樹脂と、重合
性不飽和基を有するモノマー及び/又はプレポリマーと
を用いる事で、転写後、架橋硬化された樹脂転写層に、
擦傷性等の表面物性の他に、適度の可撓性を与えて、亀
裂が入り難い強靱な表面を与える。また、中間シートに
於ける未硬化時の樹脂転写層がモノマー成分が多く液状
や粘着性となる場合でも、非粘着非流動状態に調整する
こともできる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の化粧材の製造方法
について、実施の形態を説明する。
【0007】〔概要〕図1は本発明の化粧材の製造方法
を概念的に説明する説明図である。先ず、図1(A)は
中間シートの構成を示す断面図である。中間シートS1
は、基本的には、第1の離型性支持体シート1に対して
転写層として上記特定材料からなる未硬化状態の樹脂転
写層2が積層された構成である。樹脂転写層2が粘着性
を有する場合で取扱いに支障を来すときは、同図左側に
示す中間シートS1aの如く、樹脂転写層2を覆うセパ
レータ3を備えた構成として、絵柄転写シートで絵柄層
を転写する時にセパレータ3を剥離して、中間シートS
1の構成にして使用すれば良い。絵柄転写シートS2
は、図1(B)の断面図に例示の如く、第2の離型性支
持体シート1aの上に、絵柄転写層4として少なくとも
絵柄層5が積層された構成であり、図(B)の場合は更
に絵柄転写層の一部として絵柄層5の上に、該絵柄層と
前記樹脂転写層2との密着向上を図るプライマー層6を
有する構成である。絵柄転写シートS2に於ける、第2
の離型性支持体シート1aは、中間シートS1の第1の
離型性支持体シート1とは別体の物であるが、もちろん
同一材料のシートを用いても良い。
【0008】そして、本発明の化粧材の製造方法では、
中間シートS1(或いは中間シートS1aのセパレータ
剥離後のシート)の樹脂転写層2の面に対して、絵柄転
写シートS2からその絵柄層5を含む絵柄転写層4を転
写して、図1(D)に例示の如き一体型転写シートSと
する。この場合の転写は、両方ともシート状であるの
で、例えば図1(C)の様に、ローラ転写法として、二
本の適宜加熱されたローラ間を中間シートS1及び絵柄
転写シートS2を通して両シートS1及びS2を転写層
側が対向する様にして接着させて、而る後、第2の離型
性支持体シート1aのみを剥離除去すれば、連続的に行
える。得られる一体型転写シートSに於ける離型性支持
体シート1は、中間シートS1又はS1aに使われた第
1の離型性支持体シート1である。この様にして、一体
型転写シートSは、図1(D)の如く、第1の離型性支
持体シート1上に、樹脂転写層2、絵柄転写層4(この
場合は、プライマー層6と絵柄層5)がこの順に積層さ
れた構成の転写シートとなる。
【0009】そして、一体型転写シートSを用いて、基
材Bに転写し、而る後に電離放射線を照射すれば、1工
程で図1(E)に例示の如き化粧材Dが得られる。同図
に例示する化粧材Dの構成は、基材側から順に、基材
B、絵柄転写層4(基材B側の絵柄層5とプライマー層
6)、そして表面層として樹脂転写層2が積層された構
成となる。樹脂転写層は、表面を保護し耐擦傷性、耐水
性等の表面物性を向上する表面保護層として用いる他
に、塗装感等の意匠感を転写で形成する為の機能層とし
て用いられる。なお、絵柄転写層自体が転写時の接着剤
層として働かない場合は、基材側に接着剤層を設けて転
写する。
【0010】また、樹脂転写層を構成する樹脂である、
未硬化の状態では常温で非流動状態であり、かつ、熱可
塑性である電離放射線硬化性樹脂の未硬化物としては、
その主成分が、重合性不飽和基を持た無い熱可塑性のア
クリル系樹脂と、重合性不飽和基を有するモノマー及び
/又はプレポリマーとからなる構成とするのが、表面物
性を優れたものに向上させる為には好ましい。重合性不
飽和基を持た無い熱可塑性のアクリル系樹脂を有する構
成とする事で、架橋硬化後の樹脂転写層に、擦傷性等の
表面物性の他に、適度の可撓性が得られ、強靱となる。
また、未硬化時の樹脂転写層の樹脂にモノマー成分を多
く配合して液状や粘着性となる場合でも、非粘着非流動
状態に調整することもできる。
【0011】〔離型性支持体シート〕中間シート用いる
離型性支持体シート1(一体型転写シートの離型性支持
体シート1となるシート)、絵柄転写シートに用いる離
型性支持体シート1aとしては、同一のシートを用いて
も良く、それぞれ別のシートを用いても良く、いずれで
も良い。また、これら離型性支持体シート1、1aとし
ては、特に制限はなく一般的な転写シートとして、従来
公知の各種シートを用途に応じて使用すれば良い。例え
ば、樹脂シート(フィルム)の場合の樹脂としては、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート、エチレン・テレフタレート・イソフタレー
ト共重合体ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート
等の熱可塑性ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂等が用
いられる。また、樹脂シート以外にも、離型処理を施し
た紙等も使用される。特に上質紙に離型処理としてポリ
プロピレン等のポリオレフィン樹脂を離型層として積層
した積層体は、転写性に優れ且つ安価な点で好ましい。
離型性支持体シートの厚さは、通常20〜200μm程
度である。
【0012】なお、離型性支持体シートには、上記の様
に必要に応じ、転写層側に転写層との剥離性を向上させ
る為、支持体の構成要素として離型層を設けても良い。
また、剥離性の調整の為に、離型性支持体シートの転写
層側の面にコロナ処理、オゾン処理等を行っても良い。
なお、中間シートに用いる離型性支持体シートの場合で
は、転写層側の面に凹凸模様を設ければ、化粧材表面に
砂目、梨地、木目等の凹凸模様を賦形できる。凹凸模様
はエンボス加工等の公知の方法で形成する。
【0013】〔樹脂転写層〕中間シート及び一体型転写
シートに於ける樹脂転写層2は、未硬化の状態では常温
で非流動状態であり、かつ、熱可塑性である電離放射線
硬化性樹脂の未硬化物からなる層として構成する。未硬
化とは完全硬化前の状態である。ここで電離放射線とし
ては、分子を架橋、重合させ得るエネルギーを有するも
のであれば、特に制限は無いが、通常は、紫外線又は電
子線が用いられる。この様な樹脂としては、ラジカル重
合性等の重合性不飽和基又はカチオン重合性官能基を有
する樹脂である。重合性不飽和基としては、(メタ)ア
クリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基があり、
また、カチオン重合性官能基としてはエポキシ基などが
挙げられる。例えば、下記する樹脂(組成物)を使用で
きる。なお、本発明で言う「常温」とは、樹脂層転写シ
ート及び一体型転写シートを製造、保存し、また一体型
転写シートの離型性支持体シートの剥離作業を行う室内
(或いは室外)の雰囲気温度を意味する。具体的値は、
気候や作業環境によって異るが、通常は10〜40℃の
範囲、より一般的には15〜25℃の範囲である。又、
室温は支持体の剥離を行う最低の温度でもある。また、
本発明で言う非流動状態とは、粘着(剤)状態、指触乾
燥状態(非粘着状態)の両状態を包含する。
【0014】(I)ラジカル重合性不飽和基を有する、
熱可塑性の次の(1) 又は(2) の2種類の樹脂(プレポリ
マー)。 (1) ガラス転移温度が0〜250℃のポリマー中にラジ
カル重合性不飽和基を有するもの。更に具体的には以下
の〜を重合、もしくは共重合させたものに対し、後
述する方法(a) 〜(d) によりラジカル重合性不飽和基を
導入したものを用いることができる。なお、以下におい
て、例えば(メタ)アクリレートとはアクリレート又は
メタクリレートの意味で用いる。 水酸基を有するモノマー;N−メチロール(メタ)ア
クリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート
など。 カルボキシル基を有するモノマー;(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノサクシネー
トなど。 エポキシ基を有するモノマー;グリシジル(メタ)ア
クリレートなど。 アジリジニル基を有するモノマー;2−アジリジニル
エチル(メタ)アクリレート、2−アジリジニルプロピ
オン酸アリルなど。 アミノ基を有するモノマー;(メタ)アクリルアミ
ド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレートなど。 スルフォン基を有するモノマー;2−(メタ)アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸など。 イソシアネート基を有するモノマー;2,4−トルエ
ンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートの1モル対1モルの付加物などのジイソシア
ネートと活性水素を有するラジカル重合性モノマーとの
付加物など。 上記〜のモノマーと共重合可能で上記〜以外
のモノマー;このモノマーは得られる共重合体のガラス
転移温度や物性を調節する共重合成分として使用する。
例えば、メチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソ
ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレートなど。
【0015】次に、上述のようにして得られた重合体又
は共重合体を、以下に述べる方法(a) 〜(d) により反応
させてラジカル重合性不飽和基を導入する。 (a) 水酸基を有するモノマーの重合体又は共重合体の場
合には、前述したの(メタ)アクリル酸などのカルボ
キシル基を有するモノマーなどを縮合反応させる。 (b) カルボキシル基、スルフォン基を有するモノマーの
重合体又は共重合体の場合には、前述の水酸基を有す
るモノマーを縮合反応させる。 (c) エポキシ基、イソシアネート基、或いはアジリジニ
ル基を有するモノマーの重合体又は共重合体の場合に
は、前述の水酸基を有するモノマーもしくは前述の
カルボキシル基を有するモノマーを付加反応させる。 (d) 水酸基あるいはカルボキシル基を有するモノマーの
重合体又は共重合体の場合には、前述のエポキシ基を
有するモノマーあるいは前述のアジリジニルを有する
モノマーあるいは前述のジイソシアネート化合物と水
酸基含有アクリル酸エステルモノマーとの1モル対1モ
ルの付加物等のイソシアネート基を有するモノマーを、
付加反応させる。なお、上記反応を行うには、微量のハ
イドロキノンなどの重合禁止剤を加え、乾燥空気を送り
ながら行うことが望ましい。
【0016】(2) 融点が20℃〜250℃であり、ラジ
カル重合性不飽和基を有する化合物。具体的には、ステ
アリル(メタ)アクリレート、トリアクリルイソシアヌ
レート、シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、スピログリコールジアクリレート、スピログリコー
ル(メタ)アクリレートなどである。
【0017】また、上記(1) 及び(2) を混合して用いる
こともできる。更に、上記(1) 又は(2) 、又は(1) 及び
(2) の混合物に対して、反応性希釈剤としてラジカル重
合性のモノマーを加えることもできる。このラジカル重
合性モノマーは、紫外線や電子線等の電離放射線の照射
による架橋密度を上げて耐熱性を向上させる。該モノマ
ーとしては、例えば、前述の〜のモノマーの他に、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテルジ(メタ)アクリレート、ポレエチレングリコー
ルジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、プロ
ピレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アク
リレート、ポリプロピレングリコールジグリシジルエー
テルジ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラグリ
シジルエーテルテトラ(メタ)アクリレートなどを用い
ることができる。配合量は、前記(1) 又は(2) の単独又
は混合物の樹脂100重量部に対して、0.1〜100
重量部で用いることが好ましい。
【0018】(II) 或いは、また、ラジカル重合性
不飽和基を持った、モノマー及び/又はプレポリマー
と、重合性不飽和基を持た無い熱可塑性アクリル系樹脂
とが主成分を占めるもの。ここで該モノマーとしては、
前記(I)で列記したものが用いられ、該プレポリマー
としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタ
ン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレー
ト、メラミン(メタ)アクリレート、シリコーン(メ
タ)アクリレートなどのラジカル重合性不飽和基を有す
るプレポリマー等が用いられる。なお、プレポリマーと
しては、カチオン重合性官能基を有するプレポリマー、
例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型
エポキシ樹脂、ビニルエーテル系樹脂等も使用できる。
プレポリマーの分子量としては、250〜100,00
0程度の物を用いる。なお、モノマー及び/又はプレポ
リマーとは、モノマー及びプレポリマー、モノマー、プ
レポリマーのいずれかの意味である。
【0019】非架橋型樹脂として重合性不飽和基を持た
無い熱可塑性のアクリル系樹脂を加えることで、転写
後、架橋硬化された樹脂転写層に、擦傷性等の表面物性
の他に、適度の可撓性を与えて、亀裂が入り難い強靱な
表面を与える。また、中間シートに於ける未硬化時の樹
脂転写層がモノマー成分が多く液状や粘着性となる場合
でも、非粘着非流動状態に調整することもできる。該ア
クリル系樹脂は、そのモノマーとして、(メタ)アクリ
ル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)
アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブ
チル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリ
ル酸−n−アミル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アク
リル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル、(メタ)アクリル酸−2−クロルエチル、(メタ)
アクリル酸−3−クロルプロピル等の(メタ)アクリル
酸ハロゲン化アルキル、(メタ)アクルル酸−2−ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプ
ロピル等の水酸基を持つ(メタ)アクリル酸エステル、
α−クロル(メタ)アクリル酸メチル、α−クロル(メ
タ)アクリル酸エチルなどのハロゲン化(メタ)アクリ
ル酸エステル、(メタ)アクルル酸−1−クロル−2−
ヒドロキシエチルなどの水酸基を持つα−アルキル(メ
タ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アクリル酸グリ
シジル等の(メタ)アクリル系モノマーが用いられ、該
アクリル系樹脂は、以上の1種又は2種以上からなる単
独重合体又は共重合体である。
【0020】また、これらのアクリル系樹脂は、特に未
硬化時の非流動状態の樹脂転写層を非粘着(すなわち、
指触乾燥状態)とする場合は、平均分子量が50,00
0〜600,000で、ガラス転移温度が50〜130
℃、好ましくは80〜110℃のものが望ましい。平均
分子量が50,000未満の場合には、樹脂転写層の架
橋硬化後の耐擦傷性が極度に低下する。一方、平均分子
量が600,000を超える場合には、転写時に樹脂転
写層が伸びにくくなり、そのため転写時の変形により、
樹脂転写層に亀裂が発生し易い。また、ガラス転移温度
が50℃未満の場合には、樹脂転写層の架橋硬化後の耐
擦傷性が極度に低下する。一方、ガラス転移温度が13
0℃を超える場合には、転写時の樹脂転写層が伸びにく
くなる。
【0021】なお、紫外線にて硬化させる紫外線硬化性
樹脂の場合には、上記の樹脂中に、さらに公知の光重合
開始剤を添加する。光重合開始剤としては、ラジカル重
合型の樹脂の場合、アセトフェノン類、ベンゾフェノン
類、チオキサントン類を単独又は混合して用いる。ま
た、カチオン重合型樹脂の場合、芳香族ジアゾニウム
塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン等を単独又は混
合して用いる。
【0022】また、上記電離放射線硬化性樹脂中には、
更に、必要に応じて、各種添加剤を添加することもでき
る。これらの添加剤としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ等の微粉末からな
る体質顔料(充填剤)、ワックス、樹脂ビーズ、染料、
顔料等の着色剤等である。
【0023】この様な電離放射線硬化性樹脂の未硬化物
からなる樹脂転写層を、第1の離型性支持体シート上に
形成するには、無溶剤の樹脂組成物の溶融物として、或
いは溶剤で希釈した溶液として、従来公知の塗工法で塗
工すれば良い。塗工法としては、例えば、グラビアコー
ト、グラビアリバースコート、ロールコート、リバース
ロールコート、ナイフコート、ワイヤーバーコート、フ
ローコート、コンマコート等である。樹脂転写層の厚み
は、用途によるが通常1〜100μm程度である。
【0024】〔セパレータ〕セパレータ(離型シート)
3は特に制限はなく従来公知のものを使用できる。例え
ば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム等の
樹脂フィルムや紙等を基材として、この表面をシリコー
ン樹脂、ポリメチルペンテン等の塗工で、離型処理した
物が使用できる。厚みは通常50〜200μm程度であ
る。
【0025】〔絵柄転写層〕絵柄転写層4は、少なくと
も絵柄層5からなる。更に絵柄層以外に、前述した如
く、プライマー層、或いは剥離層等も絵柄転写層の構成
要素とする事もある。
【0026】(絵柄層)絵柄層5は従来公知のもので良
く特に制限はない。例えば、絵柄層を印刷形成する場合
は、絵柄層形成用のインキのバインダーに用いる樹脂と
しては、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、アクリルポリオール等のアクリル樹
脂、ポリエステル樹脂等を単体又は混合物を用いる。ま
た、該インキの着色剤に用いる顔料としては、例えば、
チタン白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、群青等の無
機顔料、アニリンブラック、キナクリドン、イソインド
リノン、フタロシアニンブルー等の有機顔料を用いる。
印刷法は、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフ
セット印刷等の公知の手段で良い。なお、絵柄層の絵柄
は、木目模様、石目模様、布目模様、タイル調模様、煉
瓦調模様、皮絞模様、文字、幾何学模様、全面ベタ等で
ある。
【0027】(プライマー層)プライマー層6は、必要
に応じて、樹脂転写層と絵柄層との密着向上の為にこれ
ら層間となる様に絵柄転写シートに設ける。絵柄転写シ
ート側に設けておけば、中間シート上での樹脂転写層に
粘着性がある場合でも、プライマー層を使用できる。こ
の様なプライマー層としては、密着性向上効果の点で2
液硬化型樹脂が好ましい。2液硬化型樹脂としてはウレ
タン樹脂等を用いる。該ウレタン樹脂の主剤とてはアク
リルポリオール等を使用する。具体的には、メチルメタ
クリレートとβ−ヒドロキシエチルメタクリレートを主
成分モノマーとする共重合体等からなるアクリルポリオ
ールは好ましい主剤である。一方、イソシアネートとし
ては、耐候性の点では、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等の無黄変イソシアネ
ートが好ましい。なお、中間シート上での樹脂転写層に
粘着性が無い場合等では、中間シートの樹脂転写層上に
プライマー層を設けても良く、最終的に一体型転写シー
トに於ける構成では同じにできる。プライマー層は絵柄
層同様に公知の印刷法や塗工法で形成する。
【0028】(剥離層)剥離層は、絵柄転写シートに於
ける絵柄転写層の第2の離型性支持体シート1a側に設
ける層であり、最終的な一体型転写シートに於いては、
該転写シートの転写層の最外層となる層である。従っ
て、基材側に接着剤層を施さず、絵柄層自体が接着剤層
とならない場合には、基材に対する熱融着型の接着剤層
としても使用する層で、必要に応じ設ける。また、剥離
層は絵柄転写シートに於ける絵柄転写層と第2の離型性
支持体シート間に介在して、これら絵柄転写層の剥離性
の調整にも用いる。剥離層としては、常温で非粘着固体
の樹脂、例えば、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ポリエステル樹脂、セル
ロース系樹脂等の単体又はこれら2種以上の混合物を用
いる。剥離層は絵柄層同様に公知の印刷法や塗工法で形
成する。
【0029】〔中間シートへの絵柄転写シートからの転
写〕前述中間シートS1の樹脂転写層2面に対して、絵
柄転写シートS2から絵柄転写層4を転写する転写法と
しては、特に制限は無く従来公知の転写法で行えば良
い。生産性の点で、通常両シートは連続帯状で処理する
ので、例えば前述図1(C)で例示した様な2本のロー
ラで加圧する形態のローラ転写法が良い。これらローラ
は、金属製、或いは金属の軸芯の表面にゴムを被覆した
ものが用いられる。また、必要に応じ、適度な温度に加
熱して用いる。
【0030】〔基材〕被転写体である基材Bの材質には
特に制限は無い。例えば、石綿セメント、石綿ケイ酸カ
ルシウム、石膏、ケイ酸カルシウム、木片セメント、A
LC(軽量発泡コンクリート)、GRC(硝子繊維強化
コンクリート)等の非陶磁器窯業系無機質類、その他陶
磁器やガラス等のセラミックス等の無機質類、鉄、ステ
レンス鋼、アルミニウム等の金属類、木材単板や木材合
板、パーティクルボード、集成材、木質中密度繊維板
(MDF)等の木質類、或いは、ポリプロピレン、塩化
ビニル樹脂、ABS樹脂等の樹脂類等を用いることがで
きる。基材の形状は、板、シート、立体物等である。
【0031】なお、基材の被転写面には、ベースコート
層を必要に応じて設ける。ベースコート層は、基材内部
からのアルカリ成分(アルカリ基材の場合)等の滲み出
しを防止したり、基材表面の凹凸や孔を目止めする等し
て、絵柄転写層の基材への転写性に適した表面性を基材
に付与する為に設ける。ベースコート層を形成する樹脂
としては、2液硬化型ウレタン樹脂、1液湿気硬化型ウ
レタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂等が用いられる。特に、基材が
ケイ酸カルシウム、セメント等のアルカリ基材の場合
は、耐アルカリ性に優れた樹脂が好ましい。該樹脂とし
ては、アクリルポリオールとイソシアネートとから得ら
れるアクリルウレタン樹脂等が好ましい。ベースコート
層は、これらの樹脂を含む塗料で、スプレーコート等の
公知の塗工方法にて形成すれば良い。
【0032】〔基材への一体型転写シートによる転写〕
一体型転写シートを基材に転写する際の転写法は、特に
限定されず、例えば下記〜等の従来公知の転写法で
行えば良い。中でも、のローラ転写法は弾性体ローラ
を軟質とすることで小さな表面凹凸面でも転写できる平
易な転写法として好ましい。また、の固体粒子衝突圧
を利用した転写法で行ってもよく、この方法では、従来
は不可能であった大きな表面凹凸にも転写できる。
【0033】特公昭60−59876号公報、特開平
5−270199号公報、特開平5−139097号公
報に記載されるように、転写シートを、転写層を基材側
に向けて、支持体側から転写ローラとなる弾性体ローラ
としてゴムローラで加圧し、転写層が基材に圧着後、支
持体を剥離する、所謂ローラ転写法。 特公昭56−45768号公報(オーバーレイ法)、
特公昭60−58014号公報(真空プレス法)等に記
載されるように、成形品等の立体形状の基材の表面に転
写シートを転写層側を基材側に向けて対向又は載置し、
基材側からの少なくとも真空吸引、更に適宜支持体シー
ト側からの圧空押し付け、による圧力差により転写シー
トの転写層を基材表面に転写する、所謂真空成形積層法
を利用した転写方法(真空成形転写法)。 特公平2−42080号公報、特公平4−19924
号公報等に記載されるような射出成形同時絵付転写法。
これは、射出成形型内に予め転写シートを転写層が射出
樹脂側を向く様にして配置しておいて射出成形し、樹脂
からなる基材(成形品)の成形と同時に転写シートによ
り基材面に転写層を転写する方法である。 或いは、特公昭59−51900号公報、特公昭61
−5895号公報、特公平3−2666号公報等に記載
のラッピング同時転写法。
【0034】特開平9−315095号公報に開示さ
れた様に、転写圧の押圧手段自体が新規な転写法とし
て、転写圧に固体粒子衝突圧を利用した転写法。この転
写法は、上記従来の各種転写法等では不可能な大きな三
次元形状等の表面凹凸の基材への転写に好適である。こ
の方法は、基材側に、転写シートの転写層側を対向さ
せ、該転写シートの離型性支持体シート側に多数の固体
粒子を衝突させ、その衝突圧を利用して、基材への転写
シートの圧接を行い、転写層が基材に接着後、離型性支
持体シートを剥離除去することで、転写層を基材に転写
する転写法である。固体粒子としては、ガラスビーズ等
の無機粒子、亜鉛、鉄等の金属粒子等を使用する。固体
粒子の形状は球形状等で、粒径は通常10〜1000μ
m程度である。固体粒子は、代表的には羽根車や吹出ノ
ズルを用いた噴出器から噴出させて転写シートに衝突さ
せる。噴出器には、サンドブラスト或いはショットブラ
スト、ショットピーニング等とブラスト分野にて使用さ
れているものを流用できる。例えば羽根車では遠心式ブ
ラスト装置等である。
【0035】〔樹脂転写層の架橋硬化〕基材に転写後
に、樹脂転写層を架橋硬化させるには、用いた樹脂が紫
外線硬化性樹脂ならば紫外線を照射し、電子線硬化性樹
脂ならば電子線を照射すれば良い。なお、この架橋硬化
は、未硬化時の樹脂転写層から離型性支持体シートが剥
離できるならば、離型性支持体シートの剥離後でも良い
が、本発明では剥離前の架橋硬化も包含する。紫外線源
としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カ
ーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドラン
プ等の光源が使用される。また、電子線源としては、コ
ッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧
器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直線型、ダイナミト
ロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、100
〜1000keV、好ましくは、100〜300keV
のエネルギーをもつ電子を照射するものが使用される。
【0036】〔化粧材の用途〕本発明で得られる化粧材
は、各種用途に用いられ得る。例えば、サイディング等
の外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の外装、壁面、天
井、床等の建築物の内装、窓枠、扉、手摺、敷居、鴨居
等の建具類の表面化粧、箪笥等の家具やテレビ受像機等
の弱電・OA機器のキャビネットの表面化粧、自動車、
電車、航空機、船舶等の乗物内装材等である。なかで
も、本発明で得られる化粧材は、表面物性に優れている
ので、樹脂等の軟質材料或いはセメントやケイ酸カルシ
ウム等の多孔質材料への表面化粧の用途等は好適であ
る。なお、化粧材の形状は、板、棒、立体物、シート等
となる。
【0037】
【実施例】次に実施例及び比較例により本発明を更に説
明する。
【0038】〔実施例〕 基材: フレキシブルボード(ポルトランドセメント:
石綿=65:35重量比)の基材Bを用意し、その表面
を除塵した後、目止めする為のシーラー処理として、2
液硬化型アクリルウレタン樹脂からなるシーラー剤をス
プレー塗装後、80℃のオーブン中で10分間乾燥し
て、塗布量で80g/m2 (固形分基準)のベースコー
ト層を形成ておいた。
【0039】接着剤: 更に、次いで、上記シーラー処
理済の基材に対して、2液硬化型ポリウレタン樹脂から
なる接着剤をロールコータにて塗布後、80℃のオーブ
ン中で90秒間乾燥して、塗布量で5g/m2 (固形分
基準)の接着剤層を形成した。
【0040】中間シート: 第1の離型性支持体シート
1として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルム上に、紫外線硬化性樹脂(ペンタエリスリトール
トリアクリレートを用いたウレタンアクリレート、ペン
タエリスリトールテトラアクリレート、及び光重合開始
剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、更にこれらに重合性不飽和基を持た無い熱可塑性の
アクリル系樹脂としてガラス転移温度105℃のメチル
メタクリレート系のアクリル系樹脂とからなる)を50
μm塗布して未硬化状態で非流動性の樹脂転写層2を形
成した。そして、その上にセパレータ3としてポリエチ
レンフィルムを張り合わせて、中間シートS1aとした
〔図1(A)右〕。
【0041】絵柄転写シート: 第2の離型性支持体シ
ート1aとして、坪量40g/m2の薄葉紙にポリプロ
ピレン(三菱化学株式会社製、品番FL25R)からな
る厚み25μmの離型層をエクストルージョンコート法
で積層した構成の、厚さ60μmのシートを用意した。
この第2の離型性支持体シートの離型層面に、ポリカー
ボネートジオールとイソホロンジイソシアネートとから
なりウレア結合を導入したウレタン樹脂と、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体との、8:2重量比混合樹脂をバ
インダーとし、これに顔料を添加した着色インキを、グ
ラビア印刷して絵柄層を形成した。更に絵柄層の上に、
アクリルポリオール(メチルメタクリレートとβ−ヒド
ロキシエチルメタクリレートとを主成分モノマーとする
共重合体であり、ガラス転移温度99℃、水酸基価30
のもの)の主剤100重量部に対して、ヘキサメチレン
ジイソシアネート系の硬化剤7重量部を添加したウレタ
ン樹脂からなるインキで、プライマー層を形成して、絵
柄層5及びプライマー層6からなる絵柄転写層4を形成
した絵柄転写シートS2とした〔図1(B)〕。
【0042】転写: 先ず、(セパレータ剥離後の)中
間シートS1(a)に絵柄転写シートから絵柄転写層を
転写して、一体型転写シートSを得た。転写は、絵柄転
写シートをその絵柄転写層を上に向けて平面台上に載置
して、その上らか樹脂転写層を下に向けて、転写ローラ
(鉄芯をJISゴム硬度60°のシリコーンゴムで被覆
したもの)で加熱加圧するローラ転写法によって行っ
た。ローラ表面温度は120℃に加熱し、転写速度は3
m/分とした。なお、ローラ表面温度は低温(60℃)
だと樹脂転写層に絵柄転写層が密着せず、高温(150
℃以上)だと樹脂転写層自体が離型性支持体シートから
剥離し、一体型転写シートとして積層できなかった。次
に、上記で得た一体型転写シートSで、前記した接着剤
層形成済の基材Bを60℃に予熱したものに、樹脂転写
層及び絵柄転写層を転写した。転写は、ローラ転写法に
よって行った。ローラは、鉄芯をJISゴム硬度60°
のシリコーンゴムで被覆したもので、表面温度180℃
に加熱して用いた。転写速度は3m/分とした。
【0043】紫外線照: そして、紫外線照射装置(出
力80W/cmの水銀灯)から紫外線を第1の離型性支
持体シート1を通して照射して、樹脂転写層を架橋硬化
した後に、第1の離型性支持体シートを剥離し、化粧材
Dを得た〔図1(E)〕。得られた化粧材は、樹脂転写
層が硬質の表面保護層となり、耐擦傷性等に優れ、且つ
適度の可撓性により亀裂も入り難く強靱な表面物性が得
られ、且つ絵柄転写層により塗装では不可能なパターン
による装飾が成された、意匠感に優れるものとなった。
【0044】〔比較例1〕実施例で用いた基材(接着剤
層形成済)を60℃に予熱したものに、実施例で用いた
絵柄転写シートで直接に絵柄転写層を転写した。次い
で、実施例で用いた中間シートを転写シートとして使用
して、基材に転写された絵柄転写層上に樹脂転写層を転
写した。これらの転写法及び条件は、実施例における一
体型転写シートの転写時と同一である。そして、実施例
同様に紫外線照射して、樹脂転写層を架橋硬化させて、
化粧材を得た。各々の転写工程は問題なかったが、基材
を扱う現場での転写に2工程が必要となり、作業性が低
下した。
【0045】〔比較例2〕実施例で用いた中間シートS
1(a)の樹脂転写層2面に対し、直接に絵柄転写層を
グラビア印刷で形成して、実施例同様の層構成の一体型
転写シートとする事を試みた。しかし、樹脂転写層が未
硬化層である為に、先ず、絵柄転写層中のプライマー層
を印刷中に、中間シートの第1の離型性支持体シート1
から樹脂転写層2が剥離し、版面に付着するという印刷
適性不良が発生し、結局、一体型転写シートは得られな
かった。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、表面保護層等となる
樹脂転写層と、絵柄転写層とを1工程で同時に基材に転
写して化粧材を製造でき、基材を扱う現場に於ける作業
効率が向上する。しかも、表面保護層等となる樹脂転写
層を、高架橋密度とする為に、未硬化時に常温で粘着性
が出易く又耐溶剤性の低い、低分子量のモノマーを該樹
脂転写層に多量に使用しても、(一体型)転写シートに
於ける絵柄転写層の形成を直接印刷ではなく転写法で行
う為、支障なく絵柄を樹脂転写層上に形成する事もでき
る。 また、樹脂転写層の電離放射線硬化性樹脂を重合性不
飽和基を持た無い熱可塑性のアクリル系樹脂も含有させ
る事で、転写後、架橋硬化された樹脂転写層に、擦傷性
等の表面物性の他に、適度の可撓性を与えて、亀裂が入
り難い強靱な表面物性を与える。また、中間シートに於
ける未硬化時の樹脂転写層がモノマー成分が多く液状や
粘着性となる場合でも、非粘着非流動状態に調整するこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧材の製造方法を説明する概念図。
【符号の説明】
1 第1の離型性支持体シート 1a 第2の離型性支持体シート 2 樹脂転写層 3 セパレータ 4 絵柄転写層 5 絵柄層 6 プライマー層 B 基材 D 化粧材 S1 中間シート S1a 中間シート(セパレータ付き) S2 絵柄転写シート S 一体型転写シート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の離型性支持体シート上に、未硬化
    の状態では常温で非流動状態であり、かつ、熱可塑性で
    ある電離放射線硬化性樹脂の未硬化物からなる樹脂転写
    層を有する中間シートに対して、第2の離型性支持体シ
    ート上に絵柄転写層として少なくとも絵柄層を有する絵
    柄転写シートを用いて、該絵柄転写層を前記樹脂転写層
    面に転写することで、前記第1の離型性支持体シート上
    に、樹脂転写層及び絵柄転写層がこの順に一体となって
    積層された一体型転写シートとした後、該一体型転写シ
    ートを用いて、基材に樹脂転写層及び絵柄転写層を転写
    した後、電離放射線を照射して転写された樹脂転写層を
    架橋硬化させて化粧材とする、化粧材の製造方法。
  2. 【請求項2】 樹脂転写層の電離放射線硬化性樹脂の主
    成分として、重合性不飽和基を持た無い熱可塑性のアク
    リル系樹脂と、重合性不飽和基を有するモノマー及び/
    又はプレポリマーとを用いる、請求項1に記載の化粧材
    の製造方法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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