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JP2001150884A - 転写方法 - Google Patents

転写方法

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Publication number
JP2001150884A
JP2001150884A JP33228099A JP33228099A JP2001150884A JP 2001150884 A JP2001150884 A JP 2001150884A JP 33228099 A JP33228099 A JP 33228099A JP 33228099 A JP33228099 A JP 33228099A JP 2001150884 A JP2001150884 A JP 2001150884A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transfer
layer
sheet
embossing
roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33228099A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Kuwabara
祐司 桑原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP33228099A priority Critical patent/JP2001150884A/ja
Publication of JP2001150884A publication Critical patent/JP2001150884A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写シートが破れたり、エンボスローラが被
転写基材に当たって回転が重くなる等の不具合発生を防
いで、転写と同時にエンボス加工する。 【解決手段】 支持体シート1と転写層2からなる転写
シートSの、転写層側又は/及び被転写基材の被転写面
側に、熱可塑性を呈する樹脂の接着剤層3を形成後、エ
ンボスローラ5を転写シートの支持体シート側から押し
付けて、転写シートの被転写基材への圧着と同時にエン
ボス加工を施した後、支持体シートを剥がす転写方法に
て、接着剤層と転写シートの厚みの総厚Tが、エンボス
ローラの凹凸の最大高低差H以上となる様にして行う。
エンボスローラは加熱状態で行うのも良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホットメルトタイ
プ等の熱可塑性を呈する樹脂の接着剤を使用して、被転
写基材に転写シートを用いて転写及びエンボス加工を行
う転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木質系基材等の各種被転写基材の
表面を、転写によって転写層で被覆し、また、その表面
にエンボス加工で凹凸模様を賦形して、化粧材等の転写
製品を製造することが行われている。
【0003】例えば、特開平11−198590号公報
では、いわゆるラッピング転写法という転写法の一形態
において、転写装置(ラッピング装置)でエンボス加工
も行う転写方法を開示している。すなわち、転写シート
にホットメルトタイプの接着剤を塗工し、押圧ローラ
(転写ローラ)を兼用するエンボスローラで、転写シー
トを被転写基材に押圧すると同時に、転写シートの上か
らエンボス加工を行った後、転写シートの支持体シート
を剥離して、転写と同時にエンボス加工による凹凸模様
の賦形を行う技術である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報で開示される様な転写方法では、接着剤の塗工厚み、
及びエンボスローラの凹凸の最高位の高さ(最大高低
差)との関係には、特に基準は無く、これらの関係によ
っては、不具合が生ずることがあった。すなわち、エン
ボスローラの最大高低差Hよりも、接着剤塗工で形成さ
れた接着剤層の厚みが薄い場合は、エンボスローラが被
転写基材に当たってエンボスローラの凹凸が十分賦形出
来ないことに加えて、エンボスローラの回転が重くなる
不具合や、転写シートが破れてしまう不具合が、多々発
生していた。
【0005】そこで、本発明の課題は、上記の如き不具
合発生を防ぎながら、転写と共にエンボス加工も行える
転写方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の転写方法では、転写シートを用いた転
写方法において、支持体シートの片面に転写層が設けら
れた転写シートを用い、該転写シートの転写層側又は/
及び被転写基材の被転写面側に、熱可塑性を呈する樹脂
の接着剤層を形成した後、エンボスローラを転写シート
の支持体シート側から押し付けることにより、転写シー
トの被転写基材への圧着を行うと同時にエンボス加工を
施し、その後、支持体シートを剥がすことにより、エン
ボス加工による凹凸模様が賦形された転写層で被転写基
材を被覆する転写方法であって、上記接着剤層と転写シ
ートの厚みの総厚Tと、エンボスローラの凹凸の最大高
低差Hとが、総厚T≧最大高低差Hの関係になる様にし
て転写及びエンボス加工を行う様にした。
【0007】この様に、接着剤層と転写シートの厚みの
総厚Tと最大高低差Hとを特定関係に規定する事によっ
て、エンボスローラが被転写基材に当たってエンボスロ
ーラの凹凸を十分賦形出来なかったり、エンボスローラ
の回転が重くなったり、転写シートが破れてしまう不具
合を防いで、転写と共にエンボス加工も円滑に行える様
になる。しかも、接着剤層は熱可塑性を呈する樹脂から
なるので、転写シートを被転写基材に押し付けて圧着す
るのと同時のエンボス加工にて、容易に凹凸模様を賦形
できる。また、転写ローラ(押圧ローラ)をエンボスロ
ーラが兼用する為に、転写ローラに代えてエンボスロー
ラを取り付けて転写ローラ部分を流用することで、装置
的にも容易に、転写とエンボス加工とを同時に行うこと
ができる。
【0008】また、本発明の転写方法は、上記方法に於
いて、更に、エンボスローラが加熱された状態で、転写
及びエンボス加工を行う様にした。
【0009】この結果、エンボス加工で変形して凹凸模
様が賦形される層となる接着剤層等を、十分に加熱軟化
させた状態として転写層の被転写基材への接着とエンボ
ス加工とが出来るので、より少ない圧で転写及びエンボ
ス加工が出来、転写シートや被転写基材への負担を減ら
せる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の転写方法につい
て、図面を参照しながら実施の形態を説明する。
【0011】〔概要〕図1は本発明の転写方法の或る一
形態を示す概念図である。図1の形態では、支持体シー
ト1の片面に転写層2が設けられ、支持体シート1と転
写層2とからなる転写シートSに対して、その転写層側
の面(図面で下側)に、熱可塑性を呈する樹脂からなる
接着剤を、ホットメルト形式等の接着剤塗工装置14に
よって塗工して接着剤層3を形成する。一方、被転写基
材Bは、転写及びエンボス加工の直前に、その被転写面
側に対して、適宜、赤外線輻射ヒータ等による予熱装置
17aによって予熱しておいても良い。また、同図で
は、転写シートSも、予熱装置17bによって適宜予熱
し軟化させておくこともできる。そして、被転写基材や
転写シートを適宜予熱した後、転写ローラ(押圧ロー
ラ)も兼用するエンボスローラ5によって、間に熱可塑
性を呈する樹脂の接着剤層3を挟んで、転写シートSを
被転写基材Bに押し付ける。なお、エンボスローラ5
は、その内部又は外部のヒータ等によって、加熱状態で
使用しても良い。或いは、その内部に冷却水を通すこと
によって、エンボスローラ5を冷却状態で使用しても良
い。エンボスローラ5の温度設定は、転写シート、及び
接着剤層の予熱の程度、材質、厚み、エンボスローラの
押圧力、凹凸模様の深さ、ラインスピード等を考慮して
適正な値に設定すれば良い。そして、エンボスローラ5
で転写シートSが被転写基材Bに押し付けられることに
よって、接着剤層3は被転写基材Bに接着すると共に、
被転写基材B上の(少なくとも)接着剤層3が、転写シ
ートSを介したエンボスローラ5によって、変形して、
接着剤層3上の転写層に凹凸模様6を賦形する事が可能
となる。
【0012】この際、本発明の転写方法では、図2で概
念的に示す如く、接着剤層3と転写シートSの厚みの総
厚Tと、エンボスローラ5の凹凸の最大高低差Hとが、
総厚T≧最大高低差Hの関係になる様にする。前記総厚
Tは、接着剤層3の厚みt1と、支持体シート1と転写
層2とからなる転写シートSの厚みt2との和である。
すなわち、T=t1+t2である。この様な総厚Tと最
大高低差Hとの関係とすれば、エンボスローラのうちで
最も高い凸部部分でも、被転写基材Bの内部にまで到達
することは無く、転写とエンボス加工を行う事ができる
のである。なお、上記厚み関係からも分かる様に、接着
剤層の厚みt1と、転写シートSの厚みt2との相対的
な関係には、本発明では特に限定は無い。とにかく、こ
れらの和である総厚Tが、エンボスローラの凹凸の内で
最も高い部分と最も低い部分との高低差である最大高低
差H以上であれば良い。但し、転写シートの材質及び加
工条件(温度等)によっては、エンボス加工時に転写シ
ートが変形してその厚みが減少しない(圧縮されない)
事もあるので、より好ましくは、t1≧H、すなわち、
接着剤層の厚みt1が最大高低差H以上となる様にする
のが良い。
【0013】そして、エンボスローラ5を通過後の転写
シートSは、通過直後、或いは通過後、間をおいて、そ
の支持体シート1のみを剥離すれば、転写は完了し、ま
たエンボス加工も完了する。そして、図1に示す如く、
被転写基材B上に接着剤層3及び転写層2が積層され、
且つ転写層2の表面にはエンボス加工による凹凸模様6
が賦形された化粧材等の転写製品Dが得られることにな
る。
【0014】ここで、図5の断面図で本発明の転写方法
で得られる転写製品の一例を概念的に示せば、転写製品
Dは、被転写基材B上に(少なくとも転写シートを被転
写基材に押し付けて密着及びエンボス加工時には熱可塑
性を呈する樹脂の)接着剤層3、転写層2がこの順に積
層され、転写層表面に凹凸模様6を有する構成である。
【0015】なお、本発明の転写方法では、エンボスロ
ーラがいわゆる転写ローラを兼用して、転写シートの上
からエンボス加工するので、支持体シート剥離後の転写
済みの転写層面に対してエンボス加工する方法に比べ
て、転写層面にエンボスローラで凹凸模様を賦形する時
に、凹部以外の部分が傷付いたり、塵で汚れたりする事
も無い。また、エンボス加工後の被転写基材表面に支持
体シートを剥離せずに残留させたままの物を中間加工製
品として、後加工(切断、切削、組み立て、施工等)を
行い、転写製品が化粧材で言えば例えば建具等の最終製
品を得た後、支持体シートを剥離する事もでき、支持体
シートを表面保護層として機能させ、後加工の際の汚れ
や傷の発生を防止することも出来る。また、本発明の転
写方法では、予め凹凸模様を賦形済みの化粧シートをラ
ミネート加工で基材に積層する場合に比べて、凹凸模様
が、化粧シートラミネート時の熱や圧力によって、浅く
なったり、一部消失したりする事も無い。
【0016】以下、更に、本発明の転写方法について、
詳述する。
【0017】〔転写シート〕本発明で用いる転写シート
Sは、支持体シート1の片面に転写層2が設けられた構
成で、なお且つ転写シートの厚みが、その厚みと接着剤
層3との総厚Tに於いて、エンボスローラの最大高低差
H以上となる様な厚みであり、少なくとも接着剤層を転
写シートを介してエンボスできる程度に変形可能なもの
であれば、特に制限は無く、従来公知の各種構成の転写
シートを使用できる。
【0018】支持体シート1としては、転写層2との剥
離性が良く、且つエンボス加工時の圧或いは熱圧で溶融
や破断せずにエンボスローラの凹凸を少なくとも転写層
2まで、更に通常は接着剤層3にまで、伝達可能な可撓
性を有するシートであれば特に制限は無く、従来公知の
物の中から用途に応じて選択すれば良い。例えば、支持
体シートには、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、エチレン−テレフタレート−イソ
フタレート共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラスト
マー等の熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン3元共重
合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレ
フィン系樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アク
リル樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂フィルム(シー
ト)、或いは上質紙、薄葉紙等にポリオレフィン系樹脂
やシリコーン樹脂の離型層を積層した塗工紙、グラシン
紙、硫酸紙等の紙、等による単層体又は積層体を用い
る。支持体シートの厚さは、転写シートを間に介してエ
ンボス加工する事から、薄い方が好ましい。しかし、薄
すぎると支持体シートの機械的強度が低下するので、賦
形する凹凸模様の深さにもよるが、通常は20〜50μ
m程度とする。
【0019】なお、支持体シートには必要に応じ、転写
層側に転写層との剥離性を向上させる為、支持体シート
の構成要素として離型層を設けても良い。離型層として
は、例えば、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス
等の単体又はこれらを含む混合物が用いられる。具体的
には、例えば、ポリエステル樹脂とメラミン樹脂の混合
樹脂に、好ましくはパラトルエンスルホン酸を添加した
もの等は好ましい。また、剥離性の調整の為に、支持体
シートの転写層側の面にコロナ放電処理、オゾン処理等
を行っても良い。また、離型層の表面を所望の凹凸模様
状に形成しておくことにより、転写層後の転写層表面
に、エンボスローラから支持体シートを通して賦形され
る凹凸模様に加えて、更に、離型層から賦形される凹凸
模様も重ねて賦形することが可能となる。
【0020】転写層2としては、エンボス加工時に変形
可能であれば特に限定は無く、従来公知の物で良い。例
えば、装飾層等が代表的であり、更に剥離層等もある。
なお、エンボス加工で圧縮され永久変形されるのは(支
持体シートは転写製品に残らない為に除外するとし
て)、接着剤層のみ、転写層のみ、或いは接着剤層及び
転写層である。ちなみに、図4で例示の転写シートS
は、支持体シート1上に転写層2として、剥離層7、柄
パターン層8aと全ベタ層8bとからる装飾層8が形成
された例である。
【0021】装飾層8としては、例えば、グラビア印
刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、インキジ
ェットプリント等の従来公知の方法、材料で絵柄等を印
刷した絵柄層、アルミニウム、クロム、金、銀等の金属
を公知の蒸着法等を用いて部分的或いは全面に形成した
金属薄膜層等であり、用途に合わせたものを用いる。絵
柄は、例えば、木目模様、石目模様、布目模様、タイル
調模様、煉瓦調模様、皮絞模様、文字、幾何学模様、全
面ベタ等である。特に本発明ではエンボス加工による凹
凸模様も形成できるので、それを導管溝柄とすれば、木
目模様等は好適な模様の一つである。なお、絵柄層用イ
ンキは、一般的なインキ同様に、バインダー等からなる
ビヒクル、顔料や染料等の着色剤、これに適宜加える各
種添加剤からなる。バインダーの樹脂には、アクリル樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹
脂、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂等の単体又はこれ
らを含む混合物を用いる。着色剤としては、チタン白、
カーボンブラック、弁柄、黄鉛、群青等の無機顔料、ア
ニリンブラック、キナクリドン、イソインドリノン、フ
タロシアニンブルー等の有機顔料、アルミニウム箔粉、
二酸化チタン被覆雲母の箔粉等の光輝性顔料、或いはそ
の他染料等を用いる。
【0022】剥離層7は、必要に応じて適宜、支持体シ
ートに接する層として設ける。剥離層は、支持体シート
と転写層との剥離性を調整する為、また、転写後の転写
層の表面保護の為、転写後の転写層上に表面保護層を塗
工形成時の塗工適性向上の為、等に設ける。剥離層に
は、例えば、上記絵柄層用インキのバインダーに用いる
樹脂等が用いられる。剥離層は装飾層同様に従来公知の
印刷法やロールコート等の塗工法で形成する。なお、こ
の剥離層は転写層の一構成要素であり、転写時に転写層
の一部として被転写基材側に転写され、転写層の表面を
被覆する。
【0023】〔被転写基材〕被転写基材Bとしては特に
限定は無い。例えば、被転写基材の材質は、木質系、無
機非金属系、金属系、プラスチック系等である。具体的
には、木質系では、例えば、杉、檜、樫、ラワン、チー
ク等からなる単板、合板、パーティクルボード、繊維
板、集成材等がある。また、無機非金属系では、例え
ば、押し出しセメント、スラグセメント、ALC(軽量
気泡コンクリート)、GRC(硝子繊維強化コンクリー
ト)、パルプセメント、木片セメント、石綿セメント、
ケイ酸カルシウム、石膏、石膏スラグ等の非陶磁器窯業
系材料、土器、陶器、磁器、セッ器、硝子、琺瑯等のセ
ラミックス等の無機質材料等がある。また、金属系で
は、例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属材料があ
る。また、プラスチック系では、例えば、ポリプロピレ
ン、ABS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂材料がある。
【0024】また、被転写基材の形状は、被転写面に転
写及びエンボス加工できれば、特に制限は無く、平板、
柱状物等と任意である。なお、柱状物の断面形状には、
凸多角形状、凹多角形状、円形状、長円形状、方形形状
等がある。この断面形状が長方形の一形態が板材であ
る。なお、被転写基材には、必要に応じ適宜、公知の目
止め処理、着色塗装処理等を施しておいても良い。もち
ろんこれらの処理は、熱可塑性を呈する樹脂の接着剤層
を被転写基材側に形成する場合には、この接着剤層形成
前である。
【0025】〔接着剤層〕接着剤層3としては、少なく
ともエンボス加工時点に於いて、熱可塑性を呈する樹脂
を使用する。該樹脂としては、熱可塑性樹脂が代表的で
あるが、硬化前に熱可塑性を呈するならば硬化性樹脂で
も使用できる。熱可塑性を呈する樹脂は、接着させる被
転写基材及び転写層の材料に応じて、公知の樹脂の中か
ら適宜選択すれば良い。
【0026】例えば、上記熱可塑性樹脂としては、熱可
塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体等が使用できる。また、例えば、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピ
レン−ブテン3元共重合体、オレフィン系熱可塑性エラ
ストマー等のポリオレフィン樹脂等も使用できる。
【0027】また、例えば前記硬化性樹脂としては、例
えば、1液湿気硬化型ウレタン樹脂、電離放射線硬化性
樹脂等を使用できる。また、熱硬化型ウレタン樹脂で
も、被転写基材や転写シートの予熱条件を調節したり、
イソシアネートにブロックイソシアネートを使用する等
して、エンボス加工時に熱可塑性を呈する様にすれば、
使用する事ができる。接着剤として硬化性樹脂を使用
し、未硬化で熱可塑性を呈する間にエンボス加工を行
い、而る後、経時的に硬化させることにより、良好なエ
ンボス適性と、エンボスされた凹凸模様の耐久性の両方
を両立可能である。また、転写製品に於いて、接着剤層
の耐熱性、密着性等を向上させることもできる。
【0028】上記1液湿気硬化型ウレタン樹脂は、分子
末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを必須成
分とする組成物である。前記プレポリマーは、通常は分
子両末端に各々イソシアネート基を1個以上有するポリ
イソシアネートプレポリマーであり、常温で固体の熱可
塑性樹脂の状態にあるものである。イソシアネート基同
士が空気中の水分により反応して鎖延長反応を起こし
て、その結果、分子鎖中に尿素結合を有する反応物を生
じて、この尿素結合に更に分子末端のイソシアネート基
が反応して、ビウレット結合を起こして分岐し、架橋反
応を起こす。分子末端にイソシアネート基を有するプレ
ポリマーの分子鎖の骨格構造は任意であるが、具体的に
は、ウレタン結合を有するポリウレタン骨格、エステル
結合を有するポリエステル骨格、ポリブタジエン骨格等
である。適宜これら1種又は2種以上の骨格構造を採用
する。なお、分子鎖中にウレタン結合がある場合は、こ
のウレタン結合とも末端イソシアネート基が反応して、
アロファネート結合を生じて、このアロファネート結合
によっても架橋反応を起こす。
【0029】なお、前記熱硬化型ウレタン樹脂は、通
常、2液硬化型ウレタン樹脂として、ポリオールを主剤
とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタ
ン樹脂を使用する。ポリオールとしては、分子中に2個
以上の水酸基を有するもので、例えばポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオー
ル、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオー
ル、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオ
ール等が用いられる。また、イソシアネートとしては、
分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソ
シアネートが用いられる。例えば、2,4−トリレンジ
イソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4′
−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシ
アネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレ
ンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソ
シアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネー
ト、或いはまた、上記各種イソシアネートの付加体、又
は多量体を用いる事もできる。例えば、トリレンジイソ
シアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体
(trimer)等がある。
【0030】また、これらのイソシアネートをブロック
化したブロックイソシアネートとして用い、加熱により
ブロックを解除して反応を開始させても良い。ブロック
イソシアネートは、上記イソシアネートを、アルコール
類、フェノール類、アミン類等のブロック剤と一時的に
反応させ、イソシアネート基の反応性を阻止(ブロッ
ク)した化合物である。通常、ブロック剤の解離温度を
適度な温度領域まで低下させる為に、解離触媒として、
金属石鹸、アミン類等の公知の物を用いる。
【0031】また、前記電離放射線硬化性樹脂として
は、未硬化時に常温で固体状態を呈し、電離放射線で架
橋硬化する樹脂(組成物)を使用できる。例えば、次の
(I)や(II)の電離放射線硬化性樹脂を使用でき
る。
【0032】(I)ラジカル重合性不飽和基を有する、
熱可塑性の次の(1) 又は(2) の2種類の樹脂。 (1) ガラス転移温度が0〜250℃のポリマー中にラジ
カル重合性不飽和基を有するもの。更に具体的には以下
の〜を重合、もしくは共重合させたものに対し、後
述する方法(a) 〜(d) によりラジカル重合性不飽和基を
導入したものを用いることができる。なお、以下におい
て、例えば(メタ)アクリレートとはアクリレート又は
メタクリレートの意味で用いる。 水酸基を有するモノマー;N−メチロール(メタ)ア
クリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート
など。 カルボキシル基を有するモノマー;(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノサクシネー
トなど。 エポキシ基を有するモノマー;グリシジル(メタ)ア
クリレートなど。 アジリジニル基を有するモノマー;2−アジリジニル
エチル(メタ)アクリレート、2−アジリジニルプロピ
オン酸アリルなど。 アミノ基を有するモノマー;(メタ)アクリルアミ
ド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレートなど。 スルフォン基を有するモノマー;2−(メタ)アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸など。 イソシアネート基を有するモノマー;2,4−トルエ
ンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートの1モル対1モルの付加物などのジイソシア
ネートと活性水素を有するラジカル重合性モノマーとの
付加物など。 上記〜のモノマーと共重合可能で上記〜以外
のモノマー;このモノマーは得られる共重合体のガラス
転移温度や物性を調節する共重合成分として使用する。
例えば、メチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソ
ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレートなど。
【0033】次に、上述のようにして得られた重合体又
は共重合体を、以下に述べる方法(a) 〜(d) により反応
させてラジカル重合性不飽和基を導入する。 (a) 水酸基を有するモノマーの重合体又は共重合体の場
合には、前述したの(メタ)アクリル酸などのカルボ
キシル基を有するモノマーなどを縮合反応させる。 (b) カルボキシル基、スルフォン基を有するモノマーの
重合体又は共重合体の場合には、前述の水酸基を有す
るモノマーを縮合反応させる。 (c) エポキシ基、イソシアネート基、或いはアジリジニ
ル基を有するモノマーの重合体又は共重合体の場合に
は、前述の水酸基を有するモノマーもしくは前述の
カルボキシル基を有するモノマーを付加反応させる。 (d) 水酸基あるいはカルボキシル基を有するモノマーの
重合体又は共重合体の場合には、前述のエポキシ基を
有するモノマーあるいは前述のアジリジニルを有する
モノマーあるいは前述のジイソシアネート化合物と水
酸基含有アクリル酸エステルモノマーとの1モル対1モ
ルの付加物等のイソシアネート基を有するモノマーを、
付加反応させる。なお、上記反応を行うには、微量のハ
イドロキノンなどの重合禁止剤を加え、乾燥空気を送り
ながら行うことが望ましい。
【0034】(2) 融点が20℃〜250℃であり、ラジ
カル重合性不飽和基を有する化合物。具体的には、トリ
アジン(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アク
リレート、トリアクリルイソシアヌレート、シクロヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、スピログリコー
ルジアクリレート、スピログリコール(メタ)アクリレ
ートなどである。
【0035】また、上記(1) 及び(2) を混合して用いる
こともできる。更に、上記(1) 又は(2) 、又は(1) 及び
(2) の混合物に対して、反応性希釈剤としてラジカル重
合性のモノマーを加えることもできる。このラジカル重
合性モノマーは、紫外線や電子線等の電離放射線の照射
による架橋密度を上げて耐熱性や表面物性を向上させ
る。該モノマーとしては、例えば、前述の〜のモノ
マーの他に、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグ
リシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ポレエチレ
ングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレ
ート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルジ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジグ
リシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ソルビトー
ルテトラグリシジルエーテルテトラ(メタ)アクリレー
トなどを用いることができる。配合量は、前記(1)又は
(2) の単独又は混合物の樹脂100質量部に対して、
0.1〜100質量部で用いることが好ましい。
【0036】(II)室温で液状の電離放射線硬化性樹
脂に、室温で熱可塑性固体である非架橋型樹脂を混合し
て得られる電離放射線硬化性樹脂。 (イ) 室温で液状の電離放射線硬化性樹脂;分子中にラジ
カル重合性不飽和基を有するプレポリマー又はモノマー
の、単体又は混合物からなる組成物である。或いはカチ
オン重合性官能基を有するプレポリマーやモノマーから
なる組成物である。ラジカル重合性不飽和基を有するプ
レポリマーには、例えば、ポリエステル(メタ)アクリ
レート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メ
タ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレートなど
である。ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーに
は、例えば、メチル(メタ)アクリレートなどの単官能
モノマーや、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリ スリトールヘキサ(メタ)アクリレ
ートなど多官能モノマーがある。カチオン重合性官能基
を有するプレポリマーには、例えば、ビスフェノール型
エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキ
シ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエ
ーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーがあ
る。
【0037】(ロ) 非架橋型樹脂は、電離放射線による架
橋硬化反応に寄与しない室温で固体の熱可塑性樹脂であ
り、例えば、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、或いは、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、ブチラール樹脂等のビニル系樹
脂である。中でもアクリル系樹脂であって、平均分子量
が50,000〜600,000、ガラス転移温度が5
0〜130℃であるものが、室温未硬化時の非接着性
(指触乾燥性)、熱融着による接着性、転写時(未硬化
時)の可撓性(成形性)、エンボス加工適性及び硬化後
の応力の吸収緩和性の点で好ましい。
【0038】なお、上記電離放射線硬化性樹脂にて「常
温」とは、転写シートや被転写基への接着剤層の形成、
その結果物の一時保存、転写及びエンボス加工、支持体
シートの剥離作業等を行う室内(或いは室外)の雰囲気
温度を意味する。具体的値は、気候や作業環境によって
異るが、通常は10〜40℃の範囲、より一般的には1
5〜25℃の範囲である。又、室温は支持体の剥離を行
う最低の温度でもある。
【0039】なお、紫外線で硬化させる場合には、上記
(I)又は(II)の電離放射線硬化性樹脂に、更に光
重合開始剤を添加する。光重合開始剤は、ラジカル重合
系ではアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサ
ントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル類を
単独又は混合使用し、カチオン重合系では芳香族ジアゾ
ニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム
塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル
等を単独又は混合使用する。なお、電離放射線として
は、接着剤中の分子を架橋させ得るエネルギーを有する
電磁波又は荷電粒子が用いられる。通常用いられるもの
は、紫外線又は電子線である。紫外線源としては、超高
圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク
灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が
使用される。電子線源としては、コッククロフトワルト
ン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧
器型、或いは、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等
の各種電子線加速器を用い、100〜1000keV、
好ましくは、100〜300keVのエネルギーをもつ
電子を照射するものが使用される。
【0040】上記の様な熱可塑性を呈する樹脂から接着
剤層を形成する形成方法は、特に限定は無い。接着剤層
の形成は、上記樹脂を、水や有機溶剤等の溶媒(又は分
散媒)に溶解(又は分散)した溶液(又は分散液)の形
態(具体的には例えば、有機溶剤溶液や水分散エマルシ
ョン等)で、或いはホットメルトの形態で形成すれば良
い。接着剤層を形成する対象物は、転写シート、被転写
基材、或いは転写シート及び被転写基材である。接着剤
層の形成法は、対象物及びその形成面(転写シートや板
状の被転写基材での単一平坦面、柱状の被転写基材での
凹凸面等)に応じて、従来公知の形成法によれば良い。
例えば、ロールコート、スプレーコート、カーテンフロ
ーコート、グラビアコート、コンマコート等である。或
いは、シルクスクリーン印刷等の印刷法である。また、
接着剤層にポリオレフィン樹脂等の溶液(分散液等も含
む)化が困難な樹脂を用いる場合には、Tダイ等による
溶融押出塗工法等で形成すれば良い。なお、接着剤層の
形成時期は、転写シートを被転写基材に押し付ける直前
の他に、その前に予め形成しておいても良い。例えば、
予めオフラインで接着剤層を形成し、形成物(転写シー
トや被転写基材)を一時保存する等しても良い。
【0041】接着剤層の厚みt1は特に限定は無いが、
接着剤層の厚みt1と転写シートの厚みt2との総厚T
が、エンボスローラの凹凸の最大高低差H以上とする。
但し、接着機能発現の意味からは、通常は5μm以上で
ある。また、通常は装飾層主体の転写層は薄い為に、こ
の場合、エンボスによる凹凸は専ら接着剤層がその深さ
を主体的に受け持つ事になるので、接着剤層の厚みt1
は、より好ましくは、該厚みt1自身を最大高低差H以
上とするのが良い。以上のことより、接着剤層の厚み
は、通常、賦形する凹凸模様の深さ等にもよるが5〜1
00μm程度の範囲である。
【0042】なお、図1にて、被転写基材の予熱装置1
7aは、被転写基材側に接着剤層を形成する場合には、
加熱手段が熱風等であれば、接着剤中の溶剤等の揮発成
分の乾燥装置として使用しても良い。同様に、転写シー
ト側の予熱装置17bも接着剤中の揮発成分の乾燥装置
として使用しても良い。なお、予熱装置17a、17b
としては、熱風、赤外線ヒータ、誘電加熱ヒータ等の公
知の加熱手段による装置で良い。接着剤中の有機溶剤の
乾燥も兼ねる場合、予熱装置17a、17bは、防爆、
防火の点から、赤外線ヒータでは無く、熱風を用いるこ
とが望ましい。
【0043】また、接着剤層の樹脂に硬化性樹脂を使用
する場合には、転写シートを被転写基材に押し付けて、
転写シートの圧着とエンボス加工が行われた後に、硬化
性樹脂の硬化反応を進めて完結させれば良い。なお、硬
化反応の進行は前記圧着及びエンボス加工時に一部進
行、或いは進行中であっても、そのときに熱可塑性を呈
すれば良い。この熱可塑性によって、接着剤層をエンボ
ス加工で変成させて、少なくとも接着剤層を使って凹凸
模様を転写層に賦形できる。なお、硬化反応の完了は、
支持体シートの剥離前でも剥離後でも良い。
【0044】〔転写及びエンボス加工〕転写及びエンボ
ス加工、(正確には支持体シートの剥離完了までを転写
と言うので)転写シートの圧着及びエンボス加工は、被
転写面が平面の場合に一本の押圧ローラ(転写ローラ)
で適用できる所謂ローラ転写法(特公昭60−5987
6号公報、特開平5−270199号公報、特開平5−
139097号公報等参照)に於いて、押圧ローラをエ
ンボスローラに置き換えて行う転写方法でも良いし、被
転写面が複数の側面からなる柱状の被転写基材に対して
複数の押圧ローラ(転写ローラ)を用いて対応する所謂
ラッピング転写法(特公昭59−51900号公報、特
開平5−330013号公報、特公平3−2666号公
報等参照)に於いて、押圧ローラをエンボスローラに置
き換えて行う転写方法等でも良い。
【0045】なお、本発明の転写方法では支持体シート
の剥離は、エンボスローラを転写シートが通過直後でも
良いが、通過後、間を於いてからでも良い(図3参
照)。
【0046】ここで、斜視図で示す図3の概念図を参照
して、ラッピング転写法に本発明の転写方法を適用した
或る一例よって、更に説明する。
【0047】図3に於いては、柱状の被転写基材Bを、
複数の送りローラ16上に載置して、被転写基材の長手
方向(矢印方向)に搬送し、被転写基材の搬送速度に同
調した速度で、転写シートSを被転写基材に対して供給
し、エンボスローラ12a〜12dによって転写シート
の被転写基材への押し付けによる圧着とエンボス加工と
を、被転写基材の長手方向に略直交又は直交する方向に
向かって、小面積毎に段階的に行う。同図では被転写基
材の転写すべき各側面は、断面が折れ線形状となる様な
面であり、各側面は各々単一の平面を成すので、各側面
毎にぞれぞれ専用のエンボスローラを用いる。エンボス
ローラによる転写シートの被転写基材への押し付けによ
る圧着(及びエンボス加工)は、エンボスローラ12
a、エンボスローラ12b、エンボスローラ12c、エ
ンボスローラ12dの順に行う事で、隣接する側面に対
して小面積毎に順番に段階的に押し付けて、圧着とエン
ボス加工とを行う様にしてある。なお、エンボスローラ
は、被転写基材に対し図面手前側に設けた分のみを図示
簡略化の為に表示してある。
【0048】なお、エンボスローラとしては、通常、鉄
(合金)、銅等の金属、或いはセラミックス等からなる
公知のエンボスローラを用いることができる。
【0049】また、エンボスローラは、加熱状態で用い
ても良い。こうすれば、エンボス加工により凹凸模様が
形成され易い様に、接着剤層や被転写基材等を予め予熱
しておく事を省略したり、予熱温度をより低い温度で行
う事もできる。また、逆に、接着剤層や被転写基材等の
十分な予熱を行えば、エンボスローラは加熱せずに冷却
して使用する事もできる。エンボスローラを押し付けて
凹凸模様を形成すると同時に、熱可塑性を呈する接着剤
層に形成された凹凸形状を、該接着剤層等を冷却して速
やかに固定する為である。なおここで、冷却とか加熱と
か言うのは、エンボスローラに到達する直前の転写シー
ト、及び/又は接着剤層の温度に比べて高い場合を加
熱、低い場合を冷却と呼称する。
【0050】そして、転写シートを被転写基材に圧着す
ると同時にエンボス加工後、同図では、剥離ローラ13
a〜13cによって、転写シートSの支持体シート1の
みを剥離すれば、化粧材等の転写製品Dが得られる事に
なる。なお、支持体シートの剥離は、手作業で行っても
良い。
【0051】なお、図3で概念的に示す如く、転写及び
エンボス加工装置では、転写シートを被転写基材に押圧
する時に、接着剤塗工装置14によって接着剤層を転写
シートSに形成し(適宜行う該層中の溶剤分の乾燥、或
いは転写シートの予熱等の為の予熱装置は図示略)でき
る様にしてある。また、被転写基材Bは、熱風や赤外線
ヒータ等による予熱装置15で予熱して供給できる様に
しても良い。なお、これらのことは、ラッピング転写法
への適用時以外にローラ転写法に対して適用する場合も
同様である。
【0052】〔凹凸模様〕ところで、エンボス加工で形
成する凹凸模様6としては〔図5参照〕、特に限定は無
い。凹凸模様は、例えば、木目導管溝、砂目、タイルや
レンガ貼り等の目地溝、皮絞、花崗岩の劈開面の凹凸模
様、梨地、ヘアライン、万線状溝、木目年輪模様、布目
の表面テクスチュア、文字、幾何学模様等である。凹凸
模様の深さは、接着剤層と転写層との総厚Tにもよる
が、例えば30〜100μm程度である。
【0053】また、更に(支持体シート剥離後の)凹凸
模様の凹部には、公知のワイピング法等によって着色イ
ンキを充填して固化させて着色部を形成しても良い。特
に木目導管等とする凹部に着色インキを充填し固化させ
て着色部とすれば、より意匠感に富んだ木目導管溝等を
表現できる。また、転写製品の最表面には、樹脂塗装等
によって公知の表面保護層を形成しても良い。
【0054】〔転写製品の用途〕本発明の転写方法で得
られる転写製品の用途は特に制限は無い。例えば、窓
枠、扉、手摺、敷居、鴨居等の建具、壁面、天井、床等
の建築物内装材、外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の外
装材、箪笥等の家具、或いはテレビ受像機等の弱電・O
A機器のキャビネット、自動車、電車、航空機、船舶等
の乗物内装材、小物入れ等の容器等として用いる。
【0055】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって、
更に具体的に説明する。
【0056】〔実施例〕図4の如き転写シートSとし
て、厚さ25μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルムからなる支持体シート1の片面に、転写層2
として、アクリル樹脂からなる剥離層7(厚さ2μm)
と、バインダーの樹脂がアクリル樹脂で、着色剤として
弁柄、黄鉛及びフタロシアニンブルーを主成分とする着
色インキによる木目柄の柄パターン層8a(厚さ3μ
m)と、バインダーの樹脂がアクリル樹脂で着色剤とし
てチタン白、弁柄、カーボンブラック及び黄鉛を主成分
とする着色インキによる隠蔽性の全ベタ層8b(厚さ2
μm)とからなる装飾層8を、この順にグラビア輪転印
刷の多色刷りで形成した転写シート(転写シートの厚み
t2=32μm)を用意した。
【0057】そして、転写及びエンボス加工は、図3の
概念的で示す如きラッピング転写法によって行った。先
ず、上記転写シートSを被転写基材Bに積層時にインラ
インで、その転写層側の面にホットメルト型の接着剤を
接着剤塗工装置14にて溶融塗工して接着剤層(接着剤
層の厚みt1=60μm)を形成した。接着剤には1液
湿気硬化型ウレタン樹脂系の接着剤(未硬化時は室温で
熱可塑性の固体のもの。日本エヌエスシー株式会社製、
70−7310)を用い、塗工温度60℃で溶融塗工し
た。なお、接着剤層と転写シートとの総厚Tは92μm
である。
【0058】一方、被転写基材Bとしては、柱状のMD
F(木質中密度繊維板)を用いた。そして、この被転写
基材を予熱装置で予め被転写面の表面温度を80℃に予
熱しながら、被転写基材の転写すべき複数の側面に、上
記の接着剤層形成済みの転写シートを、複数のエンボス
ローラにて順番に押し付けて圧着すると共に、エンボス
加工した。エンボスローラは、多数の木目導管溝状の凸
部(最大高低差H=50μm)が形成された金属製のロ
ーラで、内部空洞に冷却水を通して表面温度20℃に調
整して用いた。この後、剥離ローラにて、支持体シート
を剥離した。そして接着剤層の樹脂は、その後、湿気に
より完全硬化し硬化物となった。以上の結果、転写製品
Dとして、装飾層による木目柄のみならず、木質意匠に
特徴的な導管溝の凹凸模様もエンボス加工で同時に形成
された、高意匠な木質化粧材(板)が得られた。
【0059】〔比較例〕実施例に於いて、接着剤層の厚
みt1を60μmから10μmに変更した他は、実施例
と同様にして、転写製品を得る事を試みた。なお、接着
剤層と転写シートとの総厚Tは42μmである。
【0060】〔評価結果〕接着剤層の厚みを変えること
によって、接着剤層と転写シートとの総厚Tと、エンボ
スローラの最大高低差Hとの関係を変化させた、実施例
及び比較例の評価結果を、表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】実施例は、総厚T(92μm)はエンボス
ローラの最大高低差H(50μm)に対して大きく、そ
の上、接着剤層の厚みt1(60μm)も最大高低差H
に対して大きい。この実施例は、転写及びエンボス加工
による不良は特に発生せず、歩留り、すなわち良品率も
99%と満足できるものであった。しかし、比較例は、
総厚T(42μm)が最大高低差H(50μm)に対し
て小さく、もちろん、接着剤層の厚みt1(10μm)
も最大高低差Hに対して小さい。この為、この比較例
は、転写及びエンボス加工にて、転写シートの破れが発
生した他、エンボスローラが被転写基材に当たって回転
が重くなる不具合が発生した。この為、比較例では歩留
りが35%と低下した。
【0063】
【発明の効果】本発明の転写方法によれば、接着剤層
と転写シートの厚みの総厚Tをエンボスローラの凹凸の
最大高低差H以上と規定する事によって、凹凸模様の賦
形が不十分となったり、エンボスローラが被転写基材に
当たってその回転が重くなったり、転写シートが破れて
しまう不具合を防いで、転写と共にエンボス加工を円滑
に行える。その結果、歩留りを大幅に向上させることが
できる。しかも、接着剤層は少なくともエンボス加工時
に於いては熱可塑性を呈する樹脂からなるので、転写シ
ートを被転写基材に押し付けて圧着すると同時のエンボ
ス加工にて、容易に凹凸模様を賦形できる。また、押圧
ローラ(転写ローラ)をエンボスローラが兼用する為
に、押圧ローラに代えてエンボスローラを使用して押圧
ローラ部分を流用することで、装置的にも容易に、転写
とエンボス加工とを同時に行うこともできる。
【0064】更に、エンボスローラが加熱された状態
で、転写及びエンボス加工を行えば、エンボス加工で凹
凸模様が賦形される層となる接着剤層等を、十分に加熱
軟化させた状態として転写層の被転写基材への接着とエ
ンボス加工が出来るので、より少ない圧で転写及びエン
ボス加工が出来、転写シートや被転写基材への負担も減
らせる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写方法を概念的に説明する概念図。
【図2】本発明の転写方法にて、総厚Tと最大高低差H
との関係を概念的に説明する概念図。
【図3】本発明の転写方法の一形態として、ラッピング
転写法で行う場合を概念的に説明する概念図(斜視
図)。
【図4】本発明の転写方法で使用し得る転写シートの一
例を示す断面図。
【図5】本発明の転写方法で得られる転写製品の一例を
示す断面図。
【符号の説明】
1 支持体シート 2 転写層 3 接着剤層 5 エンボスローラ 6 凹凸模様 7 剥離層 8 装飾層 8a 柄パターン層 8b 全ベタ層 12、12a〜12d エンボスローラ 13、13a〜13c 剥離ローラ 14 接着剤塗工装置 15 予熱装置 16 送りローラ 17a、17b 予熱装置 B 被転写基材 D 転写製品 H エンボスローラの凹凸の最大高低差 S 転写シート T 接着剤層と転写シートの厚みの総厚 t1 接着剤層の厚み t2 転写シートの厚み

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写シートを用いた転写方法において、 支持体シートの片面に転写層が設けられた転写シートを
    用い、該転写シートの転写層側又は/及び被転写基材の
    被転写面側に、熱可塑性を呈する樹脂の接着剤層を形成
    した後、エンボスローラを転写シートの支持体シート側
    から押し付けることにより、転写シートの被転写基材へ
    の圧着を行うと同時にエンボス加工を施し、その後、支
    持体シートを剥がすことにより、エンボス加工による凹
    凸模様が賦形された転写層で被転写基材を被覆する転写
    方法であって、 上記接着剤層と転写シートの厚みの総厚Tと、エンボス
    ローラの凹凸の最大高低差Hとが、総厚T≧最大高低差
    Hの関係になる様にして転写及びエンボス加工を行う、
    転写方法。
  2. 【請求項2】 上記エンボスローラが加熱された状態
    で、転写及びエンボス加工を行う、請求項1記載の転写
    方法。
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