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JPH09131180A - バチルス属細菌由来のトランスグルタミナーゼ - Google Patents

バチルス属細菌由来のトランスグルタミナーゼ

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JPH09131180A
JPH09131180A JP8013072A JP1307296A JPH09131180A JP H09131180 A JPH09131180 A JP H09131180A JP 8013072 A JP8013072 A JP 8013072A JP 1307296 A JP1307296 A JP 1307296A JP H09131180 A JPH09131180 A JP H09131180A
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JP
Japan
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bacillus
protein
bacterium
derived
activity
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JP8013072A
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Katsunori Kobayashi
克徳 小林
Shigeru Yamanaka
茂 山中
Kiyoshi Miwa
清志 三輪
Shunichi Suzuki
俊一 鈴木
Yuzuru Eto
譲 江藤
Yuuko Tanida
有子 谷田
Kenzo Yokozeki
健三 横関
Kenichi Hashiguchi
賢一 橋口
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Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
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Publication date
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Priority to EP96101905A priority patent/EP0726317B1/en
Priority to TW085102984A priority patent/TW403785B/zh
Publication of JPH09131180A publication Critical patent/JPH09131180A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明はペプチド鎖内のグルタミン残基
のγ−カルボシキアミド基のアシル移転反応を触媒する
バチルス属細菌由来のトランスグルタミナーゼ及び当該
トランスグルタミナーゼによる架橋高分子物の製造法に
関する。 【効果】 本トランスグルタミナーゼはカルシウム非要
求性であることから用途が制限されないし、コスト的に
も有利であるという利点を有する。また、本発明のTG
を利用すると豆腐、練製品等の架橋高分子化物を製造で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(1)バチルス・
ズブチリス等のバチルス属細菌の生産するトランスグル
タミナーゼ(以下TGという)、(2)該トランスグル
タミナーゼ活性を有する画分、及び(3)TGもしくは
TG活性を有する画分の作用により、タンパク質、非タ
ンパク性アミノ酸ポリマー、ペプチド又はこれらの誘導
体に含まれるグルタミンとリジン残基を架橋結合させ、
タンパク質、非タンパク性アミノ酸ポリマー、ペプチド
又はこれらの誘導体の分子内及び分子間にε−(γ−G
lu)−Lys架橋結合を形成させることを特徴とする
架橋構造を有するタンパク質、非タンパク性アミノ酸ポ
リマー、ペプチド又はこれらの誘導体の製造法である。
さらに本発明は、(4)バチルス・ズブチリス等のバチ
ルス属細菌由来のトランスグルタミナーゼをコードする
DNA、(5)該DNAとベクターDNAが接続されて
得られる組み換えDNA、(6)該組み換えDNAによ
って形質転換体された細胞、(7)該形質転換体を培養
することを特徴とするバチルス属細菌由来のトランスグ
ルタミナーゼの製造法に関する。尚、本発明に於いて
は、TG又はTG活性を有する画分の作用により生じる
架橋構造を有するタンパク質、非タンパク性アミノ酸ポ
リマー、ペプチド又はこれらの誘導体を架橋高分子化物
と称する。
【0002】TGは、ペプチド鎖内にあるグルタミン残
基のγ−カルボキサミド基を基質とし、アシル転移反応
を触媒する酵素である。該反応において、ペプチド鎖内
のリジン残基のε−アミノ基がアシル受容体となるとき
は、ペプチド分子内あるいは分子間にε−(γ−Gl
u)−Lys架橋結合(以下、「GL結合」と略する)
が形成する。水がアシル受容体となるときは、グルタミ
ン残基に脱アミド反応が生じ、グルタミン残基がグルタ
ミン酸残基になる。
【0003】なお、本発明のバチルス属細菌のTGを利
用して架橋高分子化物を製造することができる。このよ
うにして製造された架橋高分子化物は、豆腐、プリン、
ヨーグルト、チーズ、摺り身、練製品、ソーセージ等の
畜肉製品等の食品、化粧料等として用いられる。
【0004】
【従来の技術】従来、TGは多くの動物組織に存在する
ことが知られていた。例えば、モルモットの肝臓(Conn
ellan et al., Journal of Biological Chemistry 246
巻1093〜1098頁(1971))に存在し、研究されている。し
かし、微生物のTGについては放線菌、枯草菌(M.V.Ra
manujam et al., FASEB J.4巻A2321)と粘菌(J.D.klei
n et al., J.Bacteriol.174巻2599〜2605頁)でのみ報
告されている。現在、産業的には放線菌の生産するTG
が実用化されている(特公平6−65280、特開平1
−27471)。
【0005】モルモット等の動物由来のTGの産業への
利用、特に架橋高分子化物の製造方法には以下に述べる
ような欠点がある。即ち、動物由来のTGを安価かつ大
量に入手することが困難である。また、該TGはカルシ
ウムイオン要求性であるため、その用途が制限される。
【0006】放線菌由来のTGも若干の欠点を有する。
すなわち、放線菌は一般の細菌に比べて生育速度が遅い
ため、培養時間が長くなり、それゆえ生産コストの増大
を招く。
【0007】枯草菌由来のTGについては、ニューメキ
シコ州立大学の Ramanujam らが、その存在を報告して
いる。しかし、その報告に記載されるTGは、以下の性
質を示す。 1)至適pHが9.5以上である。2)キレート剤(E
GTA)により、その活性が強く阻害されるので、金属
イオンの要求性があると思われる。3)5mM以上のC
a2+で阻害される。4)DTTにより阻害される。5)
栄養細胞及び胞子形成細胞の両者によって生産される。
これらの性質のうち特に、至適pHが高いこと、金属イ
オンにより影響を受けることから実用上用途が制限され
ると思われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、1)
動物由来のTGを産業に応用する場合、カルシウム要求
性であることから用途が制限されるという問題、及び生
産コストが高くなるという問題、2)放線菌由来のTG
を産業に応用する場合、細菌に比べるとその増殖が遅
く、生産コストが高くなるという問題、又3)ニューメ
キシコ大学の研究者らが報告した枯草菌由来のTGを産
業に応用する場合、該TGが5mMのCa2+によって阻
害されるので実際の食品系では使用できないという問題
がある。従って、本発明の目的は、コスト面で問題がな
く、かつ、古来から食品に利用されている枯草菌等のバ
チルス属細菌から新しいTGを単離し、該TGによる架
橋高分子化物を製造する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、古来から
食品に利用されている微生物である枯草菌等のバチルス
属細菌由来のTGを新たに見い出すべく鋭意検討を行っ
た結果、枯草菌等のバチルス属細菌が新規なTGを有す
ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本
発明は、以下の性質を有するバチルス属細菌由来のTG
及び当該TG若くは当該TGを有する画分を用いるタン
パク質、非タンパク性アミノ酸ポリマー、ペプチド又は
これらの誘導体に含まれるグルタミンとリジン残基を架
橋結合させ、タンパク質、非タンパク性アミノ酸ポリマ
ー、ペプチド又はこれらの誘導体の分子内及び分子間に
ε−(γ−Glu)−Lys架橋結合を形成させること
を特徴とする架橋構造を有するタンパク質、非タンパク
性アミノ酸ポリマー、ペプチド又はこれらの誘導体の製
造法である。 (バチルス属細菌由来のTGの性質) 1)至適pH:約7〜約9 2)至適温度:約40〜約65℃ 3)温度安定性:約60℃以下で安定 4)活性にCa2+イオンの要求性はない。即ち、Ca2+
依存性で、かつ5mMのCa2+存在下で50%以上活性
を有する。 5)NEM,Cystamine、(NH42SO4のいずれかで
阻害される。 6)EDTA、DTT、2−MEのいずれにも阻害され
ない。 7)分子量:(a)約18000−約22000(ゲル
濾過法)、(b)約28000−約30000(SDS
−PAGE法) 8)ペプチド鎖内に存在するグルタミン残基のγ−カル
ボキシアミド基のアシル移転反応を触媒する さらに本発明は、バチルス・ズブチリスに代表されるバ
チルス属細菌由来のTGをコードするDNA、該DNA
とベクターDNAが接続されて得られる組み換えDN
A、該組み換えDNAによって形質転換体された細胞、
該形質転換体を培養することを特徴とするバチルス属細
菌由来のトランスグルタミナーゼの製造法である。
【0010】
【発明の実施の形態】枯草菌等のバチルス属細菌の胞子
が、物理的、化学的及び生化学的に、著しい耐性を示す
ことはよく知られている。本発明者らは、GL結合がこ
れらの耐性をもたらしていると考えた。なぜなら、GL
結合は動物の血管や毛等、結合組織に広く存在してお
り、該結合が結合組織の強度を補強していると考えられ
るからである。ところで、GL結合は、動物の血管や毛
等、結合組織に広く存在するが、これらの組織にTGが
存在することも認められている。即ち、TGの作用によ
りGL結合が作られ、組織の強度が補強されるのであろ
う。
【0011】そこで、本発明者らは、固体NMR、HP
LC分析法等の手法を用いて枯草菌等のバチルス属細菌
の胞子の構造を分析した結果、同胞子中にGL結合が存
在することを発見した。この発見に基づき、本発明者ら
は、GL結合の形成を触媒するTGがバチルス属細菌に
も存在すると考えた。
【0012】この考えに基づき、本発明者らは、自然
界、特に土壌より、枯草菌に代表されるバチルス属細菌
等の有胞子細菌にターゲットを絞り、TGを産生する細
菌を単離するためにスクリーニングを行った。有胞子細
菌が胞子形成期に達したときに、そのTG活性を調べた
ところ、TG活性を強く有する菌株を2株発見した。本
発明者らは該菌株をそれぞれ AJ12866及び AJ1307 と命
名した。AJ12866 及び AJ1307 を通常の同定方法を行
い、Bergey's Manual of Systematic Bacteriologyに基
づき同定したところ、両者ともバチルス・ズブチリス
(Bacillus subtilis)であることが判明した。尚、こ
のバチルス・ズブチリス AJ12866 は通商産業省工業技
術院生命工学工業技術研究所(以下、「生命研」と略す
る)に、1995年2月2日付けで寄託されており、そ
の寄託番号は FERM P-14750 である。また、バチルス・
ズブチリス AJ12866 は、1995年12月4日付けで
ブタペスト条約に基づく国際寄託に移管されており、そ
の国際寄託番号は FERM BP-5325 である。バチルス・ズ
ブチリス AJ1307 は生命研に、1995年8月22日付
けで寄託されており、その寄託番号は FERM P-15123 で
ある。また、バチルス・ズブチリス AJ1307 は、199
6年1月18日付けでブタペスト条約に基づく国際寄託
に移管されており、その国際寄託番号は FERM BP-5367
である。
【0013】本発明であるTGは、胞子を有するバチル
ス属細菌に広く存在する。つまり、バチルス・ズブチリ
ス(Bacillus subtilis)を初め、以下のバチルス属細
菌にもTGが存在する。即ち、バチルス・リケニフォル
ミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリ
ウム(Bacillus megaterium)、バチルス・ステアロサ
ーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バチ
ルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・スフ
ェリカス(Bacillus sphaericus)、バチルス・ポリミ
キサ(Bacillus polymyxa)、バチルス・アルカロフィ
ラス(Bacillus alcalophilus)等である。
【0014】次に、これらバチルス属細菌を培養し、そ
の培養物からTGを取得するための培養方法及び精製法
等について述べる。
【0015】その培養形態は液体培養、固体培養いずれ
も可能であるが、工業的に有利な方法は、深部通気攪拌
培養法である。栄養培地の栄養源としては、微生物培養
に通常用いられる炭素源、窒素源、無機塩及びその他の
微量栄養源を使用できる。バチルス属細菌が利用できる
栄養源であればすべてを使用できる。通気条件として
は、好気条件を採用する。培養温度としては、菌が発育
し、TGが生産される範囲であれば良い。従って、厳密
な条件は無いが、通常10〜50℃、好ましくは30〜
40℃である。但し、高温菌として分類されるバチルス
属細菌を培養する場合には、上記温度より高い温度で培
養することができる。培養時間は、その他の培養条件に
応じて変化する。例えば、TGが最も生産される時間ま
で培養すれば良く、通常5時間〜7日間、好ましくは1
0時間〜3日間程度である。
【0016】TG活性が見られる時期は、胞子形成期に
限定される。これがニューメキシコ州立大学のグループ
が報告した枯草菌由来のTGと大きく異なる点である。
胞子が形成され始めた後、TG活性は上昇し始める。T
G活性はおよそ胞子形成IV期〜第VI前後に最大となった
後、やがて減少する。TG活性は培養液中に極わずか検
出されるが、菌体中にいっそう強い活性が検出される。
低温条件下で、菌体を破砕するかあるいは溶菌させる。
これらの処理を受けた菌体を20000xg、10分間
の遠心分離する。上澄画分と沈殿画分とを分離した後、
両者それぞれのTG活性を検定すると、該活性が沈澱画
分、すなわち胞子を含む画分に存在することが判明す
る。これらのことから、TGが胞子表面に存在すること
が分かった。
【0017】バチルス属細菌由来のTGを精製する場
合、細菌を培養した培養液を出発材料としてTGを精製
することも可能だが、バチルス属細菌の胞子嚢を破砕す
ることにより、又は、溶菌することにより得られる胞子
を出発材料とする方が有利である。
【0018】バチルス属細菌を培養して得られる胞子嚢
を破砕することにより、又は、溶菌することにより胞子
を得ることができる。該処理を行うと、TG活性は胞子
を含む不溶性画分中に回収される。このため、該不溶性
画分を濃縮して酵素剤とすることもできる。不溶性画分
中に回収されるTG活性を可溶性画分中に回収するため
には(すなわちTG活性を可溶化するためには)、下記
の操作が必要となる。例えば、トリトンX−100、ア
ルキルグルコシド等の界面活性剤を該不溶性画分に添加
することによってTG活性を可溶性画分中に回収するこ
とができる。胞子を含む画分を塩基性の緩衝液(例え
ば、20mM炭酸水素ナトリウム緩衝液、pH10)で
処理することによっても、TG活性を可溶性画分中に回
収することが可能である。あるいは、胞子を含む画分を
緩衝液に懸濁し、得られる懸濁液を加温することによっ
ても、TG活性を可溶性画分中に回収することが可能で
ある。例えば10℃以上にすることでTG活性を可溶性
画分中に回収することが可能である。
【0019】可溶化したTGは、ゲル化剤として利用さ
れ得る。酵素を精製するために用いられる全ての常法、
例えばゲル濾過法、イオン交換クロマトグラフィー法等
を採用することにより、可溶化したTGをさらに精製す
ることができる。その結果、より比活性が高いTGを得
ることができる。精製されたTGは、TG比活性がより
高いゲル化剤となる。
【0020】TG活性の測定法は、以下の方法で行う。
基質として14Cで標識されたプトレシンとジメチルカゼ
インを採用し、これらにTGを含む試料を作用させて反
応を進行させる。プトレシンが結合したジメチルカゼイ
ンを10%TCAで沈澱させ、これを濾紙に吸着させ
る。濾紙に存在する放射線活性は、試料中のTG活性に
比例するので、試料中にあるTG活性を定量することが
できる。放射線活性は液体シンチレーションカウンター
で測定できる。
【0021】尚、バチルス・ズブチリス AJ1307 由来の
TGをTG−1と、バチルス・ズブチリス AJ12866 由
来のTGをTG−2と、それぞれ表記する場合もある。
また、TG−1及びTG−2のデータを基に本発明のT
Gの酵素化学的性質を以下に述べる。
【0022】至適pH:約7〜約9付近にある。作用至
適pHの範囲を求めるために、37℃の条件下で30分
間反応を行った。
【0023】至適温度:約40〜65℃付近にある。作
用至適温度範囲を求めるために、pH7.5の条件下で
30分間反応を行った。
【0024】温度安定性:約60℃以下で安定であっ
た。pH7.5の条件下で10分間高温処理した場合の
温度安定性を調べた。60℃での高温処理を行った場合
にも、約80%のTG活性が残存した。
【0025】阻害剤の影響:バチルス属細菌由来のTG
はNEM(N−エチルマレイミド)、Cystamine(シス
タミン)によって強く阻害される。また、(NH42
4(硫酸アンモニウム)によって強く阻害される。
【0026】DTT、EDTAの影響:バチルス属細菌
由来のTGは、DTT(ジチオスレイトール)が共存す
ることによって活性が上昇する。一方、EDTA(エチ
レンジアミン四酢酸)が共存しても、TG活性はほとん
ど影響を受けなかった。
【0027】Ca2+の影響:本発明のTGは、Ca2+イオ
ンの要求性はない。即ち、Ca2+非依存性の酵素であ
る。また、5mMのCa2+存在下で50%以上の活性を
有する。
【0028】分子量:a)約18,000−約22,0
00(ゲル濾過法)、b)約28,000−約30,0
00(SDS−PAGE法)
【0029】作用:ペプチド鎖内にあるグルタミン残基
のγ−カルボキサミド基を基質とし、アシル転移反応を
触媒する。該反応において、ペプチド鎖内のリジン残基
のε−アミノ基がアシル受容体となるときは、ペプチド
分子内あるいは分子間にε−(γ−Glu)−Lys架
橋結合が形成する。水がアシル受容体となるときは、グ
ルタミン残基に脱アミド反応が生じ、グルタミン残基が
グルタミン酸残基になる。このように、バチルス・ズブ
チリス AJ12866 及びバチルス・ズブチリス AJ1307 由
来の本発明のTGは、ニューメキシコ州立大学のグルー
プが報告したバチルス・ズブチリス由来のTGとは明ら
かに性質の異なるものであった。
【0030】次に、本TGを用いる架橋高分子化物の製
法について述べる。架橋高分子化物の製造反応に用いる
TGとしては、(1)バチルス属細菌を培養して得た胞
子嚢を破砕もしくは溶菌して得た胞子を含む不溶性画分
を濃縮したものを用いても良い、又(2)この不溶性画
分を種々の可溶性処理をして得られるTG活性を有する
画分を用いても良いし、更には(3)精製された比活性
の高いTGを用いても構わない。後述するような、バチ
ルス属細菌由来のTGをコードするDNAとベクターが
接続されて得られる組み換えDNAによって形質転換さ
れた細胞を培養することによって得られたバチルス属由
来のTGを用いることもできる。その他、バチルス属細
菌由来のTG活性を有する画分であれば、全てを使用す
ることが可能である。
【0031】TG又はTG活性画分の基質としては、タ
ンパク質、非タンパク性アミノ酸ポリマー、ペプチド又
はこれらの誘導体を1種以上用いればよい。タンパク質
としては、リジン残基及びグルタミン残基を有し、上述
の触媒を受けるものであれば、その起源、性状に制約さ
れるものではない。例えば、カゼイン、ゼラチン、大豆
タンパク等が基質として用いられる。また、プロテアー
ゼ等で部分的に切断したタンパク質等も用いることがで
きる。非タンパク性アミノ酸ポリマーとしては化学合成
で得られるポリリジン等のアミノ酸高分子ポリマーを挙
げることができる。ペプチドとしては化学合成により得
たペプチドを用いてもよいし、又天然のタンパク質を
酸、アルカリ、プロテアーゼ等でで分解したものを用い
ることができる。更に、これらの誘導体としては、糖タ
ンパク質、化学修飾したタンパク質等を用いることがで
きる。いずれにしても、リジン残基、グルタミン残基を
有する条件が満たされれば、TG又はTG活性画分の基
質となる。
【0032】基質濃度が0.1%以上のタンパク質等の
含有溶液又はスラリーに、本TG又は本TG活性を有す
る画分を添加、作用させることにより架橋高分子化物が
得られる。尚、本発明においては、架橋高分子化物は、
架橋度の違いにより、ゲル状物、高粘性物、更には単に
高分子化したものに分類されることがあるが、本発明に
いう架橋高分子化合物はこれら全てを含む。
【0033】一般的に、反応溶液のpHは約4〜10、
反応温度は約5〜80℃、反応時間は約10秒〜24時
間である。これにより、架橋高分子化物(ゲル状物、高
粘性物等)が得られる。
【0034】次に、組み換えDNA技術によってバチル
ス属細菌由来のTGを製造する方法について説明する。
【0035】組み換えDNA技術を利用して酵素、生理
活性物質等の有用タンパク質を製造する例は数多く知ら
れている。組み換えDNA技術を用いることの利点は、
天然に微量に存在する有用タンパク質を大量生産できる
ことである。
【0036】組み換えDNA技術を利用してバチルス属
細菌由来のTGを製造するためには、バチルス属細菌由
来のTGをコードするDNAが必要である。該DNAと
ベクターDNAとを接続して組み換えDNAを得る。該
組み換えDNAを用いて宿主細胞を形質転換する。バチ
ルス属細菌由来のTGを生産するように形質転換された
細胞を培地中で培養し、培地中及び/又は細胞中にバチ
ルス属細菌由来のTGを生成蓄積させ、該TGを回収す
る。
【0037】バチルス属細菌由来のTGをコードするD
NAを取得する方法について説明する。はじめに、精製
されたTGのアミノ酸配列を決定する。エドマン法(Ed
man,P., Acta Chem. Scand. 4, 227 (1950))を用いて
アミノ酸配列を決定することができる。またApplied Bi
osystems社製のシークエンサーを用いてアミノ酸配列を
決定することができる。本発明のバチルス属細菌由来の
TGについて、N末端から35残基のアミノ酸配列を決
定したところ、配列表配列番号1に示される配列が明ら
かとなった。
【0038】明らかとなったアミノ酸配列に基づいて、
これをコードするDNAの塩基配列を演繹できる。DN
Aの塩基配列を演繹するには、ユニバーサルコドンある
いはバチルス属細菌の遺伝子中でもっとも頻繁に用いら
れるコドンを採用する。
【0039】演繹された塩基配列に基づいて、30〜5
0塩基対程度のDNA分子を合成する。該DNA分子を
合成する方法はTetrahedron Letters, 22, 1859 (1981)
に開示されている。また、Applied Biosystems社製のシ
ンセサイザーを用いて該DNA分子を合成できる。該D
NA分子は、バチルス属細菌由来のTGをコードするD
NA全長を、バチルス属細菌染色体遺伝子ライブラリー
から単離する際に、プローブとして利用できる。あるい
は、バチルス属細菌由来のTGをコードするDNAをP
CR法で増幅する際に、プライマーとして利用できる。
ただし、PCR法を用いて増幅されるDNAはバチルス
属細菌由来のTGをコードするDNA全長を含んでいな
いので、PCR法を用いて増幅されるDNAをプローブ
として用いて、バチルス属細菌由来のTGをコードする
DNA全長をバチルス属細菌染色体遺伝子ライブラリー
から単離する。PCR法の操作については、White, T.
J. et al., Trends Genet. 5, 185 (1989)等に記載され
ている。バチルス属細菌の染色体DNAを調製する方法
については、Molecular Biological Methods for Bacil
lus, John Wiley & Sons Ltd (1990)等に記載されてい
る。バチルス属などの細菌染色体遺伝子ライブラリーを
作成する方法については、Molecular Biological Metho
ds for Bacillus, JohnWiley & Sons Ltd (1990)等に記
載されている。DNA分子をプローブとして用いて、遺
伝子ライブラリーから目的とするDNA分子を単離する
方法については、Molecular Cloning, 2nd edition, Co
ld Spring Harbor press (1989)等に記載されている。
【0040】単離されたバチルス属細菌由来のTGをコ
ードするDNAの塩基配列を決定する方法は、A Practi
cal Guide to Molecular Cloning, John Wiley & Sons,
Inc. (1985)に記載されている。また、Applied Biosys
tems社製のDNAシークエンサーを用いて、塩基配列を
決定することができる。バチルス属細菌由来のTGをコ
ードするDNAの一つを配列表配列番号2に示す。該D
NAはバチルス・ズブチリス AJ1307 株の染色体DNA
から単離されたものである。バチルス属細菌由来のTG
をコードするDNAは、配列表配列番号2に示されるD
NAだけではない。すなわち、バチルス属に属する細菌
の種及び株ごとに、塩基配列の違いが観察されるはずだ
からである。また、バチルス属細菌の染色体DNAから
単離されたTGをコードするDNAに人工的に変異を加
えて塩基配列を変更することができる。人工的に変異を
加える方法として頻繁に用いられるものとして、Metho
d. in Enzymol.,154 (1987)に記載されている部位特異
的変異導入法がある。人工的に変異が加えられたDNA
であっても、バチルス属細菌由来のTGをコードする場
合には、本発明のバチルス属細菌由来のTGをコードす
るDNAである。バチルス・ズブチリス AJ1307 由来の
TGをコードするDNAとベクターDNAとが接続され
て得られる組み換えDNAを細胞内に有するエシェリヒ
ア・コリAJ13172 は生命研に、1995年12月20日
付けで、ブタペスト条約に基づいて国際寄託されてお
り、その国際寄託番号は FERM BP-5346 である。
【0041】バチルス属細菌由来のTGをコードするD
NAをベクターDNAと接続して組み換えDNAを取得
し、該組み換えDNAによって細胞を形質転換して形質
転換体を取得し、そして該形質転換体を培地中で培養
し、培地中及び/又は細胞中にバチルス属細菌由来のT
Gを生成蓄積させて、該TGを回収することによってバ
チルス属細菌由来のTGを大量生産することができる。
【0042】タンパクを組み換えDNA技術を用いて大
量生産する場合、該タンパクを生産する形質転換体内で
該タンパクが会合し、タンパクの封入体(inclusion bo
dy)を形成する場合が多い。この発現生産方法の利点
は、目的のタンパク質を菌体内に存在するプロテアーゼ
による消化から保護することができる点であり、あるい
は、目的のタンパク質を菌体破砕に続く遠心分離操作に
よって簡単に精製できる点等である。このようにして得
られるタンパク封入体は、タンパク変性剤により可溶化
され、主にその変性剤を除去することによる活性再生操
作を経た後、正しく折り畳まれた生理的に活性なタンパ
クに変換される。例えば、ヒトインターロイキン−2の
活性再生(特開昭61-257931号)等多くの例がある。タ
ンパク封入体から活性型タンパクを得るためには、可溶
化・活性再生等の一連の操作が必要であり、直接活性型
タンパクを生産する場合よりも操作が複雑になる。しか
し、菌体の生育に影響を及ぼすようなタンパクを菌体内
で大量に生産させる場合は、不活性なタンパク封入体と
して菌体内に蓄積させることにより、その影響を抑える
ことができる。
【0043】目的タンパクを封入体として大量生産させ
る方法として、強力なプロモータの制御下、目的のタン
パクを単独で発現させる方法の他、大量発現することが
知られているタンパクとの融合タンパクとして発現させ
る方法がある。さらに、融合タンパクとして発現させた
後に、目的のタンパクを切り出すため、制限プロテアー
ゼの認識配列を適当な位置に配しておくことも有効であ
る。
【0044】タンパクを組み換えDNA技術を用いて大
量生産する場合、形質転換される宿主細胞としては、細
菌細胞、放線菌細胞、酵母細胞、カビ細胞、植物細胞、
動物細胞等を用いることができるが、一般に大腸菌、好
ましくはエシェリヒア・コリが用いられる。大腸菌を用
いてタンパクを大量生産する技術について数多くの知見
があるためである。以下、形質転換された大腸菌を用い
てバチルス属細菌由来のTGを製造する方法を説明す
る。
【0045】バチルス属細菌由来のTGをコードするD
NAを発現させるプロモータとしては、通常大腸菌にお
ける異種タンパク生産に用いられるプロモータを使用す
ることができ、例えば、T7プロモータ、trpプロモー
タ、la cプロモータ、tacプロモータ、PLプロモータ等の
強力なプロモータが挙げられる。
【0046】バチルス属細菌由来のTGを融合タンパク
封入体として生産させるためには、バチルス属細菌由来
のTG遺伝子の上流あるいは下流に、他のタンパク、好
ましくは親水性であるペプチドをコードする遺伝子を連
結して、融合タンパク遺伝子とする。このような他のタ
ンパクをコードする遺伝子としては、融合タンパクの蓄
積量を増加させ、変性・再生工程後に融合タンパクの溶
解性を高めるものであればよく、例えば、T7 gene 10
β−ガラクトシダーゼ遺伝子、デヒドロ葉酸還元酵素遺
伝子、インターフェロンγ遺伝子、インターロイキン−
2遺伝子、プロキモシン遺伝子等が候補として挙げられ
る。これらの遺伝子とバチルス属細菌由来のTGをコー
ドする遺伝子とを連結する際には、コドンの読み取りフ
レームが一致するようにする。適当な制限酵素部位で連
結するか、あるいは適当な配列の合成DNAを利用すれ
ばよい。
【0047】また、生産量を増大させるためには、融合
タンパク遺伝子の下流に転写終結配列であるターミネー
ターを連結することが好ましい。このターミネータとし
ては、T7ターミネータ、fdファージターミネータ、T4タ
ーミネータ、テトラサイクリン耐性遺伝子のターミネー
タ、大腸菌trpA遺伝子のターミネータ等が挙げられる。
【0048】バチルス属細菌由来のTG、又は、バチル
ス属細菌由来のTGと他のタンパクとの融合タンパクを
コードする遺伝子を大腸菌に導入するためのベクターと
しては、いわゆるマルチコピー型のものが好ましく、Co
l E1由来の複製開始点を有するプラスミド、例えばpUC
系のプラスミドやpBR322系のプラスミド、あるいはその
誘導体が挙げられる。また、形質転換体を選別するため
に、該ベクターがアンピシリン耐性遺伝子等のマーカー
を有することが好ましい。このようなプラスミドとし
て、強力なプロモーターを持つ発現ベクターが市販され
ている(pUC系(宝酒造(株)製)、pPROK系(クロンテ
ック製)、pKK233-2(クロンテック製)ほか)。
【0049】プロモータ、バチルス属細菌由来のTG又
はバチルス属細菌由来のTGと他のタンパクとの融合タ
ンパクをコードする遺伝子、ターミネータの順に連結し
たDNA断片と、ベクターDNAとを連結して組み換え
DNAを得る。
【0050】該組み換えDNAを用いて大腸菌を形質転
換し、この大腸菌を培養すると、バチルス属細菌由来の
TG又はバチルス属細菌由来のTGと他のタンパクとの
融合タンパクが発現生産される。形質転換される宿主
は、異種遺伝子の発現に通常用いられる株を使用するこ
とができるが、特にエシェリヒア・コリ JM109(DE3)
株、JM109株が好ましい。形質転換を行う方法、及び形
質転換体を選別する方法はMolecular Cloning, 2nd edi
tion, Cold Spring Harbor press (1989)等に記載され
ている。
【0051】融合タンパクとして発現させた場合、血液
凝固因子Xa、カリクレインなどの、TG内に存在しない
配列を認識配列とする制限プロテアーゼを用いてTGを
切り出せるようにしてもよい。
【0052】生産培地としては、M9−カザミノ酸培
地、LB培地など、大腸菌を培養するために通常用いる
培地を用いてもよい。また、培養条件、生産誘導条件
は、用いたベクターのマーカー、プロモータ、宿主菌等
の種類に応じて適宜選択する。
【0053】バチルス属細菌由来のTG又はバチルス属
細菌由来のTGと他のタンパクとの融合タンパクを回収
するには、以下の方法などがある。TGあるいはその融
合タンパク質が菌体内に可溶化されていれば、菌体を回
収した後、菌体を破砕あるいは溶菌させ、粗酵素液とし
て使用できる。さらに、必要に応じて、通常の沈澱、濾
過、カラムクロマトグラフィー等の手法によりTGある
いはその融合タンパク質を精製して用いることも可能で
ある。この場合、TGあるいは融合タンパク質の抗体を
利用した精製法も利用できる。
【0054】タンパク封入体が形成される場合には、変
性剤でこれを可溶化する。菌体タンパクとともに可溶化
してもよいが、以降の精製操作を考慮すると、封入体を
取り出して、これを可溶化するのが好ましい。封入体を
菌体から回収するには、従来公知の方法で行えばよい。
例えば、菌体を破壊し、遠心分離操作等によって封入体
を回収する。タンパク封入体を可溶化させる変性剤とし
ては、グアニジン塩酸(例えば、6M、pH5〜8)や
尿素(例えば8M)などが挙げられる。
【0055】これらの変性剤を透析等により除くと、活
性を有するタンパクとして再生される。透析に用いる透
析溶液としては、トリス塩酸緩衝液やリン酸緩衝液など
を用いればよく、濃度としては20mM〜0.5M、p
Hとしては5〜8が挙げられる。再生工程時のタンパク
濃度は、500μg/ml程度以下に抑えるのが好まし
い。再生したバチルス属細菌由来のTGが自己架橋を行
うのを抑えるために、透析温度は5℃以下であることが
好ましい。また、変性剤除去の方法として、この透析法
のほか、希釈法、限外濾過法などがあり、いずれを用い
ても活性の再生が期待できる。
【0056】バチルス属細菌由来のTGをコードするD
NAとして、配列表配列番号2に示されるDNAを用い
た場合には併記されるアミノ酸配列を有するバチルス属
細菌由来のTGが生産される。該DNA中のオープン・
リーディング・フレームは、118番目のアデノシン残
基から829番目のシトシン残基までである。
【0057】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。尚、本発明は実施例の記載に限定されない。
【0058】( 実施例1)TGの生産及び精製 バチルス・ズブチリス AJ1307 を培養し、充分にTG活
性を有する菌体を得た。培養は総てSchaeffer培地を用
い、37℃で液体振盪培養ないしは液体通気攪拌培養に
て行った。Schaeffer培地の組成はBacto-nutrient brot
h 8g/l、KCl 1g/l、MgSO4・7H2
0.12g/l、1mM CaCl2、10μM MnC
l2、1μM FeSO4、pH 7.0である。まず、種
培養としてAJ1307株を20mlの培地で24時間培養し
た。この培養液5mlを種菌として、100ml培養を
3連にて行った。培養が対数増殖後期になったとき、各
培養液を900mlの培地に移し、3連にて培養を続け
た。培養が同じく、対数増殖後期になった時、培養液3
Lを27Lの培地に移し、通気1/4vvm、攪拌350
rpmにて培養を行った。更に、培養が対数増殖後期に
なった時、同培養液30Lを270Lの培地に移し、通
気1/20vvm、攪拌200rpmにて本培養を行っ
た。増殖が定常期に入った後、6時間後に培養を終了し
た。培養液は冷水を用いて速やかに20℃以下に冷却
し、連続遠心機を用いて、菌体を回収した。こうして得
られた菌体をTGを精製するための材料として用いた。
【0059】なお、TG活性は、以下の酵素活性測定法
により行った。酵素液10μlを含む50μl反応液
(100mM Tris pH7.5、6.3mg/m
lジメチルカゼイン、10nM14C−プトレシン1.2
μCi)を37℃、30分反応させた後、40μlを濾
紙に吸着させ、10%TCAで固定化した。さらに、5%
TCA溶液で3回洗浄した後、これを液体シンチレーシ
ョンカウンターを用いて放射活性を測定し、TG活性と
した。
【0060】1.菌体の洗浄:培養後に集菌した菌体
を、50mM Tris−HCl(pH7.5)に懸濁
し、20,000xgで30分間遠心し、沈澱画分に再
度集菌した。この懸濁及び遠心の作業を、菌体の洗浄と
した。この菌体の洗浄を2回繰り返した。
【0061】2.溶菌:洗浄した菌体の湿重量1に対し
て、氷冷した9倍量の緩衝液1(100mMTris−
HCl(pH 7.5)、0.5mg/ml リゾチー
ム、20μg/ml DNase I、1mM EDT
A、2mM フェニルメタンスルホニルフルオリド(P
MSF))を加え、菌体を緩衝液に懸濁した。この溶液
を氷上で1〜3時間攪拌することにより、菌体は溶菌し
た。
【0062】3.胞子の調製:溶菌後の溶液を4℃で2
0,000xgで30分間遠心し、遠心上清、及び沈澱
物を緩衝液2(100mM Tris−HCl(pH
7.5)、1mM EDTA)に懸濁して得た懸濁液の
それぞれのTG活性を測定した。この結果、TG活性は
沈澱懸濁液中に検出された。この沈澱懸濁液を検鏡した
ところ、胞子および溶菌後の菌体細胞残査が観察され
た。活性の検出された沈澱懸濁液を、氷冷しながら30
分間攪拌した。その後、20,000xgで30分間遠
心し、再び遠心上清及び沈澱物を緩衝液2に懸濁した懸
濁液のそれぞれのTG活性を測定した。この結果、TG
活性は沈澱懸濁液中に検出された。この緩衝液2による
懸濁、攪拌及び遠心の作業をもって、胞子の洗浄とし
た。この胞子の洗浄を4回繰り返した。この操作中、T
G活性は常に遠心沈澱画分中に検出された。胞子の洗浄
を4回行った後、活性の検出された沈澱画分の懸濁液を
検鏡したところ、菌体細胞残査はほぼ見られなくなり、
胞子のみが観察された。また、この検鏡によっては、胞
子が発芽した様子は観察されなかった。
【0063】4.TGの可溶化:洗浄後、遠心によって
沈澱画分に集められた胞子を、あらかじめ37℃に暖め
た緩衝液3(0.1M 炭酸ナトリウム、1mM ED
TA、50mM ジチオスレイトール、pH 10.
0)に懸濁し、pHを10.0に再度調整した後、37
℃において30分間攪拌した。その後、20,000x
gで30分間遠心し、遠心上清及び沈澱物を緩衝液3に
懸濁して得た懸濁液のそれぞれのTG活性を測定した。
この結果、TG活性は遠心上清中に検出され、TGの可
溶化が達成された。このTGを含む溶液を粗TG溶液と
した。
【0064】5.酸性条件下における共雑タンパク質の
沈澱除去 粗TG溶液を濾紙で濾過した後、酢酸を添加してそのp
Hを5.8に調整し、5℃において1時間攪拌した。こ
の操作によりタンパク質の等電沈澱と見られる白沈が生
じた。20,000xgで30分間遠心して、この沈澱
と遠心上清を分離した。沈澱物を緩衝液3に溶解した。
この遠心上清と沈澱溶解溶液中のTG活性をそれぞれ測
定したところ、遠心上清中にTG活性が検出された。
【0065】6.TGの硫安沈澱 活性が検出された遠心上清に、20分の1容の1M T
ris−HCl(pH7.5)を加えた後、終濃度で5
0%飽和となるように硫酸アンモニウムを加え、溶解し
た。水酸化ナトリウムを用いてpHを7.5に調整した
後、氷上で2時間攪拌し、20,000xgで30分間
遠心した。得られた遠心上清を緩衝液4(25mM T
ris−HCl(pH 7.5)、5mM アジ化ナト
リウム)に対して透析し、一方、沈澱を緩衝液4に溶解
した後、同じく緩衝液4に対して透析した。透析を通じ
て十分に硫酸アンモニウムを除去した後、遠心上清画分
および沈澱画分中のTG活性を測定した。この結果、遠
心沈澱画分、すなわち、50%飽和硫安により沈澱した
画分中にTG活性が検出された。
【0066】7.疎水性クロマトグラフィー:活性が検
出された溶液を緩衝液5(50mM Tris−HC
l、0.75M硫酸マグネシウム、0.02%(W/
V) アジ化ナトリウム、pH 9.0)に対して透析
した。透析後に得られた溶液を20,000g×30分
間遠心し、その上清を得た。ここで得られた上清を、緩
衝液で平衡化した疎水性クロマトグラフィーカラムPh
enyl Sepharose HP(ファルマシア社
製)に供した。この操作によりTGは担体に吸着した。
次に、担体に吸着しなかったタンパク質(非吸着タンパ
ク質)を緩衝液5を用いて洗い流した後、エチレングリ
コールを含む緩衝液を溶出液として用いて、吸着したタ
ンパク質の溶出を行った。このとき、緩衝液中の硫酸マ
グネシウム濃度とエチレングリコール濃度を直線的変化
させた。即ち、硫酸マグネシウム濃度を0.75Mから
0Mへ直線的に変化させ、またこれと同時に緩衝液中の
エチレングリコール濃度を0%(v/v)から10%
(v/v)に直線的に変化させるという溶出方法を用い
た。このとき得られた各溶出画分についてTG活性を測
定したところ、硫酸マグネシウム濃度がおよそ150〜
200mM、エチレングリコール濃度がおよそ7〜8%
(v/v)の溶出位置にTG活性が認められた。
【0067】8.ゲル濾過:TG活性を含む画分を膜濃
縮装置(アミコン社製、セントリプレップ)を用いて濃
縮し、緩衝液6(25mM Tris−HCl、150
mM NaCl、1%(v/v) エチレングリコー
ル、0.02%(w/v) アジ化ナトリウム、pH
8.0)に対して透析した。透析後の溶液を20,00
0g×10分間遠心し、その上清を得た。ここで得られ
た上清を、緩衝液6で平衡化されたゲル濾過カラムSe
phacryl S200HR(ファルマシア社製)に
供した。各流出画分のTG活性を測定したところ、分子
量が約18,000−約22,000程度と見積もられ
る位置に活性が認められた。
【0068】9.陰イオン交換クロマトグラフィー:得
られたTG画分を膜濃縮し、緩衝液7(25mM ピペ
ラジン、1%(v/v) エチレングリコール、0.0
2% アジ化ナトリウム、pH 10.5)に対して透
析した。透析後に得られた溶液を20,000g×10
分間遠心し、その上清を得た。ここで得られた上清を、
緩衝液7で平衡化された陰イオン交換クロマトグラフィ
ーカラム Mono−Q(ファルマシア社製)に供し
た。この操作により、TGは担体に吸着した。次に、緩
衝液7により非吸着タンパク質を洗い流した後、NaCl
を含む緩衝液を溶出液として用いて、吸着されたタンパ
ク質の溶出をおこなった。このとき、緩衝液中のNaCl
濃度を直線的に0mMから500mMへ変化させるとい
う溶出方法を用いた。このとき得られた各溶出画分につ
いてTG活性を測定したところ、NaCl濃度がおよそ5
0mMから150mMの溶出位置に活性が認められた。
得られた活性画分をSDS−PAGEに付し、クマジー
ブリリアントブルー染色したところ、TGは1本のバン
ドになるまでに精製されていることが確認され、その分
子量は約28,000−約30,000と見積もられた
(図1参照)。
【0069】上記精製を行った結果の比活性の上昇を測
定した。前出の粗TG溶液、及び精製により得られた活
性画分のTG活性を測定した結果、この一連の精製操作
により、単位タンパク質重量あたりの比活性は約600
倍に上昇したことがわかった。なお、今回用いた活性測
定法においては、精製したTGの比活性は、約2.5x
104dpm/mg/30min(37℃、pH 7.
5)と見積もられた。
【0070】10.TGのN末端付近のアミノ酸配列の
決定 上記のように精製されたTGのN末端付近の配列を以下
のようにして決定した。即ち、精製されたTG画分のう
ち、タンパク質量約10μg分をSDS存在下ポリアク
リルアミドゲル電気泳動した後、ゲル中のTGを膜フィ
ルターに転写し、プロテインシーケンサーによってアミ
ノ酸配列をN末端から解析した。即ち、ミリポア社ミリ
ブロットを用い、セミドライ方式(タンパク質構造解
析、平野久著、東京化学同人)によって電気泳動後のゲ
ルからポリビニリデンフルオリド(PVDF)膜に目的
酵素を転写した。続いて、PVDF膜上の目的酵素をプ
ロテインシーケンサー(ABI社製、モデル476A)
に供し、N末端アミノ酸配列解析を行った。
【0071】N末端から35残基のアミノ酸配列が決定
した。決定されたトランスグルタミナーゼのN末端付近
のアミノ酸配列を配列表の配列番号1に示した。
【0072】(実施例2):TGの至適pHと至適温度
の決定 反応pHによる酵素活性の変化(至適pH)を以下の方
法で測定した。
【0073】酵素反応緩衝液にはギ酸ナトリウム(pH
2.0、3.0、3.5、4.0)、酢酸ナトリウム(p
H 4.5、5.0、5.5、6.0)、Tris−HCl
(pH 7.0、7.5、8.0、8.5、9.0)及び炭
酸ナトリウム(pH 9.0、9.5、10.5、12.
0)緩衝液を用いた。
【0074】TG活性の測定は、前出の14Cで標識され
たプトレシンとジメチルカゼインを基質とする方法を用
いた。それぞれの緩衝液は反応溶液中で50mMの濃度
となるように添加した。酵素源として、上述の精製した
TG画分を濃度2μg/mlにて用いた。反応は、37
℃において30分間行った。
【0075】測定結果は、それぞれの反応溶液の実測の
pHに対する酵素活性の相対値の形で示した。便宜上、
最も高い活性を示したpH8.2の場合(Tris−H
Cl(pH8.5)を緩衝液として用いた場合)の活性
を100とした。測定結果は図2に示した。
【0076】本発明のTGの至適pHは約7〜約9、厳
密にはpH約7.7〜8.8の範囲であることが分かっ
た(図2参照)。ところで、ニューメキシコ州立大学の
グループが報告したバチルス・ズブチリス由来のTG
は、その至適pHが9.5以上であるので、本発明であ
るバチルス属細菌由来のTGとは明らかに異なるもので
ある。
【0077】反応温度による酵素活性の変化(至適温
度)を以下の方法で測定した。活性測定法としては、前
出の14Cで標識されたプトレシンとジメチルカゼインを
基質とする方法を用いた。反応液のpHを0.1MのT
ris−HClを用いて7.5に調整した。酵素源とし
て、上述の精製したTG画分を濃度2μg/mlで加え
た。この反応液を25℃から80℃の各温度の温浴中で
30分間反応させた。
【0078】測定結果を、それぞれの反応温度に対する
酵素活性の相対値の形で示した。便宜上、最も高い活性
を示した60℃の場合の活性を100とした。測定結果
を図3に示した。
【0079】本発明のTGは、その至適温度を約40〜
約65℃、より厳密には約50〜約62℃の範囲に持つ
ことがわかった(図3参照)。
【0080】(実施例3):TGの温度安定性の決定 反応温度による酵素活性の安定性を以下の方法で測定し
た。上述の精製TG画分を10℃から80℃の各温度の
温浴中で10分間反応させた。その後、実施例2と同様
の方法により、活性を測定した。測定結果は、それぞれ
の反応温度に対する酵素活性の相対値の形で示した。便
宜上、最も高い活性を100とした。測定結果を図4に
示した。
【0081】本発明のTGは、約60℃以下の範囲にお
いて安定であることがわかった(図4参照)。
【0082】(実施例4):TGによるタンパク質の架
橋反応 TGのタンパク質架橋活性を以下のように測定した。反
応溶液として、終濃度で1mg/ml α−カゼイン、
0.1MTris−HCl(pH7.5)、5mMジチオ
スレイトール、5mMアジ化ナトリウムとなるような溶
液を調製した。尚、α−カゼインとしてシグマ社製のも
のを用いた。この溶液に終濃度で440μg/mlとな
るように、上述の精製したTG画分を添加した。
【0083】この反応溶液を37℃の温浴中で、18時
間反応させた。この溶液をSDS−PAGEに付したと
ころ、基質であるα−カゼインのバンドの他に、高分子
側に新たなバンドが出願した。即ち、α−カゼインの高
分子化が観察された。この結果を図5に示す。
【0084】この結果から、本発明のTGはタンパク質
の架橋活性を有することが判明した(図5参照)。な
お、同様の基質タンパク質の高分子化が、本発明のTG
を牛血清アルブミン(BSA)に作用させた場合にも観
察された。
【0085】(実施例5):TG活性に対する各種試薬
の効果 TGに対する各種試薬の効果を調べた。使用した試薬
は、N−エチルマレイミド(NEM)、シスタミン、フ
ェニルメタンスルホニルフルオリド(PMSF)、硫酸
アンモニウム、硫酸ナトリウム、EDTA、EGTA、
塩化カルシウム、ジチオスレイトール(DTT)、2−
メルカプトエタノール(2−ME)である。全てをナカ
ライテスク社より購入した。酵素源として、上述の精製
したTG画分を濃度2μg/mlで用いた。タンパク質
濃度はプロテインアッセイキット(バイオラッド社製)
により定量した。
【0086】TG活性を測定する方法として、前出の14
Cで標識されたプトレシンとジメチルカゼインを基質と
する方法を用いた(pH7.5、37℃)。酵素源とし
て、上述の精製したTG画分を濃度2μg/mlで用い
た。反応は、37℃において30分間行った。活性測定
は以下のように行った。上述の精製TG画分を、それぞ
れ適当な濃度に調整した各試薬と混合した後、氷上で3
0分間静置した。各試薬による処理を受けたこれらの溶
液を酵素源とし、TG濃度が2μg/mlとなるように
調整して基質に作用させ、残存するTG活性を測定した
(pH7.5、37℃)。
【0087】試薬によって処理を受けなかったTG画分
を用いた場合の活性(コントロール)を100として、
それぞれの試薬によって処理を受けたTG画分を用いた
場合の残存活性を相対値で示して、これを測定結果とし
た。この結果を表1に示した。本発明のTGの活性は、
NEMによって阻害されること、及びDTTや2−ME
などの還元剤によっては阻害されず、むしろ少し活性化
されることから、活性の発現にはシステイン残基が関与
している可能性が示唆された。また、本発明のTGはD
TTで阻害されないにもかかわらず、ニューメキシコ州
立大学のグループが報告したバチルス・ズブチリス由来
のTGはDTTによって阻害される。つまり、両者は明
らかに異なる性質をもつものである。
【0088】また、硫酸ナトリウムには阻害されず、硫
酸アンモニウムにより阻害されること、及びシスタミン
によって活性が阻害されることから、反応溶液中にある
種のアミンが存在すると活性が阻害されるという性質を
有していることが判明した。更に、本発明のTGがキレ
ート剤であるEGTA、EDTAで阻害されないことも、ニュー
メキシコ州立大学が報告したTGとは異なる性質であ
る。即ち、本発明のTGはCa2+等の金属イオンの要求
性は無いと言える。また、本TGの活性測定の反応系に
はCa2+は含まず、かつこの測定系で活性を示している
ことからも本TGはCa2+非依存性であるといえる。更
に、本発明のTGは5mM以上のCa2+ で50%以上活性
を有する。5mM以上のCa2+ で強力に阻害されるという
ニューメキシコ州立大学が報告したTGとは異なる点で
ある(表1参照)。
【0089】
【表1】
【0090】(実施例6)バチルス・ズブチリス AJ128
66株 から由来するTGをも、精製し、その諸性質を決
定した。
【0091】バチルス・ズブチリス AJ12866株をSchae
ffer培地を用いて37℃で16時間振盪培養した。培養
液3mlを30mlのSchaeffer培地に加え、37℃で
12時間培養した。Schaeffer培地の組成はBacto-nutri
ent broth 8g/l、KCl1 g/l、MgSO4・7
2O 0.12g/l、1mM CaCl2、10μMM
nCl2、1μM FeSO4、pH 7.0である。培養
液を10,000xg、20分間遠心分離を行い、沈澱
と上清とに分けた。沈澱をさらにガラスビーズを用いて
破砕した。培養液上清、培養液沈殿及び沈澱破砕液(菌
体破砕液)それぞれのTG活性を測定した。酵素活性測
定法は次のとおりである。試料10μlを含む50μl
反応液(100mM TrispH7.5、6.3mg
/mlジメチルカゼイン、10nM14C−プトレシン
1.2μCi)を37℃で30分間静置して反応を進行
させた後、反応後の反応液40μlを濾紙に吸着させ
た。反応液中では、TGの触媒によってプトレシンがジ
メチルカゼインに結合する反応が起きている。濾紙には
該プトレシンとジメチルカゼインとの結合物が吸着して
いる。10%TCAを加えることによって、吸着してい
る結合物を濾紙に固定した。濾紙を5%TCA溶液で3
回洗浄した後、液体シンチレーションカウンターを用い
て、濾紙に固定している14Cの放射活性を測定し、測定
値をTGの相対活性とした。結果を表2に示す。これよ
り、沈澱破砕液、すなわち胞子が存在する画分に圧倒的
にTG活性が存在することが分かった。
【0092】
【表2】
【0093】(実施例7)バチルス属細菌由来のTGが
誘導される時期の決定 実施例6と同様に、バチルス・ズブチリス AJ12866 株
を培養し、経時的に菌体破砕懸濁液のTG活性を調べ
た。菌体破砕懸濁液の調製及びTG活性測定法は、実施
例1及び実施例6に準じた。バチルス・ズブチリス AJ1
2866 株の生育の程度を培養液の濁度で示したが、濁度
の測定は610nmの波長をもつ光が培養液を透過する
際の吸光度を求めて行った。結果を図6に示した。この
結果から分かるように、TG活性は、生育が定常期に入
ってから後、胞子が形成され始めて(約4時間後)から
増大し始めた。
【0094】(実施例8)バチルス属細菌由来のTGの
精製 実施例7と同様の方法で培養した菌体を用いて以下の実
験を行った。バチルス・ズブチリス AJ12866 株の菌体
を反応液(0.5mg/ml Lysozyme,20
μg/ml DNaseI,0.1M Tris pH
7.5,2mM DTT,1mM EDTA,2mM
PMSF)に懸濁し、氷上で2時間反応を行い溶菌さ
せた。この反応液を20,000xg、20分の遠心分
離操作に供し、得られた沈澱画分を洗浄液(0.1M
Tris pH 7.5,1mM EDTA,2mM
PMSF)に懸濁した。該懸濁液を遠心分離操作に供し
て沈澱を回収した。この操作を2回繰り返した。得られ
た沈澱画分を緩衝液(0.1M Sodium car
bonatepH10,1mM EDTA,2mM P
MSF)に懸濁し、37℃で30分間静置した。この間
に、沈澱画分にあった物質の一部が緩衝液に溶解して、
TG活性は可溶性画分に移行した。遠心分離操作を行っ
た後に得られる上清はTG活性を有した。該上清のpH
を酢酸を用いてpH6.0に調整した。これを粗酵素液
とした。この粗酵素液を限外濾過により濃縮した後、緩
衝液(50mM Tris pH7.5,0.1M N
aCl)を用いて透析を行い、緩衝液の交換を行った。こ
の粗酵素液を、ゲル濾過操作に供し、溶出してきたTG
活性画分を試料として酵素学的性質を調べた。
【0095】その結果、以下の事がわかった。諸性質の
測定は実施例1から5に記載された方法に準じて行っ
た。 (1)至適pHは約7−約9であった(図7参照)。
(2)至適温度は約40−約65℃であった(図8参
照)。(3)温度安定性は約60℃以下で安定であった
(図9参照)。(4)シスタミン、NEM、(NH42
SO4により強く阻害された(図10、表3参照)。
(5)また、DTTにより活性が阻害されず、むしろD
TTが1mM存在する条件下で約1.5倍以上活性が上
昇した(図11参照)。(6)EDTAはほとんど本T
Gの活性に影響を与えなかった(図12参照)。(7)
5mM以上のCa2+イオン濃度で活性が阻害されること
はない。又、活性発現にCa2+イオンは必要ない。即
ち、Ca2+非依存性の酵素である(図13参照)。
(8)分子量は(a)約18,000−約22,000
(ゲル濾過法)、(b)約28,000−約30,00
0(SDS−PAGE法)であった。更に、実施例1に
記載される方法に準じて精製を行い、N末端付近のアミ
ノ酸配列、即ちN末端から35残基のアミノ酸配列を決
定した。その結果、バチルス・ズブチリス AJ1307株由
来のTGと高い相同性を有していた。すなわち、両者の
TGのアミノ酸配列において、22番目のアミノ酸残基
のみが相違していた。AJ1307 株由来のTGでは22番
目のアミノ酸残基はアスパラギンであるが、AJ12866 株
由来のTGでは22番目のアミノ酸残基はアスパラギン
酸であった。
【0096】
【表3】
【0097】この実験結果から、バチルス・ズブチリス
AJ12866 株由来のTGは前述したバチルス・ズブチリ
ス AJ1307 株由来のTGと同一の性質を有しているこ
とが分かった。
【0098】(実施例9)本発明のTGによるゲル化反
応 実施例8で得られたゲル濾過操作後のTG活性画分と1
0%カゼイン溶液(25mM Tris pH7.5,
5mM DTT)とを1:9の割合で混合して、37℃
で24時間反応を行ったところ、該溶液はゲル化した。
【0099】実施例1で得られた精製TGを、2ユニッ
ト/1gタンパクとなるように、7%ゼラチン溶液に添
加して35℃で2時間反応させた。その結果、ゼラチン
タンパク溶液はゲル化した。
【0100】(実施例10)バチルス属由来のTG遺伝
子の単離 (1)TGの精製及びN末端アミノ酸配列の決定 実施例1で決定され配列表の配列番号1に示されてい
る、バチルス属細菌由来のTGの部分アミノ酸配列が既
知のペプチドのアミノ酸配列との間に相同性を有するか
どうか調べた。しかし、GenBank(LASL−G
DB)、SWISS−PROT、NBRF(PIR)に
登録されているアミノ酸配列との間には相同性は認めら
なかった。該アミノ酸配列をユニバーサル・コドンに基
づいて逆翻訳し、該アミノ酸配列をコードする塩基配列
を演繹した。該塩基配列が既知の核酸の塩基配列との間
に相同性を有するかどうか調べた。その結果、GenB
ank(LASL−GDB)に登録されている塩基配列
との間に高い相同性が認められた。相同性を示した塩基
配列のアクセッション番号はL29189であり、出典
は、D. W. Hanlon &G. W. Ordal, J. Biol. Chem. 269
巻, 14038-14046頁 (1994)である。該塩基配列は、もと
もと枯草菌のトランスメンブラン・レセプターをコード
する遺伝子群の塩基配列を開示するものであり、相同性
が認められた配列は上流のフランキング領域に位置す
る。具体的には、該塩基配列の1番目から68番目まで
の配列との間に相同性が認められた。この68塩基対か
らなる配列は、枯草菌のmcpB遺伝子の5’上流に位
置しており、転写の方向はmcpB遺伝子のそれとは逆
向きである。また、該68塩基対からなる配列にコード
されるペプチドの機能については、D. W. Hanlon & G.
W. Ordal, J. Biol. Chem. 269巻, 14038-14046頁(199
4)中には言及はない。本発明者らは、該68塩基対から
なる配列が、バチルス属細菌由来のTGをコードする遺
伝子の一部であると仮定して、該遺伝子の全長を単離す
ることとした。
【0101】(2)菌体の取得 バチルス・ズブチリス AJ1307 株を以下の条件で培養し
た。培養は全て Schaeffer 培地を用いて、37℃で液
体振盪培養にて行った。まず、種培養として、AJ1307
株を20mlの Schaeffer 培地を用いて一晩培養し
た。この培養液5mlを種菌として、100mlの Sch
aeffer 培地を用いて本培養を行った。
【0102】(3)菌体からの染色体DNAの取得 上記条件下で対数増殖後期まで培養した後、培養液10
0mlを遠心分離操作(12000xg、4℃、15分
間)に供し、集菌した。この菌体を10mlの50:2
0TE(50mM Tris−HCl,pH8.0,2
0mM EDTA)に懸濁し、洗浄し、遠心分離操作に
より、菌体を回収した。再び、この菌体を10ml5
0:20TEに懸濁した。さらに、この懸濁液に、0.
5mlの20mg/mlリゾチーム溶液、1mlの10
%SDS溶液を加えた後、55℃で20分間インキュベ
ートした。インキュベート後、1倍容の10:1TE飽
和のフェノールを加えて除タンパクを行った。分離した
水層に対して、1倍容の2−プロパノールを加えて、D
NAを沈澱させ、回収した。沈澱したDNAを0.5m
l50:20TEに溶解した後、5μlの10mg/m
l RNase、5μlの10mg/ml Proteinase
Kを加えて、55℃で2時間反応させた。反応後、1倍
容の10:1TE飽和のフェノールで除タンパクを行っ
た。さらに、分離した水層に対して、1倍容の24:1
クロロホルム/イソアミルアルコールを加えて撹拌
し、水層を回収した。この操作をさらに2回行った後に
得られた水層に、終濃度0.4Mとなるように3M酢酸
ナトリウム溶液(pH5.2)を加え、さらに2倍容の
エタノールを加えた。沈澱となって生じたDNAを回収
し、70%エタノールで洗浄した後、乾燥させ、1ml
の10:1TEに溶解させた。
【0103】(4)PCR法によるDNA断片の取得 バチルス属細菌由来のTGをコードする遺伝子を含むD
NA分子の単離・増幅には、TaKaRa LA PC
R in vitro Cloning Kit(宝酒造社製)を用いた。以
下断わりの無い限り、説明書の方法に基づき実験を行っ
た。(3)の手法によって調製した染色体DNA5μg
を制限酵素HindIIIで消化した。次に、エタノール
沈澱操作により回収したDNA断片に、HindIII
Cassetteを連結した。さらにエタノール沈澱操
作を行った後、回収したDNAに対して、Primer
C1及びPrimer S1を用いて1回目のPCR
を行った。Primer C1の塩基配列を配列表の配
列番号3に示し、Primer S1の塩基配列を配列
表の配列番号4に示した。Primer C1はTaK
aRa LA PCR in vitro Cloning Kitに含まれ
ており、HindIII Cassette内の配列であ
る。Primer S1は、上記した枯草菌のトランス
メンブラン・レセプターをコードする遺伝子群の塩基配
列中566番目のグアノシン残基から600番目のアデ
ノシン残基までの領域に相補する配列である。PCR反
応は、GeneAmp PCR System 960
0(PERKIN ELMER社製)を用いて行い、以
下の条件で30サイクル行った。
【0104】 98℃ 20秒 68℃ 3分
【0105】次にこの反応液を100倍に希釈して、P
rimer C2及びPrimerS2を新たに加えて
2回目のPCRを行った。条件は1回目と同じである。
PrimerC2及びPrimer S2の配列をそれ
ぞれ配列表配列番号5と配列番号6に示す。Prime
r C2はTaKaRa LA PCR in vitroCloni
ng Kitに含まれており、HindIII Cassett
e内の配列である。Primer S2は、上記した枯
草菌のトランスメンブラン・レセプターをコードする遺
伝子群の塩基配列中34番目のチミジン残基から68番
目のチミジン残基までの領域に相補する配列である。
【0106】反応後、反応液3μlを0.8%アガロー
スゲル電気泳動に供した。約2kbのDNA断片が増幅
されていることが確認された。
【0107】(5)PCRで増幅されたDNA断片のp
UC18へのクローニング PCRで増幅された約2kbのDNA断片をpUC18
と連結してクローニングを行った。クローニングを Sur
eClone Ligation Kit(ファルマシア社製)を用いて行
った。以下、断わりの無い限り、説明書の方法に基づき
実験を行った。増幅された約2kbのDNA断片400
ngの両末端を平滑化し、続いてリン酸化した。リン酸
化処理後に該DNA断片を精製し、SmaIによって消
化されたpUC18と連結した。このライゲーション反
応液を用いて大腸菌エシェリヒア・コリJM109を形
質転換した。
【0108】得られた形質転換体より、目的とする約2
kbのDNA断片を含むpUC18で形質転換されたJ
M109を数株選抜した。選抜の方法はMolecular Clon
ing,2nd edition, Cold Spring Harbor press (1989)に
記載されている。
【0109】(6)TG遺伝子のDNAシーケンス 選抜した形質転換体が保有するプラスミドをMolecular
Cloning, 2nd edition, Cold Spring Harbor press (19
89)に記載される方法に従って調製し、増幅された約2
kbのDNA断片の塩基配列を決定した。シーケンス反
応は、 Dye Terminator Cycle Sequencing Kit(ABI
社製)を用いて説明書に従って行った。また、電気泳動
は、DNA Sequencer 373(ABI社
製)を用いて行った。
【0110】シーケンスの結果、PCRで増幅されたD
NA断片は配列表配列番号2に示される塩基配列のう
ち、118番目のアデノシン残基から1042番目のチ
ミジン残基に至る配列を有することが解った。配列番号
2に示される塩基配列中、118番目のアデノシン残基
から859番目のシトシン残基までがオープン・リーデ
ィング・フレームである。該ORFがコードするポリペ
プチドのアミノ酸配列は、ユニバーサル・コドンに基づ
いて推定されうる。該アミノ酸配列は配列番号2に併記
されている。該アミノ酸配列のN末端から35番目まで
の配列は、上記(1)において開示した35残基からな
るアミノ酸配列と完全に一致していた。このことから、
PCRで増幅されたDNA断片は、目的のバチルス属細
菌由来のTG遺伝子であると判断された。なお、配列番
号2として記載される塩基配列と、D. W. Hanlon & G.
W. Ordal, J. Biol. Chem. 269巻, 14038-14046頁 (199
4)に記載される塩基配列との相違は、使用された菌株の
違いによるものと判断される。
【0111】バチルス属細菌由来のTG遺伝子が、pU
C18に由来するlacプロモーターからの転写を受け
る向きに挿入されたプラスミドをpBSTG75−11
と命名した。
【0112】(実施例11)染色体DNAライブラリー
からのバチルス属細菌由来のTG遺伝子のクローニング (1)染色体DNAライブラリーの作成 実施例10で調製した染色体DNA1μgをHindII
Iで完全に消化した。エタノール沈澱によってDNAを
回収した後、10μlの10:1TEに溶解した。この
うちの5μlと、HindIIIで消化されてさらにBA
Pによる脱リン酸化処理を受けたpUC118(宝酒造
製)1ngとを混合し、DNA Ligation Kit Ver.2
(宝酒造製)を用いて連結反応を行った。エシェリヒア
・コリJM109株のコンピテント・セル(宝酒造製)
100μlとライゲーション反応液3μlとを混合し
て、エシェリヒア・コリJM109株を形質転換した。
これを適当な固形培地に塗布し、染色体DNAライブラ
リーを作成した。
【0113】(2)プローブの作成 プローブには、実施例1で取得したTG遺伝子の全長を
用いることにした。pBSTG75−11を鋳型にし
て、Primer S2及びPrimer S3を用い
てPCR反応を行った。PCR反応は、TaKaRa
LA PCR Kit Ver.2に従って行った。鋳
型であるpBSTG75−11を10ng、Prime
r S2及びPrimer S3を各20pmolを含
む100μlの反応液を調製して反応を行った。なお、
Primer S3はTG遺伝子の配列番号2の塩基配
列818番目から852番目の35塩基に相補する35
merの長さのプライマーであり、その塩基配列を配列
表配列番号7として示した。PCRの反応は以下の条件
で30サイクル行った。
【0114】 94℃ 30秒 55℃ 30秒 72℃ 1分
【0115】上記の反応で増幅されたDNA断片を1%
アガロースゲル(Seaplaque GTG、FMC
社製)電気泳動により分離した。目的のバンドを切り出
し、EasyPrep System(ファルマシア社
製)とPCR Products Prep Kit
(ファルマシア社製)を用いてDNAを精製した。最終
的に4ng/μlのDNA溶液200μlを得た。
【0116】このDNA断片を32Pで標識し、プローブ
とした。[α−32P]dCTP 3000Ci/mmo
l(アマシャム社製)とRandom Primer
DNA Labeling Kit Ver.2(宝酒
造社製)を用いて説明書通りにプローブの標識を行っ
た。
【0117】(3)コロニーハイブリダイゼーション コロニーハイブリダイゼーションの操作はMolecular Cl
oning, 2nd edition,Cold Spring Harbor press (1989)
に説明されている。染色体DNAライブラリーのコロニ
ーをナイロンメンブレンフィルター(Hybond−
N、アマシャム社製)にうつし、アルカリ変性、中和、
固定化の処理を行った。
【0118】ハイブリダイゼーションはRapid−h
yb buffer(アマシャム社製)を用いて行っ
た。フィルターを該バッファー中に浸し、65℃で4時
間プレハイブリダイゼーションを行った。その後、上記
(2)で作成した標識プローブを添加し、65℃で2時
間ハイブリダイゼーションを行った。この後、フィルタ
ーを0.1%SDSを含む2xSSCで室温、20分間
洗浄した。さらに0.1%SDSを含む0.1xSSC
で65℃、15分間洗浄を2回行った。
【0119】その結果、プローブとハイブリダイズする
コロニーを5株確認できた。
【0120】(4)TG遺伝子のDNAシーケンス 実施例5と同様にして、pUC118に挿入されたDN
A断片の塩基配列を決定した。その結果、配列表配列番
号2に示した塩基配列を有することを確認した。
【0121】(実施例12)バチルス属細菌由来のTG
遺伝子の大腸菌における発現 (1)組換えTG遺伝子を有する大腸菌の培養及び発現
誘導 実施例10で取得したpBSTG75−11では、バチ
ルス属細菌由来のTGをコードするDNAがlacZタ
ンパクの一部をコードするDNAの下流に接続されてお
り、その塩基配列から推定して、バチルス属細菌由来の
TGの1番目のメチオニン残基の前に配列表配列番号8
に示される11アミノ酸残基からなるペプチドが付加さ
れた融合タンパクを発現するようにデザインされてい
た。
【0122】実験には、pBSTG75−11によって
形質転換された大腸菌JM109と、コントロールとし
て、pUC18によって形質転換された大腸菌JM10
9を使用した。培養を、アンピシリン100mg/lを
含むLB培地を用いて、37℃で、液体振盪培養によっ
て行った。培地30mlに各菌をそれぞれ植菌し、一晩
振とう培養を行い、これを種培養とした。次に、新しい
培地30mlを入れたフラスコを4本用意した。pBS
TG75−11によって形質転換された大腸菌JM10
9の種培養を2本のフラスコに5%植菌し、それぞれを
実験区1及び実験区2とした。一方pUC18によって
形質転換された大腸菌JM109の種培養も2本のフラ
スコに5%植菌し、それぞれを実験区3及び実験区4と
した。各実験区の培養を行い、610nmの波長を有す
る光の吸光度が約0.7になったところで、実験区1及
び実験区3のみにIPTGを終濃度1mMとなるよう添
加した。その後、4時間経過したところで培養を終了し
た。
【0123】(2)誘導発現した蛋白質の確認 培養終了後、培養液中の菌体の様子を顕微鏡にて観察し
たところ、pBSTG75−11によって形質転換され
たJM109のうちIPTGが添加されたもの(実験区
1)のみが、その菌体内に封入体を有していた。
【0124】培養終了後、培養液10mlを遠心分離
(12,000xg、15分間)し、菌体を回収した。この菌体
を2mlの10mMTris−HCl、pH7.5に懸
濁し、洗浄した後、再び遠心分離により菌体を回収し
た。この菌体を1ml同バッファーに懸濁した後、ミニ
ビード・ビーター(和研薬(株)製)を用いて、0.1
mmジルコニアビーズで3分間振盪破砕した。この破砕
懸濁液をSDS−PAGEに供し、CBB染色したとこ
ろ、実験区1(pBSTG75−11によって形質転換
されたJM109、IPTGによって誘導を受けた)に
のみにおいて、約 29,000〜30,000 のバンドが確認され
た。この分子量から推定して、期待した融合蛋白質が発
現したものと考えられた。
【0125】(3)TG活性の確認 発現された蛋白質のTG活性を測定した。上記菌体破砕
懸濁液10μlを、ジメチルカゼイン、14C標識プトレ
シンを含む反応液に加え、反応終了後、ジメチルカゼイ
ンを濾紙に吸着させ、取り込まれたプトレシン量を液体
シンチレイションカウンターにて測定した。結果は、表
4に示す通りであった。この結果より、pBSTG75
−11によって形質転換されたJM109で、IPTG
で誘導を受けたもの(実験区1)において、TG活性が
確認された。pBSTG75−11によって形質転換さ
れたエシェリヒア・コリJM109株はエシェリヒア・
コリ AJ13172 と命名された。AJ13172 は生命研に、1
995年12月20日付けで、ブタペスト条約に基づい
て国際寄託されており、その国際寄託番号は FERM BP-5
346 である。
【0126】
【表4】
【0127】配列表配列番号2に示される塩基配列を有
するDNAがTG活性を有する酵素をコードしているこ
とが確認された。すなわち、該DNAがバチルス属細菌
由来のTG遺伝子を有することが明らかになった。ま
た、該遺伝子は他のペプチドをコードするDNAが付加
された場合でも発現し、この場合の産物である融合タン
パクがTG活性を有するが確認された。該融合タンパク
は、大腸菌内で発現して封入体を形成得ること、適当な
プロモーターにより発現調節が可能であることなどが明
らかになった。
【0128】
【発明の効果】本発明によれば、食品微生物である枯草
菌等のバチルス属細菌からこれまで知られていないTG
を得ることができる。このTGは従来知られている1)
動物由来のTGに比較して、カルシウム非要求性である
ことから用途が制限されないし、コスト的にも有利であ
るという利点を有し、2)放線菌由来のTGに比較して
も細菌の増殖が早い分、コスト的にも有利であるという
利点を有する。更に、本発明のTGは、(1)5mM以
上のCa2+では活性が阻害されない、(2)至適pHが
中性−微アルカリ性である、(3)DTTにより阻害さ
れない、(4)EGTA等のキレート剤により阻害され
ないこと、及び(5)胞子形成時のみにTGが作用する
こと等から、ニューメキシコ州立大のグループが報告し
たTGとは異なるものである。
【0129】また、本発明のTGを用いると架橋高分子
化物を製造できることから、本TGは各種食品工業に応
用できるものである。更に、本発明のTGは実際に食品
に用いられているBacillus 属細菌由来であるというこ
とも、食品工業上極めて実用価値が高いといえる。
【0130】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:35 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源 生物名:ハ゛チルス ス゛フ゛チルス (Bacillus subtilis) 株名: AJ1307 配列 Met Ile Ile Val Ser Gly Gln Leu Leu Arg Pro Gln Asp Ile Glu Asn 1 5 10 15 Trp Gln Ile Asp Gln Asn Leu Asn Pro Leu Leu Lys Glu Met Ile Glu 20 25 30 Thr Pro Val 35
【0131】配列番号:2 配列の長さ:1042 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名:ハ゛チルス ス゛フ゛チルス (Bacillus subtilis) 株名: AJ 1307 配列 CTGCTTAAAA AGTTTTAAAA TAAAAAATGG AAGAAGTTCT TTTTGGCAGT CTTCTGTCTT 60 TTTAGCTTTC ATTGCCCAAG CTCTTTGCAT ATCTTATATA AACAAGGGGG GCTAAAC 117 ATG ATT ATT GTA TCA GGA CAA TTG CTC CGT CCC CAG GAT ATT GAA AAT 165 Met Ile Ile Val Ser Gly Gln Leu Leu Arg Pro Gln Asp Ile Glu Asn 1 5 10 15 TGG CAG ATT GAT CAA AAT CTG AAT CCG CTG TTA AAA GAG ATG ATT GAG 213 Trp Gln Ile Asp Gln Asn Leu Asn Pro Leu Leu Lys Glu Met Ile Glu 20 25 30 ACG CCT GTT CAG TTT GAT TAT CAT TCA ATT GCT GAA CTG ATG TTT GAG 261 Thr Pro Val Gln Phe Asp Tyr His Ser Ile Ala Glu Leu Met Phe Glu 35 40 45 CTT AAA CTG CGG ATG AAT ATT GTA GCA GCG GCA AAG ACG CTG CAC AAA 309 Leu Lys Leu Arg Met Asn Ile Val Ala Ala Ala Lys Thr Leu His Lys 50 55 60 AGC GGG GCG AAG TTT GCC ACT TTT TTA AAA ACA TAC GGG AAT ACA ACG 357 Ser Gly Ala Lys Phe Ala Thr Phe Leu Lys Thr Tyr Gly Asn Thr Thr 65 70 75 80 TAT TGG AGG GTT TCA CCG GAG GGC GCC TTG GAG CTG AAA TAC AGA ATG 405 Tyr Trp Arg Val Ser Pro Glu Gly Ala Leu Glu Leu Lys Tyr Arg Met 85 90 95 CCG CCT TCA AAA GCG ATT CGG GAC ATT GCA GAG AAC GGC CCG TTT TAT 453 Pro Pro Ser Lys Ala Ile Arg Asp Ile Ala Glu Asn Gly Pro Phe Tyr 100 105 110 GCG TTT GAA TGC GCA ACC GCA ATC GTT ATC ATT TAT TAC TTG GCC TTA 501 Ala Phe Glu Cys Ala Thr Ala Ile Val Ile Ile Tyr Tyr Leu Ala Leu 115 120 125 ATC GAT ACA ATC GGT GAA GAT AAA TTC AAT GCC AGC TTT GAC AGA ATT 549 Ile Asp Thr Ile Gly Glu Asp Lys Phe Asn Ala Ser Phe Asp Arg Ile 130 135 140 ATT TTA TAT GAC TGG CAT TAT GAG AAA TTG CCG ATC TAT ACG GAA ACA 597 Ile Leu Tyr Asp Trp His Tyr Glu Lys Leu Pro Ile Tyr Thr Glu Thr 145 150 155 160 GGA CAC CAC TTT TTC CTT GGA GAT TGT TTG TAT TTT AAG AAT CCT GAA 645 Gly His His Phe Phe Leu Gly Asp Cys Leu Tyr Phe Lys Asn Pro Glu 165 170 175 TTT GAT CCG CAA AAG GCG CAA TGG AGA GGC GAA AAT GTG ATT TTA CTG 693 Phe Asp Pro Gln Lys Ala Gln Trp Arg Gly Glu Asn Val Ile Leu Leu 180 185 190 GGG GAA GAT AAA TAT TTT GCC CAT GGT CTT GGA ATC TTA AAC GGA AAG 741 Gly Glu Asp Lys Tyr Phe Ala His Gly Leu Gly Ile Leu Asn Gly Lys 195 200 205 CAA ATT ATA GAT AAG CTG AAT TCT TTT AGG AAA AAA GGA GCC TTA CAG 789 Gln Ile Ile Asp Lys Leu Asn Ser Phe Arg Lys Lys Gly Ala Leu Gln 210 215 220 TCA GCC TAC CTT CTG TCT CAG GCG ACC AGA CTG GAT GTT CCG TCT CTT 837 Ser Ala Tyr Leu Leu Ser Gln Ala Thr Arg Leu Asp Val Pro Ser Leu 225 230 235 240 TTC CGC ATC GTC CGC TAAAAAGCCC CATCGCCTAT TTTCGGGACG ATGGGGTTTC 892 Phe Arg Ile Val Arg 245 AAATGCCTTT CGTTTTCGAT AGAAGGGGGC TGTGCCGAAA TATTGGTTCG CAGCCCACTC 952 CATTTTTTCA AGGTCATTTC TTGTCACGAT TGGATCCTGG CTGCTCCATT TGATAAAGCG 1012 GACAAAATAG TAGCCTTTGA TAGGAACCAT 1042
【0132】配列番号:3 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成 DNA PCR用プライマーC1 配列 GTACATATTG TCGTTAGAAC GCGTAATACG ACTCA 35
【0133】配列番号:4 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成 DNA PCR用プライマーS1 配列 TGGCGCTTGT ACATAAGTGC CGTTATCTGC GCCCC 35
【0134】配列番号:5 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成 DNA PCR用プライマーC2 配列 CGTTAGAACG CGTAATACGA CTCACTATAG GGAGA 35
【0135】配列番号:6 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成 DNA PCR用プライマーS2 配列 ATGATTATTG TATCAGGACA ATTGCTCCGT CCCCA 35
【0136】配列番号:7 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成 DNA PCR用プライマーS3 配列 GCGGACGATG CGGAAAAGAG ACGGAACATC CAGTC 35
【0137】配列番号:8 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源 生物名:エシェリヒア・コリ(Escherichia coli) 配列 Met Thr Met Ile Thr Asn Ser Ser Ser Val Pro 11 1 5 10
【図面の簡単な説明】
【図1】 精製したTG−1のSDS−PAGEの結果
を示す図である。
【図2】 TG−1の至適pH曲線を示す図である。
【図3】 TG−1の至適温度曲線を示す図である。
【図4】 TG−1の温度安定曲線を示す図である。
【図5】 TG−1によるα−カゼインの架橋を示す図
である。
【図6】 TG−2の活性と生育との関係を示す図であ
る。
【図7】 TG−2の至適pH曲線を示す図である。
【図8】 TG−2の至適温度曲線を示す図である。
【図9】 TG−2の温度安定曲線を示す図である。
【図10】 TG−2の阻害剤の影響を表す曲線を示す
図である。
【図11】TG−2のDTTの影響を表す曲線を示す図
である。
【図12】TG−2のEDTAの影響を表す曲線を示す
図である。
【図13】TG−2のCa2+イオンの影響を表す曲線を
示す図である。
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0110
【補正方法】変更
【補正内容】
【0110】シーケンスの結果、PCRで増幅されたD
NA断片は配列表配列番号2に示される塩基配列のう
ち、118番目のアデノシン残基から1042番目のチ
ミジン残基に至る配列を有することが解った。配列番号
2に示される塩基配列中、118番目のアデノシン残基
から852番目のシトシン残基までがオープン・リーデ
ィング・フレームである。該ORFがコードするポリペ
プチドのアミノ酸配列は、ユニバーサル・コドンに基づ
いて推定されうる。該アミノ酸配列は配列番号2に併記
されている。該アミノ酸配列のN末端から35番目まで
の配列は、上記(1)において開示した35残基からな
るアミノ酸配列と完全に一致していた。このことから、
PCRで増幅されたDNA断片は、目的のバチルス属細
菌由来のTG遺伝子であると判断された。なお、配列番
号2として記載される塩基配列と、D. W. Hanlon & G.
W. Ordal, J. Biol. Chem. 269巻, 14038-14046頁 (199
4)に記載される塩基配列との相違は、使用された菌株の
違いによるものと判断される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 9/10 C12R 1:19) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:125) (C12P 21/04 C12R 1:125) (72)発明者 鈴木 俊一 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 江藤 譲 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 谷田 有子 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 横関 健三 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 橋口 賢一 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の性質を有するバチルス属細菌由来
    のトランスグルタミナーゼ。 1)至適pH:約7〜約9 2)至適温度:約40〜約65℃ 3)温度安定性:約60℃以下で安定 4)Ca2+非依存性で、かつ5mMのCa2+存在下で50
    %以上の活性を有する。 5)NEM,Cystamine、(NH42SO4のいずれかで
    阻害される。 6)EDTA、DTT、2−MEのいずれにも阻害され
    ない。 7)分子量:a)約18,000−約22,000(ゲ
    ル濾過法)、b)約28,000−約30,000(S
    DS−PAGE法) 8)ペプチド鎖内に存在するグルタミン残基のγ−カル
    ボキシアミド基のアシル移転反応を触媒する
  2. 【請求項2】 配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列
    を有する請求項1記載のバチルス属細菌由来のトランス
    グルタミナーゼ。
  3. 【請求項3】 バチルス属細菌を培養して得た胞子嚢を
    破砕又は溶菌して得た胞子から取得されるバチルス属細
    菌由来のトランスグルタミナーゼ画分。
  4. 【請求項4】 バチルス属細菌がバチルス・ズブチリス
    である請求項1記載のトランスグルタミナーゼ。
  5. 【請求項5】 バチルス属細菌がバチルス・ズブチリス
    である請求項3記載のトランスグルタミナーゼ画分。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のトランスグルタミナーゼ
    の作用により、タンパク質、非タンパク性アミノ酸ポリ
    マー、ペプチド又はこれらの誘導体に含まれるグルタミ
    ンとリジン残基を架橋結合させ、タンパク質、非タンパ
    ク性アミノ酸ポリマー、ペプチド又はこれらの誘導体の
    分子内及び分子間にε−(γ−Glu)−Lys架橋結
    合を形成させることを特徴とする架橋構造を有するタン
    パク質、非タンパク性アミノ酸ポリマー、ペプチド又は
    これらの誘導体の製造法。
  7. 【請求項7】 請求項3記載のトランスグルタミナーゼ
    画分の作用により、タンパク質、非タンパク性アミノ酸
    ポリマー、ペプチド又はこれらの誘導体に含まれるグル
    タミンとリジン残基を架橋結合させ、タンパク質、非タ
    ンパク性アミノ酸ポリマー、ペプチド又はこれらの誘導
    体の分子内及び分子間にε−(γ−Glu)−Lys架
    橋結合を形成させることを特徴とする架橋構造を有する
    タンパク質、非タンパク性アミノ酸ポリマー、ペプチド
    又はこれらの誘導体の製造法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のトランスグルタミナーゼ
    をコードするDNA。
  9. 【請求項9】 配列表配列番号2記載の塩基配列のうち
    118番から852番までの配列を少なくとも有する請
    求項8記載のDNA。
  10. 【請求項10】請求項8記載のDNAとベクターDNA
    とが接続されて得られる組み換えDNA。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の組み換えDNAによ
    って形質転換された細胞。
  12. 【請求項12】請求項11記載の細胞を培地中で培養
    し、培地中及び/又は細胞中にバチルス属細菌由来のト
    ランスグルタミナーゼを生成蓄積させ、該トランスグル
    タミナーゼを回収することを特徴とするバチルス属細菌
    由来のトランスグルタミナーゼの製造法。
  13. 【請求項13】請求項12記載の製造法によって製造さ
    れるバチルス属細菌由来のトランスグルタミナーゼ。
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