JPH0898341A - スイッチギヤ - Google Patents
スイッチギヤInfo
- Publication number
- JPH0898341A JPH0898341A JP6224320A JP22432094A JPH0898341A JP H0898341 A JPH0898341 A JP H0898341A JP 6224320 A JP6224320 A JP 6224320A JP 22432094 A JP22432094 A JP 22432094A JP H0898341 A JPH0898341 A JP H0898341A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- insulating
- circuit breaker
- vacuum interrupter
- switchgear
- operating rod
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- High-Tension Arc-Extinguishing Switches Without Spraying Means (AREA)
- Gas-Insulated Switchgears (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 絶縁構造を改善し、全体形状を小形にするこ
とができるスイッチギヤを得る。 【構成】 箱体に収納される遮断器3は、絶縁筒17内
に真空インタラプタ3aを装着し、そのフランジの最外
径部の鋭角部から絶縁容器の沿面まで絶縁層23を形成
させる。さらに、絶縁筒17と真空インタラプタ3aと
の間には、シリコーンゲル22が充填されている。
とができるスイッチギヤを得る。 【構成】 箱体に収納される遮断器3は、絶縁筒17内
に真空インタラプタ3aを装着し、そのフランジの最外
径部の鋭角部から絶縁容器の沿面まで絶縁層23を形成
させる。さらに、絶縁筒17と真空インタラプタ3aと
の間には、シリコーンゲル22が充填されている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスイッチギヤに関する。
【0002】
【従来の技術】スイッチギヤの構成の一例として、図9
に示すガス絶縁開閉装置において、外周を軟鋼板で気密
に囲まれた箱体1の内部は、図示左方の前面寄りに縦に
設けられた隔壁2で前方の遮断器室1aと後方の母線室
1bに仕切られ、各室1a,1bには六フッ化硫黄ガス
(以下、絶縁ガスと略す)が封入されている。
に示すガス絶縁開閉装置において、外周を軟鋼板で気密
に囲まれた箱体1の内部は、図示左方の前面寄りに縦に
設けられた隔壁2で前方の遮断器室1aと後方の母線室
1bに仕切られ、各室1a,1bには六フッ化硫黄ガス
(以下、絶縁ガスと略す)が封入されている。
【0003】このうち、遮断器室1aの内部には真空イ
ンタラプタ3aを封着した遮断器3が収納され、隔壁2
の図示しない貫通穴に取付けられた絶縁ブッシング9と
遮断器3が連結されている。この絶縁ブッシング9は、
上下で同様な構成である。
ンタラプタ3aを封着した遮断器3が収納され、隔壁2
の図示しない貫通穴に取付けられた絶縁ブッシング9と
遮断器3が連結されている。この絶縁ブッシング9は、
上下で同様な構成である。
【0004】また、母線室1bの天井部には、断路器4
Aが取付けられ、一方の端子が接続導体8を介して上側
の絶縁ブッシング9に接続され、他方の端子が接続導体
8を介して後方のがいし6に固定された母線5に接続さ
れている。この母線5により、隣接盤との相互接続がさ
れている。
Aが取付けられ、一方の端子が接続導体8を介して上側
の絶縁ブッシング9に接続され、他方の端子が接続導体
8を介して後方のがいし6に固定された母線5に接続さ
れている。この母線5により、隣接盤との相互接続がさ
れている。
【0005】一方、母線室1bの底部には、断路器4A
と同形の断路器4Bが取付けられ、一方の端子が接続導
体8を介して下側の絶縁ブッシング9に接続され、他方
の端子が接続導体8を介して底板の後方に縦に取付けら
れたケーブルヘッド7の上部端子に接続されている。な
お、このケーブルヘッド7に接続されたケーブルにより
受電されている。
と同形の断路器4Bが取付けられ、一方の端子が接続導
体8を介して下側の絶縁ブッシング9に接続され、他方
の端子が接続導体8を介して底板の後方に縦に取付けら
れたケーブルヘッド7の上部端子に接続されている。な
お、このケーブルヘッド7に接続されたケーブルにより
受電されている。
【0006】これらの構成において、遮断器3の断面図
を図10に示す。真空インタラプタ3aは絶縁筒10に
収納され、絶縁筒10にボルトで固定された上下の電極
11a,11bが固定される。上下の電極11a,11
bには、それぞれ接続導体12a,12bが接続され、
接触子13a,13bを介して他の電気機器との接続が
行われる。また、下部電極11bには図示しない接触子
が収納され、上下移動する真空インタラプタ3aの中心
導体14との接続が行われる。この中心導体14には絶
縁操作棒15が連結され、操作機構部16により真空イ
ンタラプタ3a内の電極の開閉が行われる。
を図10に示す。真空インタラプタ3aは絶縁筒10に
収納され、絶縁筒10にボルトで固定された上下の電極
11a,11bが固定される。上下の電極11a,11
bには、それぞれ接続導体12a,12bが接続され、
接触子13a,13bを介して他の電気機器との接続が
行われる。また、下部電極11bには図示しない接触子
が収納され、上下移動する真空インタラプタ3aの中心
導体14との接続が行われる。この中心導体14には絶
縁操作棒15が連結され、操作機構部16により真空イ
ンタラプタ3a内の電極の開閉が行われる。
【0007】ここで、絶縁筒10の内部と周囲には、例
えば実公平1−15071号に開示されているように絶
縁ガスが封入されている。この絶縁ガスの封入ガス圧力
は、箱体1の形状より圧力容器としていなく、20℃換
算で0.10MPa近傍の略大気圧である。このため、
絶縁性能は絶縁ガスのガス圧力によって決まることにな
り、ガス圧力で求められる許容電界強度以下になるよう
各部に電界緩和が施されている。
えば実公平1−15071号に開示されているように絶
縁ガスが封入されている。この絶縁ガスの封入ガス圧力
は、箱体1の形状より圧力容器としていなく、20℃換
算で0.10MPa近傍の略大気圧である。このため、
絶縁性能は絶縁ガスのガス圧力によって決まることにな
り、ガス圧力で求められる許容電界強度以下になるよう
各部に電界緩和が施されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
絶縁ガスを封入したときの破壊電圧は、下式より求める
ことができる。
絶縁ガスを封入したときの破壊電圧は、下式より求める
ことができる。
【0009】
【数1】 破壊電圧Vd=89・p・u・d(1+0.175 /√p・R)[kV] …(1) ここで、pはガス圧力、dはギャップ長、uは電界利用
率、Rは電極上で最大電界強度を与える点における互い
に直交する二方向の曲率半径の調和平均である。
率、Rは電極上で最大電界強度を与える点における互い
に直交する二方向の曲率半径の調和平均である。
【0010】従って、(1)式によれば、破壊電圧を向
上させるためには、ガス圧力pを上昇させるか、ギャッ
プ長dを大きくすることが考えられる。しかしながら、
ガス圧力の上昇では、箱体1の板厚を増し形状を円筒等
に変更して圧力容器にしなくてはならない。一方、ギャ
ップ長を大きくすることは、数多くの電極を使用した収
納機器であるため、それぞれに対応してギャップ長を確
保すると全体形状が大形化してしまう。
上させるためには、ガス圧力pを上昇させるか、ギャッ
プ長dを大きくすることが考えられる。しかしながら、
ガス圧力の上昇では、箱体1の板厚を増し形状を円筒等
に変更して圧力容器にしなくてはならない。一方、ギャ
ップ長を大きくすることは、数多くの電極を使用した収
納機器であるため、それぞれに対応してギャップ長を確
保すると全体形状が大形化してしまう。
【0011】なお、電界利用率uと電極の曲率半径Rに
関連しており、電界緩和を行うためには電極に大きな丸
みを持たせ、これに伴って電界利用率uが1に近づいて
曲率半径Rが大きくなって破壊電圧が上昇することにな
るが、これには限界がある。つまり、限られたスペース
の中で電極の曲率半径を大きくすると、電界強度が低下
するように思えるが、ギャップ長が短くなって結果的に
電界強度が上昇して破壊電圧の向上が見られないことに
なる。
関連しており、電界緩和を行うためには電極に大きな丸
みを持たせ、これに伴って電界利用率uが1に近づいて
曲率半径Rが大きくなって破壊電圧が上昇することにな
るが、これには限界がある。つまり、限られたスペース
の中で電極の曲率半径を大きくすると、電界強度が低下
するように思えるが、ギャップ長が短くなって結果的に
電界強度が上昇して破壊電圧の向上が見られないことに
なる。
【0012】このように、破壊電圧を上昇させるため
に、ガス圧力を上昇させては箱体1が重量物となり圧力
容器としての法的な規制な受け、ギャップ長を大きくし
ては全体形状が大形化してしまい、縮小化には限界があ
った。本発明の目的は、絶縁構造を改善し、全体形状の
縮小化を図れるスイッチギヤを提供することにある。
に、ガス圧力を上昇させては箱体1が重量物となり圧力
容器としての法的な規制な受け、ギャップ長を大きくし
ては全体形状が大形化してしまい、縮小化には限界があ
った。本発明の目的は、絶縁構造を改善し、全体形状の
縮小化を図れるスイッチギヤを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、スイッチギヤに収納される遮断器は、絶縁
筒内に真空インタラプタを装着後にシリコーンゲルを充
填すると共に、真空インタラプタのフランジ等の鋭角部
を持つ金属部にエポキシ樹脂等より成る絶縁層を設けた
ものとする。
に本発明は、スイッチギヤに収納される遮断器は、絶縁
筒内に真空インタラプタを装着後にシリコーンゲルを充
填すると共に、真空インタラプタのフランジ等の鋭角部
を持つ金属部にエポキシ樹脂等より成る絶縁層を設けた
ものとする。
【0014】また、可動する絶縁操作棒の部分は、絶縁
操作棒の両端にシリコーンゴムよりなる可とう性材料で
覆い、シリコーンゲルの充填を防ぎ、絶縁操作棒の可動
に運動するようにしている。
操作棒の両端にシリコーンゴムよりなる可とう性材料で
覆い、シリコーンゲルの充填を防ぎ、絶縁操作棒の可動
に運動するようにしている。
【0015】
【作用】このような構成において、シリコーンゲルの破
壊電圧は、0.10MPa時での破壊電圧より高く、ま
た絶縁油よりも高く、それ自体で高い絶縁性能を持って
いる。更に、シリコーンゲルの破壊電圧は電界強度に大
きく影響され、金属部にエポキシ樹脂等より成る絶縁層
を設けることにより電界強度が抑制されて大きく向上さ
せることができる。
壊電圧は、0.10MPa時での破壊電圧より高く、ま
た絶縁油よりも高く、それ自体で高い絶縁性能を持って
いる。更に、シリコーンゲルの破壊電圧は電界強度に大
きく影響され、金属部にエポキシ樹脂等より成る絶縁層
を設けることにより電界強度が抑制されて大きく向上さ
せることができる。
【0016】また、可動部においては、可動距離が真空
インタラプタの電極のギャップ長に連動して数10mmと
なるが、可とう性材料でこの可動距離を吸収でき、また
絶縁操作棒に密着したシリコーンゲルも同様に材料の伸
びが大きく吸収できる。
インタラプタの電極のギャップ長に連動して数10mmと
なるが、可とう性材料でこの可動距離を吸収でき、また
絶縁操作棒に密着したシリコーンゲルも同様に材料の伸
びが大きく吸収できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を示すスイッチギヤ
の絶縁構造について、図面を参照して説明する。但し、
従来の装置と重複する部分には同一符号を付した。図1
は本発明の一実施例を示すスイッチギヤに収納された遮
断器3の断面図である。絶縁筒17内には真空インタラ
プタ3aが装着され、上部電極18と下部電極19に固
定されている。上部電極18には接続導体20aが接続
され、これらが一体で絶縁層21に埋め込まれており、
絶縁筒17に固定されている。また、下部電極19には
中心導体14が貫通され、絶縁筒17のほぼ中間部に固
定されている。中心導体14には絶縁操作棒15が連結
され、操作機構部16により真空インタラプタ3a内の
電極を開閉している。
の絶縁構造について、図面を参照して説明する。但し、
従来の装置と重複する部分には同一符号を付した。図1
は本発明の一実施例を示すスイッチギヤに収納された遮
断器3の断面図である。絶縁筒17内には真空インタラ
プタ3aが装着され、上部電極18と下部電極19に固
定されている。上部電極18には接続導体20aが接続
され、これらが一体で絶縁層21に埋め込まれており、
絶縁筒17に固定されている。また、下部電極19には
中心導体14が貫通され、絶縁筒17のほぼ中間部に固
定されている。中心導体14には絶縁操作棒15が連結
され、操作機構部16により真空インタラプタ3a内の
電極を開閉している。
【0018】なお、上部・下部電極18,19には接続
導体20a,20bと、接続導体20a,20bの先端
に取付けられた接触子13a,13bにより他の電気機
器への接続が行われる。
導体20a,20bと、接続導体20a,20bの先端
に取付けられた接触子13a,13bにより他の電気機
器への接続が行われる。
【0019】ここで、絶縁筒17内には、上部電極18
の取付け前にシリコーンゲル22が充填されており、真
空インタラプタ3aのフランジなどの金属部分にはエポ
キシ樹脂等の絶縁材料より成る絶縁層23が形成されて
いる。このシリコーンゲル22は、例えば東芝シリコー
ン製XE−14であり、せん断接着力が0.64kgf
/cm2 で伸びがJIS−A5758−2形に準拠した試
験法で1100mmの値等を有する物性値があり、常温に
おいて十数時間で硬化ゲル化するものである。
の取付け前にシリコーンゲル22が充填されており、真
空インタラプタ3aのフランジなどの金属部分にはエポ
キシ樹脂等の絶縁材料より成る絶縁層23が形成されて
いる。このシリコーンゲル22は、例えば東芝シリコー
ン製XE−14であり、せん断接着力が0.64kgf
/cm2 で伸びがJIS−A5758−2形に準拠した試
験法で1100mmの値等を有する物性値があり、常温に
おいて十数時間で硬化ゲル化するものである。
【0020】図2に真空インタラプタ3aのフランジ2
4に絶縁層23を形成した部分の断面図を示す。絶縁層
23は、絶縁厚さ数mmで、フランジ24の鋭角部を中心
に極間方向の絶縁層25沿面部分にラップして、フラン
ジ24の平面部24aまで設けられている。これは、鋭
角部で電界強度が高い箇所から充分に低い個所までを絶
縁層23で覆うことである。この絶縁層23は、常温硬
化のエポキシ樹脂などの絶縁材料をデップ処理で行うこ
とができる。そして、これらの周囲には、シリコーンゲ
ル22が充填されている。
4に絶縁層23を形成した部分の断面図を示す。絶縁層
23は、絶縁厚さ数mmで、フランジ24の鋭角部を中心
に極間方向の絶縁層25沿面部分にラップして、フラン
ジ24の平面部24aまで設けられている。これは、鋭
角部で電界強度が高い箇所から充分に低い個所までを絶
縁層23で覆うことである。この絶縁層23は、常温硬
化のエポキシ樹脂などの絶縁材料をデップ処理で行うこ
とができる。そして、これらの周囲には、シリコーンゲ
ル22が充填されている。
【0021】また、図3に可動部の断面図を示す。絶縁
操作棒15には、上方が中心導体14に連結され下方が
操作機構16と連結される連結棒26が、ナット27に
より固定されている。そして、中心導体14は、凹状の
下部電極19の中央部を貫通しており、接触子28によ
って下部電極19との電気的な接続が行われている。連
結棒26は、下部電極19に対応した凹状の接地電極2
9の中央部を貫通している。更に、例えばシリコーンゴ
ムのような可とう性材料の被膜層30の一方がナット2
7に締め付け固定され、他方が下部電極19の凹状の突
出部19aおよび接地電極29の突出部29aの内側に
挟み込まれて固定されている。これらの周囲には、上部
と同様にシリコーンゲル22が絶縁筒17の側面に設け
られた穴17aより充填されている。なお、充填時に
は、図3の実線で示したように絶縁操作棒15が下方に
位置した開路状態で行っている。投入状態は点線で示し
た通りであり、空気層31で開路時と投入時の移動距離
を吸収している。
操作棒15には、上方が中心導体14に連結され下方が
操作機構16と連結される連結棒26が、ナット27に
より固定されている。そして、中心導体14は、凹状の
下部電極19の中央部を貫通しており、接触子28によ
って下部電極19との電気的な接続が行われている。連
結棒26は、下部電極19に対応した凹状の接地電極2
9の中央部を貫通している。更に、例えばシリコーンゴ
ムのような可とう性材料の被膜層30の一方がナット2
7に締め付け固定され、他方が下部電極19の凹状の突
出部19aおよび接地電極29の突出部29aの内側に
挟み込まれて固定されている。これらの周囲には、上部
と同様にシリコーンゲル22が絶縁筒17の側面に設け
られた穴17aより充填されている。なお、充填時に
は、図3の実線で示したように絶縁操作棒15が下方に
位置した開路状態で行っている。投入状態は点線で示し
た通りであり、空気層31で開路時と投入時の移動距離
を吸収している。
【0022】次に、図4に示す電極配置を用い、絶縁距
離lを20mmまで変化させたときのインパルス破壊電圧
特性を図5に示す。実線(イ)はシリコーンゲル、点線
(ロ)はシリコーンオイル、一点鎖線(ハ)は20℃換
算時に0.10MPaの絶縁ガスの特性である。
離lを20mmまで変化させたときのインパルス破壊電圧
特性を図5に示す。実線(イ)はシリコーンゲル、点線
(ロ)はシリコーンオイル、一点鎖線(ハ)は20℃換
算時に0.10MPaの絶縁ガスの特性である。
【0023】図5によれば、シリコーンゲルの絶縁耐力
はシリコーンオイルや絶縁ガスの特性より高く、絶縁ガ
スの約2倍であることがわかる。このため、シリコーン
ゲル単独の絶縁構造でも絶縁耐力が向上した割合に反比
例して縮小化が図られる。なお、シリコーンゲルの破壊
は、電界強度に大きく左右される。
はシリコーンオイルや絶縁ガスの特性より高く、絶縁ガ
スの約2倍であることがわかる。このため、シリコーン
ゲル単独の絶縁構造でも絶縁耐力が向上した割合に反比
例して縮小化が図られる。なお、シリコーンゲルの破壊
は、電界強度に大きく左右される。
【0024】ところで、シリコーンゲルは軟らかくて機
械的な強度がないため、固体絶縁物と組み合わせて使用
され、異種絶縁物との間で界面が形成される。この界面
の特性について、図6の平滑界面と図7の被覆界面の電
極配置で調査した。エポキシ樹脂32板に電極33を配
置し、シリコーンゲル34を充填して破壊電圧を求め
た。35は約1mmの絶縁厚さを持ったエポキシ樹脂の絶
縁層である。なお、電極間距離は10mmである。
械的な強度がないため、固体絶縁物と組み合わせて使用
され、異種絶縁物との間で界面が形成される。この界面
の特性について、図6の平滑界面と図7の被覆界面の電
極配置で調査した。エポキシ樹脂32板に電極33を配
置し、シリコーンゲル34を充填して破壊電圧を求め
た。35は約1mmの絶縁厚さを持ったエポキシ樹脂の絶
縁層である。なお、電極間距離は10mmである。
【0025】この結果を図8に示す。実線(ニ)はイン
パルス電圧、点線(ホ)はAC電圧、一点鎖線(ヘ)は
部分放電開始電圧である。図8によれば、平滑界面に対
して被覆界面は全ての電圧特性が向上し、インパルス電
圧では約2倍である。これは、絶縁層35による電界強
度の抑制、特に電極23とエポキシ樹脂32及びシリコ
ーンゲル34の接点で起きるトリプルジャンクッション
による電界強度の上昇を抑制したことである。
パルス電圧、点線(ホ)はAC電圧、一点鎖線(ヘ)は
部分放電開始電圧である。図8によれば、平滑界面に対
して被覆界面は全ての電圧特性が向上し、インパルス電
圧では約2倍である。これは、絶縁層35による電界強
度の抑制、特に電極23とエポキシ樹脂32及びシリコ
ーンゲル34の接点で起きるトリプルジャンクッション
による電界強度の上昇を抑制したことである。
【0026】従って、電界強度が上昇する真空インタラ
プタ3aのフランジ24の鋭角部に絶縁層23を形成す
ることにより、界面の絶縁耐力を大幅に向上させること
ができる。このため、極間距離や対地間距離の縮小化を
図ることができる。
プタ3aのフランジ24の鋭角部に絶縁層23を形成す
ることにより、界面の絶縁耐力を大幅に向上させること
ができる。このため、極間距離や対地間距離の縮小化を
図ることができる。
【0027】また、可動部においては、絶縁操作棒15
にシリコーンゲル22が密着しており、電極となる中心
導体14や連結棒26が細径であるので電界強度の上昇
はなく、高い絶縁耐力を維持できる。移動時において
は、被膜層30に可とう性がありシリコーンゲル22も
高い伸びを有するので、十数mmの移動に対応できる。な
お、上下の電極19,29は凹状であり、電極の底部に
絶縁操作棒15の一部や被膜層30の取付け端部が収納
されるので電界緩和が充分に行われ、部分放電等を発生
することはない。
にシリコーンゲル22が密着しており、電極となる中心
導体14や連結棒26が細径であるので電界強度の上昇
はなく、高い絶縁耐力を維持できる。移動時において
は、被膜層30に可とう性がありシリコーンゲル22も
高い伸びを有するので、十数mmの移動に対応できる。な
お、上下の電極19,29は凹状であり、電極の底部に
絶縁操作棒15の一部や被膜層30の取付け端部が収納
されるので電界緩和が充分に行われ、部分放電等を発生
することはない。
【0028】以上のように本実施例によれば、スイッチ
ギヤの収納機器である遮断器等の絶縁構造に関して、フ
ランジ等の鋭角部を持つ金属部に絶縁層を設け、これら
を絶縁筒に装着してシリコーンゲルを充填してゲル化さ
せることにより、高い絶縁耐力を発揮させると共に、可
動部においては、可とう性材料の被膜層で移動する軸部
分にシリコーンゲルが浸入しないように保護膜を形成さ
せ、絶縁耐力の向上と移動の吸収を行い、全体形状の縮
小化を図ったスイッチギヤを得ることができる。
ギヤの収納機器である遮断器等の絶縁構造に関して、フ
ランジ等の鋭角部を持つ金属部に絶縁層を設け、これら
を絶縁筒に装着してシリコーンゲルを充填してゲル化さ
せることにより、高い絶縁耐力を発揮させると共に、可
動部においては、可とう性材料の被膜層で移動する軸部
分にシリコーンゲルが浸入しないように保護膜を形成さ
せ、絶縁耐力の向上と移動の吸収を行い、全体形状の縮
小化を図ったスイッチギヤを得ることができる。
【0029】一方、他の実施例として、シリコーンゲル
の誘電率が約2.7であるのに対して、電極を被膜する
絶縁層の誘電率が約5と大きいので、これらの絶縁層の
界面では電界強度の乱れが生じる。従って、絶縁層の絶
縁材料をポリエチレン等の低い誘電率にすれば界面の電
界強度の乱れが少なくなり、更に絶縁耐力の向上が見ら
れる。
の誘電率が約2.7であるのに対して、電極を被膜する
絶縁層の誘電率が約5と大きいので、これらの絶縁層の
界面では電界強度の乱れが生じる。従って、絶縁層の絶
縁材料をポリエチレン等の低い誘電率にすれば界面の電
界強度の乱れが少なくなり、更に絶縁耐力の向上が見ら
れる。
【0030】また、シリコーンゲルの充填を遮断器の場
合について説明したが、スイッチギヤ全体をシリコーン
ゲルで充填しても同様の効果がある。この場合、少なく
とも電界強度が上昇する主回路導体の鋭角部、または露
出する金属部に絶縁層の被膜を設ければ高い絶縁耐力を
有することになる。なお、このような広い面積の被膜
は、流動浸積法で一括して形成することができる。ま
た、熱収縮チューブによっても接続個所を除いて形成さ
せることができる。
合について説明したが、スイッチギヤ全体をシリコーン
ゲルで充填しても同様の効果がある。この場合、少なく
とも電界強度が上昇する主回路導体の鋭角部、または露
出する金属部に絶縁層の被膜を設ければ高い絶縁耐力を
有することになる。なお、このような広い面積の被膜
は、流動浸積法で一括して形成することができる。ま
た、熱収縮チューブによっても接続個所を除いて形成さ
せることができる。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、箱体内の
隔壁により遮断器が収納される遮断器室と母線室に仕切
られたスイッチギヤにおいて、遮断器は、絶縁筒内に装
着された真空インタラプタと、真空インタラプタの絶縁
容器の上下に封着されたフランジの少なくとも最外径部
の鋭角部から絶縁容器の沿面まで形成させた絶縁層とを
有するので、絶縁構造を改善でき、全体形状を小形にす
ることができる。
隔壁により遮断器が収納される遮断器室と母線室に仕切
られたスイッチギヤにおいて、遮断器は、絶縁筒内に装
着された真空インタラプタと、真空インタラプタの絶縁
容器の上下に封着されたフランジの少なくとも最外径部
の鋭角部から絶縁容器の沿面まで形成させた絶縁層とを
有するので、絶縁構造を改善でき、全体形状を小形にす
ることができる。
【図1】本発明の一実施例を示すスイッチギヤに収納さ
れた遮断器の断面図。
れた遮断器の断面図。
【図2】[図1]の上部拡大断面図。
【図3】[図1]の下部拡大断面図。
【図4】本発明の一実施例を示すスイッチギヤの絶縁特
性を説明するための図。
性を説明するための図。
【図5】本発明の一実施例を示すスイッチギヤに適用し
た絶縁媒体と代表的な絶縁媒体の電圧特性を比較説明す
るための図。
た絶縁媒体と代表的な絶縁媒体の電圧特性を比較説明す
るための図。
【図6】本発明の一実施例を示すスイッチギヤの絶縁特
性を説明するための図。
性を説明するための図。
【図7】本発明の一実施例を示すスイッチギヤの絶縁特
性を説明するための図。
性を説明するための図。
【図8】本発明の一実施例を示すスイッチギヤに適用し
た絶縁媒体と代表的な絶縁媒体の破壊電圧特性を比較説
明するための図。
た絶縁媒体と代表的な絶縁媒体の破壊電圧特性を比較説
明するための図。
【図9】代表的なスイッチギヤの構成を示す側面図。
【図10】[図9]のスイッチギヤに収納された遮断器
の断面図。
の断面図。
1…箱体、3…遮断器、10…絶縁筒、21,23,2
5,35…絶縁層、22,34…シリコーンゲル
5,35…絶縁層、22,34…シリコーンゲル
Claims (5)
- 【請求項1】 箱体内の隔壁により遮断器が収納される
遮断器室と母線室に仕切られたスイッチギヤにおいて、
前記遮断器は、絶縁筒内に装着された真空インタラプタ
と、この真空インタラプタの絶縁容器の上下に封着され
たフランジの少なくとも最外径部の鋭角部から絶縁容器
の沿面まで形成させた絶縁層とを有し、前記真空インタ
ラプタと絶縁筒の間にシリコーンゲルを充填させたこと
を特徴とするスイッチギヤ。 - 【請求項2】 前記遮断器の絶縁層は、ポリエチレン樹
脂より成る絶縁材料とし、前記絶縁筒内に充填されたシ
リコーンゲルの誘電率近傍の低誘電率を有することを特
徴とする請求項1記載のスイッチギヤ。 - 【請求項3】 箱体内の隔壁により遮断器が収納される
遮断器室と母線室に仕切られたスイッチギヤにおいて、
前記遮断器は、絶縁筒内に装着された真空インタラプタ
と、この真空インタラプタ内の電極を接離可能にする絶
縁操作棒と、この絶縁操作棒に形成され、一方が固定さ
れ、他方が前記絶縁操作棒を貫通する電極に固定される
絶縁被覆層とを有し、前記絶縁操作棒の周囲にシリコー
ンゲルを充填させたことを特徴とするスイッチギヤ。 - 【請求項4】 前記絶縁操作棒を操作する操作機構と絶
縁操作棒を連結する連結軸と、この連結軸に対向配置さ
れ、底部中央部に施された貫通穴に連結軸を貫通させた
凹状の電極とを有し、前記絶縁操作棒が移動する距離を
前記電極の凹状の窪みの範囲としたことを特徴とする請
求項4記載のスイッチギヤ。 - 【請求項5】 箱体内に収納される電気機器と、この電
気機器の主回路導体を支持固定する固体絶縁物と、少な
くとも前記電気機器の主回路導体の鋭角部から前記固体
絶縁物まで形成される絶縁被覆層とを有し、シリコーン
ゲルを充填させたことを特徴とするスイッチギヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6224320A JPH0898341A (ja) | 1994-09-20 | 1994-09-20 | スイッチギヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6224320A JPH0898341A (ja) | 1994-09-20 | 1994-09-20 | スイッチギヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0898341A true JPH0898341A (ja) | 1996-04-12 |
Family
ID=16811910
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6224320A Pending JPH0898341A (ja) | 1994-09-20 | 1994-09-20 | スイッチギヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0898341A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10139624C1 (de) * | 2001-08-14 | 2003-04-03 | Siemens Ag | Elektrisches Schaltgerät für Mittel- oder Hochspannung |
DE10224585A1 (de) * | 2002-06-04 | 2003-12-18 | Abb Patent Gmbh | Vakuumschalter |
WO2005055263A1 (de) * | 2003-12-04 | 2005-06-16 | Siemens Aktiengesellschaft | Elektrische schalteinrichtung mit einem elektrisch isolierenden stoffgemisch |
JP2007028699A (ja) * | 2005-07-12 | 2007-02-01 | Toshiba Corp | 固体絶縁スイッチギヤ |
DE102006062225A1 (de) * | 2006-12-22 | 2008-06-26 | Decom Gmbh | Isolationsgehäuse |
-
1994
- 1994-09-20 JP JP6224320A patent/JPH0898341A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10139624C1 (de) * | 2001-08-14 | 2003-04-03 | Siemens Ag | Elektrisches Schaltgerät für Mittel- oder Hochspannung |
DE10224585A1 (de) * | 2002-06-04 | 2003-12-18 | Abb Patent Gmbh | Vakuumschalter |
WO2005055263A1 (de) * | 2003-12-04 | 2005-06-16 | Siemens Aktiengesellschaft | Elektrische schalteinrichtung mit einem elektrisch isolierenden stoffgemisch |
DE10357407A1 (de) * | 2003-12-04 | 2005-07-07 | Siemens Ag | Elektrische Schalteinrichtung mit einem elektrisch isolierenden Stoffgemisch |
JP2007028699A (ja) * | 2005-07-12 | 2007-02-01 | Toshiba Corp | 固体絶縁スイッチギヤ |
JP4660303B2 (ja) * | 2005-07-12 | 2011-03-30 | 株式会社東芝 | 固体絶縁スイッチギヤ |
DE102006062225A1 (de) * | 2006-12-22 | 2008-06-26 | Decom Gmbh | Isolationsgehäuse |
DE102006062225B4 (de) * | 2006-12-22 | 2009-01-29 | Decom Gmbh | System eines feststoffisolierten Schalterpols |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3860553B2 (ja) | ガス絶縁開閉装置 | |
US20040232113A1 (en) | Electric switching device for medium or high voltage | |
JPH0898341A (ja) | スイッチギヤ | |
JPH1023620A (ja) | 電界緩和装置 | |
JPH08242513A (ja) | スイッチギヤ、電気機器 | |
JPH10210615A (ja) | 受変電設備装置 | |
JP2001143582A (ja) | ガス絶縁開閉装置 | |
JP4309386B2 (ja) | スイッチギア | |
JP3756025B2 (ja) | スイッチギア | |
JPH10247444A (ja) | ガス絶縁真空遮断器 | |
JPH0622420A (ja) | スイッチギヤ | |
JPH0715813A (ja) | ガス絶縁開閉装置 | |
JP2683788B2 (ja) | ブッシングの取付部 | |
JPH0556528A (ja) | 導体接続装置 | |
JPH09200915A (ja) | ガス絶縁断路器、ガス絶縁断路器の接地装置 | |
JP3657890B2 (ja) | ガス絶縁開閉装置 | |
JP2897878B2 (ja) | 電気機器の絶縁構造 | |
JP2683787B2 (ja) | ケーブル終端接続部 | |
JPH05234441A (ja) | 支持碍子 | |
JPH0614762B2 (ja) | 閉鎖配電盤 | |
JPH0591611A (ja) | ガス絶縁開閉装置 | |
JPH02260345A (ja) | 開閉装置の断路器 | |
JPH1021768A (ja) | 絶縁ブッシング | |
WO2024224708A1 (ja) | 絶縁開閉装置 | |
JPS5939395Y2 (ja) | 絶縁操作棒 |