JPH0890178A - 連鋳鋳片の表皮直下欠陥低減方法およびその装置 - Google Patents
連鋳鋳片の表皮直下欠陥低減方法およびその装置Info
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- JPH0890178A JPH0890178A JP23311794A JP23311794A JPH0890178A JP H0890178 A JPH0890178 A JP H0890178A JP 23311794 A JP23311794 A JP 23311794A JP 23311794 A JP23311794 A JP 23311794A JP H0890178 A JPH0890178 A JP H0890178A
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Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 連続鋳造のモールド内溶鋼における気泡およ
び介在物のメニスカス部への捕捉を大幅に確実に低減で
き、ピンホールや介在物による鋼板の有害疵を飛躍的に
低減できるようにする。 【構成】 溶鋼をモールド内に注入して連続鋳造するに
際し、モールド1の外部から供給されたArガス等の不
活性ガスGを、モールド内溶鋼上面より下方における溶
鋼上面近傍位置、即ち従来のメニスカス部近傍に相当す
る位置の吹き込み孔3からモールド内溶鋼Sに向けて吹
き込み、モールド内溶鋼上面を攪拌して凝固点以上に保
持し、メニスカス部の生成を遅延させて吹き込み孔3の
下部にメニスカス部Mを形成する。気泡の溶鋼上面から
の放出・介在物のパウダーへの付着除去が促進され、気
泡および介在物のメニスカス部への捕捉が防止される。
び介在物のメニスカス部への捕捉を大幅に確実に低減で
き、ピンホールや介在物による鋼板の有害疵を飛躍的に
低減できるようにする。 【構成】 溶鋼をモールド内に注入して連続鋳造するに
際し、モールド1の外部から供給されたArガス等の不
活性ガスGを、モールド内溶鋼上面より下方における溶
鋼上面近傍位置、即ち従来のメニスカス部近傍に相当す
る位置の吹き込み孔3からモールド内溶鋼Sに向けて吹
き込み、モールド内溶鋼上面を攪拌して凝固点以上に保
持し、メニスカス部の生成を遅延させて吹き込み孔3の
下部にメニスカス部Mを形成する。気泡の溶鋼上面から
の放出・介在物のパウダーへの付着除去が促進され、気
泡および介在物のメニスカス部への捕捉が防止される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鋼の連続鋳造におい
て鋳片の表皮直下に生成される欠陥を低減する方法およ
びその装置に関するものである。
て鋳片の表皮直下に生成される欠陥を低減する方法およ
びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造方法は、鋳型内に溶鋼を注入
し、水冷鋳型の一次冷却で鋳片表面に凝固シェルを形成
し、続くガイドロール群での二次冷却で凝固を促進し、
ピンチロールで引き抜いて鋳片を連続的に製造する方法
であり、このような連続鋳造法においては、溶鋼の酸化
防止のため、モールド内の溶湯面下に溶湯を注入する浸
漬ノズルと、モールド内の溶湯面を被覆する粉状または
顆粒状のモールドパウダーが採用されている。
し、水冷鋳型の一次冷却で鋳片表面に凝固シェルを形成
し、続くガイドロール群での二次冷却で凝固を促進し、
ピンチロールで引き抜いて鋳片を連続的に製造する方法
であり、このような連続鋳造法においては、溶鋼の酸化
防止のため、モールド内の溶湯面下に溶湯を注入する浸
漬ノズルと、モールド内の溶湯面を被覆する粉状または
顆粒状のモールドパウダーが採用されている。
【0003】モールドパウダーは、モールド内において
溶湯に接する部分が溶融して上から順に粉体層・焼結層
・溶融層を形成し、溶湯の保温,溶湯の酸化抑制,介在
物の混入防止,介在物の捕捉,鋳型と凝固シェル間へパ
ウダー溶融層が流入することによる潤滑や急冷防止等を
図っている。
溶湯に接する部分が溶融して上から順に粉体層・焼結層
・溶融層を形成し、溶湯の保温,溶湯の酸化抑制,介在
物の混入防止,介在物の捕捉,鋳型と凝固シェル間へパ
ウダー溶融層が流入することによる潤滑や急冷防止等を
図っている。
【0004】このようなモールドパウダーは、通常、室
温のままモールド内に投入されており、溶湯面の最上端
であるメニスカス部を不可避的に冷却することになる。
このメニスカス部の温度が低下すると、鋳片表面に縦割
れ疵等が発生し、また鋳片表皮直下にピンホールや介在
物が生じる。
温のままモールド内に投入されており、溶湯面の最上端
であるメニスカス部を不可避的に冷却することになる。
このメニスカス部の温度が低下すると、鋳片表面に縦割
れ疵等が発生し、また鋳片表皮直下にピンホールや介在
物が生じる。
【0005】この鋳片表皮直下のピンホールおよび介在
物は、熱間圧延後のコイルにおいて有害疵となる。この
ピンホールおよび介在物の原因は、モールド内のメニス
カス部へのAr気泡(取鍋やタンディッシュで酸化防止
のために使用されるシール用のArガスが浸漬ノズルか
ら溶鋼内に流入する)および介在物の捕捉によって起こ
るものである。
物は、熱間圧延後のコイルにおいて有害疵となる。この
ピンホールおよび介在物の原因は、モールド内のメニス
カス部へのAr気泡(取鍋やタンディッシュで酸化防止
のために使用されるシール用のArガスが浸漬ノズルか
ら溶鋼内に流入する)および介在物の捕捉によって起こ
るものである。
【0006】このようなメニスカス部への気泡および介
在物の捕捉を防止する方法としては、モールド内溶鋼を
電磁攪拌する方法やモールド内メニスカス温度の低下を
防止する方法がある。モールド内メニスカス温度低下防
止方法としては、マイクロ波によりパウダーを予熱する
方法が既知となっている(特開平1−306055号,
特開平4−143053号,特開平5−200510〜
200512号公報)。また、発熱パウダー等を使用す
る方法もある。
在物の捕捉を防止する方法としては、モールド内溶鋼を
電磁攪拌する方法やモールド内メニスカス温度の低下を
防止する方法がある。モールド内メニスカス温度低下防
止方法としては、マイクロ波によりパウダーを予熱する
方法が既知となっている(特開平1−306055号,
特開平4−143053号,特開平5−200510〜
200512号公報)。また、発熱パウダー等を使用す
る方法もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしなから、前述の
ような従来方法では、鋳片表皮直下におけるピンホール
および介在物をある程度軽減することができるものの、
モールド内溶鋼のメニスカス部の位置は一定で、モール
ド内溶鋼のみを攪拌し、あるいは溶鋼温度の低下を防止
するだけであるため、メニスカス部への気泡および介在
物の捕捉を大幅に低減させることは不可能である。
ような従来方法では、鋳片表皮直下におけるピンホール
および介在物をある程度軽減することができるものの、
モールド内溶鋼のメニスカス部の位置は一定で、モール
ド内溶鋼のみを攪拌し、あるいは溶鋼温度の低下を防止
するだけであるため、メニスカス部への気泡および介在
物の捕捉を大幅に低減させることは不可能である。
【0008】なお、特開昭57−179620号公報に
は、鋳型の下部にスリット状あるいは円状の噴出孔を所
要数設け、この噴出孔から不活性ガスまたは不活性ガス
と潤滑剤の混合物を鋳型と凝固シェルとの間に噴出させ
ることが開示されているが、これは鋳型の損耗を減らし
耐久性を向上させるものであり、不活性ガス等をモール
ド下部の凝固シェルに供給するため、鋳片表皮直下にお
けるピンホールおよび介在物の軽減には効果がない。
は、鋳型の下部にスリット状あるいは円状の噴出孔を所
要数設け、この噴出孔から不活性ガスまたは不活性ガス
と潤滑剤の混合物を鋳型と凝固シェルとの間に噴出させ
ることが開示されているが、これは鋳型の損耗を減らし
耐久性を向上させるものであり、不活性ガス等をモール
ド下部の凝固シェルに供給するため、鋳片表皮直下にお
けるピンホールおよび介在物の軽減には効果がない。
【0009】また、特開昭61−99540号公報に
は、鋳型内壁の溶鋼上面よりも下方の位置に多数の吹出
口を形成し、この吹出口から炭化水素系ガスを鋳型と凝
固シェルの間に供給することが開示されているが、これ
も鋳片のオシレーション部に発生する縦割れ疵の対策と
して考えられたもので、炭化水素系ガスを凝固シェルが
ある程度形成された位置に供給するため、鋳片表皮直下
におけるピンホールおよび介在物の軽減には効果がな
い。
は、鋳型内壁の溶鋼上面よりも下方の位置に多数の吹出
口を形成し、この吹出口から炭化水素系ガスを鋳型と凝
固シェルの間に供給することが開示されているが、これ
も鋳片のオシレーション部に発生する縦割れ疵の対策と
して考えられたもので、炭化水素系ガスを凝固シェルが
ある程度形成された位置に供給するため、鋳片表皮直下
におけるピンホールおよび介在物の軽減には効果がな
い。
【0010】この発明は、前述のような問題点を解消す
べくなされたもので、その目的は、連続鋳造用モールド
内の溶鋼における気泡および介在物のメニスカス部への
捕捉を大幅に確実に低減でき、後工程における鋼板の有
害疵を飛躍的に低減することのできる連鋳鋳片の表皮直
下欠陥低減方法およびその装置を提供することにある。
べくなされたもので、その目的は、連続鋳造用モールド
内の溶鋼における気泡および介在物のメニスカス部への
捕捉を大幅に確実に低減でき、後工程における鋼板の有
害疵を飛躍的に低減することのできる連鋳鋳片の表皮直
下欠陥低減方法およびその装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、溶鋼をモー
ルド内に注入して連続鋳造するに際し、図1,図2に示
すように、モールド1の外部から供給されたArガス等
の不活性ガスGを、モールド内溶鋼上面より下方におけ
る溶鋼上面近傍位置、即ち従来のメニスカス部M0 近傍
に相当する位置からモールド内溶鋼Sに向けて吹き込
み、モールド内溶鋼上面を攪拌して凝固点以上に保持
し、メニスカス部Mの生成を遅延させるようにしたもの
である。
ルド内に注入して連続鋳造するに際し、図1,図2に示
すように、モールド1の外部から供給されたArガス等
の不活性ガスGを、モールド内溶鋼上面より下方におけ
る溶鋼上面近傍位置、即ち従来のメニスカス部M0 近傍
に相当する位置からモールド内溶鋼Sに向けて吹き込
み、モールド内溶鋼上面を攪拌して凝固点以上に保持
し、メニスカス部Mの生成を遅延させるようにしたもの
である。
【0012】このような方法を実施する装置は、図1に
示すように、モールド内溶鋼上面より下方における溶鋼
上面近傍位置にArガス等の不活性ガスGの吹き込み孔
3が形成されたモールド1と、背圧調整用の減圧弁5を
介して前記吹き込み孔3に不活性ガスGを供給するガス
供給管4等の供給装置と、モールド内溶鋼上面近傍の温
度を測定する熱電対等の温度センサー7と、モールド内
溶鋼の湯面レベルを検出する渦電流レベル計等の湯面レ
ベル計8から構成する。
示すように、モールド内溶鋼上面より下方における溶鋼
上面近傍位置にArガス等の不活性ガスGの吹き込み孔
3が形成されたモールド1と、背圧調整用の減圧弁5を
介して前記吹き込み孔3に不活性ガスGを供給するガス
供給管4等の供給装置と、モールド内溶鋼上面近傍の温
度を測定する熱電対等の温度センサー7と、モールド内
溶鋼の湯面レベルを検出する渦電流レベル計等の湯面レ
ベル計8から構成する。
【0013】
【作用】以上のような構成において、図2に示すよう
に、モールド1内には、浸漬ノズル2から所定の過熱度
ΔT(=モールド内溶鋼温度−モールド内溶鋼液相線温
度)の溶鋼Sが注入され、モールド1での水冷により溶
鋼側面に凝固シェルS’が形成される。従来において
は、図2(a)に示すように、溶鋼側面の溶鋼上面近く
で溶鋼温度が凝固点以下となってメニスカス部M0 が形
成され、浸漬ノズル2の左右の吐出口2aからのシール
用等のArガスg0 がメニスカス部M0 に向かい、この
メニスカス部M0 で気泡や介在物が捕捉されることにな
る。
に、モールド1内には、浸漬ノズル2から所定の過熱度
ΔT(=モールド内溶鋼温度−モールド内溶鋼液相線温
度)の溶鋼Sが注入され、モールド1での水冷により溶
鋼側面に凝固シェルS’が形成される。従来において
は、図2(a)に示すように、溶鋼側面の溶鋼上面近く
で溶鋼温度が凝固点以下となってメニスカス部M0 が形
成され、浸漬ノズル2の左右の吐出口2aからのシール
用等のArガスg0 がメニスカス部M0 に向かい、この
メニスカス部M0 で気泡や介在物が捕捉されることにな
る。
【0014】これに対して、本発明では、図2(b)に
示すように、減圧弁5により背圧を制御されたArガス
Gが吹き込み孔3からモールド1内の溶鋼上面近傍に吹
き込まれ、ArガスGによる攪拌により溶鋼Sが凝固点
以下となるのが防止され、メニスカス部Mの生成が遅延
してメニスカス部Mが吹き込み孔3の下部に形成され
る。溶鋼上面付近にメニスカス部がなく、気泡(Arガ
スg0 ・ArガスG)および介在物がメニスカス部Mに
捕捉されることがなく、また溶鋼Sが凝固点以上に保持
されことと、ArガスGによる攪拌とにより、気泡が溶
鋼上面から十分に放出され、介在物のモールドパウダー
Pによる付着除去が促進される。また、ArガスGのポ
ーラスの浮力による発生する上昇流によっても気泡と介
在物の溶鋼Sからの除去が促進される。これにより、メ
ニスカス部Mに気泡および介在物が捕捉されるのを大幅
に確実に低減することができ、鋳片表皮下欠陥のない鋳
片を得ることができる。
示すように、減圧弁5により背圧を制御されたArガス
Gが吹き込み孔3からモールド1内の溶鋼上面近傍に吹
き込まれ、ArガスGによる攪拌により溶鋼Sが凝固点
以下となるのが防止され、メニスカス部Mの生成が遅延
してメニスカス部Mが吹き込み孔3の下部に形成され
る。溶鋼上面付近にメニスカス部がなく、気泡(Arガ
スg0 ・ArガスG)および介在物がメニスカス部Mに
捕捉されることがなく、また溶鋼Sが凝固点以上に保持
されことと、ArガスGによる攪拌とにより、気泡が溶
鋼上面から十分に放出され、介在物のモールドパウダー
Pによる付着除去が促進される。また、ArガスGのポ
ーラスの浮力による発生する上昇流によっても気泡と介
在物の溶鋼Sからの除去が促進される。これにより、メ
ニスカス部Mに気泡および介在物が捕捉されるのを大幅
に確実に低減することができ、鋳片表皮下欠陥のない鋳
片を得ることができる。
【0015】ArガスGの流量は、温度センサー7でモ
ールド内溶鋼上面の温度を測定し、浸漬ノズル2からモ
ールド1内に流入する溶鋼Sが凝固点以下とならない攪
拌力が得られるように制御される。また、溶鋼湯面の変
動を湯面レベル計8で測定し、モールドパウダーPが溶
鋼の湯流れに巻き込まれないように流量が制御される。
さらに、モールドパウダーPの溶融層が鋳型と凝固シェ
ル間へ流入することによる潤滑を阻害しない程度の流量
に制御される。
ールド内溶鋼上面の温度を測定し、浸漬ノズル2からモ
ールド1内に流入する溶鋼Sが凝固点以下とならない攪
拌力が得られるように制御される。また、溶鋼湯面の変
動を湯面レベル計8で測定し、モールドパウダーPが溶
鋼の湯流れに巻き込まれないように流量が制御される。
さらに、モールドパウダーPの溶融層が鋳型と凝固シェ
ル間へ流入することによる潤滑を阻害しない程度の流量
に制御される。
【0016】
【実施例】以下、この発明を図示する一実施例に基づい
て詳細に説明する。これは、スラブ用のスラブ幅調整可
能な組立鋳型に適用した例である。図1に示すように、
モールド1は一対の長辺銅板1Aと、一対の短辺銅板1
Bからなり、一対の短辺板1Bが一対の長辺銅板1A間
で相互に進退移動可能に設けられている。なお、長辺銅
板1Aおよび短辺銅板1Bは、通常、裏面にバックフレ
ームが取付けられ、銅板の裏面が冷却水により水冷さ
れ、溶鋼の抜熱を行っている。
て詳細に説明する。これは、スラブ用のスラブ幅調整可
能な組立鋳型に適用した例である。図1に示すように、
モールド1は一対の長辺銅板1Aと、一対の短辺銅板1
Bからなり、一対の短辺板1Bが一対の長辺銅板1A間
で相互に進退移動可能に設けられている。なお、長辺銅
板1Aおよび短辺銅板1Bは、通常、裏面にバックフレ
ームが取付けられ、銅板の裏面が冷却水により水冷さ
れ、溶鋼の抜熱を行っている。
【0017】モールド1内には、溶鋼Sに浸漬される下
端部に溶鋼を水平から若干下向きに吐出する吐出孔2a
を備えた2孔浸漬ノズル2が挿入され、レードル内の溶
鋼がタンディッシュ,流量制御用のスライディングノズ
ル装置,浸漬ノズル2を介して注入される。溶鋼Sの上
面には図示しないパウダー供給装置からモールドパウダ
ーPが供給される。
端部に溶鋼を水平から若干下向きに吐出する吐出孔2a
を備えた2孔浸漬ノズル2が挿入され、レードル内の溶
鋼がタンディッシュ,流量制御用のスライディングノズ
ル装置,浸漬ノズル2を介して注入される。溶鋼Sの上
面には図示しないパウダー供給装置からモールドパウダ
ーPが供給される。
【0018】このようなモールド1において、長辺銅板
1Aおよび短辺銅板1Bの上部に吹き込み孔3を穿設す
る。この吹き込み孔3は、鋳込みの定常状態における通
常の溶鋼上面レベル位置よりも下の位置(従来のメニス
カス部位置)に位置するように設け、またArガスGを
浸漬ノズル2の下端部に向けて水平に吹き込めるように
形成する。鋳込み方向の上下に関しては、所定の吹き込
み量が得られるように間隔をおいて複数配設し、水平方
向にも間隔をおいて複数配設し、スラブ横断面全体に均
一にArガスGが吹き込まれるようにする。
1Aおよび短辺銅板1Bの上部に吹き込み孔3を穿設す
る。この吹き込み孔3は、鋳込みの定常状態における通
常の溶鋼上面レベル位置よりも下の位置(従来のメニス
カス部位置)に位置するように設け、またArガスGを
浸漬ノズル2の下端部に向けて水平に吹き込めるように
形成する。鋳込み方向の上下に関しては、所定の吹き込
み量が得られるように間隔をおいて複数配設し、水平方
向にも間隔をおいて複数配設し、スラブ横断面全体に均
一にArガスGが吹き込まれるようにする。
【0019】各吹き込み孔3の入口には、ガス供給管4
の分岐管の先端を接続し、外部のボンベ等からArガス
Gを供給可能とする。この供給管4は、長辺用の供給管
4Aと短辺用の供給管4Bの2系統とし、それぞれに背
圧調整用の減圧弁5と流量調整弁6を設ける。
の分岐管の先端を接続し、外部のボンベ等からArガス
Gを供給可能とする。この供給管4は、長辺用の供給管
4Aと短辺用の供給管4Bの2系統とし、それぞれに背
圧調整用の減圧弁5と流量調整弁6を設ける。
【0020】また、モールド1には、モールド内溶鋼上
面近傍の温度を測定する熱電対7を埋設する。温度検出
点は、吹き込み孔3の上方におけるモールド内溶鋼上面
と同じ高さに相当する位置とし、また水平方向には例え
ば長辺銅板1Aに間隔をおいて2箇所、短辺板1Bに1
箇所埋設する。
面近傍の温度を測定する熱電対7を埋設する。温度検出
点は、吹き込み孔3の上方におけるモールド内溶鋼上面
と同じ高さに相当する位置とし、また水平方向には例え
ば長辺銅板1Aに間隔をおいて2箇所、短辺板1Bに1
箇所埋設する。
【0021】溶鋼湯面レベルを検出する渦電流レベル計
8をパウダーPの上方に位置するように設置する。この
渦電流レベル計8は、導電体の変位検出に汎用されてい
る変位センサーであり、検出コイルに高周波電流を流し
て導電体に渦電流を生じせしめ、この渦電流の強さによ
り磁界が変化する現象を利用し、導電体との距離で変化
する検出コイルのインピーダンスを測定するものであ
る。
8をパウダーPの上方に位置するように設置する。この
渦電流レベル計8は、導電体の変位検出に汎用されてい
る変位センサーであり、検出コイルに高周波電流を流し
て導電体に渦電流を生じせしめ、この渦電流の強さによ
り磁界が変化する現象を利用し、導電体との距離で変化
する検出コイルのインピーダンスを測定するものであ
る。
【0022】熱電対7および渦電流レベル計8の検出信
号は、制御装置9に入力され、この制御装置9により背
圧調整用減圧弁5および流量調整弁6が制御される。
号は、制御装置9に入力され、この制御装置9により背
圧調整用減圧弁5および流量調整弁6が制御される。
【0023】以上のような構成において、低炭素アルミ
キルド鋼のスラブの連続鋳造に適用した例を図3,図4
に示す。ArガスGは、背圧を背圧調整用減圧弁5で一
定に制御し、流量をメニスカス部が吹き込み孔3より下
部に生成するように制御した。ここで、熱電対7で測定
したモールド内溶鋼上面の温度に基づいてArガスGの
流量を制御し、モールド内溶鋼が凝固点以下とならない
ような攪拌力が得られるようにしてモールド内溶鋼を凝
固点以上に保持し、かつ、湯面レベル計8で測定した溶
鋼湯面に基づいてArガスGの流量を制御し、溶鋼湯面
変動を抑制してモールドパウダーPが溶鋼の湯流れに巻
き込まれないようにすると共に、モールドパウダーPの
溶融層が鋳型と凝固シェル間へ流入することによる潤滑
を阻害しないようにした。
キルド鋼のスラブの連続鋳造に適用した例を図3,図4
に示す。ArガスGは、背圧を背圧調整用減圧弁5で一
定に制御し、流量をメニスカス部が吹き込み孔3より下
部に生成するように制御した。ここで、熱電対7で測定
したモールド内溶鋼上面の温度に基づいてArガスGの
流量を制御し、モールド内溶鋼が凝固点以下とならない
ような攪拌力が得られるようにしてモールド内溶鋼を凝
固点以上に保持し、かつ、湯面レベル計8で測定した溶
鋼湯面に基づいてArガスGの流量を制御し、溶鋼湯面
変動を抑制してモールドパウダーPが溶鋼の湯流れに巻
き込まれないようにすると共に、モールドパウダーPの
溶融層が鋳型と凝固シェル間へ流入することによる潤滑
を阻害しないようにした。
【0024】鋳片引抜速度・湯面変動・パウダー消費量
・モールド内溶鋼スーパーヒート(過熱度)は、それぞ
れ図3に示すように変化した。製造されたスラブは、図
4(a),(b)に示すように、スラブ表皮下における
ピンホールおよび介在物を従来法と比較して大幅に低減
することができた。なお、スラブ表皮下ピンホール疵発
生率は、{(スカーフ後スラブチェックでピンホールが
発見されたスラブ枚数)/(スカーフ後スラブチェック
実施スラブ枚数)}×100である。以上のように鋳片
表皮下性状を著しく改善することにより、図4(c)に
示すように、熱延鋼板における有害疵の発生率を飛躍的
に低減することができた
・モールド内溶鋼スーパーヒート(過熱度)は、それぞ
れ図3に示すように変化した。製造されたスラブは、図
4(a),(b)に示すように、スラブ表皮下における
ピンホールおよび介在物を従来法と比較して大幅に低減
することができた。なお、スラブ表皮下ピンホール疵発
生率は、{(スカーフ後スラブチェックでピンホールが
発見されたスラブ枚数)/(スカーフ後スラブチェック
実施スラブ枚数)}×100である。以上のように鋳片
表皮下性状を著しく改善することにより、図4(c)に
示すように、熱延鋼板における有害疵の発生率を飛躍的
に低減することができた
【0025】
【発明の効果】前述の通り、この発明は、モールド内の
溶鋼上面近傍に不活性ガスを外部から吹き込み、メニス
カス生成位置が溶鋼湯面より下方に位置するように制御
するようにしたため、気泡および介在物のメニスカス部
への捕捉を大幅に確実に低減することができ、鋳片表皮
下におけるピンホールおよび介在物による鋳片表面欠陥
を著しく改善することができ、熱延鋼板における有害疵
の発生率を飛躍的に低減することができる。
溶鋼上面近傍に不活性ガスを外部から吹き込み、メニス
カス生成位置が溶鋼湯面より下方に位置するように制御
するようにしたため、気泡および介在物のメニスカス部
への捕捉を大幅に確実に低減することができ、鋳片表皮
下におけるピンホールおよび介在物による鋳片表面欠陥
を著しく改善することができ、熱延鋼板における有害疵
の発生率を飛躍的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る鋳片表皮直下欠陥防止方法を実
施するための装置の一例を示す、(a)は平面図,
(b)は縦断面図である。
施するための装置の一例を示す、(a)は平面図,
(b)は縦断面図である。
【図2】(a)は従来における気泡および介在物の挙動
を示し、(b)は本発明に係る気泡および介在物の挙動
等を示す縦断面図である。
を示し、(b)は本発明に係る気泡および介在物の挙動
等を示す縦断面図である。
【図3】連続鋳造の一例における種々の条件を示すグラ
フである。
フである。
【図4】鋳片表面直下の欠陥および鋼板表面疵を本発明
と従来とで比較した例を示すグラフである。
と従来とで比較した例を示すグラフである。
S…溶鋼 P…モールドパウダー S’…凝固シェル M…メニスカス部 G…不活性ガス(Arガス) 1…モールド 1A…長辺銅板 1B…短辺銅板 2…浸漬ノズル 3…吹き込み孔 4…ガス供給管 5…背圧調整用減圧弁 6…流量調整弁 7…温度センサー(熱電対) 8…湯面レベル計(渦電流レベル計) 9…制御装置
Claims (2)
- 【請求項1】 溶鋼をモールド内に注入して連続鋳造す
るに際し、モールドの外部から供給された不活性ガス
を、モールド内溶鋼上面より下方における溶鋼上面近傍
位置からモールド内溶鋼に向けて吹き込むことを特徴と
する連鋳鋳片の表皮直下欠陥低減方法。 - 【請求項2】 モールド内溶鋼上面より下方における溶
鋼上面近傍位置に不活性ガスの吹き込み孔が形成された
モールドと、背圧調整用の減圧弁を介して前記吹き込み
孔に不活性ガスを供給する供給装置と、モールド内溶鋼
上面近傍の温度を測定する温度センサーと、モールド内
溶鋼の湯面レベルを検出する湯面レベル計とを備えてい
ることを特徴とする連鋳鋳片の表皮直下欠陥低減装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23311794A JPH0890178A (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | 連鋳鋳片の表皮直下欠陥低減方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23311794A JPH0890178A (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | 連鋳鋳片の表皮直下欠陥低減方法およびその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0890178A true JPH0890178A (ja) | 1996-04-09 |
Family
ID=16950039
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23311794A Pending JPH0890178A (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | 連鋳鋳片の表皮直下欠陥低減方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0890178A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100802477B1 (ko) * | 2006-08-24 | 2008-02-12 | 주식회사 포스코 | 연속주조장치 및 방법 |
-
1994
- 1994-09-28 JP JP23311794A patent/JPH0890178A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100802477B1 (ko) * | 2006-08-24 | 2008-02-12 | 주식회사 포스코 | 연속주조장치 및 방법 |
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