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JPH0875737A - ヒト前立腺特異抗原とヒトプロテインcインヒビターとの複合体の測定方法および同測定用キット - Google Patents

ヒト前立腺特異抗原とヒトプロテインcインヒビターとの複合体の測定方法および同測定用キット

Info

Publication number
JPH0875737A
JPH0875737A JP24665994A JP24665994A JPH0875737A JP H0875737 A JPH0875737 A JP H0875737A JP 24665994 A JP24665994 A JP 24665994A JP 24665994 A JP24665994 A JP 24665994A JP H0875737 A JPH0875737 A JP H0875737A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
psa
human
antibody
pci
inhibitor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24665994A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Suzuki
宏治 鈴木
Hidekuni Shima
英邦 嶋
Shinichi Yoshida
真一 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Yakuhin Kogyo KK
Original Assignee
Fuji Yakuhin Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Yakuhin Kogyo KK filed Critical Fuji Yakuhin Kogyo KK
Priority to JP24665994A priority Critical patent/JPH0875737A/ja
Publication of JPH0875737A publication Critical patent/JPH0875737A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒト血液を試料として、ヒト血中のヒト前立
腺特異抗原とヒトプロテインCインヒビターとの複合体
を測定する方法であって、ヒト前立腺特異抗原に対する
ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体とヒトプロ
テインCインヒビターに対するモノクローナル抗体とを
用いて、二抗体サンドイッチ法により免疫測定法によっ
て測定するヒト血中のヒト前立腺特異抗原とヒトプロテ
インCインヒビターとの複合体の測定法および測定用キ
ット。 【効果】 ヒト血中のPSA・PCI複合体の濃度を簡
単な操作で精度良く測定することができる方法を提供す
るものであり、前立腺肥大症の診断を可能にし、さら
に、既存の前立腺癌における最も有用な腫瘍マーカーと
して用いられているPSAの測定と本発明方法によるP
SA・PCIの測定とを併せ行うことにより前立腺肥大
症と前立腺癌とを鑑別することを可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明はヒト血中のヒト前立腺特異抗原
(Prostate Specific Antige
n:以下PSAと略記する)とヒトプロテインCインヒ
ビター(以下、PCIと略記する)の複合体(以下、P
SA・PCI複合体と略記する)の測定方法に関するも
のであり、さらに詳しくは、前立腺肥大症と前立腺癌と
を鑑別するために極めて重要な役割を果たすヒト血中の
PSA・PCI複合体を測定する方法に関する。
【0002】
【背景技術】ヒトの前立腺は、ほぼ50才代において萎
縮性変化が起こり、尿道周囲の腺(内腺)に繊維筋性ま
たは腺性の小結節が出現し、しだいに大きな結節を形成
するようになる。このような結節の形成により前立腺は
しだいに大きくなり前立腺肥大症となる。結節の形成は
加齢とともに増加する。前立腺肥大症に関しては、通
常、直腸内指診、残尿量測定、X線検査、内視鏡検査、
超音波検査等により診断が行われているが、前立腺肥大
症に特異的な生化学的検査方法は未だ見出されておら
ず、したがって、血液等を検体とする簡便な検査方法が
求められている。
【0003】また、前立腺癌は尿路腫瘍の中でも最も頻
度の高い癌種であり、抗男性ホルモン療法が一時的に奏
功するものの、不応性となると以後の治療に難渋する疾
患であるので、早期発見と根治療法が必要である。その
ため、住民検診や一般健康診断におけるこの疾患につい
てのスクリーニングの導入が切望されている。この疾患
を効率良く診断する手段として腫瘍マーカーが用いられ
ている。現在、使用されている前立腺癌マーカーはPS
Aであり、このPSAは、前立腺癌診断について高い感
度があり、前立腺癌に関する最も有用な腫瘍マーカーと
して実用化されている。しかしながら、PSAは前立腺
癌に対して高い感度を有する反面、前立腺肥大症に対し
ても、ある感度を示すため、これのみでは単なる前立腺
肥大症と前立腺癌の鑑別ができない。したがって、前立
腺肥大症と前立腺癌の鑑別を可能とする臨床検査方法
が、切に要望されている現状にある。
【0004】本発明者らは、前立腺肥大症に特異的で前
立腺肥大症と前立腺癌とを鑑別、診断し得る生化学的検
査方法を探求したところ、ヒト血中のPSA・PCI複
合体を精度よく測定することにより、前記の前立腺肥大
症と前立腺癌とを鑑別するための指標が得られることを
見出した。
【0005】
【発明の開示】本発明は、ヒト血液を試料として、ヒト
血中のPSA・PCI複合体を測定する方法であって、
PSAに対するポリクローナル抗体又はモノクローナル
抗体とPCIに対するモノクローナル抗体とを用いて、
二抗体サンドイッチ法により酵素免疫測定法によって測
定することを特徴とするヒト血中のPSA・PCI複合
体の測定法を提供するものである。前述したように、従
来、ヒト血中のPSA測定は、その測定が前立腺癌で高
い数値を示すことより、前立腺癌の最も有用な指標の一
つとされているが、PSAは、正常前立腺、前立腺肥大
症、前立腺癌のいずれにおいても同様に、前立腺組織
(前立腺上皮)及び精漿中に局在していることから、そ
の測定値は必ずしも前立腺癌に特異的なものとはいえな
い。また、PSA濃度は前立腺肥大症においても前立腺
癌においても前立腺組織の重量に相関し、この両疾患に
おいて高い数値を示すが、その測定のみでは前立腺肥大
症と前立腺癌とを鑑別することは困難であり、当該技術
分野において両疾患の鑑別ができる指標となる生化学的
検査方法の開発が切望されていた。
【0006】本発明によるPSA・PCI複合体測定方
法によれば、前立腺に対する特異性は高く、前立腺肥大
症でのみ高い数値を示し、健常者および前立腺癌患者で
は低い値を示すことから、従来、PSA測定のみでは困
難であった前立腺肥大症と前立腺癌との鑑別を容易に行
うことができるものである。すなわち、PSA濃度が高
い値を示し、PSA・PCI複合体濃度が高い値を示す
場合には前立腺肥大症が疑われ、PSA濃度が高い値を
示し、PSA・PCI複合体濃度が低い値を示す場合に
は前立腺癌が疑われることとなる。このように本発明の
測定法によれば、これまでPSA測定のみでは困難とさ
れていた前立腺肥大症と前立腺癌との鑑別を容易ならし
め、前立腺癌の診断における指標として極めて有用なも
のである。
【0007】本発明による、ヒト血中のPSA・PCI
複合体の測定方法は、PSAに対するポリクローナル抗
体又はモノクローナル抗体とPCIに対するモノクロー
ナル抗体とを用いて、二抗体サンドイッチ法により酵素
免疫測定法によって測定することを特徴とする。本発明
方法の代表的サンドイッチ法としては、次の方法があげ
られる。すなわち、ヒト血中のPSA・PCI複合体
を、二抗体サンドイッチ法を利用する酵素免疫測定法に
よって測定するにあたり、固相化抗体としてPSAに対
するポリクローナル抗体もしくはモノクローナル抗体を
使用し、酵素標識抗体用としてPCIに対するモノクロ
ーナル抗体を使用することを特徴とするヒト血中のPS
A・PCI複合体の測定法である。以下に本発明を詳細
に説明する。
【0008】本発明方法に使用される抗PSA抗体は、
ポリクローナル抗体または、モノクローナル抗体のいず
れでもよく、Wang,M.C.,et al.:In
vest.Urol.,17,159(1979)記載
の方法により精製したPSAを抗原として常法により製
造することができる。また、市販の抗PSAポリクロー
ナル抗体または、抗PSAモノクローナル抗体を使用す
ることもできる。これら抗体のうち、PSA・PCI複
合体と結合することのできるものを選択する。
【0009】本発明方法に使用される抗PCIモノクロ
ーナル抗体はたとえば次のようにして製造される。ヒト
血漿にバリウム塩を加え、PCなどのビタミンK依存性
蛋白質を除き、その上清にPEG−6000を加え、そ
の沈殿を集め、溶出し、硫酸アンモニウム分画、DEA
E−Sephacel,Dextran Sulfat
e Agarose,Chromatography,
Ultrogel AcA−44,DEAE−Seph
acel,ChromatographyによりPCI
を精製する。精製方法はSuzuki,K.et a
l.,J.Biol.Chem.,258,163(1
983)に詳細に述べられている。
【0010】このようにして得られた精製PCIをフロ
イント完全アジュバンドと共にBalb/cマウスの腹
腔内に投与した後、脾臓細胞を摘出し、ミエローマ細胞
株と脾臓細胞をOi and Herzenberg
(Oi,V.T.and Herzenberg,L.
A.,In:Mishell,B.B.and Shi
igi,S.M.,eds.,Selected Me
thods in Cellular immunol
ogy,San Francisco,CA:WH F
reeman & Co.,351,1980)の方法
により細胞融合を行う。次に限界希釈法によりPCIと
反応するハイブリドーマをクローニングし、抗PCI抗
体産生セルラインを確立し、抗PCIモノクローナル抗
体を得ることができる。このモノクローナル抗体のうち
PSA・PCI複合体と結合することのできるものを選
択する。
【0011】次に、本発明における二抗体サンドイッチ
法を利用するPSA・PCI複合体の酵素免疫測定法の
詳細を述べる。測定系全体の構成要素は固相担体、固相
コート用の抗PSA抗体(固相)、標準抗原、標識用抗
PCIモノクローナル抗体(標識抗体)、酵素および基
質である。抗体はそのまま、もしくは抗体をペプシンで
消化して得られたF(ab′)、F(ab′)を還
元して得られたFab′および抗体をパパインで消化し
て得られたFabなどの、抗原に結合する抗体フラグメ
ントを抗体として、また、これらを標識して標識抗体と
して使用することができる。
【0012】固相担体は一般にイムノアッセイ用に用い
られる固相担体が使用される。その形状は、ボール状、
プレート状、棒状、角状、その他任意の形状であっても
よく、ゲル濾過に用いる担体、例えばセファロース4B
等でもよい。担体の材質は、ポリスチレン、ポリアセテ
ート、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体等のプラスチック、セルロース等
の紙類、その他イムノアッセイに従来使用されている任
意の材料でよい。また、当該固相に抗体を結合させるに
は、物理化学的な吸着あるいは化学的に結合させる等の
既知の技術によって達成できる。
【0013】標識抗体は、抗体をH、14C、125
I、131I、等の放射性同位元素、ペルオキシダー
ゼ、アルカリ性フォスファターゼ、β−ガラクトシダー
ゼ、等の酵素、フルオレッセイン、ローダミンB、等の
蛍光物質、イソミノール誘導体等の発光物質等、当該分
野で一般的に用いられている標識剤で常法により標識す
ることにより得られる。基質は選択した酵素に応じて適
宜使用すればよい。例えば酵素として、アルカリ性フォ
スファターゼを選択した場合においてp−ニトロフェニ
ルフォスフェートを、また、ペルオキシダーゼを選択し
た場合においてはo−フェニレンジアミン、あるいはA
BTS(2,2′−アジノ−ビス(3′−エチルベンゾ
チアゾリンスルホン酸))を発色剤として使用し、過酸
化水素を基質として使用すればよい。
【0014】次に、固相抗体および標識抗体を用いた本
発明の実施方法を簡単に説明する。先ず、測定すべき試
料を一定量反応容器にとり、ウシ血清アルブミン(BS
A)、ウシγ−グロブリンまたは動物血清を0.1〜5
%、好ましくは0.5〜2%BSAを含む緩衝液を一定
量加えて混和する。この場合の緩衝液は、0.01〜
0.05Mのホウ酸緩衝液,pH7.2〜9.0、0.
01〜0.5Mのリン酸緩衝液,pH5.2〜8.5、
0.01〜0.5Mのベロナール緩衝液,pH6.8〜
9.6、0.01〜0.5Mのトリス−塩酸緩衝液,p
H7.2〜9.1等の緩衝液、あるいは0.05〜0.
5Mの塩化ナトリウム、0.05〜0.5Mの塩化カリ
ウム等の塩を含む上記緩衝液を使用する。次に、試料と
緩衝液の混合液に抗体結合固相を加え、一定時間反応さ
せる。反応後、抗体結合を場合により洗浄してから、上
記の緩衝液に溶解した標識抗体と抗体結合を一定時間反
応させる。反応後、抗体結合を洗浄してから、抗体結合
固相に結合している標識抗体の標識剤の量を検出するこ
とにより、PSA・PCI複合体の量を知ることができ
る。
【0015】次に、本発明の測定用キットは、本発明の
測定方法の実施に直接使用するためのものであり、本発
明測定試薬キットの具体的仕様を示せば次の如くなる。
即ち、本測定用キットは固相用抗PSA抗体、酵素標識
抗PCIモノクローナル抗体を必須の構成要素として含
み、該キット中には、任意に測定の実施の便益のために
適当なる標準抗原、抗原希釈用液、反応用液、基質、基
質溶解液、反応停止液等が添付される。これらは本発明
を限定するものではない。後記実験例によって示される
ごとく、本発明の測定方法によってヒト血中のPSA・
PCI複合体を精度よく測定することが可能であり、既
存の前立腺癌における最も有用な腫瘍マーカーとして用
いられているPSAの測定と、本発明方法によるPSA
・PCI複合体の測定とを併用して、PSA濃度が高い
値で、PSA・PCI複合体濃度も高い値である場合に
は前立腺肥大症が疑われ、PSA濃度が高い値でPSA
・PCI複合体濃度が低い値の場合には前立腺癌が疑わ
れる。このようにして、前立腺肥大症と前立腺癌とを鑑
別し診断することができる。
【0016】本発明の効果は、次のごとく要約される。
本発明は、ヒト血中のPSA・PCI複合体の濃度を簡
単な操作で精度良く測定することができる方法を提供す
るものであり、前立腺肥大症の診断を可能にし、さら
に、既存の前立腺癌における最も有用な腫瘍マーカーと
して用いられているPSAの測定と本発明方法によるP
SA・PCI複合体の測定とを併せ行うことにより前立
腺肥大症と前立腺癌とを鑑別することを可能とするもの
である。以下に記載する実施例をもって本発明を更に具
体的に説明する。
【0017】
【実施例】
実施例1 (1) 抗体結合固相の調製 抗PSAポリクローナル抗体(The Binding
Site社製)を0.1M炭酸緩衝液,pH9.3で
13μg/mlに希釈し、96ウエルマイクロプレート
に1ウエルにつき100μlずつ注入し、4℃で一夜放
置した後、0.2M NaCl、0.05M EDTA
及び、0.02%チメロサール含有0.05Mトリス−
塩酸緩衝液,pH7.5で3回洗浄後、2%牛血清アル
ブミン及び、0.5%ゼラチン含有、リン酸緩衝液,p
H7.5を150μl注入して室温で2時間放置し、前
記緩衝液で3回洗浄して、抗体結合固相とした。
【0018】(2) 酵素標識抗体の調製 1) 精製PCIの調製 新鮮血漿4リットルに10mM塩酸ベンザミン、1mM
フルオロリン酸イソブチル(DFP)、1mMフッ化フ
ェニルメチルスルホニル(PMSF)及び、50mg/
リットル ダイストリプシンインヒビターを加え、1M
BaClを320ml滴下した。
【0019】以下の操作は、すべて4℃で行った。1時
間撹拌後、5000回転で30分間遠心し、上清を採取
し固相PEG−6000を60g/リットル加えた。1
時間撹拌後沈殿を5000回転で15分間遠心し、沈殿
を破棄した。更に上清に固形PEG−6000を60g
/リットル加え、1時間撹拌後、5000回転で30分
間遠心し、沈殿を採取した。沈殿に0.1M NH
l、10mM塩酸ベンザミン、1mM DFP及び、1
mM PMSF含有0.05Mトリス−塩酸緩衝液,p
H7.5を500ml加えて溶解した。溶解に使用した
緩衝液と同一の緩衝液で平衡化したDEAE−Seph
arose CL−68カラムにかけ、素通り画分を採
取した。採取液に硫酸アンモニウム粉末を加えて50%
飽和とし、1時間撹拌後、8000回転で15分間遠心
し、上清を採取した。更に硫酸アンモニウム粉末を加え
て70%飽和とし、1時間撹拌後、8000回転で30
分間遠心し、沈殿を採取した。沈殿に0.1M NaC
l、1mM塩酸ベンザミン、0.1mM DFP及び、
0.1mM PMSF含有0.05Mトリス−塩酸緩衝
液,pH7.5を加えて溶解し、同一緩衝液に対して透
析した。Dextran Sulfate Agaro
seカラムにかけ、PCI画分に硫酸アンモニウム粉末
を加えて70%飽和とした。10000回転で15分間
遠心し沈殿を採取し、溶解可能な最小液量の0.15M
NaCl含有0.05Mトリス−塩酸緩衝液,pH
7.5に溶解した後、Ultrogel AcA 44
カラムにかけ、PCI画分を0.05Mトリス−塩酸緩
衝液,pH9.0に透析した。透析後、0.05Mトリ
ス−塩酸緩衝液,pH9.0で平衡化したDEAE−S
ephacel(0.5×10cm)にかけ、0.05
Mトリス−塩酸緩衝液,pH9.0でよく洗浄した後、
0〜0.5M NaClの濃度勾配を持つ溶出液で溶出
し精製PCIを得た。その最終回収率は10%であっ
た。
【0020】2) 抗PCIモノクローナル抗体の調製 精製PCI 50μgを同容量のフロイント完全アジュ
バンドと共に2匹のBalb/cマウス(メス、8週
齢)の腹腔内に投与し、更に各50μgを16、52日
目に各々腹腔内、尾静脈へ投与した。3日後に脾臓細胞
を摘出し、ミエローマ細胞株SP−2/0−Ag14と
細胞融合した。細胞融合はポリエチレングリコール40
00を用いてOi and Herzenbergの方
法(Oi,V.T.and Herzenberg,
L.A.,In:Mishell,B.B.and S
hiigi,S.M.,eds.,Selected
Methods in Cellular immun
ology,San Francisco,CA:WH
Freeman & Co.,351,1980)で
行った。次に96ウエルマイクロプレートを用いて限界
希釈法によりPCIと反応するハイブリドーマをクロー
ニングし、抗PCI抗体産生セルライン(15クロー
ン)を確立した。得られた各クローンをプリスタン処理
Balb/cマウスに投与(1×10細胞/マウス)
し、1〜2週間後にそれらの腹水を採取した。次にIg
Gl/κ抗体に関して各腹水を40%飽和硫安分画、プ
ロテインA−セルロファインカラムクロマトグラフィー
操作で精製した。得られた精製抗体(クローン番号16
0−12B5)をサンドイッチEIA系の酵素標識用抗
体として用いた。
【0021】3) HRP標識抗PCIモノクローナル
抗体の調製 得られた抗PCI抗体5mgを0.1M酢酸緩衝液,p
H4.2で透析した後、ブタ胃・ペプシン0.2mgを
加え37℃で24時間インキュベートしpHを7.0に
合わせた後、Ultrogel AcA−44カラムに
かけて0.1Mリン酸緩衝液,pH7.0でゲル濾過を
行い、F(ab′)を0.1Mリン酸緩衝液,pH
6.0に透析した後、0.1Mメルカプトエチルアミン
(0.1Mリン酸緩衝液,pH6.0)、5mM ED
TA50mlを添加し37℃で90分間インキュベート
した。5mM EDTA含有0.1Mリン酸緩衝液,p
H6.0で平衡化したSephadex G 25カラ
ムに通して透析を行いFab−SHを得た。一方酵素と
して西洋ワサビ・ペルオキシダーゼ(HRPと略す)2
mgを、0.1Mリン酸緩衝液,pH7.0に溶解し、
N−スクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)
−シクロヘキサン−1−カルボキシレート0.7mg
(N,N−ジメチルホルムアミドに溶解する)を添加し
30℃で60分間インキュベートした。0.1Mリン酸
緩衝液,pH6.0で平衡化したSephadex G
25カラムに通して透析を行い、マレイミド化HRP
を得た。Fab−SHとマレイミド化HRPとを混合し
て4℃で一夜間インキュベートし、0.1Mリン酸緩衝
液,pH6.5で平衡化したUltrogel AcA
−44カラムでゲル濾過を行いHRP標識抗PCIモノ
クローナル抗体を得た。
【0022】(3) 検体の調製 血清検体を0.2M NaCl、0.1%牛血清アルブ
ミン、0.05%Tween−20、1mM EDTA
及び、0.02%チメロサール含有0.05Mトリス−
塩酸緩衝液,pH7.5で5倍希釈したものを被検検体
とした。
【0023】(4)検体の測定 前記(1)における抗体結合固相に1ウエル当たり前記
(3)の被検検体100μlを加え、室温で2時間イン
キュベートする。0.2M NaCl、0.1%牛血清
アルブミン、0.05%Tween−20、1mN E
DTA及び、0.02%チメロサール含有0.05Mト
リス−塩酸緩衝,pH7.5で3回洗浄後、前記(2)
における酵素標識抗体100μlを加えて室温で60分
間インキュベートする。0.2M NaCl、0.1%
牛血清アルブミン、0.05%Tween−20、1m
M EDTA及び、0.02%チメロサール含有0.0
5Mトリス−塩酸緩衝液,pH7.5で3回洗浄後、
1.33mg/mlテトラメチルベンチジン及び、0.
03%過酸化水素含有クエン酸緩衝液,pH4.65、
100μlを加えて室温に30分間放置し、1N硫酸5
0μlを加え発色反応を停止した後、分光光度計により
波長450nmの吸光度を測定した。
【0024】(5) 標準曲線の作成 (試料および方法)PSA・PCI複合体の標準品は、
下記(a)、(b)いずれかの方法により調製する。 a) 前記(2)−1)で得られた精製PCI 100
μl(400μg/ml)と、下記の方法で得られたP
SA 200μl(200μg/ml)とを0.05M
トリス−塩酸緩衝液,pH7.5、0.1M NaC
l、0.1U/mlへパリン溶液中で、37℃で4時
間、反応させた。この反応液を、上記緩衝液で平衡化し
たUltrogel AcA−44カラムを用いてゲル
濾過した。高分子領域に溶出され、かつ抗PSA抗体、
抗PCI抗体ともに反応する分画をPSA・PCI複合
体とした。PSA・PCI複合体濃度は、吸光係数(P
SA・PCI複合体1%溶液の280nmの波長での吸
光度は10.0)より算出した。PSAは5名の健康な
男性より得られた精液15mlを10mMベンザミジン
含有0.05Mトリス−塩酸緩衝液,pH7.5で5倍
に希釈し、CM−Sepharose CL−6Bカラ
ムにかけ素通り分画をさらにDEAE−Sepharo
se CL−6Bカラムにかけ素通り分画を採取した。
この採取液に硫酸アンモニウム粉末を加えて70%と
し、10000回転で15分遠心し沈殿を最小量の1.
0M NaCl含有0.05Mトリス−塩酸緩衝液で溶
解後、Ultrogel AcA−54カラムにかけ、
精製PSAを得た。
【0025】b) 健常人より得られた精液を前記
(2)−2)で得られた抗PCIモノクローナル抗体を
結合させたアガロースカラムにかけた。結合した分画を
へパリンアガロースカラムにかけ、PSA・PCI複合
体の分画を濃縮後Ultrogel AcA−44で分
画し、精製PSA・PCI複合体を調製した。得られた
PSA・PCI複合体を90ng/mlになるように調
製し、標準抗原溶液とした。上記標準抗原溶液を希釈し
たものを、前記(3)検体の調製、(4)検体の測定、
におけると同じ手順にしたがって測定を行った。
【0026】(結果)結果を図1に示す。横軸は、被検
検体中のPSA・PCI複合体の濃度を表し、縦軸は波
長450nmの吸光度値を示す。本検量線の測定感度
(M+2SD)は、2.8ng/mlで、測定範囲2.
8〜90ng/mlで直線性が認められた。
【0027】(6) 検体の測定 (試料および方法)健常者14例、前立腺肥大症患者7
例、前立腺癌患者(stage A)4例、前立腺癌患
者(stage B)2例、前立腺癌患者(stage
C)5例、前立腺癌患者(stage D)7例、
の血清について前記(3)検体の調製、(4)検体の測
定、におけると同じ手順にしたがって測定を行った。
【0028】(結果)結果を図2に示す。図2中の各P
SA・PCI複合体の平均濃度は、健常者11.4ng
/ml、前立腺肥大症患者 46.8ng/ml、前立
腺癌患者(stage A)49.4ng/ml、前立
腺癌患者(stage B)12.7ng/ml、前立
腺癌患者(stage C)18.0ng/ml、前立
腺癌患者(stage D)8.4ng/mlであっ
た。上記健常者血清値より正常上限値(M+2SD)を
求めると、22.6ng/mlであり、この値より陽性
率を求めると、前立腺肥大症患者(6/7、85.7
%)、前立腺癌患者(stage A)(2/4、5
0.0%)、前立腺癌患者(stage B)(0/
2、0%)、前立腺癌患者(stage C)(1/
5、20%)、前立腺癌患者(stage D)(0
/7、0%)となり、前立腺肥大症患者は陽性率85.
7%と高かった。しかし、前立腺癌はいずれのstag
eでも陽性率は低く、本発明の測定法は、前立腺肥大症
の診断に有用であることが認められた。
【0029】(7) 既存マーカーとの比較 上記(6)で測定したものと同一の検体を市販品PSA
測定キット(ヤングラボラトリー社製)で血清PSA濃
度を測定した。なお、本キットの正常上限値は3.2n
g/mlであった。
【0030】(結果)結果を図3に示す。図3の各PS
Aの平均濃度は、健常者 2.53ng/ml、前立腺
肥大症患者 9.26ng/ml、前立腺癌患者(st
age A)6.37ng/ml、前立腺癌患者(st
age B)7.90ng/ml、前立腺癌患者(st
age C)28.9ng/ml、前立腺癌患者(st
ageD)1117.6ng/mlであり、図3から
も分かるように、前立腺肥大症患者の陽性率は(7/
7、100%)であった。したがって、PSA・PCI
複合体濃度と、前立腺癌マーカーとして用いられている
PSA濃度を比較した場合、PSA濃度が高い値でPS
A・PCI複合体濃度が高い値の場合には前立腺肥大症
が疑われ、PSA濃度が高い値でPSA・PCI複合体
濃度が低い値の場合には前立腺癌が疑われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明測定方法に使用される標準曲線の一例を
示すグラフである。
【図2】本発明測定方法による検体の測定の結果の一例
を示すグラフであり、健常者および各種疾患患者血清P
SA・PCI複合体濃度の測定値を示すものである。
【図3】既存マーカーでの測定結果の一例を示すグラフ
であり、健常者および各種疾患患者血清PSA濃度の測
定値を示すものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト血液を試料として、ヒト血中のヒト
    前立腺特異抗原とヒトプロテインCインヒビターとの複
    合体を測定する方法であって、ヒト前立腺特異抗原に対
    するポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体とヒト
    プロテインCインヒビターに対するモノクローナル抗体
    とを用いて、二抗体サンドイッチ法により免疫測定法に
    よって測定することを特徴とするヒト血中のヒト前立腺
    特異抗原とヒトプロテインCインヒビターとの複合体の
    測定法。
  2. 【請求項2】 ヒト血中のヒト前立腺特異抗原とヒトプ
    ロテインCインヒビターとの複合体を、二抗体サンドイ
    ッチ法を利用する酵素免疫測定法によって測定するにあ
    たり、固相化抗体としてヒト前立腺特異抗原に対するポ
    リクローナル抗体もしくはモノクローナル抗体を使用
    し、酵素標識抗体用としてヒトプロテインCインヒビタ
    ーに対するモノクローナル抗体を使用することを特徴と
    するヒト血中のヒト前立腺特異抗原とヒトプロテインC
    インヒビターとの複合体の測定法。
  3. 【請求項3】 前立腺肥大症を診断するための請求項1
    および2記載の測定法。
  4. 【請求項4】 ヒト血中のヒト前立腺特異抗原とヒトプ
    ロテインCインヒビターとの複合体を、二抗体サンドイ
    ッチ法を利用する酵素免疫測定法によって測定するため
    の測定用キットであって、固相用抗ヒト前立腺特異抗原
    抗体および酵素標識抗ヒトプロテインCインヒビターモ
    ノクローナル抗体を含み、所望により標準抗原、抗原希
    釈用液、反応用液、基質、基質溶解液およびまたは反応
    停止液を含む測定用キット。
  5. 【請求項5】 前立腺肥大症を診断するための請求項4
    記載の測定用キット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007534951A (ja) * 2004-04-29 2007-11-29 ファーマ ディヴェロップメント ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ タンパク質ptx3測定用の単クローン抗体、ハイブリドーマ、改良方法、及び前記測定用キット
JP2009133876A (ja) * 1999-05-05 2009-06-18 David A Benaron 光学コントラスト因子を使用して生体内の内部の現場を検出し、位置測定し、及び目標定めする方法及び装置
US20090221672A1 (en) * 2005-09-19 2009-09-03 The Johns Hopkins University Biomarker for Prostate Cancer

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