JPH084561B2 - 芳香抽出物を製造するためのフィルタ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コーヒまたはティーか
ら成る芳香抽出物を製造するためのフィルタ装置であっ
て、フィルタ容器と、該フィルタ容器に合わせて形成さ
れたフィルタペーパ挿入体とが設けられていて、前記フ
ィルタ容器の有効内室がピラミッド形の形状を有してお
り、ひいてはフィルタペーパ挿入体も使用時にピラミッ
ド形の形状を有しており、フィルタ容器の各角隅が、前
記有効内室側で面取りされている形式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】このような形式のフィルタ装置はドイツ
連邦共和国特許第２２２１８３１号明細書に基づき公知
である。

【０００３】この公知のフィルタ装置の他にも、コーヒ
またはティーから成る芳香抽出物を製造するためには、
別の構造原理が存在している。

【０００４】すなわち、たとえば専ら家庭用に使用され
る円錐形フィルタが知られている。このような円錐形フ
ィルタの内容積はその構造に基づき制限されているの
で、前記円錐形フィルタを業務用に使用することは、相
応して大きな内容積を必要とするのでスペースの理由か
ら排除されている。

【０００５】さらに、家庭用でも業務用でも使用される
ようなバスケットフィルタが知られている。このような
バスケットフィルタに用いられるフィルタペーパ挿入体
は比較的簡単に製造可能ではあるが、しかしあまり形状
安定的でなく、しかも互いに積み重ねられなければなら
ないという欠点をもっている。このことは、このような
フィルタペーパ挿入体の使用を不便にしている。上記構
造原理の別の欠点は、水分配器として広幅面状に設計さ
れた分配装置が使用されなければならないことにある。
なぜならば、さもないとコーヒ粉等の充分な利用が不可
能となるからである。いずれにせよバスケットフィルタ
では、熱湯処理チャージが小さいと、コーヒ粉等の利用
率が不充分となる。なぜならば、たしかに大きな面積が
提供されてはいるが、しかしこの面積に比較的小量のコ
ーヒ粉等しか分配されないからである。

【０００６】このようなバスケットフィルタ装置は、経
験によれば水品質差に極めて敏感に反応し、このことは
特に有効濾過時間に現われる。この場合に必要とされる
シャワーヘッド状の水分配器は石灰化し易く、かつ汚れ
易い。

【０００７】さらにフラットフィルタも知られてはいる
が、しかしこのフラットフィルタに関しても、前記バス
ケットフィルタと同じ欠点が認められる。

【０００８】さらに、冒頭で述べた形式のフィルタ装置
も知られており、この公知のフィルタ装置は次のような
一連の利点を提供する。

【０００９】すなわち、一面においてこのような形式の
フィルタ装置に用いられるフィルタペーパ挿入体の製造
は極めて簡単である（ドイツ連邦共和国特許第２２２１
８３１号明細書参照）。このような形式のフィルタ装置
の内容積は、充分に大きい有効フィルタ面積において同
じく極めて大きく形成されているので、このような形式
のフィルタ装置は業務用にも問題なく使用することがで
きる。このような形式のフィルタ装置では、コーヒ粉等
の利用率が、小さな熱湯処理チャージにおいても、大き
な熱湯処理チャージにおいても極めて良好である。なぜ
ならば、小さな熱湯処理チャージでもコーヒ粉等が自動
的にピラミッド先端の範囲に極めて良好にセンタリング
されるからである。

【００１０】このような形式のフィルタ装置に用いられ
る給水部は、たとえば対応するオーバフロー管の単純な
流出開口として極めて単純に構成されているので、この
ような形式のフィルタ装置の給水部は、石灰化や汚れに
対して極端に安定している。

【００１１】一般にこのような形式のフィルタ装置のフ
ィルタ容器がリブを備えていて、このリブにフィルタペ
ーパ挿入体が支持されるので、各フィルタペーパ挿入体
とフィルタ容器の内周壁との間に負圧が形成されること
に基づき、濾過過程を促進する一定の負圧を形成するこ
とができる。

【００１２】したがって、このような形式のフィルタ装
置はクイックフィルタとも呼ばれる。

【００１３】フィルタペーパ挿入体自体は扁平状熊で包
装することができるので、フィルタペーパ挿入体の形状
安定性や取扱い性に関しても何ら問題は生じない。

【００１４】しかしながら、特に大きな熱湯処理チャー
ジでは、前記公知のフィルタ装置の角隅範囲においてコ
ーヒ粉等の最適な利用率が得られないことが判かった。

【００１５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、冒頭
で述べた形式のフィルタ装置を改良して、このような形
式のフィルタ装置の原理的な利点を維持しながらコーヒ
粉等の利用率の最適化が得られるようなフィルタ装置を
提供することである。

【００１６】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の構成では、フィルタペーパ挿入体の各角隅範
囲が、付加的な折り目を備えており、該折り目により、
フィルタ容器の斜めに面取りされた前記角隅にフィルタ
ペーパ挿入体が嵌合式に接触するようになっており、フ
ィルタ容器の各角隅に設けられた斜め面取り部の面と、
フィルタペーパ挿入体の各角隅範囲に使用時に形成され
る斜め面取り部の面とが、ピラミッドの各正方形横断面
において内接する円と、本来の完全な角隅に外接する円
とのほぼ真ん中の範囲に位置しているようにした。

【００１７】

【発明の効果】本発明のこのように比較的簡単な手段に
より、著しく改善された、実際の利益のためにほぼ最適
なコーヒ粉等利用率が保証され、しかも、必要となるフ
ィルタペーパ挿入体のためには公知の利点を有する基本
的な断裁片を維持することができ、この場合、付加的な
折り目を設けるだけでよい。

【００１８】本発明の改良形では、フィルタペーパ挿入
体が使用位置において切頭ピラミッド形の形状を有して
おり、この切頭ピラミッドの頂面対底面の割合が約１：
１０の範囲にある。

【００１９】このような構成は、フィルタ容器が前記フ
ィルタペーパ挿入体に対応して、切頭ピラミッド形の有
効内室を有していると特に有利になる。なぜならば、こ
れによって、たとえば公知のバスケットフィルタまたは
フラットフィルタの欠点を甘受することなくフィルタ装
置全体の比較的小さな構成高さが得られるからである。

【００２０】しかし、フィルタ容器がピラミッド形の有
効内室を有していて、その先端部に同じくピラミッド形
に形成されたアダプタが挿入されている場合でも、切頭
ピラミッド形の形状を有するフィルタペーパ挿入体を使
用することができる。その場合、このアダプタの底面に
切頭ピラミッド形のフィルタペーパ挿入体が支持されて
いる。

【００２１】すなわち、相応に形成された新規のフィル
タペーパ挿入体と相まって、公知のフィルタ容器を引き
続き使用することができる訳である。このためには、対
応するアダプタが挿入されるだけでよい。

【００２２】

【実施例】以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく
説明する。

【００２３】図１に斜視図で示したコーヒまたはティー
から成る芳香抽出物を製造するためのフィルタ装置のフ
ィルタ容器１０は、有効内室１１を有している。この有
効内室の形状はピラミッド形とみなすことができる。図
１に示したフィルタ容器１０は有効内室１１に挿入され
たフィルタペーパ挿入体１２（図３）と相まって、コー
ヒまたはティーから成る芳香抽出物を製造するための運
転準備のできたフィルタ装置を形成する。

【００２４】図１から明らかなように、フィルタ容器１
０の各角隅１３は有効内室１１の範囲で斜めに面取りさ
れており、この斜めに面取りされた角隅１３は図３およ
び図４に示したフィルタペーパ挿入体１２のための対応
する支持面を形成している。この場合、前記フィルタペ
ーパ挿入体はその角隅範囲１４に付加的な折リ目１５を
備えている。この折り目１５により、フィルタペーパ挿
入体１２をフィルタ容器１０の斜めに面取りされた角隅
１３に充分に嵌合式に支持することが可能となる。角隅
範囲１４がこのように支持されることに基づき、運転の
終了したフィルタ装置におけるコーヒ粉等の利用率は著
しく改善されて、実際の利益のためにほぼ完全にされ
る。

【００２５】この場合に、純然たるピラミッド形のフィ
ルタペーパ挿入体に用いられる断裁片形状を維持するこ
とができる。なぜならば、斜めに面取りされた角隅１３
における支持を得るために、付加的な折り目１５を設け
るだけでよいからである。

【００２６】図２に示したように、フィルタ容器１０の
有効内室１１には、アダプタ１６を挿入することができ
る。このアダプタ自体はピラミッドの形状を有してい
る。このアダプタ１６はピラミッド形の有効内室１１の
先端部に挿入されている。このアダプタ１６の底面１７
は、図５に示したフィルタペーパ挿入体１２ａを支持す
るために役立つ。

【００２７】図５に示したフィルタペーパ挿入体１２ａ
は図示の扁平に位置する形状から、角隅範囲１４に設け
られた多数の折り目１５を介して起立されて切頭ピラミ
ッド形の形成物を形成することができる。この場合に、
この切頭ピラミッド形のフィルタペーパ挿入体１２ａの
頂面１８は図２に示したフィルタ容器１０のアダプタ１
６の底面１７の大きさにほぼ一致している。これによっ
て、この切頭ピラミッド形のフィルタペーパ挿入体１２
ａもフィルタ容器１０において全ての側で十分に支持す
ることができる。

【００２８】使用位置におけるフィルタペーパ挿入体１
２ａの頂面１８と底面との間の割合は約１：１０の範囲
にある。

【００２９】図５に示した切頭ピラミッド形のフィルタ
ペーパ挿入体１２ａと相まって、フィルタ装置全体の構
成高さを全体的に減少させたい場合には、有効内室１１
が既に構造の面で切頭ピラミッド形に形成されているよ
うなフィルタ容器が使用される。すなわち、装置全高で
見て図２に示したアダプタ１６の構成高さが節約される
訳である。

【００３０】フィルタ容器１０の角隅１３に設けられた
斜め面取り部の寸法は、本来の角隅に外接する円と、こ
の外接円と同じ高さ位置でピラミッドの各正方形横断面
に内接する円とに対する斜め面取り部の距離がほぼ等し
くなるように設定されると有利であることが判った。

【００３１】図４には、上で説明した関係が一点鎖線に
よって示されている。内接する円は符号Ｋで示されてお
り、本来の角隅に外接する円はＥで示されている。角隅
１３の斜め面取り部の面は前記両仮想円のほぼ真ん中に
位置していることが判かる。

【００３２】フィルタ容器１０は斜めに面取りされた角
隅１３の範囲でもリブ１９を備えていると有利である。
これにより、フィルタ容器１０自体の斜め面取り部と、
これによって生ぜしめられるフィルタペーパ挿入体の対
応斜め面取り部とを使用しても有効フィルタ面積の損失
は生じなくなる。

【００３３】図３および図４に示したフィルタペーパ挿
入体１２の形状は次のような利点をもたらす。すなわ
ち、汎用のピラミッドフィルタ用の断裁片形状を維持す
ることができるので、新規のフィルタペーパ挿入体１２
を必要に応じて既存のピラミッドフィルタにも使用する
ことができる。このことは、特に種々異なる目的に合わ
せてこのようなフィルタペーパ挿入体を合理的に製造す
るという点で極めて有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるフィルタ装置のフィルタ容器の斜
視図である。

【図２】アダプタを備えた図１に示したフィルタ容器の
鉛直断面図である。

【図３】図１に示したフィルタ容器に用いられるフィル
タペーパ挿入体を扁平状態で示す図である。

【図４】図３に示したフィルタペーパ挿入体を、使用位
置に拡げられた状態で矢印ＩＶの方向で見た図である。

【図５】アダプタを備えた図２に示したフィルタ容器に
用いられるフィルタペーパ挿入体を、扁平状態の断裁片
で示す図である。

【符号の説明】

１０ フィルタ容器 １１ 有効内室 １２，１２ａ フィルタペーパ挿入体 １３ 角隅 １４ 角隅範囲 １５ 折り目 １６ アダプタ １７ 底面 １８ 頂面 １９ リブ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コーヒまたはティーから成る芳香抽出物
   を製造するためのフィルタ装置であって、フィルタ容器
   と、該フィルタ容器に合わせて形成されたフィルタペー
   パ挿入体とが設けられていて、前記フィルタ容器の有効
   内室がピラミッド形の形状を有しており、ひいてはフィ
   ルタペーパ挿入体も使用時にピラミッド形の形状を有し
   ており、フィルタ容器の各角隅が、前記有効内室側で面
   取りされている形式のものにおいて、フィルタペーパ挿
   入体（１２，１２ａ）の各角隅範囲（１４）が、付加的
   な折り目（１５）を備えており、該折り目（１５）によ
   り、フィルタ容器（１０）の斜めに面取りされた前記角
   隅（１３）にフィルタペーパ挿入体（１２，１２ａ）が
   嵌合式に接触するようになっており、フィルタ容器（１
   ０）の各角隅（１３）に設けられた斜め面取り部の面
   と、フィルタペーパ挿入体（１２，１２ａ）の各角隅範
   囲に使用時に形成される斜め面取り部の面とが、ピラミ
   ッドの各正方形横断面において内接する円と、本来の完
   全な角隅に外接する円とのほぼ真ん中の範囲に位置して
   いることを特徴とする、芳香抽出物を製造するためのフ
   ィルタ装置。
2. 【請求項２】 フィルタペーパ挿入体（１２ａ）が、使
   用位置で切頭ピラミッド形の形状を有しており、該切頭
   ピラミッドの比較的小さな頂面（１８）対比較的大きな
   底面の割合が約１：１０の範囲にある、請求項１記載の
   フィルタ装置。
3. 【請求項３】 フィルタ容器（１０）が、その先端部に
   挿入されたアダプタ（１６）を備えており、該アダプタ
   （１６）自体もピラミッド形に形成されていて、該アダ
   プタ（１６）の底面（１７）に、切頭ピラミッド形のフ
   ィルタペーパ挿入体（１２ａ）が支持されている、請求
   項２記載のフィルタ装置。
4. 【請求項４】 フィルタ容器（１０）が、切頭ピラミッ
   ド形のフィルタペーパ挿入体（１２ａ）に対応して、切
   頭ピラミッド形の有効内室（１１）を有している、請求
   項２記載のフィルタ装置。
5. 【請求項５】 フィルタ容器（１０）が、斜めに面取り
   された角隅の範囲に もリブ（１９）を備えており、該リ
   ブ（１９）が、この場所に接触する前記フィルタペーパ
   挿入体（１２，１２ａ）の範囲を支持している、請求項
   １から４までのいずれか１項記載のフィルタ装置。
6. 【請求項６】 フィルタペーパ挿入体（１２）が、使用
   位置ではフィルタ容器（１０）の斜めに面取りされた角
   隅（１３）に接触する範囲を除いて純然たるピラミッド
   形の形状を有しており、非使用位置では完全に扁平に折
   畳み可能である、請求項１記載のフィルタ装置。