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JPH0834215A - 車輪情報推定装置 - Google Patents

車輪情報推定装置

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Publication number
JPH0834215A
JPH0834215A JP17125894A JP17125894A JPH0834215A JP H0834215 A JPH0834215 A JP H0834215A JP 17125894 A JP17125894 A JP 17125894A JP 17125894 A JP17125894 A JP 17125894A JP H0834215 A JPH0834215 A JP H0834215A
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JP
Japan
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value
correction
wheel
disturbance
estimated value
Prior art date
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Application number
JP17125894A
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English (en)
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JP3155154B2 (ja
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Hideki Ohashi
秀樹 大橋
Hiroyuki Kawai
弘之 河井
Hiroyoshi Kojima
弘義 小島
Koji Umeno
孝治 梅野
Katsuhiro Asano
勝宏 浅野
Toshiharu Naito
俊治 内藤
Nobuyoshi Onoki
伸好 小野木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
NipponDenso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc, NipponDenso Co Ltd filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP17125894A priority Critical patent/JP3155154B2/ja
Publication of JPH0834215A publication Critical patent/JPH0834215A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3155154B2 publication Critical patent/JP3155154B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】車輪の回転速度の検出値に基づいて車輪のタイ
ヤ空気圧を推定する装置において、検出値の補正と推定
値の補正とを選択的に行うことにより、検出値に混入し
た周期的外乱による推定精度の低下を抑制する。 【構成】リム側部回転速度演算・補正部45において、
回転速度の検出値に対し、周期的外乱の周期性を利用し
た補正を行うことにより、検出値に混入した周期的外乱
を除去する一方、その補正が完了するまでの間、推定値
補正部60において、外乱オブザーバ52等による推定
値に対し、車体速度Vおよび路面凹凸度Rに基づく補正
を行う。これにより、周期性を利用した補正が完了しな
い間にも、推定値の精度が確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輪の回転速度に基づ
いて車輪に関する情報を推定する車輪情報推定装置に関
するものであり、特に、車輪速度の検出値に混入した周
期的外乱による推定精度の低下を抑制する技術に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】上記車輪情報推定装置は一般に、(a) 車
輪の回転速度を検出する検出装置と、(b) その検出装置
による検出値に基づき、車輪に関する情報を推定する推
定手段とを含むように構成される。
【0003】この車輪情報推定装置の一形式が特開平5
−133831号公報に記載されている。これは、検出
装置により検出された回転速度の複数の周波数成分のう
ち設定周波数範囲内において強度が実質的に最大となる
ものの周波数に基づいてタイヤ空気圧を車輪に関する情
報として推定するものであり、その周波数が低いほどタ
イヤ空気圧が低いと推定するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本出願人はこの車輪情
報推定装置について研究を行い、その結果、次のような
事実を得た。検出装置による検出値には車輪のタイヤ不
均一性等に基づく周期的外乱が混入しており、この周期
的外乱をそのまま放置したのではその周期的外乱による
影響が推定手段による推定値に現れてしまい、推定精度
が低下するおそれがあるという事実を得たのである。そ
こで、本出願人は、検出値に混入した周期的外乱を除去
するため、前記検出装置および推定手段を含む車輪情報
推定装置に、検出値を補正対象として、検出値に混入し
た周期的外乱が除去されるように検出値を補正する検出
値補正手段を付加することを提案した。
【0005】しかし、この検出値補正手段は具体的に
は、周期的外乱の周期性を利用し、車輪が複数回回転す
る間に取得された検出値を用いることによって周期的外
乱を除去するものである。そのため、この検出値補正手
段による補正誤差が許容値以下となるまでに時間がかか
り、その間、検出値に混入した周期的外乱によって推定
精度が低下することを避け得ないという問題がある。
【0006】このような事情に鑑み、請求項1の発明
は、検出値に混入した周期的外乱による推定誤差が車両
の走行状況に強く関連するという事実に着目し、検出値
ではなく推定値を補正する推定値補正手段を前記検出値
補正手段と併用可能な別の形式の補正手段として提供す
ることにより、検出値補正手段の作用完了前でも周期的
外乱による推定精度の低下を抑制可能とすることを課題
としてなされたものである。
【0007】請求項2の発明は、その請求項1の発明に
おいて、車両の走行状況のうち特に車体速度と路面凹凸
度という要素が周期的外乱による推定誤差に強く関連す
るという事実に着目し、車両の走行状況に基づく推定値
補正を効果的に実行可能とすることを課題としてなされ
たものである。
【0008】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明における推定値補正手段を前記検出値補正手段と併用
する車輪情報推定装置において、両補正手段の作用が重
複して推定精度が悪化する事態を回避することを課題と
してなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】それぞれの課題を解決す
るために、請求項1の発明は、図19に概念的に表すよ
うに、前記検出装置1および推定手段2を含む車輪情報
推定装置において、車両の走行状況に基づき、推定手段
2による推定値を検出装置1による検出値に混入した周
期的外乱による影響が現れないように補正する推定値補
正手段3を設けたことを特徴とする。
【0010】なお、「推定値補正手段3」は後述の請求
項3の発明におけるように、前記検出値補正手段と併用
するのが望ましいが、併用しないで請求項1の発明を実
施することは可能である。
【0011】また、「推定手段2」は例えば、前記公報
に記載されているように、検出装置1により検出された
回転速度の複数の周波数成分のうち設定周波数範囲内に
おいて強度が実質的に最大となるものの周波数に基づい
て車輪のタイヤ空気圧を車輪情報として推定する形式と
することができる。「推定手段2」はまた、(a) 少なく
とも、車輪情報の基礎値である車輪情報基礎値と検出装
置により検出された回転速度とから、車輪に対する外乱
を推定する外乱オブザーバと、(b) 推定された外乱に基
づき、車輪情報の実際値である車輪情報実際値の、車輪
情報基礎値からの変化量を推定する車輪情報変化量推定
部とを含む形式とすることもできる。この形式について
は実施例において詳述する。
【0012】なお、ここにおける「車輪情報」には例え
ば、タイヤの空気圧,半径,慣性モーメント,ばね定
数,ダンパ係数,接地性,コーナリングパワー等を選ぶ
ことができる。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、推定値補正手段3を、推定手段2による推定値の補
正量を走行状況としての車体速度が大きい場合において
小さい場合におけるより大きく決定することと、走行状
況としての路面凹凸度が低い場合において高い場合にお
けるより大きく決定することとの少なくとも一方を行う
ものとしたことを特徴とする。
【0014】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明において、図20に概念的に表すように、さらに、検
出装置1による検出値をそれに混入した周期的外乱が除
去されるように補正する検出値補正手段4と、その検出
値補正手段4により補正しきれないで残る補正誤差が許
容値より大きい間は推定値補正手段3による補正を許可
し、許容値以下になった後には禁止する推定値補正許可
・禁止手段5とを設けたことを特徴とする。
【0015】なお、ここにおける「検出値補正手段4」
は前記のように、周期的外乱の周期性を利用し、車輪が
複数回回転する間に取得された検出値を用いることによ
って周期的外乱を除去する態様とすることが可能であ
り、例えば、次のような態様とすることができる。すな
わち、検出装置からの周期的信号に基づいて順に決定さ
れた過去の複数の回転速度のうち今回決定された回転速
度と予め定められた関係を有するものを今回決定された
回転速度に加算または減算することを含む演算により、
回転速度に混入した周期的外乱を除去する態様とするこ
とができる。
【0016】さらに具体的に説明すれば、 予め定められたサンプリング周期が経過する毎に、そ
の間に検出装置からの周期的信号に基づいて演算された
少なくとも1個の元回転速度の平均値をサンプル回転速
度として演算するサンプル回転速度演算部と、 今回演算されたサンプル回転速度の変動成分をサンプ
ル変動回転速度として演算するサンプル変動回転速度演
算部と、 除去すべき周期的外乱の周期的変化を表す誤差値(変
動回転速度に加算することによってその変動回転速度に
混入した周期的外乱を除去するもの)を少なくとも車輪
1回転分、車輪の回転位置に関連付けて記憶する1回転
分メモリと、 サンプリング周期が経過する毎に1回転分メモリか
ら、今回のサンプル変動回転速度よりちょうど車輪1回
転前に取得された少なくとも1個の誤差値を旧誤差値群
として読み出し、その旧誤差値群の平均値である平均旧
誤差値と今回のサンプル変動回転速度との和を演算して
出力値とする出力値演算部と、 その出力値とサンプル変動回転速度の固定成分との和
を最終的な回転速度として演算する最終的回転速度演算
部と、 今回のサンプリング変動回転速度よりちょうど車輪1
回転前に取得された平均旧誤差値から今回の前記出力値
を減算することにより、今回の新誤差値を演算する誤差
値演算部と、 1回転分メモリにおいて、今回の旧誤差値群の各値を
すべて、演算された新誤差値に更新する1回転分メモリ
更新部とを含む態様とすることができるのである。
【0017】
【作用】請求項1の発明に係る車輪情報推定装置におい
ては、検出値に混入した周期的外乱による推定誤差が車
両の走行状況に強く関連するという事実に着目し、推定
値補正手段3が、推定手段2による推定値を車両の走行
状況に基づいて補正し、、検出装置1による検出値に混
入した周期的外乱の影響を推定値から除去する。
【0018】本出願人の研究によれば、検出値に混入し
た周期的外乱が検出値から十分に除去されない状態で
は、車体速度が大きいほど推定誤差が大きくなり、ま
た、路面凹凸度が低いほど推定誤差が大きくなるという
傾向があることが判明した。車体速度が大きいほど、ま
た、路面凹凸度が低いほど、推定値に占める周期的外乱
による誤差値の割合が増加してしまうのである。そこ
で、請求項2の発明に係る車輪情報推定装置において
は、推定値補正手段3が、推定手段2による推定値の補
正量を走行状況としての車体速度が大きい場合において
小さい場合におけるより大きく決定することと、走行状
況としての路面凹凸度が低い場合において高い場合にお
けるより大きく決定することとの少なくとも一方を行
う。
【0019】それら請求項1または2の発明における
「推定値補正手段3」は一般に、車両の走行状況に基づ
いて推定値をオープンループ方式で補正する態様とされ
るため、補正速度(補正誤差を許容値まで低下させるの
にかかる時間に相当する)を向上させることが容易であ
るという利点がある反面、補正精度を十分に高めること
が困難であるという欠点がある。これに対し、前記検出
値補正手段4を例えば、周期的外乱の周期性を利用し、
車輪が複数回回転する間に取得された検出値を用いるこ
とによって周期的外乱を除去する態様とする場合には、
補正精度を十分に高めることが容易であるという利点が
ある反面、補正速度を向上させることが困難であるとい
う欠点がある。要するに、推定値補正手段3と検出値補
正手段4とは一方の欠点を他方の利点とする関係にある
のであり、一方の欠点が他方の利点で補われるように両
者を併用すれば、補正速度の低下を抑制しつつ補正精度
を十分に高めることが可能となる。
【0020】しかしながら、両補正手段3,4を併用す
る場合には次のような問題が生ずる。すなわち、検出値
補正手段4の作用が完了した後にも推定値補正手段3が
作用することがあると、検出値補正手段4によって周期
的外乱が十分に除去された検出値に基づいて推定手段2
により推定された推定値であってもはや周期的外乱の影
響がほとんど現れていないものに対して推定値補正手段
3が作用してしまい、検出値補正手段4の作用と推定値
補正手段3の作用とが相互に干渉し、かえって推定精度
が低下してしまうという問題があるのである。
【0021】この問題を解決するために請求項3の発明
は推定値補正手段3と検出値補正手段4とを併用する形
式の車輪情報推定装置に対してなされたのであり、本発
明に係る車輪情報推定装置においては、推定値補正許可
・禁止手段5が、検出値補正手段4により補正しきれな
いで残る補正誤差が許容値より大きい間は推定値補正手
段3による補正を許可し、許容値以下になった後には禁
止する。
【0022】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1の発明によれば、検出値ではなく推定値を補正するこ
とによって周期的外乱の除去が可能となるため、検出値
補正手段の作用完了前でも、また、検出値補正手段なし
でも、周期的外乱を除去可能になるという効果が得られ
る。
【0023】また、請求項2の発明によれば、車両の走
行状況のうち周期的外乱による推定誤差に強く関連する
要素である車体速度と路面凹凸度との少なくとも一方に
基づいて推定値が補正されるため、車両の走行状況に基
づく推定値の補正を効果的に実行可能となるという効果
が得られる。
【0024】また、請求項3の発明によれば、検出値補
正手段と推定値補正手段とを併用するから、一方の欠点
が他方の利点で補われ、補正速度の低下を抑制しつつ補
正精度を十分に高めることが可能となるとともに、両補
正手段の相互干渉が回避され、補正の適正化が確保され
るという効果が得られる。
【0025】
【実施例】以下、各請求項の発明を図示の実施例に基づ
いて具体的に説明する。図2において10はロータ、1
2は電磁ピックアップである。ロータ10は図3に示す
車輪14と共に回転するものであり、外周に多数の歯1
6を備えている。電磁ピックアップ12はそれらの歯1
6の通過に応じて周期的に変化する電圧を発生する。こ
の電圧は波形整形器18によって矩形波に整形され、コ
ンピュータ20のI/Oポート22に供給される。車輪
14は4個あり、それらに設けられている各電磁ピック
アップ12が全て波形整形器18を経てコンピュータ2
0に接続されるが、図2には代表的に1組のみが図示さ
れている。
【0026】車輪14は図3に示すように、ホイール2
4の外周にタイヤ26が取り付けられたタイヤ付ホイー
ルであるが、図4に示すように、相対回転可能なリム側
部28とベルト側部30とがねじりばね32によって連
結されたものと考えることができる。上記ロータ10は
ホイール24と一体的に回転するように取り付けられる
ため、電磁ピックアップ12は厳密にはリム側部28の
角速度を検出することになる。
【0027】コンピュータ20は図2に示すように処理
装置としてのCPU40,第一記憶装置としてのROM
42および第二記憶装置としてのRAM44を備えてお
り、ROM42に図5のフローチャートで表される回転
速度演算・補正ルーチンを始めとする種々の制御プログ
ラムが格納されることによって、図1に示すリム側部回
転速度演算・補正部45を構成している。このコンピュ
ータ20は別のコンピュータ47と接続されている。こ
のコンピュータ47は処理装置としてのCPU48,第
一記憶装置としてのROM49,第二記憶装置としての
RAM50および入出力装置としてのI/Oポート51
を備えており、ROM49に図18のフローチャートで
表される推定値補正ルーチンを始めとする種々の制御プ
ログラムが格納されることによって、図1に示す外乱オ
ブザーバ52,相関演算部54,正規化部56,ばね定
数変化率推定部58,推定値補正部60および異常判定
部62を構成している。
【0028】コンピュータ47のI/Oポート51には
異常判定部62の判定結果を運転者に知らせる表示装置
66が接続されている。表示装置66は本実施例におい
ては液晶ディスプレイであるが、点灯あるいは点滅する
ランプ等別の表示装置を用いることも可能であり、音声
で運転者に知らせる音声報知装置などを含めて種々の形
態の報知装置を採用することが可能である。
【0029】コンピュータ47のI/Oポート51には
さらに、ホイール24(リム側部28)に加えられる駆
動・制動トルクを、ホイール24の軸に取り付けられた
歪みゲージ等により検出する駆動・制動トルク検出装置
68が接続されている。
【0030】I/Oポート51にはさらにまた、車体速
度センサ70と路面凹凸センサ72とがそれぞれ接続さ
れている。車体速度センサ70は例えば、波のドップラ
効果を利用して対地車速を検出するドップラ方式とした
り、4個の回転速度vに基づいて車体速度を推定する回
転速度利用方式とすることができる。路面凹凸センサ7
2は例えば、路面凹凸度Rの影響を受けた信号を読み込
んで、それのP−P値を路面凹凸度Rとして検出した
り、回転速度信号の周波数特性を路面凹凸度Rとして検
出するものとすることができる。路面凹凸度Rの影響を
受けた信号には例えば、回転速度信号,車両ばね上部の
上下加速度信号,車両ばね下部の上下加速度信号等、路
面凹凸度Rを間接に表す信号を選んだり、路面から反射
した信号等、路面凹凸度Rを直接に表す信号を選ぶこと
ができる。
【0031】リム側部回転速度演算・補正部45は上記
4個の車輪14に対応する各電磁ピックアップ12およ
び波形整形器18から供給される矩形波信号(以下、パ
ルス信号ともいう)に基づいて各車輪14の回転速度を
算出するとともに、後述の信号遅延・重ね合わせ処理に
よって各車輪14の回転速度を補正する。各車輪14お
よびロータ10には製造,組立誤差が存在し、これら誤
差等に起因して周期的な回転速度誤差が発生するため、
この各車輪14に固有の固有回転速度誤差を除いた回転
速度を求めるのである。図6に、車体速度Vが120
〔km/h〕、タイヤ半径が約330〔mm〕、タイヤ空気圧
が0.2〔MPa〕である走行状況下において取得され
た回転速度信号の周波数特性(周波数とパワースペクト
ルとの関係)の一例をグラフで表す。グラフから明らか
なように、基本周波数を約16〔Hz〕とする複数の高調
波が発生しており、これが車輪14の固有回転速度誤差
すなわち周期的外乱であり、これを除去するために回転
速度補正が行われるのである。すなわち、本実施例にお
いては、車輪14の固有回転速度誤差が除去すべき周期
的外乱なのである。
【0032】なお、車輪14の回転速度は周速度で演算
されるが、そのためにはタイヤ26の実質的な半径(タ
イヤが荷重で変形した状態における路面から車輪14の
中心までの距離)が必要であり、これはタイヤ26の空
気圧によって変わる。よって、当初は空気圧が正規であ
る場合の正規の半径が使用されるが、後に説明する処理
によってタイヤ26の空気圧変化が判明した場合は、予
めROM42に格納されているタイヤ径テーブルからそ
の空気圧変化に対応したタイヤ半径が読み出されて使用
される。なお、回転速度が角速度で演算される場合には
タイヤ径テーブルは不要である。
【0033】リム側部回転速度演算・補正部45の機能
は図5の回転速度演算・補正ルーチンの実行により果た
されるが、まず、その原理を説明する。回転速度に侵入
する外乱は、車輪14と共に1回転する周期性を有す
る。したがって、この周期性を利用し、回転速度の時間
的変化のうち先行する部分をちょうど1周期分だけ遅延
させて後続する部分に重ね合わせることにより、周期的
外乱を除去することにする。信号遅延・重ね合わせ処理
の伝達関数は図7のブロック線図で表すことができ、こ
の場合の状態方程式は、z変数を用いれば、
【0034】
【数1】
【0035】となる。ただし、 V :入力としての車体速度 v :入力としての回転速度 y :出力としての回転速度 L :回転速度vのサンプリング周期Tを単位として記
述される遅延量
【0036】なお、図において遅延演算部は、旧誤差値
2 を遅延量L(L回分のサンプリング周期T)だけ遅
延させて入力としての誤差値e(=V−y)に加算して
新誤差値e1 を得ることにより、入力vにおいてそれの
変動成分(すなわち除去すべき周期的外乱)を相対的に
強調して変動成分を抽出する機能を果たす。
【0037】入力vから出力yまでの伝達関数H
1 (z)は、
【0038】
【数2】
【0039】となる。ここで、伝達関数H1 (z)の周
波数応答H1 (ω)を求めるために、 z-1=e-jwn とおく。ただし、 j :虚数単位 ωn :正規化角周波数 なお、正規化角周波数ωn は、1秒間を単位として記述
される実角周波数ωAではなく、サンプリング周期Tを
単位として記述される角周波数である。そのため、正規
化角周波数ωn は、 ωn =ωA T で表される。
【0040】その結果、周波数応答H1 (ω)が、
【0041】
【数3】
【0042】として求められる。この周波数応答H
1 (ω)の絶対値の二乗は、
【0043】
【数4】
【0044】となる。この式から明らかなように、cos
ωn L=1すなわちωn L=2nπ(n:整数)のと
き、周波数応答H1 (ω)が0、すなわち入力vが出力
yに全く現れない状態となる。また、周波数応答H
1 (ω)が0となる複数の角周波数ω n のうち互いに隣
接する2個のものの中間値(ωn L≠2nπである各区
間における代表点)において、入力vがそのまま出力y
に現れるようにするためには、例えば、ωn L=(2n
+1)πのときに周波数応答H1 (ω)の絶対値が1と
ならなければならないが、入力vをそのまま使用したの
では、
【0045】
【数5】
【0046】となってしまう。そこで、入力vをそのま
ま使用するのではなく、それに|1−g/2|なる調整
ゲインを掛け算した値v1 として使用することとする。
【0047】以上、入力vから出力yまでの伝達関数H
1 (z)について説明したが、出力yには入力vの影響
のみならず入力Vの影響も加えられる。そこで、出力y
における入力Vの影響を評価するため、入力Vから出力
yまでの伝達関数H2 (z)をも求めることとする。こ
の伝達関数H2 (z)は伝達関数H1 (z)に同様にし
て求められ、
【0048】
【数6】
【0049】となる。これの周波数応答H2 (ω)は、
【0050】
【数7】
【0051】となり、この周波数応答H2 (ω)の絶対
値の二乗は、
【0052】
【数8】
【0053】となる。この式から明らかなように、ωn
L=2nπのとき、周波数応答H2 (ω)の絶対値は1
となり、その結果、 V=y となる。すなわち、出力yは、 y=H1 (z)v1 +H2 (z)V なる式で近似的に表すことができ、ωn L≠2nπのと
きには、 y=v1 となり、ωn L=2nπのときには、 y=V となるのである。ここで、入力v1 を、時間的変動の中
心である固定成分(オフセット値ともいう)v0 と変動
成分Δvとに分離して考えると、オフセットv0は本来
入力Vに一致すべきであるから、ωn L≠2nπのとき
には、 y=v0 +Δv1 となり、ωn L=2nπのときには、 y=v0 となる。
【0054】したがって、固定成分v0 を0とみなし、
入力v1 として変動成分Δv、入力Vとして0をそれぞ
れ使用すれば、出力yがΔvとなり、これが求めるべき
周期的外乱の時間的変化を表す物理量となる。また、こ
のΔvに固定成分Δv0 を加算すれば、周期的外乱が除
去された回転速度vが取得されることになる。
【0055】前記のように、遅延量Lについては、 ωn L=2nπ なる関係が成立するため、遅延量Lは、 L=(2nπ)/ωn で表される。ここで、n=1とすれば、 L=(2π)/ωn となり、また、前記のように、 ωn =ωA T なる関係が成立する。また、除去すべき周期的外乱の基
本波の周波数である基本周波数f1 は、 1/f1 =(2π)/ωA で表される。ただし、f1 =V/(2πR)である。し
たがって、遅延量Lは、 L=(1/f1 )/T で表される。
【0056】この式は物理的には、『遅延量Lが、除去
すべき周期的外乱が1周期進行する間に、すなわち、車
輪14が1回転する間に回転速度vのサンプリングが行
われる回数に等しい』ことを表している。
【0057】タイヤ半径Rが約330〔mm〕、車体速度
Vが120〔km/h〕である場合には、基本周波数f1
約16〔Hz〕となり、また、サンプリング周期Tを5
〔ms〕とすれば、この場合の遅延量Lは約12〔サンプ
リング周期〕となる。図8に、L=12,g=0.4と
した場合の伝達関数H1 (z)の周波数特性をグラフで
表す。このグラフは縦軸に周波数応答H1 (ω)がdB
単位でとられているため、周波数応答H1 (ω)が1で
あることがグラフでは0で表され、周波数応答H
1 (ω)が0であることがグラフでは−∞で表されるこ
とになる。したがって、グラフから明らかなように、1
6〔Hz〕を基本周波数f1 とする複数の高調波が発生す
る周波数の各位置において周波数応答H1 (ω)が十分
に0に近くなり、それ以外の各位置において周波数応答
1 (ω)が十分に1に近くなっている。
【0058】次に、この原理に従って回転速度演算・補
正技術をコンピュータを用いて実施するための具体的技
術について説明する。
【0059】まず、概略的に説明する。電磁ピックアッ
プ12から各パルス(一連の周期的信号である矩形波を
構成する各単位波)が供給される毎に、各パルスの時間
間隔に基づいて元回転速度vが順に演算される。各パル
スの時間間隔には例えば、各パルスの立ち上がり間隔時
間,立ち下がり間隔時間,パルス中点間隔時間等を選ぶ
ことができる。
【0060】また、1サンプリング周期Tが経過する毎
に、その間に入力・演算された少なくとも1個の元回転
速度vの平均値がサンプル回転速度vとして演算され
る。さらに、過去に演算されたサンプル回転速度vと現
サンプル回転速度vとからその平均値が演算される。こ
の平均値は前記オフセット値として使用され、現サンプ
ル回転速度vからそのオフセット値が減算されることに
より、サンプル変動回転速度Δv(図7における「v」
に相当する)が求められる。
【0061】また、RAM44には1回転分メモリが設
けられている。この1回転分メモリは誤差値E(図7に
おける「e(=V−y)」に相当する)をロータ10の
各歯に関連付けて記憶するものである。誤差値Eは、除
去すべき周期的外乱、すなわち、本実施例においては車
輪の不均一性に起因する外乱がロータ10の回転と共に
変化する状態を表す値であり、この取得方法については
後に詳述する。1回転分メモリはロータ10が1回転す
る間に電磁ピックアップ12から出力されるパルスの
数、すなわちロータ10の歯の数と同数の記憶アドレス
が設けられており、各記憶アドレスに各誤差値Eが順に
記憶されることとなる。
【0062】図9には、ロータ10の歯数が8である場
合を例にとり、1回転分メモリの構成が概念的に示され
ている。図において、「1−1」は第1回転時において
第1番目に演算された誤差値Eを示し、「1−2」は第
1回転時において第2番目に演算された誤差値Eを示
し、「2−1」は第2回転時において第1番目に演算さ
れた誤差値Eを示すというように、ハイフンで連結され
た2個の数字のうち左側の数字は車輪14が第何回転目
にあるかを示し、右側の数字は各パルスが各回転時にお
いて第何番目にあるかを示している。
【0063】サンプリング周期Tが経過する毎に、この
1回転分メモリから誤差値Eが読み込まれる。1回転分
メモリに既に記憶されている少なくとも1個の誤差値E
のうち、今回のサンプル変動回転速度Δvに係る少なく
とも1個の変動回転速度Δvの各々とロータ10のパル
ス発生回転位置が共通する誤差値群Eが読み込まれる。
すなわち、今回のサンプル変動回転速度Δvよりちょう
どロータ1回転前に取得された誤差値群Eが旧誤差値群
Eとして読み出されるのである。読み出された旧誤差値
群Eについては平均値が求められ、平均旧誤差値EMEAN
(図7における遅延演算部の「e2 」に相当する)とさ
れる。
【0064】例えば、図9の例を用いて説明すれば、各
回のサンプリングにおいて変動回転速度Δvが2個ずつ
得られると仮定すれば、図10に示すように、例えば、
図9における「1−1」と「1−2」とが「1−」、
すなわち、第1回転時における第1番目の旧誤差値群E
を構成し、「1−1」と「1−2」でそれぞれ示される
2個の旧誤差値Eの平均値が「1−」で示される平均
旧誤差値EMEANとされる。また、各回のサンプリングに
おいて変動回転速度Δvが4個ずつ得られると仮定すれ
ば、図11に示すように、例えば、図9における「1−
1」〜「1−4」が「1−」、すなわち、第1回転時
における第1番目の旧誤差値群Eを構成し、「1−1」
〜「1−4」でそれぞれ示される4個の旧誤差値Eの平
均値が「1−」で示される平均旧誤差値EMEANとされ
る。
【0065】このようにして求められた今回の平均旧誤
差値EMEANと前記ゲインgとの積が求められ、さらに、
今回のサンプル変動回転速度Δvと前記調整ゲイン|1
−g/2|との積(図7における「v1 」に相当する)
も求められる。さらに、それら2個の積の和が演算さ
れ、図7における出力yとされる。すなわち、出力y
が、 旧EMEAN・g+サンプルΔv・|1−g/2| として求められるのである。この出力yに前記オフセッ
ト値が加算されることにより、最終的な回転速度vが求
められることになる。
【0066】今回の出力yと今回の平均旧誤差値EMEAN
とから新誤差値E(図7における遅延演算部の「e1
に相当する)が求められる。すなわち、新誤差値Eが、 e+e2 =(V−y)+e2 =(0−y)+e2 =−y
+旧EMEAN として求められるのである。
【0067】新誤差値Eが求められたならば、1回転分
メモリにおいて誤差値Eの更新が行われる。すなわち、
今回の旧誤差値群Eを構成する各旧誤差値Eの各々がい
ずれも同じ新誤差値Eに書き換えられるのである。
【0068】図9の例を用いて説明すれば、例えば、
「2−」に対応する新誤差値Eが演算された場合に
は、「1−」で示される旧誤差値群Eを構成する「1
−1」と「1−2」でそれぞれ示される旧誤差値Eがい
ずれも同じ新誤差値Eに書き換えられることになる。
【0069】ただし、上記の処理が何回も繰り返される
ことによって1回転分メモリに記憶されている誤差値E
が除去すべき周期的外乱を正確に反映するに至れば、出
力yが0となり、ひいては新誤差値Eがすわなち旧誤差
値Eとなるから、この段階においては誤差値Eの書換え
が行われても誤差値Eは実質的に固定されることにな
る。
【0070】ここで、1回転分メモリと遅延量Lとの関
係について説明する。本実施例においては、各パルスが
発生する毎に元回転速度vの演算が行われるが、サンプ
ル変動回転速度Δvの演算,平均誤差値EMEANの演算,
出力yの演算および最終的回転速度vの演算は各パルス
毎にではなく、サンプリング周期Tが経過する毎に行わ
れる。したがって、1回転分メモリは実質的には、車輪
14が1回転する間にサンプリングされるパルスの数と
同数の誤差値E(図10の例では4個、図11の例では
2個)が記憶されるメモリであるということができる。
【0071】また、本実施例においては、先に演算され
た元回転速度vをロータ1回転分遅延させて後に演算さ
れる元回転速度vに重ね合わせる際のその遅延量が、1
回転分メモリに記憶されている誤差値群Eの数(すなわ
ち、サンプル変動回転速度Δvの数)と等しくされる。
【0072】この遅延量Lは前記の理論の説明において
は、サンプリング周期Tを単位として、 L=2πR/V/T で表され、また、サンプリング周期Tは不変である。し
たがって、周期的外乱をその周期性を利用して除去する
ためには、遅延量Lを車体速度Vすなわち回転速度vに
応じて変化させることが必要となる。これに対し、本実
施例においては、前記のように、1回転分メモリの数が
ロータ10の歯数と同数とされ、常に最新かつロータ1
回転分の誤差値Eが記憶されるようにされる。しかも、
サンプリング周期Tが経過する毎に、その間に演算され
た少なくとも1個の誤差値Eについて平均値が求められ
て唯一の代表値として用いられることにより、1回転分
メモリの記憶アドレスが実質的にはサンプリング周期T
毎に得られた元回転速度vの数に応じて分割され、結
局、その分割数が遅延量Lと等しくなっている。したが
って、本実施例においては、回転速度v毎に遅延量Lの
異なる遅延演算部を設けることなく、1個の遅延演算部
で遅延量Lが回転速度vに応じて自動的に変化させられ
ることになる。
【0073】以上のようにして周期的外乱が除去された
出力yが演算されたならば、これに前記オフセット値が
加算されることにより、周期的外乱が除去された最終的
な回転速度vが演算される。
【0074】なお、図12には変動回転速度Δvの時間
的変化の二例がそれぞれグラフで表されている。上側の
グラフは回転速度vが遅いときの時間的変化の一例を示
し、下側のグラフは回転速度vが速いときの時間的変化
の一例を示している。それらグラフを対比すれば、回転
速度vが速いほど1回のサンプリング中に1回転分メモ
リに記憶される変動回転速度Δvの数(図において〜
で表す)が増加することが分かり、さらに、回転速度
vが速いほど1回の遅延量Lに対応する変動回転速度群
Δvの数が減少することも分かる。
【0075】以上、回転速度演算・補正技術の内容を概
略的に説明したが、次に、図5の回転速度演算・補正ル
ーチンに基づいて具体的に説明する。
【0076】まず、ステップS51(以下、単にS51
で表す。他のステップについても同じ)において、整数
iの値が1に初期化され、次に、S52において、今回
のサンプリング周期が開始されるのを待つ状態となる。
今回のサンプリング周期が開始されたならば、S53に
おいて、今回のサンプリング周期が終了したか否かが判
定される。今回は開始されたばかりであるから、判定が
NOとなり、S54において、電磁ピックアップ12か
ら第i番目のパルスが出されるのを待つ状態となる。出
されたならば判定がYESとなり、S55において、そ
のパルスの継続時間が計測され、S56において、その
継続時間に基づいて第i番目の元回転速度v(i) が演算
される。すなわち、コンピュータ20のこのS56を実
行する部分によって「元回転速度演算部」が構成されて
いるのである。演算値はRAM44の1サンプリング分
メモリに記憶される。
【0077】その後、S57において、整数iの値が1
増加させられ、S58において、整数iの現在値が最大
値iMAX を超えたか否かが判定される。最大値iMAX
ロータ10の歯数と同じ値に設定されているから、この
判定は結局、1回転分の元回転速度v(i) が取得される
ごとにYESとなることになる。今回は整数iの現在値
が最大値iMAX を超えてはいないと仮定すれば判定がN
Oとなり、直ちにS53に戻るが、超えていると仮定す
れば判定がYESとなり、S66において整数iの値が
1にリセットされた後にS53に戻ることになる。
【0078】その後S53〜S58およびS66の実行
が繰り返されるうちに今回のサンプリング周期が終了す
れば、S53の判定がYESとなり、S59以下のステ
ップに移行する。
【0079】S59においては、今回のサンプリング周
期の間に取得されて1サンプリング分メモリに記憶され
ている元回転速度vの平均値が演算され、サンプル回転
速度vとされる。すなわち、コンピュータ20のこのS
59を実行する部分によって「サンプル回転速度演算
部」が構成されているのである。
【0080】S60において、過去に得られたサンプル
回転速度vと現サンプル回転速度vとからその平均値が
演算され、これが前記オフセット値とされる。さらに、
現サンプル回転速度vからこの平均値が減算されること
により、今回のサンプル変動回転速度がΔvとして演算
される。すなわち、コンピュータ20のこのS60を実
行する部分によって「サンプル変動回転速度演算部」が
構成されているのである。
【0081】なお、このサンプル変動回転速度演算部を
例えば、遮断周波数が1〔Hz〕程度のハイパスフィルタ
手段として構成し、このハイパスフィルタ手段にサンプ
ル回転速度vを供給することによってもサンプル変動回
転速度Δvを取得可能である。また、遮断周波数が1
〔Hz〕程度のローパスフィルタ手段にサンプル回転速度
vを供給することによっても前記オフセット値を取得可
能である。
【0082】S61においては、1回転分メモリに既に
記憶されている旧誤差値Eのうち、今回の変動回転速度
群Δvと記憶アドレスが一致するものが読み出される。
すなわち、ちょうどロータ1回転分前に取得された旧誤
差値群Eが読み出されるのである。さらに、今回の旧誤
差値群Eの平均値が平均旧誤差値EMEANとして演算され
る。さらにまた、今回のサンプル変動回転速度Δvと調
整ゲイン|1−g/2|との積と、平均旧誤差値EMEAN
とゲインgとの積との和が出力yとして演算される。す
なわち、コンピュータ20のうちこのS61を実行する
部分によって「出力値演算部」が構成されているのであ
る。
【0083】S62においては、その出力yに前記オフ
セット値が加算されることにより、今回の最終的な回転
速度v、すなわち、周期的外乱が除去された回転速度v
が求められる。すなわち、コンピュータ20のうちこの
S62を実行する部分によって「最終的回転速度演算
部」が構成されているのである。
【0084】また、このS62においては、信号遅延・
重ね合わせ処理による周期的外乱除去状況が判定される
ようになっている。具体的には、最終的な回転速度vが
時間的にほぼ安定したか否かが判定され、安定した場合
には周期的外乱の除去が実質的に完了したと判定される
ようになっている。さらに、周期的外乱の除去が実質的
に完了したと判定した場合には、ON状態で周期的外乱
の除去が実質的に完了したことを表し、OFF状態で実
質的に完了していないことを表す周期的除去完了フラグ
(RAM44に設けられている)がON状態とされ、一
方、周期的外乱の除去が実質的に完了してはいないと判
定した場合には、周期的外乱除去完了フラグがOFF状
態とされるようにもなっている。なお、ここに「最終的
な回転速度vが時間的にほぼ安定したか否かの判定」は
例えば、ロータ10が1回転するごとに、ロータ10の
各歯16に対応する最終的な回転速度vの前回値から今
回値を差し引いた値の絶対値の和を回転速度vの変動量
δとして取得し、その変動量δが基準値δ0 以下である
場合には最終的な回転速度vが時間的にほぼ安定したと
判定するものとすることができる。
【0085】S63においては、今回の出力yが平均旧
誤差値EMEANから減算されることにより今回の新誤差値
Eが求められる。すなわち、コンピュータ20のうちこ
のS63を実行する部分によって「誤差値演算部」が構
成されているのである。
【0086】S64においては、1回転分メモリにおい
て今回の旧誤差値群Eの各値がすべて新誤差値Eに書き
換えられる。すなわち、コンピュータ20のうちこのS
64を実行する部分によって「1回転分メモリ更新部」
が構成されているのである。その後、S52に戻る。
【0087】以上、回転速度演算・補正技術を詳細に説
明したが、この技術を実施した場合の効果の一例を図1
3にグラフで表す。このグラフには、この技術を実施し
た後の回転速度vの周波数特性が実線で示され、これと
比較するために、この技術を実施する前の回転速度vの
周波数特性、すなわち、図6のグラフと同じものが破線
で示されている。それらグラフから明らかなように、こ
の技術を実施すれば、車輪14に固有の周期的外乱を良
好に除去されることになる。
【0088】次に、外乱オブザーバ52について説明す
る。外乱オブザーバ52は、車輪14の図4に示すモデ
ルに基づいて構成されている。以下、この外乱オブザー
バ52の構成について説明する。車輪14を、慣性モー
メントJR のリム側部28と慣性モーメントJB のベル
ト側部30とがばね定数Kのねじりばね32により接続
されたものとしてモデル化すれば、(2) 〜(4) の状態方
程式が成立し、これによって線形システムが構成され
る。 JR ωR ′=−KθRB+T1 ・・・(2) JB ωB ′= KθRB−Td ・・・(3) θRB′=ωR −ωB ・・・(4) ただし、 ωR :リム側部28の角速度 ωR ′:リム側部28の角加速度 ωB :ベルト側部30の角速度 ωB ′:ベルト側部30の角加速度 θRB :リム側部28とベルト側部30とのねじり角 T1 :駆動・制動トルク検出装置68により検出され
る駆動・制動トルク Td :路面からの外乱トルク
【0089】なお、実際にはリム側部28とベルト側部
30との間にはダンパが存在するが、その影響は比較的
小さいため、本実施例においてはその存在が無視されて
いる。
【0090】上記状態方程式をベクトルおよび行列を用
いて表せば(5) 式となる。
【0091】
【数9】
【0092】ここで、タイヤ26の空気圧が変化し、ね
じりばね32のばね定数が正規値であるKからK+ΔK
に変化したときの車輪14の運動は(6) 式で表される。
【0093】
【数10】
【0094】すなわち、ばね定数KがΔKだけ変化する
ことは正常なタイヤ26に(6) 式の右辺の最終項で表さ
れる外乱が加えられるのと等価である。この外乱にはば
ね定数Kの変化量ΔKの情報が含まれており、かつ、ば
ね定数Kはタイヤ26の空気圧に応じて変化するので、
この外乱を推定することによってタイヤの空気圧の変化
量を推定することができる。この外乱の推定に外乱オブ
ザーバの手法を用いるのであり、いま路面からのトルク
d をも外乱として扱うことにすれば、推定すべき外乱
wは(7) 式で表される。
【0095】
【数11】
【0096】しかし、理論上、外乱[w]の中の一つの
要素しか推定することができないため、第2要素である
2 を推定することとする。外乱w2 を(8) 式で定義す
れば、車輪14の状態方程式は(9) 式のようになるた
め、この(9) 式に基づいて外乱オブザーバを構成する。 w2 =(−1/JB )Td +(ΔK/JB )θRB・・・(8)
【0097】
【数12】
【0098】外乱オブザーバは外乱をシステムの状態変
数の一つとして推定するものである。そこで、(8) 式の
外乱w2 をシステムの状態に含めるために、推定すべき
外乱のダイナミクスを(10)式で近似する。 w2 ′=0・・・(10) これは図14に示すように連続して変化する外乱を階段
状に近似(零次近似)することを意味し、外乱オブザー
バ52の外乱推定速度を推定すべき外乱の変化に比べて
十分速くすれば、この近似は十分に許容される。(10)式
より、外乱w2をシステムの状態に含めると(11)式の拡
張系が構成される。
【0099】
【数13】
【0100】(11)式において[ωB θRB2T
検出することができない状態となる。したがって、この
システムに基づいて外乱オブザーバ52を構成すれば、
外乱w2 と元々測定できない状態変数ωB ,θRBとを推
定することができる。記述を簡単にするために、(11)式
のベクトルおよび行列を分解して次のように表すことと
する。
【0101】
【数14】
【0102】このとき、状態[z]=[ωB θRB
2T を推定する最小次元オブザーバの構成は(12)式で
表される。 [zp ′]=[A21][xa ]+[A22][zp ]+[B2 ][u]+[G]{ [xa ′]−([A11][xa ]+[A12][zp ]+[B1 ][u])}=( [A21]−[G][A11])[xa ]+([A22]−[G][A12])[zp ] +[G][xa ′]+([B2 ]−[G][B1 ])[u]・・・(12) ただし、 [zp ] :[z]の推定値 [zp ′]:推定値[zp ]の変化率 [G] :外乱オブザーバ52の推定速度を決めるゲ
イン この方程式をブロック図で表わすと図15のようにな
る。なお、図において[I]は単位行列、sはラプラス
演算子である。また、真値[z]と推定値[zp ]との
誤差[e]を[e]=[z]−[zp]とおき、誤差
[e]の変化率を[e′]とすると、(13)式の関係を得
る。 [e′]=([A22]−[G][A12])[e]・・・(13) これは外乱オブザーバ52の推定特性を表しており、行
列([A22]−[G][A12])の固有値がすなわち外
乱オブザーバ52の極となる。したがって、この固有値
がs平面の左半面において原点から離れるほど外乱オブ
ザーバ52の推定速度が速くなる。オブザーバゲイン
[G]は希望の推定速度になるように決定すればよい。
【0103】上記外乱推定値w2pおよびねじり角推定値
θRBp を用いて相関演算部54において相関演算が行わ
れ、正規化部56で正規化が行われて、ねじりばね32
のばね定数Kの変化が求められる。
【0104】まず、相関演算部54において、図16の
フローチャートで表されるばね定数変化取得用相関演算
ルーチンが実行される。S21の初期設定において、整
数iが1にリセットされ、前記(8) 式で表される外乱w
2 の推定値w2pとねじり角推定値θRBp との相互相関C
(w2p,θRBp)とねじり角推定値θRBp の自己相関C
(θRBp ,θRBp )とが0にリセットされる。RAM5
0の相互相関メモリおよび自己相関メモリの内容が0に
されるのである。
【0105】続いて、S22で現時点の外乱推定値w
2p(i) およびねじり角推定値θRBp(i)が読み込まれ、S
23で外乱推定値w2p(i) とねじり角推定値θRBp(i)
の積が演算され、相互相関C(w2p,θRBp )に加算さ
れる。ただし、最初にS23が実行される際には相互相
関C(w2p,θRBp )が0であるため、相互相関メモリ
に外乱推定値w2p(i) とねじり角推定値θRBp(i)との積
が格納されるのみである。同様にS24でねじり角推定
値θRBp(i)の二乗が演算され、自己相関メモリの自己相
関C(θRBp ,θRBp )に加算される。
【0106】S25において整数iが予め定められた整
数M以上になったか否かが判定されるが、当初は判定が
NOであるため、S26で整数iが1増加させられ、再
びS22〜S24が実行される。この実行がM回繰り返
されたときS25の判定がYESとなり、ばね定数変化
取得用相関演算ルーチンの1回の実行が終了する。
【0107】相関演算部54において以上のようにして
相互相関C(w2p,θRBp )と自己相関C(θRBp ,θ
RBp )とが求められた後、正規化部56において(21)式
によりLK 値が求められ、RAM50のLK 値メモリに
格納される。 Lk =C(w2p,θRBp )/C(θRBp ,θRBp )・・・(21) このLK 値は前記(8) 式に基づき、(22)式で表される。 Lk =(−1/JB )C0 +ΔK/JB ・・・(22) ただし、C0 はC(Tdp,θRBp )/C(θRBp ,θ
RBp )で表される値であり、ばね定数Kの変化とは無関
係であるので、タイヤ空気圧が正常の状態で予め求めて
おくことによって補償することができる。また、C(T
dp,θRBp )は外乱トルクTd の推定値とねじり角θRB
の推定値との相互相関を表している。
【0108】ばね定数変化率推定部58においては、以
上のようにして取得され、各L値メモリに格納されてい
るLK =C(w2p,θRBp )/C(θRBp ,θRBp )に
基づいてねじりばね32のばね定数変化量ΔKが推定さ
れる。LK は前述のように、 LK =(−1/JB )C0 +ΔK/JB で表されるため、予めLK とΔKの関係がばね定数変化
テーブルとしてROM49に格納されており、このテー
ブルに基づいてばね定数変化量ΔKが推定されるのであ
る。さらに、ばね定数変化量ΔKを正規値であるKで割
り算することによってばね定数変化率γが求められる。
【0109】推定値補正部60において、回転速度vの
検出値に混入した周期的外乱による影響がばね定数変化
率γの推定値から除去されるように推定値γが補正され
る。回転速度vの検出値自体に混入した周期的外乱は前
記のように、リム側部回転速度演算・補正部45による
信号重ね合わせ処理によって除去可能であるが、周期的
外乱が実質的に完全に除去されるまでに時間がかかり、
その間、回転速度vの検出値に残存する周期的外乱によ
る影響が推定値γに現れることとなる。一方、タイヤ2
6の不均一性に起因する周期的外乱が回転速度vに混入
し、それが回転速度vから除去されない状態において
は、路面凹凸度Rが同じでも車体速度Vが大きい高速走
行状態においてばね定数変化率γの推定値が真の値より
小さくなる傾向があり、また、車体速度Vが同じでも路
面凹凸度Rが低い平坦路走行状態においてばね定数変化
率γの推定値が真の値より小さくなる傾向がある。車体
速度Vが大きい状態または路面凹凸度Rが低い状態にお
いて推定値γに占めるタイヤ26の不均一性による周期
的外乱による誤差値の割合が増加し、周期的外乱の影響
が強く推定値γに現れることになるからである。そこ
で、推定値補正部60においては、信号遅延・重ね合わ
せ処理によって周期的外乱が十分に除去されるまでの
間、すなわち、前記周期的外乱除去完了フラグがON状
態になるまでの間、車体速度Vおよび路面凹凸度Rに基
づいて推定値γが補正されるのである。
【0110】具体的には、推定値γに補正値Δが加算さ
れることによって推定値γの補正が行われるとともに、
その補正値Δが図17(a)にグラフで概念的に表され
ているように、車体速度Vが基準値VS (例えば、10
0〔km/h〕)より大きい高速走行状態においてα(例え
ば、0.1)、基準値VS 以下である低速走行状態にお
いて0となるように決定され、そのαが、図17(b)
に表されているように、路面凹凸度Rが基準値RS 以下
である平坦路走行状態においてα1 、基準値R S より高
い凹凸路走行状態においてα2 (<α1 )となるように
決定される。
【0111】このような推定値補正部60の機能はコン
ピュータ47が図18の推定値補正ルーチンを実行する
ことによって果たされる。まず、S111において、コ
ンピュータ20から周期的外乱除去完了フラグが読み込
まれる。次に、S112において、その周期的外乱除去
完了フラグがON状態にあるか否か、すなわち、周期的
外乱の除去が完了したか否かが判定される。今回は未だ
完了してはいないと仮定すれば判定がNOとなり、S1
13以下のステップに移行する。
【0112】S113においては、車体速度センサ70
から車体速度Vが読み込まれ、次に、S114におい
て、その車体速度Vが基準値VS より大きいか否か、す
なわち、車両が高速走行状態にあるか否かが判定され
る。今回は高速走行状態にあると仮定すれば判定がYE
Sとなり、S115において、路面凹凸センサ72から
路面凹凸度Rが読み込まれる。続いて、S116におい
て、補正値Δの決定が行われる。路面凹凸度Rが基準値
S 以下である場合には今回の補正値Δがα1 に、基準
値RS より高い場合にはα2 に決定されるのである。そ
の後、S117において、RAM50からばね定数変化
率γの最新の推定値が読み込まれ、S118において、
その推定値γに決定された補正値Δを加算することによ
って推定値γの補正が行われる。補正後の推定値γはR
AM50に戻される。その後、S111に戻る。
【0113】これに対し、車体速度Vが基準値VS 以下
であり、車両が低速走行状態にある場合には、S114
の判定がNOとなり、S115以下のステップがスキッ
プされ、推定値γの補正が省略される。車両が低速走行
状態にある場合には、推定値γの精度がそれほどには低
下しておらず、補正を行う実益に乏しいからである。
【0114】また、周期的外乱除去フラグがON状態に
あって、周期的外乱の除去が完了した場合には、S11
2の判定がYESとなり、S113以下のステップがス
キップされることにより、推定値γの補正が禁止され
る。周期的外乱の除去が完了した後に推定値γの補正を
行うことは、もはや周期的外乱による影響が現れないた
めに補正を行う必要がない推定値γに対して不要な補正
を行うことを意味し、かえって推定値γの精度が低下し
てしまうからである。
【0115】異常判定部62においては、推定値補正部
60から供給された推定値γの絶対値が基準値γ0 以上
であるか否かが判定され、基準値γ0 以上である場合に
はタイヤ26の空気圧が異常であると判定され、基準値
γ0 より小さい場合には空気圧が正常であると判定され
る。空気圧が異常であると判定された場合には、その旨
が表示装置66により運転者に知らされる。
【0116】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、電磁ピックアップ12,波形整形器18お
よびコンピュータ20のうち図5のS55およびS56
を実行する部分が、各請求項の発明における「検出装
置」を構成し、また、コンピュータ47のうち外乱オブ
ザーバ52,相関演算部54,正規化部56およびばね
定数変化率推定部58の機能を果たす部分が、各請求項
の発明における「推定手段」を構成し、また、コンピュ
ータ47のうち推定値補正部60の機能を果たす部分が
車体速度センサ70および路面凹凸センサ72と共同し
て、各請求項の発明における「推定値補正手段」を構成
している。さらに、コンピュータ20のうち図5のS5
9〜S64を実行する部分が、請求項3の発明における
「検出値補正手段」を構成しているのである。
【0117】本実施例においては、ばね定数変化率γの
推定値が、車体速度Vが基準値VSより大きい場合のみ
補正され、その補正値が、路面凹凸度Rが基準値RS
下であるか否かによってα1 ,α2 の2段階に変えられ
るようになっているが、図21(a),(b)に示すよ
うに、車体速度Vが大きいほど、また路面凹凸度Rが小
さいほど補正値Δが大きい値に決定されるようにするこ
とも可能である。例えば、車体速度Vに応じて決定され
た暫定補正値に、路面凹凸度Rに応じて変わる補正係数
を掛けて最終補正値を得たり、ROM49に、車体速度
Vと路面凹凸度Rとをそれぞれ複数領域に分け、それら
領域の組合わせ毎に1個の補正値を割り当てたテーブル
を設けておき、このテーブルに基づいて各時点における
補正値Δが決定されるようにするのである。前者の場合
には補正値Δが連続的に変わり、後者の場合には段階的
に変わることとなる。これらいずれの場合にも、車体速
度Vと路面凹凸度Rとの少なくとも一方において、補正
が行われる領域と行われない領域とを設けることが可能
であり、また、複数の領域(あるいはそれに相当する広
さの領域)について補正値Δが同じ値に決定されるよう
にすることも可能である。さらに、車体速度Vと路面凹
凸度Rとの一方については段階的に、他方については連
続的に補正値が変えられるようにすることも可能であ
る。その他にも、いちいち例示はしないが、各請求項の
発明は種々の改良,変形を加えた態様で実施することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各請求項の発明の一実施例である車輪情報推定
装置の機能ブロック図である。
【図2】上記車輪情報推定装置の構成ブロック図であ
る。
【図3】上記車輪情報推定装置により外乱を検出される
車輪の一部を示す断面図である。
【図4】上記車輪の力学モデルを示す図である。
【図5】上記車輪情報推定装置の一構成要素であるコン
ピュータのROMに格納されている制御プログラムを示
すフローチャートである。
【図6】車輪の回転速度信号の周波数特性の一例を示す
グラフである。
【図7】上記車輪情報推定装置における周期的外乱除去
部(信号遅延・重ね合わせ処理部)の機能ブロック図で
ある。
【図8】上記周期的外乱除去部の特性の一例を示すグラ
フである。
【図9】上記車輪情報推定装置の一構成要素である1回
転分メモリの構成とその使用方法とを概念的に示す図で
ある。
【図10】上記1回転分メモリにおける記憶内容とサン
プリング周期との関係を説明するための図である。
【図11】上記1回転分メモリにおける記憶内容とサン
プリング周期との関係を説明するための別の図である。
【図12】上記周期的外乱除去部の原理を概念的に示す
グラフである。
【図13】上記周期的外乱除去部の効果の一例を示すグ
ラフである。
【図14】上記車輪情報推定装置における外乱のダイナ
ミクスの近似を説明するためのグラフ図である。
【図15】上記車輪情報推定装置における外乱オブザー
バを示すブロック線図である。
【図16】上記車輪情報推定装置の一構成要素であるコ
ンピュータのROMに格納されている制御プログラムを
示すフローチャートである。
【図17】上記車輪情報推定装置における推定値の補正
の一例を概念的に示すグラフである。
【図18】上記車輪情報推定装置の一構成要素であるコ
ンピュータのROMに格納されている制御プログラムを
示すフローチャートである。
【図19】請求項1および2の各発明の構成を概念的に
示すブロック図である。
【図20】請求項3の発明の構成を概念的に示すブロッ
ク図である。
【図21】前記車輪情報推定装置における推定値の補正
の別の例を概念的に示すグラフである。
【符号の説明】
10 ロータ 12 電磁ピックアップ 14 車輪(タイヤ付ホイール) 20 コンピュータ 26 タイヤ 47 コンピュータ 52 外乱オブザーバ 58 ばね定数変化率推定部 60 推定値補正部 70 車体速度センサ 72 路面凹凸センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大橋 秀樹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 河井 弘之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小島 弘義 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 梅野 孝治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 浅野 勝宏 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 内藤 俊治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 小野木 伸好 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪の回転速度を検出する検出装置と、 その検出装置による検出値に基づき、前記車輪に関する
    情報を推定する推定手段とを含む車輪情報推定装置にお
    いて、 前記推定手段による推定値を、車両の走行状況に基づ
    き、前記検出装置による検出値に混入した周期的外乱に
    よる影響が現れないように補正する推定値補正手段を設
    けたことを特徴とする車輪情報推定装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車輪情報推定装置であっ
    て、前記推定値補正手段が、前記推定手段による推定値
    の補正量を前記走行状況としての車体速度が大きい場合
    において小さい場合におけるより大きく決定すること
    と、前記走行状況としての路面凹凸度が低い場合におい
    て高い場合におけるより大きく決定することとの少なく
    とも一方を行うものである車輪情報推定装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の車輪情報推定装
    置であって、さらに、前記検出装置による検出値をそれ
    に混入した周期的外乱が除去されるように補正する検出
    値補正手段と、その検出値補正手段により補正しきれな
    いで残る補正誤差が許容値より大きい間は前記推定値補
    正手段による補正を許可し、許容値以下になった後には
    禁止する推定値補正許可・禁止手段とを含むものである
    車輪情報推定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008241445A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Kayaba Ind Co Ltd 圧力制御装置
CN104369629A (zh) * 2014-10-21 2015-02-25 中山市六源通电子科技有限公司 基于胎压传感的路况判断提醒方法
US10338094B2 (en) 2013-12-19 2019-07-02 Hyundai Autron Co., Ltd. Pretreatment apparatus and method of wheel speed

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