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JPH08298116A - 二次電池の電極材料 - Google Patents

二次電池の電極材料

Info

Publication number
JPH08298116A
JPH08298116A JP7127306A JP12730695A JPH08298116A JP H08298116 A JPH08298116 A JP H08298116A JP 7127306 A JP7127306 A JP 7127306A JP 12730695 A JP12730695 A JP 12730695A JP H08298116 A JPH08298116 A JP H08298116A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode material
secondary battery
charge
artificial graphite
binder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7127306A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiko Ema
高彦 江間
Nobuo Kamimura
信夫 上村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Coke and Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Kansai Coke and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Coke and Chemicals Co Ltd filed Critical Kansai Coke and Chemicals Co Ltd
Priority to JP7127306A priority Critical patent/JPH08298116A/ja
Publication of JPH08298116A publication Critical patent/JPH08298116A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 すぐれた充放電容量および充放電効率を有す
る二次電池の電極材料(殊にリチウム二次電池用負極材
料)、さらに詳しくは、極めて安価な原料を用いかつ工
業的に有利な工程で製造できるにもかかわらずすぐれた
黒鉛化度を有する特定の人造黒鉛の粉体を用いた二次電
池の電極材料を提供することを目的とする。 【構成】 原油精製工程で発生した減圧蒸留残渣油を過
熱水蒸気により部分的に熱分解したときの缶残である粘
結材(A1)を原料とし、その粘結材(A1)をコークス化可能
な温度でコークス化してコークス化物(A2)となし、さら
にそのコークス化物(A2)を黒鉛化可能な温度で黒鉛化す
ることにより得た人造黒鉛(A3)の粉体を、二次電池の電
極材料として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の炭素材を用いた
二次電池の電極材料、殊にリチウム二次電池用の負極材
料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、二次電池(充放電可能な電池)の
電極材料の用途に供される炭素材として、石炭・石油等
を原料とするコークス類、天然黒鉛、人造黒鉛などが用
いられている。
【0003】炭素材をリチウム二次電池用負極材料の用
途に供する場合は、黒鉛の完全結晶に近いものが充放電
容量および充放電効率の点で有利と考えられる。また、
電池を組み立てるときにはその炭素材を負極の銅板に塗
布するなどの操作が必要なため、炭素材を適切な粒度に
まで粉砕することが必要となる。
【0004】天然黒鉛を用いたリチウム二次電池につい
ては、たとえば特開平6−290781号公報に記載が
ある。この公報の発明においては、1800℃以上の温
度で加熱処理された天然黒鉛をリチウムイオンを吸蔵放
出可能な負極材料として用いている。
【0005】人造黒鉛については、その代表的な製品は
人造黒鉛電極である。典型的な人造黒鉛の製造法は次の
通りである(たとえば、「新・炭素工業」、株式会社近
代編集社発行、第2版発行日:昭和57年10月1日の
27〜40頁を参照)。 (1) 混ねつ(ニーディング) まず、石油コークスなどのフィラー(骨材)にピッチな
どのバインダー(結合材)を加えて加熱下に混ねつす
る。フィラー100部に対するバインダーの添加量は、
通常25〜50部である。混ねつ温度は、たとえば14
0〜170℃である。 (2) 成形(フォーミング) ついで上記の混ねつ物を所定の形状に成形する。成形に
は、押出し成形と型込め成形とがある。 (3) 焼成(ベイキング) 上記の成形品を、熱処理中の変形と酸化を防止するため
にコークス粉、ケイ砂などのパッキング材中に埋め、7
00〜1300℃に加熱してバインダーを炭素化させ
る。 (4) 含浸(インプリグネーション)、再焼成(リベーキ
ング) 上記の焼成工程でバインダーの30〜40%が揮散して
素材中に気孔を生ずるので、その気孔(および本来フィ
ラー中に存在している開気孔)に溶融ピッチなどの含浸
剤を充填して再焼成し、気孔率を減少させる。なお、こ
の含浸・再焼成工程を省略して次の黒鉛化工程に直接移
ることもある。 (5) 黒鉛化(グラファイタイゼーション) 焼成を終えたものを3000℃前後に加熱して熱処理す
る。これにより、不規則に配列していた微小な黒鉛結晶
が充分成長すると共に、秩序正しく配向する。この黒鉛
化工程では、通電加熱に2〜4日、冷却に1〜2週間要
する。これを加工することにより、黒鉛質の製品とな
る。
【0006】人造黒鉛も二次電池の電極材料として重要
であるが、粉状の人造黒鉛については、それを目的とし
て上述の方法に準じて製造すると余りにコスト高になる
ので、上記人造黒鉛電極の製造に際しての規格外品を粉
砕して用いるのが通常である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】天然黒鉛から高純度の
粉状黒鉛を製造する方法は、原料源確保の問題や原料の
品質のばらつきの問題がある上、灰分を除去するためフ
ッ酸のような危険な薬剤で洗浄する工程が必要になると
いう不利がある。
【0008】加えて、天然黒鉛の粉砕品をリチウム二次
電池の負極材料として用いる場合、2回目以降の充放電
容量、充放電効率(1回目の充電電気量に対する放電電
気量の百分率)などの基本的電池特性の点でなお改良の
余地がある。また天然黒鉛としては鱗片状のものを用い
るので、電解液やバインダーとの練り操作に時間がかか
ること、負極の銅板に対する密着性が必ずしも充分では
ないこと、電解液の使用量が多くなることなどの解決課
題が残る。
【0009】人造黒鉛電極の製造に際しての規格外品を
粉砕して粉状の人造黒鉛にすることは、あくまで主たる
製品は人造黒鉛電極であってそれをできるだけ無駄なく
利用することから、一定量の粉状人造黒鉛を安定して確
保することが困難であり、また価格の変動も大きい。
【0010】そこで石油コークスなどから粉状の人造黒
鉛を製造することが考えられるが、その方法はかなりの
コスト高になる上、その方法により得た粉状人造黒鉛の
黒鉛化度は満足しうるものではなく、良質の天然黒鉛に
比し著しく見劣りするという問題点がある。
【0011】本発明者らは、かねてより原油精製工程で
発生した減圧蒸留残渣油を過熱水蒸気による部分的熱分
解したときの缶残である粘結材の有効利用につき鋭意検
討を行っていたが、この粘結材が、一度溶けた工程を経
ていることから、芳香族縮合環(層面)の選択的配向が
ある程度発達しており、易黒鉛化性炭素材になる可能性
があるであろうとの着想を抱いた。
【0012】本発明は、このようなバックグラウンドに
おいて、すぐれた充放電容量および充放電効率を有する
二次電池の電極材料(殊にリチウム二次電池用負極材
料)、さらに詳しくは、極めて安価な原料を用いかつ工
業的に有利な工程で製造できるにもかかわらずすぐれた
黒鉛化度を有する特定の人造黒鉛の粉体を用いた二次電
池の電極材料を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の二次電池の電極
材料は、原油精製工程で発生した減圧蒸留残渣油を過熱
水蒸気により部分的に熱分解したときの缶残である粘結
材(A1)を原料とし、該粘結材(A1)をコークス化可能な温
度でコークス化してコークス化物(A2)となし、さらにそ
のコークス化物(A2)を黒鉛化可能な温度で黒鉛化するこ
とにより得た人造黒鉛(A3)の粉体を、二次電池の電極材
料として用いてなるものである。
【0014】以下本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明においては、原料として、原油精製
工程で発生した減圧蒸留残渣油を過熱水蒸気により部分
的に熱分解したときの缶残である粘結材(A1)を用いる。
この粘結材(A1)は、原油精製工程で副生するものであり
ながら、事実上製鉄用コークスの粘結材以外の用途がな
いことから、従来は処置に窮していたものであり、極め
て安価に入手できる。なお減圧蒸留残渣油の過熱水蒸気
による部分的熱分解の生産物は、分解ガスが約5%、分
解油(軽質油、重質油)が約65%、缶残である粘結材
が約30%である。
【0016】そして本発明においては、上記の粘結材(A
1)をコークス化可能な温度でコークス化してコークス化
物(A2)となし、さらにそのコークス化物(A2)を黒鉛化可
能な温度で黒鉛化することにより人造黒鉛(A3)となす。
コークス化は、原料粘結材(A1)中の揮発分が大きいの
で、完全なコークス化を図るための工程である。得られ
たコークス化物(A2)は、良質の人造黒鉛(A3)を得るた
め、黒鉛化に供する前に3mm篩下、殊に100メッシュ
前後まで粉砕するのが通常である。粉砕は、たとえば、
ジョークラッシャー、ロールクラッシャー、ヘンシェル
ミキサーなどの粉砕機による粉砕方法を適宜組み合わせ
ることにより行われる。そして黒鉛化工程を実施するこ
とにより、コークス化物(A2)に含まれる灰分や硫黄分が
飛び去ると共に、高純度の人造黒鉛(A3)が得られる。
【0017】上記のコークス化および黒鉛化にあたって
は、従来のようなバインダーの配合や添加剤の配合は必
須でなく(つまり単味でよく)、従ってそれらの添加に
伴なう煩雑な配合工程および混ねつ工程を省略すること
ができるのみならず、それらの工程のための制御および
エネルギーも不要となり、工業的に著しく有利となる。
【0018】上記のコークス化は、不活性ガス雰囲気下
に温度500〜1200℃(好ましくは600〜110
0℃)で行う。500℃未満ではコークス化の程度が不
足し、1200℃を越えるときは、コークス化用として
特殊な炉が必要となるのでコスト高になる。黒鉛化は、
不活性ガス雰囲気下に温度2300〜3000℃(好ま
しくは2500〜3000℃、特に好ましくは2600
〜2900℃)で行う。2300℃未満では黒鉛化の程
度が不足し、3000℃を越えるときは設備面および所
要電力の点でコスト高となる。
【0019】人造黒鉛(A3)を得る工程はこのようにシン
プルであるにかかわらず、得られた粉状の人造黒鉛(A3)
は極めて高品質であり、天然黒鉛の理論的な層間距離d
(002)= 3.354オングストロームにごく近い 3.360±0.00
6 オングストロームのものを工業的規模で得ることがで
きる。また、黒鉛の特徴である結晶子サイズLc(002)も
1000オングストローム前後と大きく、黒鉛化度の高
いものとなる。
【0020】このようにして得られた粉状の人造黒鉛(A
3)は、所定の粒度、通常は1〜100μm 、好ましくは
2〜50μm 、さらに好ましくは3〜30μm にまで粉
砕される。このときの粉砕方式は摩擦圧潰を伴なわない
ジェットミル方式が最適であるが、ディスクミル方式な
ど他の粉砕方式を採用することもできる。
【0021】そして本発明においては、上記で得た人造
黒鉛(A3)の粉体を、二次電池の電極材料、殊にリチウム
二次電池の負極材料として用いる。リチウム二次電池の
負極材料のほか、ポリマーフィルム電池(ペーパー電
池)などの電極材料としても用いることができる。
【0022】なお、リチウム二次電池における正極材料
としては、改質MnO2、LiCoO2、LiNiO2、LiNi1-yCoyO2
LiMnO2、LiMn2O4 、LiFeO2などが用いられる。電解液と
しては、エチレンカーボネートなどの有機溶媒や、該有
機溶媒とジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシメ
タン、エトキシメトキシエタンなどの低沸点溶媒との混
合溶媒に、LiPF6 、LiBF4 、LiClO4、LiCF3SO3などの電
解液溶質を溶解した溶液が用いられる。
【0023】
【作用】リチウム二次電池の充放電反応は下記の式1の
通りであり、リチウムイオンが正極と負極の間を行き来
する。この反応はCが完全結晶に近い黒鉛の結晶構造の
ときに安定しており、充放電容量および充放電効率の安
定的な向上が期待される。
【0024】
【式1】
【0025】一般にリチウム二次電池用負極材料の要求
性能に関しては、2回目以降の充放電容量が200mAh/
g 以上あると良好であるとされているが、上記粘結材(A
1)由来の人造黒鉛(A3)からなる本発明の二次電池の電極
材料は、後述の実施例のように2回目以降の充放電容量
が280mAh/g 以上、さらには290mAh/g 以上であ
り、300mAh/g 以上とすることもできる。
【0026】本発明においてこのようにすぐれた作用効
果が得られるのは、原料として用いた粘結材(A1)が、一
度溶けた工程を経ているため芳香族縮合環(層面)の選
択的配向がかなり発達した易黒鉛化の炭素材であり、得
られた粉状の人造黒鉛(A3)が理想的な黒鉛結晶に近い黒
鉛化度を有する高品質のものとなっているためと考えら
れる。
【0027】加えて上記の人造黒鉛(A3)からなる本発明
の二次電池の電極材料は、鱗片状の天然黒鉛からなるそ
れに比し、電解液やバインダーとの馴染みが良く、負極
の銅板に対する密着性も良好であるので、ハンドリング
面で有利であり、また電解液の使用量が2/3程度で済
むという利点もある。
【0028】そして本発明においては、上記のように極
めて安価な特定の粘結材(A1)を原料としている上、バイ
ンダーおよび添加剤のいずれをも配合することなく単味
で粉状の人造黒鉛(A3)が得られため工程がシンプル化さ
れ、原料コストおよび製造コストにおいても大幅なコス
ト減が図られる。
【0029】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0030】〈試験方法〉供試黒鉛と約4重量%のポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)とを混練後、ステ
ンレスメッシュに塗布した。これを150℃で12時間
真空乾燥したものを試験極とした。試験には、金属リチ
ウムシートをステンレス板に圧着したものを対極とした
2極式セルを用いた。組み立ては、水分値20ppm 以下
に調整したドライボックス内で行い、電解液としては 1
M-LiClO4/(EC+DME(1:1))、すなわちエチレンカーボネー
トと1,2−ジメトキシエタンとの容積比で1:1の混
合溶媒にLiClO4を1Mの割合で溶解したものを用いた。
【0031】〈負極材料の調製と充放電性能〉 実施例1 (原料の準備)原油精製工程で発生した減圧蒸留残渣油
を過熱水蒸気により部分的に熱分解し、さらに減圧蒸留
したときの缶残である粘結材(A1)を原料として用いた。
この粘結材は、たとえば現在は富士石油株式会社から
「ASP」、「ユリカ」または「ユリカASP」の商品
名で製造販売されているものである。
【0032】(コークス化および黒鉛化)上述の粘結材
(A1)を窒素ガス雰囲気下に温度800℃で2時間加熱処
理することにより炭化処理(コークス化処理)した後、
得られたコークス化物(A2)を、ジョークラッシャー、ロ
ールクラッシャー、ヘンシェルミキサーを用いて順次粉
砕し、約100メッシュ程度の粒度とした。
【0033】ついでこの粉砕物を黒鉛ルツボに入れ、ア
チソン炉にて窒素ガス雰囲気下におよそ30℃/hrの速
度で2800℃まで昇温してから約2時間置き、以後長
時間かけてゆっくりと放冷することにより黒鉛化して、
人造黒鉛(A3)となした。
【0034】(灰分、揮発分、全硫黄分)原料粘結材(A
1)、コークス化物(A2)および人造黒鉛(A3)の工業分析値
は、次の通りであった。なお、灰分の分析はJIS K 8812
4、揮発分の分析はJIS K 8812 5による。 原料粘結材(A1) 灰分:0.20%、揮発分:38.4% コークス化物(A2) 灰分:0.48%、揮発分:2.48% 人造黒鉛(A3) 灰分:0.01%、揮発分:0.01%以下
【0035】また、原料粘結材(A1)、コークス化物(A2)
および人造黒鉛(A3)の元素分析値のうち、全硫黄分(JI
S K 8813 5.3)は、 原料粘結材(A1): 5.50% コークス化物(A2):5.04% 人造黒鉛(A3): 0.001%以下 であった。なお原料粘結材(A1)の元素分析値のうち炭
素、水素、窒素、酸素は、それぞれ、85.5%、 5.7%、
1.7%、 1.4%であった。
【0036】この結果から、黒鉛化製品である人造黒鉛
(A3)は灰分および硫黄分が充分に除去されており、該人
造黒鉛(A3)が高純度、高機能であることがわかる。
【0037】(人造黒鉛(A3)のd値および結晶子サイ
ズ)上記で得た人造黒鉛(A3)の黒鉛化度を、X線回折装
置により測定(管電圧:40kV、管電流:40mA、
スキャンスピード: 0.250゜/min)したところ、黒鉛の
特徴である(002) 面および(110) 面のピークが強く出て
いた。この人造黒鉛(A3)のd値および結晶子サイズは、 d(002) 3.358オングストローム Lc (002) 1020 オングストローム La (110) 7098 オングストローム であり、黒鉛化が高度に発達していることがわかった。
なお、天然黒鉛の理論的な層間距離d(002) は 3.354オ
ングストロームである。
【0038】(二次電池としての性能)上記で得た人造
黒鉛(A3)をアルピネ製カウンター式ジェットミルにて1
0μmまで粉砕した。この粉砕黒鉛を、充放電電流0.5 m
A(0.17 mA/cm2)、充放電電圧0.02〜0.5 V の条件で充
放電試験したところ、1回目の充放電効率は82%、2
回目以降の充放電容量は320mAh/g であり、その後の
充放電効率は99.8%以上で推移した。なお、この人造黒
鉛(A3)を用いたときの電解液とのスラリー化は容易であ
り、かつ金属板との結着性も良好であった。
【0039】またこの破砕黒鉛を用いたときは、後述の
比較例1の鱗片状の天然黒鉛を用いた場合に比し、電解
液やバインダーとの馴染みが良く、負極の銅板に対する
密着性も良好であり、ハンドリング面で有利であった。
電解液の使用量も2/3程度で足りた。
【0040】実施例2 実施例1で得た人造黒鉛(A3)をホソカワミクロン製ミク
ロンジェットミルにて10μm まで粉砕した。この粉砕
黒鉛を、充放電電流0.5 mA(0.17 mA/cm2)、充放電電圧
0.02〜0.5 V の条件で充放電試験したところ、1回目の
充放電効率は81%、2回目以降の充放電容量は315
mAh/g であり、その後の充放電効率は99.8%以上で推移
した。なお、この人造黒鉛(A3)を用いたときの電解液と
のスラリー化は容易であり、かつ金属板との結着性も良
好であった。
【0041】実施例3 実施例1で得た人造黒鉛(A3)をディスクミルにて10μ
m まで粉砕した。この粉砕黒鉛を、充放電電流0.5 mA
(0.17 mA/cm2)、充放電電圧0.02〜0.5 V の条件で充放
電試験したところ、1回目の充放電効率は78%、2回
目以降の充放電容量は295mAh/g であり、その後の充
放電効率は99.8%以上で推移した。なお、この人造黒鉛
(A3)を用いたときの電解液とのスラリー化は容易であ
り、かつ金属板との結着性も良好であった。
【0042】比較例1 中国産の鱗片状黒鉛(粒度100メッシュ90%以上通
過、純度99%以上)をボールミルにて7μm まで粉砕
した。この破砕黒鉛を、充放電電流0.5 mA(0.17 mA/cm
2)、充放電電圧0.02〜0.5 V の条件で充放電試験したと
ころ、2回目以降の充放電容量は200mAh/g を下回っ
ていた。
【0043】比較例2 代表的な人造黒鉛である平均粒径が約8μm のロンザ黒
鉛「KS−15」を、充放電電流0.5 mA(0.17 mA/c
m2)、充放電電圧0.02〜0.5 V の条件で充放電試験した
ところ、1回目の充放電効率49%、2回目以降の充放
電容量は245mAh/g にすぎなかった。
【0044】比較例3 コールタールピッチを300〜450℃に加温して球晶
を発生させ、これを溶剤抽出または遠心分離により精製
した平均粒径が約20μm のメソフェーズの小球体を温
度2800℃で黒鉛化して得た人造黒鉛を、充放電電流
0.5 mA(0.17 mA/cm2)、充放電電圧0.02〜0.5 V の条件
で充放電試験したところ、1回目の充放電効率は84
%、2回目以降の充放電容量は275mAh/g であり、充
放電効率は良好であったが、充放電容量は不足してい
た。
【0045】比較例4 カーボンブラックを実施例1の場合と同様にアチソン炉
にて加熱処理して、X線回折で黒鉛化度を測定した。測
定結果は、d(002) は 3.420オングストローム、Lc(00
2)は61.7オングストローム、La(110)は 0.0オングスト
ロームであり、黒鉛化度が著しく低いものであった。
【0046】
【発明の効果】上記粘結材(A1)由来の人造黒鉛(A3)から
なる本発明の二次電池の電極材料は、これをリチウム二
次電池用負極材料として用いた場合、2回目以降の充放
電容量が極めて高く、2回目以降の充放電効率も100
%に近い値で推移する。
【0047】加えて上記の人造黒鉛(A3)からなる本発明
の二次電池の電極材料は、鱗片状の天然黒鉛からなるそ
れに比し、電解液やバインダーとの馴染みが良く、負極
の銅板に対する密着性も良好であるので、ハンドリング
面で有利であり、また電解液の使用量が2/3程度で済
むという利点もある。
【0048】加えて、その電極材料として使用する人造
黒鉛は、従来は製鉄用コークスの粘結材以外の用途がな
いことから処置に窮していた特定の粘結材を原料とする
ものであるので、そのような粘結材の有効利用が図られ
る。またそのような極めて安価な粘結材を原料としてい
る上、バインダーおよび添加剤のいずれをも配合するこ
となく単味で粉状の人造黒鉛が得られため製造工程もシ
ンプル化され、従来の粉状の人造黒鉛の製造法に比し大
幅なコスト減が図られる。
【0049】よって本発明の二次電池の電極材料は、性
能、コスト、資源の有効利用の点で実用性の高いもので
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原油精製工程で発生した減圧蒸留残渣油を
    過熱水蒸気により部分的に熱分解したときの缶残である
    粘結材(A1)を原料とし、該粘結材(A1)をコークス化可能
    な温度でコークス化してコークス化物(A2)となし、さら
    にそのコークス化物(A2)を黒鉛化可能な温度で黒鉛化す
    ることにより得た人造黒鉛(A3)の粉体を、二次電池の電
    極材料として用いてなる二次電池の電極材料。
  2. 【請求項2】人造黒鉛(A3)のd(002) が 3.360±0.006
    オングストロームである請求項1記載の二次電池の電極
    材料。
  3. 【請求項3】充放電電圧0.02〜0.5 V の条件で充放電試
    験したときの2回目以降の充放電容量が280mAh/g 以
    上である請求項1記載の二次電池の電極材料。
  4. 【請求項4】リチウム二次電池用の負極材料である請求
    項1記載の二次電池の電極材料。
JP7127306A 1995-04-26 1995-04-26 二次電池の電極材料 Pending JPH08298116A (ja)

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JP7127306A JPH08298116A (ja) 1995-04-26 1995-04-26 二次電池の電極材料

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001053200A1 (fr) * 2000-01-17 2001-07-26 Leonid Dmitrievich Bilenko Procede de production de graphite artificiel pulverulent
JP5960052B2 (ja) * 2010-08-05 2016-08-02 昭和電工株式会社 リチウム二次電池用黒鉛系負極活物質
EP2602851A4 (en) * 2010-08-05 2016-12-21 Showa Denko Kk ANODEACTIVE MATERIAL FOR LITHIUM SECONDARY BATTERIES

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