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JPH08260078A - 摺動接点材料及びクラッド複合材ならびにそれを使用した直流小型モータ - Google Patents

摺動接点材料及びクラッド複合材ならびにそれを使用した直流小型モータ

Info

Publication number
JPH08260078A
JPH08260078A JP7087383A JP8738395A JPH08260078A JP H08260078 A JPH08260078 A JP H08260078A JP 7087383 A JP7087383 A JP 7087383A JP 8738395 A JP8738395 A JP 8738395A JP H08260078 A JPH08260078 A JP H08260078A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloy
sliding contact
weight
contact material
sliding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7087383A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiya Yamamoto
俊哉 山本
Takao Asada
敬雄 麻田
Tetsuya Nakamura
哲也 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Original Assignee
Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tanaka Kikinzoku Kogyo KK filed Critical Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Priority to JP7087383A priority Critical patent/JPH08260078A/ja
Publication of JPH08260078A publication Critical patent/JPH08260078A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 毒性がなく、特に低接触抵抗に優れ、且つ耐
摩耗性、電気的特性も良好な高品質の摺動接点材料及び
クラッド複合材の提供。 【構成】 AgZn合金又はAgZnNi合金、もしく
はAgMg合金又はAgMgNi合金であって、各合金
組成中、Znは0.01〜1重量%未満、Mgは0.0
1〜1重量%、Niの添加量は、Zn併用の場合は0.
01〜0.5重量%未満、Mg併用の場合は0.01〜
0.5重量%含有され、合金組成中、そのZn及びMg
はAgα相中に固溶しており、Ni粒子はAgα相中に
均一に分散している摺動接点材料である。クラッド複合
材の表面層を形成し、ベース層としてCu又はCu合金
で構成される、二層張りクラッド複合材から成るコンミ
テータを、家庭用電化製品の直流小型モータに使用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電気的、機械的摺動
部に使用する摺動接点材料に係わり、具体的には特に充
電式電池で駆動する家庭用電化製品に使用される直流小
型モータ用コンミテータ(その他アースリング、ロータ
リースイッチ等)に用いる低接触抵抗を有する摺動接点
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】当該技術分野において、現在新しい摺動
接点材料の開発や摩耗に関する研究が盛んに行なわれて
きており、摺動接点材料及びクラッド複合材に関して
は、この摩耗と接触抵抗とが重要な問題であるところ、
この摩耗現象は複雑で学理的には未解明な点も多く難し
い問題である。
【0003】通常、摺動接点材料の金属表面はかなり平
滑に仕上げたつもりでも、ミクロ的な観察をすると完全
な平面ではなく微妙な凹凸が存在している。二つの金属
の接触状態をみると、見掛けは広い面積で接触している
ように見えるが、実際は幾つかの凹凸が存在し孤立した
突起でのみ接触していることになる。
【0004】摩擦に対する摩耗は、基本的には接触する
力の大きさに比例し、硬さに反比例する。その他、温
度、湿度、腐食性成分、有機質蒸気、埃などは摩耗や電
気的特性(接触抵抗)に変化をもたらす要因となる。
【0005】摺動接点材料における摩耗の仕方は、大別
して凝着摩耗と、引っかき摩耗とがある。凝着摩耗と
は、真の接触部即ち突起部において金属同士の溶着が起
こり、軟らかい方の金属が引き裂かれて硬い方の金属に
移行することによって起こる摩耗である。
【0006】引っかき摩耗とは、硬さの大きく異なる材
料が擦り合わされる場合、或るいは軟らかい金属同士で
も一方に硬い粒子などを含んでいるような場合に惹起さ
れる摩耗である。
【0007】例えば、直流小型モータにおけるコンミテ
ータと刷子間の高速回転により、コンミテータを構成す
るクラッド複合材が長時間の接触摩擦を受け、熱も加わ
るため該複合材のミクロンオーダーの貴金属合金表面層
が削られ、摩耗粉が生じコンミテータの間隙を埋め、導
通短絡させて電気的トラブルを起こしたり雑音発生の原
因となる。
【0008】しかも、クラッド複合材の中間層、更には
ベース層にまで摩耗がおよび酸化し易いベース層の酸化
物などにより、電気的な種々のトラブルの原因となる。
それ故、該複合材を構成する二層又は三層を成す合金材
料及び合金組成の改良研究が極めて重要な問題となって
くる。
【0009】近年、充電式電池で駆動する家庭用電化製
品に使用される直流小型モータ用コンミテータ材料とし
て、表面層が1〜2重量%のCd、残部AgとしたAg
Cd合金、ベース層がCuまたはCu合金の二層張りと
したクラッド複合材(例えばAgCd1/Cu)、又は
表面層が1〜2重量%のCd、0.01〜0.7重量%
のNi、残部AgとしたAgCdNi合金、ベース層が
Cu又はCu合金の二層張りとしたクラッド複合材(例
えばAgCd2Ni0.3/Cu)等が通常使用されて
いる。
【0010】それら、AgCd合金やAgCdNi合金
は電気的機能、硬さ、接触抵抗に優れた材料であり、例
えば特公平2−60745号には、Sn及びCdのう
ち、少なくとも1種を合計で1〜5重量%残部AgのA
g合金からなる直流小型モータの整流子用摺動接点材料
の開示がある。
【0011】重要な点として、現在、生活環境汚染問題
が叫ばれる状況下にあり、Cdによる人体に対する公害
を避けるため、製造工場では大がかりな環境対策が要求
され実施しているが、一般消費者からは破損した機器
の、Cdを含有している電化部品がそのまま廃棄され、
社会的に大きな問題となっている。
【0012】その他、AgCu合金やAgCuCd合金
等も使用されるが、初期接触抵抗は低くても接触抵抗の
経時変化があるため、充電式電池を使ったシェーバーの
製品価値が劣るという問題、即ち、接触抵抗が高くなる
と、モータの始動電圧が高まって電池の起電力では始動
しなくなり、また、電池の寿命も短くなるからである。
そのため早い時期に、接触抵抗が低く経時変化のないコ
ンミテータ材料の出現が求められていた。
【0013】また、特開昭58−104140号の中
で、Ag中にZn1〜10重量%とTe、Co、Ni、
Cu、Ge、Ti、Pbの少なくとも1種を、合計で
0.5〜1重量%を添加して成る摺動接点材料が開示さ
れているが、これらTe、Co、Ni、Cu、Ge、T
i、Pb、はZnよりも酸化し易く、AgZn合金に添
加する理由は、酸化を或る程度抑制し、主目的は耐硫化
性、潤滑性を維持しつつ耐摩耗性を向上させ、しかも接
触抵抗を低く安定させることにある。
【0014】前記、公開公報に開示されている材料の接
触抵抗は、AgCu合金やAgCuCd合金と同程度で
あり、この発明が意図している点、即ち「電池の起電力
が低下してもモータが始動するという低始動電圧及び、
それによって一度充電した後次に充電するまでの時間が
長くなるという連続使用時間の拡大」という課題の解決
に対して、いまひとつ満足のいくものではなく、更なる
改善が求められていた。
【0015】さらに、関連する技術として、特開昭56
−130094号には、Ag中に、Mg、Fe、Mg、
Sn、Si、Cd、Mnのうち少なくとも1種を0.0
5〜1重量%と、Ni Fe Coのうち少なくとも1
種を0.05〜0.5重量%含有せしめたAg合金を内
部酸化せしめた整流子材料が開示されているが、このも
のは機械的強度を向上せしめ結果として耐摩耗特性を求
めるのが主目的であり、接触抵抗に関しては、従来一般
に使用されているAgCu合金と同程度のものでしかな
く、また前記始動電圧、起電力を考慮した低い接触抵抗
を満たすものではない。
【0016】そして、摺動接点材料としての内部酸化材
は、合金としての電気電導率が低いが、接点表面に既に
存在している酸化物のため、局部的に接触抵抗は高くな
る欠点があり、低い接触抵抗が要求される摺動部分に使
用するには難があり、接触抵抗に関しては現在も未解決
な問題が多い。
【0017】最近、充電式電池で駆動する家庭電化製品
の小型化傾向に伴い、特に、ヘッドホンステレオ、カメ
ラ、シェーバにあっては、始動電圧が低いモータを使用
し、充電式電池の小型化と軽量化が可能なマイクロモー
タ用コンミテータ開発が益々急務となっている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
特に低接触抵抗に優れ、電気的機能も良好で、経時変化
のない、従来技術により製造されたものに比して実用上
遜色のない耐摩耗性を有し、かつ、十分Cdに代わり得
る摺動接点材料の開発をこの発明の技術的課題として、
長期にわたって研究を重ねた結果、合金を構成する金属
組成ならびに配合比、金属組織の改良により、接触抵抗
を低下させる技術を、下記の構成により達成できたので
ある。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明の構成は、下記
の通りである。 1 電気的、機械的摺動部の摺動接点材料に用いるAg
Zn合金で、0.01〜1.0重量%未満のZn、残部
Agとしたことを特徴とする摺動接点材料。 2 AgZn合金のAgα相中に、Znが固溶している
ことを特徴とする前記1記載の摺動接点材料。 3 電気的、機械的摺動部の摺動接点材料に用いるAg
ZnNi合金で、0.01〜1.0重量%未満のZn、
0.01〜0.5重量%未満のNi、残部Agとしたこ
とを特徴とする摺動接点材料。 4 AgZnNi合金のAgα相中に、Znが固溶し、
Ni粒子は分散していることを特徴とする前記3記載の
摺動接点材料。 5 電気的、機械的摺動部の摺動接点材料に用いるAg
Mg合金で、0.01〜1.0重量%のMg、残部Ag
としたことを特徴とする摺動接点材料。 6 AgMg合金のAgα相中に、Mgが固溶している
ことを特徴とする前記5記載の摺動接点材料。 7 電気的、機械的摺動部の摺動接点材料に用いるAg
MgNi合金で、0.01〜1.0重量%のMg、0.
01〜0.5重量%のNi、残部Agとしたことを特徴
とする摺動接点材料。 8 AgMgNi合金のAgα相中に、Mgが固溶し、
Ni粒子は分散していることを特徴とする前記7記載の
摺動接点材料。 9 表面層が0.01〜1.0重量%未満のZn、残部
AgとしたAgZn合金、又は表面層が0.01〜1.
0重量%のMg、残部AgとしたAgMg合金であり、
ベース層がCu又はCu合金の二層張りとしたことを特
徴とするクラッド複合材。 10 表面層が0.01〜1.0重量%未満のZn、
0.01〜0.5重量%未満のNi、残部AgとしたA
gZnNi合金、又は表面層が0.01〜1.0重量%
のMg、0.01〜0.5重量%未満のNi、残部Ag
としたAgMgNi合金、ベース層がCu又はCu合金
の二層張りとしたことを特徴とするクラッド複合材。 11 表面層がAgZn合金又はAgZnNi合金、も
しくはAgMg合金又はAgMgNi合金で、ベース層
がCu又はCu合金の二層張りとした前記9及び前記1
0記載のクラッド複合材を、コンミテータとして使用し
たことを特徴とする直流小型モータ。
【0020】この発明は、摺動接点材料について種々実
験を行い、Ag中にZnが0.01〜1.0重量%未満
含有され、しかもそのZnがAgα相中に均一に固溶さ
れた状態の組織とした場合、滑性付与に役立ち接触抵抗
が極めて低く、従来技術により製造されたものに比して
実用上何ら遜色のない耐摩耗性を有し、かつ、十分Cd
に代わり得るクラッド複合材が得られることを知見した
のである。
【0021】また、同様にAg中にMgが0.01〜1
重量%含有され、MgがAgα相中に均一に固溶された
状態の組織とした場合、Znと同様その摺動接点材料の
表面にZnやMgの酸化物の皮膜(通称酸化バンドと言
う)が形成されることもない素材として発見され、通電
性や接触安定性を阻害する問題も解消された。
【0022】この発明の摺動接点材料は、Zn又はMg
を含むこと、それに加えてNiが、Znと併用の場合は
0.01〜0.5重量%未満、Mgと併用する場合には
0.01〜0.5重量%分散していることにより耐摩耗
性を維持し、しかもマトリックスは固溶元素Zn、Mg
の極めて少ないAgα相となっているため、空気中に放
置しても(経時変化に対して)酸化バンドを形成しない
から、接触抵抗が上がらないこととなる。
【0023】
【作用】前記の如く、Agα相中にZnが0.01〜
1.0重量%未満固溶し、又はMgが0.01〜1.0
重量%固溶しているため、合金の表面に酸化物の皮膜
(酸化バンド)は不必要に生成することなく、コンミテ
ータと刷子が摺動中に僅かに発生してくるZnO又はM
gOの皮膜が、良好な滑性を保ちつつ摩擦抵抗を低める
作用効果を奏するのである。そしてZnOならびにMg
Oは、それ自体導電性を有するため電気的性能に全く支
障はない。
【0024】この発明で大切なことは、摺動中に生ずる
金属表面の酸化物の皮膜即ち、僅かな酸化バンドは、円
滑な摺動を捉し耐摩耗性を向上させるものの、摺動接点
材料としての接触機能を阻害する要素ともなり得るの
で、酸化バンドの摺動特性への悪影響を最小限に抑える
ことが品質の良否の決め手となる。
【0025】従来のAgCuやAgCuCdでは、固溶
元素(Cu)をたとえ少量添加しても、空気中に放置す
ると固溶元素の酸化物が、接点表面に酸化バンドとして
生成され(例えばCuO)、接触抵抗が高くなるもので
ある。
【0026】前記、先行技術に係るAgZnNi合金に
比して、この発明の目的を達成するには、Zn以外の元
素を全く添加しないAgZn合金の方がむしろ良いこと
が判った。しかしながら、0.01重量%未満の添加で
は、その添加効果はなく、1重量%以上だと、空気中に
放置しておいた場合Znが酸化してバンドを生成し接触
抵抗が高くなる。このZnの添加量は0.5〜1.0重
量%未満が最も効果的である。
【0027】一方、Ag中に少量のZnを添加したAg
Zn合金、例えばAg99.1Zn0.9合金は、加工
上りでビッカース硬度が134Hvになるが、室温で数
日間放置するだけで時効軟化を起こし120Hvまでビ
ッカース硬度が低下する場合がある。この現象自体は、
実用上問題になるほど摺動特性を低下させない。しか
し、クラッド複合材をプレスで打抜く際の寸法誤差等が
モータを組立てる上での不具合を生じる場合があり、そ
のため、このような材料の時効軟化を防止するには、A
gZn合金中にNiを少量添加するのがよい。
【0028】そのNiの添加量は、0.01重量%未満
では見るべき効果はなく、0.5重量%以上だとNiが
不均一に偏析し、しかも、コンミテータ摺動中に接点表
面に分散しているNi粒子が酸化物を生成し、局部的に
接触抵抗を高めてしまう欠点がある。実際に先行技術に
係わるNiを0.5〜1重量%添加したAgZnNi合
金は、Niの添加により耐摩耗性を向上させるのが目的
であったため、接触抵抗は上昇してしまい、この発明の
課題は解決できない。この時効軟化を防止するためのN
iの添加量は0.2〜0.4重量%が最も効果的であ
り、前記、先行技術における添加量では耐摩耗性につい
ては殆ど向上しない。
【0029】その他の、先行技術に係るAgMgNiを
内部酸化した合金に比して、この発明の目的を達成する
ためには、内部酸化をしないAgMg合金の方がかえっ
て良い結果をもたらすことが判明した。しかしながら、
Mgの添加量が0.01重量%未満ではその添加効果が
なく、逆に1.0重量%を超えると空気中に放置すると
酸化してバンドを生成し接触抵抗が高くなる。このMg
の添加量は0.3〜0.6重量%であるのが最も効果的
である。
【0030】他方、Ag中に少量のMgを添加したAg
Mg合金は、AgZn合金と同様に室温で数日間放置す
るだけでも時効軟化を起こす場合があり、その時効軟化
を防止するには、AgMg合金にNiを添加することが
よい。しかし、0.01重量%未満ではそれを防止する
効果はなく、0.5重量%を超えるとNiが不均一に偏
析し、しかもコンミテータ摺動中に接点表面に分散して
いるNi粒子が酸化物を生成し、局部的に接触抵抗を高
めてしまう欠点がある。
【0031】この発明の摺動接点材料を組込んだマイク
ロモーターは、コンミテータと刷子との接触抵抗が低く
安定し、また、経時変化もなく、常時支障なくより低い
始動電圧でマイクロモーターを回転させることが出来
る。なお、前記二層張りの表面に更にAu又はAu合金
を張り合わせて三層張りとしたクラッド複合材において
も同様の効果が得られる。次に、実施例に基づいてこの
発明を詳説する。
【0032】
【実施例1〜12、従来例1〜2及び比較例1〜6】下
記の表1に示した成分組成の材料は順次、溶解−鋳造−
面削−溝ロール加工して、5.5mm角とし、その後熱
処理(コンベア炉、650℃、250mm/min)
し、更に伸線加工を行い直径2mmの、実施例、従来例
及び比較例の材料とした。(表1参照)
【0033】然して、上記組成の実施例1〜12、従来
例1〜2及び比較例1〜6の試験材料として、直径2m
mの丸棒を用い、同径のAgPd50重量%の丸棒と十
字交差させて、下記の試験条件にて摺動試験を行い、摩
耗量(摩耗体積)及びその他の特性を求めたところ、表
2に示す結果を得た。 (注) 従来例および比較例とあるのは、本出願人に係
るコンミテータの先行技術を指す。
【0034】
【表1】
【0035】
【試験条件】
電流 DC170mA 荷重 25g 回転数 300rpm 振幅 0.5mm 温度、湿度 25℃、50%RH サイクル数 10万サイクル 可動接点材料 試験材料 固定接点材料 AgPd50重量%
【0036】
【摩耗体積について】なお、摺動試験後の試験材料にお
いては、可動接点材料(試験材料)から固定接点材料
(AgPd50重量%)へ材料の移転が起こっていた。
この摩耗部を楕円体に近似し、摩耗体積を計算した(V
=4πabc/3)。SEM(電子顕微鏡)写真より求
めた各材料の摩耗体積の結果を、図1に示す。各材料に
つき10点摺動試験しているので、摩耗体積の平均値を
計算した。
【0037】また、摺動試験中における、試験材料とA
gPd50の摩擦係数は、通常次のように変化する。摺
動試験初期においては、摩擦係数は低く(0.3程
度)、所謂マイルド摩耗の状態にある。この時材料の凝
着移転は、殆ど起こっていないと考えられる。摺動試験
中期においては、摩擦係数が次第に高くなり、摺動試験
後期においては、摩擦係数は高いまま一定になる(1、
2程度)。
【0038】これが所謂シビア摩耗の状態である。ここ
までになると、材料の凝着移転が起こり、摩耗が進んで
いると考えられる。そこで、シビア摩耗−マイルド摩耗
の遷移が起こる摺動回数が、材料の凝着移転の起こり易
さを評価するパラメータの一つになると考えた。この値
は、摺動試験中の摩擦係数のデータより求め、ワイブル
確率紙にプロットした。
【0039】上記ワイブル確率紙よりm値、平均寿命に
ついてまとめたのが次の表2である。
【0040】また、接触抵抗の経時変化を評価した結果
を表3に示す。尚、加速評価として大気中で200℃に
6時間加熱処理し、酸化皮膜を生成させるエージング処
理をした。エージング処理前及びエージング処理後の試
料を横河ヒューレットパッカード社のミリオームメータ
ー4328Aを用い、Auのプローブ、接触荷重10g
で交流四端子法にて50点各々の接触抵抗を測定した。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】この発明による合金組成からなる摺動接
点材料及びクラッド複合材は、その貴金属表面層となる
Agα相中に特定量のZn又はMgが固溶し、且つ、N
i粒子が均一に分散しているものであるから、表面層は
酸化バンドの悪影響もなく優れた電気的特性を示し、か
つ接触抵抗が低く、また、経時変化のない、加えて耐摩
耗性も予測の域をはるかに超えた、商品価値の高いもの
である。
【0044】しかも、Agα相マトリックス中に固溶し
ているZn又はMg、及び分散しているNi粒子が、例
え摺動時に選択的に酸化しても、接触抵抗を上昇させる
ような全面的な酸化は回避できるという予期しえない作
用効果を奏する。したがって、この発明の摺動接点材料
は、低接触抵抗を効果的に維持、長期使用を可能にする
特別顕著な作用効果、特に充電式電池を使用する直流小
型モータを備える家庭用電化製品において、優れた機能
を持つ摺動接点材料及びクラッド複合材である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気的、機械的摺動部の摺動接点材料に
    用いるAgZn合金で、0.01〜1.0重量%未満の
    Zn、残部Agとしたことを特徴とする摺動接点材料。
  2. 【請求項2】 AgZn合金のAgα相中に、Znが固
    溶していることを特徴とする請求項1記載の摺動接点材
    料。
  3. 【請求項3】 電気的、機械的摺動部の摺動接点材料に
    用いるAgZnNi合金で、0.01〜1.0重量%未
    満のZn、0.01〜0.5重量%未満のNi、残部A
    gとしたことを特徴とする摺動接点材料。
  4. 【請求項4】 AgZnNi合金のAgα相中に、Zn
    が固溶し、Ni粒子は分散していることを特徴とする請
    求項3記載の摺動接点材料。
  5. 【請求項5】 電気的、機械的摺動部の摺動接点材料に
    用いるAgMg合金で、0.01〜1.0重量%のM
    g、残部Agとしたことを特徴とする摺動接点材料。
  6. 【請求項6】 AgMg合金のAgα相中に、Mgが固
    溶していることを特徴とする請求項5記載の摺動接点材
    料。
  7. 【請求項7】 電気的、機械的摺動部の摺動接点材料に
    用いるAgMgNi合金で、0.01〜1.0重量%の
    Mg、0.01〜0.5重量%のNi、残部Agとした
    ことを特徴とする摺動接点材料。
  8. 【請求項8】 AgMgNi合金のAgα相中に、Mg
    が固溶し、Ni粒子は分散していることを特徴とする請
    求項7記載の摺動接点材料。
  9. 【請求項9】 表面層が0.01〜1.0重量%未満の
    Zn、残部AgとしたAgZn合金、又は表面層が0.
    01〜1.0重量%のMg、残部AgとしたAgMg合
    金であり、ベース層がCu又はCu合金の二層張りとし
    たことを特徴とするクラッド複合材。
  10. 【請求項10】 表面層が0.01〜1.0重量%未満
    のZn、0.01〜0.5重量%未満のNi、残部Ag
    としたAgZnNi合金、又は表面層が0.01〜1.
    0重量%のMg、0.01〜0.5重量%のNi、残部
    AgとしたAgMgNi合金、ベース層がCu又はCu
    合金の二層張りとしたことを特徴とするクラッド複合
    材。
  11. 【請求項11】 表面層がAgZn合金又はAgZnN
    i合金、もしくはAgMg合金又はAgMgNi合金
    で、ベース層がCu又はCu合金の二層張りとした請求
    項9及び請求項10記載のクラッド複合材を、コンミテ
    ータとして使用したことを特徴とする直流小型モータ。
JP7087383A 1995-03-20 1995-03-20 摺動接点材料及びクラッド複合材ならびにそれを使用した直流小型モータ Pending JPH08260078A (ja)

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EP1219717A1 (de) * 2000-12-20 2002-07-03 Allgemeine Gold- Und Silberscheideanstalt Ag Silberlegierung
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