JPH0821337B2 - 電子銃構体 - Google Patents
電子銃構体Info
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- JPH0821337B2 JPH0821337B2 JP18932183A JP18932183A JPH0821337B2 JP H0821337 B2 JPH0821337 B2 JP H0821337B2 JP 18932183 A JP18932183 A JP 18932183A JP 18932183 A JP18932183 A JP 18932183A JP H0821337 B2 JPH0821337 B2 JP H0821337B2
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- grid
- electron gun
- electron beam
- halo
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J29/00—Details of cathode-ray tubes or of electron-beam tubes of the types covered by group H01J31/00
- H01J29/46—Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the ray or beam, e.g. electron-optical arrangement
- H01J29/48—Electron guns
- H01J29/50—Electron guns two or more guns in a single vacuum space, e.g. for plural-ray tube
- H01J29/503—Three or more guns, the axes of which lay in a common plane
Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は電子銃構体に係り、特にカラー受像管に使用
される3本の電子銃が一列に配設された所謂インライン
型電子銃構体に関するものである。
される3本の電子銃が一列に配設された所謂インライン
型電子銃構体に関するものである。
第1図に示すようにカラー受像管(10)はパネル、フ
ァンネル及びネックからなるガラス外囲器(11)のネッ
ク内に封入された電子銃構体(12)から射出される複数
本の電子ビーム(13)をガラス外囲器(11)外の偏向装
置(14)により偏向走査し、シャドウマスク(15)に穿
設された多数の電子ビーム通過孔部を介して蛍光面(1
6)に射突させ、この蛍光面(16)にカラー映像を描か
せるようになっている。
ァンネル及びネックからなるガラス外囲器(11)のネッ
ク内に封入された電子銃構体(12)から射出される複数
本の電子ビーム(13)をガラス外囲器(11)外の偏向装
置(14)により偏向走査し、シャドウマスク(15)に穿
設された多数の電子ビーム通過孔部を介して蛍光面(1
6)に射突させ、この蛍光面(16)にカラー映像を描か
せるようになっている。
このようなカラー受像管(10)に使用される電子銃構
体(12)として、3本の電子銃が一列に配設された所謂
インライン型と呼ばれる構造の電子銃が一般的に用いら
れている。
体(12)として、3本の電子銃が一列に配設された所謂
インライン型と呼ばれる構造の電子銃が一般的に用いら
れている。
また偏向装置(14)の発生する偏向磁界は、水平偏向
磁界が強い糸巻状、垂直偏向磁界が強い樽状を呈する非
斉一磁界とし、画面周辺部で3本の電子ビーム(13)を
一致させる所謂セルフコンバーゼンス方式と呼ばれる磁
界分布を形成するのが一般的である。
磁界が強い糸巻状、垂直偏向磁界が強い樽状を呈する非
斉一磁界とし、画面周辺部で3本の電子ビーム(13)を
一致させる所謂セルフコンバーゼンス方式と呼ばれる磁
界分布を形成するのが一般的である。
このような偏向磁界中を電子ビーム(13)が通過する
と、電子ビーム(13)は偏向収差と呼ばれる歪を受け
る。この結果、画面周辺部で電子ビーム(13)の形状は
第2図に示すように著しく歪んだものとなる。
と、電子ビーム(13)は偏向収差と呼ばれる歪を受け
る。この結果、画面周辺部で電子ビーム(13)の形状は
第2図に示すように著しく歪んだものとなる。
即ち、輝点は斜線で示すコア(23)とハロー(24)の
2つの成分により構成され、水平軸(X−X)端部(2
1)ではコア(23)が横長になり、垂直方向にハロー(2
4)が見られ、対角部(22)ではコア(23)が斜めに傾
き、このコア(23)の垂直方向にハロー(24)が見ら
れ、垂直軸(Y−Y)端部(25)ではコア(23)が横長
になり、垂直方向にハロー(24)が見られる。
2つの成分により構成され、水平軸(X−X)端部(2
1)ではコア(23)が横長になり、垂直方向にハロー(2
4)が見られ、対角部(22)ではコア(23)が斜めに傾
き、このコア(23)の垂直方向にハロー(24)が見ら
れ、垂直軸(Y−Y)端部(25)ではコア(23)が横長
になり、垂直方向にハロー(24)が見られる。
このように、電子ビームの形状が歪んだものとなるた
め、画面周辺部では解像度が劣化し、フォーカスの均一
性が損なわれる。
め、画面周辺部では解像度が劣化し、フォーカスの均一
性が損なわれる。
次に従来最も一般的なバイポテンシャル型電子銃構体
について第3図により説明する。但し、この第3図は1
つの電子銃を模式図で示したものである。
について第3図により説明する。但し、この第3図は1
つの電子銃を模式図で示したものである。
即ち、電子銃構体は陰極(30)、第1グリッド(3
1)、第2グリッド(32)、第3グリッド(33)及び第
4グリッド(34)が中心軸(35)上に順次配列された構
造に形成されている。このうち陰極(30)、第1グリッ
ド(31)、第2グリッド(32)は3極部と呼ばれ、第3
グリッド(33)と第4グリッド(34)間には主レンズ
(36)が形成される。
1)、第2グリッド(32)、第3グリッド(33)及び第
4グリッド(34)が中心軸(35)上に順次配列された構
造に形成されている。このうち陰極(30)、第1グリッ
ド(31)、第2グリッド(32)は3極部と呼ばれ、第3
グリッド(33)と第4グリッド(34)間には主レンズ
(36)が形成される。
この様な電子銃構体において、例えば陰極(30)には
約150V、第1グリッド(31)は接地、第2グリッド(3
2)には600V、第3グリッド(33)には約5kV、第4グリ
ッド(34)には約25kVの電圧が夫々印加される。
約150V、第1グリッド(31)は接地、第2グリッド(3
2)には600V、第3グリッド(33)には約5kV、第4グリ
ッド(34)には約25kVの電圧が夫々印加される。
このような電圧の印加により、陰極(30)、第1グリ
ッド(31)及び第2グリッド(32)の3極部は電子ビー
ムの発生と主レンズ(36)に対する物点を形成し、この
3極部からの電子ビームは第3グリッド(33)と第4グ
リッド(34)により形成される主レンズ(36)により集
束され、蛍光面上に集束された電子ビームのスポットが
得られる。また第2グリッド(32)と第3グリッド(3
3)によりフォーカスレンズ(37)が形成される。この
フォーカスレンズ(37)は、主レンズ(36)に対して電
子ビームを予備集束する作用を有している。
ッド(31)及び第2グリッド(32)の3極部は電子ビー
ムの発生と主レンズ(36)に対する物点を形成し、この
3極部からの電子ビームは第3グリッド(33)と第4グ
リッド(34)により形成される主レンズ(36)により集
束され、蛍光面上に集束された電子ビームのスポットが
得られる。また第2グリッド(32)と第3グリッド(3
3)によりフォーカスレンズ(37)が形成される。この
フォーカスレンズ(37)は、主レンズ(36)に対して電
子ビームを予備集束する作用を有している。
このような電子銃構体から射出される電子ビームは主
レンズ(36)の集束作用により大4図に示すように、主
レンズ(36)の球面収差により蛍光面(16)より外側で
集束する特性即ちアンダーフォーカス特性を示すコア
(41)と、蛍光面(16)より内側で集束する特性即ちオ
ーバーフォーカス特性を示すハロー(42)の2つの構成
成分を有する電子ビームとなる。
レンズ(36)の集束作用により大4図に示すように、主
レンズ(36)の球面収差により蛍光面(16)より外側で
集束する特性即ちアンダーフォーカス特性を示すコア
(41)と、蛍光面(16)より内側で集束する特性即ちオ
ーバーフォーカス特性を示すハロー(42)の2つの構成
成分を有する電子ビームとなる。
この両成分のフォーカス状態は、主レンズ(36)の形
成状態により異なる。一般的には、画面の中心でコア
(41)とハロー(42)が重なるように第3グリッド(3
3)の電圧で調整される。
成状態により異なる。一般的には、画面の中心でコア
(41)とハロー(42)が重なるように第3グリッド(3
3)の電圧で調整される。
しかし、画面周辺部に偏向されると、その偏向磁界の
偏向収差の影響により、画面周辺部では、コア(41)と
ハロー(42)とは精確には重なり合わず、第2図に示し
たように輝点部であるコア(23)のまわりに、にじみお
してのハロー(24)が現われることになる。
偏向収差の影響により、画面周辺部では、コア(41)と
ハロー(42)とは精確には重なり合わず、第2図に示し
たように輝点部であるコア(23)のまわりに、にじみお
してのハロー(24)が現われることになる。
この対策として、フォーカスの均一性を向上させるた
めに、電子銃内に非回転対称レンズを形成し、電子ビー
ムの形状を改良する構造が提案されている。
めに、電子銃内に非回転対称レンズを形成し、電子ビー
ムの形状を改良する構造が提案されている。
その一例として第3グリッドの陰極側の垂直方向にス
リット状凹溝部が設置された電子銃構体を第5図の模式
図により説明する。
リット状凹溝部が設置された電子銃構体を第5図の模式
図により説明する。
即ち、陰極(30)、第1グリッド(31)、第2グリッ
ド(32)、第3グリッド(33)、第4グリッド(34)か
らなる電子銃構体の第3グリッド(33)の第2グリッド
(32)に対する電子ビーム通過孔部(33a)を垂直方向
(Y−Y)に設けたスリット状凹溝部(50)内に設ける
ことにより、電子ビーム通過孔部(33a)近傍に垂直方
向の断面図である第5図(a)に示したように垂直方向
に肉薄部(51)、水平方向(X−X)の断面図である第
5図(b)に示すように水平方向に肉厚部(52)を形成
するようになる。従って、この部分での電界分布の形状
は垂直方向の電界分布(53)に比べて水平方向の電界分
布(54)が主レンズ(36)側に深く浸透し、その結果、
電子ビームの発散角は垂直方向よりも大きくなる。
ド(32)、第3グリッド(33)、第4グリッド(34)か
らなる電子銃構体の第3グリッド(33)の第2グリッド
(32)に対する電子ビーム通過孔部(33a)を垂直方向
(Y−Y)に設けたスリット状凹溝部(50)内に設ける
ことにより、電子ビーム通過孔部(33a)近傍に垂直方
向の断面図である第5図(a)に示したように垂直方向
に肉薄部(51)、水平方向(X−X)の断面図である第
5図(b)に示すように水平方向に肉厚部(52)を形成
するようになる。従って、この部分での電界分布の形状
は垂直方向の電界分布(53)に比べて水平方向の電界分
布(54)が主レンズ(36)側に深く浸透し、その結果、
電子ビームの発散角は垂直方向よりも大きくなる。
このように垂直方向と水平方向で発散角が異なる電子
ビームは主レンズ(36)に入射する際に発散角の小さい
垂直成分は主レンズ(36)内側に入射する。そして内側
に入射した垂直成分は主レンズ(36)の球面収差によ
り、その集束位置が主レンズ(36)の外側を通る水平成
分の集束位置より離された位置となる。その結果、電子
ビームのコアは蛍光面(16)上で例えば垂直偏向時には
垂直方向に長くなり、偏向収差によう水平方向に長くな
る現象に対処している。
ビームは主レンズ(36)に入射する際に発散角の小さい
垂直成分は主レンズ(36)内側に入射する。そして内側
に入射した垂直成分は主レンズ(36)の球面収差によ
り、その集束位置が主レンズ(36)の外側を通る水平成
分の集束位置より離された位置となる。その結果、電子
ビームのコアは蛍光面(16)上で例えば垂直偏向時には
垂直方向に長くなり、偏向収差によう水平方向に長くな
る現象に対処している。
このことを電子ビームのハローについて説明すると、
ハローについても同様に集束位置は垂直方向成分の方が
水平方向成分に比べて主レンズ(36)から離れた位置に
あるが、ハローはオーバーフォーカス特性を呈するため
に蛍光面(16)上で例えば垂直偏向時には、垂直方向が
短くなるようになる。これは垂直方向に出るハローを抑
えることになる。
ハローについても同様に集束位置は垂直方向成分の方が
水平方向成分に比べて主レンズ(36)から離れた位置に
あるが、ハローはオーバーフォーカス特性を呈するため
に蛍光面(16)上で例えば垂直偏向時には、垂直方向が
短くなるようになる。これは垂直方向に出るハローを抑
えることになる。
以上の原理より非回転対称レンズを用いれば、電子ビ
ームの歪を補正でき、かつにじみを小さくすることがで
きる。
ームの歪を補正でき、かつにじみを小さくすることがで
きる。
しかしながら非回転対称レンズを3本の電子ビームに
対して同じ構成で用いると次のような問題が生ずる。
対して同じ構成で用いると次のような問題が生ずる。
即ち、インライン型に配列された3本の電子銃から射
出される3本の電子ビームは、管軸近傍を通り、3電子
ビームの中央に位置するセンタービームとその両側に位
置するサイドビームとからなるが、電子ビームの歪みの
原因である偏向収差、すなわち偏向磁界の歪の状態は3
本の電子ビームの通過位置によって異なる。そのために
3本の電子ビームの歪の状態は同一ではない。このよう
に歪の異なる3本の電子ビームに対して同じ構成の非回
転対称レンズを用いて偏向収差の歪を補正するのは適当
でない。
出される3本の電子ビームは、管軸近傍を通り、3電子
ビームの中央に位置するセンタービームとその両側に位
置するサイドビームとからなるが、電子ビームの歪みの
原因である偏向収差、すなわち偏向磁界の歪の状態は3
本の電子ビームの通過位置によって異なる。そのために
3本の電子ビームの歪の状態は同一ではない。このよう
に歪の異なる3本の電子ビームに対して同じ構成の非回
転対称レンズを用いて偏向収差の歪を補正するのは適当
でない。
このことを第6図を用いて説明すると、強い樽形を示
す垂直磁界(60)中をインライン型に配設された電子ビ
ーム(61),(62),(63)が通過する場合、3本の電
子ビームはその通過位置が異なるため、磁界分布の状態
が違う場所を通り、偏向磁界より受ける力(64),(6
5),(66)の大きさと方向が異なる。そのため、蛍光
面(16)では電子ビームは第7図に示すような形状とな
り、コア(71)やハロー(72)の大きさ、形状が異なっ
たものとなる。即ちサイドビームはコア、ハローとも垂
直方向長がセンタービームに比べて大きくなる。
す垂直磁界(60)中をインライン型に配設された電子ビ
ーム(61),(62),(63)が通過する場合、3本の電
子ビームはその通過位置が異なるため、磁界分布の状態
が違う場所を通り、偏向磁界より受ける力(64),(6
5),(66)の大きさと方向が異なる。そのため、蛍光
面(16)では電子ビームは第7図に示すような形状とな
り、コア(71)やハロー(72)の大きさ、形状が異なっ
たものとなる。即ちサイドビームはコア、ハローとも垂
直方向長がセンタービームに比べて大きくなる。
実際の測定によって得られた垂直偏向された電子ビー
ムのコアとハローの垂直軸方向長を第1表に示す。ただ
し測定条件はインライン型電子銃構体と非斉一磁界を生
じるセルフコンバーゼンス方式の偏向ヨークを用いて陰
極電流4mA、陽極電圧25kVとした。
ムのコアとハローの垂直軸方向長を第1表に示す。ただ
し測定条件はインライン型電子銃構体と非斉一磁界を生
じるセルフコンバーゼンス方式の偏向ヨークを用いて陰
極電流4mA、陽極電圧25kVとした。
第1表から明らかなように、偏向収差による影響がセ
ンタービーム(G)とサイドビーム(R),(B)とで
は異なり、電子ビームの垂直方向長はコアで0.5mm、ハ
ローで0.35mmのサイドビームの平均値の方がセンタービ
ームより大きくなっている。
ンタービーム(G)とサイドビーム(R),(B)とで
は異なり、電子ビームの垂直方向長はコアで0.5mm、ハ
ローで0.35mmのサイドビームの平均値の方がセンタービ
ームより大きくなっている。
このような偏向収差により垂直方向長の異なった3本
の電子ビームに対して同じ構成による非回転対称レンズ
を用いると、非回転対称レンズは電子ビームのコアを縦
長にする作用があるために、偏差収差により垂直方向に
長くなったサイドビームはセンタービームと同じ比率だ
け大きくなるとしても、実際の蛍光面上での垂直方向の
差はより大きくなる。
の電子ビームに対して同じ構成による非回転対称レンズ
を用いると、非回転対称レンズは電子ビームのコアを縦
長にする作用があるために、偏差収差により垂直方向に
長くなったサイドビームはセンタービームと同じ比率だ
け大きくなるとしても、実際の蛍光面上での垂直方向の
差はより大きくなる。
この非回転対称レンズを用いた場合について実際の測
定によって得られた垂直偏向された電子ビームのコアと
ハローの垂直方向長を第2表に示す。測定条件は第1表
と同様である。なお、第2表では第3グリッドの陰極側
に0.3mm幅の縦方向(垂直方向)のスリットを形成した
インライン型電子銃構体を使用した。
定によって得られた垂直偏向された電子ビームのコアと
ハローの垂直方向長を第2表に示す。測定条件は第1表
と同様である。なお、第2表では第3グリッドの陰極側
に0.3mm幅の縦方向(垂直方向)のスリットを形成した
インライン型電子銃構体を使用した。
第2表から明らかなように偏向収差による影響はセン
タービーム(G)とサイドビーム(R),(B)とで一
層異なり、コアで1.45mm、ハローで1.7mmになる。
タービーム(G)とサイドビーム(R),(B)とで一
層異なり、コアで1.45mm、ハローで1.7mmになる。
一方非回転対称レンズの長所であるハローの垂直方向
長を抑える効果については、第1表及び第2表を比較す
ると、第1表では3電子ビーム平均でハローが8.4mm、
コアが4.6mmなのに対して、非回転対称レンズを用いた
第2表ではハローが7.3mm、コアが5.5mmである。
長を抑える効果については、第1表及び第2表を比較す
ると、第1表では3電子ビーム平均でハローが8.4mm、
コアが4.6mmなのに対して、非回転対称レンズを用いた
第2表ではハローが7.3mm、コアが5.5mmである。
上述のように3電子ビームに対して同じ構成よりなる
非回転対称レンズを用いて非斉一磁界の偏向収差による
電子ビームの形状の歪や大きさを改善する構造では、電
子ビームの垂直方向の大きさがセンタービームとサイド
ビームとで著しく異なる。しかもこれを改善する有効な
対策は未だ見出されていない現状である。
非回転対称レンズを用いて非斉一磁界の偏向収差による
電子ビームの形状の歪や大きさを改善する構造では、電
子ビームの垂直方向の大きさがセンタービームとサイド
ビームとで著しく異なる。しかもこれを改善する有効な
対策は未だ見出されていない現状である。
本発明は上述した問題点に鑑みなされたものであり、
陰極及び複数のグリッドから構成され、少なくとも1ヶ
所に非回転対称レンズを有する電子銃が3個一列に配設
されてなる電子銃構体に於て、この非回転対称レンズを
中央及び両側の電子銃で異ならしめることにより、これ
ら電子銃からの電子ビームの大きさ、形状の差異を少く
することが可能な電子銃構体を提供することを目的とし
ている。
陰極及び複数のグリッドから構成され、少なくとも1ヶ
所に非回転対称レンズを有する電子銃が3個一列に配設
されてなる電子銃構体に於て、この非回転対称レンズを
中央及び両側の電子銃で異ならしめることにより、これ
ら電子銃からの電子ビームの大きさ、形状の差異を少く
することが可能な電子銃構体を提供することを目的とし
ている。
即ち、本発明は陰極及び複数のグリッドから構成さ
れ、陰極から射出される電子ビームを少なくとも1ヶ所
の非回転対称レンズを介して螢光面に射突するようにな
された電子銃を中央及び両側に一列に配設されてなる電
子銃構体において、非回転対称レンズが中央及び両側の
電子銃の配列方向と直角方向に設けられた電子ビーム通
過孔部を含む凹溝部により形成され、凹溝部の深さが中
央の電子銃と両側の電子銃とで異なっていることを特徴
とする電子銃構体であり、両側の電子銃の凹溝部の深さ
に比し中央側の電子銃の凹溝部の深さが浅いこと、非回
転対称レンズを形成する電子ビーム通過孔部を含む凹溝
部が第3グリッドの陰極側に設けられていることを実施
態様としており、このような構成にすることにより、中
央の電子銃からのセンタービームと両側の電子銃からの
サイドビームの偏向収差の影響度合に応じて垂直方向と
水平方向の集束作用を異ならせることにより3本の電子
ビームの大きさ、形状を等しくして画面全体の解像度を
向上させようとするものである。
れ、陰極から射出される電子ビームを少なくとも1ヶ所
の非回転対称レンズを介して螢光面に射突するようにな
された電子銃を中央及び両側に一列に配設されてなる電
子銃構体において、非回転対称レンズが中央及び両側の
電子銃の配列方向と直角方向に設けられた電子ビーム通
過孔部を含む凹溝部により形成され、凹溝部の深さが中
央の電子銃と両側の電子銃とで異なっていることを特徴
とする電子銃構体であり、両側の電子銃の凹溝部の深さ
に比し中央側の電子銃の凹溝部の深さが浅いこと、非回
転対称レンズを形成する電子ビーム通過孔部を含む凹溝
部が第3グリッドの陰極側に設けられていることを実施
態様としており、このような構成にすることにより、中
央の電子銃からのセンタービームと両側の電子銃からの
サイドビームの偏向収差の影響度合に応じて垂直方向と
水平方向の集束作用を異ならせることにより3本の電子
ビームの大きさ、形状を等しくして画面全体の解像度を
向上させようとするものである。
次に本発明の電子銃構体の一実施例を第8図及び第9
図により説明する。
図により説明する。
即ち、電子銃構体(81)はそれぞれヒータ(82)を内
装する一列に配設された3個の陰極(83)に対応する位
置に電子ビーム通過孔部の穿設された第1グリッド(8
4)、第2グリッド(85)、第3グリッド(86)、第4
グリッド(87)及びコンバーゼンス電極(88)が図示し
ない絶縁支持棒にそれぞれの植設部を介して互いに所定
間隔をもつように固定されている。このうち、第1グリ
ッド(84)及び第2グリッド(85)はほぼ平板状電極、
第3グリッド(86)は2個のカップ状電極(86a),(8
6b)、第4グリッド(87)、コンバーゼンス電極(88)
はそれぞれカップ状電極から構成され、3本の電子ビー
ム(89a),(89b),(89c)を射出するようになって
いるのは良く知られているバイポテンシャル型一体化イ
ンライン電子銃構体とほぼ同様な構造であるが、本実施
例においては第3グリッド(86)のカップ状電極(86
a)の陰極(84)側に中央及び両側の電子銃の配列方向
(水平方向)と直角(垂直)方向に電子ビーム通過孔部
(90a),(90b),(90c)を含むスリット状凹溝部(9
1a),(91b),(91c)が設けられ、かつセンタービー
ム(89b)を射出する中央の電子銃のスリット状凹溝部
(91b)の深さがサイドビーム(89a),(89c)を射出
する両側の電子銃のスリット状凹溝部(91a),(91c)
の深さよりも浅く形成されていることを特徴としてい
る。
装する一列に配設された3個の陰極(83)に対応する位
置に電子ビーム通過孔部の穿設された第1グリッド(8
4)、第2グリッド(85)、第3グリッド(86)、第4
グリッド(87)及びコンバーゼンス電極(88)が図示し
ない絶縁支持棒にそれぞれの植設部を介して互いに所定
間隔をもつように固定されている。このうち、第1グリ
ッド(84)及び第2グリッド(85)はほぼ平板状電極、
第3グリッド(86)は2個のカップ状電極(86a),(8
6b)、第4グリッド(87)、コンバーゼンス電極(88)
はそれぞれカップ状電極から構成され、3本の電子ビー
ム(89a),(89b),(89c)を射出するようになって
いるのは良く知られているバイポテンシャル型一体化イ
ンライン電子銃構体とほぼ同様な構造であるが、本実施
例においては第3グリッド(86)のカップ状電極(86
a)の陰極(84)側に中央及び両側の電子銃の配列方向
(水平方向)と直角(垂直)方向に電子ビーム通過孔部
(90a),(90b),(90c)を含むスリット状凹溝部(9
1a),(91b),(91c)が設けられ、かつセンタービー
ム(89b)を射出する中央の電子銃のスリット状凹溝部
(91b)の深さがサイドビーム(89a),(89c)を射出
する両側の電子銃のスリット状凹溝部(91a),(91c)
の深さよりも浅く形成されていることを特徴としてい
る。
この様な構成による非回転対称レンズによれば、セン
タービーム(89b)のハローに比較し、サイドビーム(8
9a),(89c)のハローが垂直方向に長いという従来の
非回転対称レンズに対して、両側の電極の非回転対称レ
ンズを形成するスリット状凹溝部(91a),(91c)を中
央の電子銃の非回転対称レンズを形成するスリット状凹
溝部(91b)より深くすることにより、両側の電子銃で
はカップ状電極(86a)内に浸入する浸透電界はより陰
極(83)側で抑えられるため、浸透電界による電子ビー
ムの発散角が小さくなり、主レンズへの入射位置は球面
収差の小さい内側を通過することになる。その結果サイ
ドビーム(89a),(89c)の垂直方向成分の集束位置は
オーバーフォーカス特性を呈する。ハロー成分について
は、より蛍光面へ移動し、サイドビームのハローの縦方
向長を小さくすることができる。
タービーム(89b)のハローに比較し、サイドビーム(8
9a),(89c)のハローが垂直方向に長いという従来の
非回転対称レンズに対して、両側の電極の非回転対称レ
ンズを形成するスリット状凹溝部(91a),(91c)を中
央の電子銃の非回転対称レンズを形成するスリット状凹
溝部(91b)より深くすることにより、両側の電子銃で
はカップ状電極(86a)内に浸入する浸透電界はより陰
極(83)側で抑えられるため、浸透電界による電子ビー
ムの発散角が小さくなり、主レンズへの入射位置は球面
収差の小さい内側を通過することになる。その結果サイ
ドビーム(89a),(89c)の垂直方向成分の集束位置は
オーバーフォーカス特性を呈する。ハロー成分について
は、より蛍光面へ移動し、サイドビームのハローの縦方
向長を小さくすることができる。
この原理から中央の電子銃に対して両側の電子銃のス
リット状凹溝部の深さを深くすれば、センタービームと
サイドビームの垂直偏向磁界による偏向収差の影響の度
合を加味した電子ビームの補正が可能となる。実際の設
計値としてはスリット状凹溝部の深さを中央の電子銃で
0.3mm、両側の電子銃で0.45mm〜0.6mm程度にしたとき、
好結果が得られた。
リット状凹溝部の深さを深くすれば、センタービームと
サイドビームの垂直偏向磁界による偏向収差の影響の度
合を加味した電子ビームの補正が可能となる。実際の設
計値としてはスリット状凹溝部の深さを中央の電子銃で
0.3mm、両側の電子銃で0.45mm〜0.6mm程度にしたとき、
好結果が得られた。
上述のように本発明によれば、画面周辺部での3本の
電子ビーム形状の歪の差によるフォーカスの不均一を改
善することができるし、また構造も比較的簡単である。
電子ビーム形状の歪の差によるフォーカスの不均一を改
善することができるし、また構造も比較的簡単である。
第1図はカラー受像管の構成を示す概略説明用断面図、
第2図は蛍光面上の電子ビーム形状を示す説明用平面
図、第3図はバイポテンシャル型電子銃の構成を示す説
明用模式図、第4図は第3図における主レンズからの電
子ビームの軌跡を示す説明用模式図、第5図は非回転対
称レンズによる効果を示す図であり、第5図(a)は電
子ビームの垂直方向成分を示す説明図、第5図(b)は
電子ビームの水平方向成分を示す説明図、第5図(c)
は第5図(a)及び第5図(b)の第3グリッドの陰極
側に設けられたスリット状凹溝部を示す一部拡大斜視
図、第6図は樽状の非斉一な垂直磁界中で3本の電子ビ
ームが受ける力を示す説明用模式図、第7図は第6図の
電子ビームの蛍光面上の形状を示す平面図、第8図及び
第9図は本発明の電子銃構体の一実施例を示す図であ
り、第8図はバイポテンシャル型一体化インライン電子
銃構体の説明用断面図、第9図(a)は第3グリッドを
構成する陰極側のカップ状電極を示す斜視図、第9図
(b)は第3グリッドを構成する陰極側のカップ状電極
を示す側面図である。 12…電子銃、13,41,43…電子ビーム 14…偏向装置、15…シャドウマスク 16…蛍光面、23…コア 24…ハロー、30,83…陰極 31,84…第1グリッド、32,85…第2グリッド 33,86…第3グリッド、34,87…第4グリッド 36…主レンズ、37…フォーカスレンズ 33a,90a,90b,90c…電子ビーム通過孔部 50,91a,91b,91c…スリット状凹溝部
第2図は蛍光面上の電子ビーム形状を示す説明用平面
図、第3図はバイポテンシャル型電子銃の構成を示す説
明用模式図、第4図は第3図における主レンズからの電
子ビームの軌跡を示す説明用模式図、第5図は非回転対
称レンズによる効果を示す図であり、第5図(a)は電
子ビームの垂直方向成分を示す説明図、第5図(b)は
電子ビームの水平方向成分を示す説明図、第5図(c)
は第5図(a)及び第5図(b)の第3グリッドの陰極
側に設けられたスリット状凹溝部を示す一部拡大斜視
図、第6図は樽状の非斉一な垂直磁界中で3本の電子ビ
ームが受ける力を示す説明用模式図、第7図は第6図の
電子ビームの蛍光面上の形状を示す平面図、第8図及び
第9図は本発明の電子銃構体の一実施例を示す図であ
り、第8図はバイポテンシャル型一体化インライン電子
銃構体の説明用断面図、第9図(a)は第3グリッドを
構成する陰極側のカップ状電極を示す斜視図、第9図
(b)は第3グリッドを構成する陰極側のカップ状電極
を示す側面図である。 12…電子銃、13,41,43…電子ビーム 14…偏向装置、15…シャドウマスク 16…蛍光面、23…コア 24…ハロー、30,83…陰極 31,84…第1グリッド、32,85…第2グリッド 33,86…第3グリッド、34,87…第4グリッド 36…主レンズ、37…フォーカスレンズ 33a,90a,90b,90c…電子ビーム通過孔部 50,91a,91b,91c…スリット状凹溝部
Claims (3)
- 【請求項1】陰極及び複数のグリッドから構成され、前
記陰極から射出される電子ビームを少なくとも1ヶ所の
非回転対称レンズを介して螢光面に射突するようになさ
れた電子銃が中央及び両側に一列に配設されてなる電子
銃構体において、前記非回転対称レンズが中央及び両側
の電子銃の配列方向と直角方向に設けられた電子ビーム
通過孔部を含む凹溝部により形成され、前記凹溝部の深
さを前記中央の電子銃と前記両側の電子銃とで異ならし
めたことを特徴とする電子銃構体。 - 【請求項2】前記両側の電子銃の凹溝部の深さに比し前
記中央側の電子銃の凹溝部の深さが浅いことを特徴とす
る特許請求の範囲第1項記載の電子銃構体。 - 【請求項3】前記非回転対称レンズを形成する電子ビー
ム通過孔部を含む凹溝部が第3グリッドの陰極側に設け
られていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
の電子銃構体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18932183A JPH0821337B2 (ja) | 1983-10-12 | 1983-10-12 | 電子銃構体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18932183A JPH0821337B2 (ja) | 1983-10-12 | 1983-10-12 | 電子銃構体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6081736A JPS6081736A (ja) | 1985-05-09 |
JPH0821337B2 true JPH0821337B2 (ja) | 1996-03-04 |
Family
ID=16239400
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18932183A Expired - Lifetime JPH0821337B2 (ja) | 1983-10-12 | 1983-10-12 | 電子銃構体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0821337B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2586326B1 (fr) * | 1985-08-14 | 1987-11-20 | Videocolor | Canon a electrons pour tube a rayons cathodiques, notamment pour la television en couleurs |
KR950020925A (ko) * | 1993-12-14 | 1995-07-26 | 이헌조 | 칼라 수상관용 전자총 |
JPH08315751A (ja) | 1995-05-12 | 1996-11-29 | Hitachi Ltd | 陰極線管の偏向収差補正方法および陰極線管並びに画像表示装置 |
TW312801B (ja) | 1995-12-08 | 1997-08-11 | Toshiba Co Ltd | |
TW417132B (en) | 1996-02-27 | 2001-01-01 | Hitachi Ltd | CRT, deflection-defocusing correcting member therefor, a method of manufacturing same member, and an image display system including same CRT |
JPH09259787A (ja) * | 1996-03-19 | 1997-10-03 | Hitachi Ltd | カラー陰極線管 |
JPH1079234A (ja) * | 1996-09-04 | 1998-03-24 | Hitachi Ltd | カラー陰極線管のコンバーゼンス補正方法 |
JPH10116569A (ja) | 1996-10-14 | 1998-05-06 | Hitachi Ltd | 陰極線管の偏向収差補正方法 |
KR20000009418A (ko) * | 1998-07-24 | 2000-02-15 | 김영남 | 일체화 전극구체를 사용하는 인라인형 전자총 |
JP2002008557A (ja) * | 2000-06-19 | 2002-01-11 | Toshiba Corp | 陰極線管装置 |
-
1983
- 1983-10-12 JP JP18932183A patent/JPH0821337B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6081736A (ja) | 1985-05-09 |
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