JPH08158269A - 光反射性布帛の製造方法 - Google Patents
光反射性布帛の製造方法Info
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- JPH08158269A JPH08158269A JP29337494A JP29337494A JPH08158269A JP H08158269 A JPH08158269 A JP H08158269A JP 29337494 A JP29337494 A JP 29337494A JP 29337494 A JP29337494 A JP 29337494A JP H08158269 A JPH08158269 A JP H08158269A
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- Japan
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- resin
- cloth
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 光反射性の優れたソフトな風合を有する光反
射性布帛の製造方法を提供する。 【構成】 繊維布帛の片面に,アルミニウム,銀等を真
空蒸着,スパッタ蒸着等の薄膜加工を施し,該薄膜上に
ポリアクリル酸系樹脂またはポリウレタン系樹脂の単独
または混合樹脂に真球状透明ガラスビーズを含有させ
て,コーティング法等により樹脂層を形成する。
射性布帛の製造方法を提供する。 【構成】 繊維布帛の片面に,アルミニウム,銀等を真
空蒸着,スパッタ蒸着等の薄膜加工を施し,該薄膜上に
ポリアクリル酸系樹脂またはポリウレタン系樹脂の単独
または混合樹脂に真球状透明ガラスビーズを含有させ
て,コーティング法等により樹脂層を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,優れた光反射性とソフ
トな風合を有する光反射性布帛の製造方法に関するもの
である。
トな風合を有する光反射性布帛の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から,夜間の視認性に優れた再帰性
反射材にはガラスビーズ型とノンビーズ型があり,この
中では,ガラスビーズ型で,このガラスビーズが樹脂層
に埋没したクローズドタイプが主流をなしており,代表
的なものとして,道路標識類が主用途で感圧接着剤にて
貼りつけるタイプの反射シート,あるいは警察官,工事
用ベスト等の安全服が主用途で繊維布帛をラミネートし
た反射クロスがある。近年,安全に対する意識が深ま
り,夜間の歩行者,ジョギング者などに対する交通事故
防止対策として再帰性反射材が有効であるという認識が
高まり,ウインドブレーカー,トレーニングウェア等に
反射クロスが縫いつけされて使用されている。
反射材にはガラスビーズ型とノンビーズ型があり,この
中では,ガラスビーズ型で,このガラスビーズが樹脂層
に埋没したクローズドタイプが主流をなしており,代表
的なものとして,道路標識類が主用途で感圧接着剤にて
貼りつけるタイプの反射シート,あるいは警察官,工事
用ベスト等の安全服が主用途で繊維布帛をラミネートし
た反射クロスがある。近年,安全に対する意識が深ま
り,夜間の歩行者,ジョギング者などに対する交通事故
防止対策として再帰性反射材が有効であるという認識が
高まり,ウインドブレーカー,トレーニングウェア等に
反射クロスが縫いつけされて使用されている。
【0003】しかしながら,一般的なクローズドタイプ
の再帰性反射クロスの構成は,表面樹脂層,ガラス
ビーズ埋没層,焦点樹脂層,反射膜,接着剤層,
ラミネート布帛の多層構造をなしており,〜まで
の各層は,再帰性反射輝度を高めるためにガラスビーズ
径に適した厚さ精度が要求される。これらの理由で,製
造コストは非常に高く,さらに,風合が非常に硬い。ま
た,コスト面から鑑みて小面積を縫いつけて使用する場
合が多いが,違和感が強く,一体感に乏しい等の種々の
問題点を有しているのが現状である。
の再帰性反射クロスの構成は,表面樹脂層,ガラス
ビーズ埋没層,焦点樹脂層,反射膜,接着剤層,
ラミネート布帛の多層構造をなしており,〜まで
の各層は,再帰性反射輝度を高めるためにガラスビーズ
径に適した厚さ精度が要求される。これらの理由で,製
造コストは非常に高く,さらに,風合が非常に硬い。ま
た,コスト面から鑑みて小面積を縫いつけて使用する場
合が多いが,違和感が強く,一体感に乏しい等の種々の
問題点を有しているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上述の現状
に鑑みて行われたもので,優れた光反射性とソフトな風
合を有する光反射性布帛を製造することを目的とするも
のである。
に鑑みて行われたもので,優れた光反射性とソフトな風
合を有する光反射性布帛を製造することを目的とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記目的を達
成するもので,次の構成よりなるものである。すなわち
本発明は,「繊維布帛の片面に,アルミニウム,銀等の
光反射物質の薄膜を真空蒸着,スパッタ蒸着等の薄膜加
工法により形成後,該薄膜加工面に屈折率1.8以上の真
球状透明ガラスビーズを含有するポリアクリル酸系樹脂
またはポリウレタン系樹脂の単独または混合樹脂層を形
成することを特徴とする光反射性布帛の製造方法」を要
旨とするものである。以下,本発明について詳細に説明
を行う。
成するもので,次の構成よりなるものである。すなわち
本発明は,「繊維布帛の片面に,アルミニウム,銀等の
光反射物質の薄膜を真空蒸着,スパッタ蒸着等の薄膜加
工法により形成後,該薄膜加工面に屈折率1.8以上の真
球状透明ガラスビーズを含有するポリアクリル酸系樹脂
またはポリウレタン系樹脂の単独または混合樹脂層を形
成することを特徴とする光反射性布帛の製造方法」を要
旨とするものである。以下,本発明について詳細に説明
を行う。
【0006】本発明で使用する繊維布帛としては,ナイ
ロン6やナイロン66に代表されるポリアミド系合成繊
維,ポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエス
テル系合成繊維,ポリアクリロニトリル系合成繊維,ポ
リビニルアルコール系合成繊維,トリアセテート等の半
合成繊維,木綿,絹等の天然繊維,あるいはナイロン6
/木綿,ポリエチレンテレフタレート/木綿などの混紡
繊維から構成された織物,編物,不織布等を挙げること
ができるが,本発明では,真空蒸着,スパッタ蒸着の薄
膜加工を行う際,高真空を得やすい公定水分率の低いポ
リエステル系合成繊維が好適であり,さらに,鏡面ロー
ルを用いて適宜な条件でカレンダー加工を行い,布帛表
面を平滑にして反射膜を形成させれば,光反射性から鑑
みて一層効果的であるが,これらに限定されるものでは
ない。
ロン6やナイロン66に代表されるポリアミド系合成繊
維,ポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエス
テル系合成繊維,ポリアクリロニトリル系合成繊維,ポ
リビニルアルコール系合成繊維,トリアセテート等の半
合成繊維,木綿,絹等の天然繊維,あるいはナイロン6
/木綿,ポリエチレンテレフタレート/木綿などの混紡
繊維から構成された織物,編物,不織布等を挙げること
ができるが,本発明では,真空蒸着,スパッタ蒸着の薄
膜加工を行う際,高真空を得やすい公定水分率の低いポ
リエステル系合成繊維が好適であり,さらに,鏡面ロー
ルを用いて適宜な条件でカレンダー加工を行い,布帛表
面を平滑にして反射膜を形成させれば,光反射性から鑑
みて一層効果的であるが,これらに限定されるものでは
ない。
【0007】本発明では,上記繊維布帛の片面にアルミ
ニウム,銀等の光反射物質を用いて真空蒸着,スパッタ
蒸着等の薄膜加工を行い,光反射膜を形成させる。薄膜
加工の際は,10-2Torr程度以上の高真空下において,
真空蒸着機を用いて金属を加熱蒸発させて付着させる方
法,イオンビームあるいはマグネトロン式スパッタリン
グ装置を用いて金属をターゲットとしてスパッタ蒸着さ
せる方法,他に無電解メッキ法等,適宜採用すればよい
が,コスト,加工の簡便性から考えて,本発明ではアル
ミニウムの真空蒸着が最適であり,反射膜厚は,用いる
繊維布帛の平滑性にも依存するが,300オングストロ
ーム以上が必要であり,好ましくは500オングストロ
ーム以上であれば,光を透過させることなく全反射させ
ることができる。
ニウム,銀等の光反射物質を用いて真空蒸着,スパッタ
蒸着等の薄膜加工を行い,光反射膜を形成させる。薄膜
加工の際は,10-2Torr程度以上の高真空下において,
真空蒸着機を用いて金属を加熱蒸発させて付着させる方
法,イオンビームあるいはマグネトロン式スパッタリン
グ装置を用いて金属をターゲットとしてスパッタ蒸着さ
せる方法,他に無電解メッキ法等,適宜採用すればよい
が,コスト,加工の簡便性から考えて,本発明ではアル
ミニウムの真空蒸着が最適であり,反射膜厚は,用いる
繊維布帛の平滑性にも依存するが,300オングストロ
ーム以上が必要であり,好ましくは500オングストロ
ーム以上であれば,光を透過させることなく全反射させ
ることができる。
【0008】本発明では,上述の反射膜面上に真球状の
透明ガラスビーズを含有させたポリアクリル酸系樹脂ま
たはポリウレタン系樹脂の単独あるいは混合樹脂層を形
成させる。樹脂層を形成させる手段としては,コーティ
ング法,押出し成型法等いずれでもよく,樹脂形態が溶
剤型樹脂であればコーティングして乾燥する乾式コーテ
ィング法,溶融ポリマーの場合は押出し成型法等により
行えばよい。
透明ガラスビーズを含有させたポリアクリル酸系樹脂ま
たはポリウレタン系樹脂の単独あるいは混合樹脂層を形
成させる。樹脂層を形成させる手段としては,コーティ
ング法,押出し成型法等いずれでもよく,樹脂形態が溶
剤型樹脂であればコーティングして乾燥する乾式コーテ
ィング法,溶融ポリマーの場合は押出し成型法等により
行えばよい。
【0009】本発明で用いる真球状透明ガラスビーズは
SiO2,TiO2,BaO,ZnO,CaO,K2 O,P
bO,Na2 O等を主成分とする塊状物を噴出球状化
法,ロータリーキルン球状化法等により真球化した屈折
率1.8以上の透明ガラスビーズであればよく,好ましく
は,従来から公知のクローズドタイプの再帰性反射材に
用いられているTiO2,BaOを主成分とする屈折率2.
16〜2.20のガラスビーズを使用する方が,得られる
布帛の光反射効果が優れている。屈折率が1.8未満の場
合は,ガラスビーズを含有するポリアクリル酸系樹脂層
またはポリウレタン系樹脂層の屈折率が一般的には約1.
5程度なので,樹脂層の厚みにも依存するが,得られる
布帛の光反射効果が乏しくなるので好ましくない。また
現状では,屈折率が2.3以上のガラスビーズを得ようと
すれば,失透率が高くなってしまい製法上非常に難し
い。
SiO2,TiO2,BaO,ZnO,CaO,K2 O,P
bO,Na2 O等を主成分とする塊状物を噴出球状化
法,ロータリーキルン球状化法等により真球化した屈折
率1.8以上の透明ガラスビーズであればよく,好ましく
は,従来から公知のクローズドタイプの再帰性反射材に
用いられているTiO2,BaOを主成分とする屈折率2.
16〜2.20のガラスビーズを使用する方が,得られる
布帛の光反射効果が優れている。屈折率が1.8未満の場
合は,ガラスビーズを含有するポリアクリル酸系樹脂層
またはポリウレタン系樹脂層の屈折率が一般的には約1.
5程度なので,樹脂層の厚みにも依存するが,得られる
布帛の光反射効果が乏しくなるので好ましくない。また
現状では,屈折率が2.3以上のガラスビーズを得ようと
すれば,失透率が高くなってしまい製法上非常に難し
い。
【0010】上述のガラスビーズは,樹脂固型分に対し
50重量%以上,好ましくは70重量%以上含有させる
ことが必要であり,50重量%未満では,得られる布帛
の光反射効果に乏しい。
50重量%以上,好ましくは70重量%以上含有させる
ことが必要であり,50重量%未満では,得られる布帛
の光反射効果に乏しい。
【0011】ポリアクリル酸系樹脂としては,ポリメタ
クリル酸メチル,ポリメタクリル酸エチル,ポリメタク
リル酸ブチル,ポリメタクリル酸ヘキシル,ポリメタク
リル酸オクチル,ポリメタクリル酸2−エチルヘキシル
等のポリメタクリル酸エステル,ポリアクリル酸メチ
ル,ポリアクリル酸エチル,ポリアクリル酸ブチル,ポ
リアクリル酸ヘキシル,ポリアクリル酸オクチル,ポリ
アクリル酸2−エチルヘキシル等のポリアクリル酸エス
テルおよびポリアクリル酸,ポリメタクリル酸樹脂の単
独共重合物またはこれらの混合物を用いるが,本発明に
おいては,樹脂層の透明性に優れているポリメタクリル
酸エステルを主体とする方が,得られる布帛の光反射に
対し効果的である。
クリル酸メチル,ポリメタクリル酸エチル,ポリメタク
リル酸ブチル,ポリメタクリル酸ヘキシル,ポリメタク
リル酸オクチル,ポリメタクリル酸2−エチルヘキシル
等のポリメタクリル酸エステル,ポリアクリル酸メチ
ル,ポリアクリル酸エチル,ポリアクリル酸ブチル,ポ
リアクリル酸ヘキシル,ポリアクリル酸オクチル,ポリ
アクリル酸2−エチルヘキシル等のポリアクリル酸エス
テルおよびポリアクリル酸,ポリメタクリル酸樹脂の単
独共重合物またはこれらの混合物を用いるが,本発明に
おいては,樹脂層の透明性に優れているポリメタクリル
酸エステルを主体とする方が,得られる布帛の光反射に
対し効果的である。
【0012】また,ポリウレタン系樹脂は,イソシアネ
ートとポリオールを反応せしめて得られる共重合体であ
り,イソシアネート成分として,脂肪族ジイソシアネー
ト,脂環族ジイソシアネートおよび芳香族ジイソシアネ
ートの単独またはこれらの混合物を用い,例えば,1,6
−ヘキサンジイソシアネート,1,4−シクロヘキサンジ
イソシアネート,イソホロンジイソシアネート,トリレ
ン2,4−ジイソシアネート等を用い,また,ポリオール
成分としては,ポリエーテルポリオール,ポリエステル
ポリオールを用い,ポリエーテルポリオールは,ポリエ
チレングリコール,ポリプロピレングリコール,ポリテ
トラメチレングリコール等を用い,ポリエステルポリオ
ールは,エチレングリコール,プロピレングリコール等
のジオールとアジピン酸,セバチン酸等の2塩基酸との
反応生成物,ビスフェノールAとジフェニルカーボネー
トのエステル交換反応による生成物やカプロラクトン等
の開環重合物を用いるが,本発明では,イソシアネート
成分としては脂肪族ジイソシアネート,脂環族ジイソシ
アネートを,ポリオール成分としてはビスフェノールA
とジフェニルカーボネートの生成物を主体とする方が,
樹脂層の透明性に優れているので効果的である。
ートとポリオールを反応せしめて得られる共重合体であ
り,イソシアネート成分として,脂肪族ジイソシアネー
ト,脂環族ジイソシアネートおよび芳香族ジイソシアネ
ートの単独またはこれらの混合物を用い,例えば,1,6
−ヘキサンジイソシアネート,1,4−シクロヘキサンジ
イソシアネート,イソホロンジイソシアネート,トリレ
ン2,4−ジイソシアネート等を用い,また,ポリオール
成分としては,ポリエーテルポリオール,ポリエステル
ポリオールを用い,ポリエーテルポリオールは,ポリエ
チレングリコール,ポリプロピレングリコール,ポリテ
トラメチレングリコール等を用い,ポリエステルポリオ
ールは,エチレングリコール,プロピレングリコール等
のジオールとアジピン酸,セバチン酸等の2塩基酸との
反応生成物,ビスフェノールAとジフェニルカーボネー
トのエステル交換反応による生成物やカプロラクトン等
の開環重合物を用いるが,本発明では,イソシアネート
成分としては脂肪族ジイソシアネート,脂環族ジイソシ
アネートを,ポリオール成分としてはビスフェノールA
とジフェニルカーボネートの生成物を主体とする方が,
樹脂層の透明性に優れているので効果的である。
【0013】上述のポリアクリル酸系樹脂およびポリウ
レタン系樹脂は,単独または混合にて適宜使用すればよ
いが,本発明では,樹脂強度およびガラスビーズに対す
る接着強度を向上させる目的で,樹脂との親和性の高い
イソシアネート化合物,トリアジン環含有化合物を併用
してもよい。
レタン系樹脂は,単独または混合にて適宜使用すればよ
いが,本発明では,樹脂強度およびガラスビーズに対す
る接着強度を向上させる目的で,樹脂との親和性の高い
イソシアネート化合物,トリアジン環含有化合物を併用
してもよい。
【0014】イソシアネート化合物としては,2,4−ト
リレンジイソシアネート,ジフェニルメタンジイソシア
ネート,イソフォロンジイソシアネート,ヘキサメチレ
ンジイソシアネートまたはこれらのジイソシアネート類
3モルと活性水素を含有する化合物(例えば,トリメチ
ロールプロパン,グリセリン等)1モルとの付加反応に
よって得られるトリイソシアネート類が使用できる。上
記のイソシアネート類は,イソシアネート基が遊離した
形のものであっても,あるいはフェノール,メチルエチ
ルケトオキシム等を付加させることにより安定させ,そ
の後の熱処理によりブロックを解離させる形のものであ
ってもよく,作業性や用途等により適宜使い分ければよ
い。
リレンジイソシアネート,ジフェニルメタンジイソシア
ネート,イソフォロンジイソシアネート,ヘキサメチレ
ンジイソシアネートまたはこれらのジイソシアネート類
3モルと活性水素を含有する化合物(例えば,トリメチ
ロールプロパン,グリセリン等)1モルとの付加反応に
よって得られるトリイソシアネート類が使用できる。上
記のイソシアネート類は,イソシアネート基が遊離した
形のものであっても,あるいはフェノール,メチルエチ
ルケトオキシム等を付加させることにより安定させ,そ
の後の熱処理によりブロックを解離させる形のものであ
ってもよく,作業性や用途等により適宜使い分ければよ
い。
【0015】トリアジン環含有化合物は,下記式1で示
されるものである。
されるものである。
【0016】
【化1】
【0017】イソシアネート化合物およびトリアジン環
含有化合物を使用する際の使用量としては,ポリウレタ
ン樹脂主体の合成重合体に対して0.1〜10重量%の割
合で使用することが望ましい。使用量が0.1重量%未満
であれば,布帛に対する樹脂層の接着力が低く,また,
10重量%を超えると,風合が硬化する傾向が認められ
るようになるので好ましくない。本発明は,以上の構成
よりなるものであり,本発明によれば,優れた光反射性
とソフトな風合を兼ね備えた光反射性布帛を得ることが
できる。
含有化合物を使用する際の使用量としては,ポリウレタ
ン樹脂主体の合成重合体に対して0.1〜10重量%の割
合で使用することが望ましい。使用量が0.1重量%未満
であれば,布帛に対する樹脂層の接着力が低く,また,
10重量%を超えると,風合が硬化する傾向が認められ
るようになるので好ましくない。本発明は,以上の構成
よりなるものであり,本発明によれば,優れた光反射性
とソフトな風合を兼ね備えた光反射性布帛を得ることが
できる。
【0018】
【作用】本発明の光反射性布帛は,繊維布帛上に反射膜
を形成させた後,反射膜上に真球状透明ガラスビーズを
含有するアクリル酸系樹脂またはポリウレタン系樹脂の
単独あるいは混合樹脂層を形成させて光反射性を付与せ
しめたものである。再帰性反射材は,ガラスビーズを一
列に整然と細密充填することで,入射光の位置に反射光
が戻るように設計されているのに対し,本発明は,樹脂
層に対しガラスビーズが均一には含有されているが,整
然と配列されているわけではないので,再帰性反射特性
は一般の再帰性反射材と比較するとはるかに劣るが,そ
の分だけ,入射光に対し広角方向に光反射するので,そ
の結果,入射光位置および入射光外部の位置から見て
も,広範囲な光反射をする夜間時の視認性に優れた光反
射性布帛を得ることができる。
を形成させた後,反射膜上に真球状透明ガラスビーズを
含有するアクリル酸系樹脂またはポリウレタン系樹脂の
単独あるいは混合樹脂層を形成させて光反射性を付与せ
しめたものである。再帰性反射材は,ガラスビーズを一
列に整然と細密充填することで,入射光の位置に反射光
が戻るように設計されているのに対し,本発明は,樹脂
層に対しガラスビーズが均一には含有されているが,整
然と配列されているわけではないので,再帰性反射特性
は一般の再帰性反射材と比較するとはるかに劣るが,そ
の分だけ,入射光に対し広角方向に光反射するので,そ
の結果,入射光位置および入射光外部の位置から見て
も,広範囲な光反射をする夜間時の視認性に優れた光反
射性布帛を得ることができる。
【0019】また再帰性反射布帛は,繊維布帛と多層の
樹脂層で形成されているのに対し,本発明は,反射膜を
付与した繊維布帛およびガラスビーズ含有層のみで形成
されているので,衣料に用いた場合,風合に対し非常に
有効となり,ソフトな布帛を得ることができる。
樹脂層で形成されているのに対し,本発明は,反射膜を
付与した繊維布帛およびガラスビーズ含有層のみで形成
されているので,衣料に用いた場合,風合に対し非常に
有効となり,ソフトな布帛を得ることができる。
【0020】
【実施例】以下,実施例により本発明の光反射性布帛の
製造方法を具体的に説明する。 実施例1 経糸,緯糸の双方にカチオン染料可染ポリエステルマル
チフィラメント75デニール/72フィラメントを用い
た経糸密度120本/インチ,緯糸密度90本/インチ
の平織物を用意して,通常の方法で精練および染色(日
本化薬株式会社製,塩基性染料のKayacryl Blue GSL
−ED 1.5%owf)を行った後,鏡面ロールをもつカレ
ンダー加工機を用いて,温度180℃,圧力30kg/cm
2 ,速度30m/分の条件でカレンダー加工を行った。
製造方法を具体的に説明する。 実施例1 経糸,緯糸の双方にカチオン染料可染ポリエステルマル
チフィラメント75デニール/72フィラメントを用い
た経糸密度120本/インチ,緯糸密度90本/インチ
の平織物を用意して,通常の方法で精練および染色(日
本化薬株式会社製,塩基性染料のKayacryl Blue GSL
−ED 1.5%owf)を行った後,鏡面ロールをもつカレ
ンダー加工機を用いて,温度180℃,圧力30kg/cm
2 ,速度30m/分の条件でカレンダー加工を行った。
【0021】次に,真空蒸着機を用いて10-4Torrの高
真空下でアルミニウム金属を800オングストロームの
膜厚で上記カレンダー加工面に真空蒸着し,蒸着面に下
記処方1に示す樹脂組成でコンマコータにて樹脂固型分
濃度59%のポリウレタン樹脂溶液を100g/m2 に
て塗布した後,100℃で5分間の乾燥を行い,樹脂固
型分に対しガラスビーズを70重量%含有する樹脂層を
形成させて本発明の光反射性布帛を得た。
真空下でアルミニウム金属を800オングストロームの
膜厚で上記カレンダー加工面に真空蒸着し,蒸着面に下
記処方1に示す樹脂組成でコンマコータにて樹脂固型分
濃度59%のポリウレタン樹脂溶液を100g/m2 に
て塗布した後,100℃で5分間の乾燥を行い,樹脂固
型分に対しガラスビーズを70重量%含有する樹脂層を
形成させて本発明の光反射性布帛を得た。
【0022】処方1 ラックスキン KU−10 100部 (セイコー化成株式会社製,無黄変型ポリウレタン樹
脂) メチルエチルケトン 10部 コロネート HL 5部 (日本ポリウレタン工業株式会社製,イソシアネート化
合物) K−20 80部 (日本電気硝子株式会社製,TiO2 ,BaO,Zn
O,ZrO2 を主成分とする屈折率2.18,粒径約20
μmの再帰性反射用ガラスビーズ)
脂) メチルエチルケトン 10部 コロネート HL 5部 (日本ポリウレタン工業株式会社製,イソシアネート化
合物) K−20 80部 (日本電気硝子株式会社製,TiO2 ,BaO,Zn
O,ZrO2 を主成分とする屈折率2.18,粒径約20
μmの再帰性反射用ガラスビーズ)
【0023】本発明の光反射性布帛に暗室で懐中電灯を
照射させると,広角に光反射する優れた光反射性とソフ
トな風合を有していた。
照射させると,広角に光反射する優れた光反射性とソフ
トな風合を有していた。
【0024】比較として,本実施例においてK−20を
省くほかは,本実施例とまったく同一の方法により布帛
を得たが,光反射性はまったくなかった。さらに,比較
として,本実施例においてアルミニウム金属の真空蒸着
を省くほかは,本実施例とまったく同一の方法により布
帛を得たが,わずかな煌きを有しているだけであった。
省くほかは,本実施例とまったく同一の方法により布帛
を得たが,光反射性はまったくなかった。さらに,比較
として,本実施例においてアルミニウム金属の真空蒸着
を省くほかは,本実施例とまったく同一の方法により布
帛を得たが,わずかな煌きを有しているだけであった。
【0025】実施例2 実施例1で用いた繊維布帛のカレンダー加工面に,イオ
ンビーム式スパッタリング装置にて10-3Torrの高真空
下で銀をターゲット物質に用いて600オングストロー
ムの膜厚でスパッタ蒸着を行い,蒸着面に下記処方2に
示す樹脂組成でコンマコータにて樹脂固型分濃度60%
のポリアクリル酸系樹脂溶液を180g/m2 にて塗布
した後,90℃で5分間の乾燥を行い,樹脂固型分に対
しガラスビーズを77重量%含有する樹脂層を形成させ
て本発明の光反射性布帛を得た。
ンビーム式スパッタリング装置にて10-3Torrの高真空
下で銀をターゲット物質に用いて600オングストロー
ムの膜厚でスパッタ蒸着を行い,蒸着面に下記処方2に
示す樹脂組成でコンマコータにて樹脂固型分濃度60%
のポリアクリル酸系樹脂溶液を180g/m2 にて塗布
した後,90℃で5分間の乾燥を行い,樹脂固型分に対
しガラスビーズを77重量%含有する樹脂層を形成させ
て本発明の光反射性布帛を得た。
【0026】処方2 エフコート B−45 100部 (大日本インキ化学株式会社製,ポリメタクリル酸メチ
ル系樹脂) メチルエチルケトン 10部 トルエン 5部 K−55 100部 (日本電気硝子株式会社製,TiO2 ,BaO,ZnO
を主成分とする屈折率2.18,粒径約60μmの再帰性
反射用ガラスビーズ)
ル系樹脂) メチルエチルケトン 10部 トルエン 5部 K−55 100部 (日本電気硝子株式会社製,TiO2 ,BaO,ZnO
を主成分とする屈折率2.18,粒径約60μmの再帰性
反射用ガラスビーズ)
【0027】本発明の光反射性布帛に暗室で懐中電灯を
照射させると,広角に光反射する優れた光反射性を有し
ていた。
照射させると,広角に光反射する優れた光反射性を有し
ていた。
【0028】比較として,本実施例においてK−55に
代えてPbO,SiO2 を主成分とする屈折率1.7,粒
径約60μmのガラスビーズを使用するほかは,本実施
例とまったく同一の方法により布帛を得たが,広角に鈍
い光反射性を有するのみであり,光反射性に劣ってい
た。
代えてPbO,SiO2 を主成分とする屈折率1.7,粒
径約60μmのガラスビーズを使用するほかは,本実施
例とまったく同一の方法により布帛を得たが,広角に鈍
い光反射性を有するのみであり,光反射性に劣ってい
た。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば,優れた光反射性とソフ
トな風合を有する光反射性布帛を得ることができる。し
かも,反射膜を蒸着した繊維布帛にガラスビーズを含有
させた1つの樹脂層を形成させるのみで光反射性布帛を
製造することができるので,加工コストが安く,産業上
非常に有利である。本発明方法による光反射性布帛は,
その優れた性能から,夜間時の視認性に優れた安全衣料
となる。
トな風合を有する光反射性布帛を得ることができる。し
かも,反射膜を蒸着した繊維布帛にガラスビーズを含有
させた1つの樹脂層を形成させるのみで光反射性布帛を
製造することができるので,加工コストが安く,産業上
非常に有利である。本発明方法による光反射性布帛は,
その優れた性能から,夜間時の視認性に優れた安全衣料
となる。
Claims (1)
- 【請求項1】 繊維布帛の片面に,アルミニウム,銀等
の光反射物質の薄膜を真空蒸着,スパッタ蒸着等の薄膜
加工法により形成後,該薄膜加工面に屈折率1.8以上の
真球状透明ガラスビーズを含有するポリアクリル酸系樹
脂またはポリウレタン系樹脂の単独または混合樹脂層を
形成することを特徴とする光反射性布帛の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29337494A JPH08158269A (ja) | 1994-11-28 | 1994-11-28 | 光反射性布帛の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29337494A JPH08158269A (ja) | 1994-11-28 | 1994-11-28 | 光反射性布帛の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08158269A true JPH08158269A (ja) | 1996-06-18 |
Family
ID=17793957
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29337494A Pending JPH08158269A (ja) | 1994-11-28 | 1994-11-28 | 光反射性布帛の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08158269A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100408131B1 (ko) * | 2000-11-30 | 2003-12-06 | 코오롱글로텍주식회사 | 은증착 원단 가공방법 |
WO2008058412A2 (de) * | 2006-11-13 | 2008-05-22 | Tersuisse Multifils Ag | Beschichteter fadenförmiger gegenstand mit verbesserter elektrischer leitfähigkeit und/oder verbesserter optischer reflexion und vorrichtung und verfahren zum behandeln der oberfläche eines fadenförmigen gegenstandes |
WO2016155451A1 (zh) * | 2015-03-31 | 2016-10-06 | 嘉兴中科奥度新材料有限公司 | 防水透气聚氨酯薄膜复合离子镀纳米金属工艺及其制品 |
-
1994
- 1994-11-28 JP JP29337494A patent/JPH08158269A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100408131B1 (ko) * | 2000-11-30 | 2003-12-06 | 코오롱글로텍주식회사 | 은증착 원단 가공방법 |
WO2008058412A2 (de) * | 2006-11-13 | 2008-05-22 | Tersuisse Multifils Ag | Beschichteter fadenförmiger gegenstand mit verbesserter elektrischer leitfähigkeit und/oder verbesserter optischer reflexion und vorrichtung und verfahren zum behandeln der oberfläche eines fadenförmigen gegenstandes |
WO2008058412A3 (de) * | 2006-11-13 | 2008-12-18 | Tersuisse Multifils Ag | Beschichteter fadenförmiger gegenstand mit verbesserter elektrischer leitfähigkeit und/oder verbesserter optischer reflexion und vorrichtung und verfahren zum behandeln der oberfläche eines fadenförmigen gegenstandes |
WO2016155451A1 (zh) * | 2015-03-31 | 2016-10-06 | 嘉兴中科奥度新材料有限公司 | 防水透气聚氨酯薄膜复合离子镀纳米金属工艺及其制品 |
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