JPH08157609A - 繊維からなる補強用ゴム製品構成部材 - Google Patents
繊維からなる補強用ゴム製品構成部材Info
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- JPH08157609A JPH08157609A JP30747694A JP30747694A JPH08157609A JP H08157609 A JPH08157609 A JP H08157609A JP 30747694 A JP30747694 A JP 30747694A JP 30747694 A JP30747694 A JP 30747694A JP H08157609 A JPH08157609 A JP H08157609A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 伝動ベルトのゴム層に対するコードや帆布の
接着性と耐摩耗性を向上させる。 【構成】 平ベルトAのゴム層1に繊維コード2を埋設
する。繊維コード2をフィブリル化した短繊維が混入さ
れたゴム糊で含浸処理する。
接着性と耐摩耗性を向上させる。 【構成】 平ベルトAのゴム層1に繊維コード2を埋設
する。繊維コード2をフィブリル化した短繊維が混入さ
れたゴム糊で含浸処理する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、伝動ベルト、運搬用ベ
ルト及びホース等のゴム製品の製品本体を構成するゴム
層と強固に接着し得る繊維からなる例えば抗張体として
の繊維コードや帆布等の補強用ゴム製品構成部材の改良
に関する。
ルト及びホース等のゴム製品の製品本体を構成するゴム
層と強固に接着し得る繊維からなる例えば抗張体として
の繊維コードや帆布等の補強用ゴム製品構成部材の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ゴム製品としての伝動ベルト
や運搬用ベルト等には、一般に、製品本体としてのゴム
層表面に補強のために繊維からなる帆布等の基布が貼着
されている。この基布は、ゴム層との接着強度を増強す
るためにゴム糊で含浸処理されることが多い。そして、
このゴム層と基布との接着強度の改善策として、例えば
0開平2−99667号公報に開示されているように、
有機ニッケル化合物を配合したゴム糊で基布を含浸処理
することが提案されている。
や運搬用ベルト等には、一般に、製品本体としてのゴム
層表面に補強のために繊維からなる帆布等の基布が貼着
されている。この基布は、ゴム層との接着強度を増強す
るためにゴム糊で含浸処理されることが多い。そして、
このゴム層と基布との接着強度の改善策として、例えば
0開平2−99667号公報に開示されているように、
有機ニッケル化合物を配合したゴム糊で基布を含浸処理
することが提案されている。
【0003】また、上記の伝動ベルトや運搬用ベルト、
さらにはホースやタイヤ等のゴム製品には、一般に、製
品本体としてのゴム層に補強ために繊維からなるコード
が埋設されている。この繊維コードも上記基布と同様に
ゴム層との接着強度を増強するためにゴム糊で含浸処理
されることが多く、その接着強度の改善策として、例え
ば特開平3−269177号公報に開示されているよう
に、ハロゲン含有ポリマー、イソシアネート、加硫剤、
カーボンブラック及びシリカ等を配合したゴム糊でコー
ドを含浸処理することが提案されている。
さらにはホースやタイヤ等のゴム製品には、一般に、製
品本体としてのゴム層に補強ために繊維からなるコード
が埋設されている。この繊維コードも上記基布と同様に
ゴム層との接着強度を増強するためにゴム糊で含浸処理
されることが多く、その接着強度の改善策として、例え
ば特開平3−269177号公報に開示されているよう
に、ハロゲン含有ポリマー、イソシアネート、加硫剤、
カーボンブラック及びシリカ等を配合したゴム糊でコー
ドを含浸処理することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の前者
の場合には、耐熱接着性を向上させることができるもの
の、常態での接着性は大きく向上しない。一方、後者の
場合には、接着強度をかなり向上させることができるも
のの、特に動的な接着性に改良が要求される場合があ
る。この動的な接着性を改善すべくゴム糊に短繊維を配
合することが考えられるが、ゴム糊は溶剤に溶解して使
用するため、短繊維とゴム配合物との親和性が悪くな
り、ゴム製品に応力がかかった時に短繊維がゴム配合物
から抜けてしまう危険性がある。
の場合には、耐熱接着性を向上させることができるもの
の、常態での接着性は大きく向上しない。一方、後者の
場合には、接着強度をかなり向上させることができるも
のの、特に動的な接着性に改良が要求される場合があ
る。この動的な接着性を改善すべくゴム糊に短繊維を配
合することが考えられるが、ゴム糊は溶剤に溶解して使
用するため、短繊維とゴム配合物との親和性が悪くな
り、ゴム製品に応力がかかった時に短繊維がゴム配合物
から抜けてしまう危険性がある。
【0005】このように、ゴム糊を用いてゴム製品の補
強用ゴム製品構成部材(基布や繊維コード)の静的接着
強度や動的接着強度を増強するには、ポリマー種、樹脂
補強剤、加硫剤、不活性微粉末等を配合したゴム糊や短
繊維を配合したゴム糊では不十分であった。
強用ゴム製品構成部材(基布や繊維コード)の静的接着
強度や動的接着強度を増強するには、ポリマー種、樹脂
補強剤、加硫剤、不活性微粉末等を配合したゴム糊や短
繊維を配合したゴム糊では不十分であった。
【0006】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、ゴム糊に短繊維を配合
することとし、かつこの短繊維のフィラメントの表面構
造を改質することにより、短繊維とゴムとの接着性を大
幅に改善せんとすることにある。
あり、その目的とするところは、ゴム糊に短繊維を配合
することとし、かつこの短繊維のフィラメントの表面構
造を改質することにより、短繊維とゴムとの接着性を大
幅に改善せんとすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、ゴム製品の製品本体を構成するゴム層に
埋設され、製品本体を補強するコードからなり、該コー
ドが繊維で構成されている補強用ゴム製品構成部材を対
象とし、次のような解決手段を講じた。
め、本発明は、ゴム製品の製品本体を構成するゴム層に
埋設され、製品本体を補強するコードからなり、該コー
ドが繊維で構成されている補強用ゴム製品構成部材を対
象とし、次のような解決手段を講じた。
【0008】すなわち、本発明の第1の解決手段は、上
記繊維コードをフィブリル化した短繊維が混入されたゴ
ム糊で含浸処理したことを特徴とする。
記繊維コードをフィブリル化した短繊維が混入されたゴ
ム糊で含浸処理したことを特徴とする。
【0009】本発明の第2の解決手段は、第1の解決手
段において、短繊維の混入量をゴム糊の固形分に対して
0.5〜4.0重量部に設定したことを特徴とする。
段において、短繊維の混入量をゴム糊の固形分に対して
0.5〜4.0重量部に設定したことを特徴とする。
【0010】また、本発明は、ゴム製品の製品本体を構
成するゴム層表面に貼着され、製品本体を補強する基布
からなり、該基布が繊維で構成されている補強用ゴム製
品構成部材を対象とし、次のような解決手段を講じた。
成するゴム層表面に貼着され、製品本体を補強する基布
からなり、該基布が繊維で構成されている補強用ゴム製
品構成部材を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0011】すなわち、本発明の第3の解決手段は、上
記基布をフィブリル化した短繊維が混入されたゴム糊で
含浸処理したことを特徴とする。
記基布をフィブリル化した短繊維が混入されたゴム糊で
含浸処理したことを特徴とする。
【0012】本発明の第4の解決手段は、第3の解決手
段において、短繊維の混入量をゴム糊の固形分に対して
0.5〜4.0重量部に設定したことを特徴とする。
段において、短繊維の混入量をゴム糊の固形分に対して
0.5〜4.0重量部に設定したことを特徴とする。
【0013】本発明のゴム製品としては、歯付ベルトや
平ベルト等の伝動ベルト、運搬用ベルト、ホース及びタ
イヤ等であり、伝動ベルトや運搬用ベルトの製品本体を
構成するゴム層には補強用ゴム製品構成部材としての繊
維コードが埋設されているとともに、ゴム層表面には補
強用ゴム製品構成部材としての帆布等の基布が貼着され
ている。また、ホースやタイヤの製品本体を構成するゴ
ム層にも補強ゴム製品構成部材としての繊維コードが埋
設されている。
平ベルト等の伝動ベルト、運搬用ベルト、ホース及びタ
イヤ等であり、伝動ベルトや運搬用ベルトの製品本体を
構成するゴム層には補強用ゴム製品構成部材としての繊
維コードが埋設されているとともに、ゴム層表面には補
強用ゴム製品構成部材としての帆布等の基布が貼着され
ている。また、ホースやタイヤの製品本体を構成するゴ
ム層にも補強ゴム製品構成部材としての繊維コードが埋
設されている。
【0014】上記繊維コードや基布等の補強ゴム製品構
成部材を構成する繊維としては、無機繊維、有機繊維、
金属繊維等また長繊維、紡績糸等何れであっても良く、
要求性能に応じて適宜選択すればよい。また、デニール
数、モノフィラメントデニール数、織構成等も要求性能
に応じて適宜選択すればよい。
成部材を構成する繊維としては、無機繊維、有機繊維、
金属繊維等また長繊維、紡績糸等何れであっても良く、
要求性能に応じて適宜選択すればよい。また、デニール
数、モノフィラメントデニール数、織構成等も要求性能
に応じて適宜選択すればよい。
【0015】ゴム糊に配合される短繊維の種類は、要求
性能に応じて適宜選択すればよいが、特に分子鎖が繊維
軸方向に高度に配向されている繊維がフィブリルの起こ
り易さから望ましい。分子鎖が繊維軸方向に高度に配向
されている繊維の例としては、アラミド繊維、ポリアミ
ド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、天然繊維等
が挙げられる。
性能に応じて適宜選択すればよいが、特に分子鎖が繊維
軸方向に高度に配向されている繊維がフィブリルの起こ
り易さから望ましい。分子鎖が繊維軸方向に高度に配向
されている繊維の例としては、アラミド繊維、ポリアミ
ド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、天然繊維等
が挙げられる。
【0016】短繊維をフィブリル化する手法としては、
短繊維をゴム糊に混入する前もしくは混入した後に、例
えばスクリュー型押出し機(エクストゥルーダー)、ゴ
ムシート出し用ロール等の剪断応力が生ずる装置あるい
は短繊維叩解装置等に投入し、短繊維のフィラメント表
面にフィブリルを発生させたり、短繊維のフィラメント
を裂いて繊維断面形状を真円形でないようにするなどし
てフィラメントの表面構造を改質すればよい。これによ
り、短繊維のフィラメント表面のフィブリルとゴム層の
配合ゴムとが物理的に絡み合うようになる。
短繊維をゴム糊に混入する前もしくは混入した後に、例
えばスクリュー型押出し機(エクストゥルーダー)、ゴ
ムシート出し用ロール等の剪断応力が生ずる装置あるい
は短繊維叩解装置等に投入し、短繊維のフィラメント表
面にフィブリルを発生させたり、短繊維のフィラメント
を裂いて繊維断面形状を真円形でないようにするなどし
てフィラメントの表面構造を改質すればよい。これによ
り、短繊維のフィラメント表面のフィブリルとゴム層の
配合ゴムとが物理的に絡み合うようになる。
【0017】また、短繊維の混入量や繊維長、モノフィ
ラメントデニール数等も要求性能に応じて適宜選択すれ
ばよいが、混入量はゴム糊の固形分に対して0.5〜
4.0重量部の範囲で設定するのが好ましい。このよう
に、短繊維のゴム糊固形分に対する混入量を0.5〜
4.0重量部の範囲に設定したのは、0.5重量部未満
であると補強効果が少なく、早期摩耗によって短繊維を
混入しない場合と同じ程度の摩耗速度になるからであ
り、一方、4.0重量部を超えると短繊維が繊維コード
や基布等の繊維組織中に侵入し難く、摩耗性が向上し難
くなるからである。
ラメントデニール数等も要求性能に応じて適宜選択すれ
ばよいが、混入量はゴム糊の固形分に対して0.5〜
4.0重量部の範囲で設定するのが好ましい。このよう
に、短繊維のゴム糊固形分に対する混入量を0.5〜
4.0重量部の範囲に設定したのは、0.5重量部未満
であると補強効果が少なく、早期摩耗によって短繊維を
混入しない場合と同じ程度の摩耗速度になるからであ
り、一方、4.0重量部を超えると短繊維が繊維コード
や基布等の繊維組織中に侵入し難く、摩耗性が向上し難
くなるからである。
【0018】含浸処理方法すなわち接着処理方法として
は数々あるが、(1)繊維コード又は基布にシランカッ
プリング剤、イソシアネート化合物、エチレン炭素化合
物、RFL等からの1段階若しくは多段階の組合せによ
り接着剤処理し、また、場合によっては延伸処理を施し
た後に本発明のゴム糊処理をする方法、(2)繊維束に
シランカップリング剤、エポキシ樹脂、イソシアネート
化合物、エチレン炭素化合物、RFL等からの1段階若
しくは多段階の組合せにより接着剤処理した後に撚糸や
製紐加工し、次いでゴム糊処理をする方法、(3)繊維
束にシランカップリング剤、エポキシ樹脂、イソシアネ
ート化合物、エチレン炭素化合物、RFL、本発明のゴ
ム糊等からの1段階若しくは多段階の組合せにより接着
剤処理した後に、撚糸や製紐加工等して繊維コードにす
る方法、(4)繊維束にシランカップリング剤、エポキ
シ樹脂、イソシアネート化合物、エチレン炭素化合物、
RFL、本発明のゴム糊等からの1段階若しくは多段階
の組合せにより接着剤処理した後に、本発明のゴム糊処
理を施し、後に撚糸や製紐加工等して繊維コードにする
方法等様々に考えられる。
は数々あるが、(1)繊維コード又は基布にシランカッ
プリング剤、イソシアネート化合物、エチレン炭素化合
物、RFL等からの1段階若しくは多段階の組合せによ
り接着剤処理し、また、場合によっては延伸処理を施し
た後に本発明のゴム糊処理をする方法、(2)繊維束に
シランカップリング剤、エポキシ樹脂、イソシアネート
化合物、エチレン炭素化合物、RFL等からの1段階若
しくは多段階の組合せにより接着剤処理した後に撚糸や
製紐加工し、次いでゴム糊処理をする方法、(3)繊維
束にシランカップリング剤、エポキシ樹脂、イソシアネ
ート化合物、エチレン炭素化合物、RFL、本発明のゴ
ム糊等からの1段階若しくは多段階の組合せにより接着
剤処理した後に、撚糸や製紐加工等して繊維コードにす
る方法、(4)繊維束にシランカップリング剤、エポキ
シ樹脂、イソシアネート化合物、エチレン炭素化合物、
RFL、本発明のゴム糊等からの1段階若しくは多段階
の組合せにより接着剤処理した後に、本発明のゴム糊処
理を施し、後に撚糸や製紐加工等して繊維コードにする
方法等様々に考えられる。
【0019】
【作用】上記の構成により、本発明の第1,3の解決手
段では、接着剤処理されて繊維コードや基布の表面に形
成された接着剤層には、フィブリル化した短繊維が混入
されていることかから、このフィブリル化した短繊維が
製品本体を構成するゴム層の配合ゴムに複雑に絡まり、
短繊維とゴムとの接着性が大幅に改善され、繊維コード
や基布の補強用ゴム製品構成部材とゴム層との静的並び
に動的接着力が向上する。
段では、接着剤処理されて繊維コードや基布の表面に形
成された接着剤層には、フィブリル化した短繊維が混入
されていることかから、このフィブリル化した短繊維が
製品本体を構成するゴム層の配合ゴムに複雑に絡まり、
短繊維とゴムとの接着性が大幅に改善され、繊維コード
や基布の補強用ゴム製品構成部材とゴム層との静的並び
に動的接着力が向上する。
【0020】本発明の第2,4の解決手段では、短繊維
がゴム糊にその固形分に対して0.5〜4.0重量部混
入されていることから、繊維コードや基布に対する短繊
維の付着が効率良く行われ、優れた接着力が効果的に発
揮される。特に、第4の解決手段では、短繊維の効率良
い付着によって基布の摩耗性が向上する。
がゴム糊にその固形分に対して0.5〜4.0重量部混
入されていることから、繊維コードや基布に対する短繊
維の付着が効率良く行われ、優れた接着力が効果的に発
揮される。特に、第4の解決手段では、短繊維の効率良
い付着によって基布の摩耗性が向上する。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0022】ゴム製品として平ベルトAを図1に、歯付
ベルトBを図2にそれぞれ示す。上記平ベルトAは、製
品本体としてのベルト本体を構成するゴム層1を備えて
なり、該ゴム層1には複数本の抗張体としての繊維コー
ド2,2,…がベルト長手方向に沿って埋設され、ゴム
層1の片面には帆布からなる基布3が貼着されている。
ベルトBを図2にそれぞれ示す。上記平ベルトAは、製
品本体としてのベルト本体を構成するゴム層1を備えて
なり、該ゴム層1には複数本の抗張体としての繊維コー
ド2,2,…がベルト長手方向に沿って埋設され、ゴム
層1の片面には帆布からなる基布3が貼着されている。
【0023】上記歯付ベルトBは、製品本体としてのベ
ルト本体を構成するゴム層(背ゴム層)1を備えてな
り、該ゴム層(背ゴム層)1に複数本の抗張体としての
繊維コード2,2,…がベルト長手方向に沿って埋設さ
れ、かつ上記ゴム層1の片面には複数の歯ゴム層4,
4,…がベルト長手方向に所定のピッチで一体に形成さ
れている。また、この歯ゴム層4,4,…は基布3が貼
着されている。
ルト本体を構成するゴム層(背ゴム層)1を備えてな
り、該ゴム層(背ゴム層)1に複数本の抗張体としての
繊維コード2,2,…がベルト長手方向に沿って埋設さ
れ、かつ上記ゴム層1の片面には複数の歯ゴム層4,
4,…がベルト長手方向に所定のピッチで一体に形成さ
れている。また、この歯ゴム層4,4,…は基布3が貼
着されている。
【0024】そして、本発明の実施例に係る補強用ゴム
製品構成部材は、平ベルトAでは繊維コード2であり、
歯付ベルトBでは基布3である。これら繊維コード2及
び基布3はフィブリル化した短繊維が混入されたゴム糊
で含浸処理(接着剤処理)されている。
製品構成部材は、平ベルトAでは繊維コード2であり、
歯付ベルトBでは基布3である。これら繊維コード2及
び基布3はフィブリル化した短繊維が混入されたゴム糊
で含浸処理(接着剤処理)されている。
【0025】実験例Iとして平ベルトAを、実験例II,
III として歯付ベルトBを例に挙げて具体的に説明す
る。
III として歯付ベルトBを例に挙げて具体的に説明す
る。
【0026】(実験例I)下記の要領にて繊維コード2
をゴム糊で含浸処理した。含浸処理の要領及びゴム糊の
配合(表1)を下記する。このゴム糊で含浸処理した繊
維コード2を用いて下記の要領にて平ベルトAを製造
し、この平ベルトAを図3に示すようなベルト走行試験
機を用いて下記の要領にて屈曲走行させた後、繊維コー
ド2の平ベルトAからの引抜き接着力を測定した。その
測定結果(表2)をベルト走行前のデータと共に下記す
る。
をゴム糊で含浸処理した。含浸処理の要領及びゴム糊の
配合(表1)を下記する。このゴム糊で含浸処理した繊
維コード2を用いて下記の要領にて平ベルトAを製造
し、この平ベルトAを図3に示すようなベルト走行試験
機を用いて下記の要領にて屈曲走行させた後、繊維コー
ド2の平ベルトAからの引抜き接着力を測定した。その
測定結果(表2)をベルト走行前のデータと共に下記す
る。
【0027】<含浸処理の要領>繊維コードとしてアラ
ミドコード(商品名Kevlar29:デュポン社製1
500/3(片撚糸))を用いた。サブコートにイソシ
アネート、2ndコートに一般的なレゾルシン・ホルマ
リン・ラテックス接着剤混合ディップ液、トップコート
に表1に示す糊ゴムを用いて上記アラミドコードを接着
剤浸漬処理した後、1g/deのテンションで延伸処理
した。
ミドコード(商品名Kevlar29:デュポン社製1
500/3(片撚糸))を用いた。サブコートにイソシ
アネート、2ndコートに一般的なレゾルシン・ホルマ
リン・ラテックス接着剤混合ディップ液、トップコート
に表1に示す糊ゴムを用いて上記アラミドコードを接着
剤浸漬処理した後、1g/deのテンションで延伸処理
した。
【0028】<平ベルトの製造要領>H−NBRの上に
上記接着処理済コードをS撚りZ撚り交互にスパイラル
に並べ、上記H−NBRの上面にナイロン帆布を被着し
成形加硫することによって平ベルトを製造した。
上記接着処理済コードをS撚りZ撚り交互にスパイラル
に並べ、上記H−NBRの上面にナイロン帆布を被着し
成形加硫することによって平ベルトを製造した。
【0029】<ベルト走行試験の要領>図3に示すベル
ト走行試験機の4つの大プーリ11,11,…と4つの
小プーリ12,12,…に平ベルトAを掛け渡し、ウエ
イト13で所定のテンションを掛けた状態で平ベルトA
を走行させた。なお、上記小プーリ12の直径は30mm
であり、この最小プーリ12を平ベルトAが1回通過す
る毎に屈曲回数1とした。つまり、平ベルトAが1サイ
クルが回転すると屈曲回数4とし1×106 回屈曲走行
させた。
ト走行試験機の4つの大プーリ11,11,…と4つの
小プーリ12,12,…に平ベルトAを掛け渡し、ウエ
イト13で所定のテンションを掛けた状態で平ベルトA
を走行させた。なお、上記小プーリ12の直径は30mm
であり、この最小プーリ12を平ベルトAが1回通過す
る毎に屈曲回数1とした。つまり、平ベルトAが1サイ
クルが回転すると屈曲回数4とし1×106 回屈曲走行
させた。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】表2のデータから明らかなように、ベルト
走行前引抜き接着力は実施例1が遥かに比較例1,2よ
りも上回っていることが判る。ベルト走行後引抜き接着
力は短繊維を配合していない比較例1と実施例1では、
ベルトマトリックスゴムの若干の硬化によって接着力が
上がっているが、比較例2は短繊維とゴム配合物の馴染
みの悪さからベルト走行後引抜き接着力が下がっている
ことが判る。
走行前引抜き接着力は実施例1が遥かに比較例1,2よ
りも上回っていることが判る。ベルト走行後引抜き接着
力は短繊維を配合していない比較例1と実施例1では、
ベルトマトリックスゴムの若干の硬化によって接着力が
上がっているが、比較例2は短繊維とゴム配合物の馴染
みの悪さからベルト走行後引抜き接着力が下がっている
ことが判る。
【0033】(実験例II)下記の要領にて基布3をゴム
糊で含浸処理した。含浸処理の要領及びゴム糊の配合
(表3)を下記する。このゴム糊で含浸処理した基布3
を用いて下記の要領にて歯付ベルトBを製造し、この歯
付ベルトBを図3に示す上記実験例Iで用いたベルト走
行試験機と同じものを用いて同様の要領にて屈曲走行さ
せた後、基布3のゴム層1に対する接着力を測定した。
その測定結果(表4)をベルト走行前のデータと共に下
記する。
糊で含浸処理した。含浸処理の要領及びゴム糊の配合
(表3)を下記する。このゴム糊で含浸処理した基布3
を用いて下記の要領にて歯付ベルトBを製造し、この歯
付ベルトBを図3に示す上記実験例Iで用いたベルト走
行試験機と同じものを用いて同様の要領にて屈曲走行さ
せた後、基布3のゴム層1に対する接着力を測定した。
その測定結果(表4)をベルト走行前のデータと共に下
記する。
【0034】<含浸処理の要領>歯付ベルトBの基布3
として、経糸に6,6ナイロン(210デニール×1本
の15回/10cm)の撚糸を用いるとともに、緯糸に捲
縮加工された40デニール×5本の15回/10cmの撚
糸を用い、
として、経糸に6,6ナイロン(210デニール×1本
の15回/10cm)の撚糸を用いるとともに、緯糸に捲
縮加工された40デニール×5本の15回/10cmの撚
糸を用い、
【数1】
【0035】の綾織組織に構成した。この基布3をRF
L液の前処理液に浸漬し、乾燥後、180℃で2分間熱
処理し、続いて表3に示すゴム糊に浸漬し、160℃で
1分間乾燥後、処理基布3を得た。
L液の前処理液に浸漬し、乾燥後、180℃で2分間熱
処理し、続いて表3に示すゴム糊に浸漬し、160℃で
1分間乾燥後、処理基布3を得た。
【0036】<歯付ベルトの製造要領>処理歯布3を筒
状体として歯付モールドに巻き付けて、その上にガラス
繊維ロープ(繊維コード2)をスピニングし、さらに、
その上に一定厚の未加硫ゴムシート(H−NBR)を巻
き付けて、外部より加圧加熱して歯付モールドの歯溝に
ゴムを圧入する公知の成形方法により製造された加硫ス
リープを得、これを幅19mmにカットしてS8M型の歯
付ベルトBを得た。
状体として歯付モールドに巻き付けて、その上にガラス
繊維ロープ(繊維コード2)をスピニングし、さらに、
その上に一定厚の未加硫ゴムシート(H−NBR)を巻
き付けて、外部より加圧加熱して歯付モールドの歯溝に
ゴムを圧入する公知の成形方法により製造された加硫ス
リープを得、これを幅19mmにカットしてS8M型の歯
付ベルトBを得た。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】表4のデータから明らかなように、ベルト
走行前後の接着力は、共に実施例2が遥かに比較例3,
4よりも上回っていることが判る。
走行前後の接着力は、共に実施例2が遥かに比較例3,
4よりも上回っていることが判る。
【0040】(実験例III )基布3を表5のゴム糊を用
いて含浸処理し、実験例IIと同様の要領にて歯付ベルト
Bを製造した。なお、ゴム糊処理は、第1段として表5
の組成物の固形分15wt%MEK溶剤のゴム糊でソーキ
ングし、第2段及び第3段として表5の組成物の固形分
20wt%MEK溶剤のゴム糊でコーティング処理した。
この歯付ベルトBを図3に示す上記実験例Iで用いたベ
ルト走行試験機と同じものを用いて同様の要領にて屈曲
走行させた後、基布3が摩耗して繊維コード2が歯ゴム
層4の歯底部から露出するまで屈曲回数を測定した。そ
の測定結果(表6)を下記する。
いて含浸処理し、実験例IIと同様の要領にて歯付ベルト
Bを製造した。なお、ゴム糊処理は、第1段として表5
の組成物の固形分15wt%MEK溶剤のゴム糊でソーキ
ングし、第2段及び第3段として表5の組成物の固形分
20wt%MEK溶剤のゴム糊でコーティング処理した。
この歯付ベルトBを図3に示す上記実験例Iで用いたベ
ルト走行試験機と同じものを用いて同様の要領にて屈曲
走行させた後、基布3が摩耗して繊維コード2が歯ゴム
層4の歯底部から露出するまで屈曲回数を測定した。そ
の測定結果(表6)を下記する。
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】表6のデータから明らかなように、比較例
5のように短繊維の混入量がゴム糊の固形分に対して
0.5重量部未満であると、基布補強効果が少なく、帆
布摩耗が早くなって短繊維無配合の場合と同程度の摩耗
速度であるが、比較例6のように短繊維の混入量が4.
0重量部を超えると、短繊維が基布の繊維組織中に侵入
し難く、基布の摩耗性が向上し難いことが判る。
5のように短繊維の混入量がゴム糊の固形分に対して
0.5重量部未満であると、基布補強効果が少なく、帆
布摩耗が早くなって短繊維無配合の場合と同程度の摩耗
速度であるが、比較例6のように短繊維の混入量が4.
0重量部を超えると、短繊維が基布の繊維組織中に侵入
し難く、基布の摩耗性が向上し難いことが判る。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1,3に係
る本発明によれば、繊維コードや基布を接着剤処理する
ゴム糊にフィブリル化した短繊維を混入したので、短繊
維をゴム層に密に絡ませて両者の強固に接着させること
ができ、優れた静的並びに動的接着力を得ることができ
る。
る本発明によれば、繊維コードや基布を接着剤処理する
ゴム糊にフィブリル化した短繊維を混入したので、短繊
維をゴム層に密に絡ませて両者の強固に接着させること
ができ、優れた静的並びに動的接着力を得ることができ
る。
【0045】請求項2,4に係る本発明によれば、短繊
維の混入量をゴム糊の固形分に対して0.5〜4.0重
量部に設定したので、繊維コードや基布に対して短繊維
を効率良く付着させることができ、優れた接着力を効果
的に得ることができる。特に、請求項4では、短繊維の
効率の良い付着によって基布の摩耗性を優れたものにす
ることができる。
維の混入量をゴム糊の固形分に対して0.5〜4.0重
量部に設定したので、繊維コードや基布に対して短繊維
を効率良く付着させることができ、優れた接着力を効果
的に得ることができる。特に、請求項4では、短繊維の
効率の良い付着によって基布の摩耗性を優れたものにす
ることができる。
【図1】平ベルトの斜視図である。
【図2】歯付ベルトの斜視図である。
【図3】屈曲試験機の概略構成図である。
1 ゴム層(製品本体) 2 繊維コード(補強用ゴム製品構成部材) 3 基布(補強用ゴム製品構成部材) A 平ベルト(ゴム製品) B 歯付ベルト(ゴム製品)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:08
Claims (4)
- 【請求項1】 ゴム製品の製品本体を構成するゴム層に
埋設され、製品本体を補強するコードからなり、該コー
ドが繊維で構成されている補強用ゴム製品構成部材であ
って、 上記繊維コードは、フィブリル化した短繊維が混入され
たゴム糊で含浸処理されていることを特徴とする繊維か
らなる補強用ゴム製品構成部材。 - 【請求項2】 短繊維の混入量は、ゴム糊の固形分に対
して0.5〜4.0重量部に設定されていることを特徴
とする請求項1記載の繊維からなる補強用ゴム製品構成
部材。 - 【請求項3】 ゴム製品の製品本体を構成するゴム層表
面に貼着され、製品本体を補強する基布からなり、該基
布が繊維で構成されている補強用ゴム製品構成部材であ
って、 上記基布は、フィブリル化した短繊維が混入されたゴム
糊で含浸処理されていることを特徴とする繊維からなる
補強用ゴム製品構成部材。 - 【請求項4】 短繊維の混入量は、ゴム糊の固形分に対
して0.5〜4.0重量部に設定されていることを特徴
とする請求項3記載の繊維からなる補強用ゴム製品構成
部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30747694A JPH08157609A (ja) | 1994-12-12 | 1994-12-12 | 繊維からなる補強用ゴム製品構成部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30747694A JPH08157609A (ja) | 1994-12-12 | 1994-12-12 | 繊維からなる補強用ゴム製品構成部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08157609A true JPH08157609A (ja) | 1996-06-18 |
Family
ID=17969545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30747694A Withdrawn JPH08157609A (ja) | 1994-12-12 | 1994-12-12 | 繊維からなる補強用ゴム製品構成部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08157609A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010275642A (ja) * | 2009-05-26 | 2010-12-09 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ゴム補強用繊維コード及びそれを用いた空気入りラジアルタイヤ |
JP2015194253A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-05 | 三ツ星ベルト株式会社 | 歯付ベルト及びその製造方法 |
JP2016037338A (ja) * | 2014-08-06 | 2016-03-22 | ニッタ株式会社 | 無端状平ベルトおよびその製造方法 |
CN110815991A (zh) * | 2019-11-28 | 2020-02-21 | 徐州顺天工业用布有限公司 | 一种橡胶工业用布及其制造方法 |
-
1994
- 1994-12-12 JP JP30747694A patent/JPH08157609A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010275642A (ja) * | 2009-05-26 | 2010-12-09 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ゴム補強用繊維コード及びそれを用いた空気入りラジアルタイヤ |
JP2015194253A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-05 | 三ツ星ベルト株式会社 | 歯付ベルト及びその製造方法 |
JP2016037338A (ja) * | 2014-08-06 | 2016-03-22 | ニッタ株式会社 | 無端状平ベルトおよびその製造方法 |
CN110815991A (zh) * | 2019-11-28 | 2020-02-21 | 徐州顺天工业用布有限公司 | 一种橡胶工业用布及其制造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020305 |