JPH07305079A - 潤滑油 - Google Patents
潤滑油Info
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- JPH07305079A JPH07305079A JP12317794A JP12317794A JPH07305079A JP H07305079 A JPH07305079 A JP H07305079A JP 12317794 A JP12317794 A JP 12317794A JP 12317794 A JP12317794 A JP 12317794A JP H07305079 A JPH07305079 A JP H07305079A
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- lubricating oil
- oil
- fatty acid
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱安定性、酸化安定性に優れると共に、低温
流動性、潤滑性に優れ、圧延油やエンジン油等に好適に
使用される高性能潤滑油を提供する。 【効果】 分子中のβ位炭素に水素原子をもたない2〜
6価のネオペンチルポリオールにアルキレンオキサイド
基を1〜10モル付加したものを炭素数8〜22の脂肪
酸類でエステル化することにより得られるポリエーテル
ポリオール脂肪酸エステルを含有する潤滑油。
流動性、潤滑性に優れ、圧延油やエンジン油等に好適に
使用される高性能潤滑油を提供する。 【効果】 分子中のβ位炭素に水素原子をもたない2〜
6価のネオペンチルポリオールにアルキレンオキサイド
基を1〜10モル付加したものを炭素数8〜22の脂肪
酸類でエステル化することにより得られるポリエーテル
ポリオール脂肪酸エステルを含有する潤滑油。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧延用潤滑油、2サイ
クル,4サイクル用潤滑油などのエンジン油、工業用ギ
ヤ油、油圧作動油、繊維用潤滑油等に好適に使用するこ
とができる潤滑油に関し、特に高い熱安定性、低流動
点、高い油膜特性、生分解性を兼ね備えた潤滑油に関す
る。
クル,4サイクル用潤滑油などのエンジン油、工業用ギ
ヤ油、油圧作動油、繊維用潤滑油等に好適に使用するこ
とができる潤滑油に関し、特に高い熱安定性、低流動
点、高い油膜特性、生分解性を兼ね備えた潤滑油に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
各種機械工業の急速な発展に伴って、潤滑油の使用条件
が過酷化してきており、優れた潤滑特性を有する潤滑油
が要求されるようになってきた。
各種機械工業の急速な発展に伴って、潤滑油の使用条件
が過酷化してきており、優れた潤滑特性を有する潤滑油
が要求されるようになってきた。
【0003】例えば、圧延油においては、薄板鋼板製造
技術の進歩は目覚ましく、圧延油に対する要望が多様化
し、このため従来の鉱油系、油脂系から合成油系に変換
されてきている。また、薄板、圧延も環境改善の見地か
ら、ミルや圧延油の設備の汚れ防止やヒュームの低減が
求められ、そのため圧延油の低融点化、低濃度化が求め
られ、大幅な潤滑性の向上が追求されている。
技術の進歩は目覚ましく、圧延油に対する要望が多様化
し、このため従来の鉱油系、油脂系から合成油系に変換
されてきている。また、薄板、圧延も環境改善の見地か
ら、ミルや圧延油の設備の汚れ防止やヒュームの低減が
求められ、そのため圧延油の低融点化、低濃度化が求め
られ、大幅な潤滑性の向上が追求されている。
【0004】しかしながら、現段階で用いられている合
成油(例えば特開平3−172392号公報)では、未
だに鉱油、天然油脂との混合系であり、そのため潤滑性
はいいが、作業性が悪い。即ち圧延油中に炭素数12〜
18の直鎖状高級飽和脂肪酸モノカルボン酸を含有して
いるため、低融点化が進んでいないこと、更に直鎖状不
飽和脂肪酸モノカルボン酸を含有するため、熱安定性が
悪いという問題がある。このように、未だに高い熱安定
性、低流動性、高い油膜特性を満足する圧延油はないの
が現状である。
成油(例えば特開平3−172392号公報)では、未
だに鉱油、天然油脂との混合系であり、そのため潤滑性
はいいが、作業性が悪い。即ち圧延油中に炭素数12〜
18の直鎖状高級飽和脂肪酸モノカルボン酸を含有して
いるため、低融点化が進んでいないこと、更に直鎖状不
飽和脂肪酸モノカルボン酸を含有するため、熱安定性が
悪いという問題がある。このように、未だに高い熱安定
性、低流動性、高い油膜特性を満足する圧延油はないの
が現状である。
【0005】一方、エンジン油においては、自動車の高
速化、高速道路の拡大により要求性能も一段と厳しくな
り、高出力化への要求は年々過酷になってきている。更
に一方では浄化装置の備えつけ等によって、従来の自動
車エンジン油の性能ではこれらの要求を満たすことは困
難になってきた。今後の自動車エンジン油に要求される
性能としては、優れた熱安定性、低温流動性、低温始動
性、スラッジ分散性及び摩耗防止等の他に、エンジン油
の寿命、即ちオイル交換期の延長化、あるいは不要化で
あり、更にはエンジン油への各種添加剤の低減化、又は
不要化が要求されている。
速化、高速道路の拡大により要求性能も一段と厳しくな
り、高出力化への要求は年々過酷になってきている。更
に一方では浄化装置の備えつけ等によって、従来の自動
車エンジン油の性能ではこれらの要求を満たすことは困
難になってきた。今後の自動車エンジン油に要求される
性能としては、優れた熱安定性、低温流動性、低温始動
性、スラッジ分散性及び摩耗防止等の他に、エンジン油
の寿命、即ちオイル交換期の延長化、あるいは不要化で
あり、更にはエンジン油への各種添加剤の低減化、又は
不要化が要求されている。
【0006】従来、圧延油やエンジン油用の高性能の潤
滑油としては、エステル系潤滑油が提案されており、エ
ステル中の多価アルコールの成分としてネオペンチルポ
リオールを使用し、脂肪酸成分として比較的炭素数の小
さい炭素数が10以下の直鎖状飽和脂肪酸モノカルボン
酸を用い、これらのネオペンチルポリオールエステルと
してこれを鉱物油に混合し、自動車エンジン油として内
燃機関に使用している(特開昭46−6528号、特開
昭48−27867号、特開昭50−11685号公報
等)。
滑油としては、エステル系潤滑油が提案されており、エ
ステル中の多価アルコールの成分としてネオペンチルポ
リオールを使用し、脂肪酸成分として比較的炭素数の小
さい炭素数が10以下の直鎖状飽和脂肪酸モノカルボン
酸を用い、これらのネオペンチルポリオールエステルと
してこれを鉱物油に混合し、自動車エンジン油として内
燃機関に使用している(特開昭46−6528号、特開
昭48−27867号、特開昭50−11685号公報
等)。
【0007】これらネオペンチルポリオールエステルを
ベースとした潤滑油は、従来の鉱油、一般エステル油と
比較して、熱、酸化安定性に優れていることは知られて
いる。実際、この特性を生かした用途分野に、グリー
ス、作動油、金属加工油(圧延油)、エンジン油等のベ
ース油、あるいは添加剤として使用された例がある。
ベースとした潤滑油は、従来の鉱油、一般エステル油と
比較して、熱、酸化安定性に優れていることは知られて
いる。実際、この特性を生かした用途分野に、グリー
ス、作動油、金属加工油(圧延油)、エンジン油等のベ
ース油、あるいは添加剤として使用された例がある。
【0008】しかしながら、ネオペンチルポリオールエ
ステルは、このように他のエステル系潤滑油と比較し
て、熱、酸化安定性には優れているが、反面、潤滑油ベ
ースとして重要な性質である低温流動性については、未
だ不十分であり、ジオクチルセバケート(DOS)等の
ジエステル油に比較すると大きく劣っている。また、こ
の欠点のため、従来のネオペンチルポリオールエステル
は汎用性に欠けていた。更に、潤滑性についても、エス
テルを構成する脂肪酸のアルキル鎖長が流動性保持のた
め制約を受け、炭素数10以下のものを主体に使用せざ
るを得なかった。このため、潤滑性、油性に関しても不
十分であった。
ステルは、このように他のエステル系潤滑油と比較し
て、熱、酸化安定性には優れているが、反面、潤滑油ベ
ースとして重要な性質である低温流動性については、未
だ不十分であり、ジオクチルセバケート(DOS)等の
ジエステル油に比較すると大きく劣っている。また、こ
の欠点のため、従来のネオペンチルポリオールエステル
は汎用性に欠けていた。更に、潤滑性についても、エス
テルを構成する脂肪酸のアルキル鎖長が流動性保持のた
め制約を受け、炭素数10以下のものを主体に使用せざ
るを得なかった。このため、潤滑性、油性に関しても不
十分であった。
【0009】また、流動点を下げ、潤滑性を上げるため
に、アルキル鎖長を長くし、二重結合を有するオレイン
酸などを用いたネオペンチルポリオールエステル(特開
昭59−133297号公報)が提案されているが、二
重結合を有するため、熱、酸化安定性が劣るという問題
がある。
に、アルキル鎖長を長くし、二重結合を有するオレイン
酸などを用いたネオペンチルポリオールエステル(特開
昭59−133297号公報)が提案されているが、二
重結合を有するため、熱、酸化安定性が劣るという問題
がある。
【0010】更に、金属加工油剤及び金属加工方法に関
し、加工性が高く、脱脂性(水溶性)が良好であること
を目的とした潤滑油が提案されている(特開平4ー20
598号公報)。
し、加工性が高く、脱脂性(水溶性)が良好であること
を目的とした潤滑油が提案されている(特開平4ー20
598号公報)。
【0011】この潤滑油は直鎖オレフィンに、乳化剤と
して、ポリエーテルポリオール脂肪酸エステルやアルカ
リ又はアミン石鹸を配合するものである。
して、ポリエーテルポリオール脂肪酸エステルやアルカ
リ又はアミン石鹸を配合するものである。
【0012】しかしながら、この提案ではポリエーテル
ポリオール脂肪酸エステルが乳化剤として使われてお
り、オレフィンを使用しているために生分解性が悪く、
環境面からも好ましくない。
ポリオール脂肪酸エステルが乳化剤として使われてお
り、オレフィンを使用しているために生分解性が悪く、
環境面からも好ましくない。
【0013】その他、1,1,1,2−テトラフルオロ
エタン冷媒を使用する冷凍機用に関するエステル系潤滑
油が提案されている(特開平4ー146995号公報)
が、この提案は、冷媒との相溶性、低吸湿性の特徴を有
しているものの、十分に満足する性能を有するものでは
ない。
エタン冷媒を使用する冷凍機用に関するエステル系潤滑
油が提案されている(特開平4ー146995号公報)
が、この提案は、冷媒との相溶性、低吸湿性の特徴を有
しているものの、十分に満足する性能を有するものでは
ない。
【0014】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、熱安定性、酸化安定性に優れると共に、低温流動
性、潤滑性に優れ、圧延油やエンジン油等に好適に使用
される高性能潤滑油を提供することを目的とする。
で、熱安定性、酸化安定性に優れると共に、低温流動
性、潤滑性に優れ、圧延油やエンジン油等に好適に使用
される高性能潤滑油を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、多価アル
コールの成分として分子中のβ位炭素に水素原子を持た
ない2〜6価のネオペンチルポリオールを用い、これに
アルキレンオキサイド基を1〜10モル付加したもの
を、炭素数8〜22の脂肪酸類でエステル化することに
より得られるポリエーテルポリオール脂肪酸エステルを
潤滑油成分として使用した潤滑油は、熱安定性、酸化安
定性に優れると共に、低温流動性、潤滑性、さらには生
分解性に優れ、しかもアルキレンオキサイドの付加モル
数をコントロールすることにより、動粘度も用途に応じ
て自由に変化させることができ、用途が広い高性能潤滑
油であることを見い出し、本発明をなすに至ったもので
ある。
記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、多価アル
コールの成分として分子中のβ位炭素に水素原子を持た
ない2〜6価のネオペンチルポリオールを用い、これに
アルキレンオキサイド基を1〜10モル付加したもの
を、炭素数8〜22の脂肪酸類でエステル化することに
より得られるポリエーテルポリオール脂肪酸エステルを
潤滑油成分として使用した潤滑油は、熱安定性、酸化安
定性に優れると共に、低温流動性、潤滑性、さらには生
分解性に優れ、しかもアルキレンオキサイドの付加モル
数をコントロールすることにより、動粘度も用途に応じ
て自由に変化させることができ、用途が広い高性能潤滑
油であることを見い出し、本発明をなすに至ったもので
ある。
【0016】従って、本発明は、分子中のβ位炭素に水
素原子をもたない2〜6価のネオペンチルポリオールに
アルキレンオキサイド基を8〜10モル付加したものを
炭素数8〜22の脂肪酸類でエステル化することにより
得られるポリエーテルポリオール脂肪酸エステルを含有
する潤滑油を提供する。
素原子をもたない2〜6価のネオペンチルポリオールに
アルキレンオキサイド基を8〜10モル付加したものを
炭素数8〜22の脂肪酸類でエステル化することにより
得られるポリエーテルポリオール脂肪酸エステルを含有
する潤滑油を提供する。
【0017】以下、本発明について更に詳しく説明する
と、本発明の潤滑油に使用するポリエーテルポリオール
脂肪酸エステルを得るために用いられる多価アルコール
は、その分子中のβ位炭素に水素原子を持たない2〜6
価のネオペンチルポリオールであり、例えばネオペンチ
ルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロール
プロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールヘキ
サン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール等を挙げることができ、こ
れらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いること
ができる。
と、本発明の潤滑油に使用するポリエーテルポリオール
脂肪酸エステルを得るために用いられる多価アルコール
は、その分子中のβ位炭素に水素原子を持たない2〜6
価のネオペンチルポリオールであり、例えばネオペンチ
ルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロール
プロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールヘキ
サン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール等を挙げることができ、こ
れらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いること
ができる。
【0018】また、付加に用いるアルキレンオキサイド
としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、イソプロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、
イソブチレンオキサイド等の1種を単独で又は2種以上
を混合して用いることができる。付加モル数は多価アル
コールに対して1〜10モル、好ましくは3〜10モル
の範囲である。付加モル数が1モルより少ないと付加の
効果が発現せず、11モルより多いと酸化安定性が劣
る。なお、2種以上のアルキレンオキサイドを付加する
際にはブロック的でもランダム的でもよい。
としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、イソプロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、
イソブチレンオキサイド等の1種を単独で又は2種以上
を混合して用いることができる。付加モル数は多価アル
コールに対して1〜10モル、好ましくは3〜10モル
の範囲である。付加モル数が1モルより少ないと付加の
効果が発現せず、11モルより多いと酸化安定性が劣
る。なお、2種以上のアルキレンオキサイドを付加する
際にはブロック的でもランダム的でもよい。
【0019】一方、エステル化に用いる脂肪酸類は、炭
素数8〜22、好ましくは11〜18のものであり、直
鎖状であっても分岐状であっても差し支えない。炭素数
が7以下のものでは所望の耐荷重性が得られず、炭素数
が23以上では低温流動性が改善されない。このような
炭素数8〜22の脂肪酸類としては、例えばカプリル
酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、
アラキジン酸、ベヘン酸、及びこれらの低級アルキルエ
ステルを挙げることができる。なお、低級アルキルは炭
素数1〜4までのものが好ましい。
素数8〜22、好ましくは11〜18のものであり、直
鎖状であっても分岐状であっても差し支えない。炭素数
が7以下のものでは所望の耐荷重性が得られず、炭素数
が23以上では低温流動性が改善されない。このような
炭素数8〜22の脂肪酸類としては、例えばカプリル
酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、
アラキジン酸、ベヘン酸、及びこれらの低級アルキルエ
ステルを挙げることができる。なお、低級アルキルは炭
素数1〜4までのものが好ましい。
【0020】本発明の潤滑油は、上記ポリエーテルポリ
オール脂肪酸エステルを主成分とするものであるが、必
要により極圧剤、清浄分散剤、流動性降下剤、酸化安定
剤等を配合することができる。
オール脂肪酸エステルを主成分とするものであるが、必
要により極圧剤、清浄分散剤、流動性降下剤、酸化安定
剤等を配合することができる。
【0021】
【発明の効果】本発明による潤滑油は、従来の潤滑油に
比べ、潤滑特性、低温流動性、熱・酸化安定性が著しく
改良され、この特徴を生かして、金属加工油、エンジン
油用潤滑油のほか難燃性作動油、グリース等幅広く工業
用潤滑油として好適に使用することができる。
比べ、潤滑特性、低温流動性、熱・酸化安定性が著しく
改良され、この特徴を生かして、金属加工油、エンジン
油用潤滑油のほか難燃性作動油、グリース等幅広く工業
用潤滑油として好適に使用することができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるもので
はない。
的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるもので
はない。
【0023】ポリエーテルポリオール脂肪酸エステル
を、下記表1に示した多価アルコールアルキレンオキシ
ド付加物と脂肪酸エステルとを用いて製造した。このう
ち実施例2、実施例3及び実施例5の製造方法について
下記に示す。
を、下記表1に示した多価アルコールアルキレンオキシ
ド付加物と脂肪酸エステルとを用いて製造した。このう
ち実施例2、実施例3及び実施例5の製造方法について
下記に示す。
【0024】<実施例2>還流コンデンサー、温度計、
攪拌機をつけた容量500mlのガラス製反応器に、ト
リメチロールプロパンエチレンオキサイド3モル付加物
80g(0.296モル)、カプリン酸メチル198.
6g(1.066モル)及びナトリウムメチラート1.
4g(対仕込み0.5重量%)を入れ、220℃、11
0torrで6時間反応させた。反応終了後、112g
の水で2回洗浄し、触媒を除去した後、残留カプリン酸
メチルを220℃、0.3torrでトッピングし、反
応系を濾過し、ポリエーテルポリオール脂肪酸エステル
213g(収率98%)の黄色透明液体を得た。
攪拌機をつけた容量500mlのガラス製反応器に、ト
リメチロールプロパンエチレンオキサイド3モル付加物
80g(0.296モル)、カプリン酸メチル198.
6g(1.066モル)及びナトリウムメチラート1.
4g(対仕込み0.5重量%)を入れ、220℃、11
0torrで6時間反応させた。反応終了後、112g
の水で2回洗浄し、触媒を除去した後、残留カプリン酸
メチルを220℃、0.3torrでトッピングし、反
応系を濾過し、ポリエーテルポリオール脂肪酸エステル
213g(収率98%)の黄色透明液体を得た。
【0025】<実施例3>還流コンデンサー、温度計、
攪拌機をつけた容量500mlのガラス製反応器に、ト
リメチロールプロパンプロピレンオキサイド3モル付加
物70g(0.226モル)、カプリン酸メチル15
0.9g(0.81モル)及びナトリウムメチラート
1.1g(対仕込み0.5重量%)を入れ、90℃、9
torrで4時間反応させた。反応終了後、100gの
水で2回洗浄し、触媒を除去した後、残留カプリン酸メ
チルを220℃、2torrでトッピングし、反応系を
濾過し、ポリエーテルポリオール脂肪酸エステル170
g(収率98%)の黄色透明液体を得た。
攪拌機をつけた容量500mlのガラス製反応器に、ト
リメチロールプロパンプロピレンオキサイド3モル付加
物70g(0.226モル)、カプリン酸メチル15
0.9g(0.81モル)及びナトリウムメチラート
1.1g(対仕込み0.5重量%)を入れ、90℃、9
torrで4時間反応させた。反応終了後、100gの
水で2回洗浄し、触媒を除去した後、残留カプリン酸メ
チルを220℃、2torrでトッピングし、反応系を
濾過し、ポリエーテルポリオール脂肪酸エステル170
g(収率98%)の黄色透明液体を得た。
【0026】<実施例5>還流コンデンサー、温度計、
攪拌機をつけた容量500mlのガラス製反応器に、ト
リメチロールプロパンプロピレンオキサイド3モル付加
物70g(0.226モル)、ラウリン酸メチル17
3.3g(0.81モル)及びナトリウムメチラート
1.2g(対仕込み0.5重量%)を入れ、90℃、5
torrで4時間反応させた。反応終了後、100gの
水で2回洗浄し、触媒を除去した後、残留ラウリン酸メ
チルを220℃、1torrでトッピングし、反応系を
濾過し、ポリエーテルポリオール脂肪酸エステル187
g(収率97%)の黄色透明液体を得た。
攪拌機をつけた容量500mlのガラス製反応器に、ト
リメチロールプロパンプロピレンオキサイド3モル付加
物70g(0.226モル)、ラウリン酸メチル17
3.3g(0.81モル)及びナトリウムメチラート
1.2g(対仕込み0.5重量%)を入れ、90℃、5
torrで4時間反応させた。反応終了後、100gの
水で2回洗浄し、触媒を除去した後、残留ラウリン酸メ
チルを220℃、1torrでトッピングし、反応系を
濾過し、ポリエーテルポリオール脂肪酸エステル187
g(収率97%)の黄色透明液体を得た。
【0027】
【表1】
【0028】表1に示した実施例、比較例で得られたポ
リエーテルポリオール脂肪酸エステルについて、下記方
法に従い動粘度、粘度指数、流動点、摩擦係数、耐荷重
能、ホットチューブ試験、酸化安定性試験を行った。な
お、圧延油としては、流動点、摩擦係数、耐荷重能、酸
化安定性試験の値が重要であり、エンジン油としては、
粘度指数、流動点、摩擦係数、耐荷重能、ホットチュー
ブ試験、酸化安定性試験の値が重要である。結果を表
2、3に示す。 <試験方法> 動粘度 :JIS K2283に準拠 粘度指数 :JIS K2283に準拠 流動点 :JIS K2269に準拠 摩擦係数 :振り子型油性摩擦試験機仕様に準拠 耐荷重能 :JIS K2519に準拠 ホットチューブ試験: 試験温度:300℃、試験時間16時間、空気流量10
±0.5cc/min 試験油流量:0.31±0.01cc/min 酸化安定性試験:JIS K2514に準拠
リエーテルポリオール脂肪酸エステルについて、下記方
法に従い動粘度、粘度指数、流動点、摩擦係数、耐荷重
能、ホットチューブ試験、酸化安定性試験を行った。な
お、圧延油としては、流動点、摩擦係数、耐荷重能、酸
化安定性試験の値が重要であり、エンジン油としては、
粘度指数、流動点、摩擦係数、耐荷重能、ホットチュー
ブ試験、酸化安定性試験の値が重要である。結果を表
2、3に示す。 <試験方法> 動粘度 :JIS K2283に準拠 粘度指数 :JIS K2283に準拠 流動点 :JIS K2269に準拠 摩擦係数 :振り子型油性摩擦試験機仕様に準拠 耐荷重能 :JIS K2519に準拠 ホットチューブ試験: 試験温度:300℃、試験時間16時間、空気流量10
±0.5cc/min 試験油流量:0.31±0.01cc/min 酸化安定性試験:JIS K2514に準拠
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】表2、3の結果より、本発明の潤滑油は、
比較例の潤滑油と比較して、例えば同じ多価アルコール
と飽和脂肪酸を用いた実施例2、3と比較例1、及び実
施例5と比較例2とをそれぞれ比べてみると、明らかに
アルキレン基を導入することにより、流動点が低くな
り、高粘度指数、高耐荷重能を示していることが認めら
れる。また、高い耐熱性(ホットチューブ試験)と耐酸
化安定性を示し、このため本発明の潤滑油は、圧延油、
エンジン油として優れた特性を有することが認められ
る。
比較例の潤滑油と比較して、例えば同じ多価アルコール
と飽和脂肪酸を用いた実施例2、3と比較例1、及び実
施例5と比較例2とをそれぞれ比べてみると、明らかに
アルキレン基を導入することにより、流動点が低くな
り、高粘度指数、高耐荷重能を示していることが認めら
れる。また、高い耐熱性(ホットチューブ試験)と耐酸
化安定性を示し、このため本発明の潤滑油は、圧延油、
エンジン油として優れた特性を有することが認められ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:04 40:08 40:24 Z 40:25
Claims (4)
- 【請求項1】 分子中のβ位炭素に水素原子をもたない
2〜6価のネオペンチルポリオールにアルキレンオキサ
イド基を1〜10モル付加したものを炭素数8〜22の
脂肪酸類でエステル化することにより得られるポリエー
テルポリオール脂肪酸エステルを含有する潤滑油。 - 【請求項2】 ネオペンチルポリオールがネオペンチル
グリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールヘキサ
ン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール
及びジペンタエリスリトールから選ばれるものである請
求項1記載の潤滑油。 - 【請求項3】 アルキレンオキサイド基がエチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド、イソプロピレンオキサ
イド、ブチレンオキサイド、及びイソブチレンオキサイ
ドから選ばれるものである請求項1又は2記載の潤滑
油。 - 【請求項4】 脂肪酸類がカプリル酸、カプリン酸、ウ
ンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、イソステアリン酸、オレイン酸、アラキジン酸、ベ
ヘン酸及びこれらの低級アルキルエステルから選ばれる
ものである請求項1乃至3のいずれか1項記載の潤滑
油。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12317794A JPH07305079A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | 潤滑油 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP12317794A JPH07305079A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | 潤滑油 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07305079A true JPH07305079A (ja) | 1995-11-21 |
Family
ID=14854097
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12317794A Pending JPH07305079A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | 潤滑油 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH07305079A (ja) |
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-
1994
- 1994-05-12 JP JP12317794A patent/JPH07305079A/ja active Pending
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