JPH07278412A - エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化プラスチック - Google Patents
エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化プラスチックInfo
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- JPH07278412A JPH07278412A JP7028372A JP2837295A JPH07278412A JP H07278412 A JPH07278412 A JP H07278412A JP 7028372 A JP7028372 A JP 7028372A JP 2837295 A JP2837295 A JP 2837295A JP H07278412 A JPH07278412 A JP H07278412A
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- epoxy resin
- resin
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Abstract
(57)【要約】
【構成】次の構成成分からなり、[C]を4 〜25重量
%、[D]を0.5 〜10重量%含有することを特徴とする
エポキシ樹脂組成物、ならびにそのエポキシ樹脂組成物
を用いたプリプレグおよび繊維強化プラスチック。 [A]:エポキシ樹脂 [B]:硬化剤 [C]:数平均分子量が10000以上かつガラス転移
温度が150 ℃以上であり、[A]に溶解し得る芳香族熱
可塑性樹脂 【効果】熱硬化性樹脂組成物の取り扱い作業性を良好な
ものとでき、かつ、高靭性、高伸度、高弾性率、低内部
応力性さらには高耐熱性、低吸水性を持つ樹脂硬化物を
提供できる。さらに、これをマトリックス樹脂とするプ
リプレグは良好なタック性、ドレープ性を有し、硬化物
である繊維強化複合材料は高靭性、高耐衝撃性、高強
度、高伸度、かつ高耐熱性、低吸水率を有する。
%、[D]を0.5 〜10重量%含有することを特徴とする
エポキシ樹脂組成物、ならびにそのエポキシ樹脂組成物
を用いたプリプレグおよび繊維強化プラスチック。 [A]:エポキシ樹脂 [B]:硬化剤 [C]:数平均分子量が10000以上かつガラス転移
温度が150 ℃以上であり、[A]に溶解し得る芳香族熱
可塑性樹脂 【効果】熱硬化性樹脂組成物の取り扱い作業性を良好な
ものとでき、かつ、高靭性、高伸度、高弾性率、低内部
応力性さらには高耐熱性、低吸水性を持つ樹脂硬化物を
提供できる。さらに、これをマトリックス樹脂とするプ
リプレグは良好なタック性、ドレープ性を有し、硬化物
である繊維強化複合材料は高靭性、高耐衝撃性、高強
度、高伸度、かつ高耐熱性、低吸水率を有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高靭性、高弾性率、さ
らには耐熱性、耐熱分解性、耐溶剤性、低吸水性に優れ
た樹脂硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物、それをマト
ッリクス樹脂とするとするプリプレグおよび繊維強化プ
ラスチックに関する。
らには耐熱性、耐熱分解性、耐溶剤性、低吸水性に優れ
た樹脂硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物、それをマト
ッリクス樹脂とするとするプリプレグおよび繊維強化プ
ラスチックに関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂はその優れた力学的特性、
耐薬品性などを生かし、成形、積層、接着剤、封止剤な
ど各種産業分野に広く使用されている。特に強化繊維と
マトッリクス樹脂を必須の構成要素とする繊維強化複合
材料にはエポキシ樹脂が多く使われている。しかしなが
ら一方において、エポキシ樹脂は脆いという欠点を有し
ており、硬化物の耐衝撃性が悪いなどの問題点を有して
いる。特に、航空機、自動車等の構造材料に用いる場
合、耐衝撃性が悪いことは大きな問題である。
耐薬品性などを生かし、成形、積層、接着剤、封止剤な
ど各種産業分野に広く使用されている。特に強化繊維と
マトッリクス樹脂を必須の構成要素とする繊維強化複合
材料にはエポキシ樹脂が多く使われている。しかしなが
ら一方において、エポキシ樹脂は脆いという欠点を有し
ており、硬化物の耐衝撃性が悪いなどの問題点を有して
いる。特に、航空機、自動車等の構造材料に用いる場
合、耐衝撃性が悪いことは大きな問題である。
【0003】これらエポキシ樹脂の欠点、特に脆さを改
良するために以下の様々な試みがなされてきた。
良するために以下の様々な試みがなされてきた。
【0004】ディアマントらが第29回ナショナル・
サンペ・シンポジウム(1984)の第422-436 頁に記してい
るように、末端官能基を有するゴム状ポリマー(例えば
カルボキシル基末端ブタジエン・アクリロニトリルゴ
ム)をエポキシに加えることにより樹脂靭性が向上す
る。しかし、弾性率(特に高温での弾性率)の低下が大
きいといった欠点を有する。
サンペ・シンポジウム(1984)の第422-436 頁に記してい
るように、末端官能基を有するゴム状ポリマー(例えば
カルボキシル基末端ブタジエン・アクリロニトリルゴ
ム)をエポキシに加えることにより樹脂靭性が向上す
る。しかし、弾性率(特に高温での弾性率)の低下が大
きいといった欠点を有する。
【0005】高架橋密度のエポキシ樹脂を高靭性化す
る試みとして熱可塑性樹脂をエポキシ樹脂組成物に加え
ることが行なわれてきた。ポリマー第30巻第 213頁 (19
89)においてシー・ビー・バックナルらがポリエーテル
イミドを改質剤として検討している。硬化樹脂はミクロ
相分離構造をとり、ポリエーテルイミドの添加量が増え
るにつれ、ポリエーテルイミドがドメインを形成するモ
ルホロジーからポリエーテルイミドが連続相を形成する
モルホロジーへと変化し、添加量が増えるに従い硬化樹
脂の靭性が向上すると述べている。しかし、ポリエーテ
ルイミドの相が容易に塩化メチレンによって溶かされる
ことが記載されているように、耐溶剤性に劣るという欠
点がある。また、高分子量の熱可塑性樹脂を添加するた
めに組成物の粘度が著しく高くなり、作業性が大きく低
下するという欠点もある。
る試みとして熱可塑性樹脂をエポキシ樹脂組成物に加え
ることが行なわれてきた。ポリマー第30巻第 213頁 (19
89)においてシー・ビー・バックナルらがポリエーテル
イミドを改質剤として検討している。硬化樹脂はミクロ
相分離構造をとり、ポリエーテルイミドの添加量が増え
るにつれ、ポリエーテルイミドがドメインを形成するモ
ルホロジーからポリエーテルイミドが連続相を形成する
モルホロジーへと変化し、添加量が増えるに従い硬化樹
脂の靭性が向上すると述べている。しかし、ポリエーテ
ルイミドの相が容易に塩化メチレンによって溶かされる
ことが記載されているように、耐溶剤性に劣るという欠
点がある。また、高分子量の熱可塑性樹脂を添加するた
めに組成物の粘度が著しく高くなり、作業性が大きく低
下するという欠点もある。
【0006】末端にエポキシと反応する官能基を有
し、また多量に添加できるようオリゴマ領域の分子量を
有する熱可塑性樹脂を改質剤とする試みもなされた。例
えば米国特許第4656208号明細書および特開昭6
1−228016号においてエポキシ反応性の官能基を
末端に有するポリスルホンオリゴマーをエポキシ樹脂組
成物に加える検討がなされている。硬化樹脂はミクロ相
分離構造(海島構造)をとり、連続相にはポリスルホン
が高濃度に存在し、高い靭性を発現すると述べられてい
る。しかし、この系も耐溶剤性に劣るという欠点があ
る。欧州特許公開第0311349号明細書(1989)にお
いてもやはりアミン末端ポリアリルスルホンをエポキシ
樹脂組成物に加える検討がなされている。ポリアリルス
ルホンの骨格構造によって均一構造のもの、ポリアリル
スルホン相とエポキシ樹脂相に相分離し両相が連続構造
であるもの、連続相がポリアリルスルホンで島相がエポ
キシ相であるものと変化するとしている。そして、ポリ
アリルスルホン相とエポキシ樹脂相が両相とも連続構造
であるときに最も靭性が高くなると述べている。しか
し、ポリスルホン系の改質剤を用いた場合、エポキシ樹
脂の耐熱性を改善するには至らず、選択するエポキシ樹
脂によってはその耐熱性が低下することになる。また、
硬化条件に対して、諸物性が不安定であるといった欠点
を有している。
し、また多量に添加できるようオリゴマ領域の分子量を
有する熱可塑性樹脂を改質剤とする試みもなされた。例
えば米国特許第4656208号明細書および特開昭6
1−228016号においてエポキシ反応性の官能基を
末端に有するポリスルホンオリゴマーをエポキシ樹脂組
成物に加える検討がなされている。硬化樹脂はミクロ相
分離構造(海島構造)をとり、連続相にはポリスルホン
が高濃度に存在し、高い靭性を発現すると述べられてい
る。しかし、この系も耐溶剤性に劣るという欠点があ
る。欧州特許公開第0311349号明細書(1989)にお
いてもやはりアミン末端ポリアリルスルホンをエポキシ
樹脂組成物に加える検討がなされている。ポリアリルス
ルホンの骨格構造によって均一構造のもの、ポリアリル
スルホン相とエポキシ樹脂相に相分離し両相が連続構造
であるもの、連続相がポリアリルスルホンで島相がエポ
キシ相であるものと変化するとしている。そして、ポリ
アリルスルホン相とエポキシ樹脂相が両相とも連続構造
であるときに最も靭性が高くなると述べている。しか
し、ポリスルホン系の改質剤を用いた場合、エポキシ樹
脂の耐熱性を改善するには至らず、選択するエポキシ樹
脂によってはその耐熱性が低下することになる。また、
硬化条件に対して、諸物性が不安定であるといった欠点
を有している。
【0007】特開平2−20913号において末端に
エポキシと反応する官能基を有するポリスルホン、ポリ
エーテルスルホンまたは相当する共重合体と、その共重
合体を構成するのと同じ単位からなる高分子乳化剤をエ
ポキシ樹脂組成物に添加する検討がなされている。乳化
剤が相安定剤及び相媒体として作用し、それにより樹脂
の構成及び硬化条件における変動に対して安定的である
エポキシ樹脂組成物が得られると述べている。しかし、
ポリスルホンを改質剤に用いた場合、ポリスルホンを2
5重量%添加したにもかかわらず、樹脂靭性KICは1.4M
Pa (m)1/2 程度であり十分とはいえない(弾性率3.6GPa
とするとGIC=560J/m2 と換算される)。
エポキシと反応する官能基を有するポリスルホン、ポリ
エーテルスルホンまたは相当する共重合体と、その共重
合体を構成するのと同じ単位からなる高分子乳化剤をエ
ポキシ樹脂組成物に添加する検討がなされている。乳化
剤が相安定剤及び相媒体として作用し、それにより樹脂
の構成及び硬化条件における変動に対して安定的である
エポキシ樹脂組成物が得られると述べている。しかし、
ポリスルホンを改質剤に用いた場合、ポリスルホンを2
5重量%添加したにもかかわらず、樹脂靭性KICは1.4M
Pa (m)1/2 程度であり十分とはいえない(弾性率3.6GPa
とするとGIC=560J/m2 と換算される)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記、従来技術の項に
記したとおり、これらの手法は、その靭性改良効果がい
まだ不十分であったり、靭性改良のため、耐熱性、耐溶
剤性、作業性その他の特性を犠牲にするなど、それぞれ
に欠点を有している。
記したとおり、これらの手法は、その靭性改良効果がい
まだ不十分であったり、靭性改良のため、耐熱性、耐溶
剤性、作業性その他の特性を犠牲にするなど、それぞれ
に欠点を有している。
【0009】本発明は卓越した高靭性を有し、同時に高
弾性率、低吸水性、高耐熱性、高耐熱分解性、耐溶剤性
を併せもち、それら諸物性の安定性が高い硬化物を与え
るエポキシ樹脂組成物を提供せんとするものである。
弾性率、低吸水性、高耐熱性、高耐熱分解性、耐溶剤性
を併せもち、それら諸物性の安定性が高い硬化物を与え
るエポキシ樹脂組成物を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のエポキシ樹脂組
成物は上記目的を達成するため、次の構成を有する。す
なわち、次の構成成分からなり、[C]を4 〜25重量
%、[D]を0.5 〜10重量%含有することを特徴とする
エポキシ樹脂組成物である。
成物は上記目的を達成するため、次の構成を有する。す
なわち、次の構成成分からなり、[C]を4 〜25重量
%、[D]を0.5 〜10重量%含有することを特徴とする
エポキシ樹脂組成物である。
【0011】[A]:エポキシ樹脂 [B]:硬化剤 [C]:数平均分子量が10000以上かつガラス転移
温度が150 ℃以上であり、[A]に溶解し得る芳香族熱
可塑性樹脂 [D]:[A]と反応性の官能基を有し、[A]に溶解
し得る数平均分子量2000乃至20000の熱可塑性
樹脂 また、本発明のプリプレグは、次の構成を有する。すな
わち、エポキシ樹脂組成物と強化繊維[E]よりなるプ
リプレグであって、エポキシ樹脂組成物が次の構成成分
からなり、[C]を4 〜25重量%、[D]を0.5 〜10重
量%含有するものであることを特徴とするプリプレグ。
温度が150 ℃以上であり、[A]に溶解し得る芳香族熱
可塑性樹脂 [D]:[A]と反応性の官能基を有し、[A]に溶解
し得る数平均分子量2000乃至20000の熱可塑性
樹脂 また、本発明のプリプレグは、次の構成を有する。すな
わち、エポキシ樹脂組成物と強化繊維[E]よりなるプ
リプレグであって、エポキシ樹脂組成物が次の構成成分
からなり、[C]を4 〜25重量%、[D]を0.5 〜10重
量%含有するものであることを特徴とするプリプレグ。
【0012】[A]:エポキシ樹脂 [B]:硬化剤 [C]:数平均分子量が10000以上かつガラス転移
温度が150 ℃以上であり、[A]に溶解し得る芳香族熱
可塑性樹脂 [D]:[A]と反応性の官能基を有し、[A]に溶解
し得る数平均分子量2000乃至20000の熱可塑性
樹脂 さらに、本発明の繊維強化プラスチックは次の構成を有
する。すなわち、エポキシ樹脂組成物と強化繊維[E]
よりなるプリプレグを硬化させて得られる繊維強化プラ
スチックであって、エポキシ樹脂組成物が次の構成成分
からなり、[C]を4 〜25重量%、[D]を0.5 〜10重
量%含有するものであることを特徴とする繊維強化プラ
スチック。
温度が150 ℃以上であり、[A]に溶解し得る芳香族熱
可塑性樹脂 [D]:[A]と反応性の官能基を有し、[A]に溶解
し得る数平均分子量2000乃至20000の熱可塑性
樹脂 さらに、本発明の繊維強化プラスチックは次の構成を有
する。すなわち、エポキシ樹脂組成物と強化繊維[E]
よりなるプリプレグを硬化させて得られる繊維強化プラ
スチックであって、エポキシ樹脂組成物が次の構成成分
からなり、[C]を4 〜25重量%、[D]を0.5 〜10重
量%含有するものであることを特徴とする繊維強化プラ
スチック。
【0013】[A]:エポキシ樹脂 [B]:硬化剤 [C]:数平均分子量が10000以上かつガラス転移
温度が150 ℃以上であり、[A]に溶解し得る芳香族熱
可塑性樹脂 [D]:[A]と反応性の官能基を有し、[A]に溶解
し得る数平均分子量2000乃至20000の熱可塑性
樹脂 ここで、構成要素[C]および[D]における「構成要
素[A]に溶解し得る熱可塑性樹脂」とは、次のように
定義されるものをいう。すなわち、構成要素[A]に対
し、該熱可塑性樹脂を5wt%添加し、25℃の状態お
よび140℃にて2時間加熱撹拌後の2条件にて顕微鏡
観察を行う。25℃での観察において、樹脂中に熱可塑
性樹脂が占有する領域(顕微鏡写真上の熱可塑性樹脂面
積で代表させる)に対し、加熱処理後の熱可塑性樹脂占
有面積が30%以下に減少している場合、この熱可塑性
樹脂を「溶解し得る熱可塑性樹脂」とする。
温度が150 ℃以上であり、[A]に溶解し得る芳香族熱
可塑性樹脂 [D]:[A]と反応性の官能基を有し、[A]に溶解
し得る数平均分子量2000乃至20000の熱可塑性
樹脂 ここで、構成要素[C]および[D]における「構成要
素[A]に溶解し得る熱可塑性樹脂」とは、次のように
定義されるものをいう。すなわち、構成要素[A]に対
し、該熱可塑性樹脂を5wt%添加し、25℃の状態お
よび140℃にて2時間加熱撹拌後の2条件にて顕微鏡
観察を行う。25℃での観察において、樹脂中に熱可塑
性樹脂が占有する領域(顕微鏡写真上の熱可塑性樹脂面
積で代表させる)に対し、加熱処理後の熱可塑性樹脂占
有面積が30%以下に減少している場合、この熱可塑性
樹脂を「溶解し得る熱可塑性樹脂」とする。
【0014】以下、構成要素別に説明を加える。
【0015】本発明に構成要素[A]として用いられる
要素はエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂とは1分子あ
たり平均2個以上のエポキシ基を有する樹脂である。特
に、アミン類、フェノール類、炭素炭素二重結合を有す
る化合物を前駆体とするエポキシ樹脂が好ましい。具体
的には、アミン類を前駆体とするエポキシ樹脂として、
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリ
シジル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m−
アミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾールの
各種異性体、フェノール類を前駆体とするエポキシ樹脂
として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ
樹脂、炭素炭素二重結合を有する化合物を前駆体とする
エポキシ樹脂としては、脂環式エポキシ樹脂等があげら
れる。また、これらのエポキシ樹脂をブロム化したブロ
ム化エポキシ樹脂も用いられる。これらエポキシ樹脂は
2種以上の混合系で用いてもよく、モノエポキシ化合物
を含有しても良い。例えば、グリシジルアミン型エポキ
シ樹脂とグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の組み合わ
せによる組成物は耐熱性、耐水性および良作業性を併せ
持つため好ましい。特に、トリグリシジル−p−アミノ
フェノール、トリグリシジル−m−アミノフェノールの
誘導体といったグリシジルアミン型エポキシ樹脂とビス
フェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂といったグリ
シジルエーテル型エポキシ樹脂の組み合わせは、それぞ
れの樹脂の低粘度性に起因して作業性に優れた樹脂組成
物を与える。
要素はエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂とは1分子あ
たり平均2個以上のエポキシ基を有する樹脂である。特
に、アミン類、フェノール類、炭素炭素二重結合を有す
る化合物を前駆体とするエポキシ樹脂が好ましい。具体
的には、アミン類を前駆体とするエポキシ樹脂として、
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリ
シジル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m−
アミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾールの
各種異性体、フェノール類を前駆体とするエポキシ樹脂
として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ
樹脂、炭素炭素二重結合を有する化合物を前駆体とする
エポキシ樹脂としては、脂環式エポキシ樹脂等があげら
れる。また、これらのエポキシ樹脂をブロム化したブロ
ム化エポキシ樹脂も用いられる。これらエポキシ樹脂は
2種以上の混合系で用いてもよく、モノエポキシ化合物
を含有しても良い。例えば、グリシジルアミン型エポキ
シ樹脂とグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の組み合わ
せによる組成物は耐熱性、耐水性および良作業性を併せ
持つため好ましい。特に、トリグリシジル−p−アミノ
フェノール、トリグリシジル−m−アミノフェノールの
誘導体といったグリシジルアミン型エポキシ樹脂とビス
フェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂といったグリ
シジルエーテル型エポキシ樹脂の組み合わせは、それぞ
れの樹脂の低粘度性に起因して作業性に優れた樹脂組成
物を与える。
【0016】構成要素[B]として用いられる要素は硬
化剤である。好ましくは、アミノ基、酸無水物基、アジ
ド基、水酸基を有する化合物が適している。例えば、ジ
シアンジアミド、ジアミノジフェニルスルホンの各種異
性体、アミノ安息香酸エステル類、各種酸無水物、フェ
ノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂が挙
げられるがこれに限定されない。ジシアンジアミドはプ
リプレグの保存性に優れるため好んで用いられる。芳香
族ジアミンを硬化剤として用いると耐熱性良好なエポキ
シ樹脂硬化物が得られる。特に、ジアミノジフェニルス
ルホンの各種異性体は、耐熱性の良好な硬化物を与える
ため本発明には最も適している。アミノ安息香酸エステ
ル類としては、トリメチレングリコールジ−p−アミノ
ベンゾエートやネオペンチルグリコールジ−p−アミノ
ベンゾエートが好んで用いられ、ジアミノジフェニルス
ルホンと比較して、耐熱性に劣るものの、引張伸度、靭
性に優れるため、用途に応じて選択して用いられる。メ
チルヘキサヒドロ無水フタル酸に代表される酸無水物を
硬化剤として用いると、耐熱性が高い硬化物を与え、低
粘度で作業性に優れたエポキシ樹脂組成物が得られる。
フェノールノボラック樹脂あるいはクレゾールノボラッ
ク樹脂はこれを硬化剤として用いると、分子鎖中に耐加
水分解性の優れたエーテル結合が導入され、硬化物の耐
湿性が向上するため好ましい。さらに、種々の硬化触媒
も併用することができる。その代表的なものは三フッ化
ほう素のモノエチルアミン錯体である。また、シアネー
ト樹脂(トリアジン樹脂)もエポキシ樹脂と組み合わせ
て好ましく用いられる。この場合、シアネートはエポキ
シと硬化反応をおこし、吸水率の低い樹脂硬化物を与え
る。
化剤である。好ましくは、アミノ基、酸無水物基、アジ
ド基、水酸基を有する化合物が適している。例えば、ジ
シアンジアミド、ジアミノジフェニルスルホンの各種異
性体、アミノ安息香酸エステル類、各種酸無水物、フェ
ノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂が挙
げられるがこれに限定されない。ジシアンジアミドはプ
リプレグの保存性に優れるため好んで用いられる。芳香
族ジアミンを硬化剤として用いると耐熱性良好なエポキ
シ樹脂硬化物が得られる。特に、ジアミノジフェニルス
ルホンの各種異性体は、耐熱性の良好な硬化物を与える
ため本発明には最も適している。アミノ安息香酸エステ
ル類としては、トリメチレングリコールジ−p−アミノ
ベンゾエートやネオペンチルグリコールジ−p−アミノ
ベンゾエートが好んで用いられ、ジアミノジフェニルス
ルホンと比較して、耐熱性に劣るものの、引張伸度、靭
性に優れるため、用途に応じて選択して用いられる。メ
チルヘキサヒドロ無水フタル酸に代表される酸無水物を
硬化剤として用いると、耐熱性が高い硬化物を与え、低
粘度で作業性に優れたエポキシ樹脂組成物が得られる。
フェノールノボラック樹脂あるいはクレゾールノボラッ
ク樹脂はこれを硬化剤として用いると、分子鎖中に耐加
水分解性の優れたエーテル結合が導入され、硬化物の耐
湿性が向上するため好ましい。さらに、種々の硬化触媒
も併用することができる。その代表的なものは三フッ化
ほう素のモノエチルアミン錯体である。また、シアネー
ト樹脂(トリアジン樹脂)もエポキシ樹脂と組み合わせ
て好ましく用いられる。この場合、シアネートはエポキ
シと硬化反応をおこし、吸水率の低い樹脂硬化物を与え
る。
【0017】構成要素[C]は、数平均分子量1000
0以上かつガラス転移温度150 ℃以上であり[A]に溶
解し得る芳香族熱可塑性樹脂である。特に、主鎖に炭素
炭素結合、アミド結合、イミド結合、エステル結合、エ
ーテル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、炭素結
合、チオエーテル結合、スルホン結合、イミダゾール結
合およびカルボニル結合から選ばれる結合を有する熱可
塑性樹脂が好ましい。具体的には、ポリアリレート、ポ
リスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルホ
ン、ポリアミドイミド、ポリイミドなどがあり、耐熱性
が良好であり、エポキシ樹脂に溶解し得る非晶性の熱可
塑性樹脂が良い。熱硬化性樹脂に対して元来非相溶な改
質剤を添加した場合、均一混合は難しく、大きな相分離
形態となったり相分離界面の接着性が不十分であったり
するため靭性向上効果が不十分となる。とりわけ、ポリ
エーテルイミドを用いたとき、耐熱性と靭性のバランス
に優れた樹脂硬化物を与えるので好ましい。また、構成
要素[C]の分子量は数平均分子量にして10000以
上とするものである。樹脂粘度の増加が著しくなるのを
防止する観点から、好ましくは100000以下の範囲
である。数平均分子量が10000未満の場合、靭性向
上効果が小さい。さらに、構成要素[C]の量は樹脂組
成物中4〜25重量%とするものである。これより少な
ければ靭性向上効果が小さく、またこれより多ければ作
業性の低下が顕著である。好ましくは、6乃至20重量
%である。
0以上かつガラス転移温度150 ℃以上であり[A]に溶
解し得る芳香族熱可塑性樹脂である。特に、主鎖に炭素
炭素結合、アミド結合、イミド結合、エステル結合、エ
ーテル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、炭素結
合、チオエーテル結合、スルホン結合、イミダゾール結
合およびカルボニル結合から選ばれる結合を有する熱可
塑性樹脂が好ましい。具体的には、ポリアリレート、ポ
リスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルホ
ン、ポリアミドイミド、ポリイミドなどがあり、耐熱性
が良好であり、エポキシ樹脂に溶解し得る非晶性の熱可
塑性樹脂が良い。熱硬化性樹脂に対して元来非相溶な改
質剤を添加した場合、均一混合は難しく、大きな相分離
形態となったり相分離界面の接着性が不十分であったり
するため靭性向上効果が不十分となる。とりわけ、ポリ
エーテルイミドを用いたとき、耐熱性と靭性のバランス
に優れた樹脂硬化物を与えるので好ましい。また、構成
要素[C]の分子量は数平均分子量にして10000以
上とするものである。樹脂粘度の増加が著しくなるのを
防止する観点から、好ましくは100000以下の範囲
である。数平均分子量が10000未満の場合、靭性向
上効果が小さい。さらに、構成要素[C]の量は樹脂組
成物中4〜25重量%とするものである。これより少な
ければ靭性向上効果が小さく、またこれより多ければ作
業性の低下が顕著である。好ましくは、6乃至20重量
%である。
【0018】構成要素[D]は、[A]と反応性の官能
基を有し、[A]に溶解し得る数平均分子量2000乃
至20000の熱可塑性樹脂である。構成要素[A]と
反応性の末端基を有することは、相分離界面の接着性を
向上させ、高い靭性値及び良好な耐溶剤性を与える。構
成要素[D]は、1分子中に溶解度パラメーターが大き
く異なる、例えばエポキシ樹脂に相溶部分と非相溶部分
を併せ持つブロック共重合体またはグラフト共重合体が
好ましい。好ましい具体例の1つは、構成要素[A]と
は本来非相溶であるシロキサン骨格またはニトリルゴム
からなる連鎖と構成要素[A]と相溶するポリイミド骨
格、ポリアミド骨格、ポリスルホン骨格あるいはポリエ
ーテルスルホン骨格からなるブロック共重合体またはグ
ラフト共重合体である。このブロック共重合体またはグ
ラフト共重合体を構成要素[C]と併用して使用するこ
とで、特に顕著な高靭性、高耐熱性、耐溶剤性及び物性
安定性を有する樹脂組成物が得られる。とりわけ、シロ
キサン骨格とポリイミド骨格からなるブロック共重合体
は靭性向上効果が高く、低吸水性となるため好ましい。
また、構成要素[D]を適量添加することにより、分散
相の大きさを制御することが可能となり、それらによっ
て従来得られなかった高い靭性を持つ硬化物が得られ
る。さらに、硬化条件の変化に対して安定的であり、そ
れにより物性安定な硬化物が得られる。また、構成要素
[D]の分子量は数平均分子量にして約2000乃至2
0000の範囲とするものである。特に3000乃至1
0000のオリゴマ領域のものは、構成要素[A]を主
成分とする分散相の大きさを制御するだけではなく、相
分離界面の接着性をより強固なものとするので好まし
い。構成要素[D]の量は樹脂組成物中0.5〜10重
量%とするものである。これより少なければ靭性向上の
効果が得られず、また、これより多くてもそれ以上の効
果があまり認められない。より好ましくは2乃至8重量
%である。
基を有し、[A]に溶解し得る数平均分子量2000乃
至20000の熱可塑性樹脂である。構成要素[A]と
反応性の末端基を有することは、相分離界面の接着性を
向上させ、高い靭性値及び良好な耐溶剤性を与える。構
成要素[D]は、1分子中に溶解度パラメーターが大き
く異なる、例えばエポキシ樹脂に相溶部分と非相溶部分
を併せ持つブロック共重合体またはグラフト共重合体が
好ましい。好ましい具体例の1つは、構成要素[A]と
は本来非相溶であるシロキサン骨格またはニトリルゴム
からなる連鎖と構成要素[A]と相溶するポリイミド骨
格、ポリアミド骨格、ポリスルホン骨格あるいはポリエ
ーテルスルホン骨格からなるブロック共重合体またはグ
ラフト共重合体である。このブロック共重合体またはグ
ラフト共重合体を構成要素[C]と併用して使用するこ
とで、特に顕著な高靭性、高耐熱性、耐溶剤性及び物性
安定性を有する樹脂組成物が得られる。とりわけ、シロ
キサン骨格とポリイミド骨格からなるブロック共重合体
は靭性向上効果が高く、低吸水性となるため好ましい。
また、構成要素[D]を適量添加することにより、分散
相の大きさを制御することが可能となり、それらによっ
て従来得られなかった高い靭性を持つ硬化物が得られ
る。さらに、硬化条件の変化に対して安定的であり、そ
れにより物性安定な硬化物が得られる。また、構成要素
[D]の分子量は数平均分子量にして約2000乃至2
0000の範囲とするものである。特に3000乃至1
0000のオリゴマ領域のものは、構成要素[A]を主
成分とする分散相の大きさを制御するだけではなく、相
分離界面の接着性をより強固なものとするので好まし
い。構成要素[D]の量は樹脂組成物中0.5〜10重
量%とするものである。これより少なければ靭性向上の
効果が得られず、また、これより多くてもそれ以上の効
果があまり認められない。より好ましくは2乃至8重量
%である。
【0019】本発明において、樹脂硬化物中に、構成要
素[C]及び[D]を主とする相が、三次元的に連続し
た構造を持つことが好ましい。例えば、構成要素[C]
及び[D]を主とする連続相(海相)に構成要素[A]
及び[B]が主として分散相(島相)になっているか、
構成要素[A]及び[B]と構成要素[C]及び[D]
がともに連続相を形成し、互いの連続相中に他成分の分
散相が存在していてもよい。構成要素[C]及び[D]
を主とする連続相(海相)中に存在する構成要素[A]
及び[B]を主とする分散相(島相)の大きさは、約
0.01乃至50ミクロンが好ましい。0.01ミクロ
ン以下であると破断面の凹凸深さが浅く、高靭性を発現
しにくい。逆に50ミクロンを越えても高靭性効果が薄
れる。より好ましくは0.1乃至3ミクロン程度であ
る。
素[C]及び[D]を主とする相が、三次元的に連続し
た構造を持つことが好ましい。例えば、構成要素[C]
及び[D]を主とする連続相(海相)に構成要素[A]
及び[B]が主として分散相(島相)になっているか、
構成要素[A]及び[B]と構成要素[C]及び[D]
がともに連続相を形成し、互いの連続相中に他成分の分
散相が存在していてもよい。構成要素[C]及び[D]
を主とする連続相(海相)中に存在する構成要素[A]
及び[B]を主とする分散相(島相)の大きさは、約
0.01乃至50ミクロンが好ましい。0.01ミクロ
ン以下であると破断面の凹凸深さが浅く、高靭性を発現
しにくい。逆に50ミクロンを越えても高靭性効果が薄
れる。より好ましくは0.1乃至3ミクロン程度であ
る。
【0020】本発明は、上記した構成要素[A]、
[B]、[C]、[D]からなるエポキシ樹脂組成物、
該エポキシ樹脂組成物と強化繊維[E]よりなる高靭
性、高強度の繊維強化プラスチックおよびそれを与える
プリプレグを提供する。その際に用いる強化繊維は、一
般に先進複合材料として用いられる耐熱性および引張強
度の良好な繊維である。たとえば、その強化繊維には、
炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、
アルミナ繊維、ボロン繊維、タングステンカーバイド繊
維、ガラス繊維があげらる。このうち比強度、比弾性率
が良好で軽量化に大きな寄与が認められる炭素繊維や黒
鉛繊維が本発明には最も良好である。炭素繊維や黒鉛繊
維は用途に応じてあらゆる種類の炭素繊維や黒鉛繊維を
用いることが可能であるが、引張強度 450kgf/mm2 、引
張伸度 1.7 %以上の高強度高伸度炭素繊維が最も適して
いる。炭素繊維や黒鉛繊維は他の強化繊維を混合して用
いてもかまわない。また、強化繊維はその形状や配列を
限定されず、たとえば、単一方向、ランダム方向、シー
ト状、マット状、織物状、組み紐状であっても使用可能
である。また、特に、比強度、比弾性率が高いことを要
求される用途には強化繊維が単一方向に引き揃えられた
配列が最も適しているが、取り扱いの容易なクロス(織
物)状の配列も本発明には適している。
[B]、[C]、[D]からなるエポキシ樹脂組成物、
該エポキシ樹脂組成物と強化繊維[E]よりなる高靭
性、高強度の繊維強化プラスチックおよびそれを与える
プリプレグを提供する。その際に用いる強化繊維は、一
般に先進複合材料として用いられる耐熱性および引張強
度の良好な繊維である。たとえば、その強化繊維には、
炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、
アルミナ繊維、ボロン繊維、タングステンカーバイド繊
維、ガラス繊維があげらる。このうち比強度、比弾性率
が良好で軽量化に大きな寄与が認められる炭素繊維や黒
鉛繊維が本発明には最も良好である。炭素繊維や黒鉛繊
維は用途に応じてあらゆる種類の炭素繊維や黒鉛繊維を
用いることが可能であるが、引張強度 450kgf/mm2 、引
張伸度 1.7 %以上の高強度高伸度炭素繊維が最も適して
いる。炭素繊維や黒鉛繊維は他の強化繊維を混合して用
いてもかまわない。また、強化繊維はその形状や配列を
限定されず、たとえば、単一方向、ランダム方向、シー
ト状、マット状、織物状、組み紐状であっても使用可能
である。また、特に、比強度、比弾性率が高いことを要
求される用途には強化繊維が単一方向に引き揃えられた
配列が最も適しているが、取り扱いの容易なクロス(織
物)状の配列も本発明には適している。
【0021】本発明の組成物を用いて製造された硬化樹
脂の破壊歪エネルギー解放率GICは、ダブルトーション
(DT)法で測定される。荷重をかけるクロスヘッドの
速度は1mm/min. とした。測定法の概図を図1に示し
た。DT法について詳しくは、ジャーナル・オブ・マテ
リアルズ・サイエンス第20巻 (1985) 第77-84 頁などに
記載されている。
脂の破壊歪エネルギー解放率GICは、ダブルトーション
(DT)法で測定される。荷重をかけるクロスヘッドの
速度は1mm/min. とした。測定法の概図を図1に示し
た。DT法について詳しくは、ジャーナル・オブ・マテ
リアルズ・サイエンス第20巻 (1985) 第77-84 頁などに
記載されている。
【0022】GICは亀裂発生荷重P、コンプライアンス
Cの亀裂進展距離ai に対する傾きΔC/Δai および
亀裂進展部のサンプル厚みtから、GIC=P2 (ΔC/
Δai )/2tによって計算される。
Cの亀裂進展距離ai に対する傾きΔC/Δai および
亀裂進展部のサンプル厚みtから、GIC=P2 (ΔC/
Δai )/2tによって計算される。
【0023】但し、コンプライアンスCは、亀裂発生時
のクロスヘッド変位δおよび亀裂発生荷重Pの比δ/P
によって定義される。
のクロスヘッド変位δおよび亀裂発生荷重Pの比δ/P
によって定義される。
【0024】
[実施例1] (A部)窒素導入口および温度計、撹拌器および脱水ト
ラップを装着した3000ml容のセパラブルフラスコに窒素
置換のもとで 392g(0.91mol) のビス[4-(3-アミノフェ
ノキシ)フェニル] スルホン(BAPS−M)、39g(0.
11mol)の9,9'- ビス(4-アミノフェニル) フルオレン
(FDA)、147g(0.11mol) のNH2 当量650 のアミノ
末端ジメチルシロキサン(BY-16-853 )[東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン(株)製]を2000mlのN-メチル-2
- ピロリドン(NMP)に撹拌溶解した。そこへ固体状
のビフェニルテトラカルボン酸二無水物を300g(1.02mo
l) を少しずつ加え、室温で3時間撹拌した後、120 ℃
に昇温し2時間撹拌した。フラスコを室温に戻しトリエ
チルアミン50mlとトルエン50mlを加えた後、再び昇温し
160 ℃で共沸脱水すると約30mlの水が得られた。この反
応混合物を冷却した後、倍量のNMPで希釈し、ゆっく
りと20l のアセトン中に注ぎアミン末端シロキサンポリ
イミドオリゴマーを固体生成物として沈殿させた。そし
て、その沈殿物を200 ℃で真空乾燥した。このオリゴマ
ーの数平均分子量(Mn)をジメチルホルムアミド(DM
F)溶媒を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)で測定すると、ポリエチレングリコール
(PEG)換算で5500であった。またガラス転移点は示
差熱分析計(DSC)によると223 ℃であった。また、
シロキサン骨格の導入およびアミン末端であることはN
MRスペクトルおよびIRスペクトルから確認できた。
ラップを装着した3000ml容のセパラブルフラスコに窒素
置換のもとで 392g(0.91mol) のビス[4-(3-アミノフェ
ノキシ)フェニル] スルホン(BAPS−M)、39g(0.
11mol)の9,9'- ビス(4-アミノフェニル) フルオレン
(FDA)、147g(0.11mol) のNH2 当量650 のアミノ
末端ジメチルシロキサン(BY-16-853 )[東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン(株)製]を2000mlのN-メチル-2
- ピロリドン(NMP)に撹拌溶解した。そこへ固体状
のビフェニルテトラカルボン酸二無水物を300g(1.02mo
l) を少しずつ加え、室温で3時間撹拌した後、120 ℃
に昇温し2時間撹拌した。フラスコを室温に戻しトリエ
チルアミン50mlとトルエン50mlを加えた後、再び昇温し
160 ℃で共沸脱水すると約30mlの水が得られた。この反
応混合物を冷却した後、倍量のNMPで希釈し、ゆっく
りと20l のアセトン中に注ぎアミン末端シロキサンポリ
イミドオリゴマーを固体生成物として沈殿させた。そし
て、その沈殿物を200 ℃で真空乾燥した。このオリゴマ
ーの数平均分子量(Mn)をジメチルホルムアミド(DM
F)溶媒を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)で測定すると、ポリエチレングリコール
(PEG)換算で5500であった。またガラス転移点は示
差熱分析計(DSC)によると223 ℃であった。また、
シロキサン骨格の導入およびアミン末端であることはN
MRスペクトルおよびIRスペクトルから確認できた。
【0025】(B部)ビーカーに上記A部のシロキサン
ポリイミドを5.0重量%、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂(Epc830)[大日本インキ化学(株)製]
55.2重量%およびポリエーテルイミド(PEI)
[ゼネラル・エレクトリック社製]20.0重量%を加
え、室温で充分に分散させ、それを130 ℃で1時間加熱
溶解し、次いで19.9重量%のスミキュアーS(4,4'-
DDS)[住友化学工業(株)製]を加え130 ℃で10分で溶
解させた。
ポリイミドを5.0重量%、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂(Epc830)[大日本インキ化学(株)製]
55.2重量%およびポリエーテルイミド(PEI)
[ゼネラル・エレクトリック社製]20.0重量%を加
え、室温で充分に分散させ、それを130 ℃で1時間加熱
溶解し、次いで19.9重量%のスミキュアーS(4,4'-
DDS)[住友化学工業(株)製]を加え130 ℃で10分で溶
解させた。
【0026】これを離型処理を施したフィルムにはさ
み、3mm 厚の板状に押し延ばし、6Kg/cm2 の加圧下で18
0 ℃で2時間硬化反応させ、3mm 厚の樹脂硬化板を得
た。
み、3mm 厚の板状に押し延ばし、6Kg/cm2 の加圧下で18
0 ℃で2時間硬化反応させ、3mm 厚の樹脂硬化板を得
た。
【0027】この樹脂硬化板についての破壊歪エネルギ
ー解放率(GIC)測定結果を表1に示す。また、60×10
×3mm の樹脂板を24時間塩化メチレンに浸漬したとき
の変化(以下、耐溶剤性)を表1に示す。
ー解放率(GIC)測定結果を表1に示す。また、60×10
×3mm の樹脂板を24時間塩化メチレンに浸漬したとき
の変化(以下、耐溶剤性)を表1に示す。
【0028】
【表1】 (C部)この樹脂をマトリックスとする一方向プリプレ
グを用いたコンポジットの衝撃後圧縮強度および90°
方向の引張り伸度の測定を行った。プリプレグは次の手
順で調製した。
グを用いたコンポジットの衝撃後圧縮強度および90°
方向の引張り伸度の測定を行った。プリプレグは次の手
順で調製した。
【0029】ニーダで上記組成の樹脂を調製し、シリコ
ン離型剤をあらかじめ薄く塗布した離型紙に一定の厚さ
でコーティングした。炭素繊維トレカT800H(東レ
(株)製)を用いて、先に調製した樹脂コーティング紙
2枚のあいだに炭素繊維を1方向に引き揃えてから圧着
させてプリプレグとした。この時プリプレグ中の樹脂の
重量分率は35%であり、炭素繊維の目付は145g/m2 で
あった。このプリプレグを疑似等方構成((+45°/90 °
/-45°/0°) 4S)で32層に積層し、通常の真空バッグ
オートクレーブ成形法を用い、6 kg/cm2 の加圧下で1
80℃×2時間の加熱を行い硬化板を得た。その繊維容
積は56±2%であった。4″×6″の試験片を切り出
し、1500in・lb/in の衝撃エネルギーを与えた後、圧縮
試験を行った。その結果、45ksi の残存圧縮強度を示し
た。また、上記プリプレグを単一方向に16枚積層し、
同様に成形した硬化板を用いて90°引張伸度を測定し
たところ1.2%であった。プリプレグを一方向に20枚積
層し、硬化板を成形した。ダブルカンテレバービーム法
にて引きはがしモードの層間靭性GICを測定したとこ
ろ、640J/m2 であった。
ン離型剤をあらかじめ薄く塗布した離型紙に一定の厚さ
でコーティングした。炭素繊維トレカT800H(東レ
(株)製)を用いて、先に調製した樹脂コーティング紙
2枚のあいだに炭素繊維を1方向に引き揃えてから圧着
させてプリプレグとした。この時プリプレグ中の樹脂の
重量分率は35%であり、炭素繊維の目付は145g/m2 で
あった。このプリプレグを疑似等方構成((+45°/90 °
/-45°/0°) 4S)で32層に積層し、通常の真空バッグ
オートクレーブ成形法を用い、6 kg/cm2 の加圧下で1
80℃×2時間の加熱を行い硬化板を得た。その繊維容
積は56±2%であった。4″×6″の試験片を切り出
し、1500in・lb/in の衝撃エネルギーを与えた後、圧縮
試験を行った。その結果、45ksi の残存圧縮強度を示し
た。また、上記プリプレグを単一方向に16枚積層し、
同様に成形した硬化板を用いて90°引張伸度を測定し
たところ1.2%であった。プリプレグを一方向に20枚積
層し、硬化板を成形した。ダブルカンテレバービーム法
にて引きはがしモードの層間靭性GICを測定したとこ
ろ、640J/m2 であった。
【0030】[実施例2]実施例1において、A部のシ
ロキサンポリイミドを3.0重量%としたほかは実施例
1と同様にして、樹脂硬化板を得た。この樹脂硬化板に
ついての破壊歪エネルギー解放率(GIC)、耐溶剤性測
定結果を表1に併せて示す。
ロキサンポリイミドを3.0重量%としたほかは実施例
1と同様にして、樹脂硬化板を得た。この樹脂硬化板に
ついての破壊歪エネルギー解放率(GIC)、耐溶剤性測
定結果を表1に併せて示す。
【0031】[実施例3]実施例1において、A部のシ
ロキサンポリイミドを8.0重量%としたほかは実施例
1と同様にして、樹脂硬化板を得た。この樹脂硬化板に
ついての破壊歪エネルギー解放率(GIC)、耐溶剤性測
定結果を表1に併せて示す。
ロキサンポリイミドを8.0重量%としたほかは実施例
1と同様にして、樹脂硬化板を得た。この樹脂硬化板に
ついての破壊歪エネルギー解放率(GIC)、耐溶剤性測
定結果を表1に併せて示す。
【0032】[実施例4]ポリエーテルイミド(PE
I)[ゼネラル・エレクトリック社製]を10.0重量
%としたほかは実施例1と同様にして、樹脂硬化板を得
た。この樹脂硬化板についての破壊歪エネルギー解放率
(GIC)、耐溶剤性測定結果を表1に併せて示す。
I)[ゼネラル・エレクトリック社製]を10.0重量
%としたほかは実施例1と同様にして、樹脂硬化板を得
た。この樹脂硬化板についての破壊歪エネルギー解放率
(GIC)、耐溶剤性測定結果を表1に併せて示す。
【0033】[実施例5]ポリエーテルイミド(PE
I)[ゼネラル・エレクトリック社製]を15.0重量
%としたほかは実施例1と同様にして、樹脂硬化板を得
た。この樹脂硬化板についての破壊歪エネルギー解放率
(GIC)、耐溶剤性測定結果を表1に併せて示す。
I)[ゼネラル・エレクトリック社製]を15.0重量
%としたほかは実施例1と同様にして、樹脂硬化板を得
た。この樹脂硬化板についての破壊歪エネルギー解放率
(GIC)、耐溶剤性測定結果を表1に併せて示す。
【0034】[実施例6]実施例1において、A部のシ
ロキサンポリイミドを8.0重量%、ポリエーテルイミ
ド(PEI)[ゼネラル・エレクトリック社製]を1
5.0重量%とし、実施例1と同様にして、樹脂硬化板
を得た。この樹脂硬化板についての破壊歪エネルギー解
放率(GIC)、耐溶剤性測定結果を表1に併せて示す。
ロキサンポリイミドを8.0重量%、ポリエーテルイミ
ド(PEI)[ゼネラル・エレクトリック社製]を1
5.0重量%とし、実施例1と同様にして、樹脂硬化板
を得た。この樹脂硬化板についての破壊歪エネルギー解
放率(GIC)、耐溶剤性測定結果を表1に併せて示す。
【0035】[比較例1]構成要素[D]としてのシロ
キサンポリイミドを添加しないで実施例1と同様の手順
を繰り返し、エポキシ樹脂板を調製した。
キサンポリイミドを添加しないで実施例1と同様の手順
を繰り返し、エポキシ樹脂板を調製した。
【0036】この樹脂硬化板についての破壊歪エネルギ
ー解放率(GIC)、耐溶剤性測定結果を表1に併せて示
す。
ー解放率(GIC)、耐溶剤性測定結果を表1に併せて示
す。
【0037】この樹脂をマトリックスとする一方向プリ
プレグを用いたコンポジットの衝撃後圧縮強度および9
0°方向の引張り伸度の測定を行った。プリプレグは次
のようにして作製した。
プレグを用いたコンポジットの衝撃後圧縮強度および9
0°方向の引張り伸度の測定を行った。プリプレグは次
のようにして作製した。
【0038】ニーダで上記組成の樹脂を調製し、シリコ
ーン離型剤をあらかじめ薄く塗布した離型紙に一定の厚
さでコーティングした。炭素繊維トレカT800H(東
レ(株)製)を用いて、先に調製した樹脂コーティング
紙2枚のあいだに炭素繊維を1方向に引き揃えてから圧
着させてプリプレグとした。この時プリプレグ中の樹脂
の重量分率は35%であり、炭素繊維の目付は145g/m2
であった。このプリプレグを疑似等方構成((+45°/90
°/-45°/0°) 4s)で32層に積層し、通常の真空バッ
グオートクレーブ成形法を用い、6 kg/cm2 の加圧下で
180℃×2時間の加熱を行い硬化板を得た。その繊維
容積は56±2%であった。4″×6″の試験片を切り
出し、1500in・lb/in の衝撃エネルギーを与えた後、圧
縮試験を行った。その結果、32ksi の残存圧縮強度を示
した。また、上記プリプレグを単一方向に16枚積層
し、同様に成形した硬化板を用いて90°引張伸度を測
定したところ0.8%であった。プリプレグを一方向に20
枚積層し、硬化板を成形した。ダブルカンテレバービー
ム法にて引きはがしモードの層間靭性GICを測定したと
ころ、300J/m2 であった。
ーン離型剤をあらかじめ薄く塗布した離型紙に一定の厚
さでコーティングした。炭素繊維トレカT800H(東
レ(株)製)を用いて、先に調製した樹脂コーティング
紙2枚のあいだに炭素繊維を1方向に引き揃えてから圧
着させてプリプレグとした。この時プリプレグ中の樹脂
の重量分率は35%であり、炭素繊維の目付は145g/m2
であった。このプリプレグを疑似等方構成((+45°/90
°/-45°/0°) 4s)で32層に積層し、通常の真空バッ
グオートクレーブ成形法を用い、6 kg/cm2 の加圧下で
180℃×2時間の加熱を行い硬化板を得た。その繊維
容積は56±2%であった。4″×6″の試験片を切り
出し、1500in・lb/in の衝撃エネルギーを与えた後、圧
縮試験を行った。その結果、32ksi の残存圧縮強度を示
した。また、上記プリプレグを単一方向に16枚積層
し、同様に成形した硬化板を用いて90°引張伸度を測
定したところ0.8%であった。プリプレグを一方向に20
枚積層し、硬化板を成形した。ダブルカンテレバービー
ム法にて引きはがしモードの層間靭性GICを測定したと
ころ、300J/m2 であった。
【0039】[比較例2]実施例1において、A部のシ
ロキサンポリイミドを0.2重量%としたほかは実施例
1と同様にして、樹脂硬化板を得た。この樹脂硬化板に
ついての破壊歪エネルギー解放率(GIC)、耐溶剤性測
定結果を表1に併せて示す。
ロキサンポリイミドを0.2重量%としたほかは実施例
1と同様にして、樹脂硬化板を得た。この樹脂硬化板に
ついての破壊歪エネルギー解放率(GIC)、耐溶剤性測
定結果を表1に併せて示す。
【0040】[比較例3]実施例1において、A部のシ
ロキサンポリイミドを15重量%としたほかは実施例1
と同様にして、樹脂硬化板を得た。この樹脂硬化板につ
いての破壊歪エネルギー解放率(GIC)、耐溶剤性測定
結果を表1に併せて示す。
ロキサンポリイミドを15重量%としたほかは実施例1
と同様にして、樹脂硬化板を得た。この樹脂硬化板につ
いての破壊歪エネルギー解放率(GIC)、耐溶剤性測定
結果を表1に併せて示す。
【0041】プリプレグを作製するために、ニーダで上
記組成の樹脂を調製し、離型紙に一定の厚さにコーティ
ングを試みたが、高粘度のためできなかった。
記組成の樹脂を調製し、離型紙に一定の厚さにコーティ
ングを試みたが、高粘度のためできなかった。
【0042】[比較例4]ポリエーテルイミド(PE
I)[ゼネラル・エレクトリック社製]を3.0重量%
としたほかは実施例1と同様にして、樹脂硬化板を得
た。この樹脂硬化板についての破壊歪エネルギー解放率
(GIC)、耐溶剤性測定結果を表1に併せて示す。
I)[ゼネラル・エレクトリック社製]を3.0重量%
としたほかは実施例1と同様にして、樹脂硬化板を得
た。この樹脂硬化板についての破壊歪エネルギー解放率
(GIC)、耐溶剤性測定結果を表1に併せて示す。
【0043】[比較例5]ポリエーテルイミド(PE
I)[ゼネラル・エレクトリック社製]を28.0重量
%とし、シロキサンポリイミドを添加しないで実施例1
と同様にして、樹脂硬化板を得た。この樹脂硬化板につ
いての破壊歪エネルギー解放率(GIC)、耐溶剤性測定
結果を表1に併せて示す。
I)[ゼネラル・エレクトリック社製]を28.0重量
%とし、シロキサンポリイミドを添加しないで実施例1
と同様にして、樹脂硬化板を得た。この樹脂硬化板につ
いての破壊歪エネルギー解放率(GIC)、耐溶剤性測定
結果を表1に併せて示す。
【0044】プリプレグを作製するために、ニーダで上
記組成の樹脂を調製し、離型紙に一定の厚さのコーティ
ングを試みたが、高粘度のためできなかった。
記組成の樹脂を調製し、離型紙に一定の厚さのコーティ
ングを試みたが、高粘度のためできなかった。
【0045】[比較例6]ポリエーテルイミド(PE
I)[ゼネラル・エレクトリック社製]を28重量%と
したほかは実施例1と同様にして、樹脂硬化板を得た。
この樹脂硬化板についての破壊歪エネルギー解放率(G
IC)、耐溶剤性測定結果を表1に併せて示す。 プリプ
レグを作製するために、ニーダで上記組成の樹脂を調製
し、離型紙に一定厚さのコーティングを試みたが、高粘
度のためできなかった。
I)[ゼネラル・エレクトリック社製]を28重量%と
したほかは実施例1と同様にして、樹脂硬化板を得た。
この樹脂硬化板についての破壊歪エネルギー解放率(G
IC)、耐溶剤性測定結果を表1に併せて示す。 プリプ
レグを作製するために、ニーダで上記組成の樹脂を調製
し、離型紙に一定厚さのコーティングを試みたが、高粘
度のためできなかった。
【0046】
【発明の効果】本発明による熱硬化性樹脂組成物は良好
な作業性を有し、高靭性、高伸度、高弾性率、低内部応
力性さらには高耐熱性、低吸水性を持つ樹脂硬化物を提
供し、その物性の安定性が高い。さらに、これをマトリ
ックス樹脂とするプリプレグは良好なタック性、ドレー
プ性を有し、硬化物である繊維強化複合材料は高靭性、
高耐衝撃性、高強度、高伸度、かつ高耐熱性、低吸水率
を有する。
な作業性を有し、高靭性、高伸度、高弾性率、低内部応
力性さらには高耐熱性、低吸水性を持つ樹脂硬化物を提
供し、その物性の安定性が高い。さらに、これをマトリ
ックス樹脂とするプリプレグは良好なタック性、ドレー
プ性を有し、硬化物である繊維強化複合材料は高靭性、
高耐衝撃性、高強度、高伸度、かつ高耐熱性、低吸水率
を有する。
【図1】硬化樹脂の破壊歪エネルギー解放率GICを測定
するためのダブルトーション(DT)法の説明図。
するためのダブルトーション(DT)法の説明図。
【図2】硬化樹脂の破壊歪エネルギー解放率GICを測定
するためのダブルトーション(DT)法の説明図。
するためのダブルトーション(DT)法の説明図。
【図3】硬化樹脂の破壊歪エネルギー解放率GICを測定
するためのダブルトーション(DT)法の説明図。
するためのダブルトーション(DT)法の説明図。
P:亀裂発生荷重 ai :亀裂進展距離(mm)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 7/14 NLD // B29L 31:30
Claims (3)
- 【請求項1】次の構成成分からなり、[C]を4 〜25重
量%、[D]を0.5 〜10重量%含有することを特徴とす
るエポキシ樹脂組成物。 [A]:エポキシ樹脂 [B]:硬化剤 [C]:数平均分子量が10000以上かつガラス転移
温度が150 ℃以上であり、[A]に溶解し得る芳香族熱
可塑性樹脂 [D]:[A]と反応性の官能基を有し、[A]に溶解
し得る数平均分子量2000乃至20000の熱可塑性
樹脂 - 【請求項2】エポキシ樹脂組成物と強化繊維[E]より
なるプリプレグであって、エポキシ樹脂組成物が次の構
成成分からなり、[C]を4 〜25重量%、[D]を0.5
〜10重量%含有するものであることを特徴とするプリプ
レグ。 [A]:エポキシ樹脂 [B]:硬化剤 [C]:数平均分子量が10000以上かつガラス転移
温度が150 ℃以上であり、[A]に溶解し得る芳香族熱
可塑性樹脂 [D]:[A]と反応性の官能基を有し、[A]に溶解
し得る数平均分子量2000乃至20000の熱可塑性
樹脂 - 【請求項3】エポキシ樹脂組成物と強化繊維[E]より
なるプリプレグを硬化させて得られる繊維強化プラスチ
ックであって、エポキシ樹脂組成物が次の構成成分から
なり、[C]を4 〜25重量%、[D]を0.5 〜10重量%
含有するものであることを特徴とする繊維強化プラスチ
ック。 [A]:エポキシ樹脂 [B]:硬化剤 [C]:数平均分子量が10000以上かつガラス転移
温度が150 ℃以上であり、[A]に溶解し得る芳香族熱
可塑性樹脂 [D]:[A]と反応性の官能基を有し、[A]に溶解
し得る数平均分子量2000乃至20000の熱可塑性
樹脂
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7028372A JPH07278412A (ja) | 1994-02-17 | 1995-02-16 | エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化プラスチック |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2037894 | 1994-02-17 | ||
JP6-20378 | 1994-02-17 | ||
JP7028372A JPH07278412A (ja) | 1994-02-17 | 1995-02-16 | エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化プラスチック |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07278412A true JPH07278412A (ja) | 1995-10-24 |
Family
ID=26357316
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7028372A Pending JPH07278412A (ja) | 1994-02-17 | 1995-02-16 | エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化プラスチック |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07278412A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2019208242A1 (ja) | 2018-04-27 | 2019-10-31 | 東レ株式会社 | プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料 |
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-
1995
- 1995-02-16 JP JP7028372A patent/JPH07278412A/ja active Pending
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US11208541B2 (en) | 2017-07-28 | 2021-12-28 | Toray Industries, Inc. | Prepreg and carbon fiber reinforced material |
WO2019021613A1 (ja) | 2017-07-28 | 2019-01-31 | 東レ株式会社 | プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料 |
KR20200034967A (ko) | 2017-07-28 | 2020-04-01 | 도레이 카부시키가이샤 | 프리프레그 및 탄소섬유 강화 복합 재료 |
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