JPH07149952A - 熱硬化性樹脂組成物、樹脂硬化物、プリプレグおよび繊維強化プラスチック - Google Patents
熱硬化性樹脂組成物、樹脂硬化物、プリプレグおよび繊維強化プラスチックInfo
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- JPH07149952A JPH07149952A JP5300310A JP30031093A JPH07149952A JP H07149952 A JPH07149952 A JP H07149952A JP 5300310 A JP5300310 A JP 5300310A JP 30031093 A JP30031093 A JP 30031093A JP H07149952 A JPH07149952 A JP H07149952A
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- JP
- Japan
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- resin
- thermosetting resin
- rubber
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- phase
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Abstract
(57)【要約】
【構成】構成要素[A]、[B]、[C]からなること
を特徴とする熱硬化性樹脂組成物。 [A]:エポキシ樹脂、シアネート樹脂およびビスマレ
イミド樹脂よりなる群から選ばれた1種以上の熱硬化性
樹脂 [B]:芳香族オリゴマー連鎖とエラストマー連鎖から
なるブロック共重合体 [C]:シリコーンゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴ
ムおよびニトリルゴムから選ばれた少なくとも1種のゴ
ム この組成物と強化繊維からなるプリプレグ。この組成物
を硬化させた樹脂硬化物。この樹脂硬化物と強化繊維か
らなる繊維強化プラスチック 【効果】タック性、ドレープ性に優れたプリプレグおよ
び高靭性、高弾性率、高耐熱性をかね供えた繊維強化プ
ラスチックを提供できる。
を特徴とする熱硬化性樹脂組成物。 [A]:エポキシ樹脂、シアネート樹脂およびビスマレ
イミド樹脂よりなる群から選ばれた1種以上の熱硬化性
樹脂 [B]:芳香族オリゴマー連鎖とエラストマー連鎖から
なるブロック共重合体 [C]:シリコーンゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴ
ムおよびニトリルゴムから選ばれた少なくとも1種のゴ
ム この組成物と強化繊維からなるプリプレグ。この組成物
を硬化させた樹脂硬化物。この樹脂硬化物と強化繊維か
らなる繊維強化プラスチック 【効果】タック性、ドレープ性に優れたプリプレグおよ
び高靭性、高弾性率、高耐熱性をかね供えた繊維強化プ
ラスチックを提供できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高靭性、高伸度、高弾
性率、低内部応力性さらには高耐熱性、低吸水性に優れ
た熱硬化性樹脂組成物、樹脂硬化物、およびそれをマト
リックス樹脂とするプリプレグならびに繊維強化プラス
チックに関する。
性率、低内部応力性さらには高耐熱性、低吸水性に優れ
た熱硬化性樹脂組成物、樹脂硬化物、およびそれをマト
リックス樹脂とするプリプレグならびに繊維強化プラス
チックに関する。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性樹脂はその優れた力学的特性、
耐薬品性などを生かし、成形、積層、接着剤など各種産
業分野に広く使用されている。特に強化繊維と、マトリ
ックス樹脂を必須の構成要素とする繊維強化複合材料に
はエポキシ樹脂に代表される熱硬化性樹脂が多く使われ
ている。しかしながら一方において、熱硬化性樹脂は脆
いという欠点を有しており硬化物の耐衝撃性が悪く破断
伸びが小さいなどの問題点を有している。特に航空機、
自動車等の構造材料に用いる場合、耐衝撃性が悪いこと
は大きな問題である。
耐薬品性などを生かし、成形、積層、接着剤など各種産
業分野に広く使用されている。特に強化繊維と、マトリ
ックス樹脂を必須の構成要素とする繊維強化複合材料に
はエポキシ樹脂に代表される熱硬化性樹脂が多く使われ
ている。しかしながら一方において、熱硬化性樹脂は脆
いという欠点を有しており硬化物の耐衝撃性が悪く破断
伸びが小さいなどの問題点を有している。特に航空機、
自動車等の構造材料に用いる場合、耐衝撃性が悪いこと
は大きな問題である。
【0003】これら熱硬化性樹脂の欠点、特に脆さを改
良するために以下の様々な試みがなされてきた。
良するために以下の様々な試みがなされてきた。
【0004】末端官能基を有するゴム状ポリマー(例
えば、カルボキシル基末端ブタジエン・アクリロニトリ
ルゴム)をエポキシ樹脂あるいはフェノール樹脂に加え
ることにより靭性が向上する。しかし、弾性率(特に高
温での弾性率)の低下が大きいといった欠点を有する。
えば、カルボキシル基末端ブタジエン・アクリロニトリ
ルゴム)をエポキシ樹脂あるいはフェノール樹脂に加え
ることにより靭性が向上する。しかし、弾性率(特に高
温での弾性率)の低下が大きいといった欠点を有する。
【0005】特開平 2-160859 号公報において部分架
橋ブタジエンアクリロニトリルゴム等の微粒子をエポキ
シ樹脂に添加する検討が行われている。しかし、耐熱性
の高いエポキシ樹脂に対する高靭性化効果はいまだ不十
分であり、大きな靭性向上効果を得るためにはゴム粒子
添加量が増え、弾性率低下を招くと考えられる。
橋ブタジエンアクリロニトリルゴム等の微粒子をエポキ
シ樹脂に添加する検討が行われている。しかし、耐熱性
の高いエポキシ樹脂に対する高靭性化効果はいまだ不十
分であり、大きな靭性向上効果を得るためにはゴム粒子
添加量が増え、弾性率低下を招くと考えられる。
【0006】米国特許第 4656208号明細書、特開昭61
-228016 号公報においてエポキシ反応性の官能基を末端
に有するポリスルホンオリゴマーをエポキシ樹脂組成物
に加える検討がなされている。硬化樹脂はミクロ相分離
構造(逆海島構造)をとり、連続相にはポリスルホンが
高濃度に存在し、耐熱性が良好で高い靭性を有すると述
べられている。同様の検討は第31回サンペ・シンポジウ
ム(SAMPE SYMPOSIUM)第 580頁(1986)においてジェー
・イー・マックグラスらが発表している。樹脂靭性はポ
リスルホンの分子量の増加や添加量の増加とともに大き
くなるが、それに伴い系の粘度が上がり作業性が低下す
ることを欠点としている。また、高粘度樹脂を使用する
ゆえに、強化繊維と組合わせたプリプレグのタック性、
ドレープ性が低下する。
-228016 号公報においてエポキシ反応性の官能基を末端
に有するポリスルホンオリゴマーをエポキシ樹脂組成物
に加える検討がなされている。硬化樹脂はミクロ相分離
構造(逆海島構造)をとり、連続相にはポリスルホンが
高濃度に存在し、耐熱性が良好で高い靭性を有すると述
べられている。同様の検討は第31回サンペ・シンポジウ
ム(SAMPE SYMPOSIUM)第 580頁(1986)においてジェー
・イー・マックグラスらが発表している。樹脂靭性はポ
リスルホンの分子量の増加や添加量の増加とともに大き
くなるが、それに伴い系の粘度が上がり作業性が低下す
ることを欠点としている。また、高粘度樹脂を使用する
ゆえに、強化繊維と組合わせたプリプレグのタック性、
ドレープ性が低下する。
【0007】ヨーロッパ公開特許第 0311349号明細書
においても、やはりアミン末端ポリアリルスルホンをエ
ポキシ樹脂組成物に加える検討がなされている。ポリア
リルスルホンの骨格構造によって均一構造のもの、ポリ
アリルスルホン相とエポキシ樹脂相に相分離し両相が連
続構造であるもの、連続相がポリアリルスルホンで島相
がエポキシ相であるものと変化し、ポリアリルスルホン
相とエポキシ樹脂相が両相とも連続構造であるときに最
も靭性が高くなると述べている。樹脂靭性はポリスルホ
ンの分子量の増加や添加量の増加とともに大きくなる
が、それに伴い系の粘度が上がり作業性が大きく低下す
ると考えられる。また、高粘度樹脂を使用するゆえに、
強化繊維と組合わせたプリプレグのタック性、ドレープ
性が低下する。
においても、やはりアミン末端ポリアリルスルホンをエ
ポキシ樹脂組成物に加える検討がなされている。ポリア
リルスルホンの骨格構造によって均一構造のもの、ポリ
アリルスルホン相とエポキシ樹脂相に相分離し両相が連
続構造であるもの、連続相がポリアリルスルホンで島相
がエポキシ相であるものと変化し、ポリアリルスルホン
相とエポキシ樹脂相が両相とも連続構造であるときに最
も靭性が高くなると述べている。樹脂靭性はポリスルホ
ンの分子量の増加や添加量の増加とともに大きくなる
が、それに伴い系の粘度が上がり作業性が大きく低下す
ると考えられる。また、高粘度樹脂を使用するゆえに、
強化繊維と組合わせたプリプレグのタック性、ドレープ
性が低下する。
【0008】特開昭 63-170411号公報において、アミ
ン末端のポリスルホンオリゴマーをエポキシ樹脂組成物
に加え、さらにエポキシと反応性である液状ゴムを添加
した組成物が開示されている。硬化後は、ポリスルホン
を主成分とする連続相のなかにエポキシを主成分とする
分散相があり、さらにそのエポキシ分散相中にゴム相を
含有するミクロ相分離構造を形成し、高靭性樹脂となる
とされている。しかし、この手法は液状ゴムをエポキシ
成分に溶解して用いるがゆえに硬化樹脂の弾性率、耐熱
性を低下させると考えられる。また、より高靭性とする
ために多量のポリスルホンを添加した場合には作業性の
低下が顕著である。また、高粘度樹脂を使用するゆえ
に、強化繊維と組合わせたプリプレグのタック性、ドレ
ープ性が低下する。
ン末端のポリスルホンオリゴマーをエポキシ樹脂組成物
に加え、さらにエポキシと反応性である液状ゴムを添加
した組成物が開示されている。硬化後は、ポリスルホン
を主成分とする連続相のなかにエポキシを主成分とする
分散相があり、さらにそのエポキシ分散相中にゴム相を
含有するミクロ相分離構造を形成し、高靭性樹脂となる
とされている。しかし、この手法は液状ゴムをエポキシ
成分に溶解して用いるがゆえに硬化樹脂の弾性率、耐熱
性を低下させると考えられる。また、より高靭性とする
ために多量のポリスルホンを添加した場合には作業性の
低下が顕著である。また、高粘度樹脂を使用するゆえ
に、強化繊維と組合わせたプリプレグのタック性、ドレ
ープ性が低下する。
【0009】本発明者らも特開平 2-305860 号公報に
おいて、エポキシ樹脂にアミン末端ポリイミド−シロキ
サンブロック共重合体を添加することで、靭性を向上で
きることを開示している。改質剤添加に伴う粘度上昇が
比較的小さいけれども、より高靭性とするために多量の
改質剤を添加したような場合には作業性の低下に改善の
余地がある。
おいて、エポキシ樹脂にアミン末端ポリイミド−シロキ
サンブロック共重合体を添加することで、靭性を向上で
きることを開示している。改質剤添加に伴う粘度上昇が
比較的小さいけれども、より高靭性とするために多量の
改質剤を添加したような場合には作業性の低下に改善の
余地がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように靭性を向
上させようとする従来の技術は、弾性率、耐熱性や作業
性を低下させる等それぞれに欠点を有しており、しかも
靭性向上効果が不十分である。すなわち、樹脂組成物と
しての良好な作業性、硬化物としての高耐熱性、高弾性
率を保ちながら高靭性な硬化樹脂を得ることは、いまも
って解決すべき重要な課題である。
上させようとする従来の技術は、弾性率、耐熱性や作業
性を低下させる等それぞれに欠点を有しており、しかも
靭性向上効果が不十分である。すなわち、樹脂組成物と
しての良好な作業性、硬化物としての高耐熱性、高弾性
率を保ちながら高靭性な硬化樹脂を得ることは、いまも
って解決すべき重要な課題である。
【0011】本発明はこれらの諸物性を合わせ持つ熱硬
化性樹脂組成物、硬化物さらにはそれをマトリックス樹
脂とするタック性、ドレープ性に優れたプリプレグおよ
び高靭性、高耐熱性をかね供えた繊維強化プラスチック
を提供することを課題とする。
化性樹脂組成物、硬化物さらにはそれをマトリックス樹
脂とするタック性、ドレープ性に優れたプリプレグおよ
び高靭性、高耐熱性をかね供えた繊維強化プラスチック
を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の熱硬化性樹脂組成物は次の構成を有する。
すなわち、次の構成要素[A]、[B]、[C]からな
ることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
め、本発明の熱硬化性樹脂組成物は次の構成を有する。
すなわち、次の構成要素[A]、[B]、[C]からな
ることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
【0013】[A]:エポキシ樹脂、シアネート樹脂お
よびビスマレイミド樹脂よりなる群から選ばれた1種以
上の熱硬化性樹脂 [B]:芳香族オリゴマー連鎖とエラストマー連鎖から
なるブロック共重合体 [C]:シリコーンゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴ
ム、ニトリルゴムよりなる群から選ばれた1種以上のゴ
ム また、本発明の樹脂硬化物は次の構成を有する。すなわ
ち、次の構成要素[D]、[E]、[F]を主成分とす
る相がそれぞれ分離しており、かつ構成要素[F]を主
成分とする相が[E]を主成分とする相中に含まれて存
在していることを特徴とする樹脂硬化物である。
よびビスマレイミド樹脂よりなる群から選ばれた1種以
上の熱硬化性樹脂 [B]:芳香族オリゴマー連鎖とエラストマー連鎖から
なるブロック共重合体 [C]:シリコーンゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴ
ム、ニトリルゴムよりなる群から選ばれた1種以上のゴ
ム また、本発明の樹脂硬化物は次の構成を有する。すなわ
ち、次の構成要素[D]、[E]、[F]を主成分とす
る相がそれぞれ分離しており、かつ構成要素[F]を主
成分とする相が[E]を主成分とする相中に含まれて存
在していることを特徴とする樹脂硬化物である。
【0014】[D]:エポキシ樹脂、シアネート樹脂お
よびビスマレイミド樹脂よりなる群から選ばれた1種以
上の熱硬化性樹脂 [E]:熱可塑性樹脂 [F]:エラストマ 本発明のプリプレグは次の構成を有する。すなわち、前
記熱硬化性樹脂組成物と強化繊維からなるプリプレグで
ある。
よびビスマレイミド樹脂よりなる群から選ばれた1種以
上の熱硬化性樹脂 [E]:熱可塑性樹脂 [F]:エラストマ 本発明のプリプレグは次の構成を有する。すなわち、前
記熱硬化性樹脂組成物と強化繊維からなるプリプレグで
ある。
【0015】また、本発明の繊維強化プラスチックは次
の構成を有する。すなわち、前記樹脂硬化物と強化繊維
からなる繊維強化プラスチックである。
の構成を有する。すなわち、前記樹脂硬化物と強化繊維
からなる繊維強化プラスチックである。
【0016】以下、本発明を各構成要素ごとに詳細に説
明する。
明する。
【0017】(構成要素[A]の説明)本発明において
構成要素[A]は、エポキシ樹脂、シアネート樹脂およ
びビスマレイミド樹脂よりなる群から選ばれた1種以上
の熱硬化性樹脂である。
構成要素[A]は、エポキシ樹脂、シアネート樹脂およ
びビスマレイミド樹脂よりなる群から選ばれた1種以上
の熱硬化性樹脂である。
【0018】特に本発明に適した熱硬化性樹脂としてま
ずエポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂とは、1分
子あたり平均2個以上のエポキシ基を有する樹脂であ
る。特に、アミン類、フェノール類、炭素炭素二重結合
を有する化合物を前駆体とするエポキシ樹脂が好まし
い。具体的には、アミン類を前駆体とするエポキシ樹脂
として、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、
トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジ
ル−m−アミノフェノール、トリグリシジルアミノクレ
ゾールの各種異性体、フェノール類を前駆体とするエポ
キシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エ
ポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型
エポキシ樹脂、炭素炭素二重結合を有する化合物を前駆
体とするエポキシ樹脂としては、脂環式エポキシ樹脂等
があげられる。また、これらのエポキシ樹脂をブロム化
したブロム化エポキシ樹脂も用いられる。。これらエポ
キシ樹脂は2種以上の混合系で用いてもよく、モノエポ
キシ化合物を含有しても良い。
ずエポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂とは、1分
子あたり平均2個以上のエポキシ基を有する樹脂であ
る。特に、アミン類、フェノール類、炭素炭素二重結合
を有する化合物を前駆体とするエポキシ樹脂が好まし
い。具体的には、アミン類を前駆体とするエポキシ樹脂
として、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、
トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジ
ル−m−アミノフェノール、トリグリシジルアミノクレ
ゾールの各種異性体、フェノール類を前駆体とするエポ
キシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エ
ポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型
エポキシ樹脂、炭素炭素二重結合を有する化合物を前駆
体とするエポキシ樹脂としては、脂環式エポキシ樹脂等
があげられる。また、これらのエポキシ樹脂をブロム化
したブロム化エポキシ樹脂も用いられる。。これらエポ
キシ樹脂は2種以上の混合系で用いてもよく、モノエポ
キシ化合物を含有しても良い。
【0019】エポキシ樹脂は硬化剤と組合せて好ましく
用いられる。硬化剤はエポキシ基と反応しうる活性基を
有する化合物であればこれを用いることができる。好ま
しくは、アミノ基、酸無水物基、アジド基、水酸基を有
する化合物が適している。
用いられる。硬化剤はエポキシ基と反応しうる活性基を
有する化合物であればこれを用いることができる。好ま
しくは、アミノ基、酸無水物基、アジド基、水酸基を有
する化合物が適している。
【0020】具体的には、ジシアンジアミド、ジアミノ
ジフェニルスルホンの各種異性体、アミノ安息香酸エス
テル類、各種酸無水物、フェノールノボラック樹脂、ク
レゾールノボラック樹脂が挙げられる。ジシアンジアミ
ドはプリプレグの保存性に優れるため好んで用いられ
る。芳香族ジアミンを硬化剤として用いると耐熱性良好
なエポキシ樹脂硬化物が得られる。特に、ジアミノジフ
ェニルスルホンの各種異性体は、耐熱性の良好な硬化物
を与えるため本発明には最も適している。アミノ安息香
酸エステル類としては、トリメチレングリコールジ−p
−アミノベンゾエートやネオペンチルグリコールジ−p
−アミノベンゾエートが好んで用いられ、ジアミノジフ
ェニルスルホンに比較して、耐熱性に劣るものの、引張
伸度に優れるため、用途に応じて選択して用いられる。
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸に代表される酸無水物
を硬化剤として用いると、耐熱性が高い硬化物を与え、
低粘度で作業性に優れたエポキシ樹脂組成物が得られ
る。フェノールノボラック樹脂あるいはクレゾールノボ
ラック樹脂はこれを硬化剤として用いると、分子鎖中に
耐加水分解性の優れたエーテル結合が導入され硬化物の
耐湿性が向上するため好ましい。
ジフェニルスルホンの各種異性体、アミノ安息香酸エス
テル類、各種酸無水物、フェノールノボラック樹脂、ク
レゾールノボラック樹脂が挙げられる。ジシアンジアミ
ドはプリプレグの保存性に優れるため好んで用いられ
る。芳香族ジアミンを硬化剤として用いると耐熱性良好
なエポキシ樹脂硬化物が得られる。特に、ジアミノジフ
ェニルスルホンの各種異性体は、耐熱性の良好な硬化物
を与えるため本発明には最も適している。アミノ安息香
酸エステル類としては、トリメチレングリコールジ−p
−アミノベンゾエートやネオペンチルグリコールジ−p
−アミノベンゾエートが好んで用いられ、ジアミノジフ
ェニルスルホンに比較して、耐熱性に劣るものの、引張
伸度に優れるため、用途に応じて選択して用いられる。
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸に代表される酸無水物
を硬化剤として用いると、耐熱性が高い硬化物を与え、
低粘度で作業性に優れたエポキシ樹脂組成物が得られ
る。フェノールノボラック樹脂あるいはクレゾールノボ
ラック樹脂はこれを硬化剤として用いると、分子鎖中に
耐加水分解性の優れたエーテル結合が導入され硬化物の
耐湿性が向上するため好ましい。
【0021】本発明においては、構成要素[A]として
マレイミド樹脂も好ましい。マレイミド樹脂とは、1分
子あたりマレイミド基を平均2個以上含む化合物であ
り、一般式
マレイミド樹脂も好ましい。マレイミド樹脂とは、1分
子あたりマレイミド基を平均2個以上含む化合物であ
り、一般式
【化1】 (式中、Xはアルキレン基、シクロアルキレン基、単環
もしくは多環式のアリレーン基などの2価の炭化水素
基、または−CH2 −,−CO−,−SO2 −,−O
−,−C(CH3 )2 −,−CONH−など2価の原子
団によって結合された2価の炭化水素基)で示されるも
のや、一般式
もしくは多環式のアリレーン基などの2価の炭化水素
基、または−CH2 −,−CO−,−SO2 −,−O
−,−C(CH3 )2 −,−CONH−など2価の原子
団によって結合された2価の炭化水素基)で示されるも
のや、一般式
【化2】 (式中、nは1〜4の数)
【化3】 (式中、nは1〜4の数)で示される混合ポリアミンと
無水マレイン酸との反応で得られるマレイミド化合物で
ある。
無水マレイン酸との反応で得られるマレイミド化合物で
ある。
【0022】この種のマレイミド化合物としては、例え
ば、N,N'- フェニレンビスマレイミド、N,N'- ヘキサメ
チレンビスマレイミド、N,N'- メチレン- ジ- p- フェ
ニレンビスマレイミド、N,N'- オキシ- ジ- p- フェニ
レンビスマレイミド、N,N'-4,4'-ベンゾフェノンビスマ
レイミド、N,N'- ジフェニルスルホンビスマレイミド、
N,N'-(3,3'- ジメチル)-メチレン- ジ- p- フェニレン
ビスマレイミド、N,N'-4,4'-ジシクロヘキシルメタンビ
スマレイミド、N,N'- m( 又はp)-キシリレン- ビスマ
レイミド、N,N'-(3,3'- ジエチル)-メチレン- ジ- p-
フェニレンビスマレイミド、N,N'- メタトリレン- ジ-
マレイミドやビス(アミノフェノキシ)ベンゼンのビス
マレイミドを始め、アニリンとホルマリンの反応生成物
である混合ポリアミンと無水マレイン酸との反応生成物
があげられるが、本発明はこれに限定されない。また、
これらマレイミド化合物は2種以上の混合系で用いても
よく、またN-アリルマレイミド、N-プロピルマレイミ
ド、N-ヘキシルマレイミド、N-フェニルマレイミドなど
のモノマレイミド化合物を含有してもよい。
ば、N,N'- フェニレンビスマレイミド、N,N'- ヘキサメ
チレンビスマレイミド、N,N'- メチレン- ジ- p- フェ
ニレンビスマレイミド、N,N'- オキシ- ジ- p- フェニ
レンビスマレイミド、N,N'-4,4'-ベンゾフェノンビスマ
レイミド、N,N'- ジフェニルスルホンビスマレイミド、
N,N'-(3,3'- ジメチル)-メチレン- ジ- p- フェニレン
ビスマレイミド、N,N'-4,4'-ジシクロヘキシルメタンビ
スマレイミド、N,N'- m( 又はp)-キシリレン- ビスマ
レイミド、N,N'-(3,3'- ジエチル)-メチレン- ジ- p-
フェニレンビスマレイミド、N,N'- メタトリレン- ジ-
マレイミドやビス(アミノフェノキシ)ベンゼンのビス
マレイミドを始め、アニリンとホルマリンの反応生成物
である混合ポリアミンと無水マレイン酸との反応生成物
があげられるが、本発明はこれに限定されない。また、
これらマレイミド化合物は2種以上の混合系で用いても
よく、またN-アリルマレイミド、N-プロピルマレイミ
ド、N-ヘキシルマレイミド、N-フェニルマレイミドなど
のモノマレイミド化合物を含有してもよい。
【0023】マレイミド樹脂は硬化剤または反応性希釈
剤と組合せて好ましく用いられる。硬化剤はマレイミド
基と反応し得る活性基を有する化合物であればこれを用
いることができる。好ましくは、アミノ基、アリル基に
代表されるアルケニル基、ベンゾシクロブテン基、アリ
ルナジックイミド基、イソシアネート基、シアネート
基、エポキシ基を有する化合物が適している。例えば、
アミノ基を有する硬化剤としてはジアミノジフェニルメ
タンが代表的であり、アルケニル基を有する硬化剤とし
てはO,O'- ジアリルビスフェノールAやビス(プロペニ
ルフェノキシ)スルホンなどが挙げられる。
剤と組合せて好ましく用いられる。硬化剤はマレイミド
基と反応し得る活性基を有する化合物であればこれを用
いることができる。好ましくは、アミノ基、アリル基に
代表されるアルケニル基、ベンゾシクロブテン基、アリ
ルナジックイミド基、イソシアネート基、シアネート
基、エポキシ基を有する化合物が適している。例えば、
アミノ基を有する硬化剤としてはジアミノジフェニルメ
タンが代表的であり、アルケニル基を有する硬化剤とし
てはO,O'- ジアリルビスフェノールAやビス(プロペニ
ルフェノキシ)スルホンなどが挙げられる。
【0024】上記のビスマレイミドと次の一般式で表さ
れるシアン酸エステルで構成されるビスマレイミド・ト
リアジン樹脂(BT樹脂)も本発明の熱硬化性樹脂とし
て好適である。
れるシアン酸エステルで構成されるビスマレイミド・ト
リアジン樹脂(BT樹脂)も本発明の熱硬化性樹脂とし
て好適である。
【0025】
【化4】 (式中、Xはアルキレン基、シクロアルキレン基、単環
もしくは多環式のアリレーン基などの2価の炭化水素基
または−CH2 −,−CO−,−SO2 −,−O−,−
C(CH3 )2 −,−CONH−など2価の原子団によ
って結合された2価の炭化水素基)このようなBT樹脂
はビスマレイミドとシアン酸エステルの重量比で0/1
00〜70/30の範囲で用いられる。0/100の場
合はシアネート樹脂に該当することとなるが、本発明に
はこれも適している。この場合、硬化物の吸水率が低い
という特徴を有する。
もしくは多環式のアリレーン基などの2価の炭化水素基
または−CH2 −,−CO−,−SO2 −,−O−,−
C(CH3 )2 −,−CONH−など2価の原子団によ
って結合された2価の炭化水素基)このようなBT樹脂
はビスマレイミドとシアン酸エステルの重量比で0/1
00〜70/30の範囲で用いられる。0/100の場
合はシアネート樹脂に該当することとなるが、本発明に
はこれも適している。この場合、硬化物の吸水率が低い
という特徴を有する。
【0026】また、これら3種の熱硬化性樹脂のそれぞ
れの組合せ、例えばエポキシ樹脂とシアネート樹脂、シ
アネート樹脂とビスマレイミド樹脂といったものも本発
明にとって好適である。
れの組合せ、例えばエポキシ樹脂とシアネート樹脂、シ
アネート樹脂とビスマレイミド樹脂といったものも本発
明にとって好適である。
【0027】(構成要素[B]の説明)本発明に用いる
構成要素[B]は芳香族オリゴマー連鎖とエラストマー
連鎖とのブロック共重合体である。
構成要素[B]は芳香族オリゴマー連鎖とエラストマー
連鎖とのブロック共重合体である。
【0028】構成要素[B]として用いる芳香族オリゴ
マー連鎖とエラストマー連鎖のブロック共重合体におけ
る芳香族オリゴマー連鎖としては、二価の連鎖基によっ
て連結されたフェニレン、ジフェニレンあるいはナフタ
レン基のような二価の芳香族基を含有するものが好まし
い。連鎖基は、例えばオキシ(−O−);スルホニル
(−SO2 −);サルファイド(−S−);オキシアル
キレンあるいはオキシアルキレンオキシ[−OR−ある
いは−ORO−、(Rは好ましくは1〜3個の炭素原子
を有する低級アルキレン)];低級アルキレンあるいは
アルキリデン[−R−あるいは−R(R1 )y−、(R
およびR1 は独立に低級アルキレン、yは1あるいは2
である)];ケトン(−CO−)等である。また芳香族
オリゴマー連鎖はイミド骨格[(−CO−)2 N−]、
アミド骨格(−NHCO−)を有するものであることが
耐熱性および靭性を兼ね供えるため好ましい。芳香族ポ
リエーテル、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳
香族ポリスルホン、芳香族ポリケトン(−CO−)と呼
ばれるものがこれにあたる。この芳香族オリゴマ連鎖部
の全炭素原子の50%以上が芳香族構造のものであるこ
とが好ましいが、芳香族単位は、塩素、低級アルキル、
フェニル等のごとき置換基を有していてもよい。
マー連鎖とエラストマー連鎖のブロック共重合体におけ
る芳香族オリゴマー連鎖としては、二価の連鎖基によっ
て連結されたフェニレン、ジフェニレンあるいはナフタ
レン基のような二価の芳香族基を含有するものが好まし
い。連鎖基は、例えばオキシ(−O−);スルホニル
(−SO2 −);サルファイド(−S−);オキシアル
キレンあるいはオキシアルキレンオキシ[−OR−ある
いは−ORO−、(Rは好ましくは1〜3個の炭素原子
を有する低級アルキレン)];低級アルキレンあるいは
アルキリデン[−R−あるいは−R(R1 )y−、(R
およびR1 は独立に低級アルキレン、yは1あるいは2
である)];ケトン(−CO−)等である。また芳香族
オリゴマー連鎖はイミド骨格[(−CO−)2 N−]、
アミド骨格(−NHCO−)を有するものであることが
耐熱性および靭性を兼ね供えるため好ましい。芳香族ポ
リエーテル、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳
香族ポリスルホン、芳香族ポリケトン(−CO−)と呼
ばれるものがこれにあたる。この芳香族オリゴマ連鎖部
の全炭素原子の50%以上が芳香族構造のものであるこ
とが好ましいが、芳香族単位は、塩素、低級アルキル、
フェニル等のごとき置換基を有していてもよい。
【0029】構成要素[B]として最も好ましい芳香族
オリゴマー連鎖中のポリイミド連鎖部は、工業界にて公
知のいずれの合成法を用いることもできるが、代表的に
はテトラカルボン酸二無水物とジアミノ化合物とを反応
させることよって合成する。例えば次のジアミンと酸二
無水物の組合わせにより合成される。
オリゴマー連鎖中のポリイミド連鎖部は、工業界にて公
知のいずれの合成法を用いることもできるが、代表的に
はテトラカルボン酸二無水物とジアミノ化合物とを反応
させることよって合成する。例えば次のジアミンと酸二
無水物の組合わせにより合成される。
【0030】テトラカルボン酸二無水物の好ましい例
は、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸
二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテ
トラカルボン酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸
二無水物、より好ましくは、3,3’,4,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’
−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物などの
芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができ
る。
は、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸
二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテ
トラカルボン酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸
二無水物、より好ましくは、3,3’,4,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’
−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物などの
芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができ
る。
【0031】ジアミノ化合物の好ましい例は、ジアミノ
ジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、パラフェ
ニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミ
ノジフェニルスルフォン、ジアミノジフェニルスルフィ
ド、ジアミノジフェニルエタン、ジアミノジフェニルプ
ロパン、ジアミノジフェニルケトン、ジアミノジフェニ
ルヘキサフルオロプロパン、ジアミノジフェニルフルオ
レン、ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミ
ノフェノキシ)ジフェニルスルフォン、ビス(アミノフ
ェノキシ)ジフェニルプロパン、ビス(アミノフェノキ
シ)ジフェニルヘキサフルオロプロパン、フルオレンジ
アミン、ジアミノジフェニルメタンのジメチル置換体、
ジアミノジフェニルメタンのテトラメチル置換体、ジア
ミノジフェニルメタンのジエチル置換体、ジアミノジフ
ェニルメタンのテトラエチル置換体、ジアミノジフェニ
ルメタンのジメチルジエチル置換体などの芳香族ジアミ
ノ化合物、より好ましくは、ビス(アミノフェノキシ)
ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルスルフ
ォン、ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルプロパン、
ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルヘキサフルオロプ
ロパン、ジアミノジフェニルフルオレン、フルオレンジ
アミン、ジアミノジフェニルメタンのジメチル置換体、
ジアミノジフェニルメタンのテトラメチル置換体、ジア
ミノジフェニルメタンのジエチル置換体、ジアミノジフ
ェニルメタンのテトラエチル置換体、ジアミノジフェニ
ルメタンのジメチルジエチル置換体などの芳香族ジアミ
ノ化合物を挙げることができる。
ジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、パラフェ
ニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミ
ノジフェニルスルフォン、ジアミノジフェニルスルフィ
ド、ジアミノジフェニルエタン、ジアミノジフェニルプ
ロパン、ジアミノジフェニルケトン、ジアミノジフェニ
ルヘキサフルオロプロパン、ジアミノジフェニルフルオ
レン、ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミ
ノフェノキシ)ジフェニルスルフォン、ビス(アミノフ
ェノキシ)ジフェニルプロパン、ビス(アミノフェノキ
シ)ジフェニルヘキサフルオロプロパン、フルオレンジ
アミン、ジアミノジフェニルメタンのジメチル置換体、
ジアミノジフェニルメタンのテトラメチル置換体、ジア
ミノジフェニルメタンのジエチル置換体、ジアミノジフ
ェニルメタンのテトラエチル置換体、ジアミノジフェニ
ルメタンのジメチルジエチル置換体などの芳香族ジアミ
ノ化合物、より好ましくは、ビス(アミノフェノキシ)
ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルスルフ
ォン、ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルプロパン、
ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルヘキサフルオロプ
ロパン、ジアミノジフェニルフルオレン、フルオレンジ
アミン、ジアミノジフェニルメタンのジメチル置換体、
ジアミノジフェニルメタンのテトラメチル置換体、ジア
ミノジフェニルメタンのジエチル置換体、ジアミノジフ
ェニルメタンのテトラエチル置換体、ジアミノジフェニ
ルメタンのジメチルジエチル置換体などの芳香族ジアミ
ノ化合物を挙げることができる。
【0032】構成要素[B]中のエラストマー連鎖部分
としてはシロキサン骨格、アクリロニトリル−ブタジエ
ン骨格が代表例として挙げられる。
としてはシロキサン骨格、アクリロニトリル−ブタジエ
ン骨格が代表例として挙げられる。
【0033】シロキサン骨格とは次式で表されるもので
ある。
ある。
【0034】
【化5】 (式中、R2 は2価の有機基、R3 は1価の有機基であ
り、R2 、R3 はそれぞれ同種でもよく、異種でもよ
い。nは1〜20の整数。)特に好ましくはジメチルシ
ロキサンであるが、フェニルシロキサンやその共重合体
も好適である。
り、R2 、R3 はそれぞれ同種でもよく、異種でもよ
い。nは1〜20の整数。)特に好ましくはジメチルシ
ロキサンであるが、フェニルシロキサンやその共重合体
も好適である。
【0035】したがって、2種の連鎖部からなるブロッ
ク共重合体としての構成要素[B]は、例えば、ポリイ
ミド−シロキサンブロック共重合体、ポリアミド−シロ
キサンブロック共重合体、ポリエーテル−アクリロニト
リルブタジエンブロック共重合体といったものとなる。
ク共重合体としての構成要素[B]は、例えば、ポリイ
ミド−シロキサンブロック共重合体、ポリアミド−シロ
キサンブロック共重合体、ポリエーテル−アクリロニト
リルブタジエンブロック共重合体といったものとなる。
【0036】この構成要素[B]は、構成要素[A]と
しての熱硬化性樹脂組成物に溶解しうるように適宜選択
して用いられるものである。
しての熱硬化性樹脂組成物に溶解しうるように適宜選択
して用いられるものである。
【0037】構成要素[B]の末端に構成要素[A]と
反応しうる官能基を有することは相分離界面の接着性を
高め、靭性向上に寄与し、熱硬化性樹脂本来の耐溶剤性
を維持するため好ましい。好ましい官能基は第一アミ
ン、第二アミン、ヒドロキシル基、エポキシ基、カルボ
キシル基、酸無水物、マレイミド基等である。特に、第
一アミンは反応性に優れており好ましい。
反応しうる官能基を有することは相分離界面の接着性を
高め、靭性向上に寄与し、熱硬化性樹脂本来の耐溶剤性
を維持するため好ましい。好ましい官能基は第一アミ
ン、第二アミン、ヒドロキシル基、エポキシ基、カルボ
キシル基、酸無水物、マレイミド基等である。特に、第
一アミンは反応性に優れており好ましい。
【0038】構成要素[B]の分子量は数平均分子量に
して約2000〜10000の範囲が好ましい。これよ
り分子量が小さい場合、靭性向上効果が小さく、また、
これより分子量が大きければ樹脂粘度の増加が著しく作
業性の低下が顕著である。より好ましくは約3000〜
5000の範囲である。
して約2000〜10000の範囲が好ましい。これよ
り分子量が小さい場合、靭性向上効果が小さく、また、
これより分子量が大きければ樹脂粘度の増加が著しく作
業性の低下が顕著である。より好ましくは約3000〜
5000の範囲である。
【0039】構成要素[B]は芳香族オリゴマー連鎖と
エラストマー連鎖との2種の連鎖部からなるブロック共
重合体であるが、それぞれの連鎖長の比率としては芳香
族オリゴマー連鎖部がエラストマー連鎖部より高分子量
であることが耐熱性を高めるため好ましい。
エラストマー連鎖との2種の連鎖部からなるブロック共
重合体であるが、それぞれの連鎖長の比率としては芳香
族オリゴマー連鎖部がエラストマー連鎖部より高分子量
であることが耐熱性を高めるため好ましい。
【0040】好ましい数平均分子量の比率は、芳香族オ
リゴマー連鎖部/エラストマー連鎖部が1〜20であ
る。これより小さい場合は耐熱性の低下が顕著となる可
能性があり、これより大きい場合は靭性向上効果が小さ
い。さらに好ましくは2〜10の範囲である。
リゴマー連鎖部/エラストマー連鎖部が1〜20であ
る。これより小さい場合は耐熱性の低下が顕著となる可
能性があり、これより大きい場合は靭性向上効果が小さ
い。さらに好ましくは2〜10の範囲である。
【0041】構成要素[B]は150℃以上のガラス転
移温度(Tg)を有することが硬化樹脂の耐熱性維持の
ため好ましい。より好ましいTgの範囲は160〜30
0℃であり、さらに好ましくは170〜250℃の範囲
である。ここでガラス転移温度は、示差走査熱量計(D
SC)にて40℃/min.の昇温速度にて測定したも
のをいう。
移温度(Tg)を有することが硬化樹脂の耐熱性維持の
ため好ましい。より好ましいTgの範囲は160〜30
0℃であり、さらに好ましくは170〜250℃の範囲
である。ここでガラス転移温度は、示差走査熱量計(D
SC)にて40℃/min.の昇温速度にて測定したも
のをいう。
【0042】構成要素[B]の量は全樹脂組成物中5〜
30重量%が好ましい。これより少なければ靭性向上効
果が小さく、またこれより多ければ作業性低下の傾向が
ある。より好ましくは7〜25重量%であり、さらには
10〜20重量%である。
30重量%が好ましい。これより少なければ靭性向上効
果が小さく、またこれより多ければ作業性低下の傾向が
ある。より好ましくは7〜25重量%であり、さらには
10〜20重量%である。
【0043】(構成要素[C]の説明)構成要素[C]
はシリコーンゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴム、ニ
トリルゴムよりなる群から選ばれた1種以上のゴムであ
る。構成要素[C]の選択の仕方としては、構成要素
[B]のエラストマー連鎖部と類似構造のゴムを組合わ
せて用いることが、構成要素[B]と[C]との親和性
を高め、靭性向上に適した相分離構造を有する硬化物を
与えるため好ましい。例えば、構成要素[B]のエラス
トマー連鎖部としてシロキサン連鎖を用いる場合は、構
成要素[C]としてシリコンゴム、構成要素[B]のエ
ラストマー連鎖部としてアクリロニトリルブタジエン連
鎖を用いる場合は構成要素[C]としてアクリロニトリ
ルブタジエンゴムが適するといった具合である。
はシリコーンゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴム、ニ
トリルゴムよりなる群から選ばれた1種以上のゴムであ
る。構成要素[C]の選択の仕方としては、構成要素
[B]のエラストマー連鎖部と類似構造のゴムを組合わ
せて用いることが、構成要素[B]と[C]との親和性
を高め、靭性向上に適した相分離構造を有する硬化物を
与えるため好ましい。例えば、構成要素[B]のエラス
トマー連鎖部としてシロキサン連鎖を用いる場合は、構
成要素[C]としてシリコンゴム、構成要素[B]のエ
ラストマー連鎖部としてアクリロニトリルブタジエン連
鎖を用いる場合は構成要素[C]としてアクリロニトリ
ルブタジエンゴムが適するといった具合である。
【0044】構成要素[C]として上記のゴム群から選
ばれた1種以上の固形のゴムを用いることは、液状ゴム
を用いる場合に比較して、樹脂の耐熱性、弾性率を優れ
たものにするため好ましい。また、液状ゴムを添加した
場合より、硬化物の相分離形態が硬化条件に依存しにく
く物性が安定する。固形ゴムとして例えば、シリコーン
ゴム粒子や、架橋アクリロニトリルブタジエンゴム粒子
を挙げることができる。固形ニトリルゴムを構成要素
[A]および[B]からなる樹脂中に練り込むことも好
ましい。
ばれた1種以上の固形のゴムを用いることは、液状ゴム
を用いる場合に比較して、樹脂の耐熱性、弾性率を優れ
たものにするため好ましい。また、液状ゴムを添加した
場合より、硬化物の相分離形態が硬化条件に依存しにく
く物性が安定する。固形ゴムとして例えば、シリコーン
ゴム粒子や、架橋アクリロニトリルブタジエンゴム粒子
を挙げることができる。固形ニトリルゴムを構成要素
[A]および[B]からなる樹脂中に練り込むことも好
ましい。
【0045】構成要素[C]が構成要素[B]あるいは
[A]と反応しうる官能基を有することは、靭性向上に
寄与し、熱硬化性樹脂本来の耐溶剤性を維持するため好
ましい。このような反応性の官能基として特に好ましい
官能基はエポキシ基、アミノ基である。
[A]と反応しうる官能基を有することは、靭性向上に
寄与し、熱硬化性樹脂本来の耐溶剤性を維持するため好
ましい。このような反応性の官能基として特に好ましい
官能基はエポキシ基、アミノ基である。
【0046】シリコンゴム粒子の市販品の例としては、
例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製の
E−601、E−602、DY33−723等が挙げら
れる。また、架橋アクリロニトリルブタジエンゴム粒子
の製法については、特開平2-160859号公報に記載があ
る。
例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製の
E−601、E−602、DY33−723等が挙げら
れる。また、架橋アクリロニトリルブタジエンゴム粒子
の製法については、特開平2-160859号公報に記載があ
る。
【0047】構成要素[C]を構成要素[B]と併用す
れば、構成要素[B]のみの添加では達成困難であった
樹脂靭性を得ることができる。別の表現をすれば、同一
レベルの靭性を得るために必要な構成要素[B]の添加
量を少なくすることが可能となる。したがって、樹脂の
粘度上昇による作業性の低下が少ない。それゆえ、この
樹脂をマトリックス樹脂とするプリプレグは、タック
性、ドレープ性に優れているという特徴がある。
れば、構成要素[B]のみの添加では達成困難であった
樹脂靭性を得ることができる。別の表現をすれば、同一
レベルの靭性を得るために必要な構成要素[B]の添加
量を少なくすることが可能となる。したがって、樹脂の
粘度上昇による作業性の低下が少ない。それゆえ、この
樹脂をマトリックス樹脂とするプリプレグは、タック
性、ドレープ性に優れているという特徴がある。
【0048】構成要素[C]の添加量は全樹脂組成物中
2〜15重量%が好ましい。これより少なければ靭性向
上効果が小さく、またこれより多ければ耐熱性、作業性
が低下する可能性がある。より好ましくは3〜10重量
%であり、さらには4〜8重量%である。
2〜15重量%が好ましい。これより少なければ靭性向
上効果が小さく、またこれより多ければ耐熱性、作業性
が低下する可能性がある。より好ましくは3〜10重量
%であり、さらには4〜8重量%である。
【0049】構成要素[C]の添加量は、構成要素
[B]の添加量より少ないほうが、靭性向上、弾性率維
持の観点から好ましい。
[B]の添加量より少ないほうが、靭性向上、弾性率維
持の観点から好ましい。
【0050】(硬化物の説明)上記の樹脂組成物を硬化
することによって、次の構成要素[D]、[E]、
[F]を主成分とする相がそれぞれ分離しており、かつ
構成要素[F]を主成分とする相が[E]を主成分とす
る相中に含まれて存在している熱硬化性樹脂硬化物が得
られる。
することによって、次の構成要素[D]、[E]、
[F]を主成分とする相がそれぞれ分離しており、かつ
構成要素[F]を主成分とする相が[E]を主成分とす
る相中に含まれて存在している熱硬化性樹脂硬化物が得
られる。
【0051】[D]:エポキシ樹脂、シアネート樹脂お
よびビスマレイミド樹脂よりなる群から選ばれた1種以
上の熱硬化性樹脂 [E]:熱可塑性樹脂 [F]:エラストマー 前記樹脂組成物を硬化すると、構成要素[D]を主成分
とする相と構成要素[E]を主成分とする相にミクロ相
分離するが、このとき構成要素[F]を主成分とする相
は、構成要素[E]を主成分とする相の中に局在化する
ことが好ましい。とりわけ構成要素[F]を主成分とす
る相の全量のうちの70%以上が構成要素[E]を主成
分とする相のなかに局在化することが靭性向上効果が大
きくなり好ましい。これは構成要素[F]を主成分とす
る相の存在によって構成要素[E]が本来有する塑性変
形能力が有効に引き出されるためと考えられる。構成要
素[F]の素材を、構成要素[D]よりも構成要素
[E]との親和性が高いものとすることによって、この
ような相分離構造を形成することが可能である。
よびビスマレイミド樹脂よりなる群から選ばれた1種以
上の熱硬化性樹脂 [E]:熱可塑性樹脂 [F]:エラストマー 前記樹脂組成物を硬化すると、構成要素[D]を主成分
とする相と構成要素[E]を主成分とする相にミクロ相
分離するが、このとき構成要素[F]を主成分とする相
は、構成要素[E]を主成分とする相の中に局在化する
ことが好ましい。とりわけ構成要素[F]を主成分とす
る相の全量のうちの70%以上が構成要素[E]を主成
分とする相のなかに局在化することが靭性向上効果が大
きくなり好ましい。これは構成要素[F]を主成分とす
る相の存在によって構成要素[E]が本来有する塑性変
形能力が有効に引き出されるためと考えられる。構成要
素[F]の素材を、構成要素[D]よりも構成要素
[E]との親和性が高いものとすることによって、この
ような相分離構造を形成することが可能である。
【0052】また、硬化樹脂の相分離形態としては、少
なくとも構成要素[E]を主成分とする相が3次元的に
連続構造を有していることが靭性向上のために好まし
い。より好ましくは構成要素[E]を主成分とする相と
[D]を主成分とする相がそれぞれ連続相をなす相分離
形態である。こうした特徴的な相分離構造は、構造の異
なった2つの連鎖からなるブロック共重合体である構成
要素[B]を添加することによって、硬化条件の変化に
かかわらず安定して得ることができるものである。
[D]を主成分とする相と[E]を主成分とする相から
形成する相分離構造の周期は約0.01〜10ミクロンである
ことが靭性向上効果が大きく好ましい。より好ましくは
0.1〜3 ミクロン程度である。
なくとも構成要素[E]を主成分とする相が3次元的に
連続構造を有していることが靭性向上のために好まし
い。より好ましくは構成要素[E]を主成分とする相と
[D]を主成分とする相がそれぞれ連続相をなす相分離
形態である。こうした特徴的な相分離構造は、構造の異
なった2つの連鎖からなるブロック共重合体である構成
要素[B]を添加することによって、硬化条件の変化に
かかわらず安定して得ることができるものである。
[D]を主成分とする相と[E]を主成分とする相から
形成する相分離構造の周期は約0.01〜10ミクロンである
ことが靭性向上効果が大きく好ましい。より好ましくは
0.1〜3 ミクロン程度である。
【0053】構成要素[F]は対応する組成物中の構成
要素[C]と同様の素材を用いるものである。すなわ
ち、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴムお
よびニトリルゴムよりなる群から選ばれた少なくとも1
種の固形ゴムを主成分とする相であることが好ましい。
要素[C]と同様の素材を用いるものである。すなわ
ち、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴムお
よびニトリルゴムよりなる群から選ばれた少なくとも1
種の固形ゴムを主成分とする相であることが好ましい。
【0054】構成要素[F]を主成分とする相は構成要
素[E]を主成分とするの相のなかに局在化することが
好ましいが、その際の分散粒子径は約0.01〜10ミクロン
であることが靭性向上効果が大きく好ましい。より好ま
しくは 0.1〜3 ミクロン程度である。
素[E]を主成分とするの相のなかに局在化することが
好ましいが、その際の分散粒子径は約0.01〜10ミクロン
であることが靭性向上効果が大きく好ましい。より好ま
しくは 0.1〜3 ミクロン程度である。
【0055】樹脂硬化物の相分離構造は常法にて顕微鏡
観察できる。光学顕微鏡にても観察可能であるが、場合
によっては四酸化オスミウム等にて染色し、電子顕微鏡
で観察する方が好ましい。異なる3つの相の存在が明確
であり、少なくとも一つの相が連続構造を形成してお
り、さらに、その連続相中に分散相の存在がわかる。X
線マイクロアナライザー等の分析装置と顕微鏡を併用す
ることにより、構成要素の特定、推測も可能である。こ
うして特定した構成要素[E]を主成分とする相のTg
が150℃以上であることが好ましい。より好ましいT
gの範囲は160〜300℃であり、さらに好ましくは
170〜250℃の範囲である。
観察できる。光学顕微鏡にても観察可能であるが、場合
によっては四酸化オスミウム等にて染色し、電子顕微鏡
で観察する方が好ましい。異なる3つの相の存在が明確
であり、少なくとも一つの相が連続構造を形成してお
り、さらに、その連続相中に分散相の存在がわかる。X
線マイクロアナライザー等の分析装置と顕微鏡を併用す
ることにより、構成要素の特定、推測も可能である。こ
うして特定した構成要素[E]を主成分とする相のTg
が150℃以上であることが好ましい。より好ましいT
gの範囲は160〜300℃であり、さらに好ましくは
170〜250℃の範囲である。
【0056】構成要素[F]を主成分とする相の、構成
要素[D]を主成分とする相と構成要素[E]を主成分
とする相中への分配の程度は、2000倍程度の倍率の
上記顕微鏡写真をコピーし、それぞれの相中に存在する
構成要素[G]に相当する部分を切り取り重量測定する
か、あるいはイメージアナライザーにて測定する手法に
より面積を求めて比較し、これを少なくとも5箇所につ
いて測定した平均値を用いる。
要素[D]を主成分とする相と構成要素[E]を主成分
とする相中への分配の程度は、2000倍程度の倍率の
上記顕微鏡写真をコピーし、それぞれの相中に存在する
構成要素[G]に相当する部分を切り取り重量測定する
か、あるいはイメージアナライザーにて測定する手法に
より面積を求めて比較し、これを少なくとも5箇所につ
いて測定した平均値を用いる。
【0057】また、本発明は構成要素[A]、[B]、
[C]からなる前記熱硬化性樹脂組成物と強化繊維より
なるプリプレグを与える。
[C]からなる前記熱硬化性樹脂組成物と強化繊維より
なるプリプレグを与える。
【0058】また、構成要素[D]、[E]および
[F]からなる樹脂硬化物と強化繊維よりなる高靭性、
高強度の繊維強化プラスチックを提供する。
[F]からなる樹脂硬化物と強化繊維よりなる高靭性、
高強度の繊維強化プラスチックを提供する。
【0059】強化繊維は、一般に先進複合材料として用
いられる耐熱性および引張強度の良好な繊維である。た
とえば、その強化繊維には、炭素繊維、黒鉛繊維、アラ
ミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊
維、タングステンカーバイド繊維、ガラス繊維があげら
る。このうち比強度、比弾性率が良好で軽量化に大きな
寄与が認められる炭素繊維や黒鉛繊維が本発明にはより
好ましい。用途に応じてあらゆる種類の炭素繊維や黒鉛
繊維を用いることが可能であるが、引張強度 450kgf/mm
2 、引張伸度 1.7 %以上の高強度高伸度炭素繊維が最も
適している。炭素繊維や黒鉛繊維は他の強化繊維を混合
して用いてもかまわない。また、強化繊維はその形状や
配列を限定されず、たとえば、単一方向、ランダム方
向、シート状、マット状、織物状、組み紐状であっても
使用可能である。また、特に、比強度、比弾性率が高い
ことを要求される用途には強化繊維が単一方向に引き揃
えられた配列が最も適しているが、取り扱いの容易なク
ロス(織物)状の配列も本発明には適している。
いられる耐熱性および引張強度の良好な繊維である。た
とえば、その強化繊維には、炭素繊維、黒鉛繊維、アラ
ミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊
維、タングステンカーバイド繊維、ガラス繊維があげら
る。このうち比強度、比弾性率が良好で軽量化に大きな
寄与が認められる炭素繊維や黒鉛繊維が本発明にはより
好ましい。用途に応じてあらゆる種類の炭素繊維や黒鉛
繊維を用いることが可能であるが、引張強度 450kgf/mm
2 、引張伸度 1.7 %以上の高強度高伸度炭素繊維が最も
適している。炭素繊維や黒鉛繊維は他の強化繊維を混合
して用いてもかまわない。また、強化繊維はその形状や
配列を限定されず、たとえば、単一方向、ランダム方
向、シート状、マット状、織物状、組み紐状であっても
使用可能である。また、特に、比強度、比弾性率が高い
ことを要求される用途には強化繊維が単一方向に引き揃
えられた配列が最も適しているが、取り扱いの容易なク
ロス(織物)状の配列も本発明には適している。
【0060】上記樹脂をマトリックスとする本発明のプ
リプレグは、樹脂粘度が低いため良好なタック性および
ドレープ性を有するといった特徴を有する。またプリプ
レグ製造時における樹脂のコーティングや強化繊維スト
ランドへの含浸も容易であるという製造プロセス上の利
点を有する。
リプレグは、樹脂粘度が低いため良好なタック性および
ドレープ性を有するといった特徴を有する。またプリプ
レグ製造時における樹脂のコーティングや強化繊維スト
ランドへの含浸も容易であるという製造プロセス上の利
点を有する。
【0061】構成要素[D]、[E]および[F]から
なる硬化物ならびに強化繊維とから構成される繊維強化
プラスチックはマトリックス樹脂の高靭性を反映し、優
れた靭性、耐衝撃性を有する。プリプレグを積層し硬化
して得た積層板は高い層間剪断強度、圧縮強度、耐熱性
を維持したまま、卓越した引き剥がしモードでの層間靭
性を有し、さらには交差積層板を引張った際の板端剥離
強度(EDS)が著しく高いといった特徴を有する。
なる硬化物ならびに強化繊維とから構成される繊維強化
プラスチックはマトリックス樹脂の高靭性を反映し、優
れた靭性、耐衝撃性を有する。プリプレグを積層し硬化
して得た積層板は高い層間剪断強度、圧縮強度、耐熱性
を維持したまま、卓越した引き剥がしモードでの層間靭
性を有し、さらには交差積層板を引張った際の板端剥離
強度(EDS)が著しく高いといった特徴を有する。
【0062】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。
【0063】[実施例1] A部:反応性ポリイミドシロキサンブロック共重合体オ
リゴマの合成 窒素導入口および温度計、撹拌器および脱水トラップを
装着した3000ml容のセパラブルフラスコに窒素置換のも
とで218g(0.75mol) の1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)
ベンゼン(APB)、33g(0.094mol) の9,9'- ビス(4-
アミノフェニル) フルオレン(FDA)、122g(0.094mo
l)のNH2 当量650 のアミノ末端ジメチルシロキサン
(東レダウコーニングシリコーン社製 BY-16-853 )を
2000mlのN-メチル-2- ピロリドン(NMP)に撹拌溶解
した。そこへ固体状のジフェニルスルホンテトラカルボ
ン酸二無水物(新日本理化(株)製リカシッドDSD
A)を305g(0.85mol) を少しずつ加え、室温で3時間撹
拌した後、120 ℃に昇温し2時間撹拌した。フラスコを
室温に戻しトリエチルアミン50mlとトルエン50mlを加え
た後、再び昇温し160 ℃で共沸脱水すると約30mlの水が
得られた。この反応混合物を冷却した後、倍量のNMP
で希釈し、ゆっくりと20l のアセトン中に注ぎアミン末
端ポリイミドシロキサンブロック共重合体オリゴマを固
体生成物として沈殿させた。
リゴマの合成 窒素導入口および温度計、撹拌器および脱水トラップを
装着した3000ml容のセパラブルフラスコに窒素置換のも
とで218g(0.75mol) の1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)
ベンゼン(APB)、33g(0.094mol) の9,9'- ビス(4-
アミノフェニル) フルオレン(FDA)、122g(0.094mo
l)のNH2 当量650 のアミノ末端ジメチルシロキサン
(東レダウコーニングシリコーン社製 BY-16-853 )を
2000mlのN-メチル-2- ピロリドン(NMP)に撹拌溶解
した。そこへ固体状のジフェニルスルホンテトラカルボ
ン酸二無水物(新日本理化(株)製リカシッドDSD
A)を305g(0.85mol) を少しずつ加え、室温で3時間撹
拌した後、120 ℃に昇温し2時間撹拌した。フラスコを
室温に戻しトリエチルアミン50mlとトルエン50mlを加え
た後、再び昇温し160 ℃で共沸脱水すると約30mlの水が
得られた。この反応混合物を冷却した後、倍量のNMP
で希釈し、ゆっくりと20l のアセトン中に注ぎアミン末
端ポリイミドシロキサンブロック共重合体オリゴマを固
体生成物として沈殿させた。
【0064】そして、その沈殿物を200 ℃で真空乾燥し
た。このオリゴマの数平均分子量(Mn)をジメチルホルム
アミド(DMF)溶媒を用いてゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)で測定すると、ポリスチレ
ン換算で5100であった。またガラス転移点は示差熱分析
計(DSC)によると189 ℃であった。また、シロキサ
ン骨格の導入およびアミン末端であることはNMRスペ
クトルおよびIRスペクトルから確認できた。
た。このオリゴマの数平均分子量(Mn)をジメチルホルム
アミド(DMF)溶媒を用いてゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)で測定すると、ポリスチレ
ン換算で5100であった。またガラス転移点は示差熱分析
計(DSC)によると189 ℃であった。また、シロキサ
ン骨格の導入およびアミン末端であることはNMRスペ
クトルおよびIRスペクトルから確認できた。
【0065】B部:樹脂調製および樹脂物性測定 ビーカーに上記A部のポリイミドシロキサンブロック共
重合体オリゴマを25部およびフェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、エピコート
154)40部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化
シェルエポキシ(株)製、エピコート825)30部、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂(大日本インキ工業
(株)製、エピクロン830)30部をはかりとった。そ
れを120 ℃で2時間加熱することによりオリゴマをエポ
キシ樹脂に溶解した。次いで、60℃においてシリコンゴ
ム微粒子(東レダウコーニングシリコーン(株)製、E
−601)を12部添加し、30分間撹拌混合した。さら
に4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(住友化学工
業(株)製、スミキュアS)を34部加え、140 ℃で10分
間混合し溶解させた。
重合体オリゴマを25部およびフェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、エピコート
154)40部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化
シェルエポキシ(株)製、エピコート825)30部、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂(大日本インキ工業
(株)製、エピクロン830)30部をはかりとった。そ
れを120 ℃で2時間加熱することによりオリゴマをエポ
キシ樹脂に溶解した。次いで、60℃においてシリコンゴ
ム微粒子(東レダウコーニングシリコーン(株)製、E
−601)を12部添加し、30分間撹拌混合した。さら
に4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(住友化学工
業(株)製、スミキュアS)を34部加え、140 ℃で10分
間混合し溶解させた。
【0066】その容器に真空ポンプを接続し真空脱泡し
た後、内容物をあらかじめ120 ℃に予熱しておいた離型
処理を施したモールド(空所の寸法は120 ×120 ×3mm
)に注ぎ込んだ。オーブン中で130 ℃,2時間+180
℃,2時間硬化反応させて3mm厚の樹脂硬化板を調製し
た。
た後、内容物をあらかじめ120 ℃に予熱しておいた離型
処理を施したモールド(空所の寸法は120 ×120 ×3mm
)に注ぎ込んだ。オーブン中で130 ℃,2時間+180
℃,2時間硬化反応させて3mm厚の樹脂硬化板を調製し
た。
【0067】得られた硬化樹脂のTgは201℃であっ
た。ここから前記のサンプルを切り出し、破壊歪エネル
ギー解放率GICを測定したところ1050 J/m2 であ
り、曲げ弾性率Eは340 kg/mm2 であった。ここで曲
げ弾性率はASTMD790に従って測定した。また、
GICはASTME399−83によって得られた応力拡
大係数KICとポアッソン比γ、曲げ弾性率EからGIC=
KIC 2 (1−γ2 )/Eに従って計算した。
た。ここから前記のサンプルを切り出し、破壊歪エネル
ギー解放率GICを測定したところ1050 J/m2 であ
り、曲げ弾性率Eは340 kg/mm2 であった。ここで曲
げ弾性率はASTMD790に従って測定した。また、
GICはASTME399−83によって得られた応力拡
大係数KICとポアッソン比γ、曲げ弾性率EからGIC=
KIC 2 (1−γ2 )/Eに従って計算した。
【0068】硬化樹脂の研磨面をオスミウム酸染色し走
査型電子顕微鏡で反射電子像を観察すると、2つの相が
ともに連続相を形成するミクロ相分離構造がみられ、さ
らに一方の相に視野中の全シリコンゴム粒子中の82%
が局在化していた。同じ視野をX線マイクロアナライザ
ーによって元素分析したところ、シリコンゴム粒子が局
在化している側の連続相にケイ素元素が濃く分布してお
り、ポリイミドシロキサンブロック共重合体オリゴマが
主成分である相と確認できた。
査型電子顕微鏡で反射電子像を観察すると、2つの相が
ともに連続相を形成するミクロ相分離構造がみられ、さ
らに一方の相に視野中の全シリコンゴム粒子中の82%
が局在化していた。同じ視野をX線マイクロアナライザ
ーによって元素分析したところ、シリコンゴム粒子が局
在化している側の連続相にケイ素元素が濃く分布してお
り、ポリイミドシロキサンブロック共重合体オリゴマが
主成分である相と確認できた。
【0069】C部:プリプレグおよび複合材料の調製と
物性測定 以下の構成よりなる一方向プリプレグを製造した。まず
あらかじめ下記の熱硬化性樹脂組成物をニーダー中で調
製し、離型紙上に薄く塗布し樹脂フィルムを作製した。
ここで用いた樹脂の粘度をレオメトリック社製動的粘弾
性測定装置RDA−2にて測定したところ、80℃にお
いて610poise であった。
物性測定 以下の構成よりなる一方向プリプレグを製造した。まず
あらかじめ下記の熱硬化性樹脂組成物をニーダー中で調
製し、離型紙上に薄く塗布し樹脂フィルムを作製した。
ここで用いた樹脂の粘度をレオメトリック社製動的粘弾
性測定装置RDA−2にて測定したところ、80℃にお
いて610poise であった。
【0070】次の一方向炭素繊維を強化繊維として樹脂
フィルムで上下から挟み、樹脂を含浸しプリプレグを作
製したところ炭素繊維目付け192g/m2 、樹脂の重
量分率36%のプリプレグとなった。このプリプレグは
タック性、ドレープ性ともに優れていた。
フィルムで上下から挟み、樹脂を含浸しプリプレグを作
製したところ炭素繊維目付け192g/m2 、樹脂の重
量分率36%のプリプレグとなった。このプリプレグは
タック性、ドレープ性ともに優れていた。
【0071】強化繊維:炭素繊維T800H−12K−
40B(東レ(株)製) 熱硬化性樹脂組成物:以下の組成からなる樹脂 フェノールノボラック型エポキシ樹脂 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート154) ・・・・・40重 量部 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート825) ・・・・・30重 量部 ビスフェノールF型エポキシ樹脂 (大日本インキ工業(株)製、エピクロン830) ・・・・・30重 量部 A部記載のポリイミドシロキサンブロック共重合体オリゴマ ・・・・・25重 量部 シリコンゴム微粒子 (東レダウコーニングシリコーン(株)製、E−601)・・・・12重 量部 4,4’−ジアミノジフェニルスルホン (住友化学工業(株)製、スミキュアS) ・・・・・34重 量部 このプリプレグを一方向に20層積層したものについて
コンポジットの層間靭性を測定したところ引き剥がしモ
ードの靭性GICが790J/m2 (ダブルカンチレバー
ビーム法)であった。
40B(東レ(株)製) 熱硬化性樹脂組成物:以下の組成からなる樹脂 フェノールノボラック型エポキシ樹脂 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート154) ・・・・・40重 量部 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート825) ・・・・・30重 量部 ビスフェノールF型エポキシ樹脂 (大日本インキ工業(株)製、エピクロン830) ・・・・・30重 量部 A部記載のポリイミドシロキサンブロック共重合体オリゴマ ・・・・・25重 量部 シリコンゴム微粒子 (東レダウコーニングシリコーン(株)製、E−601)・・・・12重 量部 4,4’−ジアミノジフェニルスルホン (住友化学工業(株)製、スミキュアS) ・・・・・34重 量部 このプリプレグを一方向に20層積層したものについて
コンポジットの層間靭性を測定したところ引き剥がしモ
ードの靭性GICが790J/m2 (ダブルカンチレバー
ビーム法)であった。
【0072】(±25/±25/90)S の構成で10
層に積層し、成形した硬化板を用いて引張り試験を行
い、最初に板端剥離が生じる強度すなわちEDSを求め
たところ63.5ksiであった。
層に積層し、成形した硬化板を用いて引張り試験を行
い、最初に板端剥離が生じる強度すなわちEDSを求め
たところ63.5ksiであった。
【0073】プリプレグを一方向に24層積層し成形し
た硬化板を用い、実施例1同様の試験片から圧縮層間剪
断強度(CILS)を求めたところ、11.7ksiで
あった。
た硬化板を用い、実施例1同様の試験片から圧縮層間剪
断強度(CILS)を求めたところ、11.7ksiで
あった。
【0074】プリプレグを一方向に6層積層し成形した
硬化板を用い、2週間温水(72℃)中で吸水後の82
℃での圧縮強度をSACMA SRS1−88に従い求
めたところ、196ksiであった。
硬化板を用い、2週間温水(72℃)中で吸水後の82
℃での圧縮強度をSACMA SRS1−88に従い求
めたところ、196ksiであった。
【0075】[比較例1]シリコンゴム粒子を除いた他
は実施例1と同じものをマトリックス樹脂として用い、
実施例1と同様の手順を繰り返した。
は実施例1と同じものをマトリックス樹脂として用い、
実施例1と同様の手順を繰り返した。
【0076】得られた硬化樹脂の破壊歪エネルギー解放
率GICを測定したところ370J/m2 であり、実施例
より大幅に劣っていた。曲げ弾性率Eは340 kg/mm2
であった。
率GICを測定したところ370J/m2 であり、実施例
より大幅に劣っていた。曲げ弾性率Eは340 kg/mm2
であった。
【0077】プリプレグを一方向に20層積層したもの
の引き剥がしモードの靭性GICが410J/m2 (ダブ
ルカンチレバービーム法)であり、実施例より劣ってい
た。
の引き剥がしモードの靭性GICが410J/m2 (ダブ
ルカンチレバービーム法)であり、実施例より劣ってい
た。
【0078】(±25/±25/90)S の構成で10
層に積層し、成形した硬化板を用いて引張り試験を行
い、EDSを求めたところ46.8ksiであり、実施
例より劣っていた。[比較例2] ポリイミドシロキサンブロック共重合体オリゴマの添加
量を50重量部に増やし、シリコンゴム粒子を除いた他
は実施例1と同じものをマトリックス樹脂として用い、
実施例1と同様の手順を繰り返した。樹脂粘度が実施例
1に比較して高くなり、80℃において9600poise
であった。
層に積層し、成形した硬化板を用いて引張り試験を行
い、EDSを求めたところ46.8ksiであり、実施
例より劣っていた。[比較例2] ポリイミドシロキサンブロック共重合体オリゴマの添加
量を50重量部に増やし、シリコンゴム粒子を除いた他
は実施例1と同じものをマトリックス樹脂として用い、
実施例1と同様の手順を繰り返した。樹脂粘度が実施例
1に比較して高くなり、80℃において9600poise
であった。
【0079】得られた硬化樹脂の破壊歪エネルギー解放
率GICを測定したところ710J/m2 であった。曲げ
弾性率Eは330 kg/mm2 であった。
率GICを測定したところ710J/m2 であった。曲げ
弾性率Eは330 kg/mm2 であった。
【0080】作成したプリプレグには、用いた樹脂の高
粘度を反映し、タックが乏しく、ドレープ性も実施例1
と比較して大幅に劣っていた。
粘度を反映し、タックが乏しく、ドレープ性も実施例1
と比較して大幅に劣っていた。
【0081】プリプレグを一方向に20層積層したもの
の引き剥がしモードの靭性GICが570J/m2 (ダブ
ルカンチレバービーム法)であり、実施例より劣ってい
た。
の引き剥がしモードの靭性GICが570J/m2 (ダブ
ルカンチレバービーム法)であり、実施例より劣ってい
た。
【0082】(±25/±25/90)S の構成で10
層に積層し、成形した硬化板を用いて引張り試験を行
い、EDSを求めたところ53.8ksiであり、実施
例より劣っていた。[比較例3] ポリイミドシロキサンブロック共重合体オリゴマを除い
た他は実施例1と同じものをマトリックス樹脂として用
い、実施例1と同様の手順を繰り返した。
層に積層し、成形した硬化板を用いて引張り試験を行
い、EDSを求めたところ53.8ksiであり、実施
例より劣っていた。[比較例3] ポリイミドシロキサンブロック共重合体オリゴマを除い
た他は実施例1と同じものをマトリックス樹脂として用
い、実施例1と同様の手順を繰り返した。
【0083】得られた硬化樹脂の破壊歪エネルギー解放
率GICを測定したところ150J/m2 であり、実施例
より大幅に劣っていた。曲げ弾性率Eは350 kg/mm2
であった。
率GICを測定したところ150J/m2 であり、実施例
より大幅に劣っていた。曲げ弾性率Eは350 kg/mm2
であった。
【0084】プリプレグを一方向に20層積層したもの
の引き剥がしモードの靭性GICが190J/m2 (ダブ
ルカンチレバービーム法)であり、実施例より大幅に劣
っていた。
の引き剥がしモードの靭性GICが190J/m2 (ダブ
ルカンチレバービーム法)であり、実施例より大幅に劣
っていた。
【0085】(±25/±25/90)S の構成で10
層に積層し、成形した硬化板を用いて引張り試験を行
い、EDSを求めたところ27.9ksiであり、実施
例より大幅に劣っていた。
層に積層し、成形した硬化板を用いて引張り試験を行
い、EDSを求めたところ27.9ksiであり、実施
例より大幅に劣っていた。
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、良好な作業性、硬化物
としたときの高耐熱性、高弾性率を保ちながら高靭性な
硬化樹脂となる樹脂組成物を提供できる。また、これを
マトリックス樹脂とするタック性、ドレープ性に優れた
プリプレグおよび高靭性、高弾性率、高耐熱性をかね供
えた繊維強化プラスチックを提供することができる。
としたときの高耐熱性、高弾性率を保ちながら高靭性な
硬化樹脂となる樹脂組成物を提供できる。また、これを
マトリックス樹脂とするタック性、ドレープ性に優れた
プリプレグおよび高靭性、高弾性率、高耐熱性をかね供
えた繊維強化プラスチックを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 79/00 LQZ 83/04 LRY
Claims (11)
- 【請求項1】次の構成要素[A]、[B]、[C]から
なることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。 [A]:エポキシ樹脂、シアネート樹脂およびビスマレ
イミド樹脂よりなる群から選ばれた1種以上の熱硬化性
樹脂 [B]:芳香族オリゴマー連鎖とエラストマー連鎖から
なるブロック共重合体 [C]:シリコーンゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴ
ムおよびニトリルゴムよりなる群から選ばれた1種以上
のゴム - 【請求項2】構成要素[A]が芳香族アミン硬化剤を含
有するエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1記
載の熱硬化性樹脂組成物。 - 【請求項3】構成要素[A]がジアリル化合物を含有す
るマレイミド樹脂であることを特徴とする請求項1記載
の熱硬化性樹脂組成物。 - 【請求項4】構成要素[B]が構成要素[A]と反応性
を有することを特徴とする請求項1記載の熱硬化性樹脂
組成物。 - 【請求項5】構成要素[B]の数平均分子量が2000
〜10000の範囲であることを特徴とする請求項1記
載の熱硬化性樹脂組成物。 - 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の熱硬化性
樹脂組成物と強化繊維からなるプリプレグ。 - 【請求項7】次の構成要素[D]、[E]、[F]を主
成分とする相がそれぞれ分離しており、かつ構成要素
[F]を主成分とする相が[E]を主成分とする相中に
含まれて存在していることを特徴とする樹脂硬化物。 [D]:エポキシ樹脂、シアネート樹脂およびビスマレ
イミド樹脂よりなる群から選ばれた1種以上の熱硬化性
樹脂 [E]:熱可塑性樹脂 [F]:エラストマー - 【請求項8】構成要素[F]を主成分とする相の70%
以上が[E]を主成分とする相中に含まれて存在してい
ることを特徴とする請求項7記載の樹脂硬化物。 - 【請求項9】構成要素[D]を主成分とする相と構成要
素[E]を主成分とする相がそれぞれ連続相をなすこと
を特徴とする請求項7または8記載の樹脂硬化物。 - 【請求項10】構成要素[F]がシリコーンゴム、ブタ
ジエンゴム、アクリルゴムおよびニトリルゴムよりなる
群から選ばれた1種以上のゴムからなるエラストマーで
あることを特徴とする請求項7〜9記載の樹脂硬化物。 - 【請求項11】請求項7〜10記載の熱硬化性樹脂硬化
物と強化繊維からなる繊維強化プラスチック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5300310A JPH07149952A (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | 熱硬化性樹脂組成物、樹脂硬化物、プリプレグおよび繊維強化プラスチック |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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