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JPH07268180A - ポリオキシメチレン組成物 - Google Patents

ポリオキシメチレン組成物

Info

Publication number
JPH07268180A
JPH07268180A JP6095294A JP6095294A JPH07268180A JP H07268180 A JPH07268180 A JP H07268180A JP 6095294 A JP6095294 A JP 6095294A JP 6095294 A JP6095294 A JP 6095294A JP H07268180 A JPH07268180 A JP H07268180A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core
melamine
polymer
shell
polyoxymethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6095294A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Kato
淳 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Polyplastics Co Ltd filed Critical Polyplastics Co Ltd
Priority to JP6095294A priority Critical patent/JPH07268180A/ja
Publication of JPH07268180A publication Critical patent/JPH07268180A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱安定性が著しく改良され、長時間の連続成
形に対してもモールドディポジットの発生が極力抑えら
れた、耐衝撃性ポリオキシメチレン組成物を提供する。 【構成】 (A) ポリオキシメチレンに、(B) ゴム状ポリ
マーのコアとガラス状ポリマーのシェルを有するコアシ
ェルポリマー1〜40重量%、(C) 酸化防止剤0.01〜5重
量%及び(D) 主としてメラミン及びホルムアルデヒドを
反応させてなり、温水に不溶で且つジメチルスルホキシ
ドに可溶な、メラミン−ホルムアルデヒド重縮合物0.01
〜10重量%を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた耐衝撃性を有
し、且つ金型付着物の発生が改良されたポリオキシメチ
レン組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】周知の
如く、ポリオキシメチレンは、機械的性質、電気的性質
などの物理的性質、或は耐薬品性、耐熱性などの化学的
特性が優れた代表的なエンジニアリング樹脂として、近
年極めて広汎な分野において利用されている。しかし、
ポリオキシメチレンが利用されている分野の拡大に伴
い、その材料としての性質にも更に一層の改良が要求さ
れてきている。このような要求の例として、例えば自動
車部品などに用いる成形品には広い温度範囲で高度の耐
衝撃性を付与することが望まれている。ポリオキシメチ
レンの耐衝撃性を向上する手段として、従来より熱可塑
性ポリウレタンを添加配合することが提案されている
(例えば特開昭59−145243号、同61−19652 号公報)。
しかし、この方法では、耐衝撃性の面では一応望ましい
性質を有するポリオキシメチレン組成物が得られるもの
の、ポリオキシメチレンと熱可塑性ポリウレタンの密着
性が不十分であるために、成形品のウェルド部の強伸度
が著しく低下したり、また成形品表面でポリオキシメチ
レンとポリウレタンの剥離を生じ、成形品の外観を損な
ったり、成形時に金型にポリオキシメチレン又はポリウ
レタンの分解生成物あるいは剥離した物質が堆積するこ
とにより、寸法不良を生じたり、成形作業の効率を悪化
させる等の欠点を有していた。また一方で、ポリオキシ
メチレンの耐衝撃性を向上する手段として、ゴム状の核
(コア)にガラス状の殻(シェル)を形成している所謂
コアシェルポリマーの添加配合もまた従来から知られて
いる(例えば特開昭60−219253号公報)。この方法で
は、コアシェルポリマーが粒子状にポリオキシメチレン
中に細かく分散することで、エラストマーの剥離現象は
生じず、従って、エラストマーの金型への付着も無く、
更に成形品のウェルド部の強伸度もポリウレタン添加に
比べ大幅に改善され、応用分野は大きく広がりつつあ
る。しかし、コアシェルポリマーを配合する場合は、ポ
リオキシメチレンの分解が前述の熱可塑性ポリウレタン
添加の場合に比べて多く、このポリオキシメチレン分解
によって発生するホルムアルデヒドガスが、成形工程中
金型に付着し金型付着物として金型に堆積し、成形品の
外観を損なったり、寸法精度が保てなくなる等の問題が
発生してきている。この問題を回避するため、ポリオキ
シメチレンを分解し難いコアシェルポリマーが特開平3
−14856 号公報に提案されており、ポリオキシメチレン
の分解は大きく低減し、著しい効果をあげているもの
の、前述した最近の要求に対しては未だ十分とは言えな
い。一方、ポリオキシメチレンの成形加工時の熱安定性
を改善する手段として、立体障害性フェノール化合物と
ポリアミド、アミジン化合物、アルカリ又はアルカリ土
類金属の水酸化物等を併用して配合する方法が知られて
いるが、コアシェルポリマーを配合したポリオキシメチ
レンに対しては未だ不十分であり、その改善が求められ
ている。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、コアシェ
ルポリマーを配合したポリオキシメチレン樹脂について
上記の如き問題点を解決すべく、各種安定剤について詳
細な検討を行った結果、特定のメラミン−ホルムアルデ
ヒド重縮合物をポリオキシメチレン組成物に配合するこ
とが、所期の目的の達成に有効であることを見出し、本
発明を完成するに至った。即ち本発明は、(A) ポリオキ
シメチレンに、(B) ゴム状ポリマーのコアとガラス状ポ
リマーのシェルを有するコアシェルポリマー1〜40重量
%、(C) 酸化防止剤0.01〜5重量%及び(D) 主としてメ
ラミン及びホルムアルデヒドを反応させてなり、温水に
不溶で且つジメチルスルホキシドに可溶な、メラミン−
ホルムアルデヒド重縮合物0.01〜10重量%を配合してな
るポリオキシメチレン組成物に関するものである。
【0004】以下、本発明の組成物の構成成分について
詳しく説明する。本発明の組成物の特徴は、(D) 温水に
不溶で且つジメチルスルホキシドに可溶なメラミン−ホ
ルムアルデヒド重縮合物を配合することにある。本発明
で使用されるメラミン−ホルムアルデヒド重縮合物自体
は公知の方法で、好ましくはメラミン:ホルムアルデヒ
ドのモル比が1:0.8 〜1:5、特に好ましくは1:1.
0 〜1:2.0 で水溶液又は水分散液中で反応させて製造
することができる。例えば、pH8〜9に調整されたホル
ムアルデヒド水溶液にメラミンを添加し、温度を60〜90
℃に保持して、攪拌しながら溶解、反応させる。反応が
進むと溶液が白濁してくるので、適当な時間で冷却し縮
合反応を停止させる。これを噴霧乾燥等の方法で乾燥
し、粗製メラミン−ホルムアルデヒド重縮合物の粉体を
得る。斯かる粗製メラミン−ホルムアルデヒド重縮合物
を温水(50〜70℃)で30分〜1時間洗浄し、濾過した
後、残渣をジメチルスルホキシドに溶解させる。この時
残った不溶の固形物を濾過・除去した後、大過剰のアセ
トンに添加し沈澱させ、濾過乾燥することで白色粉末の
精製したメラミン−ホルムアルデヒド重縮合物を得るこ
とができる。斯かる処理の行われたメラミン−ホルムア
ルデヒド重縮合物と後述する(B) コアシェルポリマーと
(C) 酸化防止剤とを併用してポリオキシメチレンに配合
することにより、本発明の目的である、耐衝撃性に優
れ、成形時の分解ガスの発生が少なく、又、発生した分
解ガスの金型への付着も防止され、更に、それ自身には
殆ど昇華、分解性がないので、金型付着物を生成させな
いポリオキシメチレン組成物を得ることができる。ここ
で、従来の方法で製造されたメラミン−ホルムアルデヒ
ド重縮合物をそのまま用いたのでは、昇華性のあるモノ
マー成分を含んでいたり、成形時の分解ガスの発生をか
えって促進する縮合が進みすぎた成分を含んでいる為、
熱的に安定なポリオキシメチレン組成物を得ることは困
難である。本発明で規定する特定のメラミン−ホルムア
ルデヒド重縮合物は、更に、炭素数1〜4のアルカノー
ルで、メラミン:エーテル基のモル比が1:2.0 以下、
好ましくは1:1.0 以下であるように部分エーテル化さ
れていても良い。又、更には、メラミンの50モル%まで
を他の縮合可能な物質に代えることもできる。本発明で
規定されるメラミン−ホルムアルデヒド重縮合物に使用
される他の縮合可能な物質としては、アセトグアナミ
ン、アジポグアナミン、ベンゾグアナミン等に代表され
るグアナミン化合物、ジシアンジアミド、2,5-ジアミノ
-1,3,4-トリアゾール等に代表されるアミジン化合物、
尿素及びエチレン尿素等に代表される尿素誘導体、マロ
ンアミド、イソフタル酸ジアミド等に代表されるアミ
ド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等に代
表される脂肪族アミン、o−トルイジン、p−トルイジ
ン、p−フェニレンジアミン等に代表される芳香族アミ
ン、p−アミノベンズアミド等に代表されるアミノアミ
ド、2,4-t- ブチルフェノール等に代表される立体障害
性フェノール、ヒドラジン及びN,N-ビス-(3',5'-ジ- t
- ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)-プロピオニルヒドラ
ジン等に代表されるヒドラジンが挙げられる。又、本発
明において添加配合される(D) メラミン−ホルムアルデ
ヒド重縮合物の配合量は、(A) ポリオキシメチレンを基
準として、0.01〜10重量%、好ましくは、0.02〜3重量
%、特に0.05〜1重量%が好適である。この配合量が0.
01重量%未満では、ポリオキシメチレン組成物の熱安定
性を改善するに十分ではなく、10重量%を越えると材料
としての機械的性質を著しく損ない脆弱なものになって
しまう。
【0005】次に本発明において用いられる(B) コアシ
ェルポリマーは、公知の方法によって調製することもで
きるし、また市販品を用いることもできる。その典型例
はローム・アンド・ハース社のアクリロイドKM330 及び
KM653 、呉羽化学(株)のパラロイドKCA-102 及びKCA-
301 、武田薬品工業(株)のスタフィロイドPO-0270、P
O-0135 、鐘淵化学工業(株)のカネエースFM、三菱レ
イヨン(株)のメタブレンC-102 、E-901 、W-800 、S-
2001等が挙げられる。かかるコアシェルポリマーの内、
好ましいのは、ゴム状ポリマーのコアとメチルメタクリ
レートを主成分とするガラス状ポリマーのシェルを有す
るコアシェルポリマーであり、特に実質的にアニオンが
検出されないコアシェルポリマーである。アニオンの検
出されるコアシェルポリマーを混合したポリアセタール
樹脂組成物は、溶融中にポリアセタールが分解劣化を起
こすことがある。ここで、実質的にアニオンが検出され
ないコアシェルポリマーとは、通常のアニオンの定性試
験によってはアニオンが検出されない程度のコアシェル
ポリマーを意味する。例えば、その測定方法としては、
試料(コアシェルポリマー)5gを50ml三角フラスコに
秤量し、イオン交換水20mlを加え、マグネチックスター
ラーで3時間攪拌し、次いでNo.5 C濾紙で濾過した濾液
を二分し、一方に1%塩化バリウム水溶液0.5ml を加
え、濁りの発生を比較観察する方法(硫酸イオンの定性
試験)、また、同様の処理を行い、1%塩化バリウム水
溶液の代わりに0.1 N 硝酸銀水溶液を加え、濁りの発生
を比較観察する方法(ハロゲンイオンの定性試験)によ
ってアニオンの存在を確認することができる。好ましく
は、これらのアニオンが全く存在しないコアシェルポリ
マーが用いられる。
【0006】本発明に用いるのに好ましいコアシェルポ
リマーは、ノニオン性界面活性剤及び発生するラジカル
が中性である重合開始剤を用い乳化重合して得られるも
のである。乳化重合は、例えば次のような界面活性剤及
び重合開始剤を用いて行うことができる。ノニオン性界
面活性剤としてはポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテルなどのエーテル型、ポ
リオキシエチレンモノステアレートなどのエステル型、
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのソ
ルビタンエステル型、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンブロックコポリマーなどのブロックポリマー型
など広く一般に使用されているノニオン性界面活性剤の
ほとんどが使用可能である。その添加量は界面活性剤の
粒子安定化能力によって適宜選択される。重合開始剤と
しては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス
イソ酪酸ジメチル、2,2'−アゾビス(2−アミノプロパ
ン)二塩酸塩などのアゾ系重合開始剤、クメンハイドロ
パーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパー
オキサイド、過酸化水素などの過酸化物系重合開始剤が
単独または2種以上を組み合わせて用いられる。このよ
うにアニオンを含まない界面活性剤と過硫酸塩ではない
重合開始剤を使用するような反応系で乳化重合を行え
ば、得られるコアシェルポリマーは実質的にアニオンを
含まないものとなる。このような実質的にアニオンを含
まないコアシェルポリマーを用いたポリオキシメチレン
組成物は耐衝撃性に優れたものとなる。
【0007】本発明におけるコアシェルポリマーは、、
先の段階の重合体を後の段階の重合体が順次に被覆する
ような連続した多段階乳化重合法、いわゆるシード乳化
重合法よって得られる。粒子発生重合時には、モノマ
ー、界面活性剤および水を反応器へ添加し、次に重合開
始剤を添加することにより、乳化重合反応を開始させる
ことが好ましい。第一段目の重合はゴム状ポリマーを形
成する反応である。ゴム状ポリマーを構成するモノマー
としては、例えば共役ジエンまたはアルキル基の炭素数
が2〜8であるアルキルアクリレートあるいはそれらの
混合物などが挙げられる。これらのモノマーを重合させ
てガラス転移温度−30℃以下のゴム状ポリマーを形成す
る。このような共役ジエンとして、例えばブタジエン、
イソプレン、クロロプレン等を挙げることができるが、
特にブタジエンが好ましく用いられる。又、アルキル基
の炭素数が2〜8であるアルキルアクリレートとして、
例えばエチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブ
チルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート等を挙げることができる
が、特にブチルアクリレートが好ましく用いられる。第
一段目の重合には共役ジエンおよびアルキルアクリレー
トなどと共重合可能なモノマー、例えばスチレン、ビニ
ルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル、芳
香族ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル等のシアン化ビニル、シアン化ビニリデン、メチルメ
タクリレート、ブチルメタクリレート等のアルキルメタ
クリレート等を共重合させることもできる。第一段目の
重合が共役ジエンを含まない場合あるいは共役ジエンを
含んでいても第一段目の全モノマー量の20重量%以下で
ある場合は、架橋性モノマーおよびグラフト化モノマー
を少量用いることにより高い耐衝撃性をもつポリマーと
することができる。架橋性モノマーとして、例えばジビ
ニルベンゼン等の芳香族ジビニルモノマー、エチレング
リコールジアクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート、ブチレングリコールジアクリレート、ヘキサ
ンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタク
リレート、オリゴエチレングリコールジアクリレート、
オリゴエチレングリコールジメタクリレート、トリメチ
ロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパ
ンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート
等のアルカンポリオールポリアクリレートまたはアルカ
ンポリオールポリメタクリレート等を挙げることができ
るが、特にブチレングリコールジアクリレート、ヘキサ
ンジオールジアクリレートが好ましく用いられる。グラ
フト化モノマーとして、例えばアリルアクリレート、ア
リルメタクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフ
マレート、ジアリルイタコネート等の不飽和カルボン酸
アリルエステル等を挙げることができるが、特にアリル
メタクリレートが好ましく用いられる。このような架橋
性モノマー、グラフト化モノマーは、それぞれ第一段目
の全モノマー量の0〜5重量%、好ましくは 0.1〜2重
量%の範囲で用いられる。このゴム状ポリマーのコアは
コアシェルポリマーの全体の50〜90重量%の範囲が好ま
しい。コアがこの重量範囲よりも少ないとき、あるいは
これを越えて多いときは生成するコアシェルポリマーを
溶融混合して得られる樹脂組成物の耐衝撃性改良の効果
が十分ではないことがある。またコアのガラス転移温度
が−30℃よりも高い場合は、低温耐衝撃性改良の効果が
十分ではないことがある。最外殻相(シェル相)はガラ
ス状ポリマーが形成されている。ガラス状ポリマーを構
成するモノマーとしては、メチルメタクリレート、メチ
ルメタクリレートと共重合可能なモノマーが挙げられ
る。これらモノマーは、メチルメタクリレート単独ある
いはメチルメタクリレートと共重合可能なモノマーの混
合物であり、ガラス転移温度60℃以上のガラス状ポリマ
ーを形成する。メチルメタクリレートと共重合可能なモ
ノマーとしては、例えばエチルアクリレート、ブチルア
クリレート等のアルキルアクリレート、エチルメタクリ
レート、ブチルメタクリレート等のアルキルメタクリレ
ート、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン
等の芳香族ビニル、芳香族ビニリデン、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、シアン化
ビニリデン等のビニル重合性モノマーを挙げることがで
きるが、特に好ましくはエチルアクリレート、スチレ
ン、アクリロニトリル等が用いられる。この最外殻相は
コアシェルポリマー全体の10〜50重量%の範囲が好まし
い。この最外殻相がこの重量範囲よりも少ないとき、あ
るいは越えて多いとき、生成するコアシェルポリマーを
溶融混合して得られる樹脂組成物の耐衝撃性改良の効果
が十分でないことがある。
【0008】また、第一段と最終の重合相の間には中間
相が存在していてもよい。例えば、グリシジルメタクリ
レート、メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレー
トなどのような官能基を有する重合モノマー、メチルメ
タクリレートなどのようなガラス状ポリマーを形成する
重合モノマー、ブチルアクリレートなどのゴム状ポリマ
ーを形成する重合モノマーなどをシード乳化重合するこ
とによって中間相が形成される。このような中間相は所
望のコアシェルポリマーの性質によって種々選択するこ
とができる。また、その重合割合も使用するモノマーに
よって適宜選択すれば良い。例えば、ガラス状ポリマー
を中間相とする場合は、その重合割合をシェルの一部と
して算出すればよく、ゴム状ポリマーの場合はコアの一
部として算出すればよい。このような中間相を有するコ
アシェルポリマーの構造は、例えばコアとシェルの間に
もう一つの層が存在している多層系構造をとるものや、
中間層がコア中で細かな粒状となって分散しているサラ
ミ構造をとるものが挙げられる。サラミ構造を有するコ
アシェルポリマーにおいては更に極端な場合は、分散す
るべき中間相がコアの中心部において新たな芯を形成し
ていることもある。このような構造のコアシェルポリマ
ーはスチレンに代表されるモノマーを中間相構造モノマ
ーとして使用した場合に生じることがある。また、中間
相を有するコアシェルポリマーを使用した場合、耐衝撃
性改良の他に、曲げ弾性率の向上、熱変形温度の上昇、
外観(表面剥離及びパール光沢の抑制、屈折率変化によ
る色調の変化)も改善される。本発明において、(B)コ
アシェルポリマーの添加量は、(A) ポリオキシメチレン
を基準として、1〜40重量%、好ましくは5〜40重量%
である。コアシェルポリマーの添加量が1重量%より少
ないと、得られた樹脂組成物の耐衝撃性改善の効果が認
められないことが有り、40重量%より多いと得られた樹
脂組成物は剛性、耐熱性の著しく損なわれたものとな
る。
【0009】次に本発明において使用される(C) 酸化防
止剤としては、2,2'−メチレンビス(4メチル−6−t
−ブチルフェノール)、1,6 −ヘキサンジオール−ビス
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕、ペンタエリスリトールテトラキ
ス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェ
ニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビ
ス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕、1,3,5 −トリメチル
−2,4,6 −トリス(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシ−ベンジル)ベンゼン、n−オクタデシル−3−
(4'−ヒドロキシ−3',5' −ジ−t−ブチルフェノー
ル)プロピオネート、4,4'−メチレンビス(2,6 −ジ−
t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス−
(6−t−ブチル−3−メチル−フェノール)、ジ−ス
テアリル−3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジルホスホネート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブ
チル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メ
チルフェニルアクリレート、N,N'−ヘキサメチレンビス
(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシン
ナマミド)がヒンダードフェノール系酸化防止剤として
挙げられ、又、トリフェニルホスファイト、トリスノニ
ルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−
メチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−
アミルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル
フェニル)ホスファイト、トリス(2−t−フェニルフェ
ニル)ホスファイト、トリス(2−(1,1−ジメチルプロピ
ル)−フェニル)ホスファイト、トリス(2,4−(1,1−ジ
メチルプロピル)−フェニル)ホスファイト、トリス(2
−シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、トリス(2−
t−ブチル−4−フェニルフェニル)ホスファイト等が
リン系酸化防止剤として挙げられる。その他、ヒンダー
ドアミン系、イオウ系等何れの酸化防止剤も使用するこ
とができ、これらの少なくとも一種又は二種以上を使用
することができる。これらの中でも1,6 −ヘキサンジオ
ール−ビス〔3−(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリトー
ルテトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコ
ール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,N'−ヘキサ
メチレンビス(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−ヒドロシンナマミド)は特に好ましい物質である。本
発明において添加配合される(C) 酸化防止剤の量は、
(A) ポリオキシメチレンを基準として、0.01〜5重量
%、好ましくは 0.05 〜2重量%、特に0.10〜1重量%
が好適である。この配合量が0.01重量%未満では、ポリ
オキシメチレン組成物の熱安定性を改善するのに十分で
はなく、5重量%を越えると熱安定性の効果が飽和に達
し、むしろ変色傾向が生じ好ましくない。
【0010】上記の如き添加剤が配合される(A) ポリオ
キシメチレンとは、オキシメチレン基(-CH2O-)を主たる
構成単位とする高分子化合物で、ポリオキシメチレンホ
モポリマー、オキシメチレン基以外に他の構成単位を少
量含有するコポリマー、ターポリマー、ブロックコポリ
マーの何れにてもよく、又、分子が線状のみならず分
岐、架橋構造を有するものであってもよい。又、その重
合度等に関しても特に制限はない。
【0011】本発明の組成物は、必須ではないが、更に
その目的に応じ、本願のメラミン−ホルムアルデヒド重
縮合物以外の含窒素化合物、アルカリ又はアルカリ土類
金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩又はアルコキ
シド等の金属含有化合物を1種以上併用することも可能
である。又、本発明組成物には更にその目的に応じ所望
の特性を付与するため、従来公知の添加物、例えば滑
剤、核剤、耐候(光)安定剤、蛍光増白剤、離型剤その
他の界面活性剤、或いは有機高分子材料、無機又は有機
の繊維状、粉粒状、板状の充填剤等を1種又は2種以上
添加含有させることも可能である。
【0012】本発明の組成物の調製法は特に制限がな
く、従来の樹脂組成物調製法として一般に用いられてい
る公知の設備と方法により容易に調製される。例えば、
i )各成分を混合した後、押出機により練込押出してペ
レットを調製し、しかる後成形する方法、ii) 一旦組成
の異なるペレットを調製し、そのペレットを所定量混合
して成形に供し成形後に目的組成の成形品を得る方法、
iii)成形機に各成分の1又は2以上を直接仕込む方法
等、何れも使用できる。また、樹脂成分の一部を細かい
粉体としてこれ以外の成分と混合し添加することは、こ
れらの成分の均一配合を行う上で好ましい方法である。
また、本発明に係る樹脂組成物は、押出成形、射出成
形、圧縮成形、真空成形、吹込成形、発泡成形のいずれ
によっても成形可能である。
【0013】
【実施例】以下本発明を実施例について説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、
以下の例に示した評価方法は次の通りである。 1)アイゾット衝撃試験 6.4mm 厚みの試験片を用い、ASTM D 256に準拠して、ア
イゾット衝撃強度(kg・cm/cm)を測定した。 2)金型付着物の量 射出成形機を用いて下記条件で特定形状の成形品を連続
成形(約24Hr)し、金型付着物の量を目視観察にて下記
5段階で評価した。 (成形条件) 射出成形機;東芝IS30EPN (東芝機械(株)製) シリンダー温度;210 ℃ 射出圧力;750kg/cm2 射出時間;4sec 冷却時間;3sec 金型温度;30℃ 実施例1〜7 (A) ポリオキシメチレン共重合体(ポリプラスチックス
(株)製、ジュラコン)に、(B) コアシェルポリマー、
(C) 酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス
〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕)及び(D) 特定の精製メラ
ミン−ホルムアルデヒド重縮合を、表1に示すような割
合で添加混合し、二軸押出機にてペレット状の組成物を
得て、上記評価を行った。結果を表1に示す。
【0014】比較例1〜6 表1に示すように、実施例のメラミン−ホルムアルデヒ
ド重縮合に代えて粗製メラミン−ホルムアルデヒド重縮
合を配合した場合、或はメラミンを配合した場合につい
て、実施例と同様にしてペレット組成物を得て上記評価
を行った。結果を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】注1)コアシェルポリマー (b-1) 武田薬品工業(株)製、スタフィロイド PO−
0135 (b-2) 呉羽化学工業(株)製、パラロイド KCA−1
02 (b-3) 三菱レイヨン(株)製、メタブレン S−200
1 注2)メラミン−ホルムアルデヒド重縮合物 (d-1) ホルムアルデヒド/メラミンのモル比が1.0 /1
の仕込み組成で調製後、60℃の温水/30分濾過後、アセ
トン洗浄し、室温で乾燥後 0.5重量%濃度でジメチルス
ルホキシドに2時間溶かし、不純物を濾過、除去した
後、溶液を20倍のアセトンに入れ沈澱させ、次いでこれ
を濾過後、室温で乾燥を行うことにより精製されたメラ
ミン−ホルムアルデヒド重縮合物。 (d-2) ホルムアルデヒド/メラミンのモル比が 1.5/1
の仕込み組成で調製後、(d-1) と同様の処理により精製
されたメラミン−ホルムアルデヒド重縮合物。 (d'-1)ホルムアルデヒド/メラミンのモル比が 1.0/1
の仕込み組成で調製された粗製メラミン−ホルムアルデ
ヒド重縮合物((d-1) の精製メラミン−ホルムアルデヒ
ド重縮合を得る前処理の重縮合物)。
【0017】
【発明の効果】以上の説明及び実施例にて明らかな如
く、本発明によりポリオキシメチレンの熱安定性が著し
く改良され、長時間の連続成形に対してもモールドディ
ポジットの発生が極力抑えられた、耐衝撃性ポリオキシ
メチレン組成物を得ることが出来る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) ポリオキシメチレンに、(B) ゴム状
    ポリマーのコアとガラス状ポリマーのシェルを有するコ
    アシェルポリマー1〜40重量%、(C) 酸化防止剤0.01〜
    5重量%及び(D) 主としてメラミン及びホルムアルデヒ
    ドを反応させてなり、温水に不溶で且つジメチルスルホ
    キシドに可溶な、メラミン−ホルムアルデヒド重縮合物
    0.01〜10重量%を配合してなるポリオキシメチレン組成
    物。
  2. 【請求項2】 (B) コアシェルポリマーが、実質的にア
    ニオンが検出されないコアシェルポリマーである請求項
    1記載のポリオキシメチレン組成物。
  3. 【請求項3】 (B) コアシェルポリマーが、ノニオン性
    界面活性剤及び発生するラジカルが中性である重合開始
    剤を用いて乳化重合して得られるものである請求項1又
    は2記載のポリオキシメチレン組成物。
  4. 【請求項4】 (B) コアシェルポリマーのシェルが、メ
    チルメタクリレートを主成分とするポリマーである請求
    項1〜3の何れか1項記載のポリオキシメチレン組成
    物。
  5. 【請求項5】 (D) メラミン−ホルムアルデヒド重縮合
    物のメラミン:ホルムアルデヒドのモル比が1:0.8 〜
    1:5である請求項1〜4の何れか1項記載のポリオキ
    シメチレン組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004510024A (ja) * 2000-09-26 2004-04-02 ティコナ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 放出物の少ない、耐衝撃性改良化ポリオキシメチレン成形材料、それらの使用及びそれらから製造した成形品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004510024A (ja) * 2000-09-26 2004-04-02 ティコナ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 放出物の少ない、耐衝撃性改良化ポリオキシメチレン成形材料、それらの使用及びそれらから製造した成形品
JP2012237010A (ja) * 2000-09-26 2012-12-06 Ticona Gmbh 放出物の少ない、耐衝撃性改良化ポリオキシメチレン成形材料、それらの使用及びそれらから製造した成形品

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