JPH07258298A - モノクローナル抗体 - Google Patents
モノクローナル抗体Info
- Publication number
- JPH07258298A JPH07258298A JP6074263A JP7426394A JPH07258298A JP H07258298 A JPH07258298 A JP H07258298A JP 6074263 A JP6074263 A JP 6074263A JP 7426394 A JP7426394 A JP 7426394A JP H07258298 A JPH07258298 A JP H07258298A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tcf
- hgf
- antibody
- hybridoma
- gly
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K16/00—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
- C07K16/18—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
- C07K16/22—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against growth factors ; against growth regulators
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/475—Growth factors; Growth regulators
- C07K14/4753—Hepatocyte growth factor; Scatter factor; Tumor cytotoxic factor II
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Biophysics (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Gastroenterology & Hepatology (AREA)
- Toxicology (AREA)
- Zoology (AREA)
- Immunology (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 ヒトTCF-IIに親和性を示し、ヒトHGFに親
和性を示さないモノクローナル抗体。この抗体を用いる
TCF-IIの測定あるいは精製法。このモノクローナル抗体
産生培養液に界面活性剤を含むブロッキング液を加えて
培養液中の前記モノクローナル抗体以外の抗体の反応を
ブロックし、固相化TCF-IIと反応させることによって得
ることができる。 【効果】 この抗体を用いてヒトTCF-IIのみを効率的に
分別精製あるいは測定することができる。
和性を示さないモノクローナル抗体。この抗体を用いる
TCF-IIの測定あるいは精製法。このモノクローナル抗体
産生培養液に界面活性剤を含むブロッキング液を加えて
培養液中の前記モノクローナル抗体以外の抗体の反応を
ブロックし、固相化TCF-IIと反応させることによって得
ることができる。 【効果】 この抗体を用いてヒトTCF-IIのみを効率的に
分別精製あるいは測定することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒトTCF-IIに親和性を有
し、ヒト肝細胞増殖因子HGFに全く親和性を示さない
新規なモノクローナル抗体に関する。さらに、本発明は
このような抗体を用いたHGFの混在に影響されないTC
F-IIの分別測定方法および分別精製方法に関する。
し、ヒト肝細胞増殖因子HGFに全く親和性を示さない
新規なモノクローナル抗体に関する。さらに、本発明は
このような抗体を用いたHGFの混在に影響されないTC
F-IIの分別測定方法および分別精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒト細胞由来の繊維芽細胞が生産する腫
瘍細胞障害因子としてβインターフェロンが広く知られ
ている。また繊維芽細胞が生産する生理活性因子として
は特開昭58−146293号公報、特開昭61−33120 号公報、
特開昭61−1872号公報、特開昭62−103021号公報、特開
昭64−10998 号公報にそれぞれ公開されている。本発明
者らはヒト繊維芽細胞由来の抗腫瘍性蛋白質を研究する
過程において、これまでに報告されたこれらの蛋白質と
全く異なる新規な抗腫瘍性蛋白質を発見し、さらにこの
蛋白質をコードするcDNAのクローニングに成功し、その
全アミノ酸配列を確定するとともに、その有用性を確認
した。この新規な抗腫瘍性蛋白質とその遺伝子はWO90/1
0651に開示されている。この新規な抗腫瘍性蛋白質はTC
F-IIと命名されている。TCF-IIのcDNA配列から推定され
る全アミノ酸配列を配列表配列番号1に示した。
瘍細胞障害因子としてβインターフェロンが広く知られ
ている。また繊維芽細胞が生産する生理活性因子として
は特開昭58−146293号公報、特開昭61−33120 号公報、
特開昭61−1872号公報、特開昭62−103021号公報、特開
昭64−10998 号公報にそれぞれ公開されている。本発明
者らはヒト繊維芽細胞由来の抗腫瘍性蛋白質を研究する
過程において、これまでに報告されたこれらの蛋白質と
全く異なる新規な抗腫瘍性蛋白質を発見し、さらにこの
蛋白質をコードするcDNAのクローニングに成功し、その
全アミノ酸配列を確定するとともに、その有用性を確認
した。この新規な抗腫瘍性蛋白質とその遺伝子はWO90/1
0651に開示されている。この新規な抗腫瘍性蛋白質はTC
F-IIと命名されている。TCF-IIのcDNA配列から推定され
る全アミノ酸配列を配列表配列番号1に示した。
【0003】このTCF-IIは強い抗腫瘍性活性と正常細胞
の増殖促進活性を併せ持ち、さらに肝実質細胞の増殖因
子であるHGF の多様なファミリーの一種であることが確
認された。 TCF-II はSDS 電気泳動による分子量測定で
は78000 ± 2000 または74000 ± 2000 の分子量を示
し、還元した場合52000 ± 2000 の共通のバンドである
A 鎖と30000 ± 2000 または26000 ± 2000 の2 本のバ
ンド(B 鎖、C 鎖) を示す。 TCF-II に対するモノクロ
ーナル抗体については、すでに特開平 5-97 号公報に開
示されているが、本発明の過程における精査によりこれ
ら開示されている抗体はTCF-IIとHGF とを等しく認識す
る抗体であることが判明した。TCF-IIとHGFは、異な
る作用と効果を有しており、TCF-IIとHGFを区別する
ことが必要である。しかしTCF-IIとHGFはそのアミノ
酸配列が非常に類似しており、それぞれを免疫して得た
抗体はいずれも相互に交差性を有している。TCF-II特有
のエピトープはまだ得られていない。従ってTCF-IIにの
み親和性を有し、HGF には全く親和性を示さないモノク
ローナル抗体はこれまで得られていない。
の増殖促進活性を併せ持ち、さらに肝実質細胞の増殖因
子であるHGF の多様なファミリーの一種であることが確
認された。 TCF-II はSDS 電気泳動による分子量測定で
は78000 ± 2000 または74000 ± 2000 の分子量を示
し、還元した場合52000 ± 2000 の共通のバンドである
A 鎖と30000 ± 2000 または26000 ± 2000 の2 本のバ
ンド(B 鎖、C 鎖) を示す。 TCF-II に対するモノクロ
ーナル抗体については、すでに特開平 5-97 号公報に開
示されているが、本発明の過程における精査によりこれ
ら開示されている抗体はTCF-IIとHGF とを等しく認識す
る抗体であることが判明した。TCF-IIとHGFは、異な
る作用と効果を有しており、TCF-IIとHGFを区別する
ことが必要である。しかしTCF-IIとHGFはそのアミノ
酸配列が非常に類似しており、それぞれを免疫して得た
抗体はいずれも相互に交差性を有している。TCF-II特有
のエピトープはまだ得られていない。従ってTCF-IIにの
み親和性を有し、HGF には全く親和性を示さないモノク
ローナル抗体はこれまで得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはTCF-IIの
有用性に注目し、抗腫瘍剤、創傷治療薬等への利用や疾
病の診断のマーカーとしての利用を検討してきた。TCF-
IIとHGF との間には生物活性において大きな差異があ
り、HGF はヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)、ヒト大
動脈血管平滑筋細胞(AOSMC) やマウス骨髄芽球細胞株(N
FS-60)に対してTCF-IIよりそれぞれ約23、10および2 倍
増殖促進比活性が高く(後藤ら: 生化学、65巻 8号 199
3, 835ページ、2676) 、一方TCF-IIはラット肝細胞に対
して、HGF よりそれぞれ約 1.4 - 1.9倍高い増殖比活性
を有し(Shima et al.: Biochem. Biophys. Res. Commu
n. 180, 1151-1158, 1991; Matsumoto et al.: Bioche
m. Biophys. Res. Commun. 181, 691-699, 1991) 、ま
た豚腎上皮細胞株(LLCPK-1) に対して約3 倍高い増殖促
進活性を有していることが知られている(後藤ら: 生化
学、65巻 8号 1993, 835ページ、2676) 。従って、両者
を定量的に分別測定できることはヒト細胞培養液におけ
る両者の分泌割合、生体内での両者の分泌部位や生理学
的役割の違い、またヒト血中でのTCF-IIあるいはHGF 量
と各種病態との関連を調べる上で非常に有用である。し
かしながら、TCF-IIはHGF とのホモロジーが高く、TCF-
IIおよびHGF が混在するヒト細胞培養液やヒト血清ある
いは血漿のような試料中のTCF-IIのみを分別定量する方
法として、上記のように標的細胞によって異なるTCF-II
とHGF との間の生物活性の差異を利用するバイオアッセ
イ的な方法のみであり、しかもその微量を正確に定量す
ることは困難であった。このような微量物質の定量には
イムノアッセイ法が現在の主流となってきており、イム
ノアッセイ法によるTCF-IIの分別定量に適した抗体、即
ちTCF-IIのみに反応し、HGF には全く反応しないモノク
ローナル抗体の供給が望まれていた。また、このような
抗体を使用し、ヒト生体組織のTCF-IIの分泌部位を調べ
ることが可能になり、一方アフィニティクロマトグラフ
ィーによりHGF およびTCF-IIが混在しているヒト細胞培
養液からTCF-IIのみを特異的に精製回収し、精製効率を
向上させることが可能である。しかしTCF-IIとHGFと
はそのアミノ酸配列が類似しており、従来の方法で動物
を免疫し、抗体産生細胞を得て、これを細胞融合してハ
イブリドーマを調製しても、TCF-IIのみを認識する抗体
を産生する細胞株を選択することができなかった。この
ため、現在にいたるまでTCF-IIのみを認識する抗体は得
られていなかった。従って本発明は、TCF-IIに対しての
み親和性を有し、HGF には全く反応しない新規モノクロ
ーナル抗体の提供とこれらを用いたヒトHGF の混在下に
おけるTCF-IIの分別測定方法および分別精製法を提供す
ることを課題とする。
有用性に注目し、抗腫瘍剤、創傷治療薬等への利用や疾
病の診断のマーカーとしての利用を検討してきた。TCF-
IIとHGF との間には生物活性において大きな差異があ
り、HGF はヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)、ヒト大
動脈血管平滑筋細胞(AOSMC) やマウス骨髄芽球細胞株(N
FS-60)に対してTCF-IIよりそれぞれ約23、10および2 倍
増殖促進比活性が高く(後藤ら: 生化学、65巻 8号 199
3, 835ページ、2676) 、一方TCF-IIはラット肝細胞に対
して、HGF よりそれぞれ約 1.4 - 1.9倍高い増殖比活性
を有し(Shima et al.: Biochem. Biophys. Res. Commu
n. 180, 1151-1158, 1991; Matsumoto et al.: Bioche
m. Biophys. Res. Commun. 181, 691-699, 1991) 、ま
た豚腎上皮細胞株(LLCPK-1) に対して約3 倍高い増殖促
進活性を有していることが知られている(後藤ら: 生化
学、65巻 8号 1993, 835ページ、2676) 。従って、両者
を定量的に分別測定できることはヒト細胞培養液におけ
る両者の分泌割合、生体内での両者の分泌部位や生理学
的役割の違い、またヒト血中でのTCF-IIあるいはHGF 量
と各種病態との関連を調べる上で非常に有用である。し
かしながら、TCF-IIはHGF とのホモロジーが高く、TCF-
IIおよびHGF が混在するヒト細胞培養液やヒト血清ある
いは血漿のような試料中のTCF-IIのみを分別定量する方
法として、上記のように標的細胞によって異なるTCF-II
とHGF との間の生物活性の差異を利用するバイオアッセ
イ的な方法のみであり、しかもその微量を正確に定量す
ることは困難であった。このような微量物質の定量には
イムノアッセイ法が現在の主流となってきており、イム
ノアッセイ法によるTCF-IIの分別定量に適した抗体、即
ちTCF-IIのみに反応し、HGF には全く反応しないモノク
ローナル抗体の供給が望まれていた。また、このような
抗体を使用し、ヒト生体組織のTCF-IIの分泌部位を調べ
ることが可能になり、一方アフィニティクロマトグラフ
ィーによりHGF およびTCF-IIが混在しているヒト細胞培
養液からTCF-IIのみを特異的に精製回収し、精製効率を
向上させることが可能である。しかしTCF-IIとHGFと
はそのアミノ酸配列が類似しており、従来の方法で動物
を免疫し、抗体産生細胞を得て、これを細胞融合してハ
イブリドーマを調製しても、TCF-IIのみを認識する抗体
を産生する細胞株を選択することができなかった。この
ため、現在にいたるまでTCF-IIのみを認識する抗体は得
られていなかった。従って本発明は、TCF-IIに対しての
み親和性を有し、HGF には全く反応しない新規モノクロ
ーナル抗体の提供とこれらを用いたヒトHGF の混在下に
おけるTCF-IIの分別測定方法および分別精製法を提供す
ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の抗体とこれを得
る方法は以下のとおりである。本発明のモノクローナル
抗体はTCF-IIを免疫原として通常のモノクローナル抗体
を作製する方法に準じて実施することが可能である。抗
原としてのTCF-IIは先に示したWO90/10651に開示された
方法によって得ることが可能である。特に同公報に記載
された遺伝子配列に基づいて、遺伝子組み換え操作によ
り微生物や他の動物細胞から生産されたものであっても
差し支えない。これらの抗原は必ずしも高度に精製され
たものではなくとも抗原として使用することが可能であ
る。これらの抗原により哺乳動物を免疫するかあるいは
インビトロ法により免疫したリンパ球細胞を、哺乳動物
の骨髄腫細胞(ミエローマ) などと融合させ、ハイブリ
ドーマを作製し、このハイブリドーマ培養液について、
高度に精製されたTCF-IIおよびHGF をそれぞれ抗原とし
て用いて、TCF-IIに反応し、HGF には全く反応しないも
のをスクリーニングし、TCF-IIのみに反応し、HGF には
全く反応しないモノクローナル抗体生産ハイブリドーマ
を選択し、このクローンを培養することにより目的とす
る抗体を得ることが出来る。
る方法は以下のとおりである。本発明のモノクローナル
抗体はTCF-IIを免疫原として通常のモノクローナル抗体
を作製する方法に準じて実施することが可能である。抗
原としてのTCF-IIは先に示したWO90/10651に開示された
方法によって得ることが可能である。特に同公報に記載
された遺伝子配列に基づいて、遺伝子組み換え操作によ
り微生物や他の動物細胞から生産されたものであっても
差し支えない。これらの抗原は必ずしも高度に精製され
たものではなくとも抗原として使用することが可能であ
る。これらの抗原により哺乳動物を免疫するかあるいは
インビトロ法により免疫したリンパ球細胞を、哺乳動物
の骨髄腫細胞(ミエローマ) などと融合させ、ハイブリ
ドーマを作製し、このハイブリドーマ培養液について、
高度に精製されたTCF-IIおよびHGF をそれぞれ抗原とし
て用いて、TCF-IIに反応し、HGF には全く反応しないも
のをスクリーニングし、TCF-IIのみに反応し、HGF には
全く反応しないモノクローナル抗体生産ハイブリドーマ
を選択し、このクローンを培養することにより目的とす
る抗体を得ることが出来る。
【0006】ハイブリドーマの作製にあたっては哺乳動
物を使用する場合、どのような系も使用可能であるがマ
ウスやラットなどの小動物を使用した例が一般的であ
る。免疫は、TCF-IIを生理食塩水等により適当な濃度に
希釈し、この溶液を静脈内や腹腔内に投与し、これに必
要に応じて免疫アジュバントを併用投与し、動物に2-20
日毎に2 から5 回投与する。このようにして免疫された
動物を最終免疫後3 日目に解剖し、脾臓を摘出し、脾臓
細胞を免疫細胞として使用する。
物を使用する場合、どのような系も使用可能であるがマ
ウスやラットなどの小動物を使用した例が一般的であ
る。免疫は、TCF-IIを生理食塩水等により適当な濃度に
希釈し、この溶液を静脈内や腹腔内に投与し、これに必
要に応じて免疫アジュバントを併用投与し、動物に2-20
日毎に2 から5 回投与する。このようにして免疫された
動物を最終免疫後3 日目に解剖し、脾臓を摘出し、脾臓
細胞を免疫細胞として使用する。
【0007】免疫細胞と細胞融合するマウス由来の形質
細胞腫細胞としては、例えばp3/x63-Ag8, p3-U1, NS-1,
MPC-11, SP-2/0, FO, P3 x 63 Ag 8. 653, S194などが
例示できる。またラット由来の細胞としてはR-210 など
の細胞株を例示できる。ヒト型の抗体を生産する場合に
はヒトB リンパ球をインビトロ法により免疫し、ヒトミ
エローマ細胞やEBウイルスにより形質転換した細胞株を
親株として使用することによりヒト型の抗体を生産する
ことができる。
細胞腫細胞としては、例えばp3/x63-Ag8, p3-U1, NS-1,
MPC-11, SP-2/0, FO, P3 x 63 Ag 8. 653, S194などが
例示できる。またラット由来の細胞としてはR-210 など
の細胞株を例示できる。ヒト型の抗体を生産する場合に
はヒトB リンパ球をインビトロ法により免疫し、ヒトミ
エローマ細胞やEBウイルスにより形質転換した細胞株を
親株として使用することによりヒト型の抗体を生産する
ことができる。
【0008】免疫細胞と形質転換細胞株又はミエローマ
との融合は公知の方法、例えばKoehler とMilsteinらの
方法(Koehler, G. et al. Nature vol.256, 495-497,
1975)が一般的であるが、電気パルスを使用した電気パ
ルス法なども使用可能である。免疫細胞と形質転換細胞
は通常行われている細胞数の比に混合し、通常用いられ
る細胞培養用培地(FCS不含) にポリエチレングリコール
を添加して融合処理を行い、FCS 添加HAT 選択培地で培
養を行い、融合細胞を選別する。
との融合は公知の方法、例えばKoehler とMilsteinらの
方法(Koehler, G. et al. Nature vol.256, 495-497,
1975)が一般的であるが、電気パルスを使用した電気パ
ルス法なども使用可能である。免疫細胞と形質転換細胞
は通常行われている細胞数の比に混合し、通常用いられ
る細胞培養用培地(FCS不含) にポリエチレングリコール
を添加して融合処理を行い、FCS 添加HAT 選択培地で培
養を行い、融合細胞を選別する。
【0009】TCF-II のみに反応し、HGF には全く反応
しない抗体生産ハイブリドーマを選別するにはELISA
法、プラーク法、オクタロニー法、凝集法などが原理的
に使用可能である。その中でも、ELISA 法が簡便で、か
つ精度が良いため一般的に良く用いられているが、通常
の抗体検出に用いられる方法を採用するだけでは本発明
による抗体産生ハイブリドーマを選別することは困難で
成功しない。従来技術においてTCF-IIのみを認識する抗
体産生ハイブリドーマを得ることができなかったのは、
この細胞選別に問題があったからである。これは、HG
FとTCF-IIの構造が類似しており、細胞選別において、
このため抗原が抗体と結合したことを確認する際に共存
する培地中の非特異的に結合する種々のマウスIgGの
存在が原因であったことが判明した。TCF-IIには抗HG
F抗体や他の抗原に対するマウスIgGが非特異的に結
合し、HGFには抗TCF-II抗体やその他の抗原に対する
マウスIgGが非特異的に結合する。さらにハイブリド
ーマにはTCF-IIやHGFに対するマウスIgG以外に多
くの他の抗原に対するマウスIgGを産生しているもの
がある。これらのマウスIgGが固相化したHGFやTC
F-IIに非特異的に結合する。この非特異的結合の存在が
細胞の選択を困難にする。本発明においてはTCF-IIに親
和性を有し、HGF に全く親和性を示さないモノクローナ
ル抗体産生ハイブリドーマを厳密に選別できるようにEL
ISA を改良し、この改良により本発明の抗体産生ハイブ
リドーマの取得に成功した。このELISAの改良は次
の点である。即ち、セレクションした細胞の中からTCF-
IIにのみ反応し、HGF には全く反応しない抗TCF-II抗体
を産生しているハイブリドーマの選別法として、通常用
いられるソリッドフェーズELISA やその他の方法では、
TCF-IIにのみ親和性を有し、HGF に全く親和性を示さな
い抗体産生ハイブリドーマを選択することは困難であ
り、このため従来の検討は全て不成功に終わった。これ
は、ハイブリドーマを培養する培養液中のIgG が原因で
あることが上述のように判明した。そこで、ハイブリド
ーマの培養、選別において細胞が生産し、細胞と共存す
るIgG が影響をおよぼさない方法を見出した。本発明に
おいてはTCF-IIにのみ親和性を有し、HGF には全く親和
性を示さない抗体を厳密に選別できる様にソリッドフェ
ーズELISA を改良し、これによって本発明による抗体の
取得に成功したものである。即ち、固相抗原(TCF-II)
にハイブリドーマの培養液を直接反応させる通常のソリ
ッドフェーズELISA では、TCF-IIに反応する抗体産生ハ
イブリドーマを選択することはPOD酵素反応後の発色
強度の高いものを選択すれば良く、容易である。しかし
抗HGF 抗体や他の抗原に対する種々のマウスIgGも非
特異的に固相化TCF-IIに結合し、マウスIgGを認識す
る抗体を用いる以下の反応に影響を及ぼすので、PDD
酵素反応後の発色がTCF-II特異的抗体によるものかどう
かの識別が困難であった。そこで本発明においては、ハ
イブリドーマ培養液を0.1% Tween 20 を含むブロッキン
グ液(例えば 2% BSA(ウシ血清アルブミン)あるいは25
-50%ブロックエース 雪印乳業製) で2乃至4倍希釈
し、これを固相抗原に加えて反応させることにより、あ
らかじめ共存する培養液中の非特異的な吸着性を示すI
gGをブロックしておくことによってTCF-IIにのみ親和
性を有し、HGF には全く親和性を示さない抗体産生ハイ
ブリドーマの選択が可能になった。
しない抗体生産ハイブリドーマを選別するにはELISA
法、プラーク法、オクタロニー法、凝集法などが原理的
に使用可能である。その中でも、ELISA 法が簡便で、か
つ精度が良いため一般的に良く用いられているが、通常
の抗体検出に用いられる方法を採用するだけでは本発明
による抗体産生ハイブリドーマを選別することは困難で
成功しない。従来技術においてTCF-IIのみを認識する抗
体産生ハイブリドーマを得ることができなかったのは、
この細胞選別に問題があったからである。これは、HG
FとTCF-IIの構造が類似しており、細胞選別において、
このため抗原が抗体と結合したことを確認する際に共存
する培地中の非特異的に結合する種々のマウスIgGの
存在が原因であったことが判明した。TCF-IIには抗HG
F抗体や他の抗原に対するマウスIgGが非特異的に結
合し、HGFには抗TCF-II抗体やその他の抗原に対する
マウスIgGが非特異的に結合する。さらにハイブリド
ーマにはTCF-IIやHGFに対するマウスIgG以外に多
くの他の抗原に対するマウスIgGを産生しているもの
がある。これらのマウスIgGが固相化したHGFやTC
F-IIに非特異的に結合する。この非特異的結合の存在が
細胞の選択を困難にする。本発明においてはTCF-IIに親
和性を有し、HGF に全く親和性を示さないモノクローナ
ル抗体産生ハイブリドーマを厳密に選別できるようにEL
ISA を改良し、この改良により本発明の抗体産生ハイブ
リドーマの取得に成功した。このELISAの改良は次
の点である。即ち、セレクションした細胞の中からTCF-
IIにのみ反応し、HGF には全く反応しない抗TCF-II抗体
を産生しているハイブリドーマの選別法として、通常用
いられるソリッドフェーズELISA やその他の方法では、
TCF-IIにのみ親和性を有し、HGF に全く親和性を示さな
い抗体産生ハイブリドーマを選択することは困難であ
り、このため従来の検討は全て不成功に終わった。これ
は、ハイブリドーマを培養する培養液中のIgG が原因で
あることが上述のように判明した。そこで、ハイブリド
ーマの培養、選別において細胞が生産し、細胞と共存す
るIgG が影響をおよぼさない方法を見出した。本発明に
おいてはTCF-IIにのみ親和性を有し、HGF には全く親和
性を示さない抗体を厳密に選別できる様にソリッドフェ
ーズELISA を改良し、これによって本発明による抗体の
取得に成功したものである。即ち、固相抗原(TCF-II)
にハイブリドーマの培養液を直接反応させる通常のソリ
ッドフェーズELISA では、TCF-IIに反応する抗体産生ハ
イブリドーマを選択することはPOD酵素反応後の発色
強度の高いものを選択すれば良く、容易である。しかし
抗HGF 抗体や他の抗原に対する種々のマウスIgGも非
特異的に固相化TCF-IIに結合し、マウスIgGを認識す
る抗体を用いる以下の反応に影響を及ぼすので、PDD
酵素反応後の発色がTCF-II特異的抗体によるものかどう
かの識別が困難であった。そこで本発明においては、ハ
イブリドーマ培養液を0.1% Tween 20 を含むブロッキン
グ液(例えば 2% BSA(ウシ血清アルブミン)あるいは25
-50%ブロックエース 雪印乳業製) で2乃至4倍希釈
し、これを固相抗原に加えて反応させることにより、あ
らかじめ共存する培養液中の非特異的な吸着性を示すI
gGをブロックしておくことによってTCF-IIにのみ親和
性を有し、HGF には全く親和性を示さない抗体産生ハイ
ブリドーマの選択が可能になった。
【0010】本発明において改良されたELISA を用いる
ことにより選別に成功したハイブリドーマを本発明にお
けるELISA を用いながら、限界希釈法により3 - 5 回ク
ローニングし安定な抗体生産株として樹立する。このよ
うにして樹立されたハイブリドーマは通常の培養方法に
より継代培養可能であり、必要に応じて凍結保存でき
る。ハイブリドーマは常法により培養するか、または哺
乳動物の腹腔内に移植し、腹水として培養液を回収す
る。回収した培養液は塩析法、ゲル濾過法、プロテイン
A またはG アフィニティクロマトグラフィーなどの通常
の方法により精製できる。
ことにより選別に成功したハイブリドーマを本発明にお
けるELISA を用いながら、限界希釈法により3 - 5 回ク
ローニングし安定な抗体生産株として樹立する。このよ
うにして樹立されたハイブリドーマは通常の培養方法に
より継代培養可能であり、必要に応じて凍結保存でき
る。ハイブリドーマは常法により培養するか、または哺
乳動物の腹腔内に移植し、腹水として培養液を回収す
る。回収した培養液は塩析法、ゲル濾過法、プロテイン
A またはG アフィニティクロマトグラフィーなどの通常
の方法により精製できる。
【0011】得られた抗体はTCF-IIにのみ反応し、HGF
には全く反応しない抗体でTCF-IIの分別測定や分別精製
に使用できる。TCF-IIの分別測定に使用する場合は、放
射性アイソトープや酵素によりラベルすることにより、
ラジオイムノアッセイ(RIA)やエンザイムイムノアッセ
イ(EIA) として知られている測定系においてTCF-II分別
定量用特異的抗体として使用するこができる。特に本発
明により得られる抗体は、TCF-IIに付加した4 つのN 結
合型糖鎖をすべて蛋白工学的に欠損させた変異体TCF-II
にはTCF-IIと全く同一親和性で結合するが、2-メルカプ
トエタノールやジチオスレイトールのような還元剤処理
により、S-S が開裂され立体構造のみが破壊されたTCF-
IIにはHGF の場合と同様に全く反応性を示さない。この
ことは本発明により得られた抗体はTCF-II蛋白分子のペ
プチド配列や糖鎖を認識する抗体ではなく、立体構造的
に形成されたTCF-IIのエピトープを認識し、HGF にはこ
の種の立体構造的に形成されたエピトープは存在しない
ことを示している。
には全く反応しない抗体でTCF-IIの分別測定や分別精製
に使用できる。TCF-IIの分別測定に使用する場合は、放
射性アイソトープや酵素によりラベルすることにより、
ラジオイムノアッセイ(RIA)やエンザイムイムノアッセ
イ(EIA) として知られている測定系においてTCF-II分別
定量用特異的抗体として使用するこができる。特に本発
明により得られる抗体は、TCF-IIに付加した4 つのN 結
合型糖鎖をすべて蛋白工学的に欠損させた変異体TCF-II
にはTCF-IIと全く同一親和性で結合するが、2-メルカプ
トエタノールやジチオスレイトールのような還元剤処理
により、S-S が開裂され立体構造のみが破壊されたTCF-
IIにはHGF の場合と同様に全く反応性を示さない。この
ことは本発明により得られた抗体はTCF-II蛋白分子のペ
プチド配列や糖鎖を認識する抗体ではなく、立体構造的
に形成されたTCF-IIのエピトープを認識し、HGF にはこ
の種の立体構造的に形成されたエピトープは存在しない
ことを示している。
【0012】本発明による抗体はTCF-IIとHGF 間の立体
構造の差異を認識する抗体であり、従って、ヒト劇症肝
炎患者から精製して得られるHGF(Gohda et al. Exp. Ce
ll Res. 166, 139- 159, 1986)や HGF cDNAs (Nakamura
et al. Nature 342, 440-443, 1989; Miyazawa et a
l. Biochem. Biophys. Res. Commun. 163, 967-973,19
89)の発現によって得られる組み換えHGF を抗原として
哺乳動物を免疫し、本発明と同様にハイブリドーマの作
製、選別を繰り返しても、TCF-IIのみに存在し、立体的
に形成されたエピトープを認識する本発明による抗体を
得るのは不可能である。即ち、HGF のモノクローナル抗
体としては特公平 5-60359号公報に開示されているが、
すべてのHGF のモノクローナル抗体は、本発明によって
得られた抗体が認識するTCF-IIのみに存在するエピトー
プを認識することはできない。
構造の差異を認識する抗体であり、従って、ヒト劇症肝
炎患者から精製して得られるHGF(Gohda et al. Exp. Ce
ll Res. 166, 139- 159, 1986)や HGF cDNAs (Nakamura
et al. Nature 342, 440-443, 1989; Miyazawa et a
l. Biochem. Biophys. Res. Commun. 163, 967-973,19
89)の発現によって得られる組み換えHGF を抗原として
哺乳動物を免疫し、本発明と同様にハイブリドーマの作
製、選別を繰り返しても、TCF-IIのみに存在し、立体的
に形成されたエピトープを認識する本発明による抗体を
得るのは不可能である。即ち、HGF のモノクローナル抗
体としては特公平 5-60359号公報に開示されているが、
すべてのHGF のモノクローナル抗体は、本発明によって
得られた抗体が認識するTCF-IIのみに存在するエピトー
プを認識することはできない。
【0013】また、本発明によって得られる抗体はTCF-
IIのみに存在するエピトープを認識することが確認され
ているため、本発明による抗体を固相抗体として、TCF-
IIの他のエピトープを認識する抗体、例えば特開平 5-9
7 号公報に開示されたTCF-IIモノクローナル抗体、ある
いは TCF-II とHGF の共通エピトープを等しく認識する
抗体を酵素標識抗体として用いることによって、サンド
イッチイムノアッセイに使用することができるという特
徴を有する。この測定系を用いることにより、血液、尿
などの生体試料や細胞培養液中のTCF-IIのみを容易にか
つ感度良く測定できる。
IIのみに存在するエピトープを認識することが確認され
ているため、本発明による抗体を固相抗体として、TCF-
IIの他のエピトープを認識する抗体、例えば特開平 5-9
7 号公報に開示されたTCF-IIモノクローナル抗体、ある
いは TCF-II とHGF の共通エピトープを等しく認識する
抗体を酵素標識抗体として用いることによって、サンド
イッチイムノアッセイに使用することができるという特
徴を有する。この測定系を用いることにより、血液、尿
などの生体試料や細胞培養液中のTCF-IIのみを容易にか
つ感度良く測定できる。
【0014】精製に用いる場合は、ややTCF-IIとの解離
定数の高い(106〜107)抗体を選び、アフィゲル10(バイ
オラッド社製) 等の担体に固定化してアフィニティクロ
マトグラフィーを行うことによりTCF-IIのみを容易に精
製できる。
定数の高い(106〜107)抗体を選び、アフィゲル10(バイ
オラッド社製) 等の担体に固定化してアフィニティクロ
マトグラフィーを行うことによりTCF-IIのみを容易に精
製できる。
【0015】以下に実施例を示し、さらに本発明を詳細
に説明する。
に説明する。
【実施例1】免疫用並びにELISA 用TCF-II抗原およびELISA 用HGF 抗
原の調製 TCF-IIおよびHGF cDNAs の発現ベクターは、プラスミド
pcDNA1のNheI部位にマウスデハイドロフォーレトレダク
ターゼ(DHFR)転写単位、2.4 kb断片を挿入し、さらにWO
90/10651公報に開示されたTCF-II cDNA あるいはMiyaza
waらによりクローニングされたHGF cDNA (BBRC 163, 96
7-973, 1989)2.3 kbをサイトメガロウイルス(CMV) プロ
モーターの下流に挿入して構築した。構築したTCF-II c
DNA あるいはHGF cDNA発現ベクター10μg とpSV2 neo 1
μg をリポフェチンによるリポソーム介在トランスフェ
クション法によりナマルワ(Namalwa) 細胞にコトランス
フェクションした。形質転換した細胞をG418耐性により
選別した後、続いてメトレキセート(MTX) により遺伝子
増幅した。TCF-IIあるいはHGF 高生産株を2 lローラー
ボトルを用い、5%牛血清(CS)を含むDMEM培地 1lで37
℃、7 日間培養した。それぞれ約 20 本のローラーボト
ル培養(回転数約 2回/ 分) を実施し、それぞれ約21l
の培養液を得た。
原の調製 TCF-IIおよびHGF cDNAs の発現ベクターは、プラスミド
pcDNA1のNheI部位にマウスデハイドロフォーレトレダク
ターゼ(DHFR)転写単位、2.4 kb断片を挿入し、さらにWO
90/10651公報に開示されたTCF-II cDNA あるいはMiyaza
waらによりクローニングされたHGF cDNA (BBRC 163, 96
7-973, 1989)2.3 kbをサイトメガロウイルス(CMV) プロ
モーターの下流に挿入して構築した。構築したTCF-II c
DNA あるいはHGF cDNA発現ベクター10μg とpSV2 neo 1
μg をリポフェチンによるリポソーム介在トランスフェ
クション法によりナマルワ(Namalwa) 細胞にコトランス
フェクションした。形質転換した細胞をG418耐性により
選別した後、続いてメトレキセート(MTX) により遺伝子
増幅した。TCF-IIあるいはHGF 高生産株を2 lローラー
ボトルを用い、5%牛血清(CS)を含むDMEM培地 1lで37
℃、7 日間培養した。それぞれ約 20 本のローラーボト
ル培養(回転数約 2回/ 分) を実施し、それぞれ約21l
の培養液を得た。
【0016】このようにして得られたそれぞれの培養液
は5 mg/ lのTCF-IIおよび 4 mg/lのHGF を含んでい
た。TCF-IIあるいはHGF を含む培養液20lについて、東
尾らの方法(Higashio et al. BBRC vol. 170, 397-40
4, 1990)を若干改変し、CMセファデックスC-50(ファル
マシア社製) 、Mono Sカラム- FPLC (ファルマシア社
製) 、ヘパリン5-PW(東ソー製)-FPLCによる3 段階のク
ロマト精製を行い、SDS-電気泳動的に均一な精製TCF-II
および精製HGF をそれぞれ約60% の収率で得た。
は5 mg/ lのTCF-IIおよび 4 mg/lのHGF を含んでい
た。TCF-IIあるいはHGF を含む培養液20lについて、東
尾らの方法(Higashio et al. BBRC vol. 170, 397-40
4, 1990)を若干改変し、CMセファデックスC-50(ファル
マシア社製) 、Mono Sカラム- FPLC (ファルマシア社
製) 、ヘパリン5-PW(東ソー製)-FPLCによる3 段階のク
ロマト精製を行い、SDS-電気泳動的に均一な精製TCF-II
および精製HGF をそれぞれ約60% の収率で得た。
【0017】
【実施例2】ハイブリドーマの作製およびTCF-IIにのみ反応し、HGF
には全く反応しない抗TCF-II抗体産生ハイブリドーマの
選択法 実施例1で得た精製TCF-IIを100 μg/100 μlの濃度に
PBS に溶解し、この溶液を2 週おきにBALB/cマウスの腹
腔内に投与し免疫を行った。初回および2 回目の免疫に
おいては等容量のフロインドコンプリートアジュバント
とのエマルジョンを投与した。最終の免疫から3 日目に
脾臓を摘出し、B リンパ球を分離し、マウスミエローマ
細胞P3x63−AG8.653とをKoehler とMilste
inらの方法(Koehler, G., et al. Nature vol. 256, 4
95-497, 1975) に従って細胞融合させた。ついで融合細
胞を選択するためにHAT 培地で培養することによりセレ
クションを行った。
には全く反応しない抗TCF-II抗体産生ハイブリドーマの
選択法 実施例1で得た精製TCF-IIを100 μg/100 μlの濃度に
PBS に溶解し、この溶液を2 週おきにBALB/cマウスの腹
腔内に投与し免疫を行った。初回および2 回目の免疫に
おいては等容量のフロインドコンプリートアジュバント
とのエマルジョンを投与した。最終の免疫から3 日目に
脾臓を摘出し、B リンパ球を分離し、マウスミエローマ
細胞P3x63−AG8.653とをKoehler とMilste
inらの方法(Koehler, G., et al. Nature vol. 256, 4
95-497, 1975) に従って細胞融合させた。ついで融合細
胞を選択するためにHAT 培地で培養することによりセレ
クションを行った。
【0018】次にセレクションした細胞の中からTCF-II
にのみ反応し、HGF には全く反応しない抗TCF-II抗体を
産生しているハイブリドーマの選別法として、通常用い
られるソリッドフェーズELISA では、TCF-IIにのみ親和
性を有し、HGF に全く親和性を示さない抗体産生ハイブ
リドーマを選択することは困難で、不成功に終わった。
そこで、本発明においてはTCF-IIにのみ親和性を有し、
HGF には全く親和性を示さない抗体を厳密に選別できる
様にソリッドフェーズELISA を改良し、これによって本
発明による抗体の取得に成功した。即ち、固相抗原(TC
F-II)にハイブリドーマの培養液を直接反応させる通常
のソリッドフェーズELISA では、TCF-IIに反応する抗体
産生ハイブリドーマを選択することは容易であるが、ハ
イブリドーマ細胞培養液中のHGFを認識するマウスIg
G やTCF-II以外の抗原に対するマウスIgGが非特異的
に結合する。このため、抗体生産性ハイブリドーマを識
別するために抗マウスIgG抗体を用いて選別を行うと
強弱はあるものの、全ての細胞が陽性に反応し、TCF-II
特異的抗体生産ハイブリドーマかどうか識別が困難であ
った。そこで本発明においては、ハイブリドーマ培養液
を0.1% Tween 20 を含むブロッキング液(例えば 2% BS
A あるいは25〜50% ブロックエース) で2 乃至4倍希釈
し、これを固相抗原に加えて反応させることにより、非
特異的な結合を抑制して、TCF-IIにのみ親和性を有し、
HGF には全く親和性を示さない抗体産生ハイブリドーマ
の選択が可能になった。即ち、実施例 1で得た精製TCF-
II 100μl(10μg/ml 0.1 M NaHCO3)を96ウエルイムノ
プレート(Nunc 社) の半分に当たるウエル(横 No.1 -
No.6, 縦 A - H)に、また実施例 1で得た精製HGF 100
μl(10μg/ml 0.1 M NaHCO3)を残り半分のウエル(横
N0.7 - No.12,縦 A - H)に添加し、室温で一夜固相化
した。固相化後、それぞれのウエルを50% ブロックエー
ス(雪印)200 μlで、室温、1 時間ブロックした。各
ウエルを0.1% Tween 20 を含むPBS(洗浄バッファー) で
3 回洗浄した後、通常のELISA では各ハイブリドーマの
培養液について、その100 μlづつをそれぞれTCF-IIお
よびHGF を固相化したウエルに添加するが、本発明にお
いては先ず各ハイブリドーマの培養液を0.1%のTween 20
を含むブロッキング液(例えば 40%ブロックエース溶
液)で2から4倍希釈し、その希釈液100 μlを各ウエ
ルに添加し、37℃で3時間インキュベートした。3時間
の反応後、各ウエルを洗浄バッファーで4 回洗浄した。
TCF-IIあるいはHGF に結合した抗体(マウスIgG)を検出
するために、パーオキシダーゼ(POD) 標識されたヤギ抗
マウスIgG (γ) モノクローナル抗体(Cappel 社) を10
% ブロックエースおよび0.1% Tween 20 を含むPBS で10
00倍に希釈し、その100 μlを96- ウエルイムノプレー
トの各ウエルに添加し、37℃で2 時間反応させた。各ウ
エルを洗浄バッファーで3 回洗浄後、酵素基質溶液(0.4
mg/ml o-フェニレンジアミン塩酸、0.006% 過酸化水
素を含む0.1 M クエン酸- リン酸緩衝液、pH 4.5) 100
μlを各ウエルに添加、37℃、15 - 30 分間反応させ
た。酵素反応は各ウエルに50μl の6 N 硫酸を添加して
停止させた。各ウエルの492 nmの吸光度をイムノリーダ
ー(コロナ社)で測定した。本発明における改良ソリッ
ドフェーズELISA の効果を示すため、本発明におけるソ
リッドフェーズELISA を用い、選択し、4 回クローニン
グして樹立した時の本発明の抗体産生ハイブリドーマ、
H9E3培養液について、本発明で改良したELISA と通
常使用されるソリッドフェーズELISA との抗TCF-II特異
的抗体の識別効果の比較を表 1に示した。
にのみ反応し、HGF には全く反応しない抗TCF-II抗体を
産生しているハイブリドーマの選別法として、通常用い
られるソリッドフェーズELISA では、TCF-IIにのみ親和
性を有し、HGF に全く親和性を示さない抗体産生ハイブ
リドーマを選択することは困難で、不成功に終わった。
そこで、本発明においてはTCF-IIにのみ親和性を有し、
HGF には全く親和性を示さない抗体を厳密に選別できる
様にソリッドフェーズELISA を改良し、これによって本
発明による抗体の取得に成功した。即ち、固相抗原(TC
F-II)にハイブリドーマの培養液を直接反応させる通常
のソリッドフェーズELISA では、TCF-IIに反応する抗体
産生ハイブリドーマを選択することは容易であるが、ハ
イブリドーマ細胞培養液中のHGFを認識するマウスIg
G やTCF-II以外の抗原に対するマウスIgGが非特異的
に結合する。このため、抗体生産性ハイブリドーマを識
別するために抗マウスIgG抗体を用いて選別を行うと
強弱はあるものの、全ての細胞が陽性に反応し、TCF-II
特異的抗体生産ハイブリドーマかどうか識別が困難であ
った。そこで本発明においては、ハイブリドーマ培養液
を0.1% Tween 20 を含むブロッキング液(例えば 2% BS
A あるいは25〜50% ブロックエース) で2 乃至4倍希釈
し、これを固相抗原に加えて反応させることにより、非
特異的な結合を抑制して、TCF-IIにのみ親和性を有し、
HGF には全く親和性を示さない抗体産生ハイブリドーマ
の選択が可能になった。即ち、実施例 1で得た精製TCF-
II 100μl(10μg/ml 0.1 M NaHCO3)を96ウエルイムノ
プレート(Nunc 社) の半分に当たるウエル(横 No.1 -
No.6, 縦 A - H)に、また実施例 1で得た精製HGF 100
μl(10μg/ml 0.1 M NaHCO3)を残り半分のウエル(横
N0.7 - No.12,縦 A - H)に添加し、室温で一夜固相化
した。固相化後、それぞれのウエルを50% ブロックエー
ス(雪印)200 μlで、室温、1 時間ブロックした。各
ウエルを0.1% Tween 20 を含むPBS(洗浄バッファー) で
3 回洗浄した後、通常のELISA では各ハイブリドーマの
培養液について、その100 μlづつをそれぞれTCF-IIお
よびHGF を固相化したウエルに添加するが、本発明にお
いては先ず各ハイブリドーマの培養液を0.1%のTween 20
を含むブロッキング液(例えば 40%ブロックエース溶
液)で2から4倍希釈し、その希釈液100 μlを各ウエ
ルに添加し、37℃で3時間インキュベートした。3時間
の反応後、各ウエルを洗浄バッファーで4 回洗浄した。
TCF-IIあるいはHGF に結合した抗体(マウスIgG)を検出
するために、パーオキシダーゼ(POD) 標識されたヤギ抗
マウスIgG (γ) モノクローナル抗体(Cappel 社) を10
% ブロックエースおよび0.1% Tween 20 を含むPBS で10
00倍に希釈し、その100 μlを96- ウエルイムノプレー
トの各ウエルに添加し、37℃で2 時間反応させた。各ウ
エルを洗浄バッファーで3 回洗浄後、酵素基質溶液(0.4
mg/ml o-フェニレンジアミン塩酸、0.006% 過酸化水
素を含む0.1 M クエン酸- リン酸緩衝液、pH 4.5) 100
μlを各ウエルに添加、37℃、15 - 30 分間反応させ
た。酵素反応は各ウエルに50μl の6 N 硫酸を添加して
停止させた。各ウエルの492 nmの吸光度をイムノリーダ
ー(コロナ社)で測定した。本発明における改良ソリッ
ドフェーズELISA の効果を示すため、本発明におけるソ
リッドフェーズELISA を用い、選択し、4 回クローニン
グして樹立した時の本発明の抗体産生ハイブリドーマ、
H9E3培養液について、本発明で改良したELISA と通
常使用されるソリッドフェーズELISA との抗TCF-II特異
的抗体の識別効果の比較を表 1に示した。
【0019】
【表1】 本発明の抗体生産株、H9E3の4回目のクローニング時の各クローン培養液 に対する本発明において改良されたELISA と一般的に使用されるソリッドフェー ズELISA の抗TCF-II特異的抗体の識別効果 ───────────────────────────────── ELISA - 1 ELISA - 2 ───────────────────── H9E3株の各クローン TCF-II HGF TCF-II HGF ───────────────────────────────── No. 1 0.924 0.020 1.083 0.456 No. 2 0.918 0.020 1.077 0.658 No. 3 1.106 0.035 1.100 0.450 No. 4 0.732 0.013 1.061 0.512 No. 5 0.730 0.015 1.060 0.224 ───────────────────────────────── バックグランド 0.020 0.020 0.030 0.030 ───────────────────────────────── 表中の数値はOD. 492 nm。 ELISA-1: 本発明で改良したソリッドフェーズELISA ELISA-2: 一般的に使用されるソリッドフェーズELISA
【0020】
【実施例3】本発明による抗TCF-II抗体の抗原特異性 実施例 2のソリッドフェーズELISA を使用し、TCF-IIに
のみ親和性を有し、HGF には全く親和性を示さないモノ
クローナル抗体産生ハイブリドーマを選択した結果、目
的とする抗体を産生するハイブリドーマの出現率は約 5
% 程度で、他はすべて両抗原を等しく認識する抗体を産
生するハイブリドーマであった。TCF-II特異的抗体産生
ハイブリドーマおよび代表的なTCF-IIとHGF を等しく認
識する抗体産生ハイブリドーマをそれぞれ限界希釈法お
よび上記のソリッドフェーズELISA を用いながら、3 か
ら5 回クローニングを繰り返して、目的の抗体を産生す
るハイブリドーマ並びに両抗原を等しく認識する抗体を
産生するハイブリドーマを樹立した。その結果を下記表
2に示した。また、代表的なハイブリドーマ株の産生す
る抗体について、TCF-II, 2-メルカプトエタノールで還
元したTCF-II、TCF-IIのすべてのN 結合糖鎖を蛋白工学
的に欠損させたTCF-II変異体およびHGF をそれぞれ抗原
として、ソリッドフェーズELISA 法によりその親和性
(反応性) を調べた結果を下記表 3に示した。もしTCF-
IIのみに反応する抗体がTCF-IIの蛋白部分のペプチド配
列や糖鎖部分を認識する抗体であれば、還元剤でS-S 結
合を開裂させ蛋白質の立体構造のみを破壊した還元TCF-
II(red TCF-II)でもTCF-IIと同様に認識するはずである
が、表3 に示したように、本発明によるすべての抗体は
HGF の場合と同様にred TCF-IIを全く認識しないこと、
またすべての N- 結合糖鎖(1分子当たり4 本) を蛋白工
学的に除去したTCF-II変異体(mTCF-II) にはTCF-IIと同
一の親和性で結合することから、本発明による抗体はTC
F-IIのペプチド配列あるいは糖鎖を認識する抗体ではな
いことを示している。これらの事実から本発明によるTC
F-IIにのみ親和性を有し、HGF には全く親和性を示さな
いモノクローナル抗体はHGF 分子には存在せずTCF-IIの
分子のみに存在する立体構造的に形成されたエピトープ
を認識することを示している。即ち、本発明の抗体はTC
F-IIとHGF の立体構造の差異を認識する抗体であること
がわかった。対照として特開平5 -97号公報に記載のTCF
-IIに対するモノクローナル抗体、P5A8,P2D6
およびP1C8についてそれらの抗原特異性を調べたと
ころ、表3 からも明らかなように、これら抗体はTCF-II
とHGF を等しく認識する抗体であり、本発明の抗体とは
明らかに異なる抗原特異性を示した。本発明の抗TCF-II
抗体として、A2G9,H9E3およびG10D1を選
択した。各抗体の生産株をそれぞれA2G9株,H9E
3株およびG10D1株と命名し、それぞれの株を工業
技術院生命工学工業技術研究所に、FERM P−14
130、FERM P−14131、FERM P−1
4132として寄託した。
のみ親和性を有し、HGF には全く親和性を示さないモノ
クローナル抗体産生ハイブリドーマを選択した結果、目
的とする抗体を産生するハイブリドーマの出現率は約 5
% 程度で、他はすべて両抗原を等しく認識する抗体を産
生するハイブリドーマであった。TCF-II特異的抗体産生
ハイブリドーマおよび代表的なTCF-IIとHGF を等しく認
識する抗体産生ハイブリドーマをそれぞれ限界希釈法お
よび上記のソリッドフェーズELISA を用いながら、3 か
ら5 回クローニングを繰り返して、目的の抗体を産生す
るハイブリドーマ並びに両抗原を等しく認識する抗体を
産生するハイブリドーマを樹立した。その結果を下記表
2に示した。また、代表的なハイブリドーマ株の産生す
る抗体について、TCF-II, 2-メルカプトエタノールで還
元したTCF-II、TCF-IIのすべてのN 結合糖鎖を蛋白工学
的に欠損させたTCF-II変異体およびHGF をそれぞれ抗原
として、ソリッドフェーズELISA 法によりその親和性
(反応性) を調べた結果を下記表 3に示した。もしTCF-
IIのみに反応する抗体がTCF-IIの蛋白部分のペプチド配
列や糖鎖部分を認識する抗体であれば、還元剤でS-S 結
合を開裂させ蛋白質の立体構造のみを破壊した還元TCF-
II(red TCF-II)でもTCF-IIと同様に認識するはずである
が、表3 に示したように、本発明によるすべての抗体は
HGF の場合と同様にred TCF-IIを全く認識しないこと、
またすべての N- 結合糖鎖(1分子当たり4 本) を蛋白工
学的に除去したTCF-II変異体(mTCF-II) にはTCF-IIと同
一の親和性で結合することから、本発明による抗体はTC
F-IIのペプチド配列あるいは糖鎖を認識する抗体ではな
いことを示している。これらの事実から本発明によるTC
F-IIにのみ親和性を有し、HGF には全く親和性を示さな
いモノクローナル抗体はHGF 分子には存在せずTCF-IIの
分子のみに存在する立体構造的に形成されたエピトープ
を認識することを示している。即ち、本発明の抗体はTC
F-IIとHGF の立体構造の差異を認識する抗体であること
がわかった。対照として特開平5 -97号公報に記載のTCF
-IIに対するモノクローナル抗体、P5A8,P2D6
およびP1C8についてそれらの抗原特異性を調べたと
ころ、表3 からも明らかなように、これら抗体はTCF-II
とHGF を等しく認識する抗体であり、本発明の抗体とは
明らかに異なる抗原特異性を示した。本発明の抗TCF-II
抗体として、A2G9,H9E3およびG10D1を選
択した。各抗体の生産株をそれぞれA2G9株,H9E
3株およびG10D1株と命名し、それぞれの株を工業
技術院生命工学工業技術研究所に、FERM P−14
130、FERM P−14131、FERM P−1
4132として寄託した。
【0021】
【表2】 TCF-IIにのみ反応し、HGF には反応しない抗TCF-IIモノクローナル抗体産生お よびTCF-IIおよびHGF に等しく反応する代表的な抗TCF-IIモノクローナル抗体産 生樹立ハイブリドーマ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ A. TCF-II にのみ反応し、HGF には B. TCF-II およびHGF に等しく 反応しないモノクローナル抗体 反応するモノクローナル抗体 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ハイブリドーマ株 特異性 ハイブリドーマ株 特異性 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.G10D1 TCF-II 1.3P2D6 TCF-II = HGF 2.H9E3 TCF-II 2.4B4A2 TCF-II = HGF 3.A2G9 TCF-II 3.6B7D3 TCF-II = HGF 4.4D12A7 TCF-II = HGF 5.1A7B6 TCF-II = HGF 6.3C11D7 TCF-II = HGF 7.6H1D1 TCF-II = HGF 8.C4F8 TCF-II = HGF 9.5B4F4 TCF-II = HGF 10.Y2G3B7 TCF-II = HGF 11.Y3H3H5 TCF-II = HGF 12.1H4A1 TCF-II = HGF ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0022】
【表3】 樹立ハイブリーマ細胞株の産生する抗体の各種抗原に対する親和性および特開 平5-97号公報記載のTCF-IIに対するモノクローナル抗体の抗原特異性 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ハイブリドーマ 抗原 (OD. 492 nm) 培養液 TCF-II mTCF-II red TCF-II HGF ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.195 1.229 0.070 0.075 A2G9 1.426 ND 0.020 0.020 1.210 1.275 0.085 0.091 A H9E3 1.271 ND 0.026 0.032 0.801 0.820 0.075 0.078 G10D1 0.837 ND 0.080 0.083 ─────────────────────────────── B 3P2D6 1.097 ND 0.040 1.093 4B4A2 1.020 ND 0.033 1.037 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ P5A8 1.032 ND 0.026 1.020 C P2D6 1.213 ND 0.026 1.190 P1C8 1.226 ND 0.026 1.275 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ A:本発明による抗体 B:TCF-IIとHGF に等しく反応する抗体 C:特開平5-97号公報記載の抗体 バックグランド(OD. 492 nm): 0.02 - 0.090, ND:測定
せず。 mTCF-II: TCF-IIのすべてのN 結合糖鎖を蛋白工学的に
欠損させたTCF-II変異体(mTCF-II はその変異体 cDNA
を実施例 1と同様な方法で発現ベクターに組み込み動物
細胞で発現させ、その培養液から実施例 1と同様に精製
して得られた。mTCF-II は TCF-II と遜色ない in vitr
o 生物活性を有する)。 red TCF-II: 2-メルカプトエタノールで還元処理したTC
F-II。
せず。 mTCF-II: TCF-IIのすべてのN 結合糖鎖を蛋白工学的に
欠損させたTCF-II変異体(mTCF-II はその変異体 cDNA
を実施例 1と同様な方法で発現ベクターに組み込み動物
細胞で発現させ、その培養液から実施例 1と同様に精製
して得られた。mTCF-II は TCF-II と遜色ない in vitr
o 生物活性を有する)。 red TCF-II: 2-メルカプトエタノールで還元処理したTC
F-II。
【0023】
【実施例4】モノクローナル抗体の生産と精製 実施例 3で得たTCF-IIにのみ反応し、HGF には反応しな
い抗TCF-IIモノクローナル抗体生産ハイブリドーマ3 株
(表 2のA2G9,H9E3およびG10D1)および
両抗原に等しく反応する抗TCF-IIモノクローナル抗体生
産ハイブリドーマ2 株(表 2の3P2D6,4B4A
2)について、一株につき15匹のBALB/cマウスを用い
て、一匹当たり、1 ×106 個の細胞を予めプリスタン
(アルドリッチケミカル社製) を投与しておいた同マウ
スの腹腔内に移植した。移植 10 日から14日後、蓄積し
た腹水を採取し、本発明の抗TCF-IIモノクローナル抗体
およびTCF-IIとHGF に等しく反応するモノクローナル抗
体を含む腹水を得た。これら腹水より、アフィゲルプロ
テインAセファロースクロマト(バイオラッド社製)を
用い、そのマニュアルに従い精製抗体を得た。即ち、腹
水を等量のバインディングバッファー(バイオラッド社
製) で希釈し、プロテインA カラムにチャージした後、
充分量のバインディングバッファーで洗浄した。抗体の
溶出はエルーションバッファー(バイオラッド社製) で
行った。得られた溶出液をPBS あるいは水で透析した
後、その一部について、マウスIgG をスタンダード蛋白
質(バイオラッド社製) としてLowry 法により蛋白定量
を行った。得られた精製抗体をSDS-PAGEにより純度検定
をおこなったところ分子量約150000の位置に均一なバン
ドを認めた。
い抗TCF-IIモノクローナル抗体生産ハイブリドーマ3 株
(表 2のA2G9,H9E3およびG10D1)および
両抗原に等しく反応する抗TCF-IIモノクローナル抗体生
産ハイブリドーマ2 株(表 2の3P2D6,4B4A
2)について、一株につき15匹のBALB/cマウスを用い
て、一匹当たり、1 ×106 個の細胞を予めプリスタン
(アルドリッチケミカル社製) を投与しておいた同マウ
スの腹腔内に移植した。移植 10 日から14日後、蓄積し
た腹水を採取し、本発明の抗TCF-IIモノクローナル抗体
およびTCF-IIとHGF に等しく反応するモノクローナル抗
体を含む腹水を得た。これら腹水より、アフィゲルプロ
テインAセファロースクロマト(バイオラッド社製)を
用い、そのマニュアルに従い精製抗体を得た。即ち、腹
水を等量のバインディングバッファー(バイオラッド社
製) で希釈し、プロテインA カラムにチャージした後、
充分量のバインディングバッファーで洗浄した。抗体の
溶出はエルーションバッファー(バイオラッド社製) で
行った。得られた溶出液をPBS あるいは水で透析した
後、その一部について、マウスIgG をスタンダード蛋白
質(バイオラッド社製) としてLowry 法により蛋白定量
を行った。得られた精製抗体をSDS-PAGEにより純度検定
をおこなったところ分子量約150000の位置に均一なバン
ドを認めた。
【0024】
【実施例5】実施例 4で得られた本発明の抗体およびTC
F-IIとHGF を等しく認識する抗体のクラスおよびサブク
ラスをAmersham社製イムノグロブリンクラスおよびサブ
クラス分析キットを用いて検定した。検定はキットに指
示されているプロトコールに従った。検定結果を下記表
4 に示した。本発明の抗体、A2G9およびH9E3は
ともにIgG1であり、抗体G10D1 はIgG2a であった。ま
た、いずれの抗体もライトチェインはκ鎖であった。
F-IIとHGF を等しく認識する抗体のクラスおよびサブク
ラスをAmersham社製イムノグロブリンクラスおよびサブ
クラス分析キットを用いて検定した。検定はキットに指
示されているプロトコールに従った。検定結果を下記表
4 に示した。本発明の抗体、A2G9およびH9E3は
ともにIgG1であり、抗体G10D1 はIgG2a であった。ま
た、いずれの抗体もライトチェインはκ鎖であった。
【0025】
【表4】 TCF-IIのみを認識し、HGF を全く認識しない本発明の抗体およびTCF-IIとHGF を等しく認識する抗体のクラスおよびサブクラス分析 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ モノクローナル抗体名 IgG1 IgG2a IgG2b IgG3 IgA IgM κ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ A2G9 + − − − − − + ───────────────────────────── A H9E3 + − − − − − + ───────────────────────────── G10D1 − + − − − − + ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3P2D6 + − − − − − + B ───────────────────────────── 4B4A2 + − − − − − + ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ A: TCF-IIのみを認識し、HGF を全く認識しない本発明
による抗体。 B: TCF-IIとHGF を等しく認識する抗体。
による抗体。 B: TCF-IIとHGF を等しく認識する抗体。
【0026】
【実施例6】TCF-IIのみを認識し、HGF を全く認識しない本発明のモ
ノクローナル抗体を使用したサンドイッチELISA の特異
性 実施例4で得られたTCF-IIにのみ反応し、HGF には全く
反応しない本発明の抗TCF-II抗体、A2G9,H9E3
およびG10D1をそれぞれ固相抗体として用い、TCF-
IIとHGF を等しく認識する抗体、3P2D6を酵素標識
抗体とした組合せによりサンドイッチELISA を構築し
た。また、対照としてTCF-IIとHGF に等しく反応する抗
体の代表として、4B4A2を固相抗体とし、3P2D
6を酵素標識抗体とした組合せによるサンドイッチELIS
A を構築し、それぞれの特異性を調べた。3P2D6の
酵素標識は、石川らの方法(Ishikawa, E. et al. J. Im
munoassay, vol. 4, 209-327, 1983) に従いパーオキシ
ダーゼ標識した。固相抗体として用いる抗体は10μg/ml
の濃度になるように0.1 M NaHCO3に溶解し、96ウエルイ
ムノプレート(Nunc 社製) に各ウエル当たり100 μl 分
注し、室温で一晩放置した。次いでプレートの各ウエル
に50% ブロックエース(雪印乳業製) 200 μlを加え、
室温で一時間放置し、ブロッキングを行った。引き続き
各ウエルを洗浄バッファー(0.1% Tween 20を含むPBS)で
3 回洗浄した。
ノクローナル抗体を使用したサンドイッチELISA の特異
性 実施例4で得られたTCF-IIにのみ反応し、HGF には全く
反応しない本発明の抗TCF-II抗体、A2G9,H9E3
およびG10D1をそれぞれ固相抗体として用い、TCF-
IIとHGF を等しく認識する抗体、3P2D6を酵素標識
抗体とした組合せによりサンドイッチELISA を構築し
た。また、対照としてTCF-IIとHGF に等しく反応する抗
体の代表として、4B4A2を固相抗体とし、3P2D
6を酵素標識抗体とした組合せによるサンドイッチELIS
A を構築し、それぞれの特異性を調べた。3P2D6の
酵素標識は、石川らの方法(Ishikawa, E. et al. J. Im
munoassay, vol. 4, 209-327, 1983) に従いパーオキシ
ダーゼ標識した。固相抗体として用いる抗体は10μg/ml
の濃度になるように0.1 M NaHCO3に溶解し、96ウエルイ
ムノプレート(Nunc 社製) に各ウエル当たり100 μl 分
注し、室温で一晩放置した。次いでプレートの各ウエル
に50% ブロックエース(雪印乳業製) 200 μlを加え、
室温で一時間放置し、ブロッキングを行った。引き続き
各ウエルを洗浄バッファー(0.1% Tween 20を含むPBS)で
3 回洗浄した。
【0027】精製TCF-IIあるいはHGF を一次反応用バッ
ファー(40%ブロックエース、0.1% Tween 20 を含む0.2
M Tris-HClバッファー、pH 7.4) で段階的に希釈し、測
定用サンプル(0 〜200 μg TCF-IIまたはHGF/ ml)を調
製した。各サンプル100 μlを各ウエルに添加し、37℃
で3 時間放置した後、洗浄バッファーで3 回洗浄し、二
次反応用バッファー(25% ブロックエースおよび0.1% T
ween 20 を含む0.1 MTris-HClバッファー, pH 7.4) で2
500に希釈したPOD 標識3P2D6抗体を100μlずつ各
ウエルに添加した。37℃で2 時間放置し、次いで洗浄バ
ッファーで3回洗浄後、酵素基質溶液(0.4 mg/mlのオル
トフェニレンジアミン塩酸、0.006%過酸化水素を含む0.
1 M クエン酸- リン酸バッファー, pH 4.5) を各ウエル
に100 μlずつ分注した。37℃で30分間暗室に放置した
後、6 N 硫酸を50μl ずつ各ウエルに加えて酵素反応を
止め、各ウエルの492 nmの吸光度(OD) をイムノリーダ
ー(コロナ社製) で測定した。
ファー(40%ブロックエース、0.1% Tween 20 を含む0.2
M Tris-HClバッファー、pH 7.4) で段階的に希釈し、測
定用サンプル(0 〜200 μg TCF-IIまたはHGF/ ml)を調
製した。各サンプル100 μlを各ウエルに添加し、37℃
で3 時間放置した後、洗浄バッファーで3 回洗浄し、二
次反応用バッファー(25% ブロックエースおよび0.1% T
ween 20 を含む0.1 MTris-HClバッファー, pH 7.4) で2
500に希釈したPOD 標識3P2D6抗体を100μlずつ各
ウエルに添加した。37℃で2 時間放置し、次いで洗浄バ
ッファーで3回洗浄後、酵素基質溶液(0.4 mg/mlのオル
トフェニレンジアミン塩酸、0.006%過酸化水素を含む0.
1 M クエン酸- リン酸バッファー, pH 4.5) を各ウエル
に100 μlずつ分注した。37℃で30分間暗室に放置した
後、6 N 硫酸を50μl ずつ各ウエルに加えて酵素反応を
止め、各ウエルの492 nmの吸光度(OD) をイムノリーダ
ー(コロナ社製) で測定した。
【0028】各抗体の組合せによるTCF-IIおよびHGF の
測定結果を図1〜4に示した。(図-4) は対照としてTC
F-IIとHGF を等しく認識する抗体、4B4A2を固相抗
体とし、同様に両抗原を等しく認識するPOD 標識抗体3
P2D6としたときのサンドイッチELISA の結果であ
り、TCF-IIとHGF の検量線は完全に一致したが、TCF-II
にのみに反応する本発明の抗体、A2G9(図 1) 、H
9E3(図 2) およびG10D1(図 3) をそれぞれ固
相抗体とし、TCF-IIとHGF を等しく認識する3P2D6
をPOD 標識抗体としたサンドイッチELISA では、いずれ
の場合もTCF-IIの検量線のみが得られTCF-IIだけが定量
可能であるが、HGF に対しては200 ng/mlの高濃度でも
反応せず、そのOD 492 nm はバックグランドと等しかっ
た。これらの結果から、本発明の抗TCF-II抗体を固相抗
体とし、TCF-IIおよびHGF を等しく認識する抗体をPOD
標識抗体として構築したサンドイッチELISA はTCF-IIに
特異的であることが証明された。以下の実施例は実施例
5でのサンドイッチELISA の組合せの内、TCF-IIのみを
特異的に測定できる抗体の組合せの代表として、固相抗
体、H9E3と標識抗体、3P2D6のセットを、また
TCF-IIとHGF を等しく測定できる抗体の組合せとして、
固相抗体、4B4A2と標識抗体、3P2D6のセット
を用いて行った。
測定結果を図1〜4に示した。(図-4) は対照としてTC
F-IIとHGF を等しく認識する抗体、4B4A2を固相抗
体とし、同様に両抗原を等しく認識するPOD 標識抗体3
P2D6としたときのサンドイッチELISA の結果であ
り、TCF-IIとHGF の検量線は完全に一致したが、TCF-II
にのみに反応する本発明の抗体、A2G9(図 1) 、H
9E3(図 2) およびG10D1(図 3) をそれぞれ固
相抗体とし、TCF-IIとHGF を等しく認識する3P2D6
をPOD 標識抗体としたサンドイッチELISA では、いずれ
の場合もTCF-IIの検量線のみが得られTCF-IIだけが定量
可能であるが、HGF に対しては200 ng/mlの高濃度でも
反応せず、そのOD 492 nm はバックグランドと等しかっ
た。これらの結果から、本発明の抗TCF-II抗体を固相抗
体とし、TCF-IIおよびHGF を等しく認識する抗体をPOD
標識抗体として構築したサンドイッチELISA はTCF-IIに
特異的であることが証明された。以下の実施例は実施例
5でのサンドイッチELISA の組合せの内、TCF-IIのみを
特異的に測定できる抗体の組合せの代表として、固相抗
体、H9E3と標識抗体、3P2D6のセットを、また
TCF-IIとHGF を等しく測定できる抗体の組合せとして、
固相抗体、4B4A2と標識抗体、3P2D6のセット
を用いて行った。
【0029】
【実施例7】ヒト血清中でのTCF-IIとHGF の分別定量 ヒト正常人血清の中で、4B4A2と3P2D6の組み
合わせによるELISA で抗原含量(TCF-II +HGF)が検出限
界以下の血清を選び、その血清に既知量のTCF-IIおよび
HGF を種々の組合せで添加し、H9E3と3P2D6の
組み合わせによるサンドイッチELISA により実際のヒト
血清中からHGF の存在に影響されることなくTCF-IIのみ
を定量的に回収できるかどうか、更に4B4A2と3P
2D6の組み合わせによるELISA を併用することによ
り、HGF も同時に定量可能かどうか試験した。即ち、実
施例 1で得た精製TCF-IIおよびHGF を種々の濃度で混合
添加したヒト血清から、H9E3と3P2D6の組み合
わせによるサンドイッチELISA (a) によりTCF-IIのみが
定量的に回収されるかどうか、また4B4A2と3P2
D6の組み合わせによるサンドイッチELISA (b) により
TCF-IIとHGF の総抗原量の回収と回収された総抗原量か
らTCF-II抗原量を差し引くことによりHGF 含量の測定が
可能かどうか試験した。H9E3(10μg/ml 0.1 M NaH
CO3)および4B4A2(10μg/ml 0.1 M NaHCO3)をそれ
ぞれ固相抗体として用い、実施例 5と同様に96- ウエル
イムノプレートにそれぞれを固相化した。各々のプレー
トは同様にブロックエースでブロックした後、洗浄バッ
ファーで3 回洗浄した。
合わせによるELISA で抗原含量(TCF-II +HGF)が検出限
界以下の血清を選び、その血清に既知量のTCF-IIおよび
HGF を種々の組合せで添加し、H9E3と3P2D6の
組み合わせによるサンドイッチELISA により実際のヒト
血清中からHGF の存在に影響されることなくTCF-IIのみ
を定量的に回収できるかどうか、更に4B4A2と3P
2D6の組み合わせによるELISA を併用することによ
り、HGF も同時に定量可能かどうか試験した。即ち、実
施例 1で得た精製TCF-IIおよびHGF を種々の濃度で混合
添加したヒト血清から、H9E3と3P2D6の組み合
わせによるサンドイッチELISA (a) によりTCF-IIのみが
定量的に回収されるかどうか、また4B4A2と3P2
D6の組み合わせによるサンドイッチELISA (b) により
TCF-IIとHGF の総抗原量の回収と回収された総抗原量か
らTCF-II抗原量を差し引くことによりHGF 含量の測定が
可能かどうか試験した。H9E3(10μg/ml 0.1 M NaH
CO3)および4B4A2(10μg/ml 0.1 M NaHCO3)をそれ
ぞれ固相抗体として用い、実施例 5と同様に96- ウエル
イムノプレートにそれぞれを固相化した。各々のプレー
トは同様にブロックエースでブロックした後、洗浄バッ
ファーで3 回洗浄した。
【0030】検量線の作成はTCF-IIを抗原として用い、
TCF-IIを希釈バッファー(50% ブロックエース、0.1% T
ween 20 を含むPBS, pH 7.3)で希釈し、一連の濃度系列
(0- 100 ng/ml)を作製した。H9E3あるいは4B4
A2を固相化した各ウエルに一次反応バッファー(50%
ブロックエース、 0.2 M NaCl 、 0.1% Tween 20、2%CH
APS, 20 mM ベンザミジン塩酸塩、10 mM EDTAを含む0.1
M トリス- 塩酸バッファー, pH 7.3) 50μl を加え、
次いで、上記の様に調製した各濃度のTCF-II 50 μl ず
つを各ウェルに加え良く混和し、37℃で3 時間保持後、
3回洗浄した。次いで、POD 標識した3P2D6抗体を
2 次反応バッファー(10%ブロックエース、0.15 M NaCl
、0.1% Tween 20 、4%ラット血清、500 μg/mlマウスI
gG を含む0.1 M リン酸バッファー, pH 7.0) で500 倍
希釈し、その100 μl ずつを各ウエルに添加し、37℃で
2 時間保持した。各ウエルを洗浄バッファーで3 回洗浄
した後、100 μl の基質溶液(0.4 mg/ml オルトフェニ
レンジアミン塩酸、0.006%過酸化水素を含む0.1 M クエ
ン酸- リン酸バッファー, pH 4.5) を各ウエルに添加
し、37℃で30分間反応させた。H9E3と3P2D6の
組合せによるTCF-II特異的ELISA (a) および4B4A2
と3P2D6の組合せによるTCF-IIとHGF を等しく認識
するELISA (b) による検量線は抗原量(TCF-II) として
0.1-50 ng/mlの範囲で直線性を示した。
TCF-IIを希釈バッファー(50% ブロックエース、0.1% T
ween 20 を含むPBS, pH 7.3)で希釈し、一連の濃度系列
(0- 100 ng/ml)を作製した。H9E3あるいは4B4
A2を固相化した各ウエルに一次反応バッファー(50%
ブロックエース、 0.2 M NaCl 、 0.1% Tween 20、2%CH
APS, 20 mM ベンザミジン塩酸塩、10 mM EDTAを含む0.1
M トリス- 塩酸バッファー, pH 7.3) 50μl を加え、
次いで、上記の様に調製した各濃度のTCF-II 50 μl ず
つを各ウェルに加え良く混和し、37℃で3 時間保持後、
3回洗浄した。次いで、POD 標識した3P2D6抗体を
2 次反応バッファー(10%ブロックエース、0.15 M NaCl
、0.1% Tween 20 、4%ラット血清、500 μg/mlマウスI
gG を含む0.1 M リン酸バッファー, pH 7.0) で500 倍
希釈し、その100 μl ずつを各ウエルに添加し、37℃で
2 時間保持した。各ウエルを洗浄バッファーで3 回洗浄
した後、100 μl の基質溶液(0.4 mg/ml オルトフェニ
レンジアミン塩酸、0.006%過酸化水素を含む0.1 M クエ
ン酸- リン酸バッファー, pH 4.5) を各ウエルに添加
し、37℃で30分間反応させた。H9E3と3P2D6の
組合せによるTCF-II特異的ELISA (a) および4B4A2
と3P2D6の組合せによるTCF-IIとHGF を等しく認識
するELISA (b) による検量線は抗原量(TCF-II) として
0.1-50 ng/mlの範囲で直線性を示した。
【0031】上記ELISA においてTCF-II標準液に変え
て、各種既知濃度のTCF-IIおよびHGFを組合せ添加した
ヒト血清試料を加えて同様に操作を行い、TCF-II抗原量
および抗原総量(TCF-II + HGF) の回収を行った。その
結果を下記表5 に示した。本発明の抗TCF-II抗体を固相
抗体、TCF-IIとHGF を等しく認識する抗体を酵素標識抗
体としたELISA を用いることにより、HGF の混在割合に
全く影響されずにTCF-IIのみを測定することが可能であ
ることが判明した。また、TCF-IIとHGF を等しく認識す
る抗体を固相抗体および酵素標識抗体としたELISA を併
用することによって総抗原量が測定でき、その総抗原量
からTCF-II量を差引きすることにより、HGF 量も測定可
能であることがわかった。
て、各種既知濃度のTCF-IIおよびHGFを組合せ添加した
ヒト血清試料を加えて同様に操作を行い、TCF-II抗原量
および抗原総量(TCF-II + HGF) の回収を行った。その
結果を下記表5 に示した。本発明の抗TCF-II抗体を固相
抗体、TCF-IIとHGF を等しく認識する抗体を酵素標識抗
体としたELISA を用いることにより、HGF の混在割合に
全く影響されずにTCF-IIのみを測定することが可能であ
ることが判明した。また、TCF-IIとHGF を等しく認識す
る抗体を固相抗体および酵素標識抗体としたELISA を併
用することによって総抗原量が測定でき、その総抗原量
からTCF-II量を差引きすることにより、HGF 量も測定可
能であることがわかった。
【0032】
【表5】
【0033】
【実施例8】TCF-IIおよびHGF を含む細胞培養液からのTCF-IIの分別
精製 本発明のモノクローナル抗体、G10D1を用いたイム
ノアブソーベントアフィニティークロマトグラフィーに
より実施例 1で得たTCF-IIを含む培養液(5μg/ml) 1 l
とHGF を含む培養液(4μg/ml) 1 lを混合して得られた
TCF-IIとHGF の両者を含む培養液2 l からのTCF-IIの分
別精製を試みた。G10D1の固定化担体の調製は、ア
フィゲル10(バイオラッド社製)を担体として用い、
添付マニユアルに従ってG10D1を4 mg/ml ゲルにな
るように固定化した。
精製 本発明のモノクローナル抗体、G10D1を用いたイム
ノアブソーベントアフィニティークロマトグラフィーに
より実施例 1で得たTCF-IIを含む培養液(5μg/ml) 1 l
とHGF を含む培養液(4μg/ml) 1 lを混合して得られた
TCF-IIとHGF の両者を含む培養液2 l からのTCF-IIの分
別精製を試みた。G10D1の固定化担体の調製は、ア
フィゲル10(バイオラッド社製)を担体として用い、
添付マニユアルに従ってG10D1を4 mg/ml ゲルにな
るように固定化した。
【0034】混合細胞培養液 2lにG10D1固定化ゲ
ル 15 mlを加え、4 ℃で一夜攪拌しTCF-IIをゲルに吸着
させた。培養液をブフナー濾過器で濾過し、ゲルを集め
てカラム(2×10 cm)に詰め、PBS で充分洗浄して後、0.
1 M グリシン-HClバッファー、pH 2.5 - 3.0でTCF-IIを
カラムから溶出した。溶出液のpHを即座に中和するた
め、溶出液を1 M Tris-HClバッファー、pH 8.5の入った
試験管に受けた。溶出液30 ml中のTCF-II量を実施例 6
のTCF-II特異的ELISA および TCF-II とHGF を等しく認
識するELISA を用いて測定した。その結果、両ELISA で
共に約 4.6mgのTCF-IIが得られた。抗体固定ゲル処理後
の培養液について同様にELISA で抗原量を測定した結
果、TCF-II特異的ELISA ではほとんど抗原量は検出され
なかったが、TCF-IIとHGF を等しく認識するELISA では
約2μg/mlの抗原量(HGF量) が検出された。本発明の抗
体をイムノアブソーベントアフィニティークロマトグラ
フィー用抗体として使用することにより、HGF の混在に
影響されずにTCF-IIのみを特異的に、かつ高収率(約 9
2%) で精製することが可能であった。
ル 15 mlを加え、4 ℃で一夜攪拌しTCF-IIをゲルに吸着
させた。培養液をブフナー濾過器で濾過し、ゲルを集め
てカラム(2×10 cm)に詰め、PBS で充分洗浄して後、0.
1 M グリシン-HClバッファー、pH 2.5 - 3.0でTCF-IIを
カラムから溶出した。溶出液のpHを即座に中和するた
め、溶出液を1 M Tris-HClバッファー、pH 8.5の入った
試験管に受けた。溶出液30 ml中のTCF-II量を実施例 6
のTCF-II特異的ELISA および TCF-II とHGF を等しく認
識するELISA を用いて測定した。その結果、両ELISA で
共に約 4.6mgのTCF-IIが得られた。抗体固定ゲル処理後
の培養液について同様にELISA で抗原量を測定した結
果、TCF-II特異的ELISA ではほとんど抗原量は検出され
なかったが、TCF-IIとHGF を等しく認識するELISA では
約2μg/mlの抗原量(HGF量) が検出された。本発明の抗
体をイムノアブソーベントアフィニティークロマトグラ
フィー用抗体として使用することにより、HGF の混在に
影響されずにTCF-IIのみを特異的に、かつ高収率(約 9
2%) で精製することが可能であった。
【0035】
【発明の効果】本発明の実施により、TCF-IIに対しての
み親和性を有し、HGF には全く反応しない新規モノクロ
ーナル抗体が提供される。またこの新規抗体を用いたHG
F の混在下におけるTCF-IIの分別精製法および分別測定
方法が提供される。
み親和性を有し、HGF には全く反応しない新規モノクロ
ーナル抗体が提供される。またこの新規抗体を用いたHG
F の混在下におけるTCF-IIの分別精製法および分別測定
方法が提供される。
【0036】
配列番号:1 配列の長さ:723 配列の型:アミノ酸 配列の種類:タンパク質 配列 Met Trp Val Thr Lys Leu Leu Pro Ala Leu Leu Leu Gln His Val Leu 1 5 10 15 Leu His Leu Leu Leu Leu Pro Ile Ala Ile Pro Tyr Ala Glu Gly Gln 20 25 30 Arg Lys Arg Arg Asn Thr Ile His Glu Phe Lys Lys Ser Ala Lys Thr 35 40 45 Thr Leu Ile Lys Ile Asp Pro Ala Leu Lys Ile Lys Thr Lys Lys Val 50 55 60 Asn Thr Ala Asp Gln Cys Ala Asn Arg Cys Thr Arg Asn Lys Gly Leu 65 70 75 80 Pro Phe Thr Cys Lys Ala Phe Val Phe Asp Lys Ala Arg Lys Gln Cys 85 90 95 Leu Trp Phe Pro Phe Asn Ser Met Ser Ser Gly Val Lys Lys Glu Phe 100 105 110 Gly His Glu Phe Asp Leu Tyr Glu Asn Lys Asp Tyr Ile Arg Asn Cys 115 120 125 Ile Ile Gly Lys Gly Arg Ser Tyr Lys Gly Thr Val Ser Ile Thr Lys 130 135 140 Ser Gly Ile Lys Cys Gln Pro Trp Ser Ser Met Ile Pro His Glu His 145 150 155 160 Ser Tyr Arg Gly Lys Asp Leu Gln Glu Asn Tyr Cys Arg Asn Pro Arg 165 170 175 Gly Glu Glu Gly Gly Pro Trp Cys Phe Thr Ser Asn Pro Glu Val Arg 180 185 190 Tyr Glu Val Cys Asp Ile Pro Gln Cys Ser Glu Val Glu Cys Met Thr 195 200 205 Cys Asn Gly Glu Ser Tyr Arg Gly Leu Met Asp His Thr Glu Ser Gly 210 215 220 Lys Ile Cys Gln Arg Trp Asp His Gln Thr Pro His Arg His Lys Phe 225 230 235 240 Leu Pro Glu Arg Tyr Pro Asp Lys Gly Phe Asp Asp Asn Tyr Cys Arg 245 250 255 Asn Pro Asp Gly Gln Pro Arg Pro Trp Cys Tyr Thr Leu Asp Pro His 260 265 270 Thr Arg Trp Glu Tyr Cys Ala Ile Lys Thr Cys Ala Asp Asn Thr Met 275 280 285 Asn Asp Thr Asp Val Pro Leu Glu Thr Thr Glu Cys Ile Gln Gly Gln 290 295 300 Gly Glu Gly Tyr Arg Gly Thr Val Asn Thr Ile Trp Asn Gly Ile Pro 305 310 315 320 Cys Gln Arg Trp Asp Ser Gln Tyr Pro His Glu His Asp Met Thr Pro 325 330 335 Glu Asn Phe Lys Cys Lys Asp Leu Arg Glu Asn Tyr Cys Arg Asn Pro 340 345 350 Asp Gly Ser Glu Ser Pro Trp Cys Phe Thr Thr Asp Pro Asn Ile Arg 355 360 365 Val Gly Tyr Cys Ser Gln Ile Pro Asn Cys Asp Met Ser His Gly Gln 370 375 380 Asp Cys Tyr Arg Gly Asn Gly Lys Asn Tyr Met Gly Asn Leu Ser Gln 385 390 395 400 Thr Arg Ser Gly Leu Thr Cys Ser Met Trp Asp Lys Asn Met Glu Asp 405 410 415 Leu His Arg His Ile Phe Trp Glu Pro Asp Ala Ser Lys Leu Asn Glu 420 425 430 Asn Tyr Cys Arg Asn Pro Asp Asp Asp Ala His Gly Pro Trp Cys Tyr 435 440 445 Thr Gly Asn Pro Leu Ile Pro Trp Asp Tyr Cys Pro Ile Ser Arg Cys 450 455 460 Glu Gly Asp Thr Thr Pro Thr Ile Val Asn Leu Asp His Pro Val Ile 465 470 475 480 Ser Cys Ala Lys Thr Lys Gln Leu Arg Val Val Asn Gly Ile Pro Thr 485 490 495 Arg Thr Asn Ile Gly Trp Met Val Ser Leu Arg Tyr Arg Asn Lys His 500 505 510 Ile Cys Gly Gly Ser Leu Ile Lys Glu Ser Trp Val Leu Thr Ala Arg 515 520 525 Gln Cys Phe Pro Ser Arg Asp Leu Lys Asp Tyr Glu Ala Trp Leu Gly 530 535 540 Ile His Asp Val His Gly Arg Gly Asp Glu Lys Cys Lys Gln Val Leu 545 550 555 560 Asn Val Ser Gln Leu Val Tyr Gly Pro Glu Gly Ser Asp Leu Val Leu 565 570 575 Met Lys Leu Ala Arg Pro Ala Val Leu Asp Asp Phe Val Ser Thr Ile 580 585 590 Asp Leu Pro Asn Tyr Gly Cys Thr Ile Pro Glu Lys Thr Ser Cys Ser 595 600 605 Val Tyr Gly Trp Gly Tyr Thr Gly Leu Ile Asn Tyr Asp Gly Leu Leu 610 615 620 Arg Val Ala His Leu Tyr Ile Met Gly Asn Glu Lys Cys Ser Gln His 625 630 635 640 His Arg Gly Lys Val Thr Leu Asn Glu Ser Glu Ile Cys Ala Gly Ala 645 650 655 Glu Lys Ile Gly Ser Gly Pro Cys Glu Gly Asp Tyr Gly Gly Pro Leu 660 665 670 Val Cys Glu Gln His Lys Met Arg Met Val Leu Gly Val Ile Val Pro 675 680 685 Gly Arg Gly Cys Ala Ile Pro Asn Arg Pro Gly Ile Phe Val Arg Val 690 695 700 Ala Tyr Tyr Ala Lys Trp Ile His Lys Ile Ile Leu Thr Tyr Lys Val 705 710 715 720 Pro Gln Ser
【図1】実施例6の抗体A2G5とPOD標識した3P
2D6の組み合わせによるTCF-IIとHGFの検量線を示
す。
2D6の組み合わせによるTCF-IIとHGFの検量線を示
す。
【図2】実施例6の抗体H9E3とPOD標識した3P
2D6の組み合わせによるTCF-IIとHGFの検量線を示
す。
2D6の組み合わせによるTCF-IIとHGFの検量線を示
す。
【図3】実施例6の抗体G10D1とPOD標識した3
P2D6の組み合わせによるTCF-IIとHGFの検量線を
示す。
P2D6の組み合わせによるTCF-IIとHGFの検量線を
示す。
【図4】実施例6の抗体4B4A2とPOD標識した3
P2D6の組み合わせによるTCF-IIとHGFの検量線を
示す(対照)。
P2D6の組み合わせによるTCF-IIとHGFの検量線を
示す(対照)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/08 9161−4B // A61K 39/395 T
Claims (5)
- 【請求項 1】 ヒトTCF-IIに親和性を示し、ヒトHGF
に親和性を示さないモノクローナル抗体。 - 【請求項2】 TCF-IIのみに反応し、HGFには全く反
応しない抗TCF-II抗体を産生するハイブリドーマの培養
液から得ることができ、次の性質を示す請求項1記載の
モノクローナル抗体。 分子量約150,000 サブクラス IgG1 または IgG2 ライトチェイン κ鎖 - 【請求項3】 工業技術院生命工学工業技術研究所受託
番号FERM P-14130、FERM P-14131またはFERM P-14132で
あるTCF-IIのみに反応し、HGF には全く反応しない抗TC
F-II抗体産生ハイブリドーマ。 - 【請求項4】 TCF-IIを請求項1または2記載の抗体を
用いて、HGFの存在に影響されずに分別測定すること
を特徴とするTCF-IIの測定方法 - 【請求項5】 TCF-IIを請求項1または2記載の抗体を
用いて、HGFの存在に影響されずに分別精製すること
を特徴とするTCF-IIの精製法。
Priority Applications (11)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6074263A JPH07258298A (ja) | 1994-03-18 | 1994-03-18 | モノクローナル抗体 |
ZA952125A ZA952125B (en) | 1994-03-18 | 1995-03-15 | Monoclonal antibody |
US08/404,643 US5658742A (en) | 1994-03-18 | 1995-03-15 | Monoclonal antibody |
EP95301800A EP0672685B1 (en) | 1994-03-18 | 1995-03-17 | Monoclonal antibody specific for tumour cytotoxic factor II (TCF-II) |
DK95301800T DK0672685T3 (da) | 1994-03-18 | 1995-03-17 | Monoklonalt antistof specifik for tumor cytotoxisk faktor (TCF-11) |
ES95301800T ES2182867T3 (es) | 1994-03-18 | 1995-03-17 | Anticuerpo monoclonal contra el factor citotoxico tumoral ii (tcf-ii). |
NZ270743A NZ270743A (en) | 1994-03-18 | 1995-03-17 | Monoclonal antibody with affinity for tcf-ii, its production and use |
AT95301800T ATE222927T1 (de) | 1994-03-18 | 1995-03-17 | Monoklonaler antikörper gegen den tumorzytotoxischen faktor ii (tcf-ii) |
AU14939/95A AU684132B2 (en) | 1994-03-18 | 1995-03-17 | Monoclonal antibody |
DE69527868T DE69527868T2 (de) | 1994-03-18 | 1995-03-17 | Monoklonaler Antikörper gegen den tumorzytotoxischen Faktor II (TCF-II) |
CA002145005A CA2145005C (en) | 1994-03-18 | 1995-03-20 | Monoclonal antibodies specific for tcf-ii |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6074263A JPH07258298A (ja) | 1994-03-18 | 1994-03-18 | モノクローナル抗体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07258298A true JPH07258298A (ja) | 1995-10-09 |
Family
ID=13542077
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6074263A Pending JPH07258298A (ja) | 1994-03-18 | 1994-03-18 | モノクローナル抗体 |
Country Status (11)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5658742A (ja) |
EP (1) | EP0672685B1 (ja) |
JP (1) | JPH07258298A (ja) |
AT (1) | ATE222927T1 (ja) |
AU (1) | AU684132B2 (ja) |
CA (1) | CA2145005C (ja) |
DE (1) | DE69527868T2 (ja) |
DK (1) | DK0672685T3 (ja) |
ES (1) | ES2182867T3 (ja) |
NZ (1) | NZ270743A (ja) |
ZA (1) | ZA952125B (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003047470A (ja) * | 2001-08-01 | 2003-02-18 | Asahi Kasei Corp | 新規な抗体及びその用途 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5821223A (en) * | 1990-09-14 | 1998-10-13 | The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services | Method of stimulating cell growth with a novel broad spectrum human lung fibroblast-derived mitogen |
JP4006058B2 (ja) * | 1997-03-11 | 2007-11-14 | 第一三共株式会社 | 多臓器不全予防及び/又は治療剤 |
EP0950416B1 (en) * | 1997-03-14 | 2006-11-02 | Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. | Use of TCF-II for the treatment of cancer related body weight loss, anaemia and TNF elevation |
US6548296B1 (en) * | 1997-07-23 | 2003-04-15 | Roche Diagnostics Gmbh | Methods for identifying human cell lines useful for endogenous gene activation, isolated human lines identified thereby, and uses thereof |
EP2025342B1 (en) * | 2006-04-20 | 2017-07-05 | Osaka University | Therapeutic agent or development inhibitor of polyglutamine disease |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0597A (ja) * | 1991-06-21 | 1993-01-08 | Snow Brand Milk Prod Co Ltd | 新規抗tcf−iiモノクローナル抗体及びそれを用いるtcf−iiの測定方法 |
-
1994
- 1994-03-18 JP JP6074263A patent/JPH07258298A/ja active Pending
-
1995
- 1995-03-15 ZA ZA952125A patent/ZA952125B/xx unknown
- 1995-03-15 US US08/404,643 patent/US5658742A/en not_active Expired - Lifetime
- 1995-03-17 DE DE69527868T patent/DE69527868T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1995-03-17 NZ NZ270743A patent/NZ270743A/en not_active IP Right Cessation
- 1995-03-17 ES ES95301800T patent/ES2182867T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1995-03-17 AT AT95301800T patent/ATE222927T1/de not_active IP Right Cessation
- 1995-03-17 DK DK95301800T patent/DK0672685T3/da active
- 1995-03-17 EP EP95301800A patent/EP0672685B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1995-03-17 AU AU14939/95A patent/AU684132B2/en not_active Ceased
- 1995-03-20 CA CA002145005A patent/CA2145005C/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003047470A (ja) * | 2001-08-01 | 2003-02-18 | Asahi Kasei Corp | 新規な抗体及びその用途 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
AU1493995A (en) | 1995-09-28 |
EP0672685A3 (en) | 1997-01-15 |
NZ270743A (en) | 1996-06-25 |
AU684132B2 (en) | 1997-12-04 |
US5658742A (en) | 1997-08-19 |
CA2145005C (en) | 2005-06-21 |
DE69527868D1 (de) | 2002-10-02 |
DE69527868T2 (de) | 2003-05-08 |
DK0672685T3 (da) | 2003-01-06 |
EP0672685A2 (en) | 1995-09-20 |
ZA952125B (en) | 1995-12-14 |
CA2145005A1 (en) | 1995-09-19 |
ATE222927T1 (de) | 2002-09-15 |
EP0672685B1 (en) | 2002-08-28 |
ES2182867T3 (es) | 2003-03-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0288088B1 (en) | Detection of tumor necrosis factor; monoclonal antibody and kit | |
AU2002332290B2 (en) | Recombinant anti-osteopontin antibody and use thereof | |
JPH05184384A (ja) | hBNPのC端を認識するモノクロ−ナル抗体 | |
JPH07258298A (ja) | モノクローナル抗体 | |
US6033863A (en) | Monoclonal antibodies for selective immunological determination of high molecular weight, intact laminin forms in body fluids | |
EP0519728A2 (en) | Anti-TCF-II monoclonal antibodies and method for the measurement of TCF-II by applying the antibodies | |
JP2724315B2 (ja) | α−ANPを認識するモノクローナル抗体およびα−ANPの免疫学的測定法 | |
EP0350218B1 (en) | Monoclonal antibodies recognizing gamma atrial natriuretic polypeptide, hybridomas producing such antibodies, and their preparation and use | |
JP3076640B2 (ja) | ヒト92kDaゼラチナーゼの免疫学的定量法 | |
JPH0667319B2 (ja) | Anpのc端側を認識するモノクローナル抗体 | |
IE63371B1 (en) | Monoclonal antibodies for the selective immunological determination of intact procollagen peptide (Type III) and procollagen (Type III) in body fluids | |
JPH021553A (ja) | ヒトiv型コラーゲンのサンドイッチ酵素免疫学的定量法 | |
JPH0949836A (ja) | 抗体による蛋白質構造の評価方法 | |
JP3232415B2 (ja) | モノクローナル抗体,その製造法および用途 | |
JPH0698794A (ja) | ヒトガストリン放出ペプチド前駆体に対する抗体及びその使用 | |
JPH067193A (ja) | モノクローナル抗体 | |
JP3107248B2 (ja) | 抗体および免疫化学的測定法 | |
JP3472664B2 (ja) | 抗繊維芽細胞増殖因子5モノクローナル抗体 | |
JP3522877B2 (ja) | 抗チロシナーゼモノクローナル抗体F(ab’)2フラグメント | |
JP3167024B2 (ja) | エンドセリン―3あるいはエンドセリン―3前駆体に対するモノクローナル抗体およびその用途 | |
JPH09121888A (ja) | モノクローナル抗体 | |
JP3194762B2 (ja) | モノクローナル抗体、その製造法および用途 | |
JPH05168494A (ja) | ハイブリッド・モノクローナル抗体および抗体含有薬剤 | |
JPH04262792A (ja) | 蛋白質の精製法 | |
JPH05244990A (ja) | ラットil−1抗体及びラットil−1の測定法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20031222 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040126 |