[go: up one dir, main page]

JPH067193A - モノクローナル抗体 - Google Patents

モノクローナル抗体

Info

Publication number
JPH067193A
JPH067193A JP33956091A JP33956091A JPH067193A JP H067193 A JPH067193 A JP H067193A JP 33956091 A JP33956091 A JP 33956091A JP 33956091 A JP33956091 A JP 33956091A JP H067193 A JPH067193 A JP H067193A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laci
monoclonal antibody
human
antibody
binds
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33956091A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukiya Koike
行也 小池
Koji Suzuki
宏治 鈴木
Yataro Ichikawa
弥太郎 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP33956091A priority Critical patent/JPH067193A/ja
Priority to EP92118497A priority patent/EP0539975A1/en
Priority to US07/969,368 priority patent/US5369038A/en
Priority to CA002081878A priority patent/CA2081878A1/en
Publication of JPH067193A publication Critical patent/JPH067193A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リポプロテイン結合性凝固系インヒビター
(LACI)の特定部位を認識するモノクローナル抗体
の提供。 【構成】下記アミノ酸配列 で表わされるポリペプチドを認識するモノクローナル抗
体、それを用いたLACIの精製法及びLACI含量の
測定法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液凝固インヒビター
の特定部位に結合するモノクローナル抗体に関するもの
である。さらに詳しくは、組織因子インヒビター(Tiss
ue Factor Inhibitor : TFI)、リポプロテイン結合
性凝固系インヒビター(LipoproteinAssociated Coagul
ation Inhibitor:LACI)あるいは組織因子経路イ
ンヒビター(Tissue Factor Pathway Inhibitor :TF
PI)の特定部位に結合するモノクローナル抗体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】外因系血液凝固は、血液が組織トロンボ
プラスチン(以下、組織因子あるいはTFと呼ぶ)に接
触することによって開始される。組織因子(TF)は、
膜タンパク質であって、特に脳及び肺に多量に存在す
る。TFと接触するとVII 因子またはその活性型VII a
因子がTFと複合体を形成し、ついで蛋白分解的にX因
子がXa因子に活性化される。
【0003】TFによって開始する外因系血液凝固の調
節に関するこれまでの研究で、TFを血清とともにイン
キュベーションするとそのin vitroでの活性が
抑制されることが明らかにされている。この因子の少く
とも1つは組織因子インヒビター(TFI)あるいはリ
ポプロテイン結合性凝固系インヒビター(LACI)と
定義されるものである。
【0004】Broze らによれば、Hep G2細胞(ヒト
ヘパトーマ セルライン)が、血清(血漿)中に存在す
るTFIと同様の特性を有する抑制成分を分泌すること
が示されている(Broze et al; Blood,69,150-155 (1
987))。またLACIについてはNature,vol,338,518-
520(1989) にアミノ酸配列及び2次構造が記載されてい
る。
【0005】このリポプロテイン結合性凝固系インヒビ
ター(以下LACIと称す)の生体内における機能、及
び生理的な活性については、最近の研究から、血栓症や
動脈硬化との関連で重要性が示唆されている。
【0006】従って、LACIの作用機構を明らかに
し、また蛋白の構造・活性の相関を解明することができ
れば、基礎医学、臨床医学の領域において非常に重要な
意味を持つと考えられる。
【0007】また、ヒト血液中のLACIの含量や分
布、存在形態を解析することができれば、血栓性の疾患
や動脈硬化の進展を診断しうる可能性が考えられる。
【0008】一方モノクローナル抗体は単一の抗原決定
基に対して特異的であり、かつ同一の特異性を有する抗
体を安定的に産生できるという利点から抗原蛋白質の機
能及び構造の解析あるいは免疫測定(EIA,RIA)
に近年、一般的に広く利用されるようになってきた。特
に生理活性を有する蛋白質の機能解析、分子解析には当
該蛋白の機能に関与する部位、または特殊な構造部位を
認識する抗体を見出すことが有力な手段となり得る。
【0009】そこで本発明者らは、LACIの3個のク
ーニッツ(Kunitz)ドメインと呼ばれる構造部位に着目
し、各クーニッツドメインに対応する部分合成ペプチド
を抗原として研究を進めた結果、本発明のモノクローナ
ル抗体を見出した。
【0010】
【発明の構成】すなわち本発明は、LACIのN端から
1番目のクーニッツ部位(以下、K1部位と称す)のア
ミノ酸配列: Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Pro Cys Lys Ala Ile Met Lys Arg Phe Phe Phe Asn Ile Phe …[I] のポリペプチドを認識し、結合するモノクローナル抗体
であり、血液凝固系のインヒビターであるLACIを、
高感度で検出しうるモノクローナル抗体である。
【0011】ここで、本明細書において、アミノ酸配列
はIUPAC―IUB生化学委員会(CBN)で採用さ
れた方法により略記するものとし、たとえば下記の略号
を用いる。
【0012】Ala L―アラニン Arg L―アルギニン Asn L―アスパラギン Asp L―アスパラギン酸 Cys L―システイン Gln L―グルタミン Glu L―グルタミン酸 Gly グリシン His L―ヒスチジン Ile L―イソロイシン Leu L―ロイシン Lys L―リジン Met L―メチオニン Phe L―フェニルアラニン Pro L―プロリン Ser L―セリン Thr L―スレオニン Trp L―トリプトファン Tyr L―チロシン Val L―バリン
【0013】本発明のモノクローナル抗体を用いて精製
されたLACIは後述の実施例で示される如く、Xa因
子阻害活性とTF阻害活性を有する。
【0014】しかして本発明はまた、ヒトLACIに対
する上記モノクローナル抗体を不溶性担体と結合させた
吸着体に、ヒトLACI含有混合物を接触せしめて、該
吸着体にヒトLACIを結合せしめることを特徴とする
ヒトLACI含有混合物からの高い抗凝固活性を有する
ヒトLACIの分離方法及び精製方法である。
【0015】さらに本発明のモノクローナル抗体を用い
れば、後述の実施例で示される如く、ヒト血液(血漿)
中のLACIを高感度で検出可能である。
【0016】しかして本発明はまた、サンドイッチ法に
よる免疫学的測定試薬において、不溶性担体に結合した
抗体か標識抗体かのいずれか一方が、上記モノクローナ
ル抗体であることを特徴とする、LACIに対するモノ
クローナル抗体を用いたLACIの免疫学的測定試薬で
ある。
【0017】本発明のモノクローナル抗体を産生するハ
イブリドーマ細胞はケーラーとミルシュタインの方法
[Kohler & Milstein; Nature: 256,495-497 (1975)]
によって得られる。
【0018】すなわち、前記アミノ酸配列[I]で表わ
される、LACIの部分合成ペプチドでマウスを免疫し
た後、このマウスの脾臓細胞をマウスミエローマ細胞と
融合させ、得られたハイブリドーマ細胞はマイクロタイ
タープレートに固定された前記ペプチドと反応する抗体
に対し、系統的に検査し、選択される。
【0019】本発明のモノクローナル抗体はかかる新規
なハイブリドーマ細胞が産生する産生物から得られ、ヒ
トLACIのK1部位に対し、特異的に作用する。
【0020】本発明のモノクローナル抗体は、ヒトLA
CIのK1部位に対し高度に特異的に結合する性質を有
するため、ヒトLACIを抗凝固活性を維持したまま分
離・精製する場合、非常に有利である。すなわち、不溶
性担体に本発明におけるモノクローナル抗体の1種類を
固定化し、血液または、他のヒトLACI含有混合物、
あるいはそれらの粗抽出物、粗精製物及び溶液からヒト
LACIを吸着、分離し、適当な緩衝液(例えば、20
mM Tris―HCl,0.5M NaCl,pH
7.4)で洗浄後、溶液をカオトロピックイオンを含む
溶液等(例えば3M NaSCN,pH7.0)に置き
換えてヒトLACIを溶出することができる。
【0021】さて、一般に抗原の2つの異なる位置に結
合する抗体を使って抗原の有無またはその量を測定する
方法は、サンドイッチ法と呼ばれている。
【0022】かかる本発明のヒトLACIの免疫学的測
定試薬は、使用する2種類のモノクローナル抗体として
LACIのそれぞれ異なる抗原決定部位を認識する抗
体、特にLACIの3個のクーニッツ部位のいずれかを
認識する抗体を使用する。その際いずれか一方に前記本
発明の抗体を用いる。本発明によれば、試薬の品質差が
なく、恒常的に精度良く溶液状態の(例えば血液中
の)、ヒトLACIを測定することが可能となる。また
直接にLACIをつかまえて測定するので他の夾雑物の
影響を受けず正確に且つ短時間に測定することができ
る。
【0023】従って、本発明によれば、従来報告のなか
った、ヒトLACIを正確かつ迅速に測定し得る試薬及
びキットが提供される。
【0024】次に本発明におけるモノクローナル抗体を
製造する具体的方法について詳細に説明する。
【0025】A.抗原 本発明において用いられる抗原としては、下記式[I] Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Pro Cys Lys Ala Ile Met Lys Arg Phe Phe Phe Asn Ile Phe …[I] で表わされるアミノ酸配列を有する合成ペプチド、特
に、該ペプチドをKLH(Keyhole Limpet Hemocyanin
)などのキャリアー蛋白に結合したものが好ましい。
【0026】B.上記抗原によるマウスの免疫 雌Balb/cマウスを用いることができるが、他の系(st
rain)のマウスを使用してもよい。その際、免疫計画、
及び抗原の濃度は十分な量の抗原刺激を受けた、リンパ
球が形成されるように選ばれるべきである。例えばマウ
スに50μgの抗原を2週間間隔で腹腔に3回免疫後、
さらに30μgを静脈に投与する。最終免疫の数日後に
融合のために脾臓細胞をとり出す。
【0027】C.細胞融合 上記の如く免疫したマウスの脾臓を無菌的に取り出し、
そこから単細胞懸濁液を調製する。それらの脾臓細胞を
適当なラインからのマウス骨髄腫細胞と適当な融合促進
剤の使用により、細胞融合させる。脾臓細胞対骨髄腫細
胞の好ましい比率は約20:1〜約2:1の範囲であ
る。約108 個の脾臓細胞について0.5〜1.5mlの
融合媒体の使用が適当である。
【0028】細胞融合に用いるマウス骨髄腫細胞は良く
知られているが、本発明ではP3―X63―Ag8―U
1細胞(P3―U1)[Yelton, D.F et al, Current.
Topics in Microbiology and Immunology, 81,1(1978)
参照]が好ましい。
【0029】好ましい融合促進剤としては、例えば、平
均分子量1000〜4000ポリエチレングリコールを
有利に使用できるが、この分野で知られている他の融合
促進剤を使用することもできる。
【0030】D.融合した細胞の選択 別の容器内(例えばマイクロタイタープレート)で未融
合の脾臓細胞、未融合のマウス骨髄腫細胞および融合し
たハイブリドーマ細胞の混合物を未融合のマウス骨髄腫
細胞を支持しない選択培地で希釈し、未融合の細胞を死
滅させるのに十分な時間(約1週間)培養する。培地
は、薬物抵抗性(例えば8―アザグアニン抵抗性)で未
融合のマウス骨髄腫細胞を支持しないもの(例えばHA
T培地)が使用される。この選択培地中では未融合の骨
髄腫細胞は死滅する。この未融合の脾臓細胞は非腫瘍性
細胞なので、ある一定期間後(1週間後)死滅する。こ
れらに対して融合した細胞は、骨髄腫の親細胞の腫瘍性
と、親脾細胞の性質を合せ持つため、選択培地中で生存
できる。
【0031】E.各容器中の抵抗の確認 かくしてハイブリドーマ細胞が検出された後、その培養
上清を採取し、前期式[I]の合成ペプチドに対する抗
体について酵素免疫定量法(Enzyme Linked Immuno-Sor
bent Assay)によりスクリーニングする。
【0032】F.目的の抗体を産生するハイブリドーマ
細胞のクローン化 目的の抗体を産生するハイブリドーマ細胞を適当な方法
(例えば限界希釈法)でクローン化すると、抗体は2つ
の異なった方法で産生される。その第1の方法によれ
ば、ハイブリドーマ細胞を一定時間適当な培地で培養す
ることにより、その培養上清からそのハイブリドーマ細
胞の産生するモノクローナル抗体を得ることができる。
第2の方法によれば、ハイブリドーマ細胞は同質遺伝
子、または半同質遺伝子を持つマウスの腹腔に注射する
ことができる。一定時間後の宿主動物の血液中及び腹水
中より、そのハイブリドーマ細胞の産生するモノクロー
ナル抗体を得ることができる。
【0033】G.ヒトLACI含有混合物からのヒトL
ACIの分離・精製 本発明のヒトLACIに対するモノクローナル抗体を不
溶性担体に固定化または結合させて吸着体を得る。その
際使用される不溶性担体としては、モノクローナル抗体
を用いた測定試薬または測定用キットの基材として一般
的に使用されるものであればよい。例えば材質としてセ
ファローズ、ポリアクリルアミド、セルロース、デキス
トラン、またはマレイン酸ポリマーあるいはこれらの混
合物が好ましく用いられる。これら不溶性担体の形態と
しては、粉末状、粒状、ペレット状、ビーズ状、繊維状
など種々の形態であることができる。また一般に血漿、
またはその分画成分の測定や分離に用いられる多数の凹
状のくぼみを有するプレート(ウエル)を用いることが
有利である。
【0034】前期吸着体を用い、これにヒトLACI含
有混合物を接触せしめると、該吸着体に固着したモノク
ローナル抗体とヒトLACIとが結合して、結果的にヒ
トLACIが該吸着体に結合する。かくすることにより
ヒトLACIを分離または除去することが可能である。
【0035】また前期の如くしてヒトLACIを吸着体
に結合させ、出来れば残余の混合物を洗滌して除去し、
次いで吸着体に結合したヒトLACIをカオトロピック
イオン(SCN- )等を含む適当な溶液と接触または洗
滌すると、ヒトLACIは該吸着体から離脱し、これを
単離することによって抗凝固活性を有するヒトLACI
を単離することができる。
【0036】H.ヒトLACIの含有量の測定方法 本発明のヒトLACIに対するモノクローナル抗体(第
1抗体)を適当な不溶性担体(例えばプラスチック容
器)に固定化する(以下これを“固定化抗体”とい
う)。ついで不溶性担体と測定しようとする試薬または
検体試料との非特異的結合を避けるために適当な物質
(例えば牛血清アルブミン)で不溶性担体の表面を被覆
する。
【0037】このようにして得られた第1抗体が固定化
された不溶性担体を検体試料と一定時間及び一定温度で
接触させ反応させる。
【0038】この間に固定化抗体と検体試料中のLAC
Iが結合する。ついで適当な洗浄液で洗浄後、適当な標
識物質(例えば酵素)で標識したLACIに対する抗体
(第2抗体)の溶液を、不溶性担体の固定化抗体に結合
したLACIと一定時間及び一定温度で接触させて第2
抗体と反応させる。
【0039】これを適当な洗浄液で洗浄後、不溶性担体
上に存在する第2抗体に標識された標識物質の量を測定
する(例えば、標識物質が酵素であれば、発色性の合成
基質を用いて吸光度を測定する)。かくして、その値か
ら検体試料中のLACIの含有量を算出することができ
る。
【0040】かくして本発明のモノクローナル抗体を用
いれば、ヒトLACIを含有する混合物からのヒトLA
CIの除去、該混合物からのヒトLACIの分離及び精
製、該混合物中のヒトLACIの含有量の測定などが極
めて簡単な操作で達成される。
【0041】さらに、本発明のモノクローナル抗体は、
LACIのN端から1番目のクーニッツ部位を認識する
特異性の高い抗体であるので、組織の免疫学的染色やイ
メージング用に使用することもできる。例えば、動脈硬
化巣におけるLACIの集積性や、生体内における動脈
硬化巣部位の診断・特定に応用できるものと考えられ
る。
【0042】以下、実施例により本発明を更に詳しく説
明する。
【0043】
【実施例1】合成ペプチド―ヘモシアニン(KLH)複合体の作製 KLH(keyhole limpet hemocyanin )0.3mgと合成
ペプチド[アミノ酸配列;Ala Phe Lys A
la Asp Asp Gly Pro Cys Ly
s Ala Ile Met Lys Arg Phe
Phe Phe Asn Ile Phe]1mgを
0.5mlの蒸留純水に溶解した。この溶液にEDCI
(1―ethyl ―3― (3―dimethylaminopropyl)carbod
iimide―HCl)30mgを加え、遮光して室温で1晩反
応させた。反応液を蒸溜水2リットルに対して充分に透
析した。かくして合成ペプチド結合KLH溶液(約0.
6mg/ml濃度)を得た。該溶液を抗原として免疫に用い
た。
【0044】
【実施例2】マウスの免疫 実施例1で得られた合成ペプチド結合KLH溶液(0.
6mg/ml)0.5mlと完全フロインド アジュバント
(Complete Freund's Adjuvant)0.5mlとを連結した
2本の注射筒を用いて混合し、この混合液を2匹のマウ
スの腹腔に0.5mlずつ投与した。
【0045】2週間後に、同様にマウスの腹腔に上記混
合液を0.5mlずつ投与した。続いて4週間後に合成ペ
プチド結合KLH溶液(0.6mg/ml)0.5mlと不完
全フロインド アジュバント(Incomplete Freund's Ad
juvant)0.5mlとを混合し、この混合液を上記マウス
の腹腔に0.5mlずつ投与した。4週間後に合成ペプチ
ド結合KLH溶液50μg/100μlを上記2匹のマ
ウスに静脈内投与し、その3日後に脾臓を摘出し、以
下、実施例3に示すように細胞融合を行なった。
【0046】
【実施例3】細胞融合及び目的とするモノクローナル抗体を産生する
ハイブリドーマ細胞の選択と取得 摘出したマウスの脾臓細胞と、同系マウスの骨髄腫細胞
(P3U1)とを約6:1の割合で混合し、50%ポリ
エチレングリコール1540を融合促進剤として細胞融
合を行なった。融合後の細胞は1×106 cells /mlの
細胞濃度となるように10%牛血清を含むRPMI 1
640培地に懸濁し、96ウエル マイクロプレートに
1ウエルあたり100μ1ずつ分注した。
【0047】ハイブリドーマ(融合細胞)は、CO2
ンキュベーター(5%CO2 ,37℃)中で培養し、ヒ
ポキサンチン、アミノプテリン、チミジンを含む培地
(HAT培地)で培地交換を行ない、HAT培地中で増
殖させて、脾臓細胞と骨髄腫細胞からなるハイブリドー
マのスクリーニングを行った。
【0048】ハイブリドーマの培養上清中の抗体は、前
記合成ペプチドを吸着させたマイクロタイタープレート
を用い、ELISA法により検出した。抗体産生陽性ウ
エルのうちハイブリドーマの増殖能、及び前記合成ペプ
チドに対する結合性の強い、8ウエルについて限界希釈
法によるクローニングを2回繰り返して行なった。EL
ISA法により、抗体産生能が高く抗原結合性が強いモ
ノクローン4個を選別した。得られたクローンは、10
%DMSOを含む90%牛血清溶液中に懸濁させ、液体
窒素中に保存した。各クローンの産生するモノクローナ
ル抗体は、クローンをBalb/cマウスの腹腔内で増殖さ
せ、その腹水からプロテインA―セファロース4Bカラ
ムを用いて精製した。
【0049】
【実施例4】精製モノクローナル抗体のクラスの決定 マウス腹水から精製した各クローンのIgGについてオ
クタロニー法によりサブクラスを選定した。
【0050】
【表1】
【0051】 1G1系と2F2系は異なるエピトープを認識した。2
F2D9および2F2E2でLACIを精製したら、両
方とも活性を有するLACIが得られた。
【0052】
【実施例5】ヒト肝細胞(Hep G2)無血清培養上清からのモノクロ
ーナル抗体カラムによるLACIの精製 実施例4記載のモノクローナル抗体2F2D9[Kd=
1×10-9M]5mgをブロムシアン(CNBr)活性化
セファロース(ファルマシア(株))にカップリングさ
せ、抗体セファロースカラム2.5mlを作製した。続い
てヒト肝細胞(Hep G2)の無血清培養上清(ITES
―eRDF培地)1リットルを該カラムに40ml/時間
の流速で通し、接触せしめた。0.5M NaCl、
0.05%Tween 20及び10U/mlアプロチニンを含
む20mM Tris―HCl(pH7.4)200ml
でカラムを洗浄後、3M NaSCN(pH7.0)1
5mlでカラムに吸着した蛋白を溶出した。溶出した画分
の総蛋白量は、約50μgであった。
【0053】
【実施例6】モノクローナル抗体カラムにより精製したLACIのX
a因子活性に及ぼす影響 モノクローナル抗体カラムにより精製し、いろいろな濃
度に調製したLACI10μlとXa因子(ウシ、0.
15μg/ml)10μl、及び50mM Tris―H
Cl pH7.8(0.15M NaCl、5mg/mlB
SA、5mMCaCl2 を含有)10μlとを混合し、
37℃で10分間反応した。これに続いて、あらかじめ
160μl/ウエル50mM Tris―HCl pH
7.8(0.15M NaCl、5mg/mlBSAを含
有)を入れた96ウエル マイクロプレートに該反応液
20μlを加えた。最後に2.5mM Spectrozyme X
a(合成基質MeO―CO―D―CHG―Gly―Ar
g―pNA)10μlをウエルに加え、ELISA A
NALYZER(東洋測器(株)、ETY―96)で吸
光度A405 nmを測定した。結果をまとめて図1に示
す。
【0054】その結果、精製したLACIはいずれも濃
度依存的にXa因子の活性を阻害することが判明した。
【0055】
【実施例7】モノクローナル抗体カラムにより精製したLACIのT
F活性に及ぼす影響 ウサギ脳トロンボプラスチン(40mgアセトン粉末、シ
グマ社、2ml)を1mg/mlBSAを含む0.125M
NaCl溶液によって1/20に希釈し、TF溶液を調
製した。TF溶液200μlと25mM CaCl2
液20μlとを混合し、37℃で2分間反応させた。こ
のうち200μlを、20μg/ml濃度のLACI溶液
20μlを添加したヒト血漿120μlに加え、プロト
ロンビン時間(PT)を血液凝固時間測定装置(Sysmex
社、CA―100)を用いて測定した。結果をまとめて
図2に示す。
【0056】その結果、LACIはTF活性を阻害し、
血液凝固時間(PT)を延長することが判明した。
【0057】以上の実施例6及び実施例7の検討の結果
から、モノクローナル抗体によって精製したLACI
は、Xa因子阻害活性とTF阻害活性を有することが確
かめられた。
【0058】
【実施例8】抗LACIモノクローナル抗体によるヒト血液中のLA
CIの検出 本発明者(出願人も同じ)による先願P25614―0
1(平成3年10月31日出願)記載のモノクローナル
抗体、すなわちLACIのN端から3番目のクーニッツ
部位を認識し結合するモノクローナル抗体の1種であ
る、2A1H8[Kd=0.9×10-9M]を20μg
/ml濃度で、マイクロタイタープレート(96ウエルプ
レート)に吸着後、1%BSAと0.15M NaCl
を含む20mM Tris―HCl(pH7.4)によ
って固相をブロッキングした。
【0059】洗浄液(0.05%Tween20、0.
5%BSA及び0.15M NaClを含む20mM
Tris―HCl(pH7.4)で2回、ウエルを洗浄
した。
【0060】次にヒト血漿(健常人由来)を洗浄液を用
いて5,50,200倍希釈し、それぞれをウエルに加
えて、プレート固相に吸着したモノクローナル抗体と3
7℃で2時間、反応させた。洗浄液で3回洗浄後、パー
オキシダーゼ酵素標識化した、本発明のモノクローナル
抗体の1種である2F2E2[Kd=1×10-9M]溶
液(400ng/ml)を加え、37℃で2時間反応させ
た。洗浄液で3回洗浄後、基質溶液(ABTS)を加
え、ELISA ANALYZER(東洋測器(株),
ETY―96)で波長415nmにおける吸光度A415
を測定した。各希釈倍率における、ヒト血液中のLAC
Iの検出の割合を図3に示した。
【0061】本発明のモノクローナル抗体を用いれば、
高感度でヒト血液中のLACIを検出可能である。
【0062】
【比較例】実施例8で示した、モノクローナル抗体2A
1H8を固相化したウエルに、同様に希釈したヒト血液
を反応させた。洗浄後、パーオキシダーゼ酵素標識化し
たモノクローナル抗体(LACIのN端から2番目のク
ーニッツ部位[K2]を認識し結合する抗体の1種類)
2G9F1[Kd=1×10-9M]溶液(400ng/m
l)を加え、37℃で2時間反応させた。洗浄液、基質
溶液(ABTS)を加え、吸光度を測定した。各希釈倍
率における、ヒト血液中のLACIの検出の割合を図4
に示した。この結果、実施例8に比べて、LACIの検
出感度が低く、定量性も劣ることが判明した。
【0063】例えばヒト血液1/5希釈溶液中のLAC
Iの検出の割合(吸光度A415 nm)は図3においては
0.695であるのに対し、図4(比較例)では0.3
16であり、その割合は半分以下であった。
【0064】従ってLACIの測定系に用いる抗体の組
合せとしては、本発明のK1を認識するモノクローナル
抗体を固相化抗体あるいは酵素標識化抗体として使用す
ることが、測定系の特性上、必要であると考えられる。
【0065】尚、K2を認識するモノクローナル抗体2
G9F1は、下記アミノ酸配列 Phe Leu Glu Glu Asp Pro Gly Ile Cys Arg Gly Tyr Ile Thr Arg Tyr Phe Tyr Asn Asn Gln を有する合成ポリペプチドを用い、実施例1〜4と同様
にして取得した。2G9F1のH鎖はγ2b,L鎖はκで
あった。
【0066】
【配列表】
【0067】配列番号:1 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:中間部フラグメント 配列: Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Pro Cys 1 5 Lys Ala Ile Met Lys Arg Phe Phe Phe10 15 Asn Ile Phe 20
【0068】配列番号:2 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:中間部フラグメント 配列: Phe Leu Glu Glu Asp Pro Gly Ile Cys 1 5 Arg Gly Tyr Ile Thr Arg Tyr Phe Tyr10 15 Asn Asn Gln 20
【図面の簡単な説明】
【図1】モノクローナル抗体カラムによって精製したL
ACIのXa因子活性に及ぼす影響を示したものであ
る。
【図2】モノクローナル抗体カラムによって精製したL
ACIのTF活性に及ぼす影響を示したものである。
【図3】モノクローナル抗体によるヒト血液中のLAC
Iの検出に関して示したものである。
【図4】比較例におけるヒト血液中のLACIの検出を
示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 17/02 8517−4H G01N 33/53 D 8310−2J 33/537 8310−2J 33/577 B 9015−2J // C07K 7/10 ZNA 7537−4H C12N 15/06 (C12P 21/08 C12R 1:91) C07K 99:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ酸配列 Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Pro Cys Lys Ala Ile Met Lys Arg Phe Phe Phe Asn Ile Phe のポリペプチドを認識し、結合するモノクローナル抗
    体。
  2. 【請求項2】 リポプロテイン結合性凝固系インヒビタ
    ー(Lipoprotein Associated Coagulation lnhibitor:
    LACI)のN端から1番目のクーニッツ部位を認識
    し、結合するモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】 組織因子阻害活性と血液凝固Xa因子阻
    害活性とを有する蛋白物質を認識し結合する請求項1記
    載のモノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】 上記第1,2及び3項のいずれかのモノ
    クローナル抗体を不溶性担体に結合させた吸着体に、ヒ
    トLACI含有混合物を接触せしめ、該吸着体にヒトL
    ACIを結合せしめることを特徴とするヒトLACI含
    有混合物からのヒトLACIの分離方法。
  5. 【請求項5】 サンドイッチ法による免疫学的測定試薬
    において、不溶性担体に結合した抗体と標識抗体とは、
    LACIのそれぞれ異なるクーニッツ部位を認識し結合
    するモノクローナル抗体であり、一方が上記第1,2及
    び3項のいずれかのモノクローナル抗体であることを特
    徴とするLACIに対するモノクローナル抗体を用い
    た、LACIの免疫学的測定試薬。
JP33956091A 1991-10-31 1991-11-29 モノクローナル抗体 Pending JPH067193A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33956091A JPH067193A (ja) 1991-11-29 1991-11-29 モノクローナル抗体
EP92118497A EP0539975A1 (en) 1991-10-31 1992-10-29 Method for immunological assay of free lipoprotein-associated coagulation inhibitor (LACI) and kit therefor
US07/969,368 US5369038A (en) 1991-10-31 1992-10-30 Method for immunological assay of free lipoprotein associated coagulation inhibitor (LACI) and kit therefor
CA002081878A CA2081878A1 (en) 1991-10-31 1992-10-30 Method for immunological assay of free lipoprotein associated coagulation inhibitor (laci) and kit therefor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33956091A JPH067193A (ja) 1991-11-29 1991-11-29 モノクローナル抗体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH067193A true JPH067193A (ja) 1994-01-18

Family

ID=18328628

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33956091A Pending JPH067193A (ja) 1991-10-31 1991-11-29 モノクローナル抗体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH067193A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8450275B2 (en) 2010-03-19 2013-05-28 Baxter International Inc. TFPI inhibitors and methods of use
US8962563B2 (en) 2009-12-21 2015-02-24 Baxter International, Inc. TFPI inhibitors and methods of use
US9777051B2 (en) 2008-12-19 2017-10-03 Baxalta GmbH TFPI inhibitors and methods of use

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9777051B2 (en) 2008-12-19 2017-10-03 Baxalta GmbH TFPI inhibitors and methods of use
US9873720B2 (en) 2008-12-19 2018-01-23 Baxalta GmbH TFPI inhibitors and methods of use
US8962563B2 (en) 2009-12-21 2015-02-24 Baxter International, Inc. TFPI inhibitors and methods of use
US8450275B2 (en) 2010-03-19 2013-05-28 Baxter International Inc. TFPI inhibitors and methods of use
US9018167B2 (en) 2010-03-19 2015-04-28 Baxter International Inc. TFPI inhibitors and methods of use
US9556230B2 (en) 2010-03-19 2017-01-31 Baxalta GmbH TFPI inhibitors and methods of use
US10201586B2 (en) 2010-03-19 2019-02-12 Baxalta GmbH TFPI inhibitors and methods of use

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0683234B2 (en) Antibody against beta-amyloid or their derivative and use thereof
JPH05184384A (ja) hBNPのC端を認識するモノクロ−ナル抗体
EP0410303A1 (en) Monoclonal antibody to endothelin-3 or precursor thereof and use thereof
EP0972781B1 (en) Proteins polypeptides and uses thereof
US5369038A (en) Method for immunological assay of free lipoprotein associated coagulation inhibitor (LACI) and kit therefor
JP4374316B2 (ja) β−アミロイドまたはその誘導体に対する抗体およびその用途
US5811268A (en) Monoclonal antibodies for selective immunological determination of high molecular weight, intact laminin forms in body fluids
JPH06153985A (ja) モノクローナル抗体
JPH067193A (ja) モノクローナル抗体
JP3076640B2 (ja) ヒト92kDaゼラチナーゼの免疫学的定量法
EP0345811B1 (en) Monoclonal abtibodies specific for human fibrinopeptide A
JP2955082B2 (ja) ヒトカルシトニンのn末端部分を特異的に認識するモノクローナル抗体
JP4059404B2 (ja) 甲状腺機能を刺激する活性を持つ抗体
AU2323092A (en) Proteins s polypeptides and uses thereof
JPH07258298A (ja) モノクローナル抗体
JPH023698A (ja) ヒトリンホトキシンに対するモノクローナル抗体及びそれら抗体を産生するハイブリドーマ、並びにそれら抗体を用いたヒトリンホトキシンの精製方法、測定方法及び測定試薬
JPH05123183A (ja) モノクローナル抗体
JPH06153981A (ja) Laciの免疫学的測定方法、それに用いるキット並びにモノクローナル抗体
JPH0720438B2 (ja) インターロイキン−1に対する抗体
JPH06125784A (ja) モノクローナル抗体,ハイブリドーマ,その製造法および用途
JP3167024B2 (ja) エンドセリン―3あるいはエンドセリン―3前駆体に対するモノクローナル抗体およびその用途
JP3194762B2 (ja) モノクローナル抗体、その製造法および用途
JP4318085B2 (ja) 抗体およびハイブリドーマ、並びにこれらを用いた免疫学的測定法
JPH02203795A (ja) 抗ヒト組織因子モノクローナル抗体
JPH05252984A (ja) スロンビンとスロンビン阻害物質とにより形成された複合体に対して向けられたモノクローナル抗体