JPH07228625A - 変性ポリビニルアルコール - Google Patents
変性ポリビニルアルコールInfo
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- JPH07228625A JPH07228625A JP32208094A JP32208094A JPH07228625A JP H07228625 A JPH07228625 A JP H07228625A JP 32208094 A JP32208094 A JP 32208094A JP 32208094 A JP32208094 A JP 32208094A JP H07228625 A JPH07228625 A JP H07228625A
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- Japan
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- polymerization
- structural unit
- acid
- modified pva
- polymer
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- Pending
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F8/00—Chemical modification by after-treatment
- C08F8/12—Hydrolysis
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
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- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 特定の水酸基を側鎖に有する変性ポリビニル
アルコール。 【効果】 本発明の変性PVAを用いて製造されたポリ
酢酸ビニルエマルジョンは、外観が良好であり、粘度が
高く、同時に構造粘性が小さく優れた粘性挙動を示し、
しかも凍結時および高温時の安定性に優れるという際立
った性能を示す。さらに、本発明の変性PVAは、可塑
剤を用いることなく熱可塑性を示し、熱成形が可能な樹
脂としての使用も可能であり、熱成形後も冷水可溶性で
ある。
アルコール。 【効果】 本発明の変性PVAを用いて製造されたポリ
酢酸ビニルエマルジョンは、外観が良好であり、粘度が
高く、同時に構造粘性が小さく優れた粘性挙動を示し、
しかも凍結時および高温時の安定性に優れるという際立
った性能を示す。さらに、本発明の変性PVAは、可塑
剤を用いることなく熱可塑性を示し、熱成形が可能な樹
脂としての使用も可能であり、熱成形後も冷水可溶性で
ある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エマルジョン用分散安
定剤などに有用な変性ポリビニルアルコール(以下、ポ
リビニルアルコールをPVAと略記する)に関する。
定剤などに有用な変性ポリビニルアルコール(以下、ポ
リビニルアルコールをPVAと略記する)に関する。
【0002】
【従来の技術】水溶性高分子を保護コロイドを用いて、
ビニルエステル系単量体を単独であるいはエチレンまた
はアクリル酸エステル類と共に、水性媒体中で重合する
ことにより、高粘度エマルジョンが得られることが知ら
れており、このものは接着剤、塗料、紙加工材等の用途
に広く用いられているが、このエマルジョンは非ニュー
トン流体であり、剪断速度によって見かけの粘度が大き
く変化する性質(構造粘性が大)を有する。したがっ
て、このエマルジョンは、特に接着剤とか粘着剤のよう
に塗布行程を必要とする場合には作業性がきわめて阻害
されるという問題点を有する。すなわち、部分鹸化PV
Aなどの保護コロイドを用いた時には、安全性および各
種添加物との混和性に優れ、比較的高粘度のエマルジョ
ンが得られるが、エマルジョンの構造粘性が大きくな
る。一方、鹸化度の高いPVAを保護コロイドに用いた
時には、構造粘性は小さくなるが、得られるエマルジョ
ンは粘度が低く、長時間放置したり添加物を加えたりす
るとゲル化し易くなり、凍結後は再度元のエマルジョン
にもどり難くなる。
ビニルエステル系単量体を単独であるいはエチレンまた
はアクリル酸エステル類と共に、水性媒体中で重合する
ことにより、高粘度エマルジョンが得られることが知ら
れており、このものは接着剤、塗料、紙加工材等の用途
に広く用いられているが、このエマルジョンは非ニュー
トン流体であり、剪断速度によって見かけの粘度が大き
く変化する性質(構造粘性が大)を有する。したがっ
て、このエマルジョンは、特に接着剤とか粘着剤のよう
に塗布行程を必要とする場合には作業性がきわめて阻害
されるという問題点を有する。すなわち、部分鹸化PV
Aなどの保護コロイドを用いた時には、安全性および各
種添加物との混和性に優れ、比較的高粘度のエマルジョ
ンが得られるが、エマルジョンの構造粘性が大きくな
る。一方、鹸化度の高いPVAを保護コロイドに用いた
時には、構造粘性は小さくなるが、得られるエマルジョ
ンは粘度が低く、長時間放置したり添加物を加えたりす
るとゲル化し易くなり、凍結後は再度元のエマルジョン
にもどり難くなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、エマ
ルジョン用分散安定剤などに有用であり、また熱成形が
可能で冷水可溶性を有する新規な変性PVAを提供する
ことにある。
ルジョン用分散安定剤などに有用であり、また熱成形が
可能で冷水可溶性を有する新規な変性PVAを提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、下記の一般式で示
される構造単位(A)を有する変性PVAを見出し、本
発明を完成させるに至った。
を解決するために鋭意検討した結果、下記の一般式で示
される構造単位(A)を有する変性PVAを見出し、本
発明を完成させるに至った。
【0005】
【化2】
【0006】(n:3〜20の整数)さらに、上記の変
性PVAにおいて、エチレン性不飽和カルボン酸、その
低級アルキルエステルまたはその酸無水物に由来する構
造単位(B)を有する変性PVAを見出した。さらに、
上記の変性PVAにおいて、エチレン性不飽和スルホン
酸に由来する構造単位(D)を有する変性PVAを見出
した。
性PVAにおいて、エチレン性不飽和カルボン酸、その
低級アルキルエステルまたはその酸無水物に由来する構
造単位(B)を有する変性PVAを見出した。さらに、
上記の変性PVAにおいて、エチレン性不飽和スルホン
酸に由来する構造単位(D)を有する変性PVAを見出
した。
【0007】本発明における構造単位(A)は、上記の
化2で表される構造単位(A)である。構造単位(A)
におけるnは、3〜20の整数であり、4〜15が好ま
しく、5〜10がより好ましい。3-ブテン-1- オール、
5-ヘキセン-1- オール、7-オクテン-1- オール、9-デセ
ン-1- オールなどに由来する構造単位が挙げられる。本
発明における構造単位(B)としては、エチレン性不飽
和カルボン酸、その低級アルキルエステルまたはその酸
無水物に由来する構造単位であり、具体的には、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコ
ン酸、アクリル酸エチルエステル、メタクリル酸メチル
エステル、クロトン酸メチルエステル、シトラコン酸、
シトラコン酸ジエチルエステル、マレイン酸、マレイン
酸モノメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、
イタコン酸ジメルエステル、無水マレイン酸、アコニッ
ト酸などに由来する構造単位が挙げられ、そのなかでも
シトラコン酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モ
ノメチルエステル、無水マレイン酸に由来する構造単位
が好ましく、さらにマレイン酸、無水マレイン酸、マレ
イン酸モノメチルエステル、イタコン酸に由来する構造
単位がより好ましい。本発明における構造単位(D)と
しては、エチレン性不飽和スルホン酸に由来する構造単
位であり、具体的には、エチレンスルホン酸、アリルス
ルホン酸、メタアリルスルホン酸などのオレフィンスル
ホン酸またはその塩、下記の化3または化4で示される
スルホアルキルマレート、下記の化5で示されるNース
ルホイソブチレンアクリルアミドナトリウム塩、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウ
ムなどのスルホアルキル(メタ)アクリルアミド、下記
の化6で示されるナトリウム2−スルホエチルアクリレ
ートなどのスルホアルキル(メタ)アクリレートなどが
挙げられる。
化2で表される構造単位(A)である。構造単位(A)
におけるnは、3〜20の整数であり、4〜15が好ま
しく、5〜10がより好ましい。3-ブテン-1- オール、
5-ヘキセン-1- オール、7-オクテン-1- オール、9-デセ
ン-1- オールなどに由来する構造単位が挙げられる。本
発明における構造単位(B)としては、エチレン性不飽
和カルボン酸、その低級アルキルエステルまたはその酸
無水物に由来する構造単位であり、具体的には、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコ
ン酸、アクリル酸エチルエステル、メタクリル酸メチル
エステル、クロトン酸メチルエステル、シトラコン酸、
シトラコン酸ジエチルエステル、マレイン酸、マレイン
酸モノメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、
イタコン酸ジメルエステル、無水マレイン酸、アコニッ
ト酸などに由来する構造単位が挙げられ、そのなかでも
シトラコン酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モ
ノメチルエステル、無水マレイン酸に由来する構造単位
が好ましく、さらにマレイン酸、無水マレイン酸、マレ
イン酸モノメチルエステル、イタコン酸に由来する構造
単位がより好ましい。本発明における構造単位(D)と
しては、エチレン性不飽和スルホン酸に由来する構造単
位であり、具体的には、エチレンスルホン酸、アリルス
ルホン酸、メタアリルスルホン酸などのオレフィンスル
ホン酸またはその塩、下記の化3または化4で示される
スルホアルキルマレート、下記の化5で示されるNース
ルホイソブチレンアクリルアミドナトリウム塩、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウ
ムなどのスルホアルキル(メタ)アクリルアミド、下記
の化6で示されるナトリウム2−スルホエチルアクリレ
ートなどのスルホアルキル(メタ)アクリレートなどが
挙げられる。
【0008】
【化3】
【0009】
【化4】
【0010】
【化5】
【0011】
【化6】
【0012】(上記の化3〜化6において、 R:アルキル基、 R’:アルキレン基、 M:水素、アルカリ金属またはアンモニウムイオン、 R1 :水素またはメチル基 R2 :水素またはアルキル基 をそれぞれ意味する。)
【0013】本発明における上記の構造単位(A)の含
有量としては特に制限はないが、本発明の変性PVAを
ビニルエステル系単量体の乳化重合用保護コロイドとし
て使用する時には、構造単位(A)の含有量は0.1 〜15
モル%、好ましくは1 〜12モル%が好適である。また本
発明の変性PVAを熱成形が可能で冷水可溶性PVAと
して使用する時には、構造単位(A)の含有量は1 〜30
モル%、好ましくは1〜17モル%が好適である。また、
本発明の変性PVAにおいては、構造単位(B)を含有
する場合には、特に水溶性が顕著に向上する。本発明に
おける上記の構造単位(B)の含有量としては特に制限
はないが、0.1 〜10モル%が好ましく、0.1 〜5 モル%
がより好ましい。また、本発明の変性PVAにおいて
は、構造単位(D)を含有する場合にも、特に水溶性が
顕著に向上する。本発明における上記の構造単位(D)
の含有量としては特に制限はないが、0.1 〜10モル%が
好ましく、0.1 〜5 5モル%がより好ましい。本発明の
変性PVAの鹸化度については特に制限はなく、実質的
に水溶性が保たれる範囲であれば、完全鹸化のものでも
よいし部分鹸化もよいが、80モル%以上が好ましい。本
発明の変性PVAの重合度については特に制限はない
が、該変性PVAを常法により酢化して得られた変性ポ
リ酢酸ビニルに関してテトラヒドロフランを溶媒に用い
て30℃でのゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)測定により測定された標準ポリスチレン換算
の重量平均分子量が10,000〜500,000 が好ましく、20,0
00〜300,000 がより好ましい。
有量としては特に制限はないが、本発明の変性PVAを
ビニルエステル系単量体の乳化重合用保護コロイドとし
て使用する時には、構造単位(A)の含有量は0.1 〜15
モル%、好ましくは1 〜12モル%が好適である。また本
発明の変性PVAを熱成形が可能で冷水可溶性PVAと
して使用する時には、構造単位(A)の含有量は1 〜30
モル%、好ましくは1〜17モル%が好適である。また、
本発明の変性PVAにおいては、構造単位(B)を含有
する場合には、特に水溶性が顕著に向上する。本発明に
おける上記の構造単位(B)の含有量としては特に制限
はないが、0.1 〜10モル%が好ましく、0.1 〜5 モル%
がより好ましい。また、本発明の変性PVAにおいて
は、構造単位(D)を含有する場合にも、特に水溶性が
顕著に向上する。本発明における上記の構造単位(D)
の含有量としては特に制限はないが、0.1 〜10モル%が
好ましく、0.1 〜5 5モル%がより好ましい。本発明の
変性PVAの鹸化度については特に制限はなく、実質的
に水溶性が保たれる範囲であれば、完全鹸化のものでも
よいし部分鹸化もよいが、80モル%以上が好ましい。本
発明の変性PVAの重合度については特に制限はない
が、該変性PVAを常法により酢化して得られた変性ポ
リ酢酸ビニルに関してテトラヒドロフランを溶媒に用い
て30℃でのゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)測定により測定された標準ポリスチレン換算
の重量平均分子量が10,000〜500,000 が好ましく、20,0
00〜300,000 がより好ましい。
【0014】本発明の変性PVAの製法としては、構造
単位(A)に変換し得る単量体および基本成分としての
酢酸ビニルなどのビニルエステルを共重合して得られた
共重合体を、アルコール溶液中で鹸化することにより得
られる。共重合は無溶媒あるいはアルコール溶媒中で行
われる。この際使用されるアルコール類としてはメチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールな
どの低級アルコールが用いられる。重合時における単量
体の仕込み方法には特に制限はないが、構造単位(B)
あるいは構造単位(D)に変換し得る単量体を導入する
場合には、構造単位(A)に変換し得る単量体とビニル
エステル(C)の存在下に、構造単位(B)あるいは構
造単位(D)に変換し得る単量体を分割してあるいは連
続して投入する方法や、これらの3成分をを連続して投
入する方法が適用できる。共重合において使用される触
媒としては、α, α'-アゾビスイソブチロニトリル、過
酸化ベンゾイルなどの公知のラジカル触媒が用いられ
る。重合温度は58〜65℃の間でコントロールするのが望
ましい。
単位(A)に変換し得る単量体および基本成分としての
酢酸ビニルなどのビニルエステルを共重合して得られた
共重合体を、アルコール溶液中で鹸化することにより得
られる。共重合は無溶媒あるいはアルコール溶媒中で行
われる。この際使用されるアルコール類としてはメチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールな
どの低級アルコールが用いられる。重合時における単量
体の仕込み方法には特に制限はないが、構造単位(B)
あるいは構造単位(D)に変換し得る単量体を導入する
場合には、構造単位(A)に変換し得る単量体とビニル
エステル(C)の存在下に、構造単位(B)あるいは構
造単位(D)に変換し得る単量体を分割してあるいは連
続して投入する方法や、これらの3成分をを連続して投
入する方法が適用できる。共重合において使用される触
媒としては、α, α'-アゾビスイソブチロニトリル、過
酸化ベンゾイルなどの公知のラジカル触媒が用いられ
る。重合温度は58〜65℃の間でコントロールするのが望
ましい。
【0015】重合反応により得られた共重合体はアルコ
ール、要すれば含水アルコールに溶解し鹸化される。こ
の際使用されるアルコール類としてはメチルアルコー
ル、エチルアルコールなどの低級アルコールがあげられ
るが、メチルアルコールが特に好適に使用される。これ
らのアルコール類は40重量%以下であればアセトン、酢
酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、ベンゼン等の
溶剤を含有していてもよい。鹸化時に用いられる触媒と
しては水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカ
リ金属の水酸化物、ナトリウムメチラートの如きアルカ
リ触媒、あるいは鉱酸の如き酸触媒が用いられる。鹸化
温度は特に制限はないが、20〜50℃の範囲が適当であ
る。鹸化反応が進行するにつれて鹸化生成物が析出して
くるので、ゲル状物が生成した時点で生成物を粉砕し、
よく洗浄してから乾燥することによって本発明の変性P
VAが得られる。
ール、要すれば含水アルコールに溶解し鹸化される。こ
の際使用されるアルコール類としてはメチルアルコー
ル、エチルアルコールなどの低級アルコールがあげられ
るが、メチルアルコールが特に好適に使用される。これ
らのアルコール類は40重量%以下であればアセトン、酢
酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、ベンゼン等の
溶剤を含有していてもよい。鹸化時に用いられる触媒と
しては水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカ
リ金属の水酸化物、ナトリウムメチラートの如きアルカ
リ触媒、あるいは鉱酸の如き酸触媒が用いられる。鹸化
温度は特に制限はないが、20〜50℃の範囲が適当であ
る。鹸化反応が進行するにつれて鹸化生成物が析出して
くるので、ゲル状物が生成した時点で生成物を粉砕し、
よく洗浄してから乾燥することによって本発明の変性P
VAが得られる。
【0016】本発明の変性PVAは、主鎖中に構造単位
(A)に基づく疎水性基を有するので、溶液粘度が高く
界面活性剤としての機能が優れていることから、エマル
ジョン用分散安定剤などに有用である。さらに、構造単
位(B)あるいは構造単位(D)に基づく親水性基を有
する場合には、水溶性が顕著に向上する。
(A)に基づく疎水性基を有するので、溶液粘度が高く
界面活性剤としての機能が優れていることから、エマル
ジョン用分散安定剤などに有用である。さらに、構造単
位(B)あるいは構造単位(D)に基づく親水性基を有
する場合には、水溶性が顕著に向上する。
【0017】本発明の変性PVAをビニルエステル系単
量体の乳化重合用分散安定剤に使用する際には、ビニル
エステル系単量体を水、保護コロイド及び水の存在下
に、本発明の変性PVAを、一時、分割もしくは連続し
て投入し、要すれば触媒も分割もしくは連続して投入し
ながら、加熱撹拌する公知の重合方法が適用できる。保
護コロイドとして用いる場合の本発明の変性PVAの使
用量は、分散質の樹脂成分に対して1 〜15重量%程度が
好ましく、2 〜12重量%がより好ましい。ビニルエステ
ル系単量体としては酢酸ビニルの他、炭素数が1 〜18個
の範囲内にあるプロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、2,2,
4,4-テトラメチルバレリアン酸などが挙げられ、これら
の単量体に塩化ビニル、エチレン、(メタ)アクリル酸
エステルを共重合させたり、さらに少量のアクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン
酸等を共重合することもできる。
量体の乳化重合用分散安定剤に使用する際には、ビニル
エステル系単量体を水、保護コロイド及び水の存在下
に、本発明の変性PVAを、一時、分割もしくは連続し
て投入し、要すれば触媒も分割もしくは連続して投入し
ながら、加熱撹拌する公知の重合方法が適用できる。保
護コロイドとして用いる場合の本発明の変性PVAの使
用量は、分散質の樹脂成分に対して1 〜15重量%程度が
好ましく、2 〜12重量%がより好ましい。ビニルエステ
ル系単量体としては酢酸ビニルの他、炭素数が1 〜18個
の範囲内にあるプロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、2,2,
4,4-テトラメチルバレリアン酸などが挙げられ、これら
の単量体に塩化ビニル、エチレン、(メタ)アクリル酸
エステルを共重合させたり、さらに少量のアクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン
酸等を共重合することもできる。
【0018】本発明の変性PVAは、上記の乳化重合用
分散安定剤の他に、各種用途の界面活性剤、木材、紙、
アルミ箔等の接着剤、不織布バインダー、塗料、繊維加
工剤、紙のクリヤーコーティング剤、紙力増強剤、顔料
バインダーさらには繊維用糊料等にポリエステルなどの
疎水性繊維の糊料などの用途に有用である。
分散安定剤の他に、各種用途の界面活性剤、木材、紙、
アルミ箔等の接着剤、不織布バインダー、塗料、繊維加
工剤、紙のクリヤーコーティング剤、紙力増強剤、顔料
バインダーさらには繊維用糊料等にポリエステルなどの
疎水性繊維の糊料などの用途に有用である。
【0019】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに具体的に
説明する。
説明する。
【0020】実施例1 還流冷却器、撹拌機、温度計、窒素導入管および後添加
液の仕込み口とポンプを備えた重合槽に酢酸ビニルを4
6.4g、3-ブテン-1- オールを4.3 g仕込んだ。重合液
を撹拌しつつ、系内で窒素置換して恒温槽により加温
し、60℃の恒温になった時点で2,2'- アゾビスイソブチ
ロニトリル0.3 gを系内に添加し重合を開始した。重合
開始時点より重合系内の固形分濃度を分析しつつ重合を
行い、5時間後に重合槽を冷却することにより重合を停
止した。重合停止前の固形分濃度は30重量%であった。
得られた重合ペーストをn-ヘキサン中に滴下し重合物を
得た。得られた重合物中の3-ブテン-1- オール単位の含
量は13.1モル%であった。次に該重合体の20重量%メタ
ノール溶液を調整し、該溶液46mlを40℃で撹拌しなが
ら水酸化ナトリウムの10重量%メタノール溶液を2 ml
加えて鹸化した。該ゲル状物を粉砕後メタノールで洗浄
し、50℃で18時間乾燥して白色粉末の変性PVA を得た。
ポリマー構造を核磁気共鳴分光法で分析し表1にまとめ
て示した。
液の仕込み口とポンプを備えた重合槽に酢酸ビニルを4
6.4g、3-ブテン-1- オールを4.3 g仕込んだ。重合液
を撹拌しつつ、系内で窒素置換して恒温槽により加温
し、60℃の恒温になった時点で2,2'- アゾビスイソブチ
ロニトリル0.3 gを系内に添加し重合を開始した。重合
開始時点より重合系内の固形分濃度を分析しつつ重合を
行い、5時間後に重合槽を冷却することにより重合を停
止した。重合停止前の固形分濃度は30重量%であった。
得られた重合ペーストをn-ヘキサン中に滴下し重合物を
得た。得られた重合物中の3-ブテン-1- オール単位の含
量は13.1モル%であった。次に該重合体の20重量%メタ
ノール溶液を調整し、該溶液46mlを40℃で撹拌しなが
ら水酸化ナトリウムの10重量%メタノール溶液を2 ml
加えて鹸化した。該ゲル状物を粉砕後メタノールで洗浄
し、50℃で18時間乾燥して白色粉末の変性PVA を得た。
ポリマー構造を核磁気共鳴分光法で分析し表1にまとめ
て示した。
【0021】実施例2 実施例1と同様の反応装置を使用して同様な方法で以下
の重合を行った。酢酸ビニルを46.4g、5-ヘキセン-1-
オールを6.0 g仕込んだ。重合液を撹拌しつつ、系内で
窒素置換して恒温槽により加温し、60℃の恒温になった
時点で2,2'- アゾビスイソブチロニトリル0.3 gを系内
に添加し重合を開始した。重合開始時点より重合系内の
固形分濃度を分析しつつ重合を行い、6時間後に重合槽
を冷却することにより重合を停止した。重合停止前の固
形分濃度は20重量%であった。得られた重合ペーストを
n-ヘキサン中に滴下し重合物を得た。得られた重合物中
の5-ヘキセン-1- オール単位の含量は11.0モル%であっ
た。次に該重合体の20重量%メタノール溶液を調整し、
該溶液46mlを40℃で撹拌しながら水酸化ナトリウムの
10重量%メタノール溶液を2 ml加えて鹸化した。該ゲ
ル状物を粉砕後メタノールで洗浄し、50℃で18時間乾燥
して白色粉末の変性PVA を得た。ポリマー構造を核磁気
共鳴分光法で分析し表1にまとめて示した。
の重合を行った。酢酸ビニルを46.4g、5-ヘキセン-1-
オールを6.0 g仕込んだ。重合液を撹拌しつつ、系内で
窒素置換して恒温槽により加温し、60℃の恒温になった
時点で2,2'- アゾビスイソブチロニトリル0.3 gを系内
に添加し重合を開始した。重合開始時点より重合系内の
固形分濃度を分析しつつ重合を行い、6時間後に重合槽
を冷却することにより重合を停止した。重合停止前の固
形分濃度は20重量%であった。得られた重合ペーストを
n-ヘキサン中に滴下し重合物を得た。得られた重合物中
の5-ヘキセン-1- オール単位の含量は11.0モル%であっ
た。次に該重合体の20重量%メタノール溶液を調整し、
該溶液46mlを40℃で撹拌しながら水酸化ナトリウムの
10重量%メタノール溶液を2 ml加えて鹸化した。該ゲ
ル状物を粉砕後メタノールで洗浄し、50℃で18時間乾燥
して白色粉末の変性PVA を得た。ポリマー構造を核磁気
共鳴分光法で分析し表1にまとめて示した。
【0022】実施例3 実施例1と同様の反応装置を使用して同様な方法で以下
の重合を行った。酢酸ビニルを46.4g、4-ブテン-1- オ
ールを4.3 g、イタコン酸を0.04g、メタノールを12g
仕込んだ。重合液を撹拌しつつ、系内で窒素置換して恒
温槽により加温し、60℃の恒温になった時点で2,2'- ア
ゾビスイソブチロニトリル0.6 gを系内に添加し重合を
開始した。重合開始時点より重合系内の固形分濃度を分
析しつつイタコン酸の25重量%メタノール溶液を滴下
しつつ重合を行い、3 時間の間に4 mlをほぼ均一に滴
下した後、重合槽を冷却することにより重合を停止し
た。重合停止前の固形分濃度は20重量%であった。得ら
れた重合ペーストをn-ヘキサン中に滴下し重合物を得
た。得られた重合物中の4-ブテン-1- オール単位の含量
は11.0モル%でイタコン酸単位の含量は1.2 モル%であ
った。次に該重合体の20重量%メタノール溶液を調整
し、該溶液46mlを40℃で撹拌しながら水酸化ナトリウ
ムの10重量%メタノール溶液を2 ml加えて鹸化した。
該ゲル状物を粉砕後メタノールで洗浄し、50℃で18時間
乾燥して白色粉末の変性PVA を得た。ポリマー構造を核
磁気共鳴分光法で分析し表1にまとめて示した。
の重合を行った。酢酸ビニルを46.4g、4-ブテン-1- オ
ールを4.3 g、イタコン酸を0.04g、メタノールを12g
仕込んだ。重合液を撹拌しつつ、系内で窒素置換して恒
温槽により加温し、60℃の恒温になった時点で2,2'- ア
ゾビスイソブチロニトリル0.6 gを系内に添加し重合を
開始した。重合開始時点より重合系内の固形分濃度を分
析しつつイタコン酸の25重量%メタノール溶液を滴下
しつつ重合を行い、3 時間の間に4 mlをほぼ均一に滴
下した後、重合槽を冷却することにより重合を停止し
た。重合停止前の固形分濃度は20重量%であった。得ら
れた重合ペーストをn-ヘキサン中に滴下し重合物を得
た。得られた重合物中の4-ブテン-1- オール単位の含量
は11.0モル%でイタコン酸単位の含量は1.2 モル%であ
った。次に該重合体の20重量%メタノール溶液を調整
し、該溶液46mlを40℃で撹拌しながら水酸化ナトリウ
ムの10重量%メタノール溶液を2 ml加えて鹸化した。
該ゲル状物を粉砕後メタノールで洗浄し、50℃で18時間
乾燥して白色粉末の変性PVA を得た。ポリマー構造を核
磁気共鳴分光法で分析し表1にまとめて示した。
【0023】実施例4 実施例1と同様の反応装置を使用して同様な方法で以下
の重合を行った。酢酸ビニルを46.4g、5-ヘキセン-1-
オールを6.0 g、マレイン酸を0.05g、メタノールを12
g仕込んだ。重合液を撹拌しつつ、系内で窒素置換して
恒温槽により加温し、60℃の恒温になった時点で2,2'-
アゾビスイソブチロニトリル0.6 gを系内に添加し重合
を開始した。重合開始時点より重合系内の固形分濃度を
分析しつつマレイン酸の25重量%メタノール溶液を滴
下しつつ重合を行い、4 時間の間に4 mlをほぼ均一に
滴下した後、重合槽を冷却することにより重合を停止し
た。重合停止前の固形分濃度は20重量%であった。得ら
れた重合ペーストをn-ヘキサン中に滴下し重合物を得
た。得られた重合物中の5-ヘキセン-1- オール単位の含
量は8.0 モル%でイタコン酸単位の含量はモル1.8 %で
あった。次に該重合体の20重量%メタノール溶液を調整
し、該溶液46mlを40℃で撹拌しながら水酸化ナトリウ
ムの10重量%メタノール溶液を2 ml加えて鹸化した。
該ゲル状物を粉砕後メタノールで洗浄し、50℃で18時間
乾燥して白色粉末の変性PVA を得た。ポリマー構造を核
磁気共鳴分光法で分析し表1にまとめて示した。
の重合を行った。酢酸ビニルを46.4g、5-ヘキセン-1-
オールを6.0 g、マレイン酸を0.05g、メタノールを12
g仕込んだ。重合液を撹拌しつつ、系内で窒素置換して
恒温槽により加温し、60℃の恒温になった時点で2,2'-
アゾビスイソブチロニトリル0.6 gを系内に添加し重合
を開始した。重合開始時点より重合系内の固形分濃度を
分析しつつマレイン酸の25重量%メタノール溶液を滴
下しつつ重合を行い、4 時間の間に4 mlをほぼ均一に
滴下した後、重合槽を冷却することにより重合を停止し
た。重合停止前の固形分濃度は20重量%であった。得ら
れた重合ペーストをn-ヘキサン中に滴下し重合物を得
た。得られた重合物中の5-ヘキセン-1- オール単位の含
量は8.0 モル%でイタコン酸単位の含量はモル1.8 %で
あった。次に該重合体の20重量%メタノール溶液を調整
し、該溶液46mlを40℃で撹拌しながら水酸化ナトリウ
ムの10重量%メタノール溶液を2 ml加えて鹸化した。
該ゲル状物を粉砕後メタノールで洗浄し、50℃で18時間
乾燥して白色粉末の変性PVA を得た。ポリマー構造を核
磁気共鳴分光法で分析し表1にまとめて示した。
【0024】比較例1〜4 比較のために、比較例1では平均炭素数10の分岐脂肪
酸ビニルエステルの含有量が5モル%(構造単位(A)
および構造単位(B)の含有量0モル%)、比較例2で
は平均炭素数10の分岐脂肪酸ビニルエステルの含有量
が3モル%(構造単位(A)および構造単位(B)の含
有量0モル%)、比較例3ではイタコン酸の含有量が2
モル%(構造単位(A)の含有量0モル%)、比較例4
では無水マレイン酸の含有量が1モル%(構造単位
(A)の含有量0モル%)を使用し、て、実施例1と同
じ方法に従ってPVA系重合体を製造した。得られたP
VA系重合体の性能を表1に示す。得られたPVA系重
合体は、全く水溶性がなく熱水に膨潤するのみであった
り、水溶性が良好であってもその水溶液粘度は低かっ
た。結果を表1にまとめて示す。
酸ビニルエステルの含有量が5モル%(構造単位(A)
および構造単位(B)の含有量0モル%)、比較例2で
は平均炭素数10の分岐脂肪酸ビニルエステルの含有量
が3モル%(構造単位(A)および構造単位(B)の含
有量0モル%)、比較例3ではイタコン酸の含有量が2
モル%(構造単位(A)の含有量0モル%)、比較例4
では無水マレイン酸の含有量が1モル%(構造単位
(A)の含有量0モル%)を使用し、て、実施例1と同
じ方法に従ってPVA系重合体を製造した。得られたP
VA系重合体の性能を表1に示す。得られたPVA系重
合体は、全く水溶性がなく熱水に膨潤するのみであった
り、水溶性が良好であってもその水溶液粘度は低かっ
た。結果を表1にまとめて示す。
【0025】
【表1】
【0026】1)水溶性:7.5重量%水溶液を調整し、
その評価結果を以下の記号で示す。 (◎:透明, ×:未溶解分があった) 2)熱成形性:220℃で熱プレスし、その評価結果を以
下の記号で示す。 (◎:熱プレス性良好, ×:熱プレス性不良)
その評価結果を以下の記号で示す。 (◎:透明, ×:未溶解分があった) 2)熱成形性:220℃で熱プレスし、その評価結果を以
下の記号で示す。 (◎:熱プレス性良好, ×:熱プレス性不良)
【0027】実施例5 3Lスケールの反応装置を使用して実施例1と同様の方
法で以下の重合を行った。酢酸ビニルを1680g 、7-オク
テン-1- オールを390g、メタノールを420g仕込んだ。重
合液を撹拌しつつ、系内で窒素置換して恒温槽により加
熱し、60℃の恒温になった時点で2,2 −アゾビスイソブ
チロニトリル30g を系内に添加し重合を開始した。重合
開始時点より重合系内の固形分濃度を分析しつつ重合を
行い、4時間後に重合槽を冷却することにより重合を停
止した。重合停止前の重合率は56%であった。得られた
重合ペーストをn−ヘキサン中に滴下し重合物を得た。
得られた重合物中の7-オクテン-1- オール単位の含量は
5.0 モル%であった。次に該重合体の25重量%メタノー
ル溶液を調製し、該溶液を40℃で撹拌しながら水酸化ナ
トリウムの10重量%メタノール溶液を該ポリ酢酸ビニル
に対してモル比0.10になるように添加してけん化した。
該ゲル状物を粉砕後メタノールで洗浄し、50℃で18時間
乾燥して白色粉末の変性PVA を得た。ポリマー構造を核
磁気共鳴分光法で分析し表2にまとめて示した。
法で以下の重合を行った。酢酸ビニルを1680g 、7-オク
テン-1- オールを390g、メタノールを420g仕込んだ。重
合液を撹拌しつつ、系内で窒素置換して恒温槽により加
熱し、60℃の恒温になった時点で2,2 −アゾビスイソブ
チロニトリル30g を系内に添加し重合を開始した。重合
開始時点より重合系内の固形分濃度を分析しつつ重合を
行い、4時間後に重合槽を冷却することにより重合を停
止した。重合停止前の重合率は56%であった。得られた
重合ペーストをn−ヘキサン中に滴下し重合物を得た。
得られた重合物中の7-オクテン-1- オール単位の含量は
5.0 モル%であった。次に該重合体の25重量%メタノー
ル溶液を調製し、該溶液を40℃で撹拌しながら水酸化ナ
トリウムの10重量%メタノール溶液を該ポリ酢酸ビニル
に対してモル比0.10になるように添加してけん化した。
該ゲル状物を粉砕後メタノールで洗浄し、50℃で18時間
乾燥して白色粉末の変性PVA を得た。ポリマー構造を核
磁気共鳴分光法で分析し表2にまとめて示した。
【0028】実施例6 5Lスケールの反応装置を使用して実施例1と同様の方
法で以下の重合を行った。酢酸ビニルを2800g 、7-オク
テン-1- オールを119g仕込んだ。重合液を撹拌しつつ、
系内で窒素置換して恒温槽により加熱し、60℃の恒温に
なった時点で2,2 −アゾビスイソブチロニトリル6.0gを
系内に添加し重合を開始した。重合開始時点より重合系
内の固形分濃度を分析しつつ重合を行い、5時間後に重
合槽を冷却することにより重合を停止した。重合停止前
の重合率は42%であった。得られた重合ペーストをn−
ヘキサン中に滴下し重合物を得た。得られた重合物中の
7-オクテン-1- オール単位の含量は3.1 モル%であっ
た。次に該重合体の20重量%メタノール溶液を調製し、
該溶液を40℃で撹拌しながら水酸化ナトリウムの10重量
%メタノール溶液を該ポリ酢酸ビニルに対してモル比0.
10になるように添加してけん化した。該ゲル状物を粉砕
後メタノールで洗浄し、50℃で18時間乾燥して白色粉末
の変性PVA を得た。ポリマー構造を核磁気共鳴分光法で
分析し表2にまとめて示した。
法で以下の重合を行った。酢酸ビニルを2800g 、7-オク
テン-1- オールを119g仕込んだ。重合液を撹拌しつつ、
系内で窒素置換して恒温槽により加熱し、60℃の恒温に
なった時点で2,2 −アゾビスイソブチロニトリル6.0gを
系内に添加し重合を開始した。重合開始時点より重合系
内の固形分濃度を分析しつつ重合を行い、5時間後に重
合槽を冷却することにより重合を停止した。重合停止前
の重合率は42%であった。得られた重合ペーストをn−
ヘキサン中に滴下し重合物を得た。得られた重合物中の
7-オクテン-1- オール単位の含量は3.1 モル%であっ
た。次に該重合体の20重量%メタノール溶液を調製し、
該溶液を40℃で撹拌しながら水酸化ナトリウムの10重量
%メタノール溶液を該ポリ酢酸ビニルに対してモル比0.
10になるように添加してけん化した。該ゲル状物を粉砕
後メタノールで洗浄し、50℃で18時間乾燥して白色粉末
の変性PVA を得た。ポリマー構造を核磁気共鳴分光法で
分析し表2にまとめて示した。
【0029】実施例7 実施例6と同様の反応装置を使用して同様の方法で以下
の重合を行った。酢酸ビニルを2800g 、7-オクテン-1-
オールを300g、メタノールを700g仕込んだ。重合液を撹
拌しつつ、系内で窒素置換して恒温槽により加熱し、60
℃の恒温になった時点で2,2 −アゾビスイソブチロニト
リル3 3gを系内に添加し重合を開始した。重合開始時点
より重合系内の固形分濃度を分析しつつ重合を行い、4.
5 時間後に重合槽を冷却することにより重合を停止し
た。重合停止前の重合率は63%であった。得られた重合
ペーストをn−ヘキサン中に滴下し重合物を得た。得ら
れた重合物中の7-オクテン-1- オール単位の含量は8.4
モル%であった。次に該重合体の25重量%メタノール溶
液を調製し、該溶液を40℃で撹拌しながら水酸化ナトリ
ウムの10重量%メタノール溶液を該ポリ酢酸ビニルに対
してモル比0.10になるように添加してけん化した。該ゲ
ル状物を粉砕後メタノールで洗浄し、50℃で18時間乾燥
して白色粉末の変性PVA を得た。ポリマー構造を核磁気
共鳴分光法で分析し表2にまとめて示した。
の重合を行った。酢酸ビニルを2800g 、7-オクテン-1-
オールを300g、メタノールを700g仕込んだ。重合液を撹
拌しつつ、系内で窒素置換して恒温槽により加熱し、60
℃の恒温になった時点で2,2 −アゾビスイソブチロニト
リル3 3gを系内に添加し重合を開始した。重合開始時点
より重合系内の固形分濃度を分析しつつ重合を行い、4.
5 時間後に重合槽を冷却することにより重合を停止し
た。重合停止前の重合率は63%であった。得られた重合
ペーストをn−ヘキサン中に滴下し重合物を得た。得ら
れた重合物中の7-オクテン-1- オール単位の含量は8.4
モル%であった。次に該重合体の25重量%メタノール溶
液を調製し、該溶液を40℃で撹拌しながら水酸化ナトリ
ウムの10重量%メタノール溶液を該ポリ酢酸ビニルに対
してモル比0.10になるように添加してけん化した。該ゲ
ル状物を粉砕後メタノールで洗浄し、50℃で18時間乾燥
して白色粉末の変性PVA を得た。ポリマー構造を核磁気
共鳴分光法で分析し表2にまとめて示した。
【0030】実施例8 実施例6と同様の反応装置を使用して同様の方法で以下
の重合を行った。酢酸ビニルを2800g 、7-オクテン-1-
オールを800g、アリルスルホン酸ナトリウム30g 仕込ん
だ。重合液を撹拌しつつ、系内で窒素置換して恒温槽に
より加熱し、60℃の恒温になった時点で2,2 −アゾビス
イソブチロニトリル30g を系内に添加し重合を開始し
た。重合開始時点より重合系内の固形分濃度を分析しつ
つ重合を行い、5時間後に重合槽を冷却することにより
重合を停止した。重合停止前の重合率は38%であった。
得られた重合ペーストをn−ヘキサン中に滴下し重合物
を得た。得られた重合物中の7-オクテン-1- オール単位
の含量は11.0モル%、アリルスルホン酸ナトリウム単位
の含量は0.5 モル%であった。次に該重合体の25重量%
メタノール溶液を調製し、該溶液を40℃で撹拌しながら
水酸化ナトリウムの10重量%メタノール溶液を該ポリ酢
酸ビニルに対してモル比0.010 になるように添加してけ
ん化した。該ゲル状物を粉砕後メタノールで洗浄し、50
℃で18時間乾燥して白色粉末の変性PVA を得た。ポリマ
ー構造を核磁気共鳴分光法で分析し表2にまとめて示し
た。
の重合を行った。酢酸ビニルを2800g 、7-オクテン-1-
オールを800g、アリルスルホン酸ナトリウム30g 仕込ん
だ。重合液を撹拌しつつ、系内で窒素置換して恒温槽に
より加熱し、60℃の恒温になった時点で2,2 −アゾビス
イソブチロニトリル30g を系内に添加し重合を開始し
た。重合開始時点より重合系内の固形分濃度を分析しつ
つ重合を行い、5時間後に重合槽を冷却することにより
重合を停止した。重合停止前の重合率は38%であった。
得られた重合ペーストをn−ヘキサン中に滴下し重合物
を得た。得られた重合物中の7-オクテン-1- オール単位
の含量は11.0モル%、アリルスルホン酸ナトリウム単位
の含量は0.5 モル%であった。次に該重合体の25重量%
メタノール溶液を調製し、該溶液を40℃で撹拌しながら
水酸化ナトリウムの10重量%メタノール溶液を該ポリ酢
酸ビニルに対してモル比0.010 になるように添加してけ
ん化した。該ゲル状物を粉砕後メタノールで洗浄し、50
℃で18時間乾燥して白色粉末の変性PVA を得た。ポリマ
ー構造を核磁気共鳴分光法で分析し表2にまとめて示し
た。
【0031】比較例5 実施例6と同様の反応装置を使用して同様の方法で以下
の重合を行った。酢酸ビニルを2800g 、アリルスルホン
酸ナトリウム25g 、メタノール700g仕込んだ。重合液を
撹拌しつつ、系内で窒素置換して恒温槽により加熱し、
60℃の恒温になった時点で2,2 −アゾビスイソブチロニ
トリル1.5gを系内に添加し重合を開始した。重合開始時
点より重合系内の固形分濃度を分析しつつ重合を行い、
4時間後に重合槽を冷却することにより重合を停止し
た。重合停止前の重合率は62%であった。得られた重合
ペーストをn−ヘキサン中に滴下し重合物を得た。得ら
れた重合物中のアリルスルホン酸ナトリウム単位の含量
は0.5 モル%であった。次に該重合体の30重量%メタノ
ール溶液を調製し、該溶液を40℃で撹拌しながら水酸化
ナトリウムの10重量%メタノール溶液を該ポリ酢酸ビニ
ルに対してモル比0.008 になるように添加してけん化し
た。該ゲル状物を粉砕後メタノールで洗浄し、50℃で18
時間乾燥して白色粉末の変性PVA を得た。ポリマー構造
を核磁気共鳴分光法で分析し表2にまとめて示した。
の重合を行った。酢酸ビニルを2800g 、アリルスルホン
酸ナトリウム25g 、メタノール700g仕込んだ。重合液を
撹拌しつつ、系内で窒素置換して恒温槽により加熱し、
60℃の恒温になった時点で2,2 −アゾビスイソブチロニ
トリル1.5gを系内に添加し重合を開始した。重合開始時
点より重合系内の固形分濃度を分析しつつ重合を行い、
4時間後に重合槽を冷却することにより重合を停止し
た。重合停止前の重合率は62%であった。得られた重合
ペーストをn−ヘキサン中に滴下し重合物を得た。得ら
れた重合物中のアリルスルホン酸ナトリウム単位の含量
は0.5 モル%であった。次に該重合体の30重量%メタノ
ール溶液を調製し、該溶液を40℃で撹拌しながら水酸化
ナトリウムの10重量%メタノール溶液を該ポリ酢酸ビニ
ルに対してモル比0.008 になるように添加してけん化し
た。該ゲル状物を粉砕後メタノールで洗浄し、50℃で18
時間乾燥して白色粉末の変性PVA を得た。ポリマー構造
を核磁気共鳴分光法で分析し表2にまとめて示した。
【0032】
【表2】
【0033】1)水溶性:7.5重量%水溶液を調整し、
その評価結果を以下の記号で示す。(◎:透明, ×:
未溶解分があった) 2)熱成形性:220℃で熱プレスし、その評価結果を以
下の記号で示す。(◎:熱プレス性良好, ×:熱プレ
ス性不良)
その評価結果を以下の記号で示す。(◎:透明, ×:
未溶解分があった) 2)熱成形性:220℃で熱プレスし、その評価結果を以
下の記号で示す。(◎:熱プレス性良好, ×:熱プレ
ス性不良)
【0034】
【発明の効果】上記の実施例から明らかなように、本発
明の変性PVAを用いて製造されたポリ酢酸ビニルエマ
ルジョンは、外観が良好であり、粘度が高く、同時に構
造粘性が小さく優れた粘性挙動を示し、しかも凍結時お
よび高温時の安定性に優れるという際立った性能を示
す。さらに、本発明の変性PVAは、可塑剤を用いるこ
となく熱可塑性を示し、熱成形が可能な樹脂としての使
用も可能であり、熱成形後も冷水可溶性である。
明の変性PVAを用いて製造されたポリ酢酸ビニルエマ
ルジョンは、外観が良好であり、粘度が高く、同時に構
造粘性が小さく優れた粘性挙動を示し、しかも凍結時お
よび高温時の安定性に優れるという際立った性能を示
す。さらに、本発明の変性PVAは、可塑剤を用いるこ
となく熱可塑性を示し、熱成形が可能な樹脂としての使
用も可能であり、熱成形後も冷水可溶性である。
フロントページの続き (72)発明者 畑中 唯史 岡山県倉敷市酒津2045番地の1 株式会社 クラレ内 (72)発明者 辻 正男 岡山県倉敷市酒津2045番地の1 株式会社 クラレ内 (72)発明者 藤原 直樹 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (72)発明者 楠藤 健 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (72)発明者 佐藤 寿昭 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内
Claims (3)
- 【請求項1】 下記の一般式で示される構造単位(A)
を有する変性ポリビニルアルコール。 【化1】 (n:3〜20の整数) - 【請求項2】 エチレン性不飽和カルボン酸、その低級
アルキルエステルまたはその酸無水物に由来する構造単
位(B)を有する請求項1記載の変性ポリビニルアルコ
ール。 - 【請求項3】 エチレン性不飽和スルホン酸に由来する
構造単位(D)を有する請求項1記載の変性ポリビニル
アルコール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32208094A JPH07228625A (ja) | 1993-12-24 | 1994-12-26 | 変性ポリビニルアルコール |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-328108 | 1993-12-24 | ||
JP32810893 | 1993-12-24 | ||
JP32208094A JPH07228625A (ja) | 1993-12-24 | 1994-12-26 | 変性ポリビニルアルコール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07228625A true JPH07228625A (ja) | 1995-08-29 |
Family
ID=26570687
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32208094A Pending JPH07228625A (ja) | 1993-12-24 | 1994-12-26 | 変性ポリビニルアルコール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07228625A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6472470B1 (en) | 1998-12-09 | 2002-10-29 | Kuraray Co., Ltd. | Vinyl alcohol polymer and its composition |
WO2015037683A1 (ja) * | 2013-09-13 | 2015-03-19 | 株式会社クラレ | ビニルアルコール系重合体、増粘剤、乳化重合用安定剤、懸濁重合用安定剤、コーティング剤、塗工物、繊維用糊剤、糊付け糸及び織物の製造方法 |
JP2015054964A (ja) * | 2013-09-13 | 2015-03-23 | 株式会社クラレ | ビニルアルコール系重合体を含む増粘剤 |
JP2015163659A (ja) * | 2014-02-28 | 2015-09-10 | 株式会社クラレ | 乳化重合用安定剤 |
JP2015174920A (ja) * | 2014-03-14 | 2015-10-05 | 株式会社クラレ | コーティング剤及び塗工物 |
JP2015196700A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-09 | 株式会社クラレ | 懸濁重合用安定剤 |
JP2016023386A (ja) * | 2014-07-22 | 2016-02-08 | 株式会社クラレ | 繊維用糊剤、糊付け糸及び織物の製造方法 |
-
1994
- 1994-12-26 JP JP32208094A patent/JPH07228625A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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