JPH07196780A - ポリ(アルキル置換−2,5−ピリミジンジイル)及びその製造方法 - Google Patents
ポリ(アルキル置換−2,5−ピリミジンジイル)及びその製造方法Info
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- JPH07196780A JPH07196780A JP5352789A JP35278993A JPH07196780A JP H07196780 A JPH07196780 A JP H07196780A JP 5352789 A JP5352789 A JP 5352789A JP 35278993 A JP35278993 A JP 35278993A JP H07196780 A JPH07196780 A JP H07196780A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 種々の溶媒への溶解性があり、電極の金属面
及び基板との接着性が良好であり、成膜性に優れ、かつ
n型ドーピングによって電気伝導性を発現する新規な有
機導電体。 【構成】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ水素または低級アルキル
基を示し、R1 とR2 の少なくとも一方がアルキル基)
を繰り返し単位としたポリ(アルキル置換−2,5−ピ
リミジンジイル)。
及び基板との接着性が良好であり、成膜性に優れ、かつ
n型ドーピングによって電気伝導性を発現する新規な有
機導電体。 【構成】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ水素または低級アルキル
基を示し、R1 とR2 の少なくとも一方がアルキル基)
を繰り返し単位としたポリ(アルキル置換−2,5−ピ
リミジンジイル)。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶媒可溶性で賦形
性に優れ、耐熱性があり、基板面との高い接着性を有
し、かつ良好なn型ドーピング能を有する新規なパイ共
役系導電性高分子とのその合成法に関するものである。
パイ共役系導電性高分子は特徴ある物理的、電気的特性
を有し、電池、表示素子、発光素子、光電変換素子、セ
ンサー、OPC電極、修飾電極、太陽電池、トランジス
タ等各種デバイスに有用である。
性に優れ、耐熱性があり、基板面との高い接着性を有
し、かつ良好なn型ドーピング能を有する新規なパイ共
役系導電性高分子とのその合成法に関するものである。
パイ共役系導電性高分子は特徴ある物理的、電気的特性
を有し、電池、表示素子、発光素子、光電変換素子、セ
ンサー、OPC電極、修飾電極、太陽電池、トランジス
タ等各種デバイスに有用である。
【0002】
【従来の技術】パイ共役系導電性高分子には、p型ドー
パント等によって酸化され正孔が電気伝導の主役を演じ
るp型有機導電体と、n型ドーパント等によって還元さ
れ電子が電気伝導の主役を演じるn型有機導電体とがあ
る。前者の例としては、ポリ(2,5−チエニレン)、
ポリ(2,5−ピロリレン)、ポリ(パラフェニレンビ
ニレン)等数多くあり、研究開発が進んでいるが、後者
の導電性高分子の例は極めて少ない。
パント等によって酸化され正孔が電気伝導の主役を演じ
るp型有機導電体と、n型ドーパント等によって還元さ
れ電子が電気伝導の主役を演じるn型有機導電体とがあ
る。前者の例としては、ポリ(2,5−チエニレン)、
ポリ(2,5−ピロリレン)、ポリ(パラフェニレンビ
ニレン)等数多くあり、研究開発が進んでいるが、後者
の導電性高分子の例は極めて少ない。
【0003】電子伝導体であるn型有機導電体は、電子
輸送層として利用が期待でき、発光素子、OPC電極等
への広範な用途が期待されるだけにその開発が切望され
ているのである。
輸送層として利用が期待でき、発光素子、OPC電極等
への広範な用途が期待されるだけにその開発が切望され
ているのである。
【0004】ケミストリー レターズ、1988年、1
53〜154頁に記載されているポリ(2,5−ピリミ
ジンジイル)はその数少ないn型有機導電体の例であ
る。ポリマーの主鎖にピリミジン環を導入すると、ピリ
ミジン環中の窒素原子が電子吸引性であるため高分子化
合物としてn型電導になり易い。しかし、ここで合成さ
れたアルキル置換されていないポリ(2,5−ピリミジ
ンジイル)はこれを溶解できる溶媒は濃塩酸等の特殊な
溶媒に限られているうえ、電極との接着性が悪く、薄膜
として用いる電子デバイスへの利用が加工性の面で制限
されることが問題となっていた。
53〜154頁に記載されているポリ(2,5−ピリミ
ジンジイル)はその数少ないn型有機導電体の例であ
る。ポリマーの主鎖にピリミジン環を導入すると、ピリ
ミジン環中の窒素原子が電子吸引性であるため高分子化
合物としてn型電導になり易い。しかし、ここで合成さ
れたアルキル置換されていないポリ(2,5−ピリミジ
ンジイル)はこれを溶解できる溶媒は濃塩酸等の特殊な
溶媒に限られているうえ、電極との接着性が悪く、薄膜
として用いる電子デバイスへの利用が加工性の面で制限
されることが問題となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、種々の溶媒
への溶解性があり、電極の金属面及び基板との接着性が
良好であり、成膜性に優れ、かつn型ドーピングによっ
て電気伝導性を発現する新規な有機導電体、その製造方
法並びにそれを用いたエレクトロルミネッセント材料を
得ることを目的とする。
への溶解性があり、電極の金属面及び基板との接着性が
良好であり、成膜性に優れ、かつn型ドーピングによっ
て電気伝導性を発現する新規な有機導電体、その製造方
法並びにそれを用いたエレクトロルミネッセント材料を
得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述のn
型有機導電体ポリ(2,5−ピリミジンジイル)の問題
点を解決すべく鋭意研究を行った結果、一般式(1)で
表される、ポリ(2,5−ピリミジンジイル)のピリミ
ジン環にアルキル置換基を導入した繰り返し単位を有す
るポリマーが上記の目的を達成することを見いだし、本
発明に到ったものである。
型有機導電体ポリ(2,5−ピリミジンジイル)の問題
点を解決すべく鋭意研究を行った結果、一般式(1)で
表される、ポリ(2,5−ピリミジンジイル)のピリミ
ジン環にアルキル置換基を導入した繰り返し単位を有す
るポリマーが上記の目的を達成することを見いだし、本
発明に到ったものである。
【0007】即ち、本発明は一般式(1)
【化2】 (式中、R1 ,R2 はそれぞれ水素または低級アルキル
基を示し、R1 とR2 の少なくとも一方がアルキル基で
ある。)で表される置換−2,5−ピリミジンジイルを
繰り返し単位とし、平均重合度nが10〜1000の範
囲にあるポリ(アルキル置換−2,5−ピリミジンジイ
ル)および2,5−ジハロゲノ−4及び/または6アル
キル置換−ピリミジンにゼロ価ニッケル錯体を脱ハロゲ
ン化剤として加え、重縮合反応させるポリ(アルキル置
換−2,5−ピリミジンジイル)の製造方法、並びに該
ポリ(アルキル置換−2,5−ピリミジンジイル)のn
型導電性高分子を用いたエレクトロルミネッセント材料
に関する。
基を示し、R1 とR2 の少なくとも一方がアルキル基で
ある。)で表される置換−2,5−ピリミジンジイルを
繰り返し単位とし、平均重合度nが10〜1000の範
囲にあるポリ(アルキル置換−2,5−ピリミジンジイ
ル)および2,5−ジハロゲノ−4及び/または6アル
キル置換−ピリミジンにゼロ価ニッケル錯体を脱ハロゲ
ン化剤として加え、重縮合反応させるポリ(アルキル置
換−2,5−ピリミジンジイル)の製造方法、並びに該
ポリ(アルキル置換−2,5−ピリミジンジイル)のn
型導電性高分子を用いたエレクトロルミネッセント材料
に関する。
【0008】本発明のポリ(アルキル置換−2,5−ピ
リミジンジイル)を製造する方法はいくつかあり、特に
限定はされない。例えば、グリニヤール試薬を経由して
重合する方法、酸化剤による酸化重合法、ゼロ価ニッケ
ル錯体を用いて脱ハロゲン化重縮合する方法等が挙げら
れる。
リミジンジイル)を製造する方法はいくつかあり、特に
限定はされない。例えば、グリニヤール試薬を経由して
重合する方法、酸化剤による酸化重合法、ゼロ価ニッケ
ル錯体を用いて脱ハロゲン化重縮合する方法等が挙げら
れる。
【0009】グリニヤール試薬を経由して重合する方法
としては、例えばケミストリー レターズ353〜35
6頁(1977年)に掲載してある方法がある。
としては、例えばケミストリー レターズ353〜35
6頁(1977年)に掲載してある方法がある。
【0010】テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等
のエーテル溶媒中においてマグネシウムをジハロゲノ−
アルキル置換−ピリミジンと反応させグリニヤール試薬
を合成し、この試薬とジハロゲノ−アルキル置換−ピリ
ミジンをジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)プロパン]ニッケル、テトラキス(トリフェニルホ
スフィン)ニッケル、ビス(1,5−シクロオクタジエ
ン)ニッケル等の触媒存在下で重合させる方法である。
のエーテル溶媒中においてマグネシウムをジハロゲノ−
アルキル置換−ピリミジンと反応させグリニヤール試薬
を合成し、この試薬とジハロゲノ−アルキル置換−ピリ
ミジンをジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)プロパン]ニッケル、テトラキス(トリフェニルホ
スフィン)ニッケル、ビス(1,5−シクロオクタジエ
ン)ニッケル等の触媒存在下で重合させる方法である。
【0011】酸化剤による酸化重合法は、例えばテトラ
ヒドロン レターズ 472頁(1962年)に掲載
の、コバシック法が一般的で簡単である。即ち三塩化ア
ルミニウム、三塩化鉄等のようなルイス酸を触媒とし、
塩化第二銅を酸化剤とする縮合反応である。この方法で
は重合度が低く、分岐していたり架橋している可能性が
ある。
ヒドロン レターズ 472頁(1962年)に掲載
の、コバシック法が一般的で簡単である。即ち三塩化ア
ルミニウム、三塩化鉄等のようなルイス酸を触媒とし、
塩化第二銅を酸化剤とする縮合反応である。この方法で
は重合度が低く、分岐していたり架橋している可能性が
ある。
【0012】この中で収率、重合体の分子量等の点で、
ケミストリー レターズ、1988年、153〜154
頁に記載されているゼロ価ニッケル錯体を用いて脱ハロ
ゲン化重縮合する方法が効率的で好ましい。この反応
は、例えば不活性雰囲気にした反応容器中に原料に対し
て1モル以上のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニ
ッケル、ビス(2,2’−ビピリジル)ニッケル、
(2,2’−ビピリジル)(1,5−シクロオクタジエ
ン)ニッケル、またはテトラキス(トリフェニルホスフ
ィン)ニッケル等のゼロ価ニッケル錯体を加える。使用
するニッケル錯体によっては、反応性向上のために、
2,2’−ビピリジル、ホスフィン等の配位子を加える
こともある。続いて、N,N−ジメチルホルムアミド、
トルエン等を溶媒として加える。最後に溶媒に溶解した
2,5−ジハロゲノ−アルキル置換−ピリミジン等の原
料を加え、撹拌、加熱する。加熱温度はニッケル錯体が
分解しない程度である60℃、加熱時間は12時間以上
が好ましい。反応溶液はアンモニア水に注ぎ、得られた
物質をアンモニア水、メタノール等で洗浄する。
ケミストリー レターズ、1988年、153〜154
頁に記載されているゼロ価ニッケル錯体を用いて脱ハロ
ゲン化重縮合する方法が効率的で好ましい。この反応
は、例えば不活性雰囲気にした反応容器中に原料に対し
て1モル以上のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニ
ッケル、ビス(2,2’−ビピリジル)ニッケル、
(2,2’−ビピリジル)(1,5−シクロオクタジエ
ン)ニッケル、またはテトラキス(トリフェニルホスフ
ィン)ニッケル等のゼロ価ニッケル錯体を加える。使用
するニッケル錯体によっては、反応性向上のために、
2,2’−ビピリジル、ホスフィン等の配位子を加える
こともある。続いて、N,N−ジメチルホルムアミド、
トルエン等を溶媒として加える。最後に溶媒に溶解した
2,5−ジハロゲノ−アルキル置換−ピリミジン等の原
料を加え、撹拌、加熱する。加熱温度はニッケル錯体が
分解しない程度である60℃、加熱時間は12時間以上
が好ましい。反応溶液はアンモニア水に注ぎ、得られた
物質をアンモニア水、メタノール等で洗浄する。
【0013】この重合方法はほとんどの2,5−ジハロ
ゲノ−アルキル置換−ピリミジンを重縮合することがで
き、しかも目的物を収率良く合成できる。
ゲノ−アルキル置換−ピリミジンを重縮合することがで
き、しかも目的物を収率良く合成できる。
【0014】モノマーである2,5−ジハロゲノ−アル
キル置換−ピリミジンの合成は、例えば市販品である2
−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミジン塩酸塩を出
発原料とする場合、適当な塩基によって中和して2−ヒ
ドロキシ−4,6−ジメチルピリミジンとし、臭素やN
−ブロモこはく酸イミド等によって5位を臭素化し、三
臭化リン、オキシ臭化リン等によってヒドロキシル基を
臭素化し、2,5−ジブロモ−4,6−ジメチルピリミ
ジンを得る。このようにしてジハロゲノピリミジン誘導
体を得ることができる。
キル置換−ピリミジンの合成は、例えば市販品である2
−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミジン塩酸塩を出
発原料とする場合、適当な塩基によって中和して2−ヒ
ドロキシ−4,6−ジメチルピリミジンとし、臭素やN
−ブロモこはく酸イミド等によって5位を臭素化し、三
臭化リン、オキシ臭化リン等によってヒドロキシル基を
臭素化し、2,5−ジブロモ−4,6−ジメチルピリミ
ジンを得る。このようにしてジハロゲノピリミジン誘導
体を得ることができる。
【0015】このポリ(2,5−ピリミジンジイル)誘
導体は、ピリミジン環に置換したアルキル鎖の炭素数が
1個以上4個程度まででクロロホルム、ジメチルスルフ
ォキサイド、テトラヒドロフラン、ベンゼン、クレゾー
ル、N−メチルピロリドン等の種々の有機溶媒に可溶と
なり、フィルムの成形が極めて容易となる。例えばこの
溶液からスピンコート等によってガラス板等の上に塗
布、乾燥して得られたフィルムは、ガラス板等から剥離
することにより可撓性のフィルムとして得ることができ
る。これらのフィルムは空気中に放置しても安定であ
る。
導体は、ピリミジン環に置換したアルキル鎖の炭素数が
1個以上4個程度まででクロロホルム、ジメチルスルフ
ォキサイド、テトラヒドロフラン、ベンゼン、クレゾー
ル、N−メチルピロリドン等の種々の有機溶媒に可溶と
なり、フィルムの成形が極めて容易となる。例えばこの
溶液からスピンコート等によってガラス板等の上に塗
布、乾燥して得られたフィルムは、ガラス板等から剥離
することにより可撓性のフィルムとして得ることができ
る。これらのフィルムは空気中に放置しても安定であ
る。
【0016】このポリ(アルキル置換−2,5−ピリミ
ジンジイル)は、電子供与体を加えることにより高分子
内に電子を多数発生させ、その電子がキャリアとなり高
導電化することができる。
ジンジイル)は、電子供与体を加えることにより高分子
内に電子を多数発生させ、その電子がキャリアとなり高
導電化することができる。
【0017】このドーピング方法には、還元剤を溶液中
や気相中で直接高分子に接触させる化学的方法や、電気
化学的に還元(ドーピング)させる方法がある。
や気相中で直接高分子に接触させる化学的方法や、電気
化学的に還元(ドーピング)させる方法がある。
【0018】例えば化学的n型ドーピングでは、ポリ
(アルキル置換−2,5−ピリミジンジイル)をナトリ
ウムナフタレニド、ブチルリチウムなどの還元剤と溶液
中で反応させることにより達成される。これらの還元剤
は、還元力が大きいものが好ましい。
(アルキル置換−2,5−ピリミジンジイル)をナトリ
ウムナフタレニド、ブチルリチウムなどの還元剤と溶液
中で反応させることにより達成される。これらの還元剤
は、還元力が大きいものが好ましい。
【0019】電気化学的n型ドーピングは、ポリ(アル
キル置換−2,5−ピリミジンジイル)を電極に担持さ
せ、(CH3 )4 NBF4 、LiBF4 等の電解溶液中
で電位を負に印加することにより電解液中のカチオンが
高分子中に添加され達成される。
キル置換−2,5−ピリミジンジイル)を電極に担持さ
せ、(CH3 )4 NBF4 、LiBF4 等の電解溶液中
で電位を負に印加することにより電解液中のカチオンが
高分子中に添加され達成される。
【0020】ポリ(アルキル置換−2,5−ピリミジン
ジイル)のn型ドーピングされた状態は従来のn型導電
性高分子と比較して安定である。
ジイル)のn型ドーピングされた状態は従来のn型導電
性高分子と比較して安定である。
【0021】以上に記述したようにポリ(アルキル置換
−2,5−ピリミジンジイル)は、溶媒に可溶なn型有
機導電体であることを最大の特徴としている。
−2,5−ピリミジンジイル)は、溶媒に可溶なn型有
機導電体であることを最大の特徴としている。
【0022】更にこの溶解性を利用して単層エレクトロ
ルミネッセンス素子の導電性膜上に本ポリマーの溶液を
コーティングし、電子輸送層を形成させるときは単層の
エレクトロルミネッセンス素子と比較して発光輝度を向
上させることができる。
ルミネッセンス素子の導電性膜上に本ポリマーの溶液を
コーティングし、電子輸送層を形成させるときは単層の
エレクトロルミネッセンス素子と比較して発光輝度を向
上させることができる。
【0023】
【作用】本発明のポリ(アルキル置換−2,5−ピリミ
ジンジイル)は、有機溶媒に不溶性のためポリマーとし
ての賦形性、電極あるいは基板面との接着に問題はあっ
ても高分子としては優れた性能を有するポリ(2,5−
ピリミジンジイル)のピリミジン環に炭素数1〜4位の
低級アルキル基を導入することにより有機溶媒に対する
溶解性を付与したものである。
ジンジイル)は、有機溶媒に不溶性のためポリマーとし
ての賦形性、電極あるいは基板面との接着に問題はあっ
ても高分子としては優れた性能を有するポリ(2,5−
ピリミジンジイル)のピリミジン環に炭素数1〜4位の
低級アルキル基を導入することにより有機溶媒に対する
溶解性を付与したものである。
【0024】アルキル置換をしないポリ(2,5−ピリ
ミジンジイル)は塩酸等に溶解し、ガラス等の基板に塗
布して乾燥すると、膜厚が厚いときは一部が剥離してフ
ィルム形成は困難であるが、本発明のポリマーは有機溶
媒に溶解するため、塗装成膜が容易であり、厚いフィル
ムも薄いフィルムも容易に成形することができる。な
お、本ポリマーは熱天秤(TG)の測定の結果、400
℃位まで重量変化が認められず極めて高い耐熱性を有す
るポリマーである。
ミジンジイル)は塩酸等に溶解し、ガラス等の基板に塗
布して乾燥すると、膜厚が厚いときは一部が剥離してフ
ィルム形成は困難であるが、本発明のポリマーは有機溶
媒に溶解するため、塗装成膜が容易であり、厚いフィル
ムも薄いフィルムも容易に成形することができる。な
お、本ポリマーは熱天秤(TG)の測定の結果、400
℃位まで重量変化が認められず極めて高い耐熱性を有す
るポリマーである。
【0025】
【実施例】次に本発明の方法について代表的な例を挙げ
て更に説明する。 (実施例1) [2−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミジンの合
成]市販品の2−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミ
ジン塩酸塩16.00g(100.0mmol)を蒸留
水200mlに溶解させ、それに水酸化ナトリウム4.
00g(100.0mmol)を蒸留水100mlに溶
解させたものを加えた。ロータリーエバポレーターによ
り水を除去し、減圧乾燥した。続いてクロロホルムに溶
解させ、不溶の塩化ナトリウムを濾過し、クロロホルム
をロータリーエバポレーターにて除去し目的物である2
−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミジン12.02
g(96.7mmol)を得た。 1H−NMR測定によ
る各水素のピークの帰属は次のとおりである;2.38
ppm(singlet)(メチル基の水素)、6.4
3ppm(singlet)(ピリミジン環5位の水
素)。この物質の元素分析の結果は理論値と許容誤差の
範囲内で一致していた。
て更に説明する。 (実施例1) [2−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミジンの合
成]市販品の2−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミ
ジン塩酸塩16.00g(100.0mmol)を蒸留
水200mlに溶解させ、それに水酸化ナトリウム4.
00g(100.0mmol)を蒸留水100mlに溶
解させたものを加えた。ロータリーエバポレーターによ
り水を除去し、減圧乾燥した。続いてクロロホルムに溶
解させ、不溶の塩化ナトリウムを濾過し、クロロホルム
をロータリーエバポレーターにて除去し目的物である2
−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミジン12.02
g(96.7mmol)を得た。 1H−NMR測定によ
る各水素のピークの帰属は次のとおりである;2.38
ppm(singlet)(メチル基の水素)、6.4
3ppm(singlet)(ピリミジン環5位の水
素)。この物質の元素分析の結果は理論値と許容誤差の
範囲内で一致していた。
【0026】[5−ブロモ−2−ヒドロキシ−4,6−
ジメチルピリミジンの合成]2−ヒドロキシ−4,6−
ジメチルピリミジン1.24g(10.0mmol)を
クロロホルム20mlに溶解させ、続いてN−ブロモこ
はく酸イミド1.78g(10.0mmol)を加え
た。20分間室温で撹拌した後、室温でクロロホルムを
減圧除去した。減圧乾燥後、酢酸エチル20ml中で2
0分間沸騰させ、放冷後、濾過した。濾過したものをエ
タノールから再結晶して目的物である、5−ブロモ−2
−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミジン1.09g
(5.37mmol)を得た。 1H−NMR測定による
水素のピークの帰属は次のとおりである;2.57pp
m(singlet)(メチル基の水素)。この物質の
元素分析の結果は理論値と許容誤差の範囲内で一致して
いた。
ジメチルピリミジンの合成]2−ヒドロキシ−4,6−
ジメチルピリミジン1.24g(10.0mmol)を
クロロホルム20mlに溶解させ、続いてN−ブロモこ
はく酸イミド1.78g(10.0mmol)を加え
た。20分間室温で撹拌した後、室温でクロロホルムを
減圧除去した。減圧乾燥後、酢酸エチル20ml中で2
0分間沸騰させ、放冷後、濾過した。濾過したものをエ
タノールから再結晶して目的物である、5−ブロモ−2
−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミジン1.09g
(5.37mmol)を得た。 1H−NMR測定による
水素のピークの帰属は次のとおりである;2.57pp
m(singlet)(メチル基の水素)。この物質の
元素分析の結果は理論値と許容誤差の範囲内で一致して
いた。
【0027】[2,5−ジブロモ−4,6−ジメチルピ
リミジンの合成]不活性雰囲気にした反応容器にオキシ
臭化リン4.30g(15.0mmol)、5−ブロモ
−2−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミジン2.0
3g(10.0mmol)、三臭化リン5.70ml
(60.0mmol)を入れた。冷却器をつけ130℃
で45分還流した。反応溶液を室温まで冷却して200
gの氷に注いだ。水酸化ナトリウム水溶液で中和して、
酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
溶媒を除去して減圧乾燥した。シリカゲルカラム(酢酸
エチル/ヘキサン=5%)で精製して、目的物である
2,5−ジブロモ−4,6−ジメチルピリミジン0.1
6g(0.6mmol)を得た。 1H−NMR測定によ
る水素のピークの帰属は次のとおりである;2.64p
pm(singlet)(メチル基の水素)。この物質
の元素分析の結果は理論値と許容誤差の範囲内で一致し
ていた。
リミジンの合成]不活性雰囲気にした反応容器にオキシ
臭化リン4.30g(15.0mmol)、5−ブロモ
−2−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミジン2.0
3g(10.0mmol)、三臭化リン5.70ml
(60.0mmol)を入れた。冷却器をつけ130℃
で45分還流した。反応溶液を室温まで冷却して200
gの氷に注いだ。水酸化ナトリウム水溶液で中和して、
酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
溶媒を除去して減圧乾燥した。シリカゲルカラム(酢酸
エチル/ヘキサン=5%)で精製して、目的物である
2,5−ジブロモ−4,6−ジメチルピリミジン0.1
6g(0.6mmol)を得た。 1H−NMR測定によ
る水素のピークの帰属は次のとおりである;2.64p
pm(singlet)(メチル基の水素)。この物質
の元素分析の結果は理論値と許容誤差の範囲内で一致し
ていた。
【0028】[ポリ(4,6−ジメチル−2,5−ピリ
ミジンジイル)の合成]不活性雰囲気の反応容器に、ビ
ス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル0.74g
(2.69mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド
30ml、2,2’−ビピリジン0.406g(2.6
0mmol)、1.5−シクロオクタジエン0.466
mlをこの順序で加え、撹拌した。別の容器を不活性雰
囲気にし、2,5−ジブロモ−4,6−ジメチルピリミ
ジン0.5318g(2.00mmol)、N,N−ジ
メチルホルムアミド10mlを加え、撹拌、溶解した。
この2つの溶液を混合し、不活性雰囲気を保ちつつ、6
0℃で48時間加熱した。反応溶液をアンモニア水に注
ぎ、撹拌洗浄した。クロロホルムで抽出し、クロロホル
ム層をエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム水溶液で洗
浄した。クロロホルムを除去後、減圧乾燥してポリ
(4,6−ジメチル−2,5−ピリミジンジイル)0.
18g(収率84.0%)を得た。クロロホルムに溶解
し、GPC測定したところ、ポリスチレン換算で平均分
子量7000のポリマーであった。 1H−NMR測定に
よる水素のピークの帰属は次のとおりである;1.3p
pm(メチル基の水素)。元素分析の結果は次のとお
り;炭素:66.22%(理論値67.91%)、水
素:7.51%(理論値5.70%)、窒素:5.38
%(理論値26.39%)、臭素:0.01%以下。
ミジンジイル)の合成]不活性雰囲気の反応容器に、ビ
ス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル0.74g
(2.69mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド
30ml、2,2’−ビピリジン0.406g(2.6
0mmol)、1.5−シクロオクタジエン0.466
mlをこの順序で加え、撹拌した。別の容器を不活性雰
囲気にし、2,5−ジブロモ−4,6−ジメチルピリミ
ジン0.5318g(2.00mmol)、N,N−ジ
メチルホルムアミド10mlを加え、撹拌、溶解した。
この2つの溶液を混合し、不活性雰囲気を保ちつつ、6
0℃で48時間加熱した。反応溶液をアンモニア水に注
ぎ、撹拌洗浄した。クロロホルムで抽出し、クロロホル
ム層をエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム水溶液で洗
浄した。クロロホルムを除去後、減圧乾燥してポリ
(4,6−ジメチル−2,5−ピリミジンジイル)0.
18g(収率84.0%)を得た。クロロホルムに溶解
し、GPC測定したところ、ポリスチレン換算で平均分
子量7000のポリマーであった。 1H−NMR測定に
よる水素のピークの帰属は次のとおりである;1.3p
pm(メチル基の水素)。元素分析の結果は次のとお
り;炭素:66.22%(理論値67.91%)、水
素:7.51%(理論値5.70%)、窒素:5.38
%(理論値26.39%)、臭素:0.01%以下。
【0029】(実施例2) [電気化学的n型ドーピング]実施例1で得たポリ
(4,6−ジメチル−2,5−ピリミジンジイル)のク
ロロホルム溶液を白金電極上に塗布(フィルム厚さ1μ
m)し、白金を対照極、銀/塩化銀を参照極として0.
5M (Bu)4 NBF4 /CH3 CN中でサイクリッ
クボルタンメトリー法により酸化還元電位を調べた。そ
の結果、−2.1VvsAg/Ag+ 付近に(Bu)4
N+ のドーピング、アンドーピングに伴う酸化還元反応
が見られた。ドーピング前の試料は電気伝導度1×10
-8S/cm以下であったのに対し、ドーピング後のそれ
は1×10-3S/cmであった。
(4,6−ジメチル−2,5−ピリミジンジイル)のク
ロロホルム溶液を白金電極上に塗布(フィルム厚さ1μ
m)し、白金を対照極、銀/塩化銀を参照極として0.
5M (Bu)4 NBF4 /CH3 CN中でサイクリッ
クボルタンメトリー法により酸化還元電位を調べた。そ
の結果、−2.1VvsAg/Ag+ 付近に(Bu)4
N+ のドーピング、アンドーピングに伴う酸化還元反応
が見られた。ドーピング前の試料は電気伝導度1×10
-8S/cm以下であったのに対し、ドーピング後のそれ
は1×10-3S/cmであった。
【0030】(実施例3) [化学的n型ドーピング]実施例1で得たポリ(4,6
−ジメチル−2,5−ピリミジンジイル)をナトリウム
ナフタレニドのテトラヒドロフラン溶液に8時間浸透し
て、その後50℃で1時間減圧乾燥し、ナトリウムによ
るn型ドーピングを行った。このドーピングした試料の
電気伝導度を4端子法によって測定した。その結果、ド
ーピング前の試料の電気伝導度1×10-8S/cmに対
して、1×10-3S/cmとなった。
−ジメチル−2,5−ピリミジンジイル)をナトリウム
ナフタレニドのテトラヒドロフラン溶液に8時間浸透し
て、その後50℃で1時間減圧乾燥し、ナトリウムによ
るn型ドーピングを行った。このドーピングした試料の
電気伝導度を4端子法によって測定した。その結果、ド
ーピング前の試料の電気伝導度1×10-8S/cmに対
して、1×10-3S/cmとなった。
【0031】(実施例4) [ポリ(4−メチル−2,5−ピリミジンジイル)の合
成]〔2−アミノ−4−メチル−5−ブロモピリミジン
の合成〕クロロホルム150mlに市販品の5.45g
(50.0mmol)の2−アミノ−4−メチルピリミ
ジンを溶解させた。8.40g(50.0mmol)の
N−ブロモこはく酸イミドを加え、室温で30分撹拌し
た。溶媒を留去した後、50mlの酢酸エチルを加え1
5分間煮沸した。室温まで冷却後、白色沈殿を濾取し
て、エタノールから再結晶して目的物である6.75g
(35.9mmol)の2−アミノ−4−メチル−5−
ブロモピリミジンを得た。 1H−NMR測定による結果
は次のとおりである;2.48ppm(siglet)
(メチル基の水素)、4.42ppm(siglet)
(アミノ基の水素)、6.24ppm(double
t)(ピリミジン環5位の水素)、7.51ppm(d
oublet)(ピリミジン環6位の水素)。元素分析
の結果は理論値と許容誤差の範囲で一致していた。
成]〔2−アミノ−4−メチル−5−ブロモピリミジン
の合成〕クロロホルム150mlに市販品の5.45g
(50.0mmol)の2−アミノ−4−メチルピリミ
ジンを溶解させた。8.40g(50.0mmol)の
N−ブロモこはく酸イミドを加え、室温で30分撹拌し
た。溶媒を留去した後、50mlの酢酸エチルを加え1
5分間煮沸した。室温まで冷却後、白色沈殿を濾取し
て、エタノールから再結晶して目的物である6.75g
(35.9mmol)の2−アミノ−4−メチル−5−
ブロモピリミジンを得た。 1H−NMR測定による結果
は次のとおりである;2.48ppm(siglet)
(メチル基の水素)、4.42ppm(siglet)
(アミノ基の水素)、6.24ppm(double
t)(ピリミジン環5位の水素)、7.51ppm(d
oublet)(ピリミジン環6位の水素)。元素分析
の結果は理論値と許容誤差の範囲で一致していた。
【0032】〔2,5−ジブロモ−3−メチルピリミジ
ンの合成〕不活性雰囲気にした反応容器に48%臭酸1
0mlを入れ、−5℃に冷却した。1.88g(10.
0mmol)の2−アミノ−4−メチル−5−ブロモピ
リミジンを加え、30分撹拌した。臭素1.17mlを
滴下、30分撹拌した。亜硝酸ナトリウム水溶液(亜硝
酸ナトリウム1.93g、蒸留水2.6ml)を滴下、
1時間撹拌した。反応溶液を室温に戻し、更に1時間撹
拌した。液温が20℃を越えないように水酸化ナトリウ
ム水溶液で弱塩基性にした。クロロホルムで抽出、有機
層を無水硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒留去後、カラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキ
サン=1:9)で精製して、1.61g(6.4mmo
l)の黄色固体である2,5−ジブロモ−3−メチルピ
リミジンを得た。 1H−NMR測定による結果は次のと
おりである;2.45ppm(siglet)(メチル
基の水素)、8.22ppm(siglet)(ピリミ
ジン環6位の水素)。元素分析の結果は理論値と許容誤
差の範囲で一致していた。
ンの合成〕不活性雰囲気にした反応容器に48%臭酸1
0mlを入れ、−5℃に冷却した。1.88g(10.
0mmol)の2−アミノ−4−メチル−5−ブロモピ
リミジンを加え、30分撹拌した。臭素1.17mlを
滴下、30分撹拌した。亜硝酸ナトリウム水溶液(亜硝
酸ナトリウム1.93g、蒸留水2.6ml)を滴下、
1時間撹拌した。反応溶液を室温に戻し、更に1時間撹
拌した。液温が20℃を越えないように水酸化ナトリウ
ム水溶液で弱塩基性にした。クロロホルムで抽出、有機
層を無水硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒留去後、カラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキ
サン=1:9)で精製して、1.61g(6.4mmo
l)の黄色固体である2,5−ジブロモ−3−メチルピ
リミジンを得た。 1H−NMR測定による結果は次のと
おりである;2.45ppm(siglet)(メチル
基の水素)、8.22ppm(siglet)(ピリミ
ジン環6位の水素)。元素分析の結果は理論値と許容誤
差の範囲で一致していた。
【0033】〔ポリ(4−メチル−2,5−ピリミジン
ジイル)の合成〕不活性雰囲気の反応容器に、ビス
(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル0.74g
(2.69mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド
30ml、2,2’−ビピリジン0.406g(2.6
0mmol)、1,5−シクロオクタジエン0.466
mlをこの順序で加え、撹拌した。別の容器を不活性雰
囲気にし、2,5−ジブロモ−3−メチルピリミジン
0.504g(2.00mmol)、N,N−ジメチル
ホルムアミド10mlを加え、撹拌、溶解した。この2
つの溶液を混合し、不活性雰囲気を保ちつつ、60℃で
48時間加熱した。反応溶液をアンモニア水に注ぎ、撹
拌洗浄した。沈殿を濾取してアンモニア水、メタノール
で洗浄を繰り返した。最小限の蟻酸に溶解させ、アンモ
ニア水に滴下して再沈殿を行った。得られた固体をエチ
レンジアミン四酢酸二ナトリウム水溶液で洗浄した。最
後にメタノールで洗浄して、減圧乾燥してポリ(4−メ
チル−2,5−ピリミジンジイル)0.15g(80
%)を得た。クロロホルムに溶解し、GPC測定したと
ころ、平均分子量9500の高分子であった。 1H−N
MR測定による結果は次のとおりである;1.3ppm
(メチル基の水素)、8.1ppm(ピリミジン環6位
の水素)。元素分析の結果は次のとおり;炭素64.8
3%(理論値65.21%)、水素4.97%(理論値
4.38%)、窒素29.69%(理論値30.41
%)、臭素0.01%以下。
ジイル)の合成〕不活性雰囲気の反応容器に、ビス
(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル0.74g
(2.69mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド
30ml、2,2’−ビピリジン0.406g(2.6
0mmol)、1,5−シクロオクタジエン0.466
mlをこの順序で加え、撹拌した。別の容器を不活性雰
囲気にし、2,5−ジブロモ−3−メチルピリミジン
0.504g(2.00mmol)、N,N−ジメチル
ホルムアミド10mlを加え、撹拌、溶解した。この2
つの溶液を混合し、不活性雰囲気を保ちつつ、60℃で
48時間加熱した。反応溶液をアンモニア水に注ぎ、撹
拌洗浄した。沈殿を濾取してアンモニア水、メタノール
で洗浄を繰り返した。最小限の蟻酸に溶解させ、アンモ
ニア水に滴下して再沈殿を行った。得られた固体をエチ
レンジアミン四酢酸二ナトリウム水溶液で洗浄した。最
後にメタノールで洗浄して、減圧乾燥してポリ(4−メ
チル−2,5−ピリミジンジイル)0.15g(80
%)を得た。クロロホルムに溶解し、GPC測定したと
ころ、平均分子量9500の高分子であった。 1H−N
MR測定による結果は次のとおりである;1.3ppm
(メチル基の水素)、8.1ppm(ピリミジン環6位
の水素)。元素分析の結果は次のとおり;炭素64.8
3%(理論値65.21%)、水素4.97%(理論値
4.38%)、窒素29.69%(理論値30.41
%)、臭素0.01%以下。
【0034】(実施例5) [電気化学的ドーピング]実施例4で得たポリ(4−メ
チル−2,5−ピリミジンジイル)の3重量%クロロホ
ルム溶液を白金電極上に塗布し(約1μm)、白金を対
照極、銀/塩化銀を参照極として0.5M(Bu)4 N
BF4 /CH3 CN中でサイクリックボルタンメトリー
法により、酸化還元電位を調べた。その結果、−2.3
Vvs.Ag/Ag+ 付近に(Bu)4 +のドーピング、
アンドーピングに伴う酸化還元反応が見られた。
チル−2,5−ピリミジンジイル)の3重量%クロロホ
ルム溶液を白金電極上に塗布し(約1μm)、白金を対
照極、銀/塩化銀を参照極として0.5M(Bu)4 N
BF4 /CH3 CN中でサイクリックボルタンメトリー
法により、酸化還元電位を調べた。その結果、−2.3
Vvs.Ag/Ag+ 付近に(Bu)4 +のドーピング、
アンドーピングに伴う酸化還元反応が見られた。
【0035】(実施例6) [化学的n型ドーピング]実施例4で得たポリ(4−メ
チル−2,5−ピリミジンジイル)を厚さ1μmの均一
なフィルムに加工して、ナトリウムナフタレニドのテト
ラヒドロフラン溶液に8時間浸透して、その後50℃で
1時間減圧乾燥し、ナトリウムによるn型ドーピングを
行った。このドーピングした試料の電気伝導度を4端子
法によって測定した。その結果、ドーピング前の試料の
電気伝導度1×108 S/cm以下であるのに対して、
ドーピング後の試料は1×103 S/cmであった。
チル−2,5−ピリミジンジイル)を厚さ1μmの均一
なフィルムに加工して、ナトリウムナフタレニドのテト
ラヒドロフラン溶液に8時間浸透して、その後50℃で
1時間減圧乾燥し、ナトリウムによるn型ドーピングを
行った。このドーピングした試料の電気伝導度を4端子
法によって測定した。その結果、ドーピング前の試料の
電気伝導度1×108 S/cm以下であるのに対して、
ドーピング後の試料は1×103 S/cmであった。
【0036】(実施例7) [エレクトロルミネッセント材料の製造]エレクトロル
ミネッセント材料として、文献記載の方法(F.E.k
araszら;J.Polymer Sci.Poly
mer Chemistry,26,3241(198
8))により合成したポリ(パラフェニレンビニレン)
の前躯体であるポリ(パラキシリレンジメチルスルホニ
ウムクロリド)の1重量%水溶液をITOガラス上に塗
布後、窒素雰囲気下、150℃で2時間加熱することに
よりポリ(パラフェニレンビニレン)膜を形成した。こ
の上に実施例1で得られたポリ(4,6−ジメチル−
2,5−ピリミジンジイル)の3重量%クロロホルム溶
液を1000rpmで回転塗布した後、減圧乾燥して電
子輸送層を形成した。これに、電極としてアルミニウム
を真空蒸着し、エレクトロルミネッセンス素子を作成し
た。ITOガラスを正極、アルミニウムを負極として5
Vの直流電圧を印加したところ、ポリ(パラフェニレン
ビニレン)のみの単層エレクトロルミネッセンス素子と
比較して発光輝度が約20%向上した。
ミネッセント材料として、文献記載の方法(F.E.k
araszら;J.Polymer Sci.Poly
mer Chemistry,26,3241(198
8))により合成したポリ(パラフェニレンビニレン)
の前躯体であるポリ(パラキシリレンジメチルスルホニ
ウムクロリド)の1重量%水溶液をITOガラス上に塗
布後、窒素雰囲気下、150℃で2時間加熱することに
よりポリ(パラフェニレンビニレン)膜を形成した。こ
の上に実施例1で得られたポリ(4,6−ジメチル−
2,5−ピリミジンジイル)の3重量%クロロホルム溶
液を1000rpmで回転塗布した後、減圧乾燥して電
子輸送層を形成した。これに、電極としてアルミニウム
を真空蒸着し、エレクトロルミネッセンス素子を作成し
た。ITOガラスを正極、アルミニウムを負極として5
Vの直流電圧を印加したところ、ポリ(パラフェニレン
ビニレン)のみの単層エレクトロルミネッセンス素子と
比較して発光輝度が約20%向上した。
【0037】(実施例8) [エレクトロルミネッセント材料の製造]エレクトロル
ミネッセント材料として、実施例7と同様にしてITO
ガラス上にポリ(パラフェニレンビニレン)膜を形成
後、その上に実施例4で得られたポリ(4−メチル−
2,5−ピリミジンジイル)の3重量%クロロホルム溶
液を1000rpmで回転塗布した後、減圧乾燥して電
子輸送層を形成した。これに電極としてアルミニウムを
真空蒸着し、エレクトロルミネッセント素子を作成し
た。ITOガラスを正極、アルミニウムを負極として5
Vの直流電圧を印加したところ、ポリ(パラフェニレン
ビニレン)のみの単層エレクトロルミネッセンス素子と
比較して、発光輝度が約20%向上した。
ミネッセント材料として、実施例7と同様にしてITO
ガラス上にポリ(パラフェニレンビニレン)膜を形成
後、その上に実施例4で得られたポリ(4−メチル−
2,5−ピリミジンジイル)の3重量%クロロホルム溶
液を1000rpmで回転塗布した後、減圧乾燥して電
子輸送層を形成した。これに電極としてアルミニウムを
真空蒸着し、エレクトロルミネッセント素子を作成し
た。ITOガラスを正極、アルミニウムを負極として5
Vの直流電圧を印加したところ、ポリ(パラフェニレン
ビニレン)のみの単層エレクトロルミネッセンス素子と
比較して、発光輝度が約20%向上した。
【0038】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明によればn型
ドーピング可能なポリ(アルキル置換−2,5−ピリミ
ジンジイル)ならびにそれをドーピングした導電性高分
子が得られる。更に、この得られた高分子は多くの有機
溶媒に可溶で電極、基板等との接着性が良好で成膜が容
易であり、導体、半導体、光学材料、帯電防止材料な
ど、機能性材料として用いることができ、電池、表示素
子、OPC電極、修飾電極、エレクトロクロミック素
子、エレクトロルミネッセント素子、非線形光学素子、
有機太陽電池、有機トランジスタなど、各種のデバイス
への応用が可能である。
ドーピング可能なポリ(アルキル置換−2,5−ピリミ
ジンジイル)ならびにそれをドーピングした導電性高分
子が得られる。更に、この得られた高分子は多くの有機
溶媒に可溶で電極、基板等との接着性が良好で成膜が容
易であり、導体、半導体、光学材料、帯電防止材料な
ど、機能性材料として用いることができ、電池、表示素
子、OPC電極、修飾電極、エレクトロクロミック素
子、エレクトロルミネッセント素子、非線形光学素子、
有機太陽電池、有機トランジスタなど、各種のデバイス
への応用が可能である。
【0039】特に、本n型導電性高分子を用いたエレク
トロルミネッセント材料は発光輝度が高く、有用な性能
を有している。
トロルミネッセント材料は発光輝度が高く、有用な性能
を有している。
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 ,R2 はそれぞれ水素または低級アルキル
基を示し、R1 とR2 の少なくとも一方がアルキル基で
ある。)で表される置換−2,5−ピリミジンジイルを
繰り返し単位とし、平均重合度nが10〜1000の範
囲にあるポリ(アルキル置換−2,5−ピリミジンジイ
ル)。 - 【請求項2】 請求項1記載のポリ(アルキル置換−
2,5−ピリミジンジイル)を化学的または電気化学的
にn型ドーピングしたn型導電性高分子。 - 【請求項3】 2,5−ジハロゲノ−4および/または
6アルキル置換−ピリミジンにゼロ価ニッケル錯体を脱
ハロゲン化剤として加え、重縮合反応させることを特徴
とするポリ(アルキル置換−2,5−ピリミジンジイ
ル)の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1記載のポリ(アルキル置換−
2,5−ピリミジンジイル)の導電性高分子を用いたエ
レクトロルミネッセント材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35278993A JP3256361B2 (ja) | 1993-12-29 | 1993-12-29 | ポリ(アルキル置換−2,5−ピリミジンジイル)及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35278993A JP3256361B2 (ja) | 1993-12-29 | 1993-12-29 | ポリ(アルキル置換−2,5−ピリミジンジイル)及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07196780A true JPH07196780A (ja) | 1995-08-01 |
JP3256361B2 JP3256361B2 (ja) | 2002-02-12 |
Family
ID=18426454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35278993A Expired - Fee Related JP3256361B2 (ja) | 1993-12-29 | 1993-12-29 | ポリ(アルキル置換−2,5−ピリミジンジイル)及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3256361B2 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997015607A1 (en) * | 1995-10-27 | 1997-05-01 | Nissan Chemical Industries, Ltd. | Novel polymers and production and use thereof |
JP2003045662A (ja) * | 2001-08-01 | 2003-02-14 | Konica Corp | 有機エレクトロルミネッセンス素子及び表示装置 |
CN1315811C (zh) * | 2003-10-16 | 2007-05-16 | 南开大学 | 嘧啶衍生物以及其制备方法 |
WO2008096735A1 (ja) * | 2007-02-06 | 2008-08-14 | Sumitomo Chemical Company, Limited | ピリミジン化合物含有組成物及び該組成物を用いてなる発光素子 |
JP2009530836A (ja) * | 2006-03-21 | 2009-08-27 | ノヴァレッド・アクチエンゲゼルシャフト | ドープされた有機半導体材料の製造方法及びそのために用いられる配合物 |
WO2010013827A1 (ja) * | 2008-07-29 | 2010-02-04 | 住友化学株式会社 | 燐光発光性化合物を含む組成物及び該組成物を用いてなる発光素子 |
US8431046B2 (en) | 2006-03-22 | 2013-04-30 | Novaled Ag | Use of heterocyclic radicals for doping organic semiconductors |
US9118019B2 (en) | 2006-03-21 | 2015-08-25 | Novaled Ag | Heterocyclic radical or diradical, the dimers, oligomers, polymers, dispiro compounds and polycycles thereof, the use thereof, organic semiconductive material and electronic or optoelectronic component |
-
1993
- 1993-12-29 JP JP35278993A patent/JP3256361B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (12)
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