JPH06343916A - 金属材用塗料 - Google Patents
金属材用塗料Info
- Publication number
- JPH06343916A JPH06343916A JP13375093A JP13375093A JPH06343916A JP H06343916 A JPH06343916 A JP H06343916A JP 13375093 A JP13375093 A JP 13375093A JP 13375093 A JP13375093 A JP 13375093A JP H06343916 A JPH06343916 A JP H06343916A
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- Japan
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- coating
- paint
- resin
- coat
- unsaturated polyester
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 金属素地と下塗り塗料との密着力を良好にし
て防錆効果を向上させて高品質化を図れ、製造工程を短
縮して作業性を改善できる金属材用塗料を得る。 【構成】 金属材上に短油アルキド樹脂を主成分とする
第1の塗料を形成させ、この上に不飽和ポリエステル樹
脂を主成分とする第2の塗料を形成させる。
て防錆効果を向上させて高品質化を図れ、製造工程を短
縮して作業性を改善できる金属材用塗料を得る。 【構成】 金属材上に短油アルキド樹脂を主成分とする
第1の塗料を形成させ、この上に不飽和ポリエステル樹
脂を主成分とする第2の塗料を形成させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属材用塗料に関す
る。
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように、金属材で構成された機器
や装置では、防錆や美観の機能を上げるために一般に塗
装が施され、この塗装工程では前処理として脱脂工程が
ある。この脱脂工程では、トリクロロエチレンやトリク
ロロエタンなどの塩素系有機溶剤による洗浄や薬品処理
としてアルカリ脱脂が行われ、ときには化成被膜処理も
施され、機械的表面処理としてブラスト処理も採用され
ることがある。
や装置では、防錆や美観の機能を上げるために一般に塗
装が施され、この塗装工程では前処理として脱脂工程が
ある。この脱脂工程では、トリクロロエチレンやトリク
ロロエタンなどの塩素系有機溶剤による洗浄や薬品処理
としてアルカリ脱脂が行われ、ときには化成被膜処理も
施され、機械的表面処理としてブラスト処理も採用され
ることがある。
【0003】一方、特に美観の機能を上げたい場合、金
属加工中に生じた外面の凹部(例えば、溶接個所裏面、
歪など)や傷のある部分に、修正工程としてパテ付けや
パテ研ぎ作業を施している。
属加工中に生じた外面の凹部(例えば、溶接個所裏面、
歪など)や傷のある部分に、修正工程としてパテ付けや
パテ研ぎ作業を施している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に脱脂工程後に下
塗り塗装を行うが、このときに脱脂が不十分であると密
着不良を生じることがあるので完全に油脂分を除去する
必要がある。ところが、近年では手間や作業環境を考慮
して前処理レス(または簡略化)が望まれており、いか
にして金属素地上の油脂分を除去するか、また密着不良
の発生を阻止できるかを検討していくことが必要不可欠
になってきている。
塗り塗装を行うが、このときに脱脂が不十分であると密
着不良を生じることがあるので完全に油脂分を除去する
必要がある。ところが、近年では手間や作業環境を考慮
して前処理レス(または簡略化)が望まれており、いか
にして金属素地上の油脂分を除去するか、また密着不良
の発生を阻止できるかを検討していくことが必要不可欠
になってきている。
【0005】そこで、薬品処理のアルカリ脱脂やブラス
ト処理を省き、例えば油脂の残存率50%程度の簡易脱
脂をした後に下塗り塗装を施してみたが、この場合はペ
ーパー研磨が必要になり、人手による作業ムラ、あるい
は構造が複雑な個所においては、ペーパー研磨が不十分
で油脂分を十分に除去することができない。従って、こ
の上に下塗り塗装を実施しても素地と下塗り塗膜間の密
着力が悪く、しいては防錆効果がなくなる可能性があ
る。
ト処理を省き、例えば油脂の残存率50%程度の簡易脱
脂をした後に下塗り塗装を施してみたが、この場合はペ
ーパー研磨が必要になり、人手による作業ムラ、あるい
は構造が複雑な個所においては、ペーパー研磨が不十分
で油脂分を十分に除去することができない。従って、こ
の上に下塗り塗装を実施しても素地と下塗り塗膜間の密
着力が悪く、しいては防錆効果がなくなる可能性があ
る。
【0006】また美観の機能を重視する場合は、上記の
ように金属素地上や下塗り塗装後に修正工程、すなわち
人手による作業が必要になる上、工程が長くなってしま
う。さらに塗膜性能面においても、密着力が悪く防錆効
果が不十分であり、上記の修正工程においてのパテ付け
を厚く(例えば、100μm以上)実施しても、海岸地
域や温泉地域等の厳しい環境に設置した場合、塗膜欠陥
を生じやすかった。本発明の目的は、高品質で作業性を
改善できる金属材用塗料を提供することにある。
ように金属素地上や下塗り塗装後に修正工程、すなわち
人手による作業が必要になる上、工程が長くなってしま
う。さらに塗膜性能面においても、密着力が悪く防錆効
果が不十分であり、上記の修正工程においてのパテ付け
を厚く(例えば、100μm以上)実施しても、海岸地
域や温泉地域等の厳しい環境に設置した場合、塗膜欠陥
を生じやすかった。本発明の目的は、高品質で作業性を
改善できる金属材用塗料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、短油アルキド樹脂を主成分とする第1の塗
料と、第1の塗料上に形成され、不飽和ポリエステル樹
脂を主成分とする第2の塗料とを有することを要旨とす
る。
に本発明は、短油アルキド樹脂を主成分とする第1の塗
料と、第1の塗料上に形成され、不飽和ポリエステル樹
脂を主成分とする第2の塗料とを有することを要旨とす
る。
【0008】
【作用】このような構成において、下塗りとして使用す
る第1の塗料は、金属素材に油脂分が多少残存していて
も、アルキド樹脂分の脂肪酸が金属素地表面の油となじ
み性があるので、塗料が残存油脂の膜を浸透して素地と
接触することができる。また、短油アルキド樹脂を使用
して油脂分を金属塩で酸化重合させるため、乾燥時間が
短くなる。このようにして形成された塗膜は、特に冷間
圧延鋼板(SPCC材)、熱間圧延鋼板(SPHC材)
等のように、素材の表面のままでは錆やすい金属に対し
て特に有効である。
る第1の塗料は、金属素材に油脂分が多少残存していて
も、アルキド樹脂分の脂肪酸が金属素地表面の油となじ
み性があるので、塗料が残存油脂の膜を浸透して素地と
接触することができる。また、短油アルキド樹脂を使用
して油脂分を金属塩で酸化重合させるため、乾燥時間が
短くなる。このようにして形成された塗膜は、特に冷間
圧延鋼板(SPCC材)、熱間圧延鋼板(SPHC材)
等のように、素材の表面のままでは錆やすい金属に対し
て特に有効である。
【0009】また、第1の塗料上に形成される第2の塗
料の主成分とした不飽和ポリエステル樹脂は、樹脂中の
二重結合と溶剤としてのビニル単量体としてのスチレン
モノマーとの重合反応によって硬化するものであり、ス
チレンモノマーは溶剤として働くと同時に、硬化時に
は、樹脂成分の一部ともなるものである。ビニル単量体
は、常温においても重合触媒によって架橋作用して三次
元網目状化合物になるものであり、揮発させる成分がな
く塗膜を形成することができる。このため、体積収縮を
生じにくく、また塗膜内部が乾燥不十分とならない厚膜
塗装を実施することができる。
料の主成分とした不飽和ポリエステル樹脂は、樹脂中の
二重結合と溶剤としてのビニル単量体としてのスチレン
モノマーとの重合反応によって硬化するものであり、ス
チレンモノマーは溶剤として働くと同時に、硬化時に
は、樹脂成分の一部ともなるものである。ビニル単量体
は、常温においても重合触媒によって架橋作用して三次
元網目状化合物になるものであり、揮発させる成分がな
く塗膜を形成することができる。このため、体積収縮を
生じにくく、また塗膜内部が乾燥不十分とならない厚膜
塗装を実施することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を詳細に説明する。
例えば配電盤や制御盤、またはエレベータのパネル等の
金属材の塗装を行う場合、下塗り塗料とした重金属フリ
ー形の短油アルキド塗料を例えばスプレーで塗装する。
このとき、乾燥塗膜厚さで30〜40μm(min:1
0μm/回〜max:60μm/回)の短油アルキド樹
脂塗膜を油脂被膜が残存する金属材1の表面に形成す
る。この上に中塗り塗料の不飽和ポリエステル樹脂塗料
で厚膜塗装500〜600μm(乾燥膜厚)を実施する
ことにより、体積収縮を生じにくい(肉やせがない)塗
膜を形成することができ、凹部を平滑にすることができ
る。なお、一般的には冷間圧延鋼板(SPCC材)、熱
間圧延鋼板(SPHC材)等に塗装する時には、前処理
なしで直接行なうことができるが、金属材の表面に付着
した油脂被膜が部分的に厚くなって凸状になっていると
きにはウエス等で上述の凸状部を平滑にした後に塗装す
るようにしており、薬品や溶剤は一切使用しない。
例えば配電盤や制御盤、またはエレベータのパネル等の
金属材の塗装を行う場合、下塗り塗料とした重金属フリ
ー形の短油アルキド塗料を例えばスプレーで塗装する。
このとき、乾燥塗膜厚さで30〜40μm(min:1
0μm/回〜max:60μm/回)の短油アルキド樹
脂塗膜を油脂被膜が残存する金属材1の表面に形成す
る。この上に中塗り塗料の不飽和ポリエステル樹脂塗料
で厚膜塗装500〜600μm(乾燥膜厚)を実施する
ことにより、体積収縮を生じにくい(肉やせがない)塗
膜を形成することができ、凹部を平滑にすることができ
る。なお、一般的には冷間圧延鋼板(SPCC材)、熱
間圧延鋼板(SPHC材)等に塗装する時には、前処理
なしで直接行なうことができるが、金属材の表面に付着
した油脂被膜が部分的に厚くなって凸状になっていると
きにはウエス等で上述の凸状部を平滑にした後に塗装す
るようにしており、薬品や溶剤は一切使用しない。
【0011】ここで、本実施例において使用した下塗り
塗料の成分を表1に示す。このうち、添加剤にはシラン
カップリング剤が混入されている。また、この塗装後の
乾燥時間は表2に示すとおりであり、速乾性の塗料であ
ることがわかる。
塗料の成分を表1に示す。このうち、添加剤にはシラン
カップリング剤が混入されている。また、この塗装後の
乾燥時間は表2に示すとおりであり、速乾性の塗料であ
ることがわかる。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】一方、同じく中塗り塗料の成分を表3,表
4に示す。このうち、表3に示したものは主剤、表4に
示したものは硬化剤であり、重量比率を主剤:硬化剤=
100:1(硬化剤は1〜5の範囲で調整可能)程度で
混合し、スチレンモノマー主体のエステル系溶剤、ケト
ン系溶剤からなるシンナーで希釈後、スプレーで塗装し
て乾燥塗膜厚さで500〜600μm(max:100
μm)のポリエステル樹脂塗膜を形成する。ここで常温
20℃においても、1〜1.5時間程度で研磨が可能と
なるが、冬期の温度低下を考慮して30分/80℃の促
進乾燥を実施する。さらに塗膜を平滑にするため、自動
研磨機等を用いることが好ましい。
4に示す。このうち、表3に示したものは主剤、表4に
示したものは硬化剤であり、重量比率を主剤:硬化剤=
100:1(硬化剤は1〜5の範囲で調整可能)程度で
混合し、スチレンモノマー主体のエステル系溶剤、ケト
ン系溶剤からなるシンナーで希釈後、スプレーで塗装し
て乾燥塗膜厚さで500〜600μm(max:100
μm)のポリエステル樹脂塗膜を形成する。ここで常温
20℃においても、1〜1.5時間程度で研磨が可能と
なるが、冬期の温度低下を考慮して30分/80℃の促
進乾燥を実施する。さらに塗膜を平滑にするため、自動
研磨機等を用いることが好ましい。
【0015】
【表3】
【0016】
【表4】
【0017】その後、美観機能をもたせる場合は、ポリ
ウレタン樹脂塗料で上塗り塗装を実施することが好まし
い。このポリウレタン樹脂塗料の成分の一例を表5,表
6,表7,表8に示し、表5と表7は主剤、表6と表8
は硬化剤である。なお、表5と表6に示されるものは主
剤と硬化剤の重量比率を4:1程度で混合しており、表
7と表8に示されたものは主剤と硬化剤の重量比率を
2:1程度で混合している。
ウレタン樹脂塗料で上塗り塗装を実施することが好まし
い。このポリウレタン樹脂塗料の成分の一例を表5,表
6,表7,表8に示し、表5と表7は主剤、表6と表8
は硬化剤である。なお、表5と表6に示されるものは主
剤と硬化剤の重量比率を4:1程度で混合しており、表
7と表8に示されたものは主剤と硬化剤の重量比率を
2:1程度で混合している。
【0018】
【表5】
【0019】
【表6】
【0020】
【表7】
【0021】
【表8】
【0022】この塗料での塗膜形成方法は、溶剤で希釈
後、スプレー等で塗装を行ない、乾燥塗膜厚さで50〜
60μm(2回塗り)の塗膜を形成する。常温20℃で
20〜30分乾燥後、ポリウレタン樹脂のクリヤ塗装
(顔料分がないワニス透明塗料)をスプレー等で行な
い、乾燥塗膜厚さで50〜60μm(2回塗り)の塗膜
を形成する。常温乾燥の場合もあるが、通常80℃で2
〜3時間の促進乾燥を実施することもあり、この後、上
塗り(クリヤ塗装)の研磨を実施し、その後バフ研磨を
コンパウンドを使用して行なってつやを出し、塗装工程
を終了する。
後、スプレー等で塗装を行ない、乾燥塗膜厚さで50〜
60μm(2回塗り)の塗膜を形成する。常温20℃で
20〜30分乾燥後、ポリウレタン樹脂のクリヤ塗装
(顔料分がないワニス透明塗料)をスプレー等で行な
い、乾燥塗膜厚さで50〜60μm(2回塗り)の塗膜
を形成する。常温乾燥の場合もあるが、通常80℃で2
〜3時間の促進乾燥を実施することもあり、この後、上
塗り(クリヤ塗装)の研磨を実施し、その後バフ研磨を
コンパウンドを使用して行なってつやを出し、塗装工程
を終了する。
【0023】以上述べてきた塗膜について、短油アルキ
ド系の下塗り塗料は、被塗装材料の表面に油脂分が多少
残っていても、アルキド樹脂分の脂肪酸が素地の油とな
じみ性があり、さらに塗料が油脂中を浸透して素地金属
と接触し、また添加剤としてシランカップリング剤が混
入されているので付着力が強い。
ド系の下塗り塗料は、被塗装材料の表面に油脂分が多少
残っていても、アルキド樹脂分の脂肪酸が素地の油とな
じみ性があり、さらに塗料が油脂中を浸透して素地金属
と接触し、また添加剤としてシランカップリング剤が混
入されているので付着力が強い。
【0024】一方、塗装後の乾燥時間が短いのは、塗料
に含まれるアルキド樹脂に油長が短い短油アルキド樹脂
が使われ、油脂分を金属塩(ナフテン酸コバルト、ナフ
テン酸カルシウム、オクチル酸ジルコニウム等)で酸化
重合させているからである。すなわち、塗料中の油脂分
に対して、金属塩がレドックス反応で酸化重合を促進す
るので、表2に示したように乾燥時間が短いのである。
さらに、防食性能が優れているのは、前述のように付着
力が優れていることも大きく影響しているが、短油アル
キド樹脂は、長油性のものに比べて水分が介在する場合
の樹脂劣化が少ないこと、顔料中に防錆顔料であるりん
酸亜鉛やりん酸アルミニウムが比較的多量に含まれてい
るためである。
に含まれるアルキド樹脂に油長が短い短油アルキド樹脂
が使われ、油脂分を金属塩(ナフテン酸コバルト、ナフ
テン酸カルシウム、オクチル酸ジルコニウム等)で酸化
重合させているからである。すなわち、塗料中の油脂分
に対して、金属塩がレドックス反応で酸化重合を促進す
るので、表2に示したように乾燥時間が短いのである。
さらに、防食性能が優れているのは、前述のように付着
力が優れていることも大きく影響しているが、短油アル
キド樹脂は、長油性のものに比べて水分が介在する場合
の樹脂劣化が少ないこと、顔料中に防錆顔料であるりん
酸亜鉛やりん酸アルミニウムが比較的多量に含まれてい
るためである。
【0025】中塗り塗料として異種の塗料であるポリエ
ステル樹脂塗料等の塗装が可能であるのは、この短油ア
ルキド樹脂塗料で形成された塗膜は耐溶剤性に優れてい
るので、芳香族やエステル、ケトン等で溶解(希釈)し
た塗料を塗装しても、ちぢみ(リフティング)やはがれ
現象が生じないからである。また、顔料/樹脂の固形分
塗膜表面の適度な粗度が中塗り塗膜との接触面積を増や
し、投錨効果(アンカー効果)を生じて物理的にも良好
な付着面を得ることができるからである。このことだけ
でなく、金属素材加工中に生ずる歪や傷の凹部を埋める
ためにも中塗り塗装を実施した方が良い。
ステル樹脂塗料等の塗装が可能であるのは、この短油ア
ルキド樹脂塗料で形成された塗膜は耐溶剤性に優れてい
るので、芳香族やエステル、ケトン等で溶解(希釈)し
た塗料を塗装しても、ちぢみ(リフティング)やはがれ
現象が生じないからである。また、顔料/樹脂の固形分
塗膜表面の適度な粗度が中塗り塗膜との接触面積を増や
し、投錨効果(アンカー効果)を生じて物理的にも良好
な付着面を得ることができるからである。このことだけ
でなく、金属素材加工中に生ずる歪や傷の凹部を埋める
ためにも中塗り塗装を実施した方が良い。
【0026】ところで、本実施例の不飽和ポリエステル
樹脂塗料は、スプレー塗装を実施するためにシンナー
(スチレンモノマー主体のエステル系溶剤、ケトン系溶
剤で構成される)で溶解し使用するタイプのものを使用
している。不飽和ポリエステル樹脂塗料は、樹脂中の二
重結合と溶剤としてのビニル単量体としてのスチレンモ
ノマーとの重合反応によって硬化するもので、スチレン
モノマーは溶剤として働くと同時に硬化時には樹脂成分
の一部となるものである。ビニル単量体は常温において
も重合触媒によって架橋作用して三次元網目状化合物に
なるもので、揮発させる成分がなく塗膜を形成すること
ができる。このため1000μm程度まで体積収縮をお
さえ、また塗膜内部乾燥不十分とならない厚膜塗装がで
きる。
樹脂塗料は、スプレー塗装を実施するためにシンナー
(スチレンモノマー主体のエステル系溶剤、ケトン系溶
剤で構成される)で溶解し使用するタイプのものを使用
している。不飽和ポリエステル樹脂塗料は、樹脂中の二
重結合と溶剤としてのビニル単量体としてのスチレンモ
ノマーとの重合反応によって硬化するもので、スチレン
モノマーは溶剤として働くと同時に硬化時には樹脂成分
の一部となるものである。ビニル単量体は常温において
も重合触媒によって架橋作用して三次元網目状化合物に
なるもので、揮発させる成分がなく塗膜を形成すること
ができる。このため1000μm程度まで体積収縮をお
さえ、また塗膜内部乾燥不十分とならない厚膜塗装がで
きる。
【0027】さらに、従来はパテ付工程と中塗り工程が
別工程であったが、本実施例によれば中塗り工程で凹部
を埋める機能(体積収縮が生じにくく、内部乾燥不十分
とならないため厚膜塗装ができる)を有しているので、
工程の短縮化を図ることができる。このため、従来のパ
テ付後の研磨(パテ付後の凹凸を平滑にする)は凹凸が
大で自動研磨機の適用が困難であったが、本実施例の中
塗り塗料を使用すると凹凸が殆どなく目視では平滑状態
となるので平滑性を出すための自動研磨機の適用が可能
になる。
別工程であったが、本実施例によれば中塗り工程で凹部
を埋める機能(体積収縮が生じにくく、内部乾燥不十分
とならないため厚膜塗装ができる)を有しているので、
工程の短縮化を図ることができる。このため、従来のパ
テ付後の研磨(パテ付後の凹凸を平滑にする)は凹凸が
大で自動研磨機の適用が困難であったが、本実施例の中
塗り塗料を使用すると凹凸が殆どなく目視では平滑状態
となるので平滑性を出すための自動研磨機の適用が可能
になる。
【0028】以上のことをまとめると、本実施例による
効果は次のとおりである。 (1)薬品やブラスト材を使用する脱脂処理を行なわず
に、下塗り塗装が実施できる。
効果は次のとおりである。 (1)薬品やブラスト材を使用する脱脂処理を行なわず
に、下塗り塗装が実施できる。
【0029】(2)凹部を修正する工程のパテ付が中塗
り工程に含まれるため、工程の短縮化を図ることができ
る。 (3)中塗りを厚くし乾燥膜厚1000μm程度)塗布
することをスプレー使用で実施できるため自動化ライン
が可能となり、また中塗り後の研磨も自動機の適用が可
能になる。
り工程に含まれるため、工程の短縮化を図ることができ
る。 (3)中塗りを厚くし乾燥膜厚1000μm程度)塗布
することをスプレー使用で実施できるため自動化ライン
が可能となり、また中塗り後の研磨も自動機の適用が可
能になる。
【0030】(4)下塗り−中塗り−上塗りの総合塗膜
性能が良好であり、設置環境がきびしい塩害地域や温泉
地域の場合でも塗膜劣化(ふくれやはく離等)が生じに
くい。 なお、本実施例の他にも下塗り塗料として、硝化綿合成
樹脂塗料、メラミン樹脂塗料、アクリル樹脂塗料の上塗
り塗装が可能である。
性能が良好であり、設置環境がきびしい塩害地域や温泉
地域の場合でも塗膜劣化(ふくれやはく離等)が生じに
くい。 なお、本実施例の他にも下塗り塗料として、硝化綿合成
樹脂塗料、メラミン樹脂塗料、アクリル樹脂塗料の上塗
り塗装が可能である。
【0031】
【発明の効果】以上のように発明によれば、短油アルキ
ド樹脂を主成分とする第1の塗料と、第1の塗料上に形
成され、不飽和ポリエステル樹脂を主成分とする第2の
塗料とを有するので、高品質作業性を改善できる金属材
用塗料を得ることができる。
ド樹脂を主成分とする第1の塗料と、第1の塗料上に形
成され、不飽和ポリエステル樹脂を主成分とする第2の
塗料とを有するので、高品質作業性を改善できる金属材
用塗料を得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 短油アルキド樹脂を主成分とする第1の
塗料と、この第1の塗料上に形成され、不飽和ポリエス
テル樹脂を主成分とする第2の塗料とを有する金属材用
塗料。 - 【請求項2】 前記第2の塗料は、不飽和ポリエステル
樹脂に体質顔料、過酸化物、ジメルクタレートおよび添
加剤を混合して成ることを特徴とする請求項1記載の金
属材用塗料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13375093A JPH06343916A (ja) | 1993-06-04 | 1993-06-04 | 金属材用塗料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13375093A JPH06343916A (ja) | 1993-06-04 | 1993-06-04 | 金属材用塗料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06343916A true JPH06343916A (ja) | 1994-12-20 |
Family
ID=15112067
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13375093A Pending JPH06343916A (ja) | 1993-06-04 | 1993-06-04 | 金属材用塗料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06343916A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101875811A (zh) * | 2010-07-06 | 2010-11-03 | 庞贝捷(涂料)昆山有限公司 | 船舶用醇酸涂料及其制备方法 |
CN104592867A (zh) * | 2014-12-29 | 2015-05-06 | 英德市雅家涂料有限公司 | 一种防爆型高含粉量pe白底漆及其制作方法 |
JPWO2015012398A1 (ja) * | 2013-07-25 | 2017-03-02 | 国立大学法人 岡山大学 | 吸放湿性膜を備えたデバイス及び吸放湿性膜を備えたデバイスを備えた水蒸気分離器及び熱交換器 |
-
1993
- 1993-06-04 JP JP13375093A patent/JPH06343916A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101875811A (zh) * | 2010-07-06 | 2010-11-03 | 庞贝捷(涂料)昆山有限公司 | 船舶用醇酸涂料及其制备方法 |
JPWO2015012398A1 (ja) * | 2013-07-25 | 2017-03-02 | 国立大学法人 岡山大学 | 吸放湿性膜を備えたデバイス及び吸放湿性膜を備えたデバイスを備えた水蒸気分離器及び熱交換器 |
CN104592867A (zh) * | 2014-12-29 | 2015-05-06 | 英德市雅家涂料有限公司 | 一种防爆型高含粉量pe白底漆及其制作方法 |
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