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JPH06316740A - 高強度マグネシウム基合金およびその製造方法 - Google Patents

高強度マグネシウム基合金およびその製造方法

Info

Publication number
JPH06316740A
JPH06316740A JP30395292A JP30395292A JPH06316740A JP H06316740 A JPH06316740 A JP H06316740A JP 30395292 A JP30395292 A JP 30395292A JP 30395292 A JP30395292 A JP 30395292A JP H06316740 A JPH06316740 A JP H06316740A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
strength
alloy
magnesium
present
fine crystalline
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30395292A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Kato
晃 加藤
Takeshi Masumoto
健 増本
Akihisa Inoue
明久 井上
Hidehiko Horikiri
秀彦 堀切
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP30395292A priority Critical patent/JPH06316740A/ja
Publication of JPH06316740A publication Critical patent/JPH06316740A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高強度で高温における強度低下の少ないマグ
ネシウム基合金とその製造方法。 【構成】 一般式MgabcまたはMgabc
d(ただしX:X:Ni、Cuの1種または2種以上、
M:Y、La、Ce、Nd、Mm(ミッシュメタル)の
1種または2種以上、Z:Ti、Zrの1種または2
種)において、原子%でaを75〜90%、bを2〜1
0%、cを2〜15%、dを0.1〜3%の範囲にそれ
ぞれ限定した組成を持つ急冷凝固マグネシウム基合金
に、熱間塑性加工を施し、微細結晶質からなる母相にM
g−XおよびMg−Mの金属間化合物を析出・分散させ
た。平均結晶粒径が0.5μmの微細結晶質が得られ高
温での熱的安定性が高く、さらにこの微細結晶質母相中
に粒径50nmのMg−YおよびMg−Xの超微細金属
間化合物が分散析出し、著しい高強度を発揮すると共に
高温においても強度低下が少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高強度マグネシウム基合
金およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マグネシウムの比重は1.74で、工業
用金属材料中最も軽量である上、機械的性質もアルミニ
ウム合金に比較して見劣りしないので、主として航空機
あるいは自動車材料に、特に軽量化や低燃費化に対応す
る材料として注目されてきた。しかし、マグネシウム合
金は強度的に不十分であり、例えば、Alを5〜10
%、Znを1〜3%含有するMg−Al−Zn系(AZ
91C、鋳造材、T6処理)でも、図3に示すように引
張強さが280MPa、0.2%耐力が120MPaに
しか過ぎない。さらに、高温強度については、温度の上
昇と共に引張強さが低下し、100℃において25kg
/mm2を割り、250℃においては僅かに10kg/
mm2までに低下する。
【0003】そこで、急冷凝固粉末を用いた耐熱性高強
度マグネシウム合金が提案されており、例えば特開平3
−90530号公報の発明においては、Mg−Al−Z
n系の合金溶湯を急冷凝固して得た粉末を、200〜3
50℃でプレス引抜きし、平均結晶粒径3μm未満の微
細結晶質母相にに微細金属間化合物粒子を粒界に析出さ
せて、570〜590MPaの破壊荷重を得ている。
【0004】また、特開平3−236442号公報の発
明は、Mg−Al−Zn系合金を急速固化することによ
り製造した粉末を、真空中で150〜300℃の温度で
熱間圧縮することによりバルク形状物とし、金属間化合
物相を微細かつ均一に分散させて、約70〜82Rsの
高硬度で、0.2%降伏強さが53〜70ksi(約4
90MPa)の高強度マグネシウム合金が得られてい
る。
【0005】一方、非晶質と微細結晶質の複合体が高強
度を示すことが見出され、特開平3−10041号公報
の高力マグネシウム基合金の発明においては、Mg−C
u−Al系の合金を急冷凝固して得られた非晶質粉末を
結晶化温度(約450K)近傍で塑性加工し、少なくと
も50%の非晶質からなるバルク材とし、硬度Hv(D
PN)160以上の高強度マグネシウム合金を得てい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
急冷凝固粉末を用いた高強度マグネシウム合金の発明に
おいては、0.2%耐力が最も高いもので560MPa
であり、航空機、鉄道車両、自動車の軽量化を進める上
で、さらに高い強度のマグネシウム基合金の出現が望ま
れている。また、非晶質と微細結晶質の複合体からなる
マグネシウム合金は、常温においては高強度を発揮する
ものの、結晶化温度以上の180〜250℃で非晶質が
結晶化して性質が変化し、熱的安定性が十分とは言えな
い。
【0007】本発明は従来のマグネシウム基合金の強度
が充分でなく、また耐熱性に劣るという前記のごとき問
題点を解決するためになされたものであって、室温強度
に優れると共に高温においても強度低下の少ない耐熱性
高強度マグネシウム基合金およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者等は前記の問題点
を解決するため、Mg−Cu−Y系非晶質合金に着目
し、バルク材にした際に高強度を得るための金属組織に
ついて研究を重ねた。その結果、これら非晶質材料をバ
ルク化する際に100%結晶化すると、微細結晶質から
なる母相に、極めて微細な金属間化合物が分散した組織
を有する高強度なマグネシウム合金が得られることを知
見して本発明を完成した。
【0009】本発明の高強度マグネシウム基合金は、一
般式で、Mgabc ただし、X:Ni、Cuの1種または2種以上、 M:Y、La、Ce、Nd、Mm(ミッシュメタル)の
1種または2種以上、 75≦a≦90、2≦b≦10、2≦c≦15、 (a、b、cはいずれも原子%)、の組成を持ち、微細
結晶質からなる母相に、Mg−XおよびMg−Mの金属
間化合物が分散した組織を有すること、 または、一般式で、Mgabcd ただし、X:Ni、Cuの1種または2種以上、 M:Y、La、Ce、Nd、Mm(ミッシュメタル)の
1種または2種以上、 Z:Ti、Zrの1種または2種、 75≦a≦90、2≦b≦10、2≦c≦15、0.1
≦d≦3、 (a、b、c、dはいずれも原子%)、の組成を持ち、
微細結晶質からなる母相に、Mg−XおよびMg−Mの
金属間化合物が分散した組織を有することを要旨とす
る。
【0010】本発明の高強度マグネシウム基合金の製造
方法は、一般式で、Mgabcただし、X:Ni、C
uの1種または2種以上、 M:Y、La、Ce、Nd、Mm(ミッシュメタル)の
1種または2種以上、 75≦a≦90、2≦b≦10、2≦c≦15、 (a、b、cはいずれも原子%)、の組成を持つ急冷凝
固マグネシウム基合金に、熱間塑性加工を施し、微細結
晶質からなる母相にMg−XおよびMg−Mの金属間化
合物を析出・分散させること、または一般式で、Mga
bcd ただし、X:Ni、Cuの1種または2種以上、 M:Y、La、Ce、Nd、Mm(ミッシュメタル)の
1種または2種以上、 Z:Ti、Zrの1種または2種、 75≦a≦90、2≦b≦10、2≦c≦15、0.1
≦d≦3、 (a、b、c、dはいずれも原子%)、の組成を持つ急
冷凝固マグネシウム基合金に、熱間塑性加工を施し、微
細結晶質からなる母相にMg−XおよびMg−Mの金属
間化合物を析出・分散させることを要旨とする。
【0011】本発明においては、少なくとも102℃/
秒の冷却速度で溶湯を急速冷却して凝固した生成物であ
って、非晶質または非晶質と結晶質の混合相または微細
結晶質のいずれかを用いる。
【0012】本発明の高強度マグネシウム合金の出発原
料となる非晶質または非晶質と微細結晶質の混相を得る
には、前記組成を有する合金の溶湯を液体急冷凝固法で
急冷凝固することにより得られる。液体急冷凝固法は溶
融した金属・合金を急速に冷却して過冷させ、その構造
を凍結させて非晶質を得る方法であって、数100mg
程度の薄片を得るガン法、ピストン・アンビル法、ある
いは薄帯を連続的に得ることができる遠心法、単ロール
法、双ロール法、粉体が得られるスプレー法、細線とし
て得られる回転液中紡糸法などがある。
【0013】本発明には、単ロール法、双ロール法また
は高圧溶湯噴霧法が特に有効である。これらの方法では
102〜106℃/秒程度の冷却速度が得られる。この単
ロール法、双ロール法により薄帯を製造するには、ノズ
ル孔を通して約300〜10000rpmの範囲の一定
速度で回転している直径30〜300mmの銅あるいは
鋼製のロールに溶湯を噴出する。これにより幅が約1〜
300mm厚さが約5〜500μmの非晶質薄片を製造
することができる。
【0014】回転液中紡糸法により、非晶質細線を得る
には、約50〜500rpmで回転するドラム内に遠心
力により保持された深さ1〜10cmの冷却液層を形成
し、この回転する冷却液層中に、ノズル孔を通じ、アル
ゴン背圧にて、溶湯を噴出することにより得られる。
【0015】高圧溶湯噴霧法により急冷凝固粉末を得る
には、滴下させた溶湯に40〜150kgf/cm2
高圧の窒素、アルゴン、ヘリウムガス、空気などを吹き
つけ溶湯を急冷凝固させる。
【0016】液体急冷凝固法等によって得られたマグネ
シウム合金が、非晶質と微細結晶質の混相であるかまた
は微細結晶質であるかどうかは、通常のX線回折法によ
って知ることができる。すなわち、非晶質の存在は、非
晶質組織特有のハローパターンを示し、非晶質と微細結
晶質の複合体である場合は、ハローパターンと微細結晶
質に起因する回折ピークの合成された回折パターンが示
される。
【0017】液体急冷凝固法によって得られた非晶質材
料は、そのまま塑性加工することも可能であるが、粉末
である場合はそのままで、リボン、薄片、線材等である
場合は粉砕した後、Cu、MgまたはAlまたはそれら
の合金製の金属缶に充填して塑性加工される。なお、急
冷凝固してから粉末を金属缶に充填するに到るまで、粉
末の酸化を防ぐため、酸素量1ppm以下の高清浄度の
雰囲気中で行うことが好ましい。また、金属缶に充填さ
れた粉末は塑性加工に先立って真空脱ガスすることが好
ましい。
【0018】熱間塑性加工は金属缶に充填したまま行わ
れるが、加工温度は200〜450℃とすることが好ま
しい。200℃未満では粉末固化が充分でなくバルク化
が不十分となり、また非晶質が微細結晶化しない上に金
属間化合物が充分に析出しない。加工温度が450℃を
越えると母相の微細結晶が粗大化して強度が低下する。
塑性加工は引抜き、圧延、鍛造、押出等のいずれの方法
によっても良い。
【0019】
【作用】本発明の高強度マグネシウム基合金は、一般式
MgabcまたはMgabcdにおいて、原子%で
aを75〜90%、bを2〜10%、cを2〜15%、
dを0.1〜3%の範囲にそれぞれ限定したので、少な
くとも102℃/秒の冷却速度で前記組成の溶湯を急速
冷却して凝固した生成物には、非晶質または非晶質と結
晶質の混合相または微細結晶質のいずれかが得られる。
【0020】この急冷凝固生成物を熱間塑性加工する
と、平均結晶粒径が約0.5μm程度の微細結晶質が得
られる。母相が非晶質の場合、結晶化温度以上では相変
態で結晶化してしまい、強度が低下するが、微細結晶質
の場合はこのような相変態がないので、高温での熱的安
定性が高い。さらにこの微細結晶質母相中に熱的安定性
の高い粒径約50nm程度のMg−YおよびMg−Xの
超微細金属間化合物が分散析出し、これら分散微粒子が
高温で母相中の変形を充分に抑制するので、著しい高強
度を発揮すると共に高温においても強度低下が少ない。
【0021】請求項1または3の一般式Mgabc
示されるマグネシウム基合金において、原子%でaを7
5〜90%、bを2〜10%、cを2〜15%の範囲に
それぞれ限定したのは、aが90より大、b、cがそれ
ぞれ2%より小さい場合は、母相の平均結晶粒径が3μ
m以上となり、強度が出ないからである。またaが75
より小、b、cがそれぞれの10、15%より大きい場
合は、析出または晶出する金属間化合物が粗大化し、靱
性が低下し、脆くなる。
【0022】請求項2または4の一般式Mgabcd
で示されるマグネシウム基合金において、原子%でaを
75〜90%、bを2〜10%、cを2〜15%、dを
0.1〜3%の範囲にそれぞれ限定したのは、aが90
より大、b、cがそれぞれ2%より小さい場合は、母相
の平均結晶粒径が3μm以上となり、強度が出ないから
である。またaが75より小、b、cがそれぞれの1
0、15%より大きい場合は、析出または晶出する金属
間化合物が粗大化し、靱性が低下し、脆くなる。
【0023】X元素はNi、Cuのうちから選ばれる1
種または2種以上の元素であり、より優れた非晶質形成
能を向上させる効果と共に展延性を保ったまま強度を向
上させる効果が得られる。
【0024】M元素はY、La、Ce、Nd、Mm(ミ
ッシュメタル)のうちから選ばれる1種または2種以上
の元素であり、非晶質形成能を向上させる効果を有する
が、X元素と共存させることにより、より優れた非晶質
形成能を発揮する。
【0025】なお、本発明では一般式:Mgae、Mg
afh、Mgafchd(ただし、D:Al、S
i、Ca)において、原子%でaを60〜90%、cを
2〜20%、eを10〜40%、dを0.1〜3%、f
を4〜30%、hを2〜25%の範囲とすることによ
り、同様の効果を得ることができる。
【0026】
【実施例】本発明の実施例を比較例と対比して説明し本
発明の効果を明らかにする。 (実施例1)表1に示す化学成分のMg合金を、雰囲気
高周波溶解により溶解し、母合金を作製した。この母合
金をアルゴンガス雰囲気下で高周波炉にて溶解後、ヘリ
ウムガス100kgf/cm2の条件下で高圧溶湯噴霧
法により、非平衡相粉末(非晶質単相または非晶質と結
晶の混相または微細結晶質)を作製した。
【0027】
【表1】
【0028】得られた粉末のうち、25μm以下に分級
した粉末を温度350℃、加圧力500〜1000MP
a、押出比5:1で押し出し、直径7mm、長さ120
mmの円柱材を得た。押し出しによって得た円柱材は真
密度であった。なお、粉末作製から押し出しまで供試材
は常に酸素量、水分量ともに1ppm以下の高清浄度の
雰囲気下で実施した。
【0029】得られた円柱材についてTEM(Transmis
sion Electron Microscope)観察を実施した結果、N
o.1〜4について平均結晶粒径が約0.5μmであっ
て、粒径約50nmのMg245、Mg2 Cu、Mg2
Niの金属間化合物が観察された。
【0030】次に、円柱材の引張試験を円柱材より作製
した引張試験片により、インストロン型試験機を用いて
行った。得られた結果を表1に示す。
【0031】表1に示したように、常温における0.2
%耐力は600〜750MPaであって、従来の結晶質
材のうち最も高いものに比べて150MPa以上の高強
度を達成していることが判明し、本発明の効果が確認さ
れた。
【0032】(実施例2)表2に示す化学成分のMg合
金を、実施例1と同様の方法により溶解し、同様の条件
で急冷凝固して作製した非平衡相粉末から実施例1と同
様の条件で熱間塑性加工して円柱材を得て、円柱材より
作製した引張試験片により、インストロン型試験機を用
いて常温での0.2%引張耐力を測定した。なお、表2
において、No.5〜7は本発明の実施例であり、N
o.8〜11は本発明の組成範囲外の比較例である。
【0033】
【表2】
【0034】表2から知られるように、比較例であるN
o.8〜11の引張耐力が420〜480MPaである
のに対して、本発明の実施例であるNo.5〜7は引張
耐力が610〜680MPaであり、本発明の効果が確
認された。
【0035】(実施例3)表3に示す化学成分のMg合
金を、実施例1と同様の方法により溶解し、同様の条件
で急冷凝固して作製した非平衡相粉末から実施例1と同
様の条件で熱間塑性加工して円柱材を得て、この円柱材
より作製した引張試験片により、インストロン型試験機
を用いて常温での0.2%引張耐力を測定した。なお、
表3において、No.12〜14は本発明の実施例であ
り、No.15〜18は本発明の組成範囲外の比較例で
ある。
【0036】
【表3】
【0037】表3から知られるように、比較例であるN
o.15〜18の引張耐力が430〜480MPaであ
るのに対して、本発明の実施例であるNo.12〜14
は引張耐力が620〜690MPaであり、本発明の効
果が確認された。
【0038】(実施例4)表4に示す化学成分のMg合
金を、実施例1と同様の方法により溶解し、同様の条件
で急冷凝固して作製した非平衡相粉末から実施例1と同
様の条件で熱間塑性加工して円柱材を得て、この円柱材
より作製した引張試験片により、インストロン型試験機
を用いて常温での0.2%引張耐力を測定した。なお、
表4において、No.19〜21は本発明の実施例であ
り、No.22〜25は本発明の組成範囲外の比較例で
ある。
【0039】
【表4】
【0040】表4から知られるように、比較例であるN
o.22〜25の引張耐力が390〜450MPaであ
るのに対して、本発明の実施例であるNo.19〜21
は引張耐力が600〜650MPaであり、本発明の効
果が確認された。
【0041】(実施例5)表5に示す化学成分のMg合
金を、実施例1と同様の方法により溶解し、同様の条件
で急冷凝固して作製した非平衡相粉末から実施例1と同
様の条件で熱間塑性加工して円柱材を得て、この円柱材
より作製した引張試験片により、インストロン型試験機
を用いて常温での0.2%引張耐力を測定した。なお、
表5において、No.26〜28は本発明の実施例であ
り、No.29〜32は本発明の組成範囲外の比較例で
ある。
【0042】
【表5】
【0043】表5から知られるように、比較例であるN
o.29〜32の引張耐力が400〜450MPaであ
るのに対して、本発明の実施例であるNo.26〜28
は引張耐力が610〜680MPaであり、本発明の効
果が確認された。
【0044】(実施例6)表6に示す化学成分のMg合
金を、実施例1と同様の方法により溶解し、同様の条件
で急冷凝固して作製した非平衡相粉末から実施例1と同
様の条件で熱間塑性加工して円柱材を得て、この円柱材
より作製した引張試験片により、インストロン型試験機
を用いて常温での0.2%引張耐力を測定した。なお、
表6において、No.33本発明の実施例であり、N
o.34は本発明の組成範囲外の比較例である。
【0045】
【表6】
【0046】表6から知られるように、比較例であるN
o.33の引張耐力が410MPaであるのに対して、
本発明の実施例であるNo.34は引張耐力が780M
Paであり、本発明の効果が確認された。
【0047】(実施例7)表7に示す化学成分のMg合
金を、実施例1と同様の方法により溶解し、同様の条件
で急冷凝固して作製した非平衡相粉末から実施例1と同
様の条件で熱間塑性加工して円柱材を得て、この円柱材
より作製した引張試験片により、インストロン型試験機
を用いて常温での0.2%引張耐力を測定した。なお、
表7において、No.35本発明の実施例であり、N
o.36は本発明の組成範囲外の比較例である。
【0048】
【表7】
【0049】表7から知られるように、比較例であるN
o.36の引張耐力が400MPaであるのに対して、
本発明の実施例であるNo.35は引張耐力が790M
Paであり、本発明の効果が確認された。
【0050】(実施例8)表8に示す化学成分のMg合
金を、実施例1と同様の方法により溶解し、同様の条件
で急冷凝固して作製した非平衡相粉末から実施例1と同
様の条件で熱間塑性加工して円柱材を得て、この円柱材
より作製した引張試験片により、インストロン型試験機
を用いて常温での0.2%引張耐力を測定した。なお、
表8において、No.37本発明の実施例であり、N
o.38は本発明の組成範囲外の比較例である。
【0051】
【表8】
【0052】表8から知られるように、比較例であるN
o.38の引張耐力が390MPaであるのに対して、
本発明の実施例であるNo.37は引張耐力が700M
Paであり、本発明の効果が確認された。
【0053】(実施例9)実施例1で得られたNo.1
合金Mg87.5Cu5 7.5 について、570Kまでの高
温における引張耐力σ0.2および延びを測定し、得られ
た結果を図1に示す。図1の結果より本発明のMg87.5
Cu5 7.5 合金は温度の上昇と共に0.2%耐力は漸
次減少するが500Kにおいても600MPaの0.2
%耐力を維持できることが判明し、本発明合金が高温強
度に優れていることが確認された。
【0054】なお、図2は本実施例のMg87.5Cu5
7.5 合金で得られた高温強度の結果を、従来の希土類系
耐熱Mg合金であるEQ21A−T6(Mg−Mm−A
g)の高温強度を測定した結果と併せて示したものであ
る。図2より、本発明合金はEQ21A合金に比べて優
れた高温強度を有することが明瞭である。
【0055】また、図3は従来合金であるAZ91鋳造
材、AZ91急冷凝固材、Mg−Al─Zn系急冷凝固
材と本発明合金の破断荷重、0.2%耐力、および延び
を示したものである。図3に示したように本発明合金は
従来合金に比べて強度が著しく高いことが明白である。
【0056】
【発明の効果】本発明の高強度マグネシウム合金は以上
説明したように、一般式MgabcまたはMgabc
d(ただしX:X:Ni、Cuの1種または2種以
上、M:Y、La、Ce、Nd、Mm(ミッシュメタ
ル)の1種または2種以上、Z:Ti、Zrの1種また
は2種)において、原子%でaを75〜90%、bを2
〜10%、cを2〜15%、dを0.1〜3%の範囲に
それぞれ限定した組成を持つ急冷凝固マグネシウム基合
金に、熱間塑性加工を施し、微細結晶質からなる母相に
Mg−XおよびMg−Mの金属間化合物を析出・分散さ
せたものであって、平均結晶粒径が0.5μmの微細結
晶質が得られ高温での熱的安定性が高く、さらにこの微
細結晶質母相中に熱的安定性の高い粒径50nmのMg
−YおよびMg−Xの超微細金属間化合物が分散析出
し、これら分散微粒子が高温で母相中の変形を充分に抑
制するので、著しい高強度を発揮すると共に高温におい
ても強度低下が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明合金の高温における引張耐力σ0.2およ
び延びの測定結果を示す線図である。
【図2】本発明合金と従来合金の高温における引張耐力
σ0.2の測定結果を示す線図である。
【図3】本発明合金と従来合金の破断荷重、0.2%耐
力、および延びを示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 晃 宮城県仙台市太白区八木山本町2−36−1 サクセス26 B101 (72)発明者 増本 健 宮城県仙台市青葉区上杉3丁目8番22号 (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内無番地川内住宅11 −806 (72)発明者 堀切 秀彦 宮城県仙台市青葉区米ケ袋2丁目2番55号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式で、Mgabc ただし、X:Ni、Cuの1種または2種以上、 M:Y、La、Ce、Nd、Mm(ミッシュメタル)の
    1種または2種以上、 75≦a≦90、2≦b≦10、2≦c≦15、 (a、b、cはいずれも原子%)、の組成を持ち、微細
    結晶質からなる母相に、Mg−XおよびMg−Mの金属
    間化合物が分散した組織を有することを特徴とする高強
    度マグネシウム基合金。
  2. 【請求項2】 一般式で、Mgabcd ただし、X:Ni、Cuの1種または2種以上、 M:Y、La、Ce、Nd、Mm(ミッシュメタル)の
    1種または2種以上、 Z:Ti、Zrの1種または2種、 75≦a≦90、2≦b≦10、2≦c≦15、0.1
    ≦d≦3、 (a、b、c、dはいずれも原子%)、の組成を持ち、
    微細結晶質からなる母相に、Mg−XおよびMg−Mの
    金属間化合物が分散した組織を有することを特徴とする
    高強度マグネシウム基合金。
  3. 【請求項3】 一般式で、Mgabc ただし、X:Ni、Cuの1種または2種以上、 M:Y、La、Ce、Nd、Mm(ミッシュメタル)の
    1種または2種以上、 75≦a≦90、2≦b≦10、2≦c≦15、 (a、b、cはいずれも原子%)、の組成を持つ急冷凝
    固マグネシウム基合金に、熱間塑性加工を施し、微細結
    晶質からなる母相にMg−XおよびMg−Mの金属間化
    合物を析出・分散させることを特徴とする高強度マグネ
    シウム基合金の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式で、Mgabcd ただし、X:Ni、Cuの1種または2種以上、 M:Y、La、Ce、Nd、Mm(ミッシュメタル)の
    1種または2種以上、 Z:Ti、Zrの1種または2種、 75≦a≦90、2≦b≦10、2≦c≦15、0.1
    ≦d≦3、 (a、b、c、dはいずれも原子%)、の組成を持つ急
    冷凝固マグネシウム基合金に、熱間塑性加工を施し、微
    細結晶質からなる母相にMg−XおよびMg−Mの金属
    間化合物を析出・分散させることを特徴とする高強度マ
    グネシウム基合金の製造方法。
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