JPH06287735A - Mn添加溶融Znめっき鋼材及びその製造方法 - Google Patents
Mn添加溶融Znめっき鋼材及びその製造方法Info
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- JPH06287735A JPH06287735A JP7593993A JP7593993A JPH06287735A JP H06287735 A JPH06287735 A JP H06287735A JP 7593993 A JP7593993 A JP 7593993A JP 7593993 A JP7593993 A JP 7593993A JP H06287735 A JPH06287735 A JP H06287735A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 0.1 〜10wt%のMn、及び0.01〜 0.3wt%のAl
を含有し、めっき層中のFe濃度が1wt%以下である耐食
性と耐剥離性に優れたZn−Mn−Al系溶融めっき鋼材で、
その製造方法としては、予め被めっき物表面にPを 0.0
01mg/m2 以上を付着させた後、溶融めっきする。 【効果】 本発明によれば、多量にAlを添加することな
くめっき層中にFeを1%を越えて含有しない、耐食性、
耐剥離性の良好なZn−Mn−Al系溶融めっき被覆を施すこ
とができる。
を含有し、めっき層中のFe濃度が1wt%以下である耐食
性と耐剥離性に優れたZn−Mn−Al系溶融めっき鋼材で、
その製造方法としては、予め被めっき物表面にPを 0.0
01mg/m2 以上を付着させた後、溶融めっきする。 【効果】 本発明によれば、多量にAlを添加することな
くめっき層中にFeを1%を越えて含有しない、耐食性、
耐剥離性の良好なZn−Mn−Al系溶融めっき被覆を施すこ
とができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐食性及び加工時におけ
るめっきの耐剥離性の良好な溶融Znめっき鋼材及びその
製造方法に関するものである。
るめっきの耐剥離性の良好な溶融Znめっき鋼材及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】優れた耐食性を有する溶融Znめっきが、
鋼板、鋼線及びその他の建築材料等に用いられている。
Znは安価であるとともに、鋼に対し犠牲防食効果を持ち
鋼材等の防食に適しているが、腐食環境によっては、Zn
めっき自身の腐食による損耗が激しく、防食効果を長期
に維持することができない。
鋼板、鋼線及びその他の建築材料等に用いられている。
Znは安価であるとともに、鋼に対し犠牲防食効果を持ち
鋼材等の防食に適しているが、腐食環境によっては、Zn
めっき自身の腐食による損耗が激しく、防食効果を長期
に維持することができない。
【0003】近年、溶融Znめっきの長寿命化が要求され
ており、溶融Znめっきの耐食性長寿命化をはかるために
Mnを添加する方法が、例えば、特開昭58−91143 号公報
に開示されている。
ており、溶融Znめっきの耐食性長寿命化をはかるために
Mnを添加する方法が、例えば、特開昭58−91143 号公報
に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術によるMn添加
溶融Znめっきにおいては、被めっき物とめっき浴との合
金化抑制等に関し、次のような技術的問題点があり、工
業的な実施を見るまでには至っていない。 (1)一般に、溶融Znめっきにおいては、被めっき物元
素とZnめっきとの反応によって、被めっき物−Znめっき
界面に変形性の低い合金層が形成され、被めっき物の変
形加工時にZnめっきが剥離することを防止するために、
0.14wt%程度Alを添加し被めっき物とZnめっき浴との直
接反応による合金化を防止するが、Mn添加溶融Znめっき
においては、 0.3wt%程度Alを添加しても、被めっき物
とZnめっき浴との反応を防止することができない。この
ため、溶融めっきの状態で、Zn−Fe合金化が起こり、め
っき層をZn−η層とすることができずめっき層中のFe濃
度は5wt%以上となり、めっき層中に被めっき物とZnめ
っきの合金相が発達してしまう。めっき層中に被めっき
物とZnめっきの合金相が生じた場合、Zn−η層と比較し
赤錆の発生が早く、また、めっき浴と被めっき物との直
接的反応によって生じた合金相は加工変形能が低く剥離
しやすい。
溶融Znめっきにおいては、被めっき物とめっき浴との合
金化抑制等に関し、次のような技術的問題点があり、工
業的な実施を見るまでには至っていない。 (1)一般に、溶融Znめっきにおいては、被めっき物元
素とZnめっきとの反応によって、被めっき物−Znめっき
界面に変形性の低い合金層が形成され、被めっき物の変
形加工時にZnめっきが剥離することを防止するために、
0.14wt%程度Alを添加し被めっき物とZnめっき浴との直
接反応による合金化を防止するが、Mn添加溶融Znめっき
においては、 0.3wt%程度Alを添加しても、被めっき物
とZnめっき浴との反応を防止することができない。この
ため、溶融めっきの状態で、Zn−Fe合金化が起こり、め
っき層をZn−η層とすることができずめっき層中のFe濃
度は5wt%以上となり、めっき層中に被めっき物とZnめ
っきの合金相が発達してしまう。めっき層中に被めっき
物とZnめっきの合金相が生じた場合、Zn−η層と比較し
赤錆の発生が早く、また、めっき浴と被めっき物との直
接的反応によって生じた合金相は加工変形能が低く剥離
しやすい。
【0005】(2) 0.3wt%を越えたAlを添加した場
合、多量のAl添加によってめっき層鋼板界面に、多量の
Fe−Al合金層が生成され、めっき層の密着性が悪くな
る。本発明は、上記の問題点を解決した耐食性と耐剥離
性に優れた溶融Znめっき鋼材及びその製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
合、多量のAl添加によってめっき層鋼板界面に、多量の
Fe−Al合金層が生成され、めっき層の密着性が悪くな
る。本発明は、上記の問題点を解決した耐食性と耐剥離
性に優れた溶融Znめっき鋼材及びその製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述のように、従来技術
においては、Mn添加によって、被めっき物とZnめっき浴
の直接的反応による合金化が起こり、めっき層中に合金
相が発達し、耐剥離性が悪い、また、多量のAl添加によ
って合金化を抑制した場合、めっき層鋼板界面に多量の
Fe−Al合金層が生成され、めっき層の密着性が悪くなる
といった問題点があった。
においては、Mn添加によって、被めっき物とZnめっき浴
の直接的反応による合金化が起こり、めっき層中に合金
相が発達し、耐剥離性が悪い、また、多量のAl添加によ
って合金化を抑制した場合、めっき層鋼板界面に多量の
Fe−Al合金層が生成され、めっき層の密着性が悪くなる
といった問題点があった。
【0007】本発明者らは、被めっき物表面に種々のプ
レめっき被膜を形成し、溶融Znめっきを行い、Mn添加溶
融Znめっきの合金化抑制法に関し、種々検討した結果本
発明に到達した。すなわち、本発明は、Znめっき層中に
0.1〜10wt%のMn及び0.01〜 0.3wt%のAlを含有し、め
っき層中のFe濃度が1wt%以下であることを特徴とする
Mn添加溶融Znめっき鋼材であり、また本発明は、被めっ
き鋼材表面にP含有物質をP換算で 0.001mg/m2 以上
を付着させた後、 0.1〜10wt%のMn及び0.01〜 0.3wt%
のAlを含む溶融めっきすることを特徴とする上記Mn添加
溶融Znめっき鋼材の製造方法であり、被めっき鋼材表面
に予め、P含有物質をP換算で 0.001mg/m2 以上付着
せしめる方法としては、より具体的にFe及び/又はNiと
Pの合金めっきを施す方法、あるいは燐酸、亜燐酸及び
次亜燐酸もしくはこれらの塩から選ばれた1種以上の薬
剤を塗布する方法が採用できる。
レめっき被膜を形成し、溶融Znめっきを行い、Mn添加溶
融Znめっきの合金化抑制法に関し、種々検討した結果本
発明に到達した。すなわち、本発明は、Znめっき層中に
0.1〜10wt%のMn及び0.01〜 0.3wt%のAlを含有し、め
っき層中のFe濃度が1wt%以下であることを特徴とする
Mn添加溶融Znめっき鋼材であり、また本発明は、被めっ
き鋼材表面にP含有物質をP換算で 0.001mg/m2 以上
を付着させた後、 0.1〜10wt%のMn及び0.01〜 0.3wt%
のAlを含む溶融めっきすることを特徴とする上記Mn添加
溶融Znめっき鋼材の製造方法であり、被めっき鋼材表面
に予め、P含有物質をP換算で 0.001mg/m2 以上付着
せしめる方法としては、より具体的にFe及び/又はNiと
Pの合金めっきを施す方法、あるいは燐酸、亜燐酸及び
次亜燐酸もしくはこれらの塩から選ばれた1種以上の薬
剤を塗布する方法が採用できる。
【0008】
【作用】本発明者らは、被めっき鋼材表面にPを 0.001
mg/m2 以上付着させると溶融Znめっき浴と被めっき鋼
材との直接的反応が抑制されることを見い出した。Pの
付着はPを含有する金属めっき法又はPを含有する薬剤
の塗布法によって行える。
mg/m2 以上付着させると溶融Znめっき浴と被めっき鋼
材との直接的反応が抑制されることを見い出した。Pの
付着はPを含有する金属めっき法又はPを含有する薬剤
の塗布法によって行える。
【0009】例えば、Fe−P系プレめっきによる溶融Zn
めっき浴と被めっき物との反応抑制効果は、Fe−P系プ
レめっき中のPの効果によるものであり、被めっき物に
0.001wt%以上Pを含むFe−P系めっきを 0.1g/m2
以上プレめっきする方法やPを含む薬剤(例えばNaH2PO
2 )を塗布、乾燥し、Pに換算して付着量 0.001mg/m
2 以上付着させた後、溶融Znめっき(望ましくは、付着
量30〜 100g/m2 )することによって溶融Znめっき浴
と被めっき物との合金化を抑制することができる。
めっき浴と被めっき物との反応抑制効果は、Fe−P系プ
レめっき中のPの効果によるものであり、被めっき物に
0.001wt%以上Pを含むFe−P系めっきを 0.1g/m2
以上プレめっきする方法やPを含む薬剤(例えばNaH2PO
2 )を塗布、乾燥し、Pに換算して付着量 0.001mg/m
2 以上付着させた後、溶融Znめっき(望ましくは、付着
量30〜 100g/m2 )することによって溶融Znめっき浴
と被めっき物との合金化を抑制することができる。
【0010】これらの方法で溶融Znめっき浴と被めっき
物との直接反応による合金化を抑制することによって耐
剥離性の良好なMn添加溶融Znめっきを製造できる。表1
にFe−P、Ni−Pプレめっき、P系薬剤(NaH2PO2 )の
付着量、P濃度と合金化抑制効果に関する本発明者らの
知見の一部を示す。Fe−P、Fe−Niプレめっき、P系薬
剤塗布による被めっき物とめっき浴の合金化抑制効果
は、PによるものでPに換算して付着量 0.001mg/m2
以上であれば、被めっき物とめっき浴の合金化を抑制す
ることが解る。
物との直接反応による合金化を抑制することによって耐
剥離性の良好なMn添加溶融Znめっきを製造できる。表1
にFe−P、Ni−Pプレめっき、P系薬剤(NaH2PO2 )の
付着量、P濃度と合金化抑制効果に関する本発明者らの
知見の一部を示す。Fe−P、Fe−Niプレめっき、P系薬
剤塗布による被めっき物とめっき浴の合金化抑制効果
は、PによるものでPに換算して付着量 0.001mg/m2
以上であれば、被めっき物とめっき浴の合金化を抑制す
ることが解る。
【0011】
【表1】
【0012】また、本発明においてめっき層中のMn含有
量を 0.1〜10wt%としたのはMn添加による耐食性向上の
効果はMn添加量 0.1wt%以上で現れること及び、Mn添加
量増加に従って耐食性は向上するが、10wt%を越えてMn
を添加した場合、Mn添加によるめっき浴融点の上昇によ
ってめっき浴温は 600℃以上とする必要があり、合金化
を抑制できなくなることによる。
量を 0.1〜10wt%としたのはMn添加による耐食性向上の
効果はMn添加量 0.1wt%以上で現れること及び、Mn添加
量増加に従って耐食性は向上するが、10wt%を越えてMn
を添加した場合、Mn添加によるめっき浴融点の上昇によ
ってめっき浴温は 600℃以上とする必要があり、合金化
を抑制できなくなることによる。
【0013】次にAl濃度を0.01wt%以上としたのは、め
っき浴の酸化防止のために0.01wt%以上のAl添加が必要
であり、一方 0.3wt%を越えてAlを添加した場合、めっ
き層鋼板界面に多量のFe−Al合金層が生成され、めっき
層の密着性が悪くなるためである。また、本発明におい
てめっき層中のFe濃度を1wt%以下と規定したのは、め
っき層に合金層が生成される従来法のように、めっき層
中のFe濃度が1wt%超では、めっき層中に被めっき物と
Znめっきの合金相が生じ、めっき層中のFeの酸化による
赤錆の発生が早く、まためっき浴と被めっき物との直接
的反応によって生じた合金相は加工変形能が低く剥離し
やすいため、めっき層中のFe濃度を耐剥離性、耐食性の
良好な1wt%以下とした。
っき浴の酸化防止のために0.01wt%以上のAl添加が必要
であり、一方 0.3wt%を越えてAlを添加した場合、めっ
き層鋼板界面に多量のFe−Al合金層が生成され、めっき
層の密着性が悪くなるためである。また、本発明におい
てめっき層中のFe濃度を1wt%以下と規定したのは、め
っき層に合金層が生成される従来法のように、めっき層
中のFe濃度が1wt%超では、めっき層中に被めっき物と
Znめっきの合金相が生じ、めっき層中のFeの酸化による
赤錆の発生が早く、まためっき浴と被めっき物との直接
的反応によって生じた合金相は加工変形能が低く剥離し
やすいため、めっき層中のFe濃度を耐剥離性、耐食性の
良好な1wt%以下とした。
【0014】上記のように、被めっき物表面に、P付着
量に換算して付着量 0.001mg/m2以上Pを付着させた
後、溶融Znめっきをすることによって溶融Znめっき浴と
被めっき物との合金化を抑制することができる。
量に換算して付着量 0.001mg/m2以上Pを付着させた
後、溶融Znめっきをすることによって溶融Znめっき浴と
被めっき物との合金化を抑制することができる。
【0015】
【実施例】被めっき物としてC: 0.002wt%、Si:0.02
wt%、Mn:0.15wt%、P: 0.013wt%、S: 0.007wt%
を含有する冷延鋼板( 100× 200×板厚0.75mm)を用
い、めっき前処理として有機溶媒、アルカリ電解脱脂の
後、NaH2PO2 を 0.1g/l、FeSO4 100 g/l、Na2SO4
1g/lを溶解したpH 1.8、60℃の硫酸浴中において、
目付量10g/m2 のFe−Pめっきを電気めっきによって
プレめっきした。
wt%、Mn:0.15wt%、P: 0.013wt%、S: 0.007wt%
を含有する冷延鋼板( 100× 200×板厚0.75mm)を用
い、めっき前処理として有機溶媒、アルカリ電解脱脂の
後、NaH2PO2 を 0.1g/l、FeSO4 100 g/l、Na2SO4
1g/lを溶解したpH 1.8、60℃の硫酸浴中において、
目付量10g/m2 のFe−Pめっきを電気めっきによって
プレめっきした。
【0016】上記Fe−Pプレめっき材を用い、15%H2
+N2 雰囲気中で 820℃、10sec (昇温、降温速度は10
℃/sec )の焼鈍を行った後、溶融めっきシュミレータ
によって、Mn添加溶融Znめっきを行った。また、比較例
として、Fe−Pプレめっきを施さない上記冷延鋼板を用
い、上記実施例と同様の前処理と焼鈍の後、通常の溶融
Znめっき及び従来法によるMn添加溶融Znめっきを施した
試料を作成した。
+N2 雰囲気中で 820℃、10sec (昇温、降温速度は10
℃/sec )の焼鈍を行った後、溶融めっきシュミレータ
によって、Mn添加溶融Znめっきを行った。また、比較例
として、Fe−Pプレめっきを施さない上記冷延鋼板を用
い、上記実施例と同様の前処理と焼鈍の後、通常の溶融
Znめっき及び従来法によるMn添加溶融Znめっきを施した
試料を作成した。
【0017】表2に各実施例のめっき条件を示す。
【0018】
【表2】
【0019】上記実施例によって得られためっき材の耐
食性をSST(塩水噴霧試験)による赤錆発生及び板重
量の減少によって評価した結果を表2に示す。また、め
っき材の耐剥離性評価として、90°曲げ戻し試験による
剥離量を剥離Zn粉の蛍光X線係数値によって評価した結
果を表2に示す。表2より解るように、通常の溶融Znめ
っきにおいては、めっき浴中にAlを添加することによっ
て、鋼板とめっき浴との直接反応による合金層の生成を
抑制するが、従来法によるMn添加溶融Znめっきにおい
て、通常の溶融ZnめっきのようにAlを添加しても合金化
を抑制できず、耐剥離性が著しく劣り、耐食性も向上し
ない。
食性をSST(塩水噴霧試験)による赤錆発生及び板重
量の減少によって評価した結果を表2に示す。また、め
っき材の耐剥離性評価として、90°曲げ戻し試験による
剥離量を剥離Zn粉の蛍光X線係数値によって評価した結
果を表2に示す。表2より解るように、通常の溶融Znめ
っきにおいては、めっき浴中にAlを添加することによっ
て、鋼板とめっき浴との直接反応による合金層の生成を
抑制するが、従来法によるMn添加溶融Znめっきにおい
て、通常の溶融ZnめっきのようにAlを添加しても合金化
を抑制できず、耐剥離性が著しく劣り、耐食性も向上し
ない。
【0020】一方、本発明により、Fe−Pプレめっきを
施した鋼板を用いた場合、P付着の効果によって合金化
が抑制され、Mn添加の効果によって耐食性が向上し、ま
た耐剥離性は通常の溶融Znめっき鋼板と同等であった。
上記実施例においては、Fe−Pプレめっきのみを示した
が、作用の欄に記したようにFe−Pプレめっきの被めっ
き物と溶融Znとの反応抑制効果はFe−Pプレめっき中の
Pによる効果であり、例えばNiSO4 、NaH2PO2 を溶解し
た硫酸浴中での電気めっきや化学めっきによって被めっ
き物表面に 0.001wt%以上Pを含むNi−P系めっきを
0.1g/m2 以上プレめっきする方法や、Pを含有する
薬剤の塗布によって、被めっき物表面にPを含有する被
膜をPに換算して付着量 0.001mg/m2 以上形成する
(例えば、被めっき物にNaH2PO2 溶解液を塗布後、焼鈍
処理を行う)方法によって、Fe−Pプレめっきと同様に
被めっき物と溶融Znとの反応抑制効果を得ることがで
き、耐剥離性の良好なMn添加溶融Znめっきを得ることが
できる。
施した鋼板を用いた場合、P付着の効果によって合金化
が抑制され、Mn添加の効果によって耐食性が向上し、ま
た耐剥離性は通常の溶融Znめっき鋼板と同等であった。
上記実施例においては、Fe−Pプレめっきのみを示した
が、作用の欄に記したようにFe−Pプレめっきの被めっ
き物と溶融Znとの反応抑制効果はFe−Pプレめっき中の
Pによる効果であり、例えばNiSO4 、NaH2PO2 を溶解し
た硫酸浴中での電気めっきや化学めっきによって被めっ
き物表面に 0.001wt%以上Pを含むNi−P系めっきを
0.1g/m2 以上プレめっきする方法や、Pを含有する
薬剤の塗布によって、被めっき物表面にPを含有する被
膜をPに換算して付着量 0.001mg/m2 以上形成する
(例えば、被めっき物にNaH2PO2 溶解液を塗布後、焼鈍
処理を行う)方法によって、Fe−Pプレめっきと同様に
被めっき物と溶融Znとの反応抑制効果を得ることがで
き、耐剥離性の良好なMn添加溶融Znめっきを得ることが
できる。
【0021】
【発明の効果】本発明により、密着性に優れ、かつMn添
加による耐食性にも優れた溶融亜鉛めっき鋼板が工業的
に容易に得られるようになった。
加による耐食性にも優れた溶融亜鉛めっき鋼板が工業的
に容易に得られるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 千昭 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 望月 一雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内
Claims (4)
- 【請求項1】 Znめっき層中に 0.1〜10wt%のMn及び0.
01〜 0.3wt%のAlを含有し、めっき層中のFe濃度が1wt
%以下であることを特徴とするMn添加溶融Znめっき鋼
材。 - 【請求項2】 請求項1記載のMn添加溶融Znめっき鋼材
の製造に際し、被めっき鋼材表面にP含有物質をP換算
で 0.001mg/m2 以上を付着させた後、 0.1〜10wt%の
Mn及び0.01〜 0.3wt%のAlを含む溶融めっきすることを
特徴とするMn添加溶融Znめっき鋼材の製造方法。 - 【請求項3】 被めっき鋼材表面に予め、P含有物質を
P換算で 0.001mg/m2 以上付着せしめる方法が、Fe及
び/又はNiとPの合金めっきを施すものであることを特
徴とする請求項2記載のMn添加溶融Znめっき鋼材の製造
方法。 - 【請求項4】 被めっき鋼材表面に予め、P含有物質を
P換算で 0.001mg/m2 以上付着せしめる方法が、燐
酸、亜燐酸及び次亜燐酸もしくはこれらの塩から選ばれ
た1種以上の薬剤を塗布するものであることを特徴とす
る請求項2記載のMn添加溶融Znめっき鋼材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7593993A JPH06287735A (ja) | 1993-04-01 | 1993-04-01 | Mn添加溶融Znめっき鋼材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7593993A JPH06287735A (ja) | 1993-04-01 | 1993-04-01 | Mn添加溶融Znめっき鋼材及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06287735A true JPH06287735A (ja) | 1994-10-11 |
Family
ID=13590718
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7593993A Pending JPH06287735A (ja) | 1993-04-01 | 1993-04-01 | Mn添加溶融Znめっき鋼材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06287735A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7601433B2 (en) | 2004-12-28 | 2009-10-13 | Sakuratech Co., Ltd. | Highly corrosion-resistant/highly workable plated steel wire, plating bath composition, method for producing the plated steel wire and wire netting product |
KR20170025260A (ko) * | 2015-08-28 | 2017-03-08 | 대우조선해양 주식회사 | 도금 표면 인산염 피막을 위한 용융아연 도금욕 조성물 |
WO2022244782A1 (ja) * | 2021-05-17 | 2022-11-24 | Jfeスチール株式会社 | Fe系皮膜付き素材冷延鋼板、Fe系皮膜付き素材冷延鋼板の製造方法、Fe系皮膜付き冷延鋼板の製造方法、溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
-
1993
- 1993-04-01 JP JP7593993A patent/JPH06287735A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7601433B2 (en) | 2004-12-28 | 2009-10-13 | Sakuratech Co., Ltd. | Highly corrosion-resistant/highly workable plated steel wire, plating bath composition, method for producing the plated steel wire and wire netting product |
KR20170025260A (ko) * | 2015-08-28 | 2017-03-08 | 대우조선해양 주식회사 | 도금 표면 인산염 피막을 위한 용융아연 도금욕 조성물 |
WO2022244782A1 (ja) * | 2021-05-17 | 2022-11-24 | Jfeスチール株式会社 | Fe系皮膜付き素材冷延鋼板、Fe系皮膜付き素材冷延鋼板の製造方法、Fe系皮膜付き冷延鋼板の製造方法、溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
JPWO2022244782A1 (ja) * | 2021-05-17 | 2022-11-24 | ||
EP4317517A4 (en) * | 2021-05-17 | 2024-09-18 | JFE Steel Corporation | COLD-ROLLED STEEL SHEET WITH FE-BASED COATING FILM, METHOD OF MANUFACTURING |
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