[go: up one dir, main page]

JPH06276603A - 電気自動車の駆動力制御装置 - Google Patents

電気自動車の駆動力制御装置

Info

Publication number
JPH06276603A
JPH06276603A JP8822993A JP8822993A JPH06276603A JP H06276603 A JPH06276603 A JP H06276603A JP 8822993 A JP8822993 A JP 8822993A JP 8822993 A JP8822993 A JP 8822993A JP H06276603 A JPH06276603 A JP H06276603A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reverse
range
torque
motor
operation amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8822993A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Tanaka
航一 田中
Takeji Koide
武治 小出
Kinya Yoshii
欣也 吉井
Eiji Ichioka
英二 市岡
Kojiro Kuramochi
耕治郎 倉持
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP8822993A priority Critical patent/JPH06276603A/ja
Publication of JPH06276603A publication Critical patent/JPH06276603A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 誤操作や異常操作によって車両が後進方向へ
急発進することを防止する。 【構成】 シフトレバーがRレンジへ操作されている場
合に、アクセル操作量Acが予め定められた上限値Ac
1より大きく、且つアクセル操作量Acの変化速度ΔA
cが予め定められた判断値ΔAc1より大きい時には、
S5でフラグF1を「1」とすることにより通常の後進
トルク制御を禁止するとともに、S6でモータ出力を0
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気自動車の駆動力制御
装置に係り、特に、シフトレバーが後進レンジに選択操
作されて車両を後進させる場合の駆動力制御に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】電気自動車は、一般に、(a)D(ドラ
イブ)レンジ等の前進レンジおよびR(リバース)レン
ジ等の後進レンジに選択操作されるシフトレバーと、
(b)電動モータを有して駆動輪を正逆両方向へ回転駆
動する電動駆動装置と、(c)アクセル操作量に応じて
前記電動モータのトルク制御を行うとともに、前記シフ
トレバーが前進レンジへ操作された場合には車両を前進
させ、後進レンジへ操作された場合には車両を後進させ
るように、前記電動駆動装置を制御する前後進制御手段
とを備え、シフトレバーの選択レンジに応じて車両を前
進,後進させるようになっている。この前後進の切換え
は、電動モータの回転方向を逆転させるか、前後進切換
えが可能な変速機によって行われる。また、動力伝達を
遮断するクラッチを有する電気自動車においては、アク
セル操作されていない場合などにクラッチを遮断するこ
とが、例えば特開昭60−193726号公報において
提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の電気自動車は、シフトレバーが後進レンジへ選択
操作された状態でアクセルが踏込み操作されると、その
アクセル操作量に応じた駆動力で車両が後進させられる
ため、例えば前進レンジと勘違いしてアクセルを大きく
踏み込んだ場合など、誤操作や異常操作によって車両が
後進方向へ急発進する恐れがあった。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、誤操作や異常操作に
よって車両が後進方向へ急発進することを防止すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めには、後進レンジでアクセルが異常に大きく踏込み操
作された場合には通常の後進トルク制御を制限するよう
にすれば良く、本発明は、図1のクレーム対応図に示す
ように、(a)シフトレバーが後進レンジに選択操作さ
れたことを検出する後進レンジ検出手段と、(b)アク
セル操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、
(c)電動モータを有して駆動輪を正逆両方向へ回転駆
動する電動駆動装置と、(d)前記シフトレバーが後進
レンジに選択操作されている場合にはアクセル操作量に
応じた駆動力で車両を後進させるように前記電動駆動装
置を制御する後進制御手段とを備えた電気自動車の駆動
力制御装置において、(e)前記シフトレバーが後進レ
ンジに選択操作され、且つ前記アクセル操作量が予め定
められた上限値を越えた場合には、前記後進制御手段に
よる後進制御に優先して前記電動駆動装置の出力を制限
する後進制限手段とを設けたことを特徴とする。
【0006】
【作用】このような電気自動車の駆動力制御装置におい
ては、後進レンジ検出手段によってシフトレバーが後進
レンジに選択操作されたことが検出されると、通常は後
進制御手段により、アクセル操作量検出手段によって検
出されたアクセル操作量に応じた駆動力で車両が後進さ
せられるが、アクセル操作量が予め定められた上限値を
越えた場合には、後進制限手段により上記後進制御手段
による後進制御に優先して電動駆動装置の出力が制限さ
れる。この後進制限手段による制御は、例えばアクセル
操作量に拘らず電動モータのトルクを零、或いは所定の
値以下に制限したり、動力伝達を遮断するクラッチを有
する場合には、そのクラッチを遮断したりするようにす
れば良い。
【0007】
【発明の効果】このようにすれば、シフトレバーの誤操
作などによって車両が後進方向へ急発進することが防止
される。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図2は、本発明が適用された電気自動車
の制御系統を説明するブロック線図で、図3および図4
は、電動駆動装置10の一例を詳しく示す断面図および
骨子図である。この電動駆動装置10は、電動モータ1
2および減速機16を備えて構成されており、電動モー
タ12の出力軸14から出力された動力は、遊星歯車式
減速機16において減速された後、遊星歯車式差動装置
18において左右の駆動系に分配される。一方の動力
は、円筒状の出力軸14を貫通してその出力軸14と同
心に配設された中間軸28、左側第1等速継手20L、
左側車軸22L、左側第2等速継手24Lを介して図示
しないサスペンション装置に支持された左側駆動輪26
Lへ伝達され、他方の動力は、右側第1等速継手20
R、右側車軸22R、右側第2等速継手24Rを介して
図示しないサスペンション装置に支持された右側駆動輪
26Rへ伝達されるようになっている。駆動輪26L,
26Rは、4本の車輪から成る電気自動車の前輪または
後輪を構成している。
【0009】上記電動モータ12は、円筒状ハウジング
30とその両端部に嵌合された第1サイドハウジング3
2および第2サイドハウジング34などから成るハウジ
ング内に収容されて、その出力軸14が車両の左右方向
と平行になる姿勢で配設されている。円筒状ハウジング
30の内周面にはコイルを有するステータ36が固定さ
れているとともに、出力軸14にはステータ36と同心
にロータ40が固定されている。かかる電動モータ12
としては、永久磁石型ACモータ,誘導モータ,同期モ
ータ,DCモータ等、種々のモータが用いられ得る。
【0010】減速機16は、図4から明らかなように、
前記出力軸14の軸端に連結されたサンギヤ42S、キ
ャリヤ42Cによって回転可能に支持されてサンギヤ4
2Sと噛み合う第1遊星ギヤ42P、この第1遊星ギヤ
42Pと一体の第2遊星ギヤ44P、その第2遊星ギヤ
44Pと噛み合う位置固定のリングギヤ44Rから成る
遊星歯車装置であり、電動モータ12からサンギヤ42
Sへ入力された回転を所定の減速比にしたがって減速
し、上記キャリヤ42Cから後段の遊星歯車式差動装置
18のリングギヤ46Rへ出力する。
【0011】差動装置18は、ダブルピニオン型の遊星
歯車装置であって、前記右側第1等速継手20Rの左端
に連結されたサンギヤ46S、前記キャリヤ42Cと連
結されたリングギヤ46R、サンギヤ46Sおよびリン
グギヤ46Rの一方および他方と各々噛み合い且つ互い
に噛み合う複数対の遊星ギヤ46P1 、46P2 、それ
ら複数対の遊星ギヤ46P1 、46P2 を回転可能に支
持して前記中間軸28の右端に連結されたキャリヤ46
Cを備えている。これにより、差動装置18は、そのリ
ングギヤ46Rに入力された動力を分配して、左側駆動
輪26Lに作動的に連結されたキャリヤ46Cと右側駆
動輪26Rに作動的に連結されたサンギヤ46Sとへそ
れぞれ出力する。
【0012】図2に戻って、前記電動モータ12は、バ
ッテリ等の電源50からモータ駆動制御回路52を経て
駆動電力が供給されることにより正逆両方向へ回転駆動
される。モータ駆動制御回路52はインバータ等であ
り、モータ制御用コンピュータ54から供給される指令
信号STに従って、駆動電力の周波数や電流等を変更す
ることにより電動モータ12のトルクを制御するととも
に、電動モータ12が強制回転させられることにより発
生した電気エネルギーを電源50に蓄積する回生制動を
行う。モータ制御用コンピュータ54は、CPU56,
RAM58,ROM60,水晶発振子等のクロック信号
源62,図示しないA/Dコンバータ,入出力インタフ
ェース回路等を備えて構成され、RAM58の一時記憶
機能を利用しつつROM60に予め記憶されたプログラ
ムに従って信号処理を行い、前記指令信号STをモータ
駆動制御回路52に出力することにより電動モータ12
の出力トルクや回生制動トルクを制御する。
【0013】上記モータ制御用コンピュータ54には、
アクセル操作量センサ64,モータ回転速度センサ6
6,シフトポジションセンサ70等が接続され、アクセ
ルペダルの操作量Acを表すアクセル操作量信号SA
c,電動モータ12の回転速度Nmを表すモータ回転速
度信号SNm,シフトレバー72の操作レンジを表すシ
フトポジション信号SSh等がそれぞれ供給される。回
転速度センサ66は、車両が前進する正回転か後進する
逆回転かを区別して回転速度Nmを検出するもので、例
えば正逆回転で位相のずれ方が異なる一対のパルス信号
をモータ回転に伴って出力するように構成されている。
また、シフトレバー72は運転席の近傍に配設され、車
両を前進させるD(ドライブ)レンジ,後進させるR
(リバース)レンジ,駐車する際のP(パーキング)レ
ンジ,電動モータ12のフリー回転を許容するN(ニュ
ートラル)レンジなどに選択操作されるものである。本
実施例では、Rレンジが後進レンジである。
【0014】そして、かかるモータ制御用コンピュータ
54は、基本的には図5に示すフローチャートに従って
電動モータ12のトルク制御を行う。このフローチャー
トは、例えば数十msec程度のサイクルタイムで繰り
返し実行され、先ず、ステップSS1ではフラグF1が
「0」か否かを判断し、F1=0の場合にはステップS
S2以下を実行する。フラグF1は、シフトレバー72
の選択レンジがRレンジで図7のステップS3およびS
4の条件を満足した場合にステップS5で「1」とされ
るもので、通常は「0」である。ステップSS2では、
シフトポジション信号SShに基づいてシフトレバー7
2の選択レンジがDレンジであるか否かを判断し、Dレ
ンジであればステップSS3で前進トルク制御を行う。
この前進トルク制御では、車両が前進する正回転方向へ
電動モータ12を回転駆動するとともに、例えば図6に
示すようなデータマップに従って、アクセル操作量Ac
およびモータ回転速度Nmに基づいてトルク制御値Ta
を算出し、そのトルク制御値Taを目標トルクToとし
て指令信号STを出力することにより、電動モータ12
のトルクが目標トルクToすなわちトルク制御値Taと
一致するように制御する。また、所定の車速以上でブレ
ーキが踏込み操作されている場合など、所定の制動条件
を満足する場合には、回生制動トルクを発生させるため
の指令信号STを出力し、内燃機関の自動車におけるエ
ンジンブレーキと同様な制動トルクを発生させ、且つそ
の大きさを制御するとともに、その制動トルクに対応す
る電気エネルギーを電源50に蓄電させる。
【0015】前記ステップSS2の判断がNOの場合、
すなわち選択レンジがDレンジでない場合にはステップ
SS4でRレンジか否かを判断し、Rレンジの場合には
ステップSS5で後進トルク制御を行う。この後進トル
ク制御では、車両が後退する方向すなわち逆回転方向へ
電動モータ12を回転駆動するとともに、前記図6と同
様なデータマップに従って、アクセル操作量Acおよび
モータ回転速度Nmに基づいてトルク制御値Tbを算出
し、そのトルク制御値Tbを目標トルクToとして指令
信号STを出力することにより、電動モータ12の逆回
転トルクが目標トルクToすなわちトルク制御値Tbと
一致するように制御する。このトルク制御値Tbは正の
値で、その数値が大きくなる程電動モータ12の逆回転
トルクも大きくされる。また、ステップSS4の判断が
NOの場合、すなわち選択レンジがDレンジでもRレン
ジでもない場合には、ステップSS6で目標トルクTo
=0とし、モータ出力を0として電動モータ12がフリ
ー回転できるようにする。
【0016】モータ制御用コンピュータ54はまた、上
記基本トルク制御とは別に図7のフローチャートに従っ
て電動モータ12のトルク制御を行う。ステップS1で
は、前記シフトポジション信号SShに基づいてシフト
レバー72がRレンジに選択操作されているか否かを判
断し、RレンジであればステップS2以下を実行する
が、Rレンジでない場合にはステップS9でフラグF
1,F2を共に「0」とする。F1=0とされることに
より、前記図5の基本トルク制御が有効で、その基本ト
ルク制御に従って電動モータ12のトルク制御が行われ
る。ステップS2では、フラグF2が「1」か否かを判
断するが、フラグF2は上記ステップS9で「0」とさ
れるため、ステップS2以下の最初の実行時には「0」
でステップS3を実行する。
【0017】ステップS3では、アクセル操作量信号S
Acが表すアクセル操作量Acが予め定められた上限値
Ac1より大きいか否かを判断し、Ac≦Ac1であれ
ばステップS9を実行するが、Ac1<Acの場合には
ステップS4を実行する。上限値Ac1は、後進時のア
クセル操作量Acとしては異常に大きいか否かを判断す
るためのものである。ステップS4では、アクセル操作
量Acの変化速度ΔAcが予め定められた判断値ΔAc
1より大きいか否かを判断し、ΔAc≦ΔAc1であれ
ばステップS9を実行するが、ΔAc1<ΔAcの場合
にはステップS5以下を実行する。変化速度ΔAcは、
例えば前回のサイクル時のアクセル操作量と今回のサイ
クル時のアクセル操作量との差などが用いられる。ま
た、判断値ΔAc1は、後進時のアクセル操作量の変化
速度ΔAcとしては異常に大きいか否かを判断するため
のもので、サイクルタイムなどを考慮して定められる。
【0018】そして、ステップS5ではフラグF1,F
2を共に「1」とし、ステップS6では目標トルクTo
=0としてモータ出力を0とする。ステップS5でフラ
グF1=1とされることにより、図5の基本トルク制御
に優先してステップS6のトルク制御が行われ、アクセ
ル操作に拘らずモータ出力が0とされる。また、フラグ
F2=1とされることにより、以後のサイクルではステ
ップS2に続いてステップS7が実行される。ステップ
S7では、アクセル操作量Acが予め定められた判断値
Ac2より大きいか否かを判断し、Ac2<Acの場合
にはステップS5以下を実行してモータ出力を0に維持
するが、Ac≦Ac2の場合にはステップS8のトルク
復帰制御を行う。判断値Ac2は、後進時のアクセル操
作量Acとして特に異常でないか否か、言い換えればそ
のアクセル操作量Acに従って前記図5のステップSS
5の後進トルク制御を行っても車両走行上問題がないか
否かを判断するためのもので、前記上限値Ac1より小
さい値が定められる。なお、上記ステップS5およびS
6の実行時には、異常表示を行ったり警告ブザーを鳴ら
したりして、異常操作であることを運転者に知らせるよ
うにしても良い。
【0019】ステップS8のトルク復帰制御は、例えば
図8のフローチャートに従って行われ、ステップQ1で
は、予めROM60等に記憶された前記図6と同様なデ
ータマップからアクセル操作量Acおよびモータ回転速
度Nmに基づいてトルク制御値Tbを算出する。次のス
テップQ2では、上記トルク制御値Tbが現在の目標ト
ルクToに予め定められた一定値αを加算した値(To
+α)以上か否かを判断し、(To+α)≦Tbの場合
には、ステップQ3で目標トルクToに一定値αを加算
して新たな目標トルクToを求め、その目標トルクTo
を表す指令信号STを出力することにより、電動モータ
12の逆回転トルク、すなわち車両後進方向のトルクを
一定値αだけ増大する。また、Tb<(To+α)の場
合には、ステップQ4でトルク制御値Tbを目標トルク
Toとし、その目標トルクToを表す指令信号STを出
力することにより、電動モータ12の逆回転トルクが目
標トルクToすなわちトルク制御値Tbとなるように制
御するとともに、ステップQ5でフラグF1,F2を共
に「0」とする。一定値αは、ショックを防止しつつ変
化させることができる電動モータ12のトルク増加幅
で、このようなトルク復帰制御が行われることにより、
アクセル操作量Acに応じてステップQ1で算出された
トルク制御値Tbが大きい場合でも、電動モータ12の
トルクが滑らかに増大させられてトルク制御値Tbに徐
々に近づけられる。また、ステップQ5でフラグF1=
0とされることにより、図5の基本トルク制御が有効と
され、以後はその基本トルク制御に従って電動モータ1
2の逆回転トルクが制御される。なお、このようなトル
ク復帰制御を行うことなく、前記ステップS7の判断が
NOとなった場合には直ちにフラグF1=0として、図
5の基本トルク制御に従って逆回転トルクが制御される
ようにしても良い。
【0020】このように、本実施例ではシフトレバー7
2がRレンジに選択操作された場合に、アクセル操作量
Acおよびその変化速度ΔAcがステップS3,S4の
条件を満足する時には、図5の基本トルク制御に優先し
てステップS6でモータ出力を0とするようになってい
るため、シフトレバー72の誤操作などによって車両が
後進方向へ急発進することが防止される。また、通常の
後進トルク制御への復帰時には、電動モータ12のトル
クを一定値αずつ増大させるようになっているため、急
激なトルク変化に起因するショックが防止される。
【0021】本実施例では、モータ制御用コンピュータ
54による一連の信号処理のうち、図5のステップSS
4およびSS5を実行する部分が後進制御手段に相当
し、図7のステップS1〜S7を実行する部分が後進制
限手段に相当する。また、ステップSS4,S1を実行
する部分はシフトポジションセンサ70と共に後進レン
ジ検出手段を構成しており、アクセル操作量センサ64
はアクセル操作量検出手段に相当する。
【0022】次に、本発明の他の実施例を説明する。図
9は、電気自動車の駆動系統を示す骨子図で、電動モー
タ110のモータ軸112はクラッチ114を介して小
歯車116に接続されるようになっているとともに、そ
の小歯車116は中間軸118に設けられた大歯車12
0と噛み合わされている。中間軸118には、大歯車1
20とは別に小歯車122が設けられており、出力軸1
24に設けられた大歯車126と噛み合わされている。
これ等の歯車116,120,122,126の噛合い
により、電動モータ110の回転は予め定められた一定
の減速比で減速されて出力軸124に伝達され、更に図
示しない差動装置等を経て一対の駆動輪へ伝達される。
上記歯車116,120,122,126を含んで減速
機128が構成され、その減速機128と電動モータ1
10とを有して電動駆動装置129が構成されている。
上記電動モータ110としては、前記実施例と同様に永
久磁石型ACモータや誘導モータ,DCモータ等、種々
のモータが用いられ得る。
【0023】上記クラッチ114は、図10に詳しく示
されているように、モータ軸112にスプライン嵌合さ
れているクラッチハブ130と、そのクラッチハブ13
0の外周部にスプライン嵌合されているスリーブ132
と、クラッチハブ130の外周部に形成された複数の溝
に嵌め入れられているとともにスプリングによってスリ
ーブ132の内周面に押圧されている複数のシフティン
グキー134と、シフティングキー134に相対回転不
能に係合しているとともにクラッチギヤ136に一体に
設けられたテーパ部138の外周部に相対回転可能に嵌
合されているシンクロナイザリング140とを備えてお
り、クラッチギヤ136は、モータ軸112にベアリン
グ142を介して相対回転可能に配設された前記小歯車
116にスプライン嵌合されている。そして、スリーブ
132が図に示すようにクラッチハブ130のみと噛み
合う遮断状態においては、モータ軸112と小歯車11
6との間の動力伝達が遮断される一方、スリーブ132
が図の左方向へ移動させられ、クラッチハブ130およ
びクラッチギヤ136に跨がって噛み合う接続状態にお
いては、モータ軸112と小歯車116との間の動力伝
達が許容される。遮断状態から接続状態への切換えに際
しては、シンクロナイザリング140とテーパ部138
との間の摩擦によりクラッチギヤ136とモータ軸11
2とが同期回転させられるため、モータ軸112と小歯
車116との間に回転差がある場合でも、スリーブ13
2のクラッチギヤ136に対する噛合いが比較的円滑に
行われる。
【0024】上記スリーブ132の外周面には環状溝1
44が設けられ、シフトフォーク146が相対回転可能
に係合させられている。シフトフォーク146は、モー
タ軸112と平行に且つ軸方向の移動可能に配設された
シフトロッド148に固定されており、シフトロッド1
48が軸方向へ移動させられることにより、スリーブ1
32が図の左右方向へ移動させられてクラッチ114が
接続,遮断される。シフトロッド148は、ハウジング
150によって軸方向の移動可能に支持されているとと
もに、常にはスプリング152によって図の左方向、す
なわちパーキングロックロッド154に接近する方向へ
付勢されている。パーキングロックロッド154は、図
の上下方向の移動可能に配設されているとともに、上端
部においてレバー156に連結されている。レバー15
6は、ケーブル158を介して前記シフトレバー72に
連結されており、シフトレバー72が「P」,「R」,
「N」,「D」の各レンジへ選択操作されることによ
り、パーキングロックロッド154は図の上下方向へ移
動させられる。
【0025】パーキングロックロッド154の中間部に
はシフトカム162が設けられており、シフトレバー7
2がNレンジへ操作された時に、前記シフトロッド14
8の左端部に設けられたカムローラ164と係合させら
れ、そのシフトロッド148をスプリング152の付勢
力に抗して図の右方向へ移動させる。これにより、前記
スリーブ132も右方向へ移動させられてクラッチギヤ
136との噛合いが解除され、クラッチ114が遮断状
態とされる。図10は、このようにシフトレバー72が
Nレンジへ選択操作されてクラッチ114が遮断状態と
された場合である。一方、シフトレバー72がNレンジ
以外へ選択操作された場合には、上記シフトカム162
とカムローラ164との係合が解除され、シフトロッド
148はスプリング152の付勢力に従って図の左方向
へ移動させられ、クラッチ114は接続状態となる。な
お、シフトレバー72がPレンジへ選択操作されると、
パーキングロックロッド154は上方へ移動させられ、
図示しないパーキングロックポールをパーキングロック
ギヤ174と噛み合わせて、モータ軸112の回転を機
械的に阻止するようになっている。
【0026】上記シフトロッド148はまた、電動シリ
ンダ等の電動アクチュエータ172により、スプリング
152の付勢力に抗して図の右方向へ移動させられるよ
うになっており、クラッチ114はこの電動アクチュエ
ータ172によっても遮断状態とされる。電動アクチュ
エータ172は、シフトロッド148と係合可能な係合
部材174を備えており、係合部材174が突出位置ま
で突き出されることによりシフトロッド148を右方向
へ移動させてクラッチ114を遮断状態とするが、係合
部材174が図に示す引込み位置に保持されている状態
では、前記パーキングロックロッド154の移動に伴っ
てシフトロッド148が左右方向へ移動することを許容
する。
【0027】このような電動駆動装置129を備えた本
実施例の電気自動車も、前記図2と同様な制御回路を備
えており、アクセル操作量Ac,モータ回転速度Nm,
シフトレバー72の選択レンジ等に基づいて電動モータ
110のトルク制御を行う。すなわち、この実施例でも
前記図5の基本トルク制御に従って電動モータ110の
トルク制御を行うのであり、その場合には電動アクチュ
エータ172の係合部材174は引込み位置に保持され
る。しかし、前記図7のトルク制御を行う際には、図1
1に示すように前記ステップS6の次にクラッチ114
を遮断するステップS10が設けられるとともに、ステ
ップS8の前にクラッチ114を接続するステップS1
1が設けられる。ステップS10では、前記電動アクチ
ュエータ172を制御して係合部材174を突出位置ま
で突き出させる一方、ステップS11では、その係合部
材174を引込み位置まで戻せば良い。
【0028】本実施例でも、前記第1実施例と同様にシ
フトレバー72の誤操作などによって車両が後進方向へ
急発進することが防止される。この実施例では、ステッ
プS10を実行する部分を含んで後進制限手段が構成さ
れる。なお、このようにクラッチ114を遮断すれば、
必ずしもモータ出力を0とする必要はないが、通常の後
進トルク制御への復帰時にはクラッチ114の損傷やシ
ョック等を防止する上で、モータ出力を0としたり、小
歯車116の回転速度とモータ回転速度Nmとが略同じ
となるように電動モータ110を同期制御したりするこ
とが望ましい。
【0029】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、本発明は更に別の態様で実施すること
もできる。
【0030】例えば、前記実施例ではシフトレバー72
の選択レンジがRレンジでアクセル操作量Ac,その変
化速度ΔAcがステップS3,S4の条件を満足する場
合にモータ出力を0とするようになっていたが、変化速
度ΔAcに関する条件は必ずしも必須でないとともに、
車速等の別の要件を加えることも可能である。アクセル
操作量Acの上限値Ac1についても適宜変更できる。
【0031】また、前記実施例ではステップS7の条件
を満足する場合に通常の後進トルク制御へ復帰するよう
になっていたが、ブレーキ操作の有無など別の条件を加
えることも可能である。
【0032】また、前記実施例では電動モータ12,1
10の正逆回転で車両を前後進させる場合について説明
したが、前後進を切り換えることができる変速機を備え
た電気自動車にも、本発明は同様に適用され得る。変速
機の前後進切換えは必ずしも自動である必要はなく、シ
フトレバー72の操作で機械的に前後進が切り換えられ
るものでも良い。
【0033】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クレーム対応図である。
【図2】本発明の一実施例である駆動力制御装置を備え
た電気自動車の制御系統を説明するブロック線図であ
る。
【図3】図2の電気自動車の電動駆動装置を示す断面図
である。
【図4】図3の電動駆動装置の動力伝達経路を説明する
骨子図である。
【図5】図2の電気自動車の通常の駆動力制御の作動を
説明するフローチャートである。
【図6】図5のステップSS3で前進トルク制御を行う
場合に用いるデータマップの一例である。
【図7】図2の電気自動車において通常の後進トルク制
御を制限する場合の作動を説明するフローチャートであ
る。
【図8】図7におけるステップS8のトルク復帰制御の
内容を具体的に説明するフローチャートである。
【図9】本発明の他の実施例を説明する図で、電動駆動
装置を示す骨子図である。
【図10】図9のクラッチ部分を示す断面図である。
【図11】図9の実施例において通常の後進トルク制御
を制限する場合の作動を説明するフローチャートであ
る。
【符号の説明】
10,129:電動駆動装置 12,110:電動モータ 54:モータ制御用コンピュータ 64:アクセル操作量センサ(アクセル操作量検出手
段) 70:シフトポジションセンサ(後進レンジ検出手段) 72:シフトレバー ステップSS4,SS5:後進制御手段 ステップS1〜S7:後進制限手段 ステップS1〜S7,S10:後進制限手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市岡 英二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 倉持 耕治郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シフトレバーが後進レンジに選択操作さ
    れたことを検出する後進レンジ検出手段と、アクセル操
    作量を検出するアクセル操作量検出手段と、電動モータ
    を有して駆動輪を正逆両方向へ回転駆動する電動駆動装
    置と、前記シフトレバーが後進レンジに選択操作されて
    いる場合にはアクセル操作量に応じた駆動力で車両を後
    進させるように前記電動駆動装置を制御する後進制御手
    段とを備えた電気自動車の駆動力制御装置において、 前記シフトレバーが後進レンジに選択操作され、且つ前
    記アクセル操作量が予め定められた上限値を越えた場合
    には、前記後進制御手段による後進制御に優先して前記
    電動駆動装置の出力を制限する後進制限手段とを設けた
    ことを特徴とする電気自動車の駆動力制御装置。
JP8822993A 1993-03-22 1993-03-22 電気自動車の駆動力制御装置 Pending JPH06276603A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8822993A JPH06276603A (ja) 1993-03-22 1993-03-22 電気自動車の駆動力制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8822993A JPH06276603A (ja) 1993-03-22 1993-03-22 電気自動車の駆動力制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06276603A true JPH06276603A (ja) 1994-09-30

Family

ID=13937042

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8822993A Pending JPH06276603A (ja) 1993-03-22 1993-03-22 電気自動車の駆動力制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06276603A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100405665B1 (ko) * 1996-12-31 2004-03-19 현대자동차주식회사 자동변속기 차량의 후진 오동작 방지 시스템
WO2012066673A1 (ja) * 2010-11-19 2012-05-24 トヨタ自動車株式会社 電動車両の制御装置および制御方法
WO2012105022A1 (ja) * 2011-02-03 2012-08-09 トヨタ自動車株式会社 電動車両およびその制御方法
US20120329605A1 (en) * 2011-06-24 2012-12-27 Denso Corporaton Shift mistake detection apparatus
JP2014156140A (ja) * 2013-02-14 2014-08-28 Fuji Heavy Ind Ltd アクセルペダルの誤操作制御装置
JP5819509B1 (ja) * 2014-12-11 2015-11-24 ダイハツ工業株式会社 車両の誤発進防止装置
CN106564375A (zh) * 2015-10-12 2017-04-19 北京新能源汽车股份有限公司 汽车倒车控制方法和装置及汽车
CN108454435A (zh) * 2018-03-10 2018-08-28 台州台鹰电动汽车有限公司 基于加速踏板的电动汽车误加速判断系统及其操作方法

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100405665B1 (ko) * 1996-12-31 2004-03-19 현대자동차주식회사 자동변속기 차량의 후진 오동작 방지 시스템
JP5477477B2 (ja) * 2010-11-19 2014-04-23 トヨタ自動車株式会社 電動車両の制御装置および制御方法
WO2012066673A1 (ja) * 2010-11-19 2012-05-24 トヨタ自動車株式会社 電動車両の制御装置および制御方法
US9139108B2 (en) 2010-11-19 2015-09-22 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device and control method for electric powered vehicle
CN103180166B (zh) * 2010-11-19 2014-10-29 丰田自动车株式会社 电动车辆的控制装置和控制方法
CN103180166A (zh) * 2010-11-19 2013-06-26 丰田自动车株式会社 电动车辆的控制装置和控制方法
US8725337B2 (en) 2011-02-03 2014-05-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Electric powered vehicle and control method thereof
JP5304957B2 (ja) * 2011-02-03 2013-10-02 トヨタ自動車株式会社 電動車両およびその制御方法
WO2012105022A1 (ja) * 2011-02-03 2012-08-09 トヨタ自動車株式会社 電動車両およびその制御方法
JP2013006510A (ja) * 2011-06-24 2013-01-10 Denso Corp 車両のシフト誤操作検出装置
US20120329605A1 (en) * 2011-06-24 2012-12-27 Denso Corporaton Shift mistake detection apparatus
US8888656B2 (en) * 2011-06-24 2014-11-18 Denso Corporation Shift mistake detection apparatus
JP2014156140A (ja) * 2013-02-14 2014-08-28 Fuji Heavy Ind Ltd アクセルペダルの誤操作制御装置
JP5819509B1 (ja) * 2014-12-11 2015-11-24 ダイハツ工業株式会社 車両の誤発進防止装置
CN106564375A (zh) * 2015-10-12 2017-04-19 北京新能源汽车股份有限公司 汽车倒车控制方法和装置及汽车
CN106564375B (zh) * 2015-10-12 2020-05-22 北京新能源汽车股份有限公司 汽车倒车控制方法和装置及汽车
CN108454435A (zh) * 2018-03-10 2018-08-28 台州台鹰电动汽车有限公司 基于加速踏板的电动汽车误加速判断系统及其操作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3208866B2 (ja) 電気自動車用駆動装置
US6123398A (en) Running stablizing apparatus to be mounted on vehicle
JP3648688B2 (ja) 機械式自動変速機におけるシフト力を制御する方法及び装置
CN107867293B (zh) 用于四轮驱动车辆的控制装置以及控制方法
JPH09286312A (ja) 電気自動車のメカニカルパーキングロック装置
JPH07322404A (ja) 電気自動車の駆動制御装置
JPH05213084A (ja) 車両の差動制限装置
JPH09191507A (ja) 電動車両の制御装置
JPH06276603A (ja) 電気自動車の駆動力制御装置
JP3306985B2 (ja) 電気自動車の駆動力制御装置
JP3168721B2 (ja) 電気自動車の走行制御装置
JP2006298064A (ja) 車両のクリープ制御装置
JP3182969B2 (ja) 電気自動車の駆動力制御装置
JPH06284510A (ja) 電気自動車の前後進制御装置
JP3807369B2 (ja) ハイブリッド車両
JP3062721B2 (ja) 前後輪駆動車両
JP3146724B2 (ja) 電気自動車の駆動力制御装置
US10889185B2 (en) Drive switching mechanism of utility vehicle
EP1669237A2 (en) Vehicle driving force control system
JP7447843B2 (ja) 車両および車両の制御装置
JP2001287557A (ja) トランスファ装置
JP3377009B2 (ja) 電気自動車の駆動力制御装置
JPH08322105A (ja) モータの制御方法
JP2002058105A (ja) 電気自動車の回生ブレーキ制御装置
JP3173840B2 (ja) 車両の差動制限装置