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JPH0618603Y2 - ウォーターカーテン式塗装ブース - Google Patents

ウォーターカーテン式塗装ブース

Info

Publication number
JPH0618603Y2
JPH0618603Y2 JP1989066636U JP6663689U JPH0618603Y2 JP H0618603 Y2 JPH0618603 Y2 JP H0618603Y2 JP 1989066636 U JP1989066636 U JP 1989066636U JP 6663689 U JP6663689 U JP 6663689U JP H0618603 Y2 JPH0618603 Y2 JP H0618603Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
wall
exhaust
paint mist
flow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1989066636U
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English (en)
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JPH037968U (ja
Inventor
幹夫 井戸田
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP1989066636U priority Critical patent/JPH0618603Y2/ja
Publication of JPH037968U publication Critical patent/JPH037968U/ja
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Publication of JPH0618603Y2 publication Critical patent/JPH0618603Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
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  • Details Or Accessories Of Spraying Plant Or Apparatus (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ウォーターカーテン式塗装ブースに関し、
詳しくは、一定の閉鎖空間内で、被塗装物に塗料を噴霧
して塗装する塗装ブースのうち、塗装時に発生する塗料
ミストを、壁面を流下する膜状の水の表面、すなわちウ
ォーターカーテンで捕集するようになっているものに関
する。
〔従来の技術〕
塗装ブースにおいて、スプレーガン等から噴射された塗
料は、全てが被塗装物に付着して塗装に利用されるので
はなく、噴射された塗料の一部は空間に放出されて塗料
ミストとなる。この塗料ミストは、作業者が吸い込んで
健康を害するなど作業環境を悪くしたり、塗料ミストに
よるオーバーダストが、被塗装物に色カブリを起こした
り、塗装ブース壁面、天井フレーム材等にダストが付着
してゴミとなる等の問題を起こすので、このような問題
の原因となる塗料ミストを除去する必要があった。ま
た、塗料ミストが塗装ブース外に漏出すると、周囲の環
境を汚染するので、塗装ブース内で塗料ミストを確実に
除去して外部に漏出させないようにする必要もある。塗
料ミストの除去機構としては各種の機構が考えられてお
り、そのうちの1つが、ウォーターカーテン式塗装ブー
スである。
ウォーターカーテン式塗装ブースは、ウォーターカーテ
ンを構成する壁面に、連続的に水を流下させ、この流下
水に塗料ミストを接触させて捕集し、そのまま流下水と
ともに排除するものであり、塗料ミストの捕集効率が良
く、流下水の背後の壁面部分には塗料ミストが付着し難
く、保守管理も簡単である等、多くの特長を有してお
り、各種の塗装作業に広く採用されている。
なお、壁面に水を流下させるだけのウォーターカーテン
では、塗装ブース全体の塗料ミストを確実にウォーター
カーテンの流下水に接触させることができないため、塗
装ブース内に気流を導入し、塗料ミストを気流とともに
運んでウォーターカーテンの流下水に接触させるように
している。そのため、塗装ブースの天井面等には空気の
導入口を設けているとともに、ウォーターカーテンを構
成する流下壁の下端には排気口を設けており、排気口に
つながる排気ファンで塗装ブース内の空気を吸引するこ
とによって、導入口から排気口へと流れる空気の気流を
発生させ、その気流に載せて塗装ブース全体の塗料ミス
トを流下水の表面へと運べるようにしている。
しかし、従来の、1枚の連続した流下壁からなるウォー
ターカーテンの場合、下端の排気口に近い個所では気流
の流速は充分にあるが、排気口および導入口から離れた
流下壁の上方で天井に近い隅部付近では、気流がほとん
ど生じず、塗料ミストが停滞してしまう欠点があり、ウ
ォーターカーテンによる塗料ミストの捕集効率が悪くな
り、特に、前記天井に近い隅部で塗料ミストがブース内
壁に付着するという問題が発生していた。第4図は、塗
装ブースBにおける気流の状態を模式的に示しており、
塗装ブースBの一壁面に設けられた流下壁Cを水が流下
することによってウォーターカーテンWを構成している
とともに、天井の一部に気流の導入口Aを、流下壁Cの
下端に排気口Hを設け、流下壁Cの背後には排気口Hに
つながる垂直方向の排気路Dが設けられている。気流を
矢印で示しており、天井の導入口Aから導入された気流
は、塗装ブースB内を流れて排気口Hから排気路Dへと
吸い込まれるようになっているが、気流の流れる方向か
ら外れた流下壁Cの上方と天井付近Xでは気流がなくな
ったり、主流とは逆向きの上昇流になってしまい、塗料
ミストがウォーターカーテンWの水と充分に接触できな
かったり、塗料ミストが天井面等に付着してしまう。
上記のような問題を解消するには、塗装ブース内の気流
状態や、塗料ミストを含んだ気流と水との接触状態を改
善することが重要である。そのような考えに基づいた先
行技術として、例えば、実公昭43−15915号公
報、実公昭54−14766号に開示された技術があ
る。
実公昭54−14766号に開示された技術は、水を流
下させる壁面、すなわち流下壁を、横方向に複数列に分
割するとともに、この流下壁列を前後に千鳥状に配置し
ており、塗料ミストを含んだ気流が、天井から床まで連
続した流下壁列の隙間を通り抜けるようになっている。
このような構造であれば、天井に近い隅部でも、流下壁
列の隙間を通じて、気流が流れるので、塗料ミストが停
滞することがなくなり、この部分でも塗料ミストの捕集
が行われるようになる。
また、実公昭43−15915号公報に開示された技術
は、短い流下壁を垂直方向に複数段並べ、上方の流下壁
から下方の流下壁へと順次、水を落下させることによっ
て、上下の流下壁の隙間を通り抜ける気流に対して、落
下してくる水滴皮膜で塗料ミストを含む空気を包含させ
て、塗料ミストを確実に捕集除去しようとするものであ
る。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところが、上記した先行技術によっても、塗装ブースの
内部空間全体の塗料ミストを完全に捕集除去することは
困難であり、塗装ブースの一部に塗料ミストが停滞し
て、その部分の構造壁面を汚したり、滞留した塗料ミス
トによって塗装作業環境を損なうという問題があった。
第5図は、前記実公昭54−14766号の先行技術の
ように、横方向に分割された流下壁列からなるウォータ
ーカーテンにおける塗装ブース内の気流状態を示してい
る。塗装ブースBの一方に横方向に分割され千鳥状に配
された流下壁Cが設けられ、その前面に水を流下させて
ウォーターカーテンWを構成しており、流下壁Cの裏側
に沿って排気路Dが設けられている。塗装ブースの天井
の導入口Aから導入された気流は、流下壁Cの隙間を通
って排気路Dへと流れるが、排気路Dの排気方向すなわ
ち排気ファンに近い天井付近に比べて、排気方向から遠
い床付近における気流の流速が極端に小さくなる。これ
は、排気ファンで塗装ブースB内の空気を吸引すると、
塗装ブース内の空気は、流下壁C列の隙間のうち、排気
ファンに近い天井付近から排気路Dと吸い込まれ、排気
ファンから遠い床付近では排気路Dへ吸い込まれる空気
は少なくなるために、ウォーターカーテンWの上下で気
流の流速にアンバランスが生じるのである。その結果、
ウォーターカーテンWによる塗料ミストの捕集効率が悪
くなる。また、塗装ブースのうち、気流の流速が遅い床
付近で、しかも流下壁から遠い隅部分Yでは、空気がほ
とんど移動せず、塗料ミストが停滞してしまうことにな
るのである。
また、実公昭43−15915号公報の先行技術では、
前記した多数段の流下壁の背後に、中間壁を設け、この
中間壁の背後に排気路を構成しており、流下壁の隙間を
通り抜けた気流は、中間壁の下部に設けられた排気口か
ら排気路へと流れるようになっている。したがって、こ
の排気口に近い流下壁の隙間では、気流が充分な流速を
有しているが、排気口から遠い天井近くの流下壁の隙間
では、気流の流速が小さくなってしまい、ウォーターカ
ーテンと気流の接触が充分に行われない。すなわち、前
記した、天井から床まで連続した1枚の流下壁の下端に
排気口を設けたものと、同じような気流状態になってい
るのである。
なお、上記先行技術において、中間壁を無くすと、今度
は流下壁の隙間のうち、上方部分の隙間のほうのみから
排気が行われ、下方部分の流下壁では塗料ミストと水と
の接触が充分に行われず、流下壁から遠い床部分で塗料
ミストの停滞が生じてしまう。
そこで、この考案の課題は、前記したようなウォーター
カーテン式塗装ブースにおいて、塗装ブース内の気流状
態を改善し、塗装ブース内の全体における気流の流速分
布を均一化させて、ウォーターカーテンによる塗料ミス
トの捕集効率を向上させるとともに、塗装ブース内に塗
料ミストが停滞しないようなものを提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決する、この考案にかかるウォーターカー
テン式塗装ブースは、塗装ブース内に生じる塗料ミスト
を、塗装ブースに導入された気流とともに、壁面に沿っ
て膜状に水を流下させたウォーターカーテンに接触させ
ることにより、塗料ミストは流下する水に捕集させ、気
流は水の流下壁に設けられた排気口から流下壁の背後に
設けられた排気路を経て気流を排出するようになってい
るウォーターカーテン式塗装ブースにおいて、前記気流
を導入する導入口が天井面に設けられ、前記流下壁が上
下に複数段に分割され、各流下壁の上端にそれぞれ独立
した水の供給手段が設けられ、各流下壁の下端にそれぞ
れ背後の排気路につながる排気口を設けてなり、少なく
とも一部の排気口に、その開口面積を変更して排気され
る気流の流速を調整する開口変更手段を備えている。
塗装ブース全体の構造は、基本的には通常の塗装ブース
と同様の構造で実施され、塗装ブースの天井には気流の
導入口を有し、塗装ブースの一部の内壁面にウォーター
カーテンを構成する流下壁が設けられる。流下壁の裏側
には、上下方向につづく排気路が設けられ、流下壁の一
部に設けられた排気口を経て塗装ブース内につながって
いる。塗装ブース内で、導入口から排気口に流れる気流
を形成するには、排気路に設けた排気ファンで排気口か
ら吸引したり、導入口につながる給気ファンで圧送すれ
ばよく、排気ファンと給気ファンを同時に利用してもよ
い。気流の導入口は、天井面のうち、塗装ブース内全体
に気流を流せるような位置および形状で設けるのが好ま
しく、例えば、流下壁から遠い天井面の端部等に設けら
れる。また、天井面の全面が導入口になっていれば、塗
装ブース全体に均一に気流を導入でき、好ましいものと
なる。
ウォーターカーテンの構造は、流下壁が、上下に2段も
しくはそれ以上の複数段に分割されている。分割された
各流下壁には、通常のウォーターカーテンと同様に水が
供給されるようになっているとともに、下端にそれぞれ
排気口を備えている。流下壁の分割数が多い程、気流状
態の調整は細かく行えるが、構造が複雑になる。通常
は、個々の流下壁は約1〜2m程度になるように分割す
れば、各流下壁に接触する気流の流速は平均化でき、こ
の考案の作用効果は果たせる。一般的な大きさの塗装ブ
ースでは、2段もしくは3段程度に分割しておくのが好
ましい。
複数段の流下壁に設けられた排気口のうち、少なくとも
1つの排気口に設ける開口変更手段は、排気口の一部に
回動自在な可動ダンパーを取り付けたり、排気口に進出
自在なスライド板を取り付ける等、通常の各種ガス流体
の制御における流量調整手段と同様の手段が採用でき
る。開口変更手段は、上下に配置された複数の排気口の
うち、気流の流速が大きくなる側の排気口に設置して、
その流速が小さくなるように排気口の開口を変更調整す
る。例えば、上下2段の排気口がある場合には、排気路
の排気ファン側に近い上方の排気口に開口変更手段を設
けて、この排気口の開口面積を小さく調整できるように
する。上下3段の排気口がある場合には、最上段のみ、
もしくは、上方2段の排気口に開口変更手段を設けてお
けばよい。なお、必要であれば、下方の排気口に開口変
更手段を設けることも可能である。
開口変更手段による排気口の調整は、最終的には塗装ブ
ース内全体の気流分布を調整するために行う。具体的に
は、塗装ブース内の気流の流速が、0.3〜0.6m/sec程度
の範囲に収まるようにする。この流速は、塗料ミストを
確実に気流に載せて運ぶために必要な流速であり、流速
が小さ過ぎると塗料ミストを気流に載せて運び難く、流
速が大き過ぎても、塗装仕上がりが悪くなる等の弊害が
ある。上記流速は、排気ファン等による全体の導入風量
によっても変わるので、導入風量の設定も、上記流速範
囲が得られるように設定する。
このような、塗装ブース内全体の気流分布を得るために
は、開口変更手段によって排気口の開口面積を調整しな
がら、塗装ブース内の各所における気流を測定して、気
流分布が最も好ましい状態になるように、排気口の開口
面積を決定して開口変更手段を固定すればよい。このと
き、各排気口における気流の流速は、何れの排気口から
も一定量以上の空気が排出されるようにしなければなら
ない。すなわち、一部の排気口の開口面積が広すぎる
と、残りの排気口から排気され難くなり、狭すぎるとそ
の排気口から排気され難くなるのである。そのために、
各排気口における気流の流速が5〜15m/min程度の範
囲に収まるように設定するのが好ましい。
こうして決定された排気口の開口面積は、通常の状態で
は変更する必要はないが、各種の作業条件等が変わっ
て、塗装ブース内の気流状態が変化すれば、前記同様の
手順で、排気口の開口面積を再度調整すればよい。
〔作用〕
ウォーターカーテンの流下壁が、上下に複数段に分割さ
れていて、各流下壁の下端に、それぞれ背後の排気路に
つながる排気口が設けられていれば、流下壁の上下方向
に複数個の排気口が並ぶことになり、各排気口から塗装
ブース内の空気を排気して気流を生じさせるので、従来
は気流が生じ難かった流下壁の上方部分等でも気流が発
生することになり、流下壁の上方部分における塗料ミス
トの停滞を防止し、ウォーターカーテンによる塗料ミス
トの捕集を良好に行えるようになる。
しかし、複数個の排気口が上下に並んでいるだけでは、
排気路の排気方向に近い排気口と遠い排気口とで気流の
流速が異なり、排気方向に近い排気口付近には大きな流
速の気流が生じるが、排気方向から遠い排気口付近の気
流は流速が小さくなってしまう。
そこで、この考案では、複数個の排気口のうち、少なく
とも1部の排気口に、その開口面積を変更できる開口変
更手段を備えていることによって、排気方向に近い排気
口の開口面積を、排気方向に遠い排気口の開口面積より
も小さくなるように設定して、各排気口付近における気
流の流速が平均化するように調整することができる。す
なわち、排気口の開口面積が小さい程、空気の流通抵抗
が増え、気流の流速が減るので、開口面積の調整によっ
て排気口を通過する気流の流速を自由に調整できること
になるのであり、前記したように、排気方向の遠近によ
る排気口における流速の違いを解消できることになる。
複数の排気口における気流の流速を平均化すれば、各排
気口の上方に設けられた各ウォーターカーテンに接触す
る気流の量も平均化され、気流と水の接触による塗料ミ
ストの捕集効率が向上する。また、塗装ブース内全体の
気流分布も平均化されるので、塗装ブース全体におい
て、発生した塗料ミストを気流に載せてウォーターカー
テンまで運ぶことができ、塗装ブースの一部に塗料ミス
トが停滞することが無くなる。
〔実施例〕
ついで、この考案の実施例について、図面を参照しなが
ら以下に詳しく説明する。
第1図は塗装ブースの全体構造を示しており、周囲が壁
で密閉された箱状の空間を構成するブースチャンバー1
0には、天井面の中央に搬送コンベアレール11が設置
され、この搬送コンベアレール11から吊り下げられた
フック12に被塗装物13が取り付けられている。被塗
装物13の側方には塗装ガン14が備えてあり、塗装ガ
ン14には塗料や圧力エアの配管に接続されている。ブ
ースチャンバー10の底部には排液槽60が設けられて
いるとともに、排液槽60のうち、被塗装物13や塗装
ガン14の設置個所は、床板15で覆われていて、その
上で塗装作業ができるようになっている。天井には、天
井面のほぼ全体にわたって気流の導入口20が設けら
れ、導入口20にはエアフィルター21が取り付けられ
ている。導入口20の上部は給気ダクト22につながっ
ている。
ブースチャンバー10の一方の壁面には、壁面を上下に
2分割して一対の流下壁30、40が設けられている。
上方の流下壁30は、上端に水溜槽31を設け、水溜槽
31には、その上方の水供給配管32から水を供給でき
るようになっている。水供給配管32から水溜槽31に
供給された水は、水溜槽31をオーバーフローし、流下
壁30の外面に沿って膜状に流れ落ち、いわゆるウォー
ターカーテンWを構成する。上方の流下壁30の下端
は、壁の背後に向かって滑らかに湾曲していて、その先
端に可動ダンパー50が取り付けられている。下方の流
下壁40にも、上端に水溜槽41および水供給配管42
が設けられていて、流下壁40の前面にウォーターカー
テンWを構成できるようになっているとともに、水溜槽
41および水供給配管42の上部に、滑らかに湾曲した
ガイド板43が設けられている。このガイド板43と前
記流下壁30の下端形状および可動ダンパー50の隙間
が、流下壁30側の排気口34となる。流下壁40の下
端は背後側へと滑らかに湾曲しており、その先端と排液
槽60の水面との間に排気口44が構成されている。
可動ダンパー50は、一端を流下壁30の湾曲した下端
に回動自在に連結してあって、その回動角度を自由に調
整して固定できるようになっている。この可動ダンパー
50の回動角度によって、可動ダイパー50とガイド板
43との間の排気口34の開口面積が調整できるように
なっている。可動ダンパー50の取り付け構造や固定手
段は、通常の機械装置等における機構部材の回動取り付
け構造および固定手段が自由に適用できる。
上下の流下壁30,40の背後には、垂直方向に沿って
排気路70が設けられており、各排気口34,44が排
気路70に直接つながっている。排気路70の上方に
は、排気中の液体成分を空気から分離するエリミネータ
ー71、排気中のダストを最終的に除去するフィルター
72、および、排気ファン73が取り付けられている。
排気ファン73を作動させることによって、排気路70
につながる排気口34,44からブースチャンバー10
内の空気を吸引して、導入口20から排気口34,44
へと流れる気流を形成する。排気口34,44から排気
路70に入った空気には、ウォーターカーテンWで除去
されなかった塗料ミストや水分等を含んでいるので、前
記エミリネーター71やフィルター72で、それらを完
全に除去した後、排気ファン73から外部に放出するよ
うになっている。
排気路70の途中には、ウォーターカーテンWで除去さ
れなかった塗料ミストを除去するために、排気路70の
壁面から斜め下方向きに突設された傾斜板80が多数、
排気路70の上下方向に沿って千鳥状に配設されてい
る。傾斜板80には、第2図に詳しく示すように、全面
にわたって多数の小孔83が貫通形成されている。最上
部の傾斜板80の上方には、水溜槽81および水供給配
管82が設けられている。
水供給配管82から水溜槽81に供給された水は、水溜
槽81をオーバーフローして、排気路70の壁面から最
上部の傾斜板80に流れる。水は傾斜板80の傾斜に沿
って排気路70の中心側に流れるとともに、水の一部は
傾斜板80の小孔83から下方に落下する。傾斜板80
の先端および小孔83から落下した水は、下方の傾斜板
80の上に落ち、その傾斜板80の傾きに沿って流れた
り小孔83から落下する。このようにして、上下方向に
多数設けられた傾斜板80および小孔83を水が順次落
下していくことによって、落下する水と、排気路70を
上方に流れていく気流とが接触して、気流中の塗料ミス
トが効率良く水に捕集されるようになっている。排気路
70の最下端まで落下した水は、前記ウォーターカーテ
ンWから落下した水と同じ排液槽60に回収される。
上記のような、傾斜板80による塗料ミストの除去機構
を設けておけば、ウォーターカーテンWのみによる塗料
ミストの除去に比べて、一層良好に塗料ミストを除去で
き、外部環境の汚染を確実に防止することができる。な
お、上記した、傾斜板80による塗料ミストの除去機構
に変えて、例えば、排気路70内に水をスプレー噴射す
る等、既知の塗料ミスト除去手段を設けておくことも可
能である。
排液槽60の一端には、排液堰61が設けられており、
この排液堰61をオーバーフローした排液を排液口62
から排出する。排液槽60に流れ落ちた排液は、水に塗
料ミストやダストが含まれたものであるが、排液槽60
に溜まっているうちに、塗料ミストやダストは沈澱する
ので、排液堰61からは、水のみが排出される。この排
出された水を再び、水供給配管32,42,82等に循
環供給すれば、水資源を有効に利用できる。排液槽60
に沈澱した塗料ミストやダストは、排液槽60の底部等
に設けられたドレインバルブ(図示せず)で液を抜いて
から排出する。前記した排液堰61の高さによって、排
液槽60の液面高さが変わるので、この排液堰61の上
端に上下動自在なスライドゲート63を取り付けておけ
ば、排液槽60の液面高さを調整できる。排液槽60の
液面高さを変えると、液面と流下壁40の下端との間に
構成される排気口44の間隔および開口面積を変えるこ
とが出来る。
第3図は、上記のような構造を有するウォーターカーテ
ン式塗装ブースの気流状態を模式的に示している。ブー
スチャンバー10の天井面全面に設けられた導入口20
から導入された気流は、ブースチャンバー10の全体に
わたって下方に向かって流れ、各流下壁30,40の排
気口34,44から排気路70へと排気される。排気口
34の開口面積が排気口44の開口面積よりも小さくな
るように、可動ダンパー50を調整しておくことによっ
て、排気口34付近の気流の流速と排気口44付近の気
流の流速が、前記した一定の範囲内に設定されるように
なり、上下の流下壁30,40に接触する気流の流速ま
たは空気量が平均化され、ウォーターカーテン全体にお
ける塗料ミストの捕集効率が良くなる。また、ブースチ
ャンバー10の全体にわたって、ほぼ均一に気流が流れ
るので、一部に塗料ミストが停滞するようなことがな
い。
上記のような構造のウォーターカーテン式塗装ブースに
おける気流の分布を測定した。ブースチャンバー10
が、一辺4000mmの立方体状をなすものにおいて、排
気風量(または給気風量)380m3/minの場合に、上下
の排気口34,44における気流の流速が8m/secにな
るように、可動ダンパー50を調整したところ、ブース
チャンバー10各所の気流の流速は、0.3〜0.5m/secの
範囲であって、空気が停滞するところは生じず、ブース
チャンバー10全体の気流が平均化されていることが判
った。
〔考案の効果〕
以上に述べた、この考案にかかるウォーターカーテン式
塗装ブースによれば、上下に分割された流下壁の各排気
口のうち、少なくとも一部の排気口に、その開口面積を
変更できる開口変更手段を備えているので、複数の排気
口における気流の流速を自由に調整することができ、そ
の結果、塗装ブース全体の気流の流速分布を改善して、
ウォーターカーテンの全体にわたって気流すなわち塗料
ミストが良好に接触できるとともに、塗装ブースに塗料
ミストが停滞する個所がなくなる。
したがって、従来の塗装ブースに比べて、ウォーターカ
ーテンによる塗料ミストの捕集効率が向上するととも
に、塗料ミストが停滞することによる作業環境への影響
や塗装ブース内の汚れ等を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の実施例にかかるウォーターカーテン
式塗装ブースの全体構造を示す断面図、第2図は傾斜板
の要部平面図、第3図はブース内の気流状態を示す模式
図、第4図および第5図はそれぞれ従来例におけるブー
ス内の気流状態を示す模式図である。 10……ブースチャンバー、20……導入口、30,4
0……流下壁、31,41,81……水溜槽、32,4
2,82……水供給配管、34,44……排気口、50
……可動ダンパー、70……排気路、73……排気ファ
ン、80……傾斜板、W……ウォーターカーテン

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗装ブース内に生じる塗料ミストを、塗装
    ブースに導入された気流とともに、壁面に沿って水を流
    下させたウォーターカーテンに接触させることにより、
    塗料ミストは流下する水に補集させ、気流は水の流下壁
    に設けられた排気口から流下壁の背後に設けられた排気
    路を経て排出するようになっているウォーターカーテン
    式塗装ブースにおいて、前記気流を導入する導入口が天
    井面に設けられ、前記流下壁が上下に複数段に分割さ
    れ、各流下壁の上端にそれぞれ独立した水の供給手段が
    設けられ、各流下壁の下端にそれぞれ背後の排気路につ
    ながる排気口を設けてなり、少なくとも一部の排気口
    に、その開口面積を変更して排気される気流の流速を調
    整する開口変更手段を備えていることを特徴とするウォ
    ーターカーテン式塗装ブース。
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