JPH06184208A - 含フッ素重合体の製法 - Google Patents
含フッ素重合体の製法Info
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- JPH06184208A JPH06184208A JP35465692A JP35465692A JPH06184208A JP H06184208 A JPH06184208 A JP H06184208A JP 35465692 A JP35465692 A JP 35465692A JP 35465692 A JP35465692 A JP 35465692A JP H06184208 A JPH06184208 A JP H06184208A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】フルオロオレフィン単位を主構成単位として含
有する含フッ素重合体を製造するにあたり、重合媒体と
してジパーフルオロプロピルケトンなどのパーフルオロ
アルキルケトンを用いる含フッ素重合体の製法。 【効果】環境破壊をもたらすことの少ない重合媒体を用
い、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性などの良好な含フッ素
重合体が得られる。
有する含フッ素重合体を製造するにあたり、重合媒体と
してジパーフルオロプロピルケトンなどのパーフルオロ
アルキルケトンを用いる含フッ素重合体の製法。 【効果】環境破壊をもたらすことの少ない重合媒体を用
い、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性などの良好な含フッ素
重合体が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は含フッ素重合体の新規な
製法に関し、詳しくは、環境破壊をもたらすことの少な
い重合媒体を用いて耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性などの
良好な含フッ素重合体を効率よく製造する方法に関す
る。
製法に関し、詳しくは、環境破壊をもたらすことの少な
い重合媒体を用いて耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性などの
良好な含フッ素重合体を効率よく製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】含フッ素重合体は耐熱性、耐溶剤性、耐
薬品性などに優れた高分子材料であることから、その特
徴を生かして種々の用途に利用されている。
薬品性などに優れた高分子材料であることから、その特
徴を生かして種々の用途に利用されている。
【0003】含フッ素重合体の製法としては、溶液重合
法や懸濁重合法、乳化重合法が知られており、溶液重合
法や懸濁重合法の重合媒体としては、クロロフルオロカ
ーボンなどの不活性溶媒が、高分子量の共重合体を与え
ることや重合速度などの点から通常用いられている。該
クロロフルオロカーボンの具体例としては、トリクロロ
フルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、トリクロ
ロトリフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン
などが例示できるが、取り扱いの点からトリクロロトリ
フルオロエタンが主に用いられている。
法や懸濁重合法、乳化重合法が知られており、溶液重合
法や懸濁重合法の重合媒体としては、クロロフルオロカ
ーボンなどの不活性溶媒が、高分子量の共重合体を与え
ることや重合速度などの点から通常用いられている。該
クロロフルオロカーボンの具体例としては、トリクロロ
フルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、トリクロ
ロトリフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン
などが例示できるが、取り扱いの点からトリクロロトリ
フルオロエタンが主に用いられている。
【0004】ところで、近年、オゾン層破壊が地球規模
の環境破壊問題として国際的に取りあげられ、その原因
物質としてクロロフルオロカーボンが指摘され、世界的
に全廃の方向にむかっている。このため含フッ素重合体
を製造する際に用いるクロロフルオロカーボンの使用を
停止する必要が生じてきている。
の環境破壊問題として国際的に取りあげられ、その原因
物質としてクロロフルオロカーボンが指摘され、世界的
に全廃の方向にむかっている。このため含フッ素重合体
を製造する際に用いるクロロフルオロカーボンの使用を
停止する必要が生じてきている。
【0005】このクロロフルオロカーボンの代替品とし
ては、水素原子を含むハイドロフルオロカーボンが、小
さなオゾン破壊係数を有するため提案されている。しか
し、従来、C−H結合を有する物質は、フルオロオレフ
ィンに対して連鎖移動性を示すことが知られており、水
素原子を含むハイドロクロロフルオロカーボンを、高分
子量のフルオロオレフィン系重合体の製造の際の重合媒
体として使用することは困難であると考えられていた。
その他の重合媒体としての代替品として、t−ブタノー
ル(特公昭52−24073号公報)などが知られてい
るが、充分に高い分子量のものを得るためには、高圧で
重合する必要がある。
ては、水素原子を含むハイドロフルオロカーボンが、小
さなオゾン破壊係数を有するため提案されている。しか
し、従来、C−H結合を有する物質は、フルオロオレフ
ィンに対して連鎖移動性を示すことが知られており、水
素原子を含むハイドロクロロフルオロカーボンを、高分
子量のフルオロオレフィン系重合体の製造の際の重合媒
体として使用することは困難であると考えられていた。
その他の重合媒体としての代替品として、t−ブタノー
ル(特公昭52−24073号公報)などが知られてい
るが、充分に高い分子量のものを得るためには、高圧で
重合する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、重合速度が速くて、含フッ素重合体の分
子量を充分に高めることができ、かつオゾン破壊係数の
大きなクロロフルオロカーボンを使用することなく耐熱
性、耐溶剤性、耐薬品性に優れる含フッ素重合体を効率
よく製造する方法を提供することを目的としてなされた
ものである。
事情のもとで、重合速度が速くて、含フッ素重合体の分
子量を充分に高めることができ、かつオゾン破壊係数の
大きなクロロフルオロカーボンを使用することなく耐熱
性、耐溶剤性、耐薬品性に優れる含フッ素重合体を効率
よく製造する方法を提供することを目的としてなされた
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、パーフルオロ
アルキルケトンは連鎖移動性が少なく、これを重合媒体
として用いることにより、その目的を達成しうることを
見出した。
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、パーフルオロ
アルキルケトンは連鎖移動性が少なく、これを重合媒体
として用いることにより、その目的を達成しうることを
見出した。
【0008】すなわち、本発明は、重合媒体中における
重合によってフルオロオレフィン単位を主構成単位とし
て含有する含フッ素重合体を製造するにあたり、前記重
合媒体として、パーフルオロアルキルケトンを用いるこ
とを特徴とする含フッ素重合体の製法を提供する。
重合によってフルオロオレフィン単位を主構成単位とし
て含有する含フッ素重合体を製造するにあたり、前記重
合媒体として、パーフルオロアルキルケトンを用いるこ
とを特徴とする含フッ素重合体の製法を提供する。
【0009】本発明におけるフルオロオレフィン単位を
主構成単位として含有する含フッ素重合体は、パーフル
オロアルキルケトン中でフルオロオレフィン単量体を単
独で重合させるか、又はフルオロオレフィン単量体と共
重合するフルオロオレフィン単量体以外の単量体を共重
合して製造される。
主構成単位として含有する含フッ素重合体は、パーフル
オロアルキルケトン中でフルオロオレフィン単量体を単
独で重合させるか、又はフルオロオレフィン単量体と共
重合するフルオロオレフィン単量体以外の単量体を共重
合して製造される。
【0010】本発明において用いられるフルオロオレフ
ィン単量体は、分子中に少なくとも一個のフッ素原子を
有するオレフィンであり、好ましくは、重合性及び得ら
れる重合体の性質の点から、炭素2又は3のフルオロオ
レフィン単量体である。
ィン単量体は、分子中に少なくとも一個のフッ素原子を
有するオレフィンであり、好ましくは、重合性及び得ら
れる重合体の性質の点から、炭素2又は3のフルオロオ
レフィン単量体である。
【0011】このようなフルオロオレフィン単量体の具
体例としては、CF2 =CF2 、CF2 =CFCl、C
F2 =CH2 などのフルオロエチレン系、CF2 =CF
CF3 、CF2 =CHCF3 などのフルオロプロピレン
系である。これらのフルオロオレフィン単量体は、それ
ぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用い
てもよい。
体例としては、CF2 =CF2 、CF2 =CFCl、C
F2 =CH2 などのフルオロエチレン系、CF2 =CF
CF3 、CF2 =CHCF3 などのフルオロプロピレン
系である。これらのフルオロオレフィン単量体は、それ
ぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用い
てもよい。
【0012】またこれらのフルオロオレフィン単量体と
共重合する単量体としてCF3 CF2 CF2 CF2 CH
=CH2 やCF3 CF2 CF2 CF2 CF=CH2 など
のパーフルオロアルキル基の炭素数が4〜12の(パー
フルオロアルキル)エチレン系、Rf (OCFXCF
2 )m OCF=CF2 (式中Rf は炭素数1〜6のパー
フルオロアルキル基、Xはフッ素原子又はトリフルオロ
メチル基、mは1〜6の整数を表す。)などのパーフル
オロビニルエーテル系、CH3 OC(=O)CF2 CF
2 CF2 OCF=CF2 やFSO2 CF2 CF2 OCF
(CF3 )CF2OCF=CF2 などの容易にカルボン
酸基やスルホン酸基に変換可能な基を有するビニルエー
テルなどと組み合わせて用いることもできる。また、エ
チレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン系
単量体と組み合わせてもよい。
共重合する単量体としてCF3 CF2 CF2 CF2 CH
=CH2 やCF3 CF2 CF2 CF2 CF=CH2 など
のパーフルオロアルキル基の炭素数が4〜12の(パー
フルオロアルキル)エチレン系、Rf (OCFXCF
2 )m OCF=CF2 (式中Rf は炭素数1〜6のパー
フルオロアルキル基、Xはフッ素原子又はトリフルオロ
メチル基、mは1〜6の整数を表す。)などのパーフル
オロビニルエーテル系、CH3 OC(=O)CF2 CF
2 CF2 OCF=CF2 やFSO2 CF2 CF2 OCF
(CF3 )CF2OCF=CF2 などの容易にカルボン
酸基やスルホン酸基に変換可能な基を有するビニルエー
テルなどと組み合わせて用いることもできる。また、エ
チレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン系
単量体と組み合わせてもよい。
【0013】本発明では重合媒体としてパーフルオロア
ルキルケトンを用いることが必要である。パーフルオロ
アルキルケトンの沸点が低すぎると常温でガスとなり取
扱いが不便であり、また沸点が高すぎると重合体と溶媒
との分離に手間がかかる。最も好ましい化合物はジパー
フルオロプロピルケトン、パーフルオロ(ブチルメチル
ケトン)又はパーフルオロ(ブチルエチルケトン)であ
る。
ルキルケトンを用いることが必要である。パーフルオロ
アルキルケトンの沸点が低すぎると常温でガスとなり取
扱いが不便であり、また沸点が高すぎると重合体と溶媒
との分離に手間がかかる。最も好ましい化合物はジパー
フルオロプロピルケトン、パーフルオロ(ブチルメチル
ケトン)又はパーフルオロ(ブチルエチルケトン)であ
る。
【0014】本発明においては、重合媒体としてパーフ
ルオロアルキルケトンに水などの不活性溶媒を含有させ
て用いることもできる。重合媒体の使用量は、重合させ
るべき単量体の種類により変化し得るものであるが、単
量体全量の重量に対して、3〜100倍量、好ましくは
5〜50倍量である。
ルオロアルキルケトンに水などの不活性溶媒を含有させ
て用いることもできる。重合媒体の使用量は、重合させ
るべき単量体の種類により変化し得るものであるが、単
量体全量の重量に対して、3〜100倍量、好ましくは
5〜50倍量である。
【0015】本発明では、重合形式として溶液重合法及
び懸濁重合法のいずれの形式も採用でき、また使用する
重合開始剤は重合形式に応じて従来慣用されているもの
のうちから適宜選ぶことができる。例えば、ジ(クロロ
フルオロアシル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロア
シル)パーオキサイド、ジ(ω−ハイドロパーフルオロ
アシル)パーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブ
チレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートな
どの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどの
アゾ化合物が挙げられる。重合開始剤の使用量は、種
類、重合反応条件などに応じて適宜変更可能であるが、
通常は重合させるべき単量体全体に対して、0.005
〜5重量%、特に0.05〜0.5重量%程度が採用さ
れる。
び懸濁重合法のいずれの形式も採用でき、また使用する
重合開始剤は重合形式に応じて従来慣用されているもの
のうちから適宜選ぶことができる。例えば、ジ(クロロ
フルオロアシル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロア
シル)パーオキサイド、ジ(ω−ハイドロパーフルオロ
アシル)パーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブ
チレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートな
どの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどの
アゾ化合物が挙げられる。重合開始剤の使用量は、種
類、重合反応条件などに応じて適宜変更可能であるが、
通常は重合させるべき単量体全体に対して、0.005
〜5重量%、特に0.05〜0.5重量%程度が採用さ
れる。
【0016】本発明の重合反応に際しては、広い範囲の
反応条件が特に限定されることなく採用し得る。例え
ば、重合反応温度は、重合開始源の種類などにより最適
値が選定され得るが、通常は0〜100℃程度、特に3
0〜90℃程度が採用され得る。また、反応圧力も適宜
選定可能であるが、通常は2〜100kg/cm2 、特
に5〜20kg/cm2 程度を採用するのが望ましい。
本発明においては、過大の反応圧力を要することなく重
合を有利に行い得るのであるが、さらに高い圧力を採用
することも可能であるとともに、減圧条件でも可能であ
る。また、本発明は、回分式、連続式など適宜操作によ
って行い得る。
反応条件が特に限定されることなく採用し得る。例え
ば、重合反応温度は、重合開始源の種類などにより最適
値が選定され得るが、通常は0〜100℃程度、特に3
0〜90℃程度が採用され得る。また、反応圧力も適宜
選定可能であるが、通常は2〜100kg/cm2 、特
に5〜20kg/cm2 程度を採用するのが望ましい。
本発明においては、過大の反応圧力を要することなく重
合を有利に行い得るのであるが、さらに高い圧力を採用
することも可能であるとともに、減圧条件でも可能であ
る。また、本発明は、回分式、連続式など適宜操作によ
って行い得る。
【0017】本発明における重合において、重合体の分
子量をコントロールする目的で連鎖移動性を有する化合
物を通常添加するが、この化合物はパーフルオロアルキ
ルケトンに可溶である必要がある。しかし、連鎖移動定
数の大きな化合物は分子量調節の容易さを考慮するとわ
ずかでもパーフルオロアルキルケトンに溶解すればよ
い。また小さいオゾン破壊係数を有することが望まし
い。これらの要求に合う化合物は、例えば、ヘキサンな
どの炭化水素類、CF2 H2 などのハイドロフルオロカ
ーボン類、CF3 CF2 CHCl2 などのハイドロクロ
ロフルオロカーボン類、アセトンなどのケトン類、メタ
ノール、エタノールなどのアルコール類、あるいはメチ
ルメルカプタンなどのメルカプタン類などである。添加
量は用いる化合物の連鎖移動定数の大きさにより変わり
得るが、重合媒体に対して0.01重量%程度から50
重量%程度が採用され得る。
子量をコントロールする目的で連鎖移動性を有する化合
物を通常添加するが、この化合物はパーフルオロアルキ
ルケトンに可溶である必要がある。しかし、連鎖移動定
数の大きな化合物は分子量調節の容易さを考慮するとわ
ずかでもパーフルオロアルキルケトンに溶解すればよ
い。また小さいオゾン破壊係数を有することが望まし
い。これらの要求に合う化合物は、例えば、ヘキサンな
どの炭化水素類、CF2 H2 などのハイドロフルオロカ
ーボン類、CF3 CF2 CHCl2 などのハイドロクロ
ロフルオロカーボン類、アセトンなどのケトン類、メタ
ノール、エタノールなどのアルコール類、あるいはメチ
ルメルカプタンなどのメルカプタン類などである。添加
量は用いる化合物の連鎖移動定数の大きさにより変わり
得るが、重合媒体に対して0.01重量%程度から50
重量%程度が採用され得る。
【0018】
実施例1 内容積1.2リットルのステンレス製反応容器を脱気
し、ジパーフルオロプロピルケトン1352g、連鎖移
動剤として1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペ
ンタフルオロプロパン13.5g、(パーフルオロブチ
ル)エチレン1.8g、テトラフルオロエチレン85
g、エチレン5.9gを仕込んだ。温度を50℃に保持
して、重合開始剤としてジ(パーフルオロブチリル)パ
ーオキサイドの1wt%ジパーフルオロプロピルケトン
溶液を仕込み、反応を開始させた。反応中、系内にテト
ラフルオロエチレンとエチレンの混合ガス(モル比C2
F4 /C2 H4 =53/47)を導入し、反応圧力を
8.9kg/cm2 に保持した。重合開始剤は重合速度
がほぼ一定になるように断続的に仕込み、合計で12c
c仕込んだ。3時間後に75gの白色共重合体がスラリ
ー状態として得られた。該共重合体は融点275℃、熱
分解開始点346℃であり、300℃の成形温度で良好
な圧縮成形品を与えた。成形品についての引張強度は4
25kg/cm2 、引張伸度は457%であった。
し、ジパーフルオロプロピルケトン1352g、連鎖移
動剤として1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペ
ンタフルオロプロパン13.5g、(パーフルオロブチ
ル)エチレン1.8g、テトラフルオロエチレン85
g、エチレン5.9gを仕込んだ。温度を50℃に保持
して、重合開始剤としてジ(パーフルオロブチリル)パ
ーオキサイドの1wt%ジパーフルオロプロピルケトン
溶液を仕込み、反応を開始させた。反応中、系内にテト
ラフルオロエチレンとエチレンの混合ガス(モル比C2
F4 /C2 H4 =53/47)を導入し、反応圧力を
8.9kg/cm2 に保持した。重合開始剤は重合速度
がほぼ一定になるように断続的に仕込み、合計で12c
c仕込んだ。3時間後に75gの白色共重合体がスラリ
ー状態として得られた。該共重合体は融点275℃、熱
分解開始点346℃であり、300℃の成形温度で良好
な圧縮成形品を与えた。成形品についての引張強度は4
25kg/cm2 、引張伸度は457%であった。
【0019】実施例2 内容積1.2リットルのステンレス製反応容器を脱気
し、ジパーフルオロプロピルケトン1410g、パーフ
ルオロ(プロピルビニルエーテル)32g、1,1−ジ
クロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン
13.5g、テトラフルオロエチレン80gを仕込ん
だ。温度を50℃に保持して、重合開始剤としてジ(パ
ーフルオロブチリル)パーオキサイドの1wt%ジパー
フルオロプロピルケトン溶液を仕込み、反応を開始させ
た。反応中、系内にテトラフルオロエチレンを導入し、
反応圧力を5.5kg/cm2 に保持した。重合開始剤
は重合速度がほぼ一定になるように断続的に仕込み、合
計で7cc仕込んだ。2.5時間後に64gの白色共重
合体がスラリー状態として得られた。該共重合体は融点
308℃、熱分解開始点452℃であり、340℃の成
形温度で良好な圧縮成形品を与えた。成形品についての
引張強度は425kg/cm2 、引張伸度は360%で
あった。
し、ジパーフルオロプロピルケトン1410g、パーフ
ルオロ(プロピルビニルエーテル)32g、1,1−ジ
クロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン
13.5g、テトラフルオロエチレン80gを仕込ん
だ。温度を50℃に保持して、重合開始剤としてジ(パ
ーフルオロブチリル)パーオキサイドの1wt%ジパー
フルオロプロピルケトン溶液を仕込み、反応を開始させ
た。反応中、系内にテトラフルオロエチレンを導入し、
反応圧力を5.5kg/cm2 に保持した。重合開始剤
は重合速度がほぼ一定になるように断続的に仕込み、合
計で7cc仕込んだ。2.5時間後に64gの白色共重
合体がスラリー状態として得られた。該共重合体は融点
308℃、熱分解開始点452℃であり、340℃の成
形温度で良好な圧縮成形品を与えた。成形品についての
引張強度は425kg/cm2 、引張伸度は360%で
あった。
【0020】実施例3 パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)32gのかわ
りにヘキサフルオロプロピレン400gを仕込み、ジパ
ーフルオロプロピルケトンの仕込み量を1410gのか
わりに1000gとする以外は実施例2と同様な方法で
重合を行い、3.5時間後に65gの白色共重合体がス
ラリー状態として得られた。該共重合体は融点283
℃、熱分解開始点430℃であり、340℃の成形温度
で良好な圧縮成形品を与えた。成形品についての引張強
度は342kg/cm2 、引張伸度は340%であっ
た。
りにヘキサフルオロプロピレン400gを仕込み、ジパ
ーフルオロプロピルケトンの仕込み量を1410gのか
わりに1000gとする以外は実施例2と同様な方法で
重合を行い、3.5時間後に65gの白色共重合体がス
ラリー状態として得られた。該共重合体は融点283
℃、熱分解開始点430℃であり、340℃の成形温度
で良好な圧縮成形品を与えた。成形品についての引張強
度は342kg/cm2 、引張伸度は340%であっ
た。
【0021】比較例1 内容積1.2リットルのステンレス製反応容器に、脱酸
素水500g、t−ブタノール200g、ジコハク酸過
酸化物0.65gを仕込み、温度を65℃に保持して反
応を行った。反応中、系内にテトラフルオロエチレンと
エチレンの混合ガス(モル比C2 F4 /C2 H4 =53
/47)を導入し、反応圧力を9kg/cm2 に保持し
た。4時間後に24.6gの白色共重合体が得られた。
該共重合体は融点269℃、熱分解開始温度361℃で
あった。300℃で圧縮成形した成形品は、分子量が低
く脆いものであった。
素水500g、t−ブタノール200g、ジコハク酸過
酸化物0.65gを仕込み、温度を65℃に保持して反
応を行った。反応中、系内にテトラフルオロエチレンと
エチレンの混合ガス(モル比C2 F4 /C2 H4 =53
/47)を導入し、反応圧力を9kg/cm2 に保持し
た。4時間後に24.6gの白色共重合体が得られた。
該共重合体は融点269℃、熱分解開始温度361℃で
あった。300℃で圧縮成形した成形品は、分子量が低
く脆いものであった。
【0022】参考例1 ジパーフルオロプロピルケトンを仕込むかわりに1,
1,2−トリクロロトリフルオロエタンを1255g仕
込む以外は実施例1と同じ方法で重合を行い、2時間半
後に48gの白色共重合体がスラリー状態として得られ
た。該共重合体は融点274℃、熱分解開始点352℃
であり、300℃の成形温度で良好な圧縮成形品を与え
た。成形品についての引張強度は431kg/cm2 、
引張伸度は450%であった。
1,2−トリクロロトリフルオロエタンを1255g仕
込む以外は実施例1と同じ方法で重合を行い、2時間半
後に48gの白色共重合体がスラリー状態として得られ
た。該共重合体は融点274℃、熱分解開始点352℃
であり、300℃の成形温度で良好な圧縮成形品を与え
た。成形品についての引張強度は431kg/cm2 、
引張伸度は450%であった。
【0023】
【発明の効果】本発明の方法によれば、オゾン破壊効果
がはるかに低い重合媒体を用いて、従来のトリクロロト
リフルオロエタン溶媒を用いた場合に匹敵する効率で所
望の含フッ素重合体を製造できる。
がはるかに低い重合媒体を用いて、従来のトリクロロト
リフルオロエタン溶媒を用いた場合に匹敵する効率で所
望の含フッ素重合体を製造できる。
Claims (3)
- 【請求項1】重合媒体中における重合によってフルオロ
オレフィン単位を主構成単位として含有する含フッ素重
合体を製造するにあたり、前記重合媒体としてパーフル
オロアルキルケトンを用いることを特徴とする含フッ素
重合体の製法。 - 【請求項2】パーフルオロアルキルケトンが、ジパーフ
ルオロプロピルケトン、パーフルオロ(ブチルメチルケ
トン)又はパーフルオロ(ブチルエチルケトン)である
請求項1の製法。 - 【請求項3】含フッ素重合体が、テトラフルオロエチレ
ン/エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パー
フルオロアルキルビニルエーテル共重合体又はテトラフ
ルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体で
ある請求項1の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35465692A JPH06184208A (ja) | 1992-12-16 | 1992-12-16 | 含フッ素重合体の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35465692A JPH06184208A (ja) | 1992-12-16 | 1992-12-16 | 含フッ素重合体の製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06184208A true JPH06184208A (ja) | 1994-07-05 |
Family
ID=18439023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35465692A Pending JPH06184208A (ja) | 1992-12-16 | 1992-12-16 | 含フッ素重合体の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06184208A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112250552A (zh) * | 2020-09-15 | 2021-01-22 | 浙江巨化技术中心有限公司 | 一种全氟己酮的制备方法 |
-
1992
- 1992-12-16 JP JP35465692A patent/JPH06184208A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112250552A (zh) * | 2020-09-15 | 2021-01-22 | 浙江巨化技术中心有限公司 | 一种全氟己酮的制备方法 |
CN112250552B (zh) * | 2020-09-15 | 2023-02-03 | 浙江巨化技术中心有限公司 | 一种全氟己酮的制备方法 |
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