JPH06173135A - 再生セルロース系繊維よりなる防縮性織物およびその製造方法 - Google Patents
再生セルロース系繊維よりなる防縮性織物およびその製造方法Info
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- JPH06173135A JPH06173135A JP5210550A JP21055093A JPH06173135A JP H06173135 A JPH06173135 A JP H06173135A JP 5210550 A JP5210550 A JP 5210550A JP 21055093 A JP21055093 A JP 21055093A JP H06173135 A JPH06173135 A JP H06173135A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 洗濯した場合の、織物の構造変化による収縮
を抑制することによって再生セルロース系繊維からなる
防縮性織物を得る。 【構成】 セルロース系繊維に対して膨潤能の高い液体
(膨潤剤)に織物を浸漬する第1工程と、加熱等によっ
て膨潤を促進させる第2工程、織物から脱膨潤剤処理す
る第3工程を経ることによって、単繊維の水膨潤による
横断面積の増大率に対応した単繊維間空隙を形成させ
る。 【効果】 織物構造を制御することで、ホルマリンの発
生がなく、防縮加工前と同程度の強度を保持する防縮性
織物を得ることができる。
を抑制することによって再生セルロース系繊維からなる
防縮性織物を得る。 【構成】 セルロース系繊維に対して膨潤能の高い液体
(膨潤剤)に織物を浸漬する第1工程と、加熱等によっ
て膨潤を促進させる第2工程、織物から脱膨潤剤処理す
る第3工程を経ることによって、単繊維の水膨潤による
横断面積の増大率に対応した単繊維間空隙を形成させ
る。 【効果】 織物構造を制御することで、ホルマリンの発
生がなく、防縮加工前と同程度の強度を保持する防縮性
織物を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防縮性に優れた再生セ
ルロース系繊維織物とその製造方法に関し、更に詳しく
は洗濯した場合の、織物の構造変化による収縮を抑制し
た再生セルロース系防縮性織物とその製造方法に関す
る。
ルロース系繊維織物とその製造方法に関し、更に詳しく
は洗濯した場合の、織物の構造変化による収縮を抑制し
た再生セルロース系防縮性織物とその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】再生セルロース系繊維は吸水性や吸湿性
に優れ、また合成繊維では得られない独特の風合いを有
していることから、肌着や裏地、外衣等の衣料分野にお
いて高く評価されている。しかしながら洗濯によって収
縮するので、その防止方法について多数提案されてい
る。例えばセルロース系繊維を液体アンモニアで処理す
る方法が提案されている(例えば特開昭61−1793
65号公報参照)。この方法はセルロース繊維からなる
織物を液体アンモニア中に浸漬したのち実際的には緊張
下で脱アンモニア処理する方法であるが、再生セルロー
ス系繊維の場合には織物が極度に収縮するため、実際に
は高張力下で処理される。しかし、この方法には、−8
0℃〜−30℃という極低温で処理する必要があるた
め、設備費およびランニングコストが高いという問題が
あり、また単繊維同士が接着が起こるため、織物の風合
が粗硬になるとともにスケが生じるという問題もある。
に優れ、また合成繊維では得られない独特の風合いを有
していることから、肌着や裏地、外衣等の衣料分野にお
いて高く評価されている。しかしながら洗濯によって収
縮するので、その防止方法について多数提案されてい
る。例えばセルロース系繊維を液体アンモニアで処理す
る方法が提案されている(例えば特開昭61−1793
65号公報参照)。この方法はセルロース繊維からなる
織物を液体アンモニア中に浸漬したのち実際的には緊張
下で脱アンモニア処理する方法であるが、再生セルロー
ス系繊維の場合には織物が極度に収縮するため、実際に
は高張力下で処理される。しかし、この方法には、−8
0℃〜−30℃という極低温で処理する必要があるた
め、設備費およびランニングコストが高いという問題が
あり、また単繊維同士が接着が起こるため、織物の風合
が粗硬になるとともにスケが生じるという問題もある。
【0003】織物の洗濯収縮を防止する方法の中でも最
も一般的に行なわれているのは樹脂加工であり、主に樹
脂加工剤と触媒とを含む処理浴に再生セルロース系繊維
からなる織物を浸漬させた後、均一に絞液し、80℃〜
130℃で予備乾燥後、更に130℃〜170℃で加熱
処理を施す。この加工に供される代表的な加工剤は、
「加工技術Vol.24 No.2(1986)」に記
載されているように、N,N′−ジメチロールエチレン
尿素、N,N′−ジメチロール−ジヒドロキシエチレン
尿素、N,N′−ジメトキシメチル−ジヒドロキシエチ
レン尿素のような樹脂加工剤等である。
も一般的に行なわれているのは樹脂加工であり、主に樹
脂加工剤と触媒とを含む処理浴に再生セルロース系繊維
からなる織物を浸漬させた後、均一に絞液し、80℃〜
130℃で予備乾燥後、更に130℃〜170℃で加熱
処理を施す。この加工に供される代表的な加工剤は、
「加工技術Vol.24 No.2(1986)」に記
載されているように、N,N′−ジメチロールエチレン
尿素、N,N′−ジメチロール−ジヒドロキシエチレン
尿素、N,N′−ジメトキシメチル−ジヒドロキシエチ
レン尿素のような樹脂加工剤等である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の樹脂加工剤で加工した織物は、防縮効果は得られるも
のの、保存中または着用時に遊離するホルマリンによっ
て、縫製作業場において異臭が発生したり、着用中に皮
膚障害をおこすというような問題がある。また、樹脂加
工によって織物の強度が大きく低下したり、再生セルロ
ース系繊維特有の風合いが損なわれるという問題もあ
る。
の樹脂加工剤で加工した織物は、防縮効果は得られるも
のの、保存中または着用時に遊離するホルマリンによっ
て、縫製作業場において異臭が発生したり、着用中に皮
膚障害をおこすというような問題がある。また、樹脂加
工によって織物の強度が大きく低下したり、再生セルロ
ース系繊維特有の風合いが損なわれるという問題もあ
る。
【0005】このような問題を解決するため、ノンホル
マリン系樹脂と称される樹脂加工剤が開発され、例えば
特開平01−75471号公報や特開平01−2358
58号公報に開示されている。しかしながら、これらの
ノンホルマリン系樹脂加工剤を用いて加工した場合に
は、確かにホルマリンの発生はないが、充分な防縮性を
得るためには多量の樹脂を織物に付着させる必要があ
り、その結果、大きな強度低下を引き起こさざるを得な
いのが現状であり、防縮性、織物強度とも良好でかつ遊
離ホルマリン量が極く少量であるものは得られていな
い。従って、本発明はホルマリンの発生か極めて少な
く、防縮加工前と同程度の強度を保持する防縮性織物を
提供することを目的とする。
マリン系樹脂と称される樹脂加工剤が開発され、例えば
特開平01−75471号公報や特開平01−2358
58号公報に開示されている。しかしながら、これらの
ノンホルマリン系樹脂加工剤を用いて加工した場合に
は、確かにホルマリンの発生はないが、充分な防縮性を
得るためには多量の樹脂を織物に付着させる必要があ
り、その結果、大きな強度低下を引き起こさざるを得な
いのが現状であり、防縮性、織物強度とも良好でかつ遊
離ホルマリン量が極く少量であるものは得られていな
い。従って、本発明はホルマリンの発生か極めて少な
く、防縮加工前と同程度の強度を保持する防縮性織物を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の技
術、即ち樹脂加工による再生セルロース系繊維よりなる
織物の防縮加工方法とは異なった観点から防縮加工方法
を鋭意研究するうちに、織物の構造変化が織物の収縮に
大きく寄与していることを見いだした。そこで織物の構
造変化を支配する、単繊維の膨潤挙動と単繊維間の空隙
とに着目し、さらに詳細に研究した結果、本発明の完成
に至ったものである。すなわち、本発明は織物の経糸お
よび緯糸中の単繊維の水膨潤による横断面積の増大率に
対応させて単繊維間空隙率を特定することにより、洗濯
等の水膨潤、乾燥による織物の構造変化を抑制し、防縮
性を有する織物とするものである。
術、即ち樹脂加工による再生セルロース系繊維よりなる
織物の防縮加工方法とは異なった観点から防縮加工方法
を鋭意研究するうちに、織物の構造変化が織物の収縮に
大きく寄与していることを見いだした。そこで織物の構
造変化を支配する、単繊維の膨潤挙動と単繊維間の空隙
とに着目し、さらに詳細に研究した結果、本発明の完成
に至ったものである。すなわち、本発明は織物の経糸お
よび緯糸中の単繊維の水膨潤による横断面積の増大率に
対応させて単繊維間空隙率を特定することにより、洗濯
等の水膨潤、乾燥による織物の構造変化を抑制し、防縮
性を有する織物とするものである。
【0007】本発明による再生セルロース系繊維よりな
る防縮性織物は織物の経糸および緯糸中の単繊維間の空
隙率Aおよび下記式(3)で規定される水膨潤時の単繊
維の横断面積増大率xが下記式(1)及び式(2)で規
定する範囲にある糸で構成されることを特徴とする。 A≧{1−0.94/(1+x)}×100(%)…(1) 0.1<x<1.6 …(2) x=(Sw −S0 )/S0 …(3) 但しS0 は20℃・65%RH雰囲気中に一昼夜放置さ
せた場合、即ち平衡水分率を保持した状態での単繊維横
断面積、またSw は20℃の水中に1時間浸漬し、充分
に膨潤させた時の単繊維の横断面積である。織物の経糸
および緯糸に水膨潤時の単繊維の横断面積増大率が異な
る繊維が混繊されている場合には、xは単繊維の横断面
積増大率の数平均値で代用できる。単繊維の横断面積
は、単繊維が円形断面の場合には光学顕微鏡で単繊維の
直径を測定し、断面積に換算すればよい。非円形断面の
場合には、単繊維の薄切片の断面顕微鏡写真から、画像
処理等で断面積を算出すればよい。
る防縮性織物は織物の経糸および緯糸中の単繊維間の空
隙率Aおよび下記式(3)で規定される水膨潤時の単繊
維の横断面積増大率xが下記式(1)及び式(2)で規
定する範囲にある糸で構成されることを特徴とする。 A≧{1−0.94/(1+x)}×100(%)…(1) 0.1<x<1.6 …(2) x=(Sw −S0 )/S0 …(3) 但しS0 は20℃・65%RH雰囲気中に一昼夜放置さ
せた場合、即ち平衡水分率を保持した状態での単繊維横
断面積、またSw は20℃の水中に1時間浸漬し、充分
に膨潤させた時の単繊維の横断面積である。織物の経糸
および緯糸に水膨潤時の単繊維の横断面積増大率が異な
る繊維が混繊されている場合には、xは単繊維の横断面
積増大率の数平均値で代用できる。単繊維の横断面積
は、単繊維が円形断面の場合には光学顕微鏡で単繊維の
直径を測定し、断面積に換算すればよい。非円形断面の
場合には、単繊維の薄切片の断面顕微鏡写真から、画像
処理等で断面積を算出すればよい。
【0008】本発明の再生セルロース系繊維よりなる防
縮性織物の製造は再生セルロース系繊維よりなる織物
(生機)から防縮性織物を製造するに際して、該織物を
膨潤液中に浸漬して膨潤させ、次いで脱膨潤剤処理する
工程を含めしめることにより達成される。その際、下記
式(9)で規定される単繊維の水による膨潤と膨潤剤に
よる膨潤との膨潤比率yが下記式(8)の範囲にあるよ
うに選択された加工条件で処理されるとより好ましい。 0.1<y<4.0 …(8) y=(Ss −Sw )/Sw …(9) 但しSs は膨潤剤中に1時間浸漬した場合の単繊維横断
面積、またSw は20℃の水中に1時間浸漬した場合の
単繊維の横断面積である。
縮性織物の製造は再生セルロース系繊維よりなる織物
(生機)から防縮性織物を製造するに際して、該織物を
膨潤液中に浸漬して膨潤させ、次いで脱膨潤剤処理する
工程を含めしめることにより達成される。その際、下記
式(9)で規定される単繊維の水による膨潤と膨潤剤に
よる膨潤との膨潤比率yが下記式(8)の範囲にあるよ
うに選択された加工条件で処理されるとより好ましい。 0.1<y<4.0 …(8) y=(Ss −Sw )/Sw …(9) 但しSs は膨潤剤中に1時間浸漬した場合の単繊維横断
面積、またSw は20℃の水中に1時間浸漬した場合の
単繊維の横断面積である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、再生セルロース系繊維とは、ビスコースレーヨ
ン、キュプラアンモニウムレーヨン、重合度400〜5
00の高強力レーヨンおよび有機溶媒系再生セルロース
繊維をいう。
おいて、再生セルロース系繊維とは、ビスコースレーヨ
ン、キュプラアンモニウムレーヨン、重合度400〜5
00の高強力レーヨンおよび有機溶媒系再生セルロース
繊維をいう。
【0010】本発明でいう単繊維間空隙率Aとは、経糸
または緯糸の断面積に対する単繊維間の空隙が占める比
率をいう。ここで糸の断面積とは、単繊維集合体である
糸の最外層部の外輪郭で囲まれた部分の面積をいう。単
繊維間空隙率Aは、例えば経方向および緯方向の織物の
断面構造を電子顕微鏡写真を画像処理することによっ
て、糸の断面積及び単繊維断面積の和を画素粒子数に換
算し、その値を次式に代入して得ることができる。 A=(糸の断面積−単繊維断面積の和)/糸の断面積×
100(%) ただしこの測定方法に限定されるものではなく、断面の
顕微鏡写真を複写した紙等の重量から算出しても同様の
結果が得られる。
または緯糸の断面積に対する単繊維間の空隙が占める比
率をいう。ここで糸の断面積とは、単繊維集合体である
糸の最外層部の外輪郭で囲まれた部分の面積をいう。単
繊維間空隙率Aは、例えば経方向および緯方向の織物の
断面構造を電子顕微鏡写真を画像処理することによっ
て、糸の断面積及び単繊維断面積の和を画素粒子数に換
算し、その値を次式に代入して得ることができる。 A=(糸の断面積−単繊維断面積の和)/糸の断面積×
100(%) ただしこの測定方法に限定されるものではなく、断面の
顕微鏡写真を複写した紙等の重量から算出しても同様の
結果が得られる。
【0011】本発明において、水膨潤時の単繊維断面積
の増大率をxとしたとき、単繊維間空隙率Aは、経糸、
緯糸とも A≧{1−0.94/(1+x)}×100(%) であれば良いが、 A≧{1.13−0.94/(1+x)}×100
(%) であるとより好ましい。また、通常織物の単位長さ当り
の糸本数は経糸の方が多いことから、経糸の水膨潤が織
物の構造変化に及ぼす影響が大きいため、経糸の単繊維
間空隙率は、 A≧{1.28−0.94/(1+x)}×100
(%) であることがより好ましい。単繊維間空隙率Aが A<{1−0.94/(1+x)}×100(%) の場合には、洗濯時の単繊維膨潤によって織物の構造変
化が生じ、充分な防縮性を得ることができない。なお織
物には経糸間、緯糸間および経糸・緯糸間に空隙が見ら
れることがあるが、この糸間の空隙は前記単繊維間空隙
とは異るものである。ここで、xが0.1以下の場合に
は、繊維はほとんど水で膨潤しないため、単繊維間空隙
率が式(1)を満たさなくても、実質的に織物は洗濯収
縮しない。xが1.6以上の場合には、単繊維が非常に
水に膨潤しやすいため、単繊維間空隙率が(数1)を満
たしていても洗濯によって織物の形態変化を生ずる。
の増大率をxとしたとき、単繊維間空隙率Aは、経糸、
緯糸とも A≧{1−0.94/(1+x)}×100(%) であれば良いが、 A≧{1.13−0.94/(1+x)}×100
(%) であるとより好ましい。また、通常織物の単位長さ当り
の糸本数は経糸の方が多いことから、経糸の水膨潤が織
物の構造変化に及ぼす影響が大きいため、経糸の単繊維
間空隙率は、 A≧{1.28−0.94/(1+x)}×100
(%) であることがより好ましい。単繊維間空隙率Aが A<{1−0.94/(1+x)}×100(%) の場合には、洗濯時の単繊維膨潤によって織物の構造変
化が生じ、充分な防縮性を得ることができない。なお織
物には経糸間、緯糸間および経糸・緯糸間に空隙が見ら
れることがあるが、この糸間の空隙は前記単繊維間空隙
とは異るものである。ここで、xが0.1以下の場合に
は、繊維はほとんど水で膨潤しないため、単繊維間空隙
率が式(1)を満たさなくても、実質的に織物は洗濯収
縮しない。xが1.6以上の場合には、単繊維が非常に
水に膨潤しやすいため、単繊維間空隙率が(数1)を満
たしていても洗濯によって織物の形態変化を生ずる。
【0012】本発明の防縮性織物は一般衣料系の織物を
対象としている。具体的にはカバーファクターf1 、f
2 は、下記式(4)、(5)を満たすことが必要であ
る。 1000<(f1 +f2 )<2500 …(4) 0.5<(f1 /f2 )<2.0 …(5) ここにf1 =D1 ×√d1 …(6) f2 =D2 ×√d2 …(7) ただしD1 ,D2 は織物の経、緯密度(本/インチ)
を、d1 ,d2 は織物を構成する糸の繊度(デニール)
を示す。f1 とf2 の和が1000以下の場合には、水
膨潤による糸の横断面積の増大の織物の収縮に対する寄
与が小さいため、単繊維間空隙率Aが式(1)を満たさ
なくても織物の構造収縮は起こりにくい。f1 とf2 の
和が2500以上の場合には、織物組織が非常に蜜であ
るため、実質的には単繊維の水膨潤は抑制され、その結
果単繊維間空隙率Aが式(1)を満たさなくても織物の
収縮も抑制される。
対象としている。具体的にはカバーファクターf1 、f
2 は、下記式(4)、(5)を満たすことが必要であ
る。 1000<(f1 +f2 )<2500 …(4) 0.5<(f1 /f2 )<2.0 …(5) ここにf1 =D1 ×√d1 …(6) f2 =D2 ×√d2 …(7) ただしD1 ,D2 は織物の経、緯密度(本/インチ)
を、d1 ,d2 は織物を構成する糸の繊度(デニール)
を示す。f1 とf2 の和が1000以下の場合には、水
膨潤による糸の横断面積の増大の織物の収縮に対する寄
与が小さいため、単繊維間空隙率Aが式(1)を満たさ
なくても織物の構造収縮は起こりにくい。f1 とf2 の
和が2500以上の場合には、織物組織が非常に蜜であ
るため、実質的には単繊維の水膨潤は抑制され、その結
果単繊維間空隙率Aが式(1)を満たさなくても織物の
収縮も抑制される。
【0013】単繊維間空隙率Aが紡毛糸のように90%
以上の場合には、織物の構造は非常に不安定であり、チ
ョークマーク等の欠点が生じるため、商品価値を著しく
損なうので、単繊維間空隙率Aは90%未満であること
が好ましい。
以上の場合には、織物の構造は非常に不安定であり、チ
ョークマーク等の欠点が生じるため、商品価値を著しく
損なうので、単繊維間空隙率Aは90%未満であること
が好ましい。
【0014】本発明による防縮性織物の製造方法は、基
本的には再生セルロース系繊維に対して膨潤能の高い液
体(膨潤剤)に織物を浸漬する第1工程と、膨潤時の織
物の応力−歪曲線の第1変曲点歪以下の低伸張率下で加
熱等によって膨潤を促進させる第2工程、織物から脱膨
潤剤処理する第3工程からなる。第1工程で使用する膨
潤剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属水酸化物の水溶液、テトラメチルアンモニ
ウム水酸化物、エチルトリメチルアンモニウム水酸化物
等の4級アンモニウム水酸化物の水溶液、エチレングリ
コール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチル
ホルムアミド(DMF)、塩化亜鉛水溶液、水等が挙げ
られる。膨潤を促進させるための第2工程は、第1工程
で使用した膨潤剤が再生セルロースを膨潤させるのに充
分な温度・時間で処理すればよく、室温で急速かつ充分
に膨潤する場合には省略してもよい。第2工程で、過度
に高温とすると、脱膨潤剤作用が起こり、充分な膨潤効
果を得ることができない。
本的には再生セルロース系繊維に対して膨潤能の高い液
体(膨潤剤)に織物を浸漬する第1工程と、膨潤時の織
物の応力−歪曲線の第1変曲点歪以下の低伸張率下で加
熱等によって膨潤を促進させる第2工程、織物から脱膨
潤剤処理する第3工程からなる。第1工程で使用する膨
潤剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属水酸化物の水溶液、テトラメチルアンモニ
ウム水酸化物、エチルトリメチルアンモニウム水酸化物
等の4級アンモニウム水酸化物の水溶液、エチレングリ
コール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチル
ホルムアミド(DMF)、塩化亜鉛水溶液、水等が挙げ
られる。膨潤を促進させるための第2工程は、第1工程
で使用した膨潤剤が再生セルロースを膨潤させるのに充
分な温度・時間で処理すればよく、室温で急速かつ充分
に膨潤する場合には省略してもよい。第2工程で、過度
に高温とすると、脱膨潤剤作用が起こり、充分な膨潤効
果を得ることができない。
【0015】例えば、第1工程で、膨潤剤としてDMS
Oを用いた場合には、80℃〜130℃での処理が適当
で、短時間で処理しうることから100℃〜130℃で
の処理がより好ましい。80℃未満の場合にはDMFに
よる再生セルロースの膨潤は充分に起こらず、また13
0℃以上の場合には脱膨潤剤作用が起こりやすく、充分
な膨潤効果を得ることができない。第3工程は例えば加
熱あるいは減圧等によって、あるいは膨潤剤の飽和蒸気
圧以下の雰囲気中に放置することにより、織物から脱膨
潤剤処理する工程であるが、生産性の面から加熱による
脱膨潤剤処理が好ましい。第1工程で使用した膨潤剤が
加熱あるいは減圧によって除去困難な場合には、膨潤剤
を除去が容易な他の液体に置換し、この液体を除去して
もよい。
Oを用いた場合には、80℃〜130℃での処理が適当
で、短時間で処理しうることから100℃〜130℃で
の処理がより好ましい。80℃未満の場合にはDMFに
よる再生セルロースの膨潤は充分に起こらず、また13
0℃以上の場合には脱膨潤剤作用が起こりやすく、充分
な膨潤効果を得ることができない。第3工程は例えば加
熱あるいは減圧等によって、あるいは膨潤剤の飽和蒸気
圧以下の雰囲気中に放置することにより、織物から脱膨
潤剤処理する工程であるが、生産性の面から加熱による
脱膨潤剤処理が好ましい。第1工程で使用した膨潤剤が
加熱あるいは減圧によって除去困難な場合には、膨潤剤
を除去が容易な他の液体に置換し、この液体を除去して
もよい。
【0016】本発明のより好ましい防縮織物の製造方法
で前述の式(4)を満たすように加工条件(使用する膨
潤剤の種類および温度等の条件)を選定する。その際膨
潤比率yが0.1以下の場合には、膨潤剤の膨潤能が小
さく、処理後の織物に防縮性を付与しうるような単繊維
間空隙を形成できない。4.0以上の場合には、極度の
膨潤によって、単繊維表面の溶解などが起こり、織物強
度が低下したり、風合いが粗硬になるので好ましくな
い。
で前述の式(4)を満たすように加工条件(使用する膨
潤剤の種類および温度等の条件)を選定する。その際膨
潤比率yが0.1以下の場合には、膨潤剤の膨潤能が小
さく、処理後の織物に防縮性を付与しうるような単繊維
間空隙を形成できない。4.0以上の場合には、極度の
膨潤によって、単繊維表面の溶解などが起こり、織物強
度が低下したり、風合いが粗硬になるので好ましくな
い。
【0017】本発明では全工程にわたって、低伸張条件
下で行なうことが望ましく、具体的には、膨潤時の織物
の応力−歪曲線の第1変曲点歪、即ち、膨潤時の織物の
応力−歪曲線において、応力が急激に増大する部分の接
線が歪軸と交わる点の歪以下の伸張率で行うことが好ま
しい。第2工程、あるいは第3工程においては、低伸張
条件下で行なうことはいうまでもなく、かつ揉布作用を
施すことが望ましく、例えばマイクロ波乾燥機や、熱風
によるビーティング乾燥機、気流(エアフロー)乾燥
機、衝撃式乾燥機を用いることによって特に良好な結果
が得られる。
下で行なうことが望ましく、具体的には、膨潤時の織物
の応力−歪曲線の第1変曲点歪、即ち、膨潤時の織物の
応力−歪曲線において、応力が急激に増大する部分の接
線が歪軸と交わる点の歪以下の伸張率で行うことが好ま
しい。第2工程、あるいは第3工程においては、低伸張
条件下で行なうことはいうまでもなく、かつ揉布作用を
施すことが望ましく、例えばマイクロ波乾燥機や、熱風
によるビーティング乾燥機、気流(エアフロー)乾燥
機、衝撃式乾燥機を用いることによって特に良好な結果
が得られる。
【0018】このような一連の処理の例として、水酸化
ナトリウム水溶液を膨潤剤として使用した場合について
詳細に説明する。まず第1工程として、1wt%〜10wt
%の水酸化ナトリウム水溶液に5秒以上浸漬させる。1
wt%未満の水酸化ナトリウム水溶液の場合には、短時間
では充分な膨潤効果を得られず、生産性の面から不利で
ある。10wt%を超える水酸化ナトリウム水溶液の場合
には過度の膨潤が起こるため、処理後の織物が不安定と
なる。第一工程は低伸張条件下で行なうことが望まし
く、処理機としてはヒネッケンタイプの処理機、バイブ
レーション作用のある処理機、あるいはテンションレス
の液流染色機などを用いる。1wt%〜10wt%の水酸化
ナトリウム水溶液の再生セルロースに対する膨潤能は常
温で急速かつ充分なので、第2工程は省略することがで
きる。次に充分に水洗することにより、膨潤剤である水
酸化ナトリウム水溶液を加熱除去の容易な水に置換し、
第3工程では60℃〜180℃、好ましくは80℃〜1
20℃で乾燥させることによって防縮性の良好な織物を
得ることができる。60℃以下では乾燥速度が遅いた
め、生産性の面から不利であり、また、180℃以上の
高温で処理すると、セルロース分子鎖の切断が起こり、
織物の強度か低下する。
ナトリウム水溶液を膨潤剤として使用した場合について
詳細に説明する。まず第1工程として、1wt%〜10wt
%の水酸化ナトリウム水溶液に5秒以上浸漬させる。1
wt%未満の水酸化ナトリウム水溶液の場合には、短時間
では充分な膨潤効果を得られず、生産性の面から不利で
ある。10wt%を超える水酸化ナトリウム水溶液の場合
には過度の膨潤が起こるため、処理後の織物が不安定と
なる。第一工程は低伸張条件下で行なうことが望まし
く、処理機としてはヒネッケンタイプの処理機、バイブ
レーション作用のある処理機、あるいはテンションレス
の液流染色機などを用いる。1wt%〜10wt%の水酸化
ナトリウム水溶液の再生セルロースに対する膨潤能は常
温で急速かつ充分なので、第2工程は省略することがで
きる。次に充分に水洗することにより、膨潤剤である水
酸化ナトリウム水溶液を加熱除去の容易な水に置換し、
第3工程では60℃〜180℃、好ましくは80℃〜1
20℃で乾燥させることによって防縮性の良好な織物を
得ることができる。60℃以下では乾燥速度が遅いた
め、生産性の面から不利であり、また、180℃以上の
高温で処理すると、セルロース分子鎖の切断が起こり、
織物の強度か低下する。
【0019】なお、水酸化ナトリウム水溶液でセルロー
ス系織物を処理する加工方法としては、シルケット加工
が広く知られている。しかしながらシルケット加工と
は、「加工織物の実際知識(全国繊維工業技術協会編纂
繊維新聞社出版部 1961124頁)」に記載され
ているように、おもに綿織物について、24°Be(18
%)以上、好ましくは31〜35°Be(25〜30%)
の水酸化ナトリウム水溶液を付与し、膨潤時の織物の応
力−歪曲線の第1変曲点歪以上に充分に伸張した後水洗
する方法で、充分に緊張することにより織物に光沢を付
与し、また染色性の向上をはかる加工方法であり、本発
明とは目的・構成・効果が全く異なるものである。ま
た、織物の糊抜き促進として精練前に苛性処理が施され
ることがある。この方法は、織物を緊張下にて行なうた
め糊抜き促進効果や染色性の向上は計れるが、本発明の
目的とする低伸張処理によって得られる防縮性は得られ
ない。
ス系織物を処理する加工方法としては、シルケット加工
が広く知られている。しかしながらシルケット加工と
は、「加工織物の実際知識(全国繊維工業技術協会編纂
繊維新聞社出版部 1961124頁)」に記載され
ているように、おもに綿織物について、24°Be(18
%)以上、好ましくは31〜35°Be(25〜30%)
の水酸化ナトリウム水溶液を付与し、膨潤時の織物の応
力−歪曲線の第1変曲点歪以上に充分に伸張した後水洗
する方法で、充分に緊張することにより織物に光沢を付
与し、また染色性の向上をはかる加工方法であり、本発
明とは目的・構成・効果が全く異なるものである。ま
た、織物の糊抜き促進として精練前に苛性処理が施され
ることがある。この方法は、織物を緊張下にて行なうた
め糊抜き促進効果や染色性の向上は計れるが、本発明の
目的とする低伸張処理によって得られる防縮性は得られ
ない。
【0020】また、本発明においては、膨潤剤による処
理と水膨潤時の単繊維の横断面積増大率を低下させる処
理とを併用した場合に特に良好な結果が得られる。この
場合には、膨潤剤による処理を行なった後に水膨潤時の
単繊維の横断面積増大率を低下させる処理を行なうと、
より良好な結果が得られる。水膨潤による横断面積増大
率を低下させる方法としては、セルロース系繊維の分子
鎖間を樹脂で架橋したり分子間に樹脂を充填する樹脂加
工法が最も実用的である。この場合は樹脂加工単独で防
縮性を付与する場合と比較して、低樹脂量でも充分な防
縮性を付与しうる。この場合には、N,N′−ジメチル
−ジヒドロキシエチレン尿素の様なノンホルマリン系樹
脂加工剤や柔軟性、平滑性とともにアミノ基によって繊
維に吸着し、防縮・防皺効果を示すアミノ変性シリコー
ン等を用いることが望ましい。またN,N′−ジメトキ
シメチル−ジヒドロキシエチレン尿素のような低ホルマ
リン系樹脂加工剤を使用してもよい。その場合でも樹脂
加工剤の使用が少量で済むため、従来の防縮加工と比較
して、ホルマリンの発生量が極めて少なく、また大きな
強度低下や、風合いの変化を起こすことがない。
理と水膨潤時の単繊維の横断面積増大率を低下させる処
理とを併用した場合に特に良好な結果が得られる。この
場合には、膨潤剤による処理を行なった後に水膨潤時の
単繊維の横断面積増大率を低下させる処理を行なうと、
より良好な結果が得られる。水膨潤による横断面積増大
率を低下させる方法としては、セルロース系繊維の分子
鎖間を樹脂で架橋したり分子間に樹脂を充填する樹脂加
工法が最も実用的である。この場合は樹脂加工単独で防
縮性を付与する場合と比較して、低樹脂量でも充分な防
縮性を付与しうる。この場合には、N,N′−ジメチル
−ジヒドロキシエチレン尿素の様なノンホルマリン系樹
脂加工剤や柔軟性、平滑性とともにアミノ基によって繊
維に吸着し、防縮・防皺効果を示すアミノ変性シリコー
ン等を用いることが望ましい。またN,N′−ジメトキ
シメチル−ジヒドロキシエチレン尿素のような低ホルマ
リン系樹脂加工剤を使用してもよい。その場合でも樹脂
加工剤の使用が少量で済むため、従来の防縮加工と比較
して、ホルマリンの発生量が極めて少なく、また大きな
強度低下や、風合いの変化を起こすことがない。
【0021】
【実施例】以下に実施例によって本発明を更に詳しく説
明するが、本発明をこれらの実施例に限定するものでな
いことはいうまでもない。なお、物性評価は下記の方法
で行った。 (1)洗濯収縮率;JIS−L−1042 家庭用洗濯
機法(G法)に従って、5分間洗濯を1回した後2分間
のすすぎと30秒間の脱水とを2回行い、収縮率を求め
た。 (2)遊離ホルマリン量;JIS−L−1041 アセ
チルアセトン法(B法)によって求めた。 (3)織物の強度;実施例1,6,7及び比較例1,
2,5で得られた織物が主にアウター向けの中厚地織物
であるためJIS−L−1018 ペンジュラム法によ
って引裂強度を求めた。 実施例2〜5および比較例3,4,6で得られた織物が
主に裏地向けの薄地織物であるため、マーチンデール摩
耗法を採用した。摩耗強度の評価は、基布に梳毛布を用
い、20000回摩擦した場合の外観変化を、リング及
び1〜5級の6段階で級判定した。級数が大きいほど摩
耗強度が大きいことを示す。
明するが、本発明をこれらの実施例に限定するものでな
いことはいうまでもない。なお、物性評価は下記の方法
で行った。 (1)洗濯収縮率;JIS−L−1042 家庭用洗濯
機法(G法)に従って、5分間洗濯を1回した後2分間
のすすぎと30秒間の脱水とを2回行い、収縮率を求め
た。 (2)遊離ホルマリン量;JIS−L−1041 アセ
チルアセトン法(B法)によって求めた。 (3)織物の強度;実施例1,6,7及び比較例1,
2,5で得られた織物が主にアウター向けの中厚地織物
であるためJIS−L−1018 ペンジュラム法によ
って引裂強度を求めた。 実施例2〜5および比較例3,4,6で得られた織物が
主に裏地向けの薄地織物であるため、マーチンデール摩
耗法を採用した。摩耗強度の評価は、基布に梳毛布を用
い、20000回摩擦した場合の外観変化を、リング及
び1〜5級の6段階で級判定した。級数が大きいほど摩
耗強度が大きいことを示す。
【0022】実施例1 実施例1は、経ビスコースレーヨンヒィラメント糸(1
20d)/緯ビスコースレーヨンスパン糸(30綿番
手)を用いて、常法に従い糊抜き・精練・染色を行って
試料とした。これに長さ方向に1%、巾方向に4%の伸
張がかかった状態で50℃の3%水酸化ナトリウム水溶
液中に30秒間浸漬し、pH3の酢酸水溶液で中和した
後、50℃で充分水洗し、ピンテンターを用いて乾燥し
た。これをノンホルマリン系の樹脂加工剤(BASF社
製 Fixapret NF)10%、触媒(BASF
社製 Condensol 2451)3%を含有する
処理浴に浸漬し、圧力5Kg/cm2 のマングルで絞り、ア
ルカリ処理後を原寸として長さ方向に6%、巾方向に1
%の伸張がかかった状態でピンテンターを用いて100
℃で1分間予備乾燥し、さらに160℃で3分間熱処理
した。
20d)/緯ビスコースレーヨンスパン糸(30綿番
手)を用いて、常法に従い糊抜き・精練・染色を行って
試料とした。これに長さ方向に1%、巾方向に4%の伸
張がかかった状態で50℃の3%水酸化ナトリウム水溶
液中に30秒間浸漬し、pH3の酢酸水溶液で中和した
後、50℃で充分水洗し、ピンテンターを用いて乾燥し
た。これをノンホルマリン系の樹脂加工剤(BASF社
製 Fixapret NF)10%、触媒(BASF
社製 Condensol 2451)3%を含有する
処理浴に浸漬し、圧力5Kg/cm2 のマングルで絞り、ア
ルカリ処理後を原寸として長さ方向に6%、巾方向に1
%の伸張がかかった状態でピンテンターを用いて100
℃で1分間予備乾燥し、さらに160℃で3分間熱処理
した。
【0023】比較例1 比較例1は、実施例1に供したものと同じ織物を、ノン
ホルマリン系の樹脂加工剤(BASF社製 Fixap
ret NF)10%、触媒(BASF社製Conde
nsol 2451)3%を含有する処理浴に浸漬し、
圧力5Kg/cm 2 のマングルで絞り、アルカリ処理後を原
寸として長さ方向に14%、巾方向に4%の伸張がかか
った状態でピンテンターを用いて100℃で1分間予備
乾燥し、さらに160℃で3分間熱処理した。
ホルマリン系の樹脂加工剤(BASF社製 Fixap
ret NF)10%、触媒(BASF社製Conde
nsol 2451)3%を含有する処理浴に浸漬し、
圧力5Kg/cm 2 のマングルで絞り、アルカリ処理後を原
寸として長さ方向に14%、巾方向に4%の伸張がかか
った状態でピンテンターを用いて100℃で1分間予備
乾燥し、さらに160℃で3分間熱処理した。
【0024】比較例2 比較例2は、実施例1に供したものと同じの織物に、低
ホルマリン系の樹脂加工剤(ユニカ技研製ユニカレジン
GS−15)10%、触媒(ユニカ技研製カタリストM
C−109)3%を用いて比較例1と同じ方法で樹脂加
工を行なった。
ホルマリン系の樹脂加工剤(ユニカ技研製ユニカレジン
GS−15)10%、触媒(ユニカ技研製カタリストM
C−109)3%を用いて比較例1と同じ方法で樹脂加
工を行なった。
【0025】実施例2 実施例2は、糊抜き・精練・染色後のキュプラアンモニ
ウムレーヨン経75d/緯100dのタフタを用意し、
長さ方向に1%、巾方向に6%の伸張がかかった状態
で、20℃、5%の水酸化ナトリウム水溶液中に30秒
間浸漬し、pH3の酢酸水溶液で中和した後、50℃で充
分水洗し、ピンテンターを用いてアルカリ処理後を原寸
として長さ方向に1%、巾方向に1%の伸張がかかった
状態で100℃で2分間乾燥した。
ウムレーヨン経75d/緯100dのタフタを用意し、
長さ方向に1%、巾方向に6%の伸張がかかった状態
で、20℃、5%の水酸化ナトリウム水溶液中に30秒
間浸漬し、pH3の酢酸水溶液で中和した後、50℃で充
分水洗し、ピンテンターを用いてアルカリ処理後を原寸
として長さ方向に1%、巾方向に1%の伸張がかかった
状態で100℃で2分間乾燥した。
【0026】実施例3 実施例3は、実施例2で得られた織物に樹脂加工を行な
った。樹脂加工は加工時の伸張をアルカリ処理後を原寸
として長さ方向に1%、巾方向に1%とする以外は比較
例1と同じ方法で行なった。
った。樹脂加工は加工時の伸張をアルカリ処理後を原寸
として長さ方向に1%、巾方向に1%とする以外は比較
例1と同じ方法で行なった。
【0027】実施例4 実施例4も、実施例2で得られた織物に樹脂加工を行な
った。樹脂加工は低ホルマリン系の樹脂加工剤(ユニカ
技研製ユニカレジンGS−15)5%、触媒(ユニカ技
研製カタリストMC−109)1.5%を用い、加工時
の伸張をアルカリ処理後を原寸として長さ方向に1%、
巾方向に1%とする以外は比較例1と同じ方法で行なっ
た。
った。樹脂加工は低ホルマリン系の樹脂加工剤(ユニカ
技研製ユニカレジンGS−15)5%、触媒(ユニカ技
研製カタリストMC−109)1.5%を用い、加工時
の伸張をアルカリ処理後を原寸として長さ方向に1%、
巾方向に1%とする以外は比較例1と同じ方法で行なっ
た。
【0028】比較例3 比較例3は、実施例2に供したものと同じ織物につい
て、加工時の伸張を長さ方向に2%、巾方向に6%とす
る以外は、比較例1と同様に樹脂加工を行なった。
て、加工時の伸張を長さ方向に2%、巾方向に6%とす
る以外は、比較例1と同様に樹脂加工を行なった。
【0029】比較例4 比較例4は、実施例2に供したものと同じ織物につい
て、加工時の伸張を長さ方向に2%、巾方向に6%とす
る以外は、比較例2と同様に樹脂加工を行なった。
て、加工時の伸張を長さ方向に2%、巾方向に6%とす
る以外は、比較例2と同様に樹脂加工を行なった。
【0030】実施例5 実施例5は、実施例2に供したものと同じ織物を用意
し、これに長さ方向に2%、巾方向に6%の伸張がかか
った状態で、ジメチルスルホキシドに3分間浸漬した
後、ピンテンターを用いて80℃で5分間加熱し、更に
10mmHg,90℃で3分間減圧加熱処理した。
し、これに長さ方向に2%、巾方向に6%の伸張がかか
った状態で、ジメチルスルホキシドに3分間浸漬した
後、ピンテンターを用いて80℃で5分間加熱し、更に
10mmHg,90℃で3分間減圧加熱処理した。
【0031】実施例6,7 実施例6は、ビスコースレーヨン(経フィラメント糸、
緯スパン糸使い、102d/30綿番手)を用意し、積
極的駆動型オープンソーパーを用い、50℃の4%水酸
化ナトリウム水溶液中に30秒間浸漬した後、pH3の酢
酸水溶液で中和し、さらに水洗したものを常法に従って
糊抜き・精練した。これを通常のコールドパッドバッチ
法で染色した後、積極駆動型オープンソーパーを用いて
洗浄し、ピンテンターで乾燥した。これをノンホルマリ
ン系の樹脂加工剤(BASF社製 Fixapret
NF)10%、触媒(BASF社製 Condenso
l 2451)3%を含有する処理浴に浸漬し、圧力5
Kg/cm2 のマングルで絞った後、ヒラノテクシード製シ
ュリンクサーファーを用いて100℃で1分間乾燥し、
さらに160℃で3分間シリンダー加熱した。実施例7
は、染色を常圧液流染色法とする以外は実施例6と同様
に行なった。
緯スパン糸使い、102d/30綿番手)を用意し、積
極的駆動型オープンソーパーを用い、50℃の4%水酸
化ナトリウム水溶液中に30秒間浸漬した後、pH3の酢
酸水溶液で中和し、さらに水洗したものを常法に従って
糊抜き・精練した。これを通常のコールドパッドバッチ
法で染色した後、積極駆動型オープンソーパーを用いて
洗浄し、ピンテンターで乾燥した。これをノンホルマリ
ン系の樹脂加工剤(BASF社製 Fixapret
NF)10%、触媒(BASF社製 Condenso
l 2451)3%を含有する処理浴に浸漬し、圧力5
Kg/cm2 のマングルで絞った後、ヒラノテクシード製シ
ュリンクサーファーを用いて100℃で1分間乾燥し、
さらに160℃で3分間シリンダー加熱した。実施例7
は、染色を常圧液流染色法とする以外は実施例6と同様
に行なった。
【0032】比較例5,6 比較例5,6は樹脂加工処理液を水とする以外は比較例
1、3と同様に処理した。得られた織物の物性測定結果
は、実施例1、6、7および比較例1、2、5を表1
に、実施例2〜5および比較例3、4、6を表2に示し
た。これらの表から明らかなように、本発明方法によっ
て実用防縮性能を付与しうるとともに樹脂加工に代表さ
れる水膨潤時の単繊維の横断面積増大率を低下させる処
理とを併用することによって高度な防縮性を付与しう
る。このように本発明は顕著な効果を持つものである。
1、3と同様に処理した。得られた織物の物性測定結果
は、実施例1、6、7および比較例1、2、5を表1
に、実施例2〜5および比較例3、4、6を表2に示し
た。これらの表から明らかなように、本発明方法によっ
て実用防縮性能を付与しうるとともに樹脂加工に代表さ
れる水膨潤時の単繊維の横断面積増大率を低下させる処
理とを併用することによって高度な防縮性を付与しう
る。このように本発明は顕著な効果を持つものである。
【0033】得られた織物の物性測定結果は、実施例
1、6及び7並びに比較例1,2及び5を表1に、実施
例2〜5並びに比較例3,4及び6を表2に示した。
1、6及び7並びに比較例1,2及び5を表1に、実施
例2〜5並びに比較例3,4及び6を表2に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明による再生セルロース系繊維防縮
織物は、再生セルロース系繊維に対して膨潤能の高い液
体(膨潤剤)に織物を浸漬させ、次いで加熱等によって
特定の膨潤率比まで膨潤を促進させ、次いで織物を脱膨
潤剤処理することにより、特定の単繊維間空隙を織物に
形成させる。このように織物構造を制御することで、ホ
ルマリンの発生がなく、防縮加工前と同程度の強度を保
持する防縮性織物を得ることができる。本発明による再
生セルロース系繊維防縮織物はまた、樹脂加工等、水膨
張時の単繊維の直径増大率を低下させる加工を併用する
と、特に良好な収縮性を付与しうる。
織物は、再生セルロース系繊維に対して膨潤能の高い液
体(膨潤剤)に織物を浸漬させ、次いで加熱等によって
特定の膨潤率比まで膨潤を促進させ、次いで織物を脱膨
潤剤処理することにより、特定の単繊維間空隙を織物に
形成させる。このように織物構造を制御することで、ホ
ルマリンの発生がなく、防縮加工前と同程度の強度を保
持する防縮性織物を得ることができる。本発明による再
生セルロース系繊維防縮織物はまた、樹脂加工等、水膨
張時の単繊維の直径増大率を低下させる加工を併用する
と、特に良好な収縮性を付与しうる。
Claims (2)
- 【請求項1】 織物の経糸および緯糸中の単繊維間の空
隙率Aおよび下記式(3)で規定される水膨潤時の単繊
維の横断面積増大率xが下記式(1)及び式(2)で規
定する範囲にあり、単繊維同士が接着していない糸で構
成されており、かつ織物の経糸・緯糸のカバーファクタ
ーf1 ,f2 が下記式(4)および(5)の範囲にある
ことを特徴とする再生セルロース系繊維よりなる防縮性
織物。 A≧{1−0.94/(1+x)}×100(%)…(1) 0.1<x<1.6 …(2) x=(Sw −S0 )/S0 …(3) 1000<(f1 +f2 )<2500 …(4) 0.5<(f1 /f2 )<2.0 …(5) ここにf1 =D1 ×√d1 …(6) f2 =D2 ×√d2 …(7) 但しS0 は20℃・65%RH雰囲気中に一昼夜放置さ
せた場合、即ち平衡水分率を保持した状態での単繊維横
断面積、またSw は20℃の水中に1時間浸漬し、充分
に膨潤させた時の単繊維の横断面積である。またD1 、
D2 は織物の経、緯密度(本/インチ)を、d1 、d2
は織物を構成する糸の繊度(デニール)である。 - 【請求項2】 再生セルロース系繊維よりなる織物から
防縮性織物を製造するに際して、該織物を下記式(9)
で規定される単繊維の水による膨潤と膨潤剤による膨潤
との膨潤比率yが下記式(8)の範囲にあるように選択
された加工条件で膨潤剤中に浸漬し、再生セルロース系
繊維を膨潤させた後、脱膨潤剤処理する工程を含むこと
を特徴とする再生セルロース系繊維よりなる防縮性織物
の製造方法。 0.1<y<4.0 …(8) y=(Ss −Sw )/Sw …(9) 但しSs 膨潤剤中に1時間浸漬した場合の単繊維横断面
積、またSw は20℃の水中に1時間浸漬した場合の単
繊維の横断面積である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5210550A JPH06173135A (ja) | 1992-08-28 | 1993-08-25 | 再生セルロース系繊維よりなる防縮性織物およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23053992 | 1992-08-28 | ||
JP4-230539 | 1992-08-28 | ||
JP5210550A JPH06173135A (ja) | 1992-08-28 | 1993-08-25 | 再生セルロース系繊維よりなる防縮性織物およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06173135A true JPH06173135A (ja) | 1994-06-21 |
Family
ID=26518120
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5210550A Pending JPH06173135A (ja) | 1992-08-28 | 1993-08-25 | 再生セルロース系繊維よりなる防縮性織物およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06173135A (ja) |
-
1993
- 1993-08-25 JP JP5210550A patent/JPH06173135A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020319 |