JPH06158110A - Fe−Co−V−P合金軟質磁性材料焼結体の製造方法 - Google Patents
Fe−Co−V−P合金軟質磁性材料焼結体の製造方法Info
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- JPH06158110A JPH06158110A JP33949392A JP33949392A JPH06158110A JP H06158110 A JPH06158110 A JP H06158110A JP 33949392 A JP33949392 A JP 33949392A JP 33949392 A JP33949392 A JP 33949392A JP H06158110 A JPH06158110 A JP H06158110A
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Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 優れた軟磁気特性を有するFe−Co−V−
P合金材料焼結体を製造する方法を提供する。 【構成】 Coが40〜60重量%、Vが0.3〜3重
量%、Pが0.1〜1重量%、残部が実質的にFeから
なるように配合された平均粒径45μm以下の粉末、及
びバインダーからなる組成物を射出成型し、得られた成
型体を脱バインダー処理し、更に、1100〜1450
℃の温度範囲で焼結処理を行った後、該焼結体を2〜5
0℃/minの冷却速度で徐冷することを特徴とするF
e−Co−V−P合金軟質磁性材料焼結体の製造方法。
P合金材料焼結体を製造する方法を提供する。 【構成】 Coが40〜60重量%、Vが0.3〜3重
量%、Pが0.1〜1重量%、残部が実質的にFeから
なるように配合された平均粒径45μm以下の粉末、及
びバインダーからなる組成物を射出成型し、得られた成
型体を脱バインダー処理し、更に、1100〜1450
℃の温度範囲で焼結処理を行った後、該焼結体を2〜5
0℃/minの冷却速度で徐冷することを特徴とするF
e−Co−V−P合金軟質磁性材料焼結体の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟磁気特性に優れたF
e−Co−V−P合金軟質磁性材料焼結体の製造方法に
関する。
e−Co−V−P合金軟質磁性材料焼結体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】Fe−Co合金軟質磁性材料は、規則−
不規則変態をし、変態温度においてCsCl型規則格子
相を形成する合金材料であり、現在知られている合金の
中で最も大きい飽和磁束密度を示すので、パルスモータ
ー、プリンターヘッド等のヨーク用磁性材、受話器の振
動板として広く使用されている。しかし、Fe、Coの
みから成っている場合にはいかなる熱処理を施しても、
不規則格子から規則格子への変態を抑えることができ
ず、そのため冷間加工が不可能であった。
不規則変態をし、変態温度においてCsCl型規則格子
相を形成する合金材料であり、現在知られている合金の
中で最も大きい飽和磁束密度を示すので、パルスモータ
ー、プリンターヘッド等のヨーク用磁性材、受話器の振
動板として広く使用されている。しかし、Fe、Coの
みから成っている場合にはいかなる熱処理を施しても、
不規則格子から規則格子への変態を抑えることができ
ず、そのため冷間加工が不可能であった。
【0003】そこで、この様な事態の改善を図るため
に、Vを添加して加工性を改善したFe−Co−V合金
が、Fe−Co合金よりも実用的に使われている。しか
しそれでも規則格子への変態を抑えるのは十分といえ
ず、成型品、特に複雑形状の部品を得るためには、粉末
冶金法によって製造する試みがなされている。一方、通
常の粉末冶金法は、原料粉末を金型に挿入し、プレスに
よる圧縮成型を行うものであり、Co粉やFe−Co合
金粉が硬質であるために、圧縮成型時に大きな圧力をか
けても成型し難く、クラックが発生しやすい。またこの
場合、平均粒径が比較的大きい原料粉を用いており、更
にFeとCoは互いに拡散しづらいため磁気特性を得る
ための高密度化が難しく、密度を上げようとして高価な
微粉の使用、長時間焼結、HIP処理を行わなければな
い。また、焼結後は、必ず磁気特性向上のための熱処理
を行う必要がある。更に軟質磁性材料として交流で使用
される場合には、電気抵抗が大きく、鉄損失を少なくす
る必要がある。
に、Vを添加して加工性を改善したFe−Co−V合金
が、Fe−Co合金よりも実用的に使われている。しか
しそれでも規則格子への変態を抑えるのは十分といえ
ず、成型品、特に複雑形状の部品を得るためには、粉末
冶金法によって製造する試みがなされている。一方、通
常の粉末冶金法は、原料粉末を金型に挿入し、プレスに
よる圧縮成型を行うものであり、Co粉やFe−Co合
金粉が硬質であるために、圧縮成型時に大きな圧力をか
けても成型し難く、クラックが発生しやすい。またこの
場合、平均粒径が比較的大きい原料粉を用いており、更
にFeとCoは互いに拡散しづらいため磁気特性を得る
ための高密度化が難しく、密度を上げようとして高価な
微粉の使用、長時間焼結、HIP処理を行わなければな
い。また、焼結後は、必ず磁気特性向上のための熱処理
を行う必要がある。更に軟質磁性材料として交流で使用
される場合には、電気抵抗が大きく、鉄損失を少なくす
る必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
のような従来の欠点を解消して、優れた軟磁気特性を有
するFe−Co−V−P合金材料焼結体を製造すること
ができる方法を提供することにある。
のような従来の欠点を解消して、優れた軟磁気特性を有
するFe−Co−V−P合金材料焼結体を製造すること
ができる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく研究した結果、特定粒度の粉末を特定組成
になるように配合して射出成型し、得られた成型体を脱
バインダー処理し、更に、焼結処理を行った後、特定の
冷却速度で徐冷することにより、冷却時に発生する格子
歪の発生を制御し、製品の磁気特性を低下させることな
く上記の課題である磁気特性を得るための高密度化、電
気抵抗の向上を達成し得ることを見いだした。
を解決すべく研究した結果、特定粒度の粉末を特定組成
になるように配合して射出成型し、得られた成型体を脱
バインダー処理し、更に、焼結処理を行った後、特定の
冷却速度で徐冷することにより、冷却時に発生する格子
歪の発生を制御し、製品の磁気特性を低下させることな
く上記の課題である磁気特性を得るための高密度化、電
気抵抗の向上を達成し得ることを見いだした。
【0006】即ち本発明のFe−Co−V−P合金軟質
磁性材料焼結体の製造方法は、Coが40〜60重量
%、Vが0.3〜3重量%、Pが0.1〜1重量%、残
部が実質的にFeからなるように配合された、平均粒径
45μm以下の粉末及びバインダーからなる組成物を射
出成型し、得られた成型体を脱バインダー処理し、更
に、1100〜1450℃の温度範囲で焼結処理を行っ
た後、該焼結体を2〜50℃/minの冷却速度で徐冷
する点に特徴がある。
磁性材料焼結体の製造方法は、Coが40〜60重量
%、Vが0.3〜3重量%、Pが0.1〜1重量%、残
部が実質的にFeからなるように配合された、平均粒径
45μm以下の粉末及びバインダーからなる組成物を射
出成型し、得られた成型体を脱バインダー処理し、更
に、1100〜1450℃の温度範囲で焼結処理を行っ
た後、該焼結体を2〜50℃/minの冷却速度で徐冷
する点に特徴がある。
【0007】
【作用】配合した粉末及び焼結後の焼結体のCo含有量
は40〜60重量%であることが必要である。Co含有
量が40重量%未満では磁束密度はそれほど低下しない
が、最大透磁率大きく減少し、軟磁性材料として使用で
きない。Co含有量が40重量%を超える場合において
も磁束密度はそれほど低下しないが、最大透磁率が大き
く減少し、軟磁性材料として使用できない。
は40〜60重量%であることが必要である。Co含有
量が40重量%未満では磁束密度はそれほど低下しない
が、最大透磁率大きく減少し、軟磁性材料として使用で
きない。Co含有量が40重量%を超える場合において
も磁束密度はそれほど低下しないが、最大透磁率が大き
く減少し、軟磁性材料として使用できない。
【0008】またV含有量は0.3〜3重量%であるこ
とが必要である。V含有量が0.3重量%未満では電気
抵抗が向上しない。V含有量が3重量%を超えると磁束
密度が急激に低下し、軟磁性材料として使用できない。
とが必要である。V含有量が0.3重量%未満では電気
抵抗が向上しない。V含有量が3重量%を超えると磁束
密度が急激に低下し、軟磁性材料として使用できない。
【0009】更に、P含有量は0.1〜1重量%である
ことが必要である。P含有量が0.1重量%未満では焼
結後の最終相対密度はほとんど向上せず、その結果優れ
た軟磁気特性が発揮されないばかりでなく、電気抵抗が
向上しない。P含有量が1重量%を超えると磁束密度が
急激に低下し、軟磁性材料として使用できない。
ことが必要である。P含有量が0.1重量%未満では焼
結後の最終相対密度はほとんど向上せず、その結果優れ
た軟磁気特性が発揮されないばかりでなく、電気抵抗が
向上しない。P含有量が1重量%を超えると磁束密度が
急激に低下し、軟磁性材料として使用できない。
【0010】Co、V、P及びFeは、それぞれの粉
末、或いはFe−Co−V合金粉、Fe−Co合金粉、
Fe−V合金粉、Fe−P合金粉などを適宜使用すれば
良い。なお、焼結体中にFe、Co、V、P以外の元素
は含まれないことが望ましいが、焼結体の軟磁気特性の
磁束密度がB35=19000 G 以下とならない範囲な
らば含まれていても差し支えない。
末、或いはFe−Co−V合金粉、Fe−Co合金粉、
Fe−V合金粉、Fe−P合金粉などを適宜使用すれば
良い。なお、焼結体中にFe、Co、V、P以外の元素
は含まれないことが望ましいが、焼結体の軟磁気特性の
磁束密度がB35=19000 G 以下とならない範囲な
らば含まれていても差し支えない。
【0011】また、この粉末の平均粒径は45μm以下
であることが必要である。平均粒径が45μmを超える
粉末では、この粉末とバインダーからなる組成物の流動
性が低下し、射出成型がほとんど不可能となり、また、
射出成型ができたとしても、成型体を焼結させる工程の
進行が遅れてくる。そのため、焼結体の最終密度が上昇
しにくく、磁気特性も著しく低下する。
であることが必要である。平均粒径が45μmを超える
粉末では、この粉末とバインダーからなる組成物の流動
性が低下し、射出成型がほとんど不可能となり、また、
射出成型ができたとしても、成型体を焼結させる工程の
進行が遅れてくる。そのため、焼結体の最終密度が上昇
しにくく、磁気特性も著しく低下する。
【0012】本発明におけるバインダーは、射出成型粉
末冶金法用としての公知のバインダー、例えばポリエチ
レン、ワックスなどを使用することができるが、バイン
ダー除去の時に残留カーボンが発生して、Fe−Co−
V−P合金中にカーボンが侵入すると磁気特性が低下す
るから、カーボンが残留しにくいバインダー、例えばワ
ックスを主体としたバインダーを使用することが好まし
い。
末冶金法用としての公知のバインダー、例えばポリエチ
レン、ワックスなどを使用することができるが、バイン
ダー除去の時に残留カーボンが発生して、Fe−Co−
V−P合金中にカーボンが侵入すると磁気特性が低下す
るから、カーボンが残留しにくいバインダー、例えばワ
ックスを主体としたバインダーを使用することが好まし
い。
【0013】成型体からバインダーを除去する方法とし
ては、使用するバインダーの種類によって、加熱脱脂、
溶剤脱脂、その他公知の方法が使用できるが、加熱脱脂
装置は他の方法の装置と比較して簡便であるために、量
産時には窒素または水素雰囲気中、或いは真空中で行う
加熱脱脂が好ましい。脱バインダーされた成型体を焼結
処理する場合には、1100〜1450℃で水素雰囲気
中、或いは真空中で30〜300分保持して行う。この
とき、あらかじめ加熱してある炉に成型体を挿入しても
良いし、常温で成型体を炉に挿入してから適当な昇温速
度で昇温しても良い。
ては、使用するバインダーの種類によって、加熱脱脂、
溶剤脱脂、その他公知の方法が使用できるが、加熱脱脂
装置は他の方法の装置と比較して簡便であるために、量
産時には窒素または水素雰囲気中、或いは真空中で行う
加熱脱脂が好ましい。脱バインダーされた成型体を焼結
処理する場合には、1100〜1450℃で水素雰囲気
中、或いは真空中で30〜300分保持して行う。この
とき、あらかじめ加熱してある炉に成型体を挿入しても
良いし、常温で成型体を炉に挿入してから適当な昇温速
度で昇温しても良い。
【0014】この様に焼結作業を終了した焼結品は、そ
の後、2〜50℃/minの冷却速度で徐冷することが
必要である。2℃/min未満の冷却速度で徐冷するこ
とは、格子歪の除去に対する本発明の効果を向上し得ぬ
ばかりでなく、生産性が著しく低下するため好ましくな
い。また、50℃/minを超える冷却速度では冷却時
に格子歪が生じ、これがそのまま室温で残留するため軟
磁気特性が低下する。
の後、2〜50℃/minの冷却速度で徐冷することが
必要である。2℃/min未満の冷却速度で徐冷するこ
とは、格子歪の除去に対する本発明の効果を向上し得ぬ
ばかりでなく、生産性が著しく低下するため好ましくな
い。また、50℃/minを超える冷却速度では冷却時
に格子歪が生じ、これがそのまま室温で残留するため軟
磁気特性が低下する。
【0015】
実施例1〜8、比較例1〜10 原料粉として平均粒径9μmのFe−50重量%Co合
金粉、平均粒径40μmのFe−53重量%V合金粉、
平均粒径40μmのFe−27重量%P合金粉、必要に
応じて平均粒径5μmのカーボニルFe粉と、平均粒径
4.5μmの還元Co粉を用いて表1に示した配合比で
配合した後混合し、これにワックス系バインダーをバイ
ンダー含有率が40〜50容量%と成るように加え、1
50℃で混練後、ペレット状に造粒した。このペレット
を射出成型機を用いて射出圧力1200 kg/cm2
の条件で金型に射出成型した。得られた成型体を300
℃に保持してワックス系バインダーの除去を行った。そ
の後、1400℃の温度で2時間焼結し、表1に示した
冷却速度で冷却して常温とした。
金粉、平均粒径40μmのFe−53重量%V合金粉、
平均粒径40μmのFe−27重量%P合金粉、必要に
応じて平均粒径5μmのカーボニルFe粉と、平均粒径
4.5μmの還元Co粉を用いて表1に示した配合比で
配合した後混合し、これにワックス系バインダーをバイ
ンダー含有率が40〜50容量%と成るように加え、1
50℃で混練後、ペレット状に造粒した。このペレット
を射出成型機を用いて射出圧力1200 kg/cm2
の条件で金型に射出成型した。得られた成型体を300
℃に保持してワックス系バインダーの除去を行った。そ
の後、1400℃の温度で2時間焼結し、表1に示した
冷却速度で冷却して常温とした。
【0016】
【表1】
【0017】この様にして得られた焼結体に、励磁コイ
ル及びサーチコイルを共に50ターン巻き、直流記録磁
束計によりBHヒステリシス曲線を描いて、外部磁場
35Oe にて磁束密度(B35)、保磁力(Hc)、最
大透磁率(μm)、を求めた。その結果を表2に示す。
ル及びサーチコイルを共に50ターン巻き、直流記録磁
束計によりBHヒステリシス曲線を描いて、外部磁場
35Oe にて磁束密度(B35)、保磁力(Hc)、最
大透磁率(μm)、を求めた。その結果を表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】比較例1〜10は実施例と同様の方法で製
造したが、組成、原料粉の粒径、冷却速度等を変えて製
造した例である。比較例1ではPの含有量が0.1重量
%未満であるため焼結密度が低く、磁束密度(B35)が
劣っている。比較例2ではPの含有量が1重量%を超え
ているため、最大透磁率(μm)が低下し、保磁力(H
c)も高くなっている。比較例3ではVの含有量が0.
3重量%未満であるため電気抵抗が劣っている。比較例
4はVの含有量が3重量%を超えているため最大透磁率
(μm)が低下し、保磁力も高くなっている。
造したが、組成、原料粉の粒径、冷却速度等を変えて製
造した例である。比較例1ではPの含有量が0.1重量
%未満であるため焼結密度が低く、磁束密度(B35)が
劣っている。比較例2ではPの含有量が1重量%を超え
ているため、最大透磁率(μm)が低下し、保磁力(H
c)も高くなっている。比較例3ではVの含有量が0.
3重量%未満であるため電気抵抗が劣っている。比較例
4はVの含有量が3重量%を超えているため最大透磁率
(μm)が低下し、保磁力も高くなっている。
【0020】比較例5ではCoの含有量が60重量%を
超えているため磁束密度(B35)が劣っている。比較例
6ではCoの含有量が40重量%未満であるため磁束密
度(B35)が劣っている。比較例7、比較例8、比較例
9では焼結後の冷却を、それぞれ湯冷、25℃の水によ
る水冷、0℃の水による水冷とし、冷却速度を50℃/
minを超えるものとしたため、いずれも磁気特性が大
きく劣っている。比較例10ではFe−50重量%Co
合金粉の平均粒径を 45 μm を超える粗いものとし
たため焼結密度が低く、磁気特性が劣っている。
超えているため磁束密度(B35)が劣っている。比較例
6ではCoの含有量が40重量%未満であるため磁束密
度(B35)が劣っている。比較例7、比較例8、比較例
9では焼結後の冷却を、それぞれ湯冷、25℃の水によ
る水冷、0℃の水による水冷とし、冷却速度を50℃/
minを超えるものとしたため、いずれも磁気特性が大
きく劣っている。比較例10ではFe−50重量%Co
合金粉の平均粒径を 45 μm を超える粗いものとし
たため焼結密度が低く、磁気特性が劣っている。
【0021】なお、焼結体の焼結密度は93%以上、電
気抵抗は 30 μΩ 以上、磁束密度(B35)は 190
00 G 以上、保磁力(Hc)は 3 Oe 以下、最大
透磁率(μm)は 3000 G/Oe 以上であること
が望ましい。以上の結果から明らかなように、本発明の
方法によって製造した焼結体は、軟磁気特性において低
保磁力、高透磁率であり、電気抵抗も高い。
気抵抗は 30 μΩ 以上、磁束密度(B35)は 190
00 G 以上、保磁力(Hc)は 3 Oe 以下、最大
透磁率(μm)は 3000 G/Oe 以上であること
が望ましい。以上の結果から明らかなように、本発明の
方法によって製造した焼結体は、軟磁気特性において低
保磁力、高透磁率であり、電気抵抗も高い。
【0022】
【発明の効果】本発明は優れた軟磁気特性を有し、従来
のFe−Co合金、Fe−Co−V合金と比較して高密
度化され、電気抵抗も向上し、射出成型法を用いること
により複雑形状で高性能の軟磁気特性を有する軟磁性焼
結体を安定して供給し得るなど工業的に有利である顕著
な効果が認められる。
のFe−Co合金、Fe−Co−V合金と比較して高密
度化され、電気抵抗も向上し、射出成型法を用いること
により複雑形状で高性能の軟磁気特性を有する軟磁性焼
結体を安定して供給し得るなど工業的に有利である顕著
な効果が認められる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/00 303 S 304 38/12
Claims (3)
- 【請求項1】 Coが40〜60重量%、Vが0.3〜
3重量%、Pが0.1〜1重量%、残部が実質的にFe
からなるように配合された粉末及びバインダーからなる
組成物を射出成型し、得られた成型体を脱バインダー処
理し、更に、焼結処理を行った後、該焼結体を徐冷する
ことをすることを特徴とするFe−Co−V−P合金軟
質磁性材料焼結体の製造方法。 - 【請求項2】 成型体徐冷の際の冷却速度を2〜50℃
/minとすることを特徴とする請求項1記載のFe−
Co−V−P合金軟質磁性材料焼結体の製造方法。 - 【請求項3】 粉末の平均粒径が45μm以下であるこ
とを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載のFe
−Co−V−P合金軟質磁性材料焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33949392A JPH06158110A (ja) | 1992-11-27 | 1992-11-27 | Fe−Co−V−P合金軟質磁性材料焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33949392A JPH06158110A (ja) | 1992-11-27 | 1992-11-27 | Fe−Co−V−P合金軟質磁性材料焼結体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06158110A true JPH06158110A (ja) | 1994-06-07 |
Family
ID=18327991
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33949392A Pending JPH06158110A (ja) | 1992-11-27 | 1992-11-27 | Fe−Co−V−P合金軟質磁性材料焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06158110A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019173126A (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-10 | セイコーエプソン株式会社 | 軟磁性粉末および焼結体の製造方法 |
US11450459B2 (en) | 2018-03-29 | 2022-09-20 | Seiko Epson Corporation | Soft magnetic powder and method for producing sintered body |
-
1992
- 1992-11-27 JP JP33949392A patent/JPH06158110A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019173126A (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-10 | セイコーエプソン株式会社 | 軟磁性粉末および焼結体の製造方法 |
US11450459B2 (en) | 2018-03-29 | 2022-09-20 | Seiko Epson Corporation | Soft magnetic powder and method for producing sintered body |
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