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JPH06145588A - 水性コーティング剤用組成物 - Google Patents

水性コーティング剤用組成物

Info

Publication number
JPH06145588A
JPH06145588A JP32762792A JP32762792A JPH06145588A JP H06145588 A JPH06145588 A JP H06145588A JP 32762792 A JP32762792 A JP 32762792A JP 32762792 A JP32762792 A JP 32762792A JP H06145588 A JPH06145588 A JP H06145588A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
weight
meth
acrylate
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32762792A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Kato
稔 加藤
Osamu Kikuchi
修 菊地
Kyoko Sumiya
恭子 角谷
Akio Hiraharu
晃男 平春
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Synthetic Rubber Co Ltd filed Critical Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority to JP32762792A priority Critical patent/JPH06145588A/ja
Publication of JPH06145588A publication Critical patent/JPH06145588A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特に耐久性に優れ、光沢、レベリング性等も
良好な塗工膜を形成しうるアクリル系水性コーティング
剤用組成物を提供する。 【構成】 (1)(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル10〜90重量%、エチレン性不飽和脂肪族カルボ
ン酸5〜30重量%、芳香族基含有不飽和単量体5〜
60重量%、および他の不飽和単量体0〜80重量%
を重合して得られるアクリル系共重合体の水性分散液7
0〜98重量%と、(2)ワックスエマルジョン30〜
2重量%とを含有する水性コーティング剤用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に耐久性に優れたア
クリル系水性コーティング剤用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ビルの内装材を保護するととも
に、その美観を維持・向上させるため、床面等にアクリ
ル系水性コーティング剤で塗工することが広く行われて
いる。しかしながら、従来のアクリル系水性コーティン
グ剤は、耐久性、特に黒ずんだヒールマークの発生に抗
する耐ブラックヒールマーク性や磨滅に抗する耐スカッ
フ性等が十分ではなく、そのため、床面の美観を高いレ
ベルに維持するには、再塗装などのメンテナンスの頻度
を上げざるを得ない。ところが、ビルのメンテナンスを
担う業界では、近年、人手不足、あるいはコスト、人件
費の削減等の面から、省力化が一段と推し進められてお
り、従来のアクリル系水性コーティング剤では、かかる
業界の要請に対応できなくなっている。一方、アクリル
系水性コーティング剤の性能を改善する方法として、水
性コーティング剤用のアクリル系エマルジョンに、ポリ
シロキサンエマルジョンやポリウレタンエマルジョンを
添加することが試みられているが、アクリル系ポリマー
とポリシロキサン、ポリウレタンとの相溶性が十分でな
いため、水性コーティング剤としての十分な性能を達成
することが困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、特
に耐久性に優れ、光沢、レベリング性等も良好な塗工膜
を形成しうるアクリル系水性コーティング剤用組成物を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (1)アルキル基の炭素数が1〜10のアクリル酸ア
ルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエ
ステル10〜90重量%、エチレン性不飽和脂肪族カ
ルボン酸5〜30重量%、下記(イ)および/または
(ロ)から選ばれる芳香族基含有不飽和単量体5〜60
重量%、(イ)下記式(1)で表されるフェニル基含有
不飽和カルボン酸エステル、(ロ)その単独重合体のガ
ラス転移点が105℃以上である芳香族基含有不飽和単
量体、並びに前記〜の単量体と共重合可能な不飽
和単量体0〜80重量%を重合して得られるアクリル系
共重合体の水性分散液と、 (2)ワックスエマルジョンとからなり、各成分の配合
割合が、成分(1)と成分(2)との合計量に対して、
成分(1)70〜98重量%(固形分換算)、成分
(2)30〜2重量%(固形分換算)であることを特徴
とする水性コーティング剤用組成物に関わるものであ
る。
【化1】〔式中、R1は水素原子または炭素数1〜3のア
ルキル基を示し、R2は水素原子、炭素数1〜8のアルキ
ル基、炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基または−CO
OR3 基(但し、R3は水素原子、炭素数1〜8のアルキル
基または炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基であ
る。)を示し、X は−R4−基、−(R4O)m−基または−(R
4O)m−CO−基(但し、R4は炭素数1〜10のアルキレン
基、mは1〜5の整数である。)を示し、nは0または
1である。〕
【0005】以下、本発明を詳細に説明するが、これに
より、本発明の目的、構成および効果が明確になるであ
ろう。本発明の水性コーティング剤用組成物の第1成分
である(1)アクリル系共重合体の水性分散液に使用さ
れるアルキル基の炭素数が1〜10のアクリル酸アル
キルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステル(以
下、これらをまとめて「(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル」という。)としては、例えば(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イ
ソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メ
タ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ア
ミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリ
ル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、
(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸
イソヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリ
ル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、
(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n
−デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル等のほか、ヒ
ドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート
等の置換アルキル基の炭素数が1〜10の置換アルキル
(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。好ま
しい(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブ
チル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリ
ル酸2−エチルヘキシル等である。これらの(メタ)
アクリル酸アルキルエステルは、単独でまたは2種以上
を混合して使用することができる。
【0006】(メタ)アクリル酸アルキルエステル
は、本発明の水性コーティング剤用組成物から形成され
る塗工膜に耐久性、耐水性、密着性等を付与するために
必須の成分であり、その使用量は、〜の単量体の合
計量の10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%
である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用
量が10重量%未満では、(1)アクリル系共重合体の
水性分散液の耐久性、耐水性、密着性等が不十分とな
り、また90重量%を超えると、塗工膜の光沢が低下す
る。
【0007】次に、エチレン性不飽和脂肪族カルボン
酸としては、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メ
サコン酸等の遊離カルボン酸類のほか、マレイン酸、イ
タコン酸等のエチレン性不飽和多価カルボン酸のモノエ
ステル、モノニトリル、モノアミド等の遊離カルボキシ
ル基含有誘導体類を挙げることができる。好ましいエチ
レン性不飽和カルボン酸は、(メタ)アクリル酸であ
る。これらのエチレン性不飽和カルボン酸は、単独で
または2種以上を混合して使用することができる。
【0008】エチレン性不飽和カルボン酸は、塗膜に
耐久性、アルカリ剥離性等を付与し、さらに〜から
なる単量体混合物の乳化重合時における重合安定性と塗
工膜の耐水性とのバランスを高水準に保つために必須の
成分であり、その使用量は、〜の単量体の合計量の
5〜30重量%、好ましくは7〜28重量%である。 (ロ)エチレン性不飽和カルボン酸の使用量が5重量%
未満では、塗工膜の耐久性、アルカリ剥離性が不十分と
なり、また30重量%を超えると、表面平滑度を維持す
るレベリング性が低下する。
【0009】次に、芳香族基含有不飽和単量体のう
ち、(イ)前記式(I)で表されるフェニル基含有不飽
和単量体(以下、「芳香族基含有不飽和単量体(イ)」
という。)は、Xの種類およびnの値により、下式に示
す4つタイプに分けられる。 (a) CH2=CR1COO−Φ−R2 ・・・(I−1) (b) CH2=CR1COO−R4−Φ−R2 ・・・(I−2) (c) CH2=CR1COO−(R4O)m−Φ−R2 ・・・(I−3) (d) CH2=CR1COO−(R4O)m−CO−Φ−R2 ・・・(I−4) (但し、Φはベンゼン環を示す。)
【0010】前記式(I−1)、(I−2)、(I−
3)または(I−4)において、R1の炭素数1〜3のア
ルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基また
はイソプロピル基である。
【0011】また、前記式(1−1)、(1−2)、
(1−3)または(1−4)において、R2の炭素数1〜
8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、
イソアミル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−
ヘプチル基、イソヘプチル基、2−エチルヘキシル基、
n−オクチル基、イソオクチル基等の直鎖状アルキル基
または分岐状アルキル基を挙げることができ、R2の炭素
数1〜8のヒドロキシアルキル基としては、2−ヒドロ
キシエチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、2−ヒ
ドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−
ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒ
ドロキシブチル基、2−ヒドロキシアミル基、3−ヒド
ロキシヘプチル基、4−ヒドロキシヘキシル基、4−ヒ
ドロキシヘプチル基、4−ヒドロキシオクチル基、4−
ヒドロキシ−2−エチルヘキシル基、2,3−ジヒドロ
キシプロピル基、2,3−ジヒドロキシブチル基、2,
4−ジヒドロキシブチル基、3,4−ジヒドロキシブチ
ル基、グリセロール基等を挙げることができ、さらに、
R2の−COOR3 基における水素原子以外のR3としては、水
素原子以外に、前記に例示したような炭素数1〜8の直
鎖状アルキル基あるいは分岐状アルキル基または炭素数
1〜8のヒドロキシアルキル基を挙げることができる。
【0012】なお、式(I)におけるnが2以上の化合
物は、粘度が高過ぎて取扱が煩雑となり、また重合反応
性も低くなる。
【0013】前記式(I−1)で表される単量体として
は、例えばフェニル(メタ)アクリレート、o−メチル
フェニル(メタ)アクリレート、p−t−ブチルフェニ
ル(メタ)アクリレート、p−ヒドロキシフェニル(メ
タ)アクリレート、p−カルボキシフェニル(メタ)ア
クリレート、p−ヒドロキシエチルオキシカルボニルフ
ェニル(メタ)アクリレート等が挙げることができ、前
記式(I−2)で表される単量体としては、例えばベン
ジル(メタ)アクリレート、p−イソプロピルベンジル
(メタ)アクリレート、p−ヒドロキシエチルベンジル
(メタ)アクリレート、p−メトキシカルボニルベンジ
ル(メタ)アクリレート、p−ヒドロキシエチルオキシ
カルボニルベンジル(メタ)アクリレート等を挙げるこ
とができ、また、前記式(I−3)で表される単量体と
しては、例えばフェノキシエチル(メタ)アクリレー
ト、o−メチルフェノキシエチル(メタ)アクリレー
ト、p−t−ブチルフェノキシエチル(メタ)アクリレ
ート、p−ヒドロキシエチルフェノキシエチル(メタ)
アクリレート、p−メチルオキシカルボニルフェノキシ
エチル(メタ)アクリレート、p−ヒドロキシエチルカ
ルボニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェ
ノキシプロピレンオキシド(メタ)アクリレート、p−
t−ブチルフェノールプロピレンオキシド(メタ)アク
リレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、フェノキシペンタエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプ
ロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、さ
らに、前記式(1−4)で表される単量体としては、例
えばエチレングリコール(メタ)アクリレートベンゾエ
ート、エチレングリコール(メタ)アクリレートモノフ
タレート、エチレングリコール(メタ)アクリレートヒ
ドロキシエチルモノフタレート等の混合エステル化合物
を挙げることができる。
【0014】これらの芳香族基含有不飽和単量体(イ)
のうち、好ましい単量体は、ベンジル(メタ)アクリレ
ート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等であ
る。
【0015】また、芳香族基含有不飽和単量体のう
ち、(ロ)その単独重合体のガラス転移点(以下、「T
g」という。)が105℃以上である芳香族基含有不飽
和単量体(以下、「芳香族基含有不飽和単量体(ロ)」
という。)においては、Tgが110℃以上であること
が好ましい。Tgが105℃未満の不飽和単量体では、
例え芳香族基を含有するものであっても、塗膜の耐久性
が不十分となる。なお、前記芳香族基含有不飽和単量体
(イ)は、その単独重合体のTgが105℃以上となる
ことはない。
【0016】本発明におけるTgは、理学電気(株)製
の示差走査熱量分析計(DSC)を用い、次の方法で測
定したものである。 (i) 単独重合体約5gをガラス板上に薄く引延し、
25℃で7日間乾燥して、重合体フィルムを得る。 (ii) この重合体フィルムについて、下記条件でTg
を測定する。 条件:昇温速度 20℃/分 雰囲気 窒素 サンプル量 20mg
【0017】芳香族基含有不飽和単量体(ロ)として
は、例えばα−メチルスチレン、o−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,
5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、
3,5−ジメチルスチレン、p−イソプロピルスチレ
ン、p−n−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレ
ン、スチルベン、p−フェニルスチレン、p−メトキシ
スチレン、p−フェノキシスチレン、p−ニトロスチレ
ン、p−アセトキシスチレン、p−ビニルベンジルアセ
テート、N−フェニルマレイミド、ケイ皮酸等を挙げる
ことができる。
【0018】これらの芳香族基含有不飽和単量体(ロ)
のうち、好ましい単量体は、α−メチルスチレン、N−
フェニルマレイミド等である。
【0019】但し、芳香族基含有不飽和単量体(ロ)の
使用量は、〜の全単量体混合物の50重量%以下で
あることが好ましい。芳香族基含有不飽和単量体(ロ)
の使用量が50重量%を超えると、塗工膜の耐久性や光
沢、重合反応性等が低下する傾向があり、また、水性コ
ーティング剤用組成物中の固形分の熱溶融開始温度の低
下抑制効果が不十分となりがちで、塗工膜の耐候性が低
くなるおそれがある。
【0020】芳香族基含有不飽和単量体(イ)および
(ロ)は、それぞれについて、単独または2種以上を混
合して使用することができ、また芳香族基含有不飽和単
量体(イ)および(ロ)を併用することもできる。
【0021】芳香族基含有不飽和単量体(イ)および/
または(ロ)からなる芳香族基含有不飽和単量体は、
塗工膜に対して耐久性、光沢等を付与するとともに、特
に第2成分であるワックスの添加による、水性コーティ
ング剤用組成物中の固形分の熱溶融開始温度の低下を抑
制するために必須の成分であり、その使用量は、〜
の全単量体混合物の5〜60重量%、好ましくは10〜
55重量%である。芳香族基含有不飽和単量体の使用
量が5重量%未満では、塗工膜の耐久性、光沢等や、水
性コーティング剤用組成物中の固形分の熱溶融開始温度
の低下抑制効果等が不十分となり、また60重量%を超
えると、水性コーティング剤用組成物の造膜性、特に低
温造膜性が低下し、その結果、塗工膜の光沢が不十分と
なる。
【0022】さらに、本発明においては、必要により、
(1)アクリル系共重合体の水性分散液を製造する際
に、前記〜の単量体と共重合可能な不飽和単量体
(以下、「他の単量体」という。)を使用することがで
きる。
【0023】前記他の単量体としては、例えば スチレン;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアク
リロニトリル、α−メトキシアクリロニトリル、シアン
化ビニリデン、クロトンニトリル、マレインニトリル、
フマロニトリル、イタコンニトリル、シトラコンニトリ
ル、メサコンニトリル等のシアン化ビニル系単量体類;
【0024】(メタ)アクリルアミド、N−アミノエチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノメチル
(メタ)アクリルアミド、N−メチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド、エタクリルアミド、ジアセト
ン(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、イタコン
ジアミド、メチルイタコンアミド、マレインジアミド等
のエチレン性不飽和カルボン酸アミド類;
【0025】アリルアルコール、メタリルアルコール、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリ
ル酸1−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、Nーメチロ
ール(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有単量体類;
【0026】酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビ
ニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸(メ
タ)アリル、カプロン酸(メタ)アリル、ラウリン酸
(メタ)アリル、アルキルスルホン酸ビニル、アルキル
スルホン酸(メタ)アリル等のエチレン性不飽和アルコ
ールのエステル類;
【0027】メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、n−プロビルビニルエーテル、イソプロピルビニ
ルエーテル、メチル(メタ)アリルエーテル、エチル
(メタ)アリルエーテル等のエチレン性不飽和エーテル
類;
【0028】(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メ
タ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリ
ル酸ブチルアミノエチル、β−アミノエチルビニルエー
テル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ビニルア
ミン、ビニルメチルアミン、ビニルジメチルアミン、
(メタ)アリルアミン、(メタ)アリルジメチルアミ
ン、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ジ
メチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N−アミ
ノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有単
量体類;
【0029】(メタ)アクリル酸グリシジル、ビニルグ
リシジルエーテル、(メタ)アリルグリシジルエーテル
等のエポキシ基含有単量体類;
【0030】ビニルトリエチルシラン、メチルビニルジ
クロロシラン、ジメチルアリルクロロシラン、ビニルト
リクロロシラン等のエチレン性不飽和シラン類;
【0031】塩化ビニル、塩化ビニリデン、1,2−ジ
クロロエチレン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、1,2
−ジブロモエチレン等のハロゲン化ビニル系単量体類;
【0032】無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シ
トラコン酸等のエチレン性不飽和多価カルボン酸無水物
類;
【0033】1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3
−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、2−ネオペンチル−1,3−ブタジエン、2−クロ
ロ−1,3−ブタジエン、1,2−ジクロロ−1,3−
ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、
2−ブロモ−1,3−ブタジエン、2−シアノ−1,3
−ブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン等の脂肪族
共役ジエン系単量体類等を挙げることができる。
【0034】これらの他の単量体は、単独でまたは2種
以上を混合して使用することができる。また、他の単量
体の使用量は、〜の全単量体混合物の0〜80重量
%である。他の単量体の使用量が80重量%を超える
と、それだけ、本発明における必須成分である〜の
各単量体あるいはそれらの合計使用量が少なくなり、塗
工膜の耐久性、密着性等が低下して、本発明の所期の効
果が十分達成されなくなる。
【0035】本発明における(1)アクリル系共重合体
の水性分散液は、〜の単量体混合物を乳化重合する
ことにより製造することが好ましい。このような乳化重
合は、通常、単量体の合計100重量部に対して、通
常、80〜300重量部の水を使用し、乳化剤および重
合開始剤の存在下で、場合により連鎖移動剤、キレート
化剤、電解質、pH調整剤等を添加して、10〜90°
C、好ましくは40〜85°Cの温度で、1〜30時間
重合することによって行なわれる。乳化重合に際して
は、使用単量体を一括添加、分割添加あるいは連続添加
などの適宜の方法で添加することができ、あるいはアク
リル系共重合体の一部をシード粒子とし、これに残りの
単量体を添加して乳化重合(いわゆるシード重合)を行
ってもよい。前記分割添加あるいは連続添加に際して
は、単量体を重合開始剤等の他の添加成分とともに添加
することができ、また、前記他の添加成分を予め全量添
加しておき、単量体のみを分割あるいは連続して添加す
ることもできる。分割添加あるいは連続添加される単量
体は予め乳化しておくこともできる。乳化重合における
重合転化率は、90〜100重量%、特に95〜100
重量%とすることが好ましい。
【0036】前記乳化重合における乳化剤としては、通
常、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、ま
たはアニオン性界面活性剤−ノニオン性界面活性剤の組
合せが使用されるが、場合により、カチオン性界面活性
剤、両性界面活性剤を使用することもできる。これらの
界面活性剤は親油性基がフッ素化されたフッ素系界面活
性剤であることもできる。
【0037】前記アニオン性界面活性剤には、脂肪酸の
アルカリ金属塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシ
エチレンアルキル(またはポリオキシエチレンアルキル
フェニル)エーテル硫酸塩、脂肪酸(または脂肪酸アル
キルエステル)硫酸エステル塩、アルキル(またはアル
キルアリール)スルホン酸塩、脂肪酸スルホン酸塩、ジ
フェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルスルホこは
く酸エステル塩、ホルマリン縮合ナフタレンスルホン酸
塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンア
ルキル(またはポリオキシエチレンアルキルフェニル)
エーテルリン酸エステル塩等が挙げられ、特にラウリル
硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルフェ
ニル)エーテル硫酸ナトリウム等が好ましい。
【0038】前記ノニオン性界面活性剤には、ポリオキ
シエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエ
ーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル等が挙げられ、通常、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル
が使用される。
【0039】前記カチオン性界面活性剤には、アルキル
アミン塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキ
ルピリジニウム塩等が挙げられる。
【0040】また、前記両性界面活性剤には、ラウリル
ベタイン、ステアリルベタイン等のアルキルベタイン等
が挙げられる。
【0041】また、前記乳化重合において使用すること
ができるフッ素系界面活性剤は、その化学構造は基本的
には通常の界面活性剤と変わるものではなく、その例に
は、親水性基としてカルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸
塩、リン酸塩等の基を有するアニオン性界面活性剤、親
水性基としてポリオキシエチレン基を有するノニオン性
界面活性剤、親水性基としてアミン塩、第四級アンモニ
ウム塩等の基を有するカチオン性界面活性剤、両性界面
活性剤等がある。このようなフッ素系界面活性剤として
は、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロ
アルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エ
ステル、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム
塩、パーフルオロアルキルポリオキシエチレン、パーフ
ルオロアルキルベタイン等が挙げられる。
【0042】さらに、前記乳化重合においては、〜
の単量体と共重合可能な、いわゆる反応性乳化剤、例え
ばスチレンスルホン酸塩、アリルアルキルスルホン酸
塩、アリルアルキルスルホこはく酸塩、ポリオキシエチ
レンアルキル(またはポリオキシエチレンアルキルアリ
ール)アリルグリセリンエーテル硫酸エステル塩等を使
用することもできる。
【0043】乳化剤の好ましい使用量は、単量体の合計
量に対して、通常、0.2〜5重量%であり、好ましく
は0.5〜3重量%である。乳化剤の使用量が少な過ぎ
ると、凝固物が発生するなど乳化重合時の分散安定性が
悪くなり、また多過ぎると、塗工膜の耐水性等が低下す
る傾向がある。
【0044】前記乳化重合において使用することができ
る重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリ
ウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の無機系開始
剤、クメンハイドロパーオキシド、イソプロピルベンゼ
ンハイドロパーオキシド、パラメンタンハイドロパーオ
キシド、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパー
オキシド、ジラウロイルパーオキシド、アゾビスイソブ
チロニトリル、アソビスイソバレロニトリル、アゾビス
イソカプロニトリル、アゾビス(フェニルイソブチロニ
トリル)等の有機系開始剤を挙げることができる。重合
開始剤の使用量は、単量体の合計量に対して、通常、
0.03〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%で
ある。
【0045】また乳化重合を促進させるために、還元
剤、キレート化剤等を添加することもできる。前記還元
剤の例には、ピロ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、グルコース、
ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、L−ア
スコルビン酸およびその塩、亜硫酸水素ナトリウム等が
挙げられ、前記キレート化剤の例には、グリシン、アラ
ニン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム等が挙げられ
る。
【0046】前記乳化重合において使用することができ
る連鎖移動剤としては、2,4−ジフェニル−4−メチ
ル−1−ペンテン成分を好ましくは60重量%以上含有
するα−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン、α
−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、オクチル
メルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシ
ルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、ジメ
チルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲン
ジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィ
ド、テトレメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチ
ルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスル
フィド、ジペンタメチルチウラムジスルフィド等が挙げ
られる。連鎖移動剤の使用量は、通常単量体の合計量に
対して15重量%以下である。
【0047】以上、本発明における(1)アクリル系共
重合体の水性分散液を製造する乳化重合法について説明
したが、この水性分散液は、必要により、少なくとも重
合の最後の段階が乳化重合法以外の重合方法、例えば塊
状重合、溶液重合、沈澱重合、懸濁重合、塊状−懸濁重
合等、により得られるアクリル系共重合体を水性媒質中
に乳化分散させる方法によって製造することもできる。
この場合に使用される乳化剤としては、前述した乳化重
合法に使用されるような各種界面活性剤を挙げることが
できる。
【0048】本発明における(1)アクリル系共重合体
の水性分散液の平均粒径は、通常、30〜200nmで
あり、好ましくは50〜150nmである。アクリル系
共重合体の水性分散液の平均粒径が30nm未満である
と、水性分散液の粘度が高くなりすぎるため、高固形分
とすることが困難となり、その結果、良好な塗工膜が得
られ難くなる場合があり、一方200nmを超えると、
塗工膜の耐水性等が低くなる傾向がある。なお、この平
均粒径は、コールター社製のナノサイザーを用いて測定
したものである。アクリル系共重合体の水性分散液の平
均粒径は、乳化重合時等の攪拌条件、乳化剤の使用量等
を調節することにより制御することができる。
【0049】(1)アクリル系共重合体の水性分散液を
構成するアクリル系共重合体のTgは、通常、−10〜
+150℃である。Tgが−10℃未満であると、水性
コーティング剤用組成物としての耐ブラックヒールマー
ク性が低くなりがちであり、また150℃を超えると、
水性コーティング剤用組成物の造膜性、特に低温造膜性
が低下する傾向がある。
【0050】本発明における(1)アクリル系共重合体
の水性分散液の媒質は、水単独でも、また水とケトン
類、低級アルコール類、エステル類等の水との混和性が
良好な有機溶媒との混合物でもよい。後者の場合、有機
溶媒の使用量は、水に対して45重量%まで可能である
が、水性分散液の分散状態を良好に保つためには、20
重量%以下であることが好ましく、特に5重量%以下が
好ましい。
【0051】(1)アクリル系共重合体の水性分散液
は、(2)ワックスエマルジョンとともに、本発明の水
性コーティング剤用組成物の主成分をなし、床面等の上
に連続塗膜を形成して、保護と美観維持の作用をなすも
のである。
【0052】次に、本発明の水性コーティング剤用組成
物の第2成分である(2)ワックスエマルジョンに使用
されるワックスは、天然ワックスでも合成ワックスでも
よい。これらのワックスとしては、例えばカルナウバろ
う、カンデリラろう、綿ろう等の植物ワックス、蜜ろ
う、羊毛ろう等の動物ワックス、ポリエチレンワックス
またはそのカルボキシル変成ワックス、酸化ポリエチレ
ンワックスまたはそのカルボキシル変成ワックス、ポリ
プロピレンワックスまたはそのカルボキシル変成ワック
ス、酸化ポリプロピレンワックスまたはそのカルボキシ
ル変成ワックス、グリコール変性酸化ポリエチレンワッ
クス、グリコール変性酸化ポリプロピレンワックス、エ
チレン−アクリル酸共重合体ワックス、パラフィンワッ
クス等を挙げることができる。これのワックスは、いず
れも高重合度、高結晶度、高融点のものである。
【0053】これらのワックスは、アニオン性乳化剤、
非イオン性乳化剤等により水中に乳化分散させるか、前
記カルボキシル変成ワックスの場合は、アンモニア、ア
ミン、無機アルカリ等とともに水中に混合分散させるこ
とにより、いわゆるアイオノマー型に自己乳化させて、
エマルジョンに調製される。前記アニオン性乳化剤、ノ
ニオン性乳化剤としては、前記乳化重合の項で述べたア
ニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等を挙げる
ことができる。
【0054】本発明における(2)ワックスエマルジョ
ンの平均粒径は、通常、20〜200nmであり、好ま
しくは30〜150nmである。ワックスエマルジョン
の平均粒径が20nm未満であると、貯蔵安定性が低下
して取扱が煩雑となり、一方200nmを超えると、塗
工膜の耐久性が低下する傾向がある。
【0055】本発明の水性コーティング剤用組成物にお
けるワックスの作用は、塗工膜に作用する衝撃を緩和
し、使用中に形成された塗工膜表面の傷の自己修復性を
付与するものであるが、その一方では、ワックスが配合
されることにより、塗工膜の耐久性が低下する場合があ
る。その主な原因としては、ワックスの添加により、水
性コーティング剤用組成物中の固形分の熱溶融開始温度
が大幅に低下することが挙げられるが、本発明において
は、該固形分の熱溶融開始温度を120〜300℃の範
囲の高い温度に維持することができ、その結果、耐久性
に優れた塗工膜を得ることができるのである。
【0056】本発明における(1)アクリル系共重合体
の水性分散液と(2)ワックスエマルジョンとの配合割
合は、両者の合計量に対して、(1)アクリル系共重合
体の水性分散液が70〜98重量%(固形分換算)、好
ましくは75〜95重量%であり、(2)ワックスエマ
ルジョンが30〜2重量%(固形分換算)、好ましくは
25〜5重量%である。(1)アクリル系共重合体の水
性分散液の配合量が70重量%未満で、(2)ワックス
エマルジョンの配合量が30重量%を超えると、塗工膜
の光沢、レベリング性等が不十分となり、一方(1)ア
クリル系共重合体の水性分散液の配合量が98重量%を
超え、(2)ワックスエマルジョンの配合量が2重量%
未満であると、塗工膜の耐ブラックヒールマーク性が低
下する。
【0057】本発明の水性コーティング剤用組成物中の
固形分の熱溶融開始温度は、通常、120〜300℃、
好ましくは130〜280℃である。熱溶融開始温度が
120℃未満であると、塗工膜の耐ブラックヒールマー
ク性、耐スカッフ性等の耐久性が低下する傾向があり、
また300℃を超えると、水性コーティング剤用組成物
の造膜性、特に低温造膜性が不十分となるおそれがあ
る。
【0058】本発明の水性コーティング剤用組成物中の
固形分の熱溶融開始温度は、成分(1)におけるアクリ
ル系共重合体を構成する単量体の種類と量、および成分
(2)におけるワックスの種類と量を適切に組み合わせ
ることにより、調節することができる。
【0059】本発明の水性コーティング剤用組成物は、
(1)アクリル系共重合体の水性分散液と(2)ワック
スエマルジョンとを予め混合した一液タイプとしても、
または(1)アクリル系共重合体の水性分散液と(2)
ワックスエマルジョンとを分離しておき、使用時に両者
を混合するた二液タイプとしても使用することができ
る。したがって、本発明の水性コーティング剤用組成物
とは、これらの一液タイプおよび二液タイプの両者を包
含するものである。
【0060】本発明の水性コーティング剤用組成物は、
(1)アクリル系共重合体の水性分散液および(2)ワ
ックスエマルジョンを必須成分とするものであるが、必
要に応じて、各種添加剤を配合することができる。この
ような添加剤としては、(3)アルカリ可溶性樹脂、
(4)造膜助剤または可塑剤、(5)湿潤剤、乳化剤ま
たは分散剤、(6)多価金属化合物等が挙げられる。本
発明における(1)アクリル系共重合体の水性分散液
は、前記各種添加剤に対するバインダーとしても機能す
るものである。
【0061】前記(3)アルカリ可溶性樹脂は、本発明
の水性コーティング剤用組成物のレベリング性を向上さ
せるとともに、塗工膜のアルカリ剥離性を改善する作用
を示す。該アルカリ可溶性樹脂としては、例えばスチレ
ン−マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸系重合
体、ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、カルボ
キシメチルセルロース、シェラック、ロジン変性マレイ
ン酸樹脂等を挙げることができる。これらのアルカリ可
溶性樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用する
ことができる。
【0062】前記(4)造膜助剤または可塑剤は、本発
明の水性コーティング剤用組成物の造膜性を向上させる
とともに、レベリング性を改善する作用を示す。該造膜
助剤としては、例えばジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールジエチルエーテル等のジエチレングリコールモ
ノ(またはジ)アルキルエーテル類;ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテルアセテート等のジエチレングリ
コールモノアルキルエーテルアセテート類;エタノー
ル、イソブタノール、t−ブタノール等のアルコール類
等が挙げられ、また該可塑剤としては、例えばトリブト
キシメチルフォスフェート、2−エチルヘキシルジフェ
ニルフォスフェート等のアルキルリン酸エステル類;ト
リクレジルフォスフェート等のアリールリン酸エステル
類;ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等のジ
アルキルフタレート類;ジフェニルフタレート等のジア
リールフタレート類等を挙げることができる。これらの
造膜助剤または可塑剤は、単独でまたは2種以上を混合
して使用することができる。
【0063】前記(5)湿潤剤、乳化剤または分散剤
は、本発明の水性コーティング剤用組成物の分散安定性
や該組成物と被塗工面との濡れ性を改善する作用を示
す。これらの湿潤剤、乳化剤または分散剤としては、例
えば炭素数12〜18の高級脂肪酸の塩(例えばナトリ
ウム塩、カリウム塩、アミン塩、アンモニウム塩等)、
各種ノニオン界面活性剤等を挙げることができる。これ
らの湿潤剤、乳化剤または分散剤は、単独でまたは2種
以上を混合して使用することができる。
【0064】前記(6)多価金属化合物は、本発明の水
性コーティング剤用組成物中のアクリル系共重合体との
イオン結合による架橋効果によって、強靱な塗工膜を形
成し、耐ブラックヒールマーク性、耐スカッフ性等を改
善する作用を示す。該多価金属化合物は、使用時に、例
えば亜鉛、ニッケル、チタン、ジルコニウム、マグネシ
ウム、カルシウム、アルミニウム等の多価金属の酸化
物、塩等を炭酸、酢酸等の酸に溶解するか、あるいはこ
れらの溶液をアンモニア、アミン等によりpH7〜11
に調節して、使用される。これらの多価金属化合物は、
単独でまたは2種以上を混合して使用することができ
る。
【0065】また、本発明の水性コーティング剤用組成
物には、場合により、防腐・防カビ剤、消泡・抑泡剤、
難燃剤、老化防止剤、光安定剤、着色剤、芳香剤等の他
の添加剤を配合することもできる。
【0066】さらに、本発明の水性コーティング剤用組
成物には、所望により、天然ゴムラテックス、スチレン
ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリルブタジエ
ンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス等のゴ
ムラテックス、ポリウレタンエマルジョン、ポリ塩化ビ
ニル系エマルジョン、ポリスチレン系エマルジョン等の
樹脂エマルジョン等を混合することもでき。
【0067】本発明の水性コーティング剤用組成物の好
ましい配合組成は、次のとおりである。 (1)アクリル系共重合体の水性分散液 70〜98重量部(固形分換算) (2)ワックスエマルジョン 30〜2重量部(固形分換算) (3)アルカリ可溶性樹脂 0〜50重量部 (4)造膜助剤または可塑剤 5〜50重量部 (5)湿潤剤、乳化剤または分散剤 0.05〜15重量部 (6)多価金属化合物 0〜10重量部 但し、(1)+(2)=100重量部。
【0068】以下実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えな
い限り、これらの実施例に何ら制約されるものではな
い。ここで、部は重量に基づく。
【実施例】
実施例1〜3、比較例1〜6水性分散液の製造 攪拌機、コンデンサー、温度計および滴下ロートを備え
たガラス製反応容器(容量3リットル)に、脱イオン水
100部、ラルリル硫酸ナトリウム1部、過硫酸アンモ
ニウム0.5部を仕込み、内部空気を窒素で置換したの
ち、攪拌下で、内部温度を65℃に上げて反応成分を溶
解させた。その後、別に脱イオン水50部、ラウリル硫
酸ナトリウム1部および表1に示す単量体を攪拌混合し
て調製した乳化物を、窒素を導入しつつ反応温度を80
℃に保って、前記反応容器内に3時間掛けて連続滴下し
た。滴下終了後、85℃でさらに2時間攪拌したのち、
25℃に冷却して、水性分散液を得た。得られた水性分
散液の重合転化率は、いずれも98重量%以上であり、
凝固物の生成もほとんど認められなかった。
【0069】水性コーティング剤用組成物の調製 前記で得た各水性分散液を用いて、下記処方(固形分換
算)で水性コーティング組成物を調製した。 水性分散液(*1) 変量 ワックスエマルジョン(*2) 変量 アルカリ可溶性樹脂(*3) 5 部 フッ素系界面活性剤(*4) 0.5部 多価金属化合物(*5) 3.5部 (*1) 各水性分散液に、トリブトキシエチルフォス
フェート/カルビトール=1/4(重量比)の割合で混
合した造膜助剤を配合して、最低造膜温度を5℃に調節
したのち、脱イオン水を添加して、固形分を15重量%
に調整した。 (*2) 表1に示すワックスを用い、固形分15重量
%のワックスエマルジョンを、固形分換算で表1に示す
量となるように配合した。東邦化学(株)製HYTEC
E−4B(商品名) (*3) アルコ・ケミカル(ARCO Chemic
al)社製スチレン−マレイン酸共重合体(酸価22
0、分子量1900、商品名SMA−2625A)を固
形分15重量%に調整して配合した。 (*4) (株)住友3M製FC−129(商品名)を
固形分1重量%に調整した配合した。 (*5) 酸化亜鉛 14重量% 炭酸アンモニウム 12重量% アミノ酢酸 20重量% アンモニア水 30重量% 脱イオン水 24重量% を混合溶解したもの。
【0070】水性コーティング剤用組成物の評価 熱溶融開始温度:(株)島津製作所製フローテスターC
FT−500Aを用い、荷重100Kgf 、昇温速度6℃
/分、ノズル径1mm、ノズル長さ1mmの測定条件
で、各水性コーティング剤用組成物の流動速度を測定
し、流動速度が0.002ミリリットル/秒に達する温
度を熱溶融開始温度とした。
【0071】耐ブラックヒールマーク性:各水性コーテ
ィング剤用組成物を、均質タイル面上に1m2 当たり1
0gの塗布量で塗布したのち乾燥させる操作を3回繰り
返して、サンプルを作製した。このサンプルを、10日
間、人通りの多い場所に設置し、発生したブラックヒー
ルマークの程度を目視で観察し、下記基準で評価した。 ○ ブラックヒールマークがほとんど認められない。 △ ブラックヒールマークが若干発生。 × ブラックヒールマークが多い。
【0072】耐スカッフ性:耐ブラックヒールマーク性
の評価と同様にして作製、設置したサンプルのスカッフ
の程度を目視で観察し、下記基準で評価した。 ○ スカッフがほとんど認められない。 △ スカッフが若干発生。 × スカッフが多い。
【0073】光沢:耐ブラックヒールマーク性の評価と
同様にして作製、設置したサンプルの60°反射率を、
村上式光沢計により測定した。
【0074】レベリング性:各水性コーティング剤用組
成物を、均質タイル面上に1m2 当たり10gの塗布量
で塗布したのち、直ちにX状に細溝の対角線を引いて乾
燥させる操作を3回繰り返して、サンプルを作製した。
このサンプルの最終乾燥後に、対角線が消失して表面が
平滑化される程度により、下記基準で評価した。 ○ 対角線がほとんど消える。 △ 対角線がやや残る。 × 対角線が明瞭に残る。 以上の評価結果を、各水性コーティング組成物の組成と
ともに、表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】表1から明らかなように、本発明の水性コ
ーティング剤用組成物から得られる塗工膜は、耐ブラッ
クヒールマーク性、耐スカッフ性、光沢およびレベリン
グ性がいずれも優れている。これに対して、ワックスエ
マルジョンの配合量が少ない場合(比較例1)は、特に
耐ブラックヒールマーク性が低下し、ワックスエマルジ
ョンの配合量が多過ぎる場合(比較例2)は、特に耐ス
カッフ性およびレベリング性が低下し、芳香族基含有
不飽和単量体を使用しない場合(比較例3)は、特に光
沢およびレベリング性が低下し、また芳香族基含有不
飽和単量体の使用量が多過ぎる場合(比較例4)は、特
に耐ブラックヒールマーク性および耐スカッフ性が低下
する。
【0077】
【発明の効果】本発明の水性コーティング剤用組成物
は、耐ブラックヒールマーク性、耐スカッフ性等の耐久
性や、光沢、レベリング性等の諸性質に優れた塗工膜を
形成することができる。したがって、本組成物は、ビル
の床面等のコーティング剤として、長期にわたり高品質
の塗工面を維持することができるため、近年問題となっ
ている床面等のメンテナンス作業を大幅に削減すること
が可能となり、メンテナンス業界の省力化、経費節減等
に資するところが大きい。
フロントページの続き (72)発明者 平春 晃男 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)アルキル基の炭素数が1〜10
    のアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリ
    ル酸アルキルエステル10〜90重量%、エチレン性
    不飽和脂肪族カルボン酸5〜30重量%、下記(イ)
    および/または(ロ)から選ばれる芳香族基含有不飽和
    単量体5〜60重量%、(イ)下記式(I)で表される
    フェニル基含有不飽和カルボン酸エステル、(ロ)その
    単独重合体のガラス転移点が105℃以上である芳香族
    基含有不飽和単量体、並びに前記〜の単量体と共
    重合可能な不飽和単量体0〜80重量%を共重合して得
    られるアクリル系共重合体の水性分散液と、 (2)ワックスエマルジョンとからなり、各成分の配合
    割合が、成分(1)と成分(2)との合計量に対して、
    成分(1)70〜98重量%(固形分換算)、成分
    (2)30〜2重量%(固形分換算)であることを特徴
    とする水性コーティング剤用組成物。 【化1】 〔式中、R1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基
    を示し、R2は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭
    素数1〜8のヒドロキシアルキル基または−COOR3
    (但し、R3は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基また
    は炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基である。)を示
    し、X は−R4−基、−(R4O)m−基または−(R4O)m−CO−
    基(但し、R4は炭素数1〜10のアルキレン基、mは1
    〜5の整数である。)を示し、nは0または1であ
    る。〕
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0860102A (ja) * 1994-08-23 1996-03-05 Johnson Kk フロアーポリッシュ用組成物
JP2015038163A (ja) * 2011-09-22 2015-02-26 富士ゼロックス株式会社 透明保護膜
US20150232642A1 (en) * 2014-02-18 2015-08-20 Xerox Corporation Polymeric nanoparticles comprising turmeric
CN116770634A (zh) * 2022-03-18 2023-09-19 赛登化学株式会社 拒水涂料组合物

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