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JPH06145198A - 大豆トリプシンインヒビターの製造方法 - Google Patents

大豆トリプシンインヒビターの製造方法

Info

Publication number
JPH06145198A
JPH06145198A JP10587292A JP10587292A JPH06145198A JP H06145198 A JPH06145198 A JP H06145198A JP 10587292 A JP10587292 A JP 10587292A JP 10587292 A JP10587292 A JP 10587292A JP H06145198 A JPH06145198 A JP H06145198A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
whey
trypsin inhibitor
concentration
soybean
activity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10587292A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Takamatsu
高松清治
Kiyoshi Ishii
清 石井
Tadahisa Shimoda
下田忠久
Kazuhisa Kumami
熊見和久
Yoshimasa Matsumoto
松本吉正
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHOKUHIN SANGYO HIGH SEPAREESHIYON SYST GIJUTSU KENKYU KUMIAI
Original Assignee
SHOKUHIN SANGYO HIGH SEPAREESHIYON SYST GIJUTSU KENKYU KUMIAI
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHOKUHIN SANGYO HIGH SEPAREESHIYON SYST GIJUTSU KENKYU KUMIAI filed Critical SHOKUHIN SANGYO HIGH SEPAREESHIYON SYST GIJUTSU KENKYU KUMIAI
Priority to JP10587292A priority Critical patent/JPH06145198A/ja
Publication of JPH06145198A publication Critical patent/JPH06145198A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明者らは、大豆トリプシンインヒビターを
高収率で且つ高純度で工業的に生産可能な製造方法を目
的とした。 【構成】大豆ホエーをpH5.0〜8.5に調整し,5
0°C以下の温度において,分画分子量10000〜4
0000の限外濾過膜を用いて,濃縮および透析濾過
し,粗蛋白含有量を80%以上とした濃縮洗浄液を得る
第1工程と,該濃縮洗浄液を陰イオン交換体に添加し,
トリプシンインヒビター活性を吸着せしめ,塩濃度0.
10M以下にて不純物を洗浄除去したのち塩濃度を0.
1M以上にあげて活性画分を得る第2工程を含む大豆ト
リプシンインヒビターの製造方法。 【効果】本発明により、大豆トリプシンインヒビターを
高収率で且つ高純度で工業的に生産可能な製造方法が可
能になったものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は大豆ホエーから高純度の
トリプシンインヒビターを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大豆に含まれる生理活性物質のなかで
も,トリプシンインヒビターは古くより,研究され、既
に,Kunitz型及びBBI型の2種の存在が明らか
になっている。又、その用途についても、抗癌作用、抗
炎症作用(特開昭62─177441号公報)等の生理
機能、魚肉摺身のゲル強化等の食品加工、アフィニティ
ークロマトグラフィー用担体などが知られている。一般
に、大豆トリプシンインヒビターの製造方法は、実験室
レベルでの精製方法として、溶剤分画、塩析、吸着、イ
オン交換、ハイドロフォービッククロマトグラフィー,
逆相クロマトグラフィー,アフィニティークロマトグラ
フィー、ゲル濾過等の組み合わせにより種々の精製法が
提案されているが、その反面、工業的に実施可能な高純
度大豆トリプシンインヒビターの製造方法は知られてい
ない。大豆に存在するトリプシンインヒビターは分子量
約20000のKunitz型及び分子量約8000の
BBI型が主体であるがこれらはアルブミン類に属する
蛋白性トリプシンインヒビターであり、大豆を水抽出
し、濾過した後、酸を加えてグロブリン蛋白質を等電点
沈殿させて得たホエー画分には大量のトリプシン阻害活
性が含まれる。一方,大豆ホエーは一般に糖類,塩類及
び蛋白質を含有しているが,固形物の含有量は数%程度
である上,固形物中の蛋白質は20%程度と比較的低
い。従って,大豆ホエー蛋白の有効利用において,その
濃縮,糖や塩類の除去が必須工程であり,とりわけ,膜
濃縮は有効な手段であると考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、膜濃
縮法による大豆トリプシンインヒビターの分離精製に関
する検討は少なく,また,酸沈ホエーを用いたJ.Ag
ric.Food Chem.35,967−971
(1987)等の報告においても、純度や菌汚染の点で
問題が残されている。本発明者らは、大豆トリプシンイ
ンヒビターを高収率で且つ高純度で工業的に生産可能な
製造方法を目的とした。
【0004】
【発明の構成】本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭
意研究した結果、大豆ホエーを限外濾過濃縮及び透析濾
過する工程とそれに引き続いて陰イオン交換体に活性を
吸着せしめたのち溶出させることによって、高い活性回
収率で高純度の大豆トリプシンインヒビターを得ること
が可能であることを見出して、本発明を完成するに到っ
た。
【0005】即ち、本発明は、大豆ホエーをpH5.0
〜8.5に調整し,50°C以下の温度において,分画
分子量10000〜40000の限外濾過膜を用いて,
濃縮および透析濾過し,粗蛋白含有量を80%以上とし
た濃縮洗浄液を得る第1工程と,該濃縮洗浄液を陰イオ
ン交換体に添加し,トリプシンインヒビター活性を吸着
せしめ,塩濃度0.10M以下にて不純物を洗浄除去し
たのち塩濃度を0.1M以上にあげて活性画分を得る第
2工程を含む大豆トリプシンインヒビターの製造方法、
である。
【0006】本発明の第1工程は、大豆製品製造工程に
おいて得られる大豆ホエーをトリプシンインヒビター活
性が安定で,且つ大豆ホエー成分の不溶化が起きないp
H並びに温度条件に調製し、限外濾過膜にて濾過並びに
透析濾過することによって蛋白成分特に大豆トリプシン
インヒビター活性成分を濃縮すると共に、低分子成分、
とりわけ、糖類や塩類を除去することにあり、本発明の
第2工程は、更に、陰イオン交換基を結合した多糖類製
担体を充填し緩衝液にて平衡化したカラムを用い、第1
工程にて得た濃縮洗浄した大豆ホエーを添加したのち、
塩濃度を順次上昇させて、不純物を除去し、次いでトリ
プシンインヒビター活性画分を回収することにあり、本
発明はこれら第1工程及び第2工程を含むことによって
高純度大豆トリプシンインヒビターの製造が可能となる
ものである。
【0007】本発明に用いる大豆ホエーは,丸大豆又は
脱脂大豆を水または温水にて抽出して,豆乳を作成し,
酸または塩を添加することによって蛋白質を凝固または
沈澱させて得られるもので、工業的には分離大豆蛋白等
の製造工程中に得られるものを用いることができる。
【0008】第1工程に大豆ホエーを供与する当たり,
その前処理として,殺菌及び除粒子工程を加えることが
できる。例えば,口径0.1〜0.45マイクロmの濾
過膜処理を用いることが出来るが,第1工程完了後の濃
縮洗浄液においても同様の濾過膜処理を行うことも出来
る。工業的生産における連続運転を可能にする目的にお
いて,装置の殺菌洗浄が必要であり,特に後述の第1工
程における限外濾過膜は耐熱性や耐薬品性が要求され
る。本発明においてこれら限外濾過膜はポリスルホン,
ポリエーテルスルホン,等の素材で作られた膜を用いる
ことが可能である。
【0009】本発明の第1工程において、大豆ホエーを
限外濾過膜処理する。大豆ホエーはpH5.0〜8.
5,好ましくは5.5〜8.0の領域に調整することが
適当である。大豆ホエーの濁り成分の主体がKunit
z型トリプシンインヒビターであり,その変性に伴い濁
り成分を形成すると共にその活性を失うこと及び,運転
温度の上昇に伴い,変性が進行することが判明し,同時
に大豆ホエーの膜濃縮時の液性においてもpH5以上、
pH8.5以下の範囲で大豆トリプシンインヒビターが
安定で且つ不溶物の形成が少なく,更には,ホエー成分
の変性による着色反応を抑制できることができるからで
ある。
【0010】大豆ホエーを限外濾過膜処理する温度は5
0°C以下、好ましくは30°C以下が適当である。通
常、常温付近で行うことができる。
【0011】本発明に用いる限外濾過膜は分画分子量1
0000〜40000が適当である。本発明における第
1工程で使用する限外濾過膜の分画分子量としては実質
的に蛋白成分を保持可能であれば用いることが可能であ
る。大豆トリプシンインヒビターの分子量がKunit
z型分子量約20000,BBI型分子量約8000と
報告があるが、本発明者の検討によればそれらは会合体
を形成していると考えられ,分画分子量が10000〜
40000,好ましくは20000〜30000が使用
可能である。
【0012】本第1工程においては濃縮倍率を10倍以
上とした上で,適宜加水して,透析濾過し,濃縮物中固
形物に占める粗蛋白質含有量が80%以上になった時点
をもって工程完了とすることができる。第2工程処理す
るに当たり粗蛋白質含有量が80%以上が効率的だから
である。
【0013】又、本発明に用いる限外濾過膜の形状は中
空糸型,平膜型,管状型,スパイラル型等が採用可能で
あるが,本発明においては,サニタリー性が要求され,
濃縮倍率が大きく,溶質による膜汚染が透過流束の経時
低下を起こす本用途に於いては,構成要素が少なく,構
造が簡単で保持容量も少なく,特に逆透過洗浄が可能で
ある点で中空糸が適当である。又、限外濾過膜の内径は
一般的には運転時の圧力損失及び入口圧力を考慮して決
定するが,本用途に於いては,膜透過流束の操作圧力依
存性は1〜1.5kfg/平方cmで略飽和して,それ
以上の圧力は殆ど透過流束の増加に寄与せず,効果が少
ない。
【0014】従って,膜モジュールの出口圧力を1〜
1.5kfg/平方cmに保ち,入口圧力は3kfg/
平方cm程度以下,即ち,膜モジュール内の流動圧損を
2kfg/平方cm以下に抑えることが好ましい。流動
圧損は,層流領域においては,流量に比例し,中空糸内
径の4乗に逆比例する。従って,流動圧損を少なくする
には流量を少なくするか,中空糸内径を大きくするかで
あるが,膜の透過流束は膜面線速と正の相関関係にあ
り,被処理液の特性による限度が存在する。
【0015】本発明に於いては1m/sec以上の膜面
線速を保持することが好ましく,従って,流動圧損を2
kfg/平方cm程度以下に抑制する為には,中空糸内
径を大きくする事が好ましい。本発明において、中空糸
内径を0.8mm以上,好ましくは1mm以上とするこ
とによって,出口圧力1kfg/平方cm以上,且つ,
入口圧力3kfg/平方cm以下で大豆ホエーを20倍
まで濃縮することが可能である。尚,中空糸内径を必要
以上に大きくすると,必要な膜面線速を保持する為に流
量を内径の2乗に比例して増加させる必要が生じるし,
モジュールの容積も内径に比例して増加するので,1.
5mm以上は不経済である。
【0016】本発明の第2工程におけるイオン交換クロ
マトグラフィには陰イオン交換基を結合した担体を用い
ることができる。陰イオン交換基としてはジエチルアミ
ノエチル基等の3級アミン誘導体や4級アミン誘導体が
適当である。担体としては,蛋白質に対して低吸着であ
る親水性多糖類や合成ポリマーが使用可能であるが,親
水性多糖類が吸着の安定性において優れている。多糖類
系担体としては,セルロース,デキストラン,アガロー
スキチン及びそれらの修飾化合物並びに架橋を施した化
合物が利用可能であり,合成ポリマーにおいてはポリス
チレン,ジビニルベンゼン,ポリアクリルアミド等から
適宜選択可能である。
【0017】イオン交換クロマトグラフィーにおけるカ
ラム容量及び形状においては,濃縮大豆ホエー溶液の添
加量に応じて適宜設定可能であるが,通常,添加濃縮大
豆ホエー溶液蛋白10〜100mgあたり1ミリリット
ルの担体量が用いられる。また,通液速度は10〜30
0cm/sが用いられるが,濃縮大豆ホエー溶液の添加
においてはその粘度を考慮すれば,10〜100cm/
sが好ましい。カラム耐圧においてはそれに充填する担
体の強度に対応して選択することが出来,例えば,多糖
類系の担体を用いる場合には3kg/平方cm以下が好
ましい。
【0018】用いる緩衝液は中性領域を中心として緩衝
能力を保持するものであれば使用可能である。pH範囲
としては6〜8,濃度は0.10M以下であれば良く,
例えば,燐酸及びその塩, クエン酸及びその塩, マレイ
ン酸及びその塩, ピロ燐酸及びその塩,炭酸及びその
塩,グリシン,トリスアミノヒドロキシアミノメタン並
びにそれらの酸及び塩の組み合わせが適宜採用できる。
また,緩衝液に添加する塩は,塩化ナトリウム,塩化カ
リウム,硫酸アンモニウム,燐酸ナトリウム等を単品ま
たは組み合わせて用いることができる。
【0019】第2工程を例示して具体的に説明する。ま
ず、第1工程にて得た濃縮洗浄ホエーを適宜pH調整
し,カラムに添加する。この際,濃縮洗浄ホエーは必要
に応じて,遠心分離や膜濾過により,不溶化した成分の
除去や除菌を行う前処理を施すこともできる。次に,濃
度が0.1M以下になるように塩を添加した緩衝液でカ
ラムを洗浄する。本工程により,大豆ホエー画分に含有
される分子量約30000の不純蛋白を溶出することが
でき,また,UV領域に吸収を持つ不純成分も溶出でき
る。
【0020】大豆トリプシンインヒビター活性の回収は
塩濃度を更に増加させて0.15M以上で行うが,その
増加方式としては例えば,大豆トリプシンインヒビター
活性を保持する各成分を分離して回収する場合には連続
濃度勾配を用いることができ,一括して回収する場合に
おいては段階的濃度増加を用いることができる。
【0021】本発明において、陰イオン交換体より得ら
れる活性画分の蛋白質当たりの大豆トリプシンインヒビ
ター含有率は80%以上が適当である。
【0022】回収した大豆トリプシンインヒビターは用
途に応じ,液状または乾燥して用いうるが,更に,限外
濾過による濃縮並びに脱塩工程や膜濾過による除菌等の
工程を組み合わせて用いることも出来る。尚、カラムの
殺菌洗浄再生においては,カラム担体に依存するもので
ある。通常,多糖類系担体においては,アルカリ溶液,
アルカリを含有するところの温水等が用いられるが,用
途に応じて設定することができる。
【0023】尚、本発明において大豆トリプシンインヒ
ビターの活性測定はKakadeらの方法に準じて行
い,活性単位は1分間に1マイクロモルのp−nitr
oanilineの生成するトリプシン活性を1トリプ
シン単位とし,2単位のトリプシン活性を50%阻害す
る量を1トリプシン阻害単位(unit)とした。ま
た,蛋白量の測定はミクロケルダール法及び280nm
における吸光度を用いた。純度検定においては,SDS
─電気泳動法及びTSK3000PWXLカラムを用い
たゲル濾過法を用いた。
【0024】
【実施例】以下実施例により本発明の実施態様を説明す
る。 実施例1 大豆ホエー21kg(総トリプシンインヒビター活性3
1200unit,粗蛋白含有量16.1%(乾物当た
り))を中空糸限外濾過膜モジュール(ダイセル化学株
式会社製 HS3(分画分子量20000,糸内径0.
8mm,面積0.28平方m))を用いて,pH6.0,
温度20°Cで20倍に濃縮し,次いで,3倍希釈し3
倍濃縮する工程を3回繰り返して,濃縮洗浄ホエー1k
gを得た。24800unitの活性が回収され,活性
回収率は80%であった。粗蛋白含有量94.8%〔乾
物当たり〕であった。透過流束は20倍濃縮時で10リ
ットル/平方m・ h ,平均流束は20リットル/平方m
・ h であった。濃縮洗浄ホエー900gは8000rp
m10分間遠心し,得た上澄み液に20%苛性ソーダ溶
液を加えて,pHを7.2に調節し,10mM燐酸ナト
リウム緩衝液pH7.2にて平衡化したファルマシア社
製Q−Sepharose Fast Flowイオン
交換体500ミリリットルを充填した内径5cm高さ3
0cmのカラムに25cm/hrで添加した。サンプル
添加終了後に線速100cm/hrで最初に1500ミ
リリットルの0.075Mの食塩を含む10mM燐酸ナ
トリウム緩衝液pH7.2を通液し,ついで,1500
ミリリットルの0.30Mの食塩を含む10mM燐酸ナ
トリウム緩衝液pH7.0を通液し,更に1500ミリ
リットルの0.50Mの食塩を含む10mM燐酸ナトリ
ウム緩衝液pH7.2を通液した。蛋白質の溶出状態を
紫外吸収度を測定することによりモニターした。トリプ
シンインヒビター活性を含有する蛋白のピークは0.3
0Mの食塩を含む10mM燐酸ナトリウム緩衝液pH
7.2を500ミリリットル添加した時点から溶出さ
れ,活性画分として900ミリリットルを採取した。得
られた活性は19000unitで,回収率はクロマト
工程においては85.1%,大豆ホエーからの回収率は
67.7%であった。SDS電気泳動による純度分析で
はKunitz型及びBBI型を併せて,蛋白質中の9
0%であった。
【0025】実施例2 実施例1で用いたと同様の大豆ホエー25kgをpH
6.0に調整し,中空糸濾過膜モジュール(ダイセル化
学株式会社製 HS5(孔径0.40マイクロm,糸内
径1.5mm,面積0.2平方m))を用いて,濾過滅
菌し,その濾液21.2kg(総トリプシンインヒビタ
ー活性45600unit,粗蛋白含有量15.5%
〔乾物当たり〕)を中空糸限外濾過膜モジュール(ダイ
セル化学株式会社製 HS4(分画分子量20000,
糸内径1.0mm,面積0.28 平方m))を用い
て,pH6.0,温度摂氏20度で20倍に濃縮し,次
いで,3倍希釈し3倍濃縮する工程を3回繰り返して,
濃縮洗浄ホエー1kgを得た。24000unitの活
性が回収され,活性回収率は52.6%であった。粗蛋
白含有量87.8%(乾物当たり)であった。
【0026】実施例3 実施例1と同様にして得た濃縮洗浄ホエー200ミリリ
ットルを8000rpm10分間遠心し,得た上澄み液
(活性5100unit含有)に苛性ソーダをくわえ,
pHを7.0に調節し,10mM燐酸ナトリウム緩衝液
pH7.0にて平衡化したファルマシア社製Q−Sep
harose Fast Flowイオン交換体100
ミリリットルを充填した内径2.2cm高さ25cmの
カラムに80cm/hrで添加した。サンプル添加終了
後に線速100cm/hrで最初に300ミリリットル
の0.050Mの食塩を含む10mM燐酸ナトリウム緩
衝液pH7.0を通液し,ついで,300ミリリットル
の0.05Mの食塩を含む10mM燐酸ナトリウム緩衝
液pH7.0と300ミリリットルの0.25Mの食塩
を含む10mM燐酸ナトリウム緩衝液pH7.0により
直線濃度勾配を作成して通液し,更に100ミリリット
ルの0.50Mの食塩を含む10mM燐酸ナトリウム緩
衝液pH7.0を通液した。蛋白質の溶出状態は紫外吸
収度を測定することによりモニターした。トリプシンイ
ンヒビター活性を含有する蛋白のピーク200ミリリッ
トルを採取した。得られた活性は3400unitで回
収率は67%であり,SDS電気泳動による純度分析で
はKunitz型及びBBI型を併せて,蛋白質中の9
5%であった。
【0027】実施例4 実施例1と同様にして得た濃縮洗浄ホエー200ミリリ
ットルを8000rpm10分間遠心し,得た上澄み液
190ミリリットル(活性6610unit含有)に苛
性ソーダを加え,pHを7.0に調節し,10mM燐酸
ナトリウム緩衝液pH7.0にて平衡化したファルマシ
ア社製DEAE−Sepharose Fast Fl
owイオン交換体100ミリリットルを充填した内径
2.2cm高さ25cmのカラムに40cm/hrで添
加した。サンプル添加終了後に線速100cm/hrで
最初に300ミリリットルの0.050Mの食塩を含む
10mM燐酸ナトリウム緩衝液pH7.0を通液し,つ
いで,300ミリリットルの0.05Mの食塩を含む1
0mM燐酸ナトリウム緩衝液pH7.0と300ミリリ
ットルの0.25Mの食塩を含む10mM燐酸ナトリウ
ム緩衝液pH7.0により直線濃度勾配を作成して通液
し,更に100ミリリットルの0.50Mの食塩を含む
10mM燐酸ナトリウム緩衝液pH7.0を通液した。
蛋白質の溶出状態は紫外吸収度を測定することによりモ
ニターした。トリプシンインヒビター活性を含有する蛋
白のピーク200ミリリットルを採取した。得られた活
性は3860unitで回収率は58%であり,SDS
電気泳動による純度分析ではKunitz型及びBBI
型を併せて,蛋白質中の95%であった。
【0028】実施例5 実施例1と同様にして得た濃縮洗浄ホエー200ミリリ
ットルを8000rpm10分間遠心し,得た上澄み液
190ミリリットル(活性5400unit含有)に苛
性ソーダを加え,pHを7.0に調節し,10mM燐酸
ナトリウム緩衝液pH7.0にて平衡化した生化学工業
社製DEAE−CellulofineDE型イオン交
換体100ミリリットルを充填した内径2.2cm高さ
25cmのカラムに90cm/hrで添加した。サンプ
ル添加終了後に線速110cm/hrで最初に300ミ
リリットルの0.050Mの食塩を含む10mM燐酸ナ
トリウム緩衝液pH7.0を通液し,ついで,300ミ
リリットルの0.05Mの食塩を含む10mM燐酸ナト
リウム緩衝液pH7.0と300ミリリットルの0.2
5Mの食塩を含む10mM燐酸ナトリウム緩衝液pH
7.0により直線濃度勾配を作成して通液し,更に10
0ミリリットルの0.25Mの食塩を含む10mM燐酸
ナトリウム緩衝液pH7.0を通液した。蛋白質の溶出
状態は紫外吸収度を測定することによりモニターした。
トリプシンインヒビター活性を含有する蛋白のピーク2
00ミリリットルを採取した。得られた活性は3550
unitで回収率は66%であり,SDS電気泳動によ
る純度分析ではKunitz型及びBBI型を併せて,
蛋白質中の97%であった。
【0029】実施例6 実施例1と同様にして得た濃縮洗浄ホエー200ミリリ
ットルを8000rpm、10分間遠心し,得た上澄み
液190ミリリットル(活性4500unit含有)に
苛性ソーダをくわえ,pHを7.0に調節し,10mM
燐酸ナトリウム緩衝液pH6.5にて平衡化したファル
マシア社製Q−Sepharose Fast Flo
wイオン交換体100ミリリットルを充填した内径2.
2cm、高さ25cmのカラムに40cm/hrで添加
した。サンプル添加終了後に線速60cm/hrで最初
に300ミリリットルの0.050Mの食塩を含む10
mM燐酸ナトリウム緩衝液pH6.5を通液し,つい
で,300ミリリットルの0.05Mの食塩を含む10
mM燐酸ナトリウム緩衝液pH7.0と300ミリリッ
トルの0.25Mの食塩を含む10mM燐酸ナトリウム
緩衝液pH6.5により直線濃度勾配を作成して通液
し,更に100ミリリットルの0.50Mの食塩を含む
10mM燐酸ナトリウム緩衝液pH6.5を通液した。
蛋白質の溶出状態は紫外吸収度を測定することにより
モニターした。トリプシンインヒビター活性を含有する
蛋白のピーク200ミリリットルを採取した。 得られ
た活性は3430unitで回収率は76%であり,S
DS電気泳動による純度分析ではKunitz型及びB
BI型を併せて,蛋白質中の82%であった。
【0030】実施例7 濃縮洗浄ホエー200ミリリットルは8000rpm1
0分間遠心し,得た上澄み液190ミリリットル(活性
4390unit含有)に20%苛性ソーダ溶液を加え
て,pHを7.0に調節し,10mM燐酸ナトリウム緩
衝液pH7.0にて平衡化したファルマシア社製Q−S
epharose Fast Flowイオン交換体1
00ミリリットルを充填した内径2.2cm高さ25c
mのカラムに50cm/hrで添加した。サンプル添加
終了後に線速100cm/hrで最初に300ミリリッ
トルの0.10Mの食塩を含む10mM燐酸ナトリウム
緩衝液pH7.0を通液し,ついで,300ミリリット
ルの0.30Mの食塩を含む10mM燐酸ナトリウム緩
衝液pH7.0を通液し,更に300ミリリットルの
0.50Mの食塩を含む10mM燐酸ナトリウム緩衝液
pH7.0を通液した。得られた活性は3380uni
tで,回収率はクロマト工程においては77%であっ
た。SDS電気泳動による純度分析ではKunitz型
及びBBI型を併せて,蛋白質中の90%であった。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、大
豆トリプシンインヒビターを高収率で且つ高純度で工業
的に生産可能な製造方法が可能になったものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊見和久 大阪府堺市浜寺南町2丁目140−1 (72)発明者 松本吉正 兵庫県揖保群御津町朝臣851

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大豆ホエーをpH5.0〜8.5に調整
    し,50°C以下の温度において,分画分子量1000
    0〜40000の限外濾過膜を用いて,濃縮および透析
    濾過し,粗蛋白含有量を80%以上とした濃縮洗浄液を
    得る第1工程と,該濃縮洗浄液を陰イオン交換体に添加
    し,トリプシンインヒビター活性を吸着せしめ,塩濃度
    0.10M以下にて不純物を洗浄除去したのち塩濃度を
    0.1M以上にあげて活性画分を得る第2工程を含む大
    豆トリプシンインヒビターの製造方法。
JP10587292A 1992-03-30 1992-03-30 大豆トリプシンインヒビターの製造方法 Pending JPH06145198A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004104036A1 (ja) * 2003-05-21 2004-12-02 Fuji Oil Company, Limited 大豆ホエー蛋白及び大豆ホエー蛋白分解物の製造法
JP2013516429A (ja) * 2009-12-30 2013-05-13 ソレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー ボーマン・バークインヒビタープロテインを大豆加工ストリームから回収する方法
CN103621872A (zh) * 2013-12-18 2014-03-12 中国农业科学院农产品加工研究所 一种豆类淀粉、蛋白及胰蛋白酶抑制剂浓缩物联产技术
JP2020117518A (ja) * 2012-02-01 2020-08-06 オラムド エルティーディー. プロテアーゼ阻害剤を含有する組成物、該組成物を含む組成物、および、該組成物を製造および使用する方法

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