JPH06145022A

JPH06145022A - 光沢型重層メークアップ料

Info

Publication number: JPH06145022A
Application number: JP4300081A
Authority: JP
Inventors: Kazuhiro Nishikata; 和博西方; Junji Shiozawa; 順二塩沢; Tadao Nakamura; 直生中村
Original assignee: Pola Chemical Industries Inc
Current assignee: Pola Orbis Holdings Inc
Priority date: 1992-11-10
Filing date: 1992-11-10
Publication date: 1994-05-24

Abstract

(57)【要約】【目的】優れた光沢を有し、かつ、耐摩擦性、耐水
性、耐皮脂性に優れ、光沢を持続して発揮できるメーク
アップ料を提供する。【構成】粘着性物質を含有する第一層用メークアップ
下地料と、光沢を有する粉体を含有する第二層用メーク
アップ仕上料とを組合せて光沢型重層メークアップ料と
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、メークアップ下地料を
第一層用とし、メークアップ仕上料を第二層用として組
合せた、光沢を有する重層型メークアップ料に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、メークアップ化粧料によって、肌
をつややかに見せたり、鮮やかで化粧映えした仕上がり
を得るための方法として、光沢を有する粉体を配合する
ことが盛んに行われてきた。

【０００３】しかし、従来の技術では、次のような大き
な問題が残されている。（１）光沢を有する粉体としては、その表面に正反射面
を持ったいわゆる板状粉体類が使用されているが、これ
らの板状粉体類は、肌上に一枚のフィルムのごとく均一
にしかも単一粒子の厚さで配向することによって、はじ
めて効率よく光沢を発揮するものである。このように光
沢を最大限に発揮できるように配向された状態をリーフ
ィング状態という。

【０００４】しかし、従来の化粧料においては、どうし
ても板状粉体類の粒子の方向が一定せず、完璧なリーフ
ィング状態を作り出すことはできなかった。そのため、
各粉体の持つ正反射面の角度が揃わず、化粧膜として強
い光沢を得ることが困難であった。

【０００５】（２）また、従来の化粧料においては、光
沢を有する板状粉体類が、しっかりと肌上に固着されて
いるわけではないので、指や衣類で擦られた場合の耐摩
擦性や、耐水性、耐皮脂性に乏しく、化粧料くずれし易
いため、化粧料塗布直後の光沢を維持することが非常に
困難であった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
克服し、優れた光沢を有し、かつ、耐摩擦性、耐水性、
耐皮脂性に優れ、光沢を持続して発揮できるメークアッ
プ料を提供することを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、粘着性物質を
含有するメークアップ下地料を肌上に塗布して第一層と
し、その上に更に光沢を有する粉体を含有するメークア
ップ仕上料を第二層として塗布することで、肌上にしっ
かりと固着されたリーフィング状態を作り上げる結果と
なり、優れた光沢を有し、かつ、耐摩擦性、耐水性、耐
皮脂性に優れ、光沢を持続して発揮できる化粧膜が得ら
れることを見出し、本発明を完成するに至った。

【０００８】すなわち本発明は、粘着性物質を含有する
第一層用メークアップ下地料と、光沢を有する粉体を含
有する第二層用メークアップ仕上料とを組合せた光沢型
重層メークアップ料を提供する。

【０００９】以下に本発明を詳細に説明する。＜１＞本発明のメークアップ下地料まず、本発明のメークアップ下地料は、皮膚に直接塗布
される第一層用として使用される。このメークアップ下
地料は粘着性物質を含有する。粘着性物質はこの第一層
の密着性は勿論のこと、その上の第二層に使用される光
沢を有する粉体を含有するメークアップ仕上料の固着
化、密着性及び持続性を向上させると共に、対物理的刺
激性、耐油性、耐水性のある化粧膜を形成する目的で使
用される。

【００１０】粘着性物質としては、通常の化粧料に使用
されるものであればよく、これらは粘着テープとしてＪ
ＩＳＺ−０２３７に規定される方法で試験した時、下
記性能タック：５〜２０粘着力（ステンレス板）：５００〜２０００ｇ／２５ｍ
ｍを有するものである。この粘着性試験方法について更に
詳しく説明すると、粘着性物質のサンプルを離型紙に塗
布、乾燥し、これをコート紙に貼り付けた後、離型紙を
剥して粘着テープとし、これを常温（２５℃）で下記方
法に従って試験を行う。

【００１１】（試験方法）タック：ＪＩＳＺ−０２３７に規定された試験方法に
よるタック粘着力：ＪＩＳＺ−０２３７に規定された１８０度引
きはがし法による粘着力（ｇ／２５ｍｍ）（被着体：ス
テンレス板）

【００１２】このような粘着性物質の具体例としては、
アクリル酸エステルを主成分モノマーとし、これに重合
性カルボン酸を共重合させたポリマー（以下、アクリル
系共重合体という）；三次元網状シリコーン等が挙げら
れる。

【００１３】これらの粘着性物質について更に詳しく説
明すると、まずアクリル系共重合体はアクリル酸エステ
ルに対して１〜１０重量％の重合性カルボン酸を共重合
させることにより得られ、その平均分子量は１万〜１０
０万程度である。

【００１４】前記アクリル酸エステルとしては、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸
ヘキシル、アクリル酸２エチルヘキシル等を挙げること
ができ、これらは単独であるいは２種以上の組合せで使
用することができる。

【００１５】前記重合性カルボン酸としては、低炭素数
の不飽和カルボン酸を挙げることができ、好ましくはア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等を
例示することができる。これらは単独であるいは２種以
上の組合せで使用することができる。

【００１６】主成分モノマーであるアクリル酸エステル
以外に、副成分モノマーとして、酢酸ビニル、メタクリ
ル酸メチル、アクリルアミドの１種又は２種以上を使用
してもよい。前記と同様に主成分モノマー及び副成分モ
ノマーと、これらのモノマー全量に対して１〜１０重量
％の重合性カルボン酸とを共重合させた平均分子量１万
〜１００万のポリマーを使用する。この場合は、主成分
モノマーと副成分モノマーとの重量比が、９９：１〜７
０：３０であることが好ましい。

【００１７】アクリル系共重合体の市販品としては、例
えば大成化工（株）から販売されているＳＥ−７５３
Ａ、３ＬＸ−１７４がある。次に、三次元網状シリコー
ンは、例えば有機トリクロロシラン（ＲＳｉＣｌ₃）と
有機ジクロロシラン（ＲＳｉＣｌ₂）とを加水分解した
後、縮合し、架橋させることによって得られる。市販品
としては、信越化学社製シリコーンＫＦ７６１３Ｂ等が
ある。

【００１８】以上のような粘着性物質の含有量は、メー
クアップ下地料全量に対し通常０．５〜７０重量％程度
である。メークアップ下地料にはその他、通常の化粧料
に使用される希釈剤、保湿剤、防腐剤、香料等を含有さ
せてもよい。

【００１９】＜２＞本発明のメークアップ仕上料本発明のメークアップ仕上料は、上記のメークアップ下
地料からなる第一層上に塗布される第二層（ファンデー
ション）用として使用される。このメークアップ仕上料
は、光沢を有する粉体を含有する。

【００２０】前記の光沢を有する粉体は、板状粉体であ
り、具体的には、雲母、セリサイト、タルク、カオリ
ン、オキシ塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス被覆雲
母、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆セリサイ
ト、二酸化チタン被覆タルク、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄
被覆セリサイト、酸化鉄被覆タルク、酸化鉄二酸化チタ
ン被覆雲母、酸化鉄二酸化チタン被覆セリサイト、酸化
鉄二酸化チタン被覆タルク、硫酸バリウム被覆雲母、硫
酸バリウム被覆セリサイト、硫酸バリウム被覆タルク、
二酸化チタン硫酸バリウム被覆雲母、二酸化チタン硫酸
バリウム被覆セリサイト、二酸化チタン硫酸バリウム被
覆タルク、酸化亜鉛被覆雲母、酸化亜鉛被覆セリサイ
ト、酸化亜鉛被覆タルク、酸化ジルコニウム被覆雲母、
酸化ジルコニウム被覆セリサイト、酸化ジルコニウム被
覆タルク等の粉末、及びこれらの粉末の表面を親油化処
理したもの等が挙げられ、単独でも任意の２種以上の混
合物としても使用できる。

【００２１】なお、光沢を有する粉体の平均粒径は通常
１〜１００μｍ、好ましくは５〜５０μｍである。平均
粒径が上記範囲よりも小さいと、リーフィング状態をつ
くりにくい。また、上記範囲を越えると感触的に違和感
を感じることがある。

【００２２】光沢を有する粉体の含有量は、第二層のメ
ークアップ仕上料全量に対し通常２〜１００重量％、好
ましくは５〜９０重量％である。含有量がこの範囲より
少ないと、優れた光沢が望めない。

【００２３】メークアップ仕上料にはその他、通常のメ
ークアップ仕上料に使用される有機、無機の各種粉体；
顔料；固型、半固型又は液状油分；界面活性剤；顔料分
散剤；可塑剤；香料；防腐剤、水等を含有させてもよ
い。

【００２４】

【作用】上記メークアップ下地料は、粘着性を有してお
り、この上にメークアップ仕上料を重ねて塗布すること
ができる。このメークアップ仕上料は、光沢を有する粉
体を含有しており、下地料の上でリーフィング状態をつ
くれるので、肌上で優れた光沢を演出することができる
と同時に、粘着性を有する下地料によって肌上にしっか
り固着されるため、耐摩擦性、耐水性、耐皮脂性に富
み、光沢の持続性も高いものとなる。

【００２５】

【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。なお、
実施例中の配合量（％）は全て重量％である。

【００２６】

【実施例１】表１に示すＡ成分を撹拌し可溶化した後、
Ｂ成分を少量ずつ撹拌しながら加え、第一層用のメーク
アップ下地料（以下、下地料１という）を製造した。な
お、表１中のアクリル系共重合体とは、アクリル酸エス
テルとして９８．５重量％のアクリル酸エチルとアクリ
ル酸ブチル（アクリル酸エチル：アクリル酸ブチル＝
４：１）を、重合性カルボン酸として１．５重量％のア
クリル酸を用い、これらを共重合させて得られた平均分
子量１０万の共重合体で、タック１７、粘着力１５００
ｇ／２５ｍｍの性能を有するものである。

【００２７】

【表１】

【００２８】次に、表２に示す粉体成分Ａをヘンシェル
ミキサー中で混合し、更にパルベライザーで粉砕した
後、再びヘンシェルミキサーに入れ、油剤成分Ｂを混入
し、粉体成分Ａを油剤成分Ｂでコーティングした。これ
を取り出した後、パルベライザーで仕上げ粉砕を行い、
第二層用のメークアップ仕上料（フェイスパウダー：以
下、「仕上料１」という）を製造した。

【００２９】

【表２】

【００３０】

【実施例２】第一層用メークアップ下地料として実施例
１で製造した下地料１を用意した。次に表３に示す成分
を用いた他は実施例１の第二層用メークアップ仕上料の
製造方法と同様にして第二層用メークアップ仕上料（以
下、「仕上料２」という）を製造した。これは中皿にプ
レス成形して保存した。

【００３１】

【表３】

【００３２】

【実施例３】表４に示す各成分を溶解釜に入れ、常温で
混合して第一層用メークアップ下地料（以下、下地料２
という）を製造した。

【００３３】

【表４】

【００３４】なお、表４中の三次元網状シリコーンと
は、例えば特開昭６１−１８７０８号公報（出願人：ポ
ーラ化成工業）に従って製造したもので、タック１０、
粘着力１０００ｇ／２５ｍｍという性能を有するもので
ある。

【００３５】一方、第二層用のメークアップ仕上料とし
て実施例１で製造した仕上料１を用意した。

【００３６】

【実施例４】第一層用メークアップ下地料として実施例
３で製造した下地料２を用意し、第二層用メークアップ
仕上料として実施例２で製造した仕上料２を用意した。

【００３７】

【比較例１】アクリル系共重合体の代わりにポリビニル
アルコールを用いた他は実施例１と同じ方法で第一層用
のメークアップ下地料（以下、下地料３という）を製造
した。

【００３８】一方、第二層用のメークアップ仕上料とし
て実施例１で製造した仕上料１を用意した。

【００３９】

【比較例２】第一層用のメークアップ下地料として実施
例１で製造した下地料１を用意した。

【００４０】一方、表５に示す粉体成分Ａ及び油剤成分
Ｂを用いて実施例１と同様な方法で第二層用のメークア
ップ仕上料（フェイスパウダー：以下、「仕上料３」と
いう）を製造した。

【００４１】

【表５】

【００４２】

【比較例３】第一層用のメークアップ下地料として実施
例３で製造した下地料２を用意し、また第二層用のメー
クアップ仕上料として比較例２で製造した仕上料３を用
意した。

【００４３】

【比較例４】第一層用のメークアップ下地料として比較
例１で製造した下地料３を用意し、また第二層用のメー
クアップ仕上料として比較例２で製造した仕上料３を用
意した。

【００４４】＜光沢型重層メークアップ料の評価＞次
に、以上のようにして得られたメークアップ化粧料につ
いて肌上の光沢の評価とその持続力、耐水性、対摩擦性
を評価した。

【００４５】（１）肌上での光沢の評価３０〜４０代の女性１５名のパネラーの顔面に、上記各
実施例及び比較例の下地料０．１ｇを塗布し、次いで仕
上料０．１ｇを重層し、光沢の度合を４名の美容専門家
により、下記基準により官能評価した。結果を表６に示
す。

【００４６】非常に光沢がある：５かなり光沢がある：４ふつう：３光沢がややある：２光沢が全くない：１

【００４７】

【表６】

【００４８】（２）光沢の持続性上記（１）の方法で下地料及び仕上料を塗布した後、３
０℃、湿度７０％の環境試験室に３時間入室後、同室内
にて上記と同様に官能評価を行った。結果を表７に示
す。

【００４９】

【表７】

【００５０】（３）耐水性（１）と同様の方法で下地料及び仕上料を塗布した後、
水道水で１０回顔面を手でこすりながら洗顔した後、水
分をタオルで軽くふき取り、５分後に同様に官能評価を
行った。結果を表８に示す。

【００５１】

【表８】

【００５２】（４）耐摩擦性（１）と同様の方法で下地料及び仕上料を塗布した後、
５分後に目尻から頬の部分にかけて乾いたティッシュペ
ーパーで１０回こすった後、同様に官能評価を行った。
結果を表９に示す。

【００５３】

【表９】

【００５４】（５）化粧膜上の光沢の測定スライドグラス上にドクターブレード０．５milを用い
て各下地料を塗布し、その上に各仕上料をブラシにて塗
布した重層メーク膜を作製し、その光沢を日本電色製変
角光沢計を用い、７５°入射角に対する７５°受光角で
の値（ＧＳ７５°）により測定した。結果を表１０に示
す。尚、値の高いもの程強い光沢を示すものである。

【００５５】

【表１０】

【００５６】以上の評価（１）〜（５）の結果から、本
発明の光沢型重層メークアップ料は、比較例に比べて、
光沢に優れており、その持続性、耐水性、耐摩擦性等に
優れていることが明らかである。

【００５７】

【発明の効果】本発明の光沢型重層メークアップ料は光
沢に優れており、かつ、耐摩擦性、耐水性、耐皮脂性に
優れ、光沢を持続して発揮することができる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】粘着性物質を含有する第一層用メークア
ップ下地料と、光沢を有する粉体を含有する第二層用メ
ークアップ仕上料とを組合せた光沢型重層メークアップ
料。
【請求項２】粘着性物質が、粘着テープとしてＪＩＳ
Ｚ−０２３７に規定される方法で試験したとき、下記
性能タック：５〜２０粘着力（ステンレス板）：５００〜２０００ｇ／２５ｍ
ｍを有することを特徴とする請求項１記載の光沢型重層メ
ークアップ料。
【請求項３】光沢を有する粉体が、雲母、セリサイ
ト、タルク、カオリン、オキシ塩化ビスマス、オキシ塩
化ビスマス被覆雲母、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チ
タン被覆セリサイト、二酸化チタン被覆タルク、酸化鉄
被覆雲母、酸化鉄被覆セリサイト、酸化鉄被覆タルク、
酸化鉄二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄二酸化チタン被覆
セリサイト、酸化鉄二酸化チタン被覆タルク、硫酸バリ
ウム被覆雲母、硫酸バリウム被覆セリサイト、硫酸バリ
ウム被覆タルク、二酸化チタン硫酸バリウム被覆雲母、
二酸化チタン硫酸バリウム被覆セリサイト、二酸化チタ
ン硫酸バリウム被覆タルク、酸化亜鉛被覆雲母、酸化亜
鉛被覆セリサイト、酸化亜鉛被覆タルク、酸化ジルコニ
ウム被覆雲母、酸化ジルコニウム被覆セリサイト、酸化
ジルコニウム被覆タルクからなる群より選ばれることを
特徴とする請求項１記載の光沢型重層メークアップ料。
【請求項４】光沢を有する粉末の平均粒径が１〜１０
０μｍの範囲であることを特徴とする請求項１又は３記
載の光沢型重層メークアップ料。
【請求項５】光沢を有する粉体の含有量がメークアッ
プ仕上料全量に対し２〜１００重量％であることを特徴
とする請求項１、３又は４記載の光沢型重層メークアッ
プ料。