JPH06106627A - 異硬度発泡クッション体及びその製造方法 - Google Patents
異硬度発泡クッション体及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH06106627A JPH06106627A JP4283881A JP28388192A JPH06106627A JP H06106627 A JPH06106627 A JP H06106627A JP 4283881 A JP4283881 A JP 4283881A JP 28388192 A JP28388192 A JP 28388192A JP H06106627 A JPH06106627 A JP H06106627A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- different hardness
- heat
- foaming
- slits
- synthetic resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims description 13
- 239000006260 foam Substances 0.000 claims abstract description 52
- 238000005187 foaming Methods 0.000 claims abstract description 32
- JOYRKODLDBILNP-UHFFFAOYSA-N Ethyl urethane Chemical compound CCOC(N)=O JOYRKODLDBILNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims abstract description 28
- 229920003002 synthetic resin Polymers 0.000 claims abstract description 25
- 239000000057 synthetic resin Substances 0.000 claims abstract description 25
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 claims abstract description 10
- 235000019589 hardness Nutrition 0.000 claims description 52
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 5
- 239000012943 hotmelt Substances 0.000 claims description 3
- 238000000465 moulding Methods 0.000 abstract description 10
- 230000014759 maintenance of location Effects 0.000 abstract description 2
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 description 6
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 description 6
- 239000000463 material Substances 0.000 description 6
- 239000011550 stock solution Substances 0.000 description 6
- 238000002844 melting Methods 0.000 description 5
- 238000005192 partition Methods 0.000 description 5
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 4
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 3
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 3
- 238000004064 recycling Methods 0.000 description 3
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 3
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 3
- 239000000243 solution Substances 0.000 description 3
- 238000000638 solvent extraction Methods 0.000 description 3
- 229920000544 Gore-Tex Polymers 0.000 description 2
- 238000009825 accumulation Methods 0.000 description 2
- 238000005470 impregnation Methods 0.000 description 2
- 238000002347 injection Methods 0.000 description 2
- 239000007924 injection Substances 0.000 description 2
- 239000000155 melt Substances 0.000 description 2
- 230000035699 permeability Effects 0.000 description 2
- 229920006327 polystyrene foam Polymers 0.000 description 2
- 229920002803 thermoplastic polyurethane Polymers 0.000 description 2
- 241000208340 Araliaceae Species 0.000 description 1
- 239000004677 Nylon Substances 0.000 description 1
- 235000005035 Panax pseudoginseng ssp. pseudoginseng Nutrition 0.000 description 1
- 235000003140 Panax quinquefolius Nutrition 0.000 description 1
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 1
- 230000008030 elimination Effects 0.000 description 1
- 238000003379 elimination reaction Methods 0.000 description 1
- 238000010097 foam moulding Methods 0.000 description 1
- 235000008434 ginseng Nutrition 0.000 description 1
- 230000007774 longterm Effects 0.000 description 1
- 230000008018 melting Effects 0.000 description 1
- 229920001778 nylon Polymers 0.000 description 1
- 229920006122 polyamide resin Polymers 0.000 description 1
- 229920000573 polyethylene Polymers 0.000 description 1
- 229920000642 polymer Polymers 0.000 description 1
- 239000002994 raw material Substances 0.000 description 1
- 238000007665 sagging Methods 0.000 description 1
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C66/00—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
- B29C66/70—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
- B29C66/71—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined
Landscapes
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 異硬度境界部位が強固に接着しており、かつ
異物感を生じず乗り心地及び外観の向上した異硬度発泡
クッション体及びその製造方法を提供すること。 【構成】 多数のスリットが発泡の際の加熱により開孔
した熱溶融性合成樹脂フィルムの開孔部を通してウレタ
ンフォーム同士を少なくとも直接連着させてなる異硬度
発泡クッション体と、このクッション体を熱溶融性合成
樹脂フィルムを仕切材として複数の室に分割した金型に
より製造する異硬度発泡クッション体の製造方法。
異物感を生じず乗り心地及び外観の向上した異硬度発泡
クッション体及びその製造方法を提供すること。 【構成】 多数のスリットが発泡の際の加熱により開孔
した熱溶融性合成樹脂フィルムの開孔部を通してウレタ
ンフォーム同士を少なくとも直接連着させてなる異硬度
発泡クッション体と、このクッション体を熱溶融性合成
樹脂フィルムを仕切材として複数の室に分割した金型に
より製造する異硬度発泡クッション体の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異硬度発泡クッション
体及びその製造方法に関する。
体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の異硬度発泡クッション体
は身体部位によってクッション性を変えて、長時間着座
しても疲労が少ないクッション体として開発された。
は身体部位によってクッション性を変えて、長時間着座
しても疲労が少ないクッション体として開発された。
【0003】この種の第1のクッション体は、特公昭6
1−37101号公報に開示されており、型内に予めセ
ットしたSばね等のインサートに熱溶融性樹脂フィルム
(ナイロンポリアミド樹脂フィルム、厚さ50〜150
μ)をセットして型内を複数の室に分割し、隣り合う各
室に硬さの異なる発泡原液を注入した後発泡させて製造
されていた。
1−37101号公報に開示されており、型内に予めセ
ットしたSばね等のインサートに熱溶融性樹脂フィルム
(ナイロンポリアミド樹脂フィルム、厚さ50〜150
μ)をセットして型内を複数の室に分割し、隣り合う各
室に硬さの異なる発泡原液を注入した後発泡させて製造
されていた。
【0004】また、第2のクッション体は、特公平4−
811号公報に開示されており、異硬度発泡の際の仕切
り部材としてポリスチレンフォームを使用したものであ
った。
811号公報に開示されており、異硬度発泡の際の仕切
り部材としてポリスチレンフォームを使用したものであ
った。
【0005】さらに、第3のクッション体は、特公平4
−46727号公報に開示されており、寒冷紗,合成樹
脂,又は金網等からなる網状物あるいは格子状物で仕切
った成形用型を用いて製造される。すなわち柔らかい部
分を成形するキャビティ内に所定の液状発泡原料が注入
され発泡反応による膨張によって柔らかい部分を成形す
るキャビティを満たし、更に仕切っている網状物あるい
は格子状物を通過し隣の硬い部分を成形するキャビティ
に流入することによって、正常に発泡した柔らかい部分
と、流入発泡により気泡の制限された不均一な気泡から
なる硬い部分とを有する異硬度クッション体を得ること
ができる。
−46727号公報に開示されており、寒冷紗,合成樹
脂,又は金網等からなる網状物あるいは格子状物で仕切
った成形用型を用いて製造される。すなわち柔らかい部
分を成形するキャビティ内に所定の液状発泡原料が注入
され発泡反応による膨張によって柔らかい部分を成形す
るキャビティを満たし、更に仕切っている網状物あるい
は格子状物を通過し隣の硬い部分を成形するキャビティ
に流入することによって、正常に発泡した柔らかい部分
と、流入発泡により気泡の制限された不均一な気泡から
なる硬い部分とを有する異硬度クッション体を得ること
ができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
クッション体は、その製造の発泡工程において発生した
ガスが異硬度境界面で逃げられずにクッション体内にエ
アだまりが発生して品質の劣化を招く虞れがある。
クッション体は、その製造の発泡工程において発生した
ガスが異硬度境界面で逃げられずにクッション体内にエ
アだまりが発生して品質の劣化を招く虞れがある。
【0007】また、第2のクッション体は、異硬度境界
面が発泡熱によって溶融したポリスチレンフォームによ
って接着されるものであるが、その接着力が弱くクッシ
ョン体としての長期使用に耐えられないという課題を有
している。
面が発泡熱によって溶融したポリスチレンフォームによ
って接着されるものであるが、その接着力が弱くクッシ
ョン体としての長期使用に耐えられないという課題を有
している。
【0008】さらに第3のクッション体は、反応途中の
発泡体が仕切材を通過することによって製造されるもの
であるから異硬度境界面に乱れを生じ安定した品質のも
のが得られないと共に仕切材が製品内部に残留して異物
感を生じるという不具合を有している。
発泡体が仕切材を通過することによって製造されるもの
であるから異硬度境界面に乱れを生じ安定した品質のも
のが得られないと共に仕切材が製品内部に残留して異物
感を生じるという不具合を有している。
【0009】加えて近年、異硬度発泡クッション体に対
して前記した着座者の疲労解消の点に加えて、外観(仕
上り)品質の向上、リサイクル対応として金属インサー
トワイヤーの廃止、及び乗り心地の向上といった点のニ
ーズが高まりつつある。
して前記した着座者の疲労解消の点に加えて、外観(仕
上り)品質の向上、リサイクル対応として金属インサー
トワイヤーの廃止、及び乗り心地の向上といった点のニ
ーズが高まりつつある。
【0010】本発明は、前記した事情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は前記した従来技術の課題を解消
しかつ近年のニーズに適った異硬度発泡クッション体及
びその製造方法を提供するにある。
ものであり、その目的は前記した従来技術の課題を解消
しかつ近年のニーズに適った異硬度発泡クッション体及
びその製造方法を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来技術
の課題を解消するため異硬度発泡時の仕切部材として使
用されるホットメルトフィルム等の熱溶融性樹脂フィル
ムについて鋭意検討を重ねた結果、仕切部材の材料特性
としての必要項目が以下のように判ってきた。 ウレタン注入時の初期の液混じりを防ぐためウレタン
原液を遮断することができること。 発泡成形時に境界面にエアだまりを起さないため適度
な通気性があること。 クッション体が境界部で剥離しないために、ウレタン
樹脂と接着性のよい樹脂であること。 クッション体成形後にも異物感がないようにするため
にウレタン成形時に含浸や硬化が起こらないこと。 本発明者等はこれらの条件をすべて満たす仕切部材とし
て多数のスリットを形成した熱溶融性合成樹脂フィルム
を見出し本発明を完成したものである。
の課題を解消するため異硬度発泡時の仕切部材として使
用されるホットメルトフィルム等の熱溶融性樹脂フィル
ムについて鋭意検討を重ねた結果、仕切部材の材料特性
としての必要項目が以下のように判ってきた。 ウレタン注入時の初期の液混じりを防ぐためウレタン
原液を遮断することができること。 発泡成形時に境界面にエアだまりを起さないため適度
な通気性があること。 クッション体が境界部で剥離しないために、ウレタン
樹脂と接着性のよい樹脂であること。 クッション体成形後にも異物感がないようにするため
にウレタン成形時に含浸や硬化が起こらないこと。 本発明者等はこれらの条件をすべて満たす仕切部材とし
て多数のスリットを形成した熱溶融性合成樹脂フィルム
を見出し本発明を完成したものである。
【0012】即ち、本発明に係る異硬度発泡クッション
体は多数のスリットが発泡の際の加熱により開孔した熱
溶融性合成樹脂フィルムの開孔部を通して硬さの異なる
ウレタンフォーム同士を少なくとも直接連着させてなる
ことを特徴としている。
体は多数のスリットが発泡の際の加熱により開孔した熱
溶融性合成樹脂フィルムの開孔部を通して硬さの異なる
ウレタンフォーム同士を少なくとも直接連着させてなる
ことを特徴としている。
【0013】また、本発明に係る異硬度発泡クッション
体の製造方法は点在する多数のスリットが形成された熱
溶融性合成樹脂フィルムによって金型内を複数の室に分
割し、隣合う各室に硬さの異なる発泡原液を注入した後
発泡させると共にこの発泡の際の加熱により前記スリッ
トを開孔させ、かつこの開孔部を通して硬さの異なるウ
レタンフォーム同士を連着させることを特徴としてい
る。
体の製造方法は点在する多数のスリットが形成された熱
溶融性合成樹脂フィルムによって金型内を複数の室に分
割し、隣合う各室に硬さの異なる発泡原液を注入した後
発泡させると共にこの発泡の際の加熱により前記スリッ
トを開孔させ、かつこの開孔部を通して硬さの異なるウ
レタンフォーム同士を連着させることを特徴としてい
る。
【0014】この製造方法において、熱溶融性合成樹脂
フィルムは割り構造の金型の割り面に設けたフランジで
挟むことによって金型内にセットすることができる。
フィルムは割り構造の金型の割り面に設けたフランジで
挟むことによって金型内にセットすることができる。
【0015】
【作用】本発明に係る異硬度発泡クッション体及びその
製造方法は前記のように構成されているので、 点在する多数のスリットが形成された熱溶融性合成樹
脂シートはウレタン注入時の初期の液混じりを防ぎかつ
発泡工程で発生したガスをスリットを通して外方へ逃が
すことができ、かつ 熱溶融性合成樹脂シートは発泡時の加熱により溶融し
異硬度境界面の良好な接着剤として作用すると共に前記
シートに形成された多数のスリットが前記加熱により開
孔し、この開孔部を通して硬さの異なるウレタンフォー
ム同士を直接連着させる、という作用を奏する。
製造方法は前記のように構成されているので、 点在する多数のスリットが形成された熱溶融性合成樹
脂シートはウレタン注入時の初期の液混じりを防ぎかつ
発泡工程で発生したガスをスリットを通して外方へ逃が
すことができ、かつ 熱溶融性合成樹脂シートは発泡時の加熱により溶融し
異硬度境界面の良好な接着剤として作用すると共に前記
シートに形成された多数のスリットが前記加熱により開
孔し、この開孔部を通して硬さの異なるウレタンフォー
ム同士を直接連着させる、という作用を奏する。
【0016】また、熱溶融性合成樹脂フィルムは割り構
造にした金型の割り面に挟んで金型内にセットすること
ができるので、そのセット位置を割り構造を変更するこ
とによって如何様にも変更することができると共に、ウ
レタンフォーム内への金属ワイヤーのインサートを無く
すことができる。
造にした金型の割り面に挟んで金型内にセットすること
ができるので、そのセット位置を割り構造を変更するこ
とによって如何様にも変更することができると共に、ウ
レタンフォーム内への金属ワイヤーのインサートを無く
すことができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を図示した実施例に基づいて具
体的に説明する。図1及び図2は本発明の異硬度発泡ク
ッション体としての自動車用フロントシートのバックパ
ッド1を示す。このバックパッド1は背当て面2よりも
両側の土手部3、3を前方へ突出させて乗員のホールド
性を向上させた形状に形成されている。そしてこのバッ
クパッド1は全体がウレタンフォームで形成されてお
り、かつ土手部3の外側部3aと、この外側部3aを背
面側へL字状に延出させて形成した背面部3bとを他の
部分よりも硬いウレタンフォームで形成して剛性を高め
外観上の保形性を高めると共に前記ホールド性を実質あ
るものとしている。このとき異硬度境界部位には多数の
スリットが形成された熱溶融性合成樹脂フィルム4が配
されており、成形後は前記スリットが発泡の際の加熱に
より開孔し、この開孔部を通して硬さの異なるウレタン
フォーム同士が直接連着すると共に、フィルム自体が熱
溶融して両ウレタンフォームを接着している。このため
異硬度境界部位の接着は強固なものとなっていると共に
その境界部位に硬い含浸層を形成することもない。ま
た、熱溶融性合成樹脂フィルム4は成形後も充分な柔軟
性を有しており、前記した硬い含浸層を形成しないこと
と相俟って異物感の生じないバックパッド1を得ること
ができる。
体的に説明する。図1及び図2は本発明の異硬度発泡ク
ッション体としての自動車用フロントシートのバックパ
ッド1を示す。このバックパッド1は背当て面2よりも
両側の土手部3、3を前方へ突出させて乗員のホールド
性を向上させた形状に形成されている。そしてこのバッ
クパッド1は全体がウレタンフォームで形成されてお
り、かつ土手部3の外側部3aと、この外側部3aを背
面側へL字状に延出させて形成した背面部3bとを他の
部分よりも硬いウレタンフォームで形成して剛性を高め
外観上の保形性を高めると共に前記ホールド性を実質あ
るものとしている。このとき異硬度境界部位には多数の
スリットが形成された熱溶融性合成樹脂フィルム4が配
されており、成形後は前記スリットが発泡の際の加熱に
より開孔し、この開孔部を通して硬さの異なるウレタン
フォーム同士が直接連着すると共に、フィルム自体が熱
溶融して両ウレタンフォームを接着している。このため
異硬度境界部位の接着は強固なものとなっていると共に
その境界部位に硬い含浸層を形成することもない。ま
た、熱溶融性合成樹脂フィルム4は成形後も充分な柔軟
性を有しており、前記した硬い含浸層を形成しないこと
と相俟って異物感の生じないバックパッド1を得ること
ができる。
【0018】このときに用いる熱溶融性合成樹脂シート
4は異硬度境界部分のガスだまりを起さないための通気
性と、硬さの異なるウレタン注入原液を遮断するのに十
分な遮蔽性とを有するスリットが形成されていることが
必要であり、このようなフィルムとしてゴアテックス
(ジャパンゴアテックス社商標)や、キシロXAF−2
081(エチレンポリマーの重合体、有恒商会の商標)
がある。本実施例では安価なキシロXAF−2081を
用いた。このキシロXAF−2081からなる熱溶融性
合成樹脂フィルム4は、図5に示すように、多数のスリ
ット41が全面に点在するように切込み形成されてお
り、その仕様は目付量30g/m2 、スリット長さ10
mm(5〜20mm)、スリット数66,000/m2
(25,000〜88,000/m2 )、成形温度10
0〜130℃となっている。そしてこのフィルム4は図
6に示すように発泡の際の加熱によりスリット41が開
孔して開孔部42となり、この開孔部42を通して硬さ
の異なるウレタンフォーム同士が直接連着できるように
なる。また、フィルム4自体は異硬度境界部位にあって
発泡の際に溶融して接着剤として機能する。
4は異硬度境界部分のガスだまりを起さないための通気
性と、硬さの異なるウレタン注入原液を遮断するのに十
分な遮蔽性とを有するスリットが形成されていることが
必要であり、このようなフィルムとしてゴアテックス
(ジャパンゴアテックス社商標)や、キシロXAF−2
081(エチレンポリマーの重合体、有恒商会の商標)
がある。本実施例では安価なキシロXAF−2081を
用いた。このキシロXAF−2081からなる熱溶融性
合成樹脂フィルム4は、図5に示すように、多数のスリ
ット41が全面に点在するように切込み形成されてお
り、その仕様は目付量30g/m2 、スリット長さ10
mm(5〜20mm)、スリット数66,000/m2
(25,000〜88,000/m2 )、成形温度10
0〜130℃となっている。そしてこのフィルム4は図
6に示すように発泡の際の加熱によりスリット41が開
孔して開孔部42となり、この開孔部42を通して硬さ
の異なるウレタンフォーム同士が直接連着できるように
なる。また、フィルム4自体は異硬度境界部位にあって
発泡の際に溶融して接着剤として機能する。
【0019】図3及び図4は本発明の異硬度発泡クッシ
ョン体としての自動車用フロントシートのクッションパ
ッド5を示す。このクッションパッド5は座面6よりも
両側の土手部7,7が上方に隆起させて乗員のホールド
性を向上させた形状に形成されている。そしてこのクッ
ションパッド5は全体がウレタンフォームで形成されて
おり、かつ土手部7の外側部7aが他の部分よりも硬い
ウレタンフォームで形成されている。このとき外側部7
aと他の部分との異硬度境界部位にはバックパッド1と
同様に多数のスリット41が形成された熱溶融性合成樹
脂フィルム4が配されて接着機能を奏すると共に、発泡
の際にスリット41が開孔した開孔部42を通して硬さ
の異なるウレタンフォーム同士が直接連着した構造にな
っている。
ョン体としての自動車用フロントシートのクッションパ
ッド5を示す。このクッションパッド5は座面6よりも
両側の土手部7,7が上方に隆起させて乗員のホールド
性を向上させた形状に形成されている。そしてこのクッ
ションパッド5は全体がウレタンフォームで形成されて
おり、かつ土手部7の外側部7aが他の部分よりも硬い
ウレタンフォームで形成されている。このとき外側部7
aと他の部分との異硬度境界部位にはバックパッド1と
同様に多数のスリット41が形成された熱溶融性合成樹
脂フィルム4が配されて接着機能を奏すると共に、発泡
の際にスリット41が開孔した開孔部42を通して硬さ
の異なるウレタンフォーム同士が直接連着した構造にな
っている。
【0020】このような異硬度発泡クッション体は次の
ようにして製造することができる。図7乃至図9は異硬
度発泡クッション体10を製造する場合の製造方法を示
す。この異硬度発泡クッション体10は全体がウレタン
フォームで成形されており、側部11が他の部分12よ
りも硬いウレタンフォームで形成されている。この製造
に用いる金型20は図8に示すように上型21と、下型
22と、割型23とに分割された割り構造になってお
り、下型22と割型23の割り面にはそれぞれフランジ
22a,23aが設けられている。このフランジ22
a,23aは割面全周の大部分に設けられている。
ようにして製造することができる。図7乃至図9は異硬
度発泡クッション体10を製造する場合の製造方法を示
す。この異硬度発泡クッション体10は全体がウレタン
フォームで成形されており、側部11が他の部分12よ
りも硬いウレタンフォームで形成されている。この製造
に用いる金型20は図8に示すように上型21と、下型
22と、割型23とに分割された割り構造になってお
り、下型22と割型23の割り面にはそれぞれフランジ
22a,23aが設けられている。このフランジ22
a,23aは割面全周の大部分に設けられている。
【0021】そして熱溶融性合成樹脂フィルム4は図9
に示すようその先端部を金型20内に位置させると共に
その基端部をフランジ22a,23a間に挟んで金型2
0にセットされる。このときフィルム4の全周の大部分
はフランジ22a,23aで挾持されるので、剛性の小
さなフィルム4は垂れることなく良好に保持される。こ
れにより金型20内はフィルム4で仕切られて複数の室
に分割され、隣り合う各室に硬さの異なるウレタン発泡
原液A,及びBがそれぞれ注入される。このときフィル
ム4には多数のスリット41が形成されているがこのス
リット41は発泡原液A及びBの通過を遮断し各原液A
及びBの発泡域を明確に区画する。
に示すようその先端部を金型20内に位置させると共に
その基端部をフランジ22a,23a間に挟んで金型2
0にセットされる。このときフィルム4の全周の大部分
はフランジ22a,23aで挾持されるので、剛性の小
さなフィルム4は垂れることなく良好に保持される。こ
れにより金型20内はフィルム4で仕切られて複数の室
に分割され、隣り合う各室に硬さの異なるウレタン発泡
原液A,及びBがそれぞれ注入される。このときフィル
ム4には多数のスリット41が形成されているがこのス
リット41は発泡原液A及びBの通過を遮断し各原液A
及びBの発泡域を明確に区画する。
【0022】次で金型20をヒータあるいはスチーム
(図示せず)等の適宜の手段で加熱し発泡原液A及びB
を発泡させ、発泡終了後上型21,下型22,及び割型
23を分割し、所望形状に成形された異硬度発泡クッシ
ョン体10を得ることができる。この成形の際の発泡工
程において発生するガスは熱溶融性合成樹脂フィルム4
に形成された多数のスリット41を介して自由に移動す
ることができるので境界面にエアだまりや割れを形成す
ることがなく、かつ硬さの異なるウレタンフォーム同士
は多数のスリット41が発泡熱により開孔した開口部4
2(図6参照)を通して直接連着して境界部位の強固な
接着状態が得られる。熱溶融性合成樹脂フィルム4はそ
れ自体ウレタン樹脂との接着性がよく発泡の際の反応熱
により溶融して境界部位を接着させ、成形後も含浸層を
形成することなく充分な柔軟性を示し異物感を感じさせ
ない。
(図示せず)等の適宜の手段で加熱し発泡原液A及びB
を発泡させ、発泡終了後上型21,下型22,及び割型
23を分割し、所望形状に成形された異硬度発泡クッシ
ョン体10を得ることができる。この成形の際の発泡工
程において発生するガスは熱溶融性合成樹脂フィルム4
に形成された多数のスリット41を介して自由に移動す
ることができるので境界面にエアだまりや割れを形成す
ることがなく、かつ硬さの異なるウレタンフォーム同士
は多数のスリット41が発泡熱により開孔した開口部4
2(図6参照)を通して直接連着して境界部位の強固な
接着状態が得られる。熱溶融性合成樹脂フィルム4はそ
れ自体ウレタン樹脂との接着性がよく発泡の際の反応熱
により溶融して境界部位を接着させ、成形後も含浸層を
形成することなく充分な柔軟性を示し異物感を感じさせ
ない。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、異
硬度境界部位にエアだまりや割れの発生もなく、かつ強
固な接着状態が得られると共に異物感の生じない異硬度
発泡クッション体を得ることができる。
硬度境界部位にエアだまりや割れの発生もなく、かつ強
固な接着状態が得られると共に異物感の生じない異硬度
発泡クッション体を得ることができる。
【0024】また、従来の異硬度発泡では金型に金属ス
リットがある部分にしか異硬度境界部が設定できなかっ
たが、本発明によれば熱溶融性合成樹脂フィルムを仕切
り部材として割り構造の金型にセットすることでクッシ
ョン体の任意の箇所に異硬度境界部位を設定できるよう
になった。
リットがある部分にしか異硬度境界部が設定できなかっ
たが、本発明によれば熱溶融性合成樹脂フィルムを仕切
り部材として割り構造の金型にセットすることでクッシ
ョン体の任意の箇所に異硬度境界部位を設定できるよう
になった。
【0025】さらに使用する金型を割り構造にし熱溶融
性合成樹脂フィルムを金型の割り面に設けたフランジで
挟んでセットすることによって、金型インサートワイヤ
ー無しのリサイクルに適した異硬度発泡クッション体を
得ることができる。
性合成樹脂フィルムを金型の割り面に設けたフランジで
挟んでセットすることによって、金型インサートワイヤ
ー無しのリサイクルに適した異硬度発泡クッション体を
得ることができる。
【0026】これらにより本発明によれば外観(仕上
り)品質の向上、リサイクル対応として金属インサート
ワイヤーの廃止、及び乗り心地の向上といった近年のニ
ーズに適合した異硬度発泡クッション体を提供すること
ができる。
り)品質の向上、リサイクル対応として金属インサート
ワイヤーの廃止、及び乗り心地の向上といった近年のニ
ーズに適合した異硬度発泡クッション体を提供すること
ができる。
【図1】本発明の異硬度発泡クッション体としての自動
車用フロントシートのバックパッドの正面図である。
車用フロントシートのバックパッドの正面図である。
【図2】図1のバックパッドの2−2線に沿う断面図で
ある。
ある。
【図3】本発明の異硬度発泡クッション体としての自動
車用フロントシートのクッションパッドの正面図であ
る。
車用フロントシートのクッションパッドの正面図であ
る。
【図4】図3のクッションパッドの4−4線に沿う断面
図である。
図である。
【図5】本発明の熱溶融性合成樹脂フィルムの加熱処理
前の状態を示す正面図である。
前の状態を示す正面図である。
【図6】図5のフィルムの加熱処理後の状態を示す正面
図である。
図である。
【図7】本発明の製造方法を説明する異硬度発泡クッシ
ョン体の部分断面図である。
ョン体の部分断面図である。
【図8】図7の異硬度発泡クッション体に用いる金型の
部分分解断面図である。
部分分解断面図である。
【図9】図7の異硬度発泡クッション体に用いる金型の
部分断面図である。
部分断面図である。
1 バックパッド(異硬度発泡クッション体) 4 熱溶融性合成樹脂フィルム 5 クッションパッド(異硬度発泡クッション体) 10 異硬度発泡クッション体 20 金型 21 上型 22 下型 22a フランジ 23 割型 23a フランジ 41 スリット 42 開口部 A,B 発泡原液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:04 B29L 31:58 4F
Claims (3)
- 【請求項1】 多数のスリットが発泡の際の加熱により
開孔した熱溶融性合成樹脂フィルムの開孔部を通して硬
さの異なるウレタンフォーム同士を少なくとも直接連着
させてなる異硬度発泡クッション体。 - 【請求項2】 点在する多数のスリットが形成された熱
溶融性合成樹脂フィルムによって金型内を複数の室に分
割し、隣合う各室に硬さの異なる発泡原液を注入した後
発泡させると共にこの発泡の際の加熱により前記スリッ
トを開孔させ、かつこの開孔部を通して硬さの異なるウ
レタンフォーム同士を連着させることを特徴とする異硬
度発泡クッション体の製造方法。 - 【請求項3】 前記熱溶融性合成樹脂フィルムが割り構
造の金型の割り面に設けたフランジに挟まれて金型内に
セットされている請求項2記載の異硬度発泡クッション
体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28388192A JP3220948B2 (ja) | 1992-09-28 | 1992-09-28 | 異硬度発泡クッション体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28388192A JP3220948B2 (ja) | 1992-09-28 | 1992-09-28 | 異硬度発泡クッション体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06106627A true JPH06106627A (ja) | 1994-04-19 |
JP3220948B2 JP3220948B2 (ja) | 2001-10-22 |
Family
ID=17671390
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28388192A Expired - Fee Related JP3220948B2 (ja) | 1992-09-28 | 1992-09-28 | 異硬度発泡クッション体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3220948B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002200626A (ja) * | 2000-11-06 | 2002-07-16 | Tokai Kogyo Co Ltd | クッション材の製造方法 |
JP2006110166A (ja) * | 2004-10-15 | 2006-04-27 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | シート用バックパッド |
JP2012502817A (ja) * | 2008-09-23 | 2012-02-02 | ジョンソン・コントロールズ・ゲー・エム・ベー・ハー | クッション要素およびそれを生産するための方法および金型 |
US11001690B2 (en) | 2017-07-10 | 2021-05-11 | Nhk Spring Co., Ltd. | Cushion material, seat cushion material, and seat |
-
1992
- 1992-09-28 JP JP28388192A patent/JP3220948B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002200626A (ja) * | 2000-11-06 | 2002-07-16 | Tokai Kogyo Co Ltd | クッション材の製造方法 |
JP2006110166A (ja) * | 2004-10-15 | 2006-04-27 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | シート用バックパッド |
JP2012502817A (ja) * | 2008-09-23 | 2012-02-02 | ジョンソン・コントロールズ・ゲー・エム・ベー・ハー | クッション要素およびそれを生産するための方法および金型 |
US11001690B2 (en) | 2017-07-10 | 2021-05-11 | Nhk Spring Co., Ltd. | Cushion material, seat cushion material, and seat |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3220948B2 (ja) | 2001-10-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5053271A (en) | Skin covered foamed plastic article | |
CA2149331C (en) | A cushion body structure comfortable to sit | |
JPS6163784A (ja) | 成形フオ−ム裏打ちじゆたん集成体及びその製造方法 | |
JPH0780167A (ja) | 自動車用シートのクッション体構造 | |
US4975229A (en) | Process for producing laminated resin foam | |
JPH06106627A (ja) | 異硬度発泡クッション体及びその製造方法 | |
JPS58203027A (ja) | 異硬度クッション体の製造方法 | |
JPH0976797A (ja) | 自動車用座席クッション | |
JPH0544103Y2 (ja) | ||
JPS599166B2 (ja) | 複合構成のシ−トクツシヨンの製造方法 | |
JPH0229007B2 (ja) | ||
JPS5862027A (ja) | 表皮一体発泡体の成形方法 | |
JP2763574B2 (ja) | 一体発泡シートの製造方法 | |
JP2686613B2 (ja) | 表皮一体成形ヘッドレスト | |
JPS61125816A (ja) | ウレタンフオ−ムモ−ルド成形体の製造方法 | |
JP6593788B2 (ja) | シートパッドの製造方法及びシートパッド | |
JP2843616B2 (ja) | クッション製品およびその製造方法 | |
JPH0341992A (ja) | シートのクッションパットの製造方法 | |
JPH05115A (ja) | 車両用シート | |
JPH11137364A (ja) | 車両用シートおよびその製造方法 | |
JP2006130715A (ja) | 表面に起伏を有する内装材とその成形方法 | |
JP2675055B2 (ja) | 局所異硬度シートパッドの製造方法 | |
JPH06225822A (ja) | 車両用座席のモールドパッド製造方法 | |
JPH0334954B2 (ja) | ||
JPH04220313A (ja) | ポリウレタンシートパツドの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |