JPH0586194A - カチオン性官能基含有ポリシロキサン樹脂組成物、それを用いた塗料組成物およびカチオン性官能基含有ポリシロキサン樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
カチオン性官能基含有ポリシロキサン樹脂組成物、それを用いた塗料組成物およびカチオン性官能基含有ポリシロキサン樹脂組成物の製造方法Info
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- JPH0586194A JPH0586194A JP24803291A JP24803291A JPH0586194A JP H0586194 A JPH0586194 A JP H0586194A JP 24803291 A JP24803291 A JP 24803291A JP 24803291 A JP24803291 A JP 24803291A JP H0586194 A JPH0586194 A JP H0586194A
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Abstract
によって形成し、塗膜均一性および平滑性を向上する。 【構成】 一分子中に3個のアルコキシ基を有する有機
ケイ素化合物と、一分子中に2個のアルコキシ基または
2個のシラノール基あるいは1個のアルコキシ基と1個
のシラノール基の少なくともいずれかの組合せを有する
有機ケイ素化合物と、カチオン性官能基を有するカチオ
ン性有機ケイ素化合物とを含むカチオン性官能基含有ポ
リシロキサン樹脂組成物を製造し、中和剤および純水な
どを用いて電着塗料とする。
Description
料として用いられるカチオン性官能基含有ポリシロキサ
ン樹脂組成物、それを用いた塗料組成物およびカチオン
性官能基含有ポリシロキサン樹脂組成物の製造方法に関
する。
所や自動車エンジン外まわり、航空機、電気・電子機器
等において、熱を使用する箇所の高温酸化による腐食を
防止することを目的としている。電気・電子機器につい
ては、耐熱性絶縁塗料として、電気絶縁性、機械的強
度、化学的特性、寸法安定性などに優れている耐熱性高
分子が利用されている。代表的な耐熱絶縁塗料として
は、シリコーン系耐熱塗料が多く使用されている。これ
らの塗料は、溶剤型がほとんどであり、その塗装方法は
刷毛塗り、スプレーコート、ディップコート、ロールコ
ート、スピンコートなどが通常の方法である。
などの塗装方法では、塗膜の均一性、平滑性、さらにエ
ッジカバーリング性についても限界があるという問題が
ある。また、塗料が溶剤型であるため、作業環境や火災
安全性などの作業性にも問題がある。
ン変性樹脂の水溶化には、界面活性剤を用いて分散する
方法が行われている。しかしながら、界面活性剤の影響
で、良好な塗膜性能が得られず、塗膜の均一性や平滑性
および透明性の良好な塗膜が得られないという問題があ
る。
有機ケイ素系組成の例が特開平2−311581号に開
示されているが、低縮合物であり、電着塗装しても塗膜
形成能がなく、本発明の目的に沿うものではない。
熱性、耐薬品性、耐水性等の各種塗膜性能に優れ、か
つ、表面が平滑で光沢と透明性に優れ、作業的に安全で
作業効率の良いカチオン性官能基含有ポリシロキサン樹
脂組成物、それを用いた塗料組成物およびカチオン性官
能基含有ポリシロキサン樹脂組成物の製造方法を提供す
ることである。
個のアルコキシ基を有する1種類あるいは2種類以上の
有機ケイ素化合物から成る成分aと、一分子中に2個の
アルコキシ基または2個のシラノール基、あるいは1個
のアルコキシ基と1個のシラノール基との少なくとも1
つを含む組合わせをそれぞれ有する1種類あるいは2種
類以上の有機ケイ素化合物から成る成分bと、化1に示
される一般式を有し、R1は炭素数1〜8の有機基であ
り、R2は炭素数1〜5の有機基であり、Xは炭素数1
〜8の有機基であり、Kはカチオン性官能基であって、
nが0であるカチオン性有機ケイ素化合物c1またはn
が1であるカチオン性有機ケイ素化合物c2の1種類あ
るいは2種類以上の組合わせから成る成分cとを含むこ
とを特徴とするカチオン性官能基含有ポリシロキサン樹
脂組成物である。
はアミノ基、モノアミノアルキル基およびジアミノアル
キル基から選ばれることを特徴とする。
シ基を有する1種類あるいは2種類以上の有機ケイ素化
合物から成る成分aと、一分子中に2個のアルコキシ基
または2個のシラノール基あるいは1個のアルコキシ基
と1個のシラノール基との少なくとも1つを含む組合わ
せをそれぞれ有する1種類あるいは2種類以上の有機ケ
イ素化合物から成る成分bと、化1に示される一般式を
有し、R1は炭素数1〜8の有機基であり、R2は炭素
数1〜5の有機基であり、Xは炭素数1〜8の有機基で
あり、Kはカチオン性官能基であって、nが0であるカ
チオン性有機ケイ素化合物c1またはnが1であるカチ
オン性有機ケイ素化合物c2の1種類あるいは2種類以
上の組合わせから成る成分cとを含むカチオン性官能基
含有ポリシロキサン樹脂組成物と、中和剤と、純水とを
含むことを特徴とするカチオン性官能基含有ポリシロキ
サン樹脂組成物を用いた塗料組成物である。
シ基を有する1種類あるいは2種類以上の有機ケイ素化
合物から成る成分aと、一分子中に2個のアルコキシ基
または2個のシラノール基、あるいは1個のアルコキシ
基と1個のシラノール基との少なくとも1つを含む組合
わせをそれぞれ有する1種類あるいは2種類以上の有機
ケイ素化合物から成る成分bと、化1に示される一般式
を有し、R1は炭素数1〜8の有機基であり、R2は炭
素数1〜5の有機基であり、Xは炭素数1〜8の有機基
であり、Kはカチオン性官能基であって、nが0である
カチオン性有機ケイ素化合物c1またはnが1であるカ
チオン性有機ケイ素化合物c2の1種類あるいは2種類
以上の組合わせから成る成分cと、
チオン性有機ケイ素化合物c1と成分bおよびカチオン
性有機ケイ素化合物c2とのモル比rが1以上であり、
成分a,b,cの全モル数に対して成分cが10〜30
モル%であり、アルコキシ基に対して純水が0.8当量
以上であるように混合し、加水分解および縮合反応を行
って得られることを特徴とするカチオン性官能基含有ポ
リシロキサン樹脂組成物の製造方法である。
は、イソシアネート基と第三級アミン系アミノアルコー
ルの水酸基中の活性化水素との付加反応で得られること
を特徴とする。
は、エポキシ基と第二級アミンの活性化水素との付加反
応で得られることを特徴とする。
ロキサン樹脂組成物は、成分a,b,cを含み、成分
a,b,cと純水とを混合し、加水分解および縮合反応
させることによって得られる。また、カチオン性官能基
含有ポリシロキサン樹脂組成物を用いた塗料組成物は、
前述のカチオン性官能基含有ポリシロキサン樹脂と中和
剤と純水とを含む。
を有する1種類あるいは2種類以上の化合物から成る。
成分aとしては、化2に示されるトリアルコキシシラン
単量体(以下、単量体をモノマーと称する)と、化3に
示されるトリアルコキシシラン低縮合体(以下、低縮合
体をオリゴマーと称す)とがある。
機基であり、R4は炭素数1〜5の有機基である。ま
た、化3においてR5はメチル基およびフェニル基であ
り、R6はメチル基およびエチル基である。
ン性官能基含有ポリシロキサン樹脂組成物を形成する反
応において、樹脂化を促進する働きを有している。トリ
アルコキシシランモノマーは、成分a,b,cの全モル
数に対して10〜80モル%が好ましい。トリアルコキ
シシランモノマーとしては、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−クロロ
プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシ
ラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルト
リメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、トリフ
ルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロ
オクタチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデ
シルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキ
シ,エトキシ)シラン等があり、これらの1種類あるい
は2種類以上を使用する。
反応において高分子化を促進し、電着塗装の塗膜形成能
を早めるのに有効である。また、トリアルコキシシラン
オリゴマーは、トリアルコキシシランモノマーと比較し
て、塗膜の屈曲性、レベリング性を高める働きがる。ト
リアルコキシシランオリゴマーは、成分a,b,cの全
モル数に対して80モル%以下が好ましい。
は、たとえば東レシリコン社製TSR−650が用いら
れる。化3のR5がフェニル基である場合には、R5が
メチル基である場合に比べ、電着塗膜の硬度および耐熱
性が向上するけれども、塗料の分散性および水溶性が低
下する傾向がある。しかしながら、塗料の分散性および
水溶性は、トリアルコキシシランモノマーなどのモノマ
ーとの併用によって改善することができる。
または2個のシラノール基あるいは1個のアルコキシ基
と1個のシラノール基との少なくとも1つを含む組合わ
せをそれぞれ有する1種類あるいは2種類以上の有機ケ
イ素化合物から成る。成分bとしては、化4に示される
ジアルコキシシランモノマーと、化5に示される2官能
反応性シリコーンオリゴマーとが挙げられる。
機基であり、R8は炭素数1〜5の有機基であり、化5
においてR9はメチル基およびフェニル基を示してい
る。
b,cの全モル数に対して50モル%以下で使用するこ
とが好ましい。ジアルコキシシランモノマーを50モル
%より多量に用いれば、縮合反応において樹脂化を疎外
し、さらに電着塗膜の硬度が低下する。また、塗膜形成
後の焼付け時に、塗膜の流動性が過度になり、均一で平
滑である良好な外観が得られなくなる。
メチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、
ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシ
ラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、3
−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、ヘプタデカ
フルオロデシルメチルジメトキシシラン、3−メタクリ
ロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、オクタ
デシルメチルジメトキシシラン等があり、これらの1種
類または2種類以上を使用する。成分bとしては、ジア
ルコキシシランモノマーと、前述の2官能反応性シリコ
ーンオリゴマーとを併用してもよい。
2種類以上のカチオン性有機ケイ素化合物から成る。化
1において、R1は炭素数1〜8の有機基であり、R2
は炭素数1〜5の有機基であり、Xは炭素数1〜8の有
機基であり、Kはカチオン性官能基であって、nは0ま
たは1である。n=0のときにはトリアルコキシシラン
であるカチオン性有機ケイ素化合物c1であり、n=1
のときはジアルコキシシランであるカチオン性有機ケイ
素化合物c2である。
して10〜30モル%が好ましく、さらに好ましくは1
5〜25モル%である。10モル%以下では電着塗膜形
成能を有するカチオン性官能基含有ポリシロキサン樹脂
組成物の水溶性が低下し、30モル%を超えれば、電着
塗膜の再溶解や脱落剥離が、電着工程から水洗工程の作
業中に発生し、さらに過剰に用いれば、電着塗膜形成能
が低下し、電着塗膜が形成しなくなるなどの問題が生じ
る。
モノアミノアルキル基およびジアミノアルキル基から選
ばれる。またカチオン性官能基は、化6に示されるよう
に、イソシアネート基と、第3級アミン系アミノアルコ
ールの水酸基中の活性化水素との付加反応で得られても
よく、またさらにカチオン性官能基は、化7に示される
ように、エポキシ基と第2級アミンの活性化水素との付
加反応で得られてもよい。
においてR11は有機基であり、R12は有機基であ
る。
ランであるカチオン性有機ケイ素化合物c1と、ジアル
コキシシランであるカチオン性有機ケイ素化合物c2と
に分類され、カチオン性有機ケイ素化合物c1は成分a
と同じ数のアルコキシ基を有し、カチオン性有機ケイ素
化合物c2は成分bと同じ数のアルコキシ基を有してい
る。数1で示される成分aおよびカチオン性有機ケイ素
化合物c1と、成分bとカチオン性有機ケイ素化合物c
2とのモル比rは、1.0以上が好ましい。
が低下する。また電着塗膜の硬度が低下するという問題
が生じる。また、塗膜形成後の焼付け時に、塗膜の流動
性が過度になり、均一で平滑である良好な外観が得られ
なくなる。
ノアミノアルキル基あるいはジアミノアルキル基である
カチオン性有機ケイ素化合物としては、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−[N−ア
リル−N(2−アミノエチル)]アミノプロピルトリメ
トキシシラン、p−[N−(2−アミノエチル)アミノ
メチル]フェネチルトリメトキシシラン、N−3−トリ
メトキシシリルプロピル−m−フェニレンジアミン、γ
−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノ
プロピルエチルジエトキシシラン等があり、これらの1
種類あるいは2種類以上を使用する。
コールの水酸基の活性化水素とイソシアネート基との付
加反応によって、成分cのカチオン性官能基を得る場
合、第3級アミン系アミノアルコールとしては、N,N
−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノ
ールアミンなどが用いられる。イソシアネート基を有す
る物質としては、化8で示されるアルコキシシランが用
いられる。
4はアルキル基を示している。イソシアネート基を有す
るアルコキシシランとしては、γ−イソシアネートプロ
ピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピル
トリメトキシシラン等が挙げられる。
の活性化水素との付加反応によって成分cのカチオン性
官能基を得る場合、第2級アミンとしては、ジエチルア
ミン、ジエタノールアミン、ジ−n−プロパノールアミ
ン、ジ−iso−プロパノールアミン、N−メチルエタ
ノールアミン、N−エチルエタノールアミン等がある。
エポキシ基は、エポキシ官能性アルコキシシランとして
用いることが好ましく、エポキシ官能性アルコキシシラ
ンとしては、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−
グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリメトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−
メチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチル−メチルジメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリエト
キシシラン等がある。
コール、グリコールおよびセロソルブなどの水溶性の溶
剤1種類または2種類以上を主成分とする溶媒系で加水
分解および縮合反応を行い、カチオン性官能基含有ポリ
シロキサン樹脂組成物を製造する。このとき純水は、成
分a,b,cに含まれるアルコキシ基に対して0.8当
量以上、好ましくは0.9当量以上となるように選ばれ
る。水がアルコキシ基に対して0.8当量未満となれ
ば、縮合反応における樹脂化および電着塗膜形成能が低
下する。このため、良好な電着塗膜が得られなくなる。
c、純水および溶剤を80〜100℃の条件で10〜1
5時間行われる。この際、触媒は必要としない。多段階
反応を行えば、得られるカチオン性官能基含有ポリシロ
キサン樹脂組成物の高分子化を図ることができる。
能基含有ポリシロキサン樹脂組成物の高分子化が不十分
となり、電着塗膜形成能が損なわれ、15時間を超えれ
ば、カチオン性官能基含有ポリシロキサン樹脂組成物の
高分子化が過剰となり、水溶性が低下するという問題が
ある。
た後に、カチオン性官能基含有ポリシロキサン樹脂組成
物に対して20重量%以下のアミノ樹脂、フッ素系樹
脂、ポリイミド系樹脂、熱硬化・耐熱性イソシアネート
オリゴマー、シリコーン系多環オリゴマー等を添加して
もよい。添加する樹脂が20重量%を超えれば、カチオ
ン性官能基含有ポリシロキサン樹脂組成物の効果が低下
する。
能基含有ポリシロキサン樹脂組成物は、カチオン電着塗
料として用いられる。反応後のカチオン性官能基含有ポ
リシロキサン樹脂組成物を、カチオン性官能基含有ポリ
シロキサン樹脂組成物中のアミノ基に対して0.7〜
1.4当量となるように有機酸および鉱酸を1種類ある
いは2種類以上用いて中和する。有機酸としてはギ酸、
酢酸、乳酸、i−プロピオン酸、n−プロピオン酸など
炭素数が3以下のものが用いられ、鉱酸としては硫酸、
塩酸およびリン酸などが用いられる。
組成物の中和物を純水で希釈すれば、カチオン電着塗料
となる。前述のカチオン電着塗料に、ルチル型チタン
白、マイカ、クレイ等の無機フィラー、フッ素樹脂粉
末、シリカ、酸化アルミナなどを分散させ、目的に応じ
たカチオン電着塗料とすることができる。
0℃以上で硬化される。焼付け処理は、成分a,b,c
に加えてアミノ樹脂、ポリイミド系樹脂、熱硬化・耐熱
性イソシアネートオリゴマーおよびシリコーン系多環オ
リゴマー等の硬化性樹脂を用いた場合には、焼付け温度
200℃で約1時間行われ、硬化性樹脂を用いない場合
には、焼付け温度250〜300℃で約1時間行われ
る。
に説明する。本件の発明者は、表1に示されるような実
施例1〜8を行った。これらの実施例は、材料は異なる
けれども、製造条件は同じである。以下にその製造条件
を説明する。
口フラスコに、成分a,b,c(ただし成分cとして、
γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランとジメ
チルエタノールアミンとを用いる場合には、これらを反
応させた後、成分cとする)、純水および溶剤の3/4
を仕込み、85〜100℃の還流温度で、6時間反応
後、残り1/4を仕込み、さらに4時間反応を行った。
その後、30℃以下に冷却し、12〜16時間後に中和
剤として乳酸を用いて中和を行った。中和剤量は、アミ
ノ基含有アルコキシシランに対して1当量とした。
件等を表1に示す。
の作成および塗料の性能試験 前述の方法によって得られた中和後のカチオン性官能基
含有ポリシロキサン樹脂組成物を、固形分が10重量%
となるように純水を用いて1リットルに希釈し、粗カチ
オン電着塗料を得た。粗カチオン電着塗料について、後
述するような性能試験を行い、表2の試験結果を得た。
ン樹脂組成物の水溶化能 カチオン性官能基含有ポリシロキサン樹脂組成物を希釈
し、粗カチオン電着塗料を作成する際の水溶化能を、凡
用のアクリル−メラミン系アニオン電着塗料の水溶化能
を基準とし、目視判定した。これによって上記組成物の
純水への溶解の程度を判定した。表2における本試験項
目の記号は、下記の意味を表す。
−メラミン系アニオン電着塗料の分散安定性を基準と
し、分散安定性を目視判定した。表2における本試験項
目の記号は、下記の意味を表す。
イヤイオンSA−10AP(三菱化成社製)を用いて精
製し、カチオン電着塗料を得た。
(JIS A−10501×70×70mm3)に液温
25℃で2分間50Vの電圧を印加して電着塗装し、1
00〜120℃で15分間予備乾燥を行った後、250
℃で1時間焼付け処理を行い、試料を作成し、後述する
性能試験である電着塗膜形性能の試験を行い、表2の試
験結果を得た。
得られた電着塗膜を基準とし、電着によって得られた塗
膜の形成能を目視判定した。表2における本試験項目の
記号は、下記の意味を表す。
て、後述するような試験を行い、下記表2の試験結果を
得た。下記表中において、耐水性、耐溶剤性、耐薬品性
については、試験前の試料の状態と、試験後の試料の状
態とを比較し、変化が生じていない場合には○の記号
を、白化などの変化が生じているときには△の記号を付
した。
観を基準とし、目視判定した。表2における本試験項目
の記号は、下記の意味を表す。
ロハンテープで塗膜をテーピングし、セロハンテープを
剥離する際に剥がれないマス目数で示す。
がれの有無を目視と碁盤目テーピング試験で判定する。
試験前の状態と変化がないものを良好とする。
間行った後、塗膜の白化、碁盤目テーピング試験を用い
て2次密着性を調べる。
れ、および白化等外観変化を試験する。
ム)に試料を24時間浸漬し、金属の腐食、塗膜の膨れ
等の外観変化を試験する。
造方法に基づいて、比較例1〜7を行った。反応時間が
4時間以下の場合には全材料を一度に仕込み、所定の時
間反応を行った。また反応時間が10時間を越える場合
には、材料の3/4を4時間反応させた後、残り1/4
の材料を加えて、所定の時間になるまで反応を行った。
比較例についても、試験用の試料を作成し、実施例と同
様の項目について、試験を行った。比較例1〜7の試験
結果を表4に示す。
11581号を再現したものである。比較例1では成分
a,bを用いておらず、カチオン性官能基を有する成分
cのみを用いているため水溶化能および電着塗料の分散
安定性は優れている。一方で反応時に純水を用いておら
ず、また反応時間も短く、反応温度も低いため高分子化
が生じず、電着塗膜を形成することができなかった。
全モル数に対して5モル%と低いため水溶化能が低く、
電着塗料を得ることができなかった。したがって成分c
は成分a,b,cの全モル数に対して5モル%を超える
濃度、たとえば10モル%以上が好適であり、さらに好
ましくは15モル%以上であることがわかる。
全モル数に対して40モル%と高いため、電着塗膜形性
能が低く、電着塗膜を得ることができなかった。したが
って成分cは、成分a,b,cの全モル数に対して40
モル%未満、たとえば30モル%以下が好ましく、さら
に好ましくは25モル%以下であることがわかる。
わかるように、成分a,b,cの全モル数に対して10
〜30モル%が好ましく、さらに15〜25モル%が好
ましいことがわかる。
キシシランとジアルコキシシランとのモル比rが1.0
未満であるため樹脂化が低下して電着塗膜の硬度が低下
し、鉛筆硬度がFとなった。したがってモル比rは1.
0以上が好ましいことがわかる。
分子化が不充分であり、電着塗膜形成能が損なわれ、電
着塗膜を得ることができなかった。したがって反応時間
は3時間を超える、たとえば10時間以上が好ましいこ
とがわかる。
く、高分子化が過剰であるためカチオン性官能基含有ポ
リシロキサン樹脂組成物の水溶化能が低く、均一・平滑
で光沢のある電着塗膜が得られなかった。したがって反
応時間は21時間未満、たとえば15時間以下が好まし
いことがわかる。
間は10〜15時間が好ましいことがわかる。
が0.6当量と低いため、高分子化が低下し、電着塗膜
形成能が低下し、均一・平滑性を有する電着塗膜が得ら
れなかった。したがって、純水量はアルコキシ基に対し
て0.6当量を超える、たとえば0.8当量以上が好ま
しく、さらに好ましくは0.9当量以上であることがわ
かる。
性、耐水性、耐溶剤性、耐薬品性に優れ、かつ表面が平
滑で光沢を有し、硬度の高い電着塗膜が得られた。また
凡用のアクリル−メラミン系アニオン電着塗料と比較し
て、水溶化能および分散安定性の高いカチオン性官能基
含有ポリシロキサン樹脂組成物を用いた塗料組成物が得
られた。
有するカチオン性官能基含有ポリシロキサン樹脂組成物
を製造し、電着塗料とするため、塗装に多量の溶剤を必
要とせず、作業の安全性および作業効率が向上する。ま
た電着塗装を行うことができるため、表面が均一・平滑
で、耐熱性、耐水性、耐薬品性等に優れ、硬度の高い塗
膜を得ることができる。
コキシ基を有する有機ケイ素化合物と、一分子中に2個
のアルコキシ基または2個のシラノール基あるいは1個
のアルコキシ基と1個のシラノール基との少なくともい
ずれかの組合せを有する有機ケイ素化合物と、カチオン
性有機ケイ素化合物とを含むカチオン性官能基含有ポリ
シロキサン樹脂組成物を製造し、塗料組成物として用い
る。カチオン性官能基含有ポリシロキサン樹脂組成物は
水溶性を有するため、塗装を行う際の作業安全性が向上
する。
た。また、耐熱性、耐水性、耐薬品性等に優れ、硬度の
高い塗膜が得られ、塗膜の膜厚が均一であり、表面を平
滑にすることができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 一分子中に3個のアルコキシ基を有する
1種類あるいは2種類以上の有機ケイ素化合物から成る
成分aと、 一分子中に2個のアルコキシ基または2個のシラノール
基、あるいは1個のアルコキシ基と1個のシラノール基
との少なくとも1つを含む組合わせをそれぞれ有する1
種類あるいは2種類以上の有機ケイ素化合物から成る成
分bと、 化1に示される一般式を有し、R1は炭素数1〜8の有
機基であり、R2は炭素数1〜5の有機基であり、Xは
炭素数1〜8の有機基であり、Kはカチオン性官能基で
あって、nが0であるカチオン性有機ケイ素化合物c1
またはnが1であるカチオン性有機ケイ素化合物c2の
1種類あるいは2種類以上の組合わせから成る成分cと
を含むことを特徴とするカチオン性官能基含有ポリシロ
キサン樹脂組成物。 【化1】 - 【請求項2】 成分cのカチオン性官能基はアミノ基、
モノアミノアルキル基およびジアミノアルキル基から選
ばれることを特徴とする請求項1記載のカチオン性官能
基含有ポリシロキサン樹脂組成物。 - 【請求項3】 一分子中に3個のアルコキシ基を有する
1種類あるいは2種類以上の有機ケイ素化合物から成る
成分aと、一分子中に2個のアルコキシ基または2個の
シラノール基あるいは1個のアルコキシ基と1個のシラ
ノール基との少なくとも1つを含む組合わせをそれぞれ
有する1種類あるいは2種類以上の有機ケイ素化合物か
ら成る成分bと、化1に示される一般式を有し、R1は
炭素数1〜8の有機基であり、R2は炭素数1〜5の有
機基であり、Xは炭素数1〜8の有機基であり、Kはカ
チオン性官能基であって、nが0であるカチオン性有機
ケイ素化合物c1またはnが1であるカチオン性有機ケ
イ素化合物c2の1種類あるいは2種類以上の組合わせ
から成る成分cとを含むカチオン性官能基含有ポリシロ
キサン樹脂組成物と、 中和剤と、 純水とを含むことを特徴とするカチオン性官能基含有ポ
リシロキサン樹脂組成物を用いた塗料組成物。 - 【請求項4】 一分子中に3個のアルコキシ基を有する
1種類あるいは2種類以上の有機ケイ素化合物から成る
成分aと、 一分子中に2個のアルコキシ基または2個のシラノール
基、あるいは1個のアルコキシ基と1個のシラノール基
との少なくとも1つを含む組合わせをそれぞれ有する1
種類あるいは2種類以上の有機ケイ素化合物から成る成
分bと、 化1に示される一般式を有し、R1は炭素数1〜8の有
機基であり、R2は炭素数1〜5の有機基であり、Xは
炭素数1〜8の有機基であり、Kはカチオン性官能基で
あって、nが0であるカチオン性有機ケイ素化合物c1
またはnが1であるカチオン性有機ケイ素化合物c2の
1種類あるいは2種類以上の組合わせから成る成分c
と、 【化1】 純水とを、数1で示される成分aおよびカチオン性有機
ケイ素化合物c1と成分bおよびカチオン性有機ケイ素
化合物c2とのモル比rが1以上であり、成分a,b,
cの全モル数に対して成分cが10〜30モル%であ
り、アルコキシ基に対して純水が0.8当量以上である
ように混合し、加水分解および縮合反応を行って得られ
ることを特徴とするカチオン性官能基含有ポリシロキサ
ン樹脂組成物の製造方法。 【数1】 - 【請求項5】 成分cのカチオン性官能基は、イソシア
ネート基と第三級アミン系アミノアルコールの水酸基中
の活性化水素との付加反応で得られることを特徴とする
請求項4記載のカチオン性官能基含有ポリシロキサン樹
脂組成物の製造方法。 - 【請求項6】 成分cのカチオン性官能基は、エポキシ
基と第二級アミンの活性化水素との付加反応で得られる
ことを特徴とする請求項4記載のカチオン性官能基含有
ポリシロキサン樹脂組成物の製造方法。
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---|---|---|---|---|
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1991
- 1991-09-26 JP JP24803291A patent/JP3274154B2/ja not_active Expired - Lifetime
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