[go: up one dir, main page]

JPH0559221A - 第四級アンモニウム塩含有組成物及び該組成物を含むエラストマー組成物 - Google Patents

第四級アンモニウム塩含有組成物及び該組成物を含むエラストマー組成物

Info

Publication number
JPH0559221A
JPH0559221A JP22154891A JP22154891A JPH0559221A JP H0559221 A JPH0559221 A JP H0559221A JP 22154891 A JP22154891 A JP 22154891A JP 22154891 A JP22154891 A JP 22154891A JP H0559221 A JPH0559221 A JP H0559221A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
quaternary ammonium
ammonium salt
elastomer
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22154891A
Other languages
English (en)
Inventor
Keisaku Yamamoto
圭作 山本
Masahiro Fukuyama
昌弘 福山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP22154891A priority Critical patent/JPH0559221A/ja
Publication of JPH0559221A publication Critical patent/JPH0559221A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 第四級アンモニウム塩1重量部及び脂肪酸
0.2〜10重量部を溶融混合し、冷却して得られる第
四級アンモニウム塩含有組成物を含むエポキシ基含有エ
ラストマー組成物。 【効果】 第四級アンモニウム塩の潮解性に起因する問
題を排除すると共に、特に、高温雰囲気下での圧縮永久
ひずみ性に優れ、かつ、スコーチ安定性、貯蔵安定性に
も優れるエラストマー組成物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、第四級アンモニウム塩
含有組成物及び該組成物を含むエラストマー組成物に関
する。本発明によると、第四級アンモニウム塩の潮解性
に起因する問題点を排除すると共に、特に、高温雰囲気
下での圧縮永久ひずみ性に優れ、かつ、スコーチ安定性
と貯蔵安定性にも優れるエラストマー組成物を得ること
ができる。
【0002】
【従来の技術】エポキシ基を架橋点とするエポキシ基含
有エラストマーの加硫系としては、ポリアミン、ジアミ
ンカーバメート、有機カルボン酸アンモニウム、ジチオ
カルバミン酸塩又はイミダゾール類などが一般的に用い
られている。しかしながら、これらの加硫系を用いた場
合、圧縮永久ひずみ性に優れる場合はスコーチ安定性が
劣り、一方スコーチ安定性に優れる場合は圧縮永久ひず
み性が劣るといった欠点を有している。更に、これらの
加硫系は、実用上長時間の後加硫が必要とされている。
【0003】そこで、上記の欠点を解決する方法とし
て、エポキシ基含有エラストマーに対し、多価カルボン
酸と第四級アンモニウム塩を用いる方法が提案されてい
る(特開昭61−26620号公報参照)。ところが、
第四級アンモニウム塩は潮解性を有しており、そのため
次のとおりの問題点を伴っていた。
【0004】すなわち、固体の第四級アンモニウム塩を
空気中に放置した場合、短時間(1時間以内)のうちに
水分を吸収して液体になる。ゴムの製造工程においては
多種の添加剤を使用するが、液体の添加剤は固体状のも
のに比較べて工業的実施上の取扱いが極めて困難であ
り、かかる液状の添加剤は使用を避けるべきとされてい
る。更に、第四級アンモニウム塩を使用する場合、その
必要量を秤量中において、第四級アンモニウム塩が空気
中の水分を吸収して重量が変化し、よって正確な秤量が
困難になるという問題点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明が解決しようとする課題は、第四級アンモニウム塩
の潮解性に起因する問題点を排除すると共に、特に、高
温雰囲気下での圧縮永久ひずみ性に優れ、かつ、スコー
チ安定性と貯蔵安定性にも優れるエラストマー組成物を
提供することに存する。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のう
ち、第一の発明は、下記(A)成分及び(B)成分を溶
融混合し、冷却して得られる第四級アンモニウム塩含有
組成物に係るものである。 (A)成分:第四級アンモニウム塩1重量部 (B)成分:脂肪酸、脂肪酸エステル及び/又は脂肪酸
エステル誘導体の合計量0.2〜10重量部
【0007】また、本発明のうち、第二の発明は、下記
(C)成分〜(E)成分からなるエラストマー組成物に
係るものである。 (C)成分:エポキシ基含有エラストマー (D)成分:下記化学式(1)(式中、X及びYは、そ
れぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を示す。)で表わ
される結合を2個以上有する有機化合物
【0008】 (E)成分:上記第一の発明で得られる第四級アンモニ
ウム塩含有組成物
【0009】以下、詳細に説明する。本発明の第一の発
明は、下記(A)成分及び(B)成分を溶融混合し、冷
却して得られる第四級アンモニウム塩含有組成物に係る
ものである。 (A)成分:第四級アンモニウム塩1重量部 (B)成分:脂肪酸、脂肪酸エステル及び/又は脂肪酸
エステル誘導体の合計量0.2〜10重量部
【0010】(A)成分である第四級アンモニウム塩の
具体例としては、テトラエチルアンモニウムブロマイ
ド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド、テト
ラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−
ブチルアンモニウムアイオダイド、ラウリルピリジニウ
ムクロライド、ラウリルピリジニウムブロマイド、デシ
ルピリジニウムクロライドなどがあげられる。
【0011】(B)成分としては、脂肪酸、脂肪酸エス
テル及び/又は脂肪酸エステル誘導体が用いられるが、
これらのうち、その融点が40〜150℃の範囲にある
ものが好ましい。融点が低すぎる場合には、室温で液状
となって取扱いが困難になり、一方融点が高すぎる場合
には、本発明の第四級アンモニウム塩含有組成物を得る
ための加熱による溶融混合が困難になる。
【0012】脂肪酸の具体例としては、ラウリル酸、ミ
リスチン酸、ステアリン酸、n−ヘンアイコサン酸、セ
ロプラスチン酸などがあげられる。これらのうちでは、
第四級アンモニウム塩と融点(凝固点)が近接し、よっ
て溶融混合後に冷却した場合、第四級アンモニウム塩と
の混合性がよいという観点からステアリン酸が好まし
い。なお、脂肪酸としては、ジカルボン酸その他のポリ
カルボン酸を用いてもよい。
【0013】脂肪酸エステルの具体例としては、ベヘニ
ン酸メチル、リグノセリン酸メチル、メリシン酸メチル
などがあげられる。脂肪酸エステル誘導体の具体例とし
ては、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノパ
ルミテート、グリセリンモノラウレート、ソルビタンパ
ルミテート、ソルビタンステアレート、プロピレングリ
コールモノステアレートなどがあげられ、好ましくはソ
ルビタンステアレートである。
【0014】(A)成分と(B)成分の割合は、(A)
成分1重量部あたり(B)成分0.2〜10重量部、好
ましくは0.5〜5重量部である。(B)成分が過少な
場合は、潮解性を防止する効果が不十分であり、一方
(B)成分が過多な場合は、(B)成分を用いることに
よる潮解性を防止する効果が頭打ちとなり、経済的観点
から好ましくない。
【0015】(A)成分と(B)成分を溶融混合する温
度は、(A)成分及び(B)成分が溶融混合できる温度
以上であればよく、特に制限はない。なお、溶融混合
は、同操作中の水分吸収を防止するため、乾燥窒素雰囲
気中で実施することが好ましい。冷却は、たとえば室内
温度で放置冷却すればよい。
【0016】以上説明したとおり、第四級アンモニウム
塩を本発明の第四級アンモニウム塩含有組成物として用
いることにより、第四級アンモニウム塩が有する潮解性
に起因する前記の問題点は、排除されるのである。そし
て、本発明の第四級アンモニウム塩含有組成物を用いる
第二の発明により、第四級アンモニウム塩の潮解性に起
因する問題点を排除すると共に、特に、高温雰囲気下で
の圧縮永久ひずみ性に優れ、かつ、スコーチ安定性と貯
蔵安定性にも優れるエラストマー組成物を得ることがで
きる。
【0017】本発明の第二の発明は、下記(C)成分〜
(E)成分からなるむエラストマー組成物に係るもので
ある。 (C)成分:エポキシ基含有エラストマー (D)成分:前記化学式(1)で表わされる結合を2個
以上有する有機化合物 (E)成分:上記第一の発明の第四級アンモニウム塩含
有組成物
【0018】(C)成分であるエポキシ基含有エラスト
マーとは、エポキシ化エラストマー、又は架橋点として
のエポキシ基含有単量体を通常0.1〜10重量%、好
ましくは0.5〜3重量%と共重合性末端ビニル若しく
はビニリデン基を有する少なくとも一種の単量体90〜
99.9重量%とを乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊
状重合などの公知の重合法により共重合させることによ
り得られるエラストマーである。
【0019】架橋点として用いられるエポキシ基含有単
量体の例としては、グリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタアクリレート、ビニルグリシジルエーテル、アリ
ルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテルな
どがあげられるが、特にこれらの中ではグリシジルアク
リレート、グリシジルメタアクリレート及びアリルグリ
シジルエーテルが好ましい。
【0020】エポキシ基含有単量体と共重合可能な末端
ビニル及びビニリデン基を有する単量体の例としては、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルア
クリレート、n−ブチルアクリレート、n−オクチルア
クリレート、メトキシメチルアクリレート、メトキシエ
チルアクリレート、エトキシエチルアクリレートなどの
アクリレート及びこれらに対するメタクリレート;酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニルなどのビニル
エステル;メチルビニルケトン、エチルビニルケトンな
どのビニルケトン;スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエンなどのビニル芳香族化合物;ブタジエン、
イソプレンなどの共役ジエン;エチレン、プロピレン、
1−ブテンなどのα−モノオレフィン;β−ヒドロキシ
エチルアクリレート、4−ヒドロキシルブチルアクリレ
ートなどの水酸基を有するビニル単量体;アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、β−シアノエチルアクリレ
ートなどのニトリル基を有するビニル及びビニリデン単
量体などが含まれ、これらの単量体は1種又は2種以上
組み合わせて用いることができる。
【0021】エポキシ基を有するエラストマーの具体例
としては、エポキシ基含有アクリレート共重合体エラス
トマー、エポキシ基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体
エラストマー、エポキシ基含有エチレン−アクリレート
共重合体エラストマー、エポキシ基含有エチレン−酢酸
ビニル−アクリレート共重合体エラストマー、エポキシ
基含有エチレン−プロピレン共重合体エラストマー、エ
ポキシ基含有アクリレート−アクリロニトリル共重合体
エラストマー、エポキシ基含有ブタジエン−アクリロニ
トリル共重合体エラストマー、エポキシ基含有ブタジエ
ン−スチレン共重合体エラストマー、エポキシ基含有ブ
タジエン−アクリロニトリル−アクリレート共重合体エ
ラストマーなどがあげられるが、エポキシ基含有単量体
との共重合によって、又はエポキシ化して得られるエポ
キシ基を架橋点とするエラストマーであれば特に制限さ
れない。
【0022】(D)成分は、前記化学式(1)で表わさ
れる結合を2個以上有する有機化合物であり、複素環式
化合物、芳香族化合物及び脂肪族化合物を含む。また、
化学式(1)で表わされる結合を2個以上含む形態とし
ては、該結合が独立して2個以上存在する場合、及び下
記化学式(3)のように、結合が連続して存在する場合
も含まれる。
【0023】 なお、前記化学式(1)で表わされる結合は、複素環化
合物の置換基として、環外に存在してもよい。
【0024】複素環式化合物としてはパラバン酸、アロ
キサン、アロキサンチン、アロキサン−5−オキシム、
バルピツル酸、5−ヒドロキシバルピツル酸、5−ベン
ザルバルピツル酸、5−アミノバルピツル酸、5−ヒド
ロキシイミノバルピツル酸、5,5−ジエチルバルピツ
ル酸、5−エチル−5−フェニルバルピツル酸(バルピ
タール)、5−(1−メチルブチル)−5−(アリル)
バルピツル酸、5,5−ジアリルバルピツル酸、イソシ
アヌル酸、 尿酸など及びこれらの化合物カルボニル基
の酸素原子を硫黄原子で置換したもの、2,4−ジチオ
バルピツル酸、2−チオバルピツル酸などがあげられ
る。
【0025】芳香族化合物としてはピロメリト酸ジイミ
ド、メリト酸トリイミド、1,4,5,8−ナフタルジ
イミドなど及びこれらの対応のチオイミドがあげられ
る。脂肪族化合物としてはトリウレット、1−メチルト
リウレット、1,1−ジエチルトリウレット、テトラウ
レットなど及びこれらの対応のチオウレットがあげられ
る。
【0026】これらの化合物は、エポキシ基含有エラス
トマーの重合反応時又は重合終了時に添加混合すること
ができ、又は通常ゴム工業界で用いる混練機により、該
エラストマーに補強剤などの他の配合剤と併せて添加混
合することができる。これらの(D)成分の使用量は、
加硫速度、加硫物の機械的特性、圧縮永久ひずみ性など
の面から、好ましい範囲が選択される。(C)成分10
0重量部当たりの(D)成分の量は通常0.1〜10重
量部であり、好ましくは0.2〜5重量部である。該量
が0.1重量部未満では架橋密度が低く、実用的な加硫
物とは成り難い。一方、該量が10重量部を超えると加
硫速度が著しく遅くなり実用に供し得る加硫物は得られ
難い。
【0027】(E)成分は、前記第一の発明の第四級ア
ンモニウム塩含有組成物である。なお、第四級アンモニ
ウム塩の具体例は、前記第一の発明のところにおいて説
明したとおりであるが、高温雰囲気下における圧縮永久
ひずみ性を改良する観点からは、テトラ−n−ブチルア
ンモニウムクロライド及びラウリルピリジニウムクロラ
イドが、特に好ましい。(E)成分の使用量は、加硫速
度、加工安定性、貯蔵安定性、加硫物の機械的特性、圧
縮永久ひずみなどの面から上記範囲内でそれぞれ好まし
い範囲が選択されるが、(C)成分100重量部あた
り、第四級アンモニウム塩の量に換算して、通常0.1
〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。該
量が0.1重量部未満の場合は、加硫の進行が十分では
なく、一方該量が100重量部を超えると加硫速度が極
端に早くなり、加工安定性、貯蔵安定性が損なわれる場
合がある。
【0028】本発明のエラストマー組成物は、上記
(C)成分〜(E)成分に加えて、下記(F)成分を含
有してもよい。 (F)成分:下記化学式(2)(式中、Zは酸素原子又
は硫黄原子を示す。)で表わされる結合を有する化合物
【0029】
【0030】(F)成分の具体例としては、尿素、N−
メチル尿素、N−エチル尿素、N,N−ジメチル尿素、
N,N−ジエチル尿素、N,N’−ジエチル尿素、N,
N’−エチリデン尿素、N−アセチル尿素、N−アセチ
ル−N’−メチル尿素、N,N’−ジメチロール尿素、
テトラメチル尿素、カルバミル尿素、カルバモイルカル
バミド酸などの脂肪族尿素類及びこれらの対応の脂肪族
チオ尿素類;フェニル尿素、ベンジル尿素、N−エチル
−N’−フェニル尿素、N,N’−ジフェニル尿素、
N,N−ジフェニル尿素、N−アセチル−N−フェニル
尿素、N−ベンゾイル尿素、テトラフェニル尿素、N,
N−ジメチル−N’,N’−ジクロルフェニル尿素など
の芳香族尿素類及びこれらの対応の芳香族チオ尿素類;
エチレン尿素、グリコリル尿素、ジメチルバラバン酸、
ベンゾイミダゾロン、5−メチルウラシルなどの複素環
式尿素類及びこれらの対応の複素環式チオ尿素類があげ
られる。なお、これらの化合物は1種又は2種以上を併
せて用いることができる。
【0031】本発明において、(F)成分は必須成分で
はない。その使用量は、スコーチ安定性、加硫物の機械
的特性、圧縮永久ひずみ性などの面から選択されるもの
であり、(C)成分100重量部当り通常0.1〜10
重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。該量が
0.1重量部未満の場合は、加硫速度の調整効果が十分
でなく、一方該量が10重量部を超えると、加硫速度が
極端に遅くなり、実用上好ましくない。
【0032】本発明のエラストマー組成物は、(C)成
分〜(E)成分、又は(C)成分〜(F)成分に、通常
ゴム工業界で用いられている補強剤、充填剤、可塑剤、
老化防止剤、安定剤、加工助剤などを、ロール、バンバ
リーなどの通常の混練機によって混合することによって
調製される。該組成物は目的に応じた形状に成形され、
加硫工程を経て最終製品とされる。加硫は、通常120
℃以上の温度、好ましくは150℃〜220℃程度の温
度で、1〜60分間行なわれる。更に、150〜200
℃程度の温度で4〜16時間という比較的短時間の二次
加硫を行うことで、高温雰囲気下での圧縮永久ひずみ性
は大きく改良される。
【0033】本発明によって得られるエラストマー組成
物の加硫物は、高温雰囲気下での圧縮永久ひずみ性に優
れ、かつ、スコーチ安定性と貯蔵安定性にも優れる他、
機械的特性、耐水性などの諸特性が優れるため、これら
の性能を利用して各種シール材(ガスケット、バッキン
グ、O−リング、オイルシール)、各種ホース類、各種
ベルト類の他、ロールなどの用途に広く有効に利用する
ことができる。
【0034】
【実施例】次に実施例及び比較例により、本発明を説明
する。 実施例1 窒素ガスを流通させたボックス内で、テトラ−n−ブチ
ルアンモニウムクロライド(以下、「TBA−Cl」と
記すことがある。)2g及びステアリン酸2gを精秤
し、風袋重量既知のガラス容器内で混合した。その後、
200℃のホットプレート上に該ガラス容器を置き、T
BA−Cl及びステアリン酸を溶融させ、攪拌混合の
後、室温で冷却した。かくして得られたTBA−Cl及
びステアリン酸からなる組成物を、温度30℃、相対湿
度80%の恒温恒湿槽内に放置し、1時間〜168時間
の所定の時間における重量変化を測定し、次式により吸
湿率を求めた。 吸収率(%)=(放置後総重量−放置前総重量)/(仕
込みTBA−Cl重量)×100 結果を表1に示した。
【0035】実施例2 ステアリン酸を4gとしたこと以外は、実施例1と同様
に行った。結果を表1にした。 実施例3 ステアリン酸の代わりに、高級脂肪酸エステル(ワック
ス)であるサンタイトS(精工化学社製、商品名)2g
を用いたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を
表1に示した。 実施例4 サンタイトS4gを用いたこと以外は、実施例3と同様
に行った。結果を表1に示した。
【0036】比較例1 ステアリン酸と溶融混合することなく、TBA−Clを
単独で用いたこと以外は、実施例1と同様に行った。結
果を表1に示した。 比較例2 ステアリン酸の代わりにステアリン酸カルシウムを用
い、かつ溶融混合することなく、単にステアリン酸カル
シウムとTBA−Clを機械的に混合したものを用いた
以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示し
た。 比較例3 ステアリン酸カルシウムの代わりにタルクを用いたこと
以外は、比較例2と同様に行った。結果を表1に示し
た。
【0037】実施例5〜6、比較例4〜5及び参考例1 表2の配合を、8インチロールを用いて混練し、配合物
を調製した。得た配合物について、JIS K 630
0に従ってスコーチタイム測定した。また、配合物を
(170℃×20分 プレス加硫+185℃×4時間
ギアオーブン中 二次加硫)の条件にて加硫し、得た加
硫物について、JIS K 6301に従って加硫物性
を測定した。結果を表2に示した。
【0038】
【表1】 ─────────────────────────────────── 成分*1 重量比 吸 水 率 (%) 状態*2 ──────────────────── 放 置 時 間 (Hr) 1 5 10 24 48 168 実施例 ──────────────────── 1 TBA-Cl/ST 1/1 1.5 5.6 7.7 9.5 12.0 25.0 固体 2 TBA-Cl/ST 1/2 0.5 3.3 4.5 6.3 8.6 20.0 固体 3 TBA-Cl/SUN 1/1 0.8 1.3 1.5 2.2 3.0 12.5 固体 4 TBA-Cl/SUN 1/4 1.8 3.2 4.0 5.5 6.8 10.5 固体 比較例 1 TBA-Cl/ST-Ca 1/1 14.7 19.8 24.3 27.1 38.3 45.2 固体 2 TBA-Cl/タルク 1/1 11.5 18.9 23.8 25.9 37.6 47.7 固体 3 TBA-Cl/ − 1/0 10.9 25.2 28.5 41.0 51.2 52.3 液体 ───────────────────────────────────
【0039】*1 TBA-Cl:テトラ−n−ブチルアンモニ
ウムクロライド ST :ステアリン酸 SUN :サンタイトS(精工化学社製 高級脂肪酸エス
テル) ST-Ca :ステアリン酸カルシウム *2 168 時間放置後の状態
【0040】
【表2】 ─────────────────────────────────── 実施例 比較例 参考例 配合(重量部) 5 6 4 5 1 エポキシ基含有エラストマー *3 100 100 100 100 100 FEFブラック *4 40 40 40 40 40 ステアリン酸 1 1 1 1 1 ノーガード445 *5 2 2 2 2 2 イソシアヌル酸 0.8 0.8 0.8 1.0 0.8 DPU *6 2.3 2.3 2.3 2.3 2.3 第四級アンモニウム塩含有組成物 *7 1.5 2.5 - - - OTMAB *8 - - 1.5 - - DTMAC *9 - - - 1.0 1.0 TBA-Cl *10 - - - - 0.5 評価結果(加硫物性) 引張強さ Kg/cm2 172 168 180 172 167 伸び % 400 380 420 400 360 硬度 JIS-A 62 64 65 63 65 圧縮永久ひずみ 150 ℃×70Hr 24 22 40 44 23 185 ℃×70Hr 63 59 88 82 61 ───────────────────────────────────
【0041】*3 エチレン39wt% 、アクリル酸メチル5
9wt% 及びグリシジルメタクリレート2wt%よりなるエポ
キシ基含有エラストマー *4 シーストSO *5 ユニロイヤル社製 アミン系老化防止剤 商品名 *6 ジフェニル尿素 *7 実施例5では実施例1の第四級アンモニウム塩含
有組成物を、また実施例6では実施例4の第四級アンモ
ニウム塩含有組成物を、それぞれ用いた *8 オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド *9 n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド *10 テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライドを、
ステアリン酸と溶融混合することなく用いた
【0042】本発明の第四級アンモニウム塩含有組成物
である実施例1〜4においては、吸水率が小さく、すな
わち第四級アンモニウム塩の有する潮解性に起因する問
題が十分に排除されていることがわかる。一方、本発明
によることなく第四級アンモニウム塩をそのまま用いた
比較例1〜3においては、吸水率が極めて大きく、潮解
性に起因する問題を伴っている。また、本発明のエラス
トマー組成物である実施例5及び6は、高温雰囲気下で
の圧縮永久ひずみ性に優れている。一方、本発明によら
ない従来のエラストマー組成物である比較例4及び5
は、高温雰囲気下での圧縮永久ひずみ性に劣っている。
なお、実施例5及び6の圧縮永久ひずみ性は参考例1 の
ものと同程度であり、第四級アンモニウム塩を本発明の
第四級アンモニウム塩含有組成物とした場合も、第四級
アンモニウム塩の圧縮永久ひずみ性に対する改良効果
は、全く減少しないことがわかる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、第
四級アンモニウム塩の潮解性に起因する問題点を排除す
ると共に、特に、高温雰囲気下での圧縮永久ひずみ性に
優れ、かつ、スコーチ安定性と貯蔵安定性にも優れるエ
ラストマー組成物を提供することができた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/34 KBF 7167−4J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A)成分及び(B)成分を溶融混合
    し、冷却して得られる第四級アンモニウム塩含有組成
    物。 (A)成分:第四級アンモニウム塩1重量部 (B)成分:脂肪酸、脂肪酸エステル及び/又は脂肪酸
    エステル誘導体の合計量0.2〜10重量部
  2. 【請求項2】第四級アンモニウム塩が、テトラ−n−ブ
    チルアンモニウムクロライド又はラウリルピリジニウム
    クロライドである請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】下記(C)成分〜(E)成分からなるエラ
    ストマー組成物。 (C)成分:エポキシ基含有エラストマー (D)成分:下記化学式(1)(式中、X及びYは、そ
    れぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を示す。)で表わ
    される結合を2個以上有する有機化合物 (E)成分:請求項1記載の組成物
  4. 【請求項4】請求項3記載の(C)成分〜(E)成分、
    及び下記(F)成分からなるエラストマー組成物。 (F)成分:下記化学式(2)(式中、Zは酸素原子又
    は硫黄原子を示す。)で表わされる結合を有する化合物
JP22154891A 1991-09-02 1991-09-02 第四級アンモニウム塩含有組成物及び該組成物を含むエラストマー組成物 Pending JPH0559221A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22154891A JPH0559221A (ja) 1991-09-02 1991-09-02 第四級アンモニウム塩含有組成物及び該組成物を含むエラストマー組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22154891A JPH0559221A (ja) 1991-09-02 1991-09-02 第四級アンモニウム塩含有組成物及び該組成物を含むエラストマー組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0559221A true JPH0559221A (ja) 1993-03-09

Family

ID=16768451

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22154891A Pending JPH0559221A (ja) 1991-09-02 1991-09-02 第四級アンモニウム塩含有組成物及び該組成物を含むエラストマー組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0559221A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0574319B1 (en) Fluoroelastomer coating composition
JPS6126620A (ja) エポキシ基含有エラストマ−加硫性組成物
JPH0623238B2 (ja) アクリレ−ト系エラストマ−加硫性組成物
JP2692150B2 (ja) エポキシ基含有加硫性エラストマー組成物
JPH0559221A (ja) 第四級アンモニウム塩含有組成物及び該組成物を含むエラストマー組成物
JPH0794588B2 (ja) アクリレ−ト系エラストマ−加硫組成物
JP2864568B2 (ja) 共重合体ゴム加硫組成物
JPS5946537B2 (ja) エラストマ−加硫配合物
JPS6357629A (ja) 加硫性エラストマ−組成物
JP2864567B2 (ja) アクリルゴム加硫組成物
JP2754246B2 (ja) アクリルエラストマーの製造法
JPH05140273A (ja) 加硫性エラストマー組成物
JP2842931B2 (ja) 加硫可能なアクリルエラストマー配合物
JP2800292B2 (ja) アクリルゴム組成物
JPH0796604B2 (ja) 加硫性エラストマー組成物
JP2800301B2 (ja) 共重合体ゴム加硫組成物
JPS61179240A (ja) ハロゲン含有ポリマ−の架橋方法
JP2734115B2 (ja) エポキシ基含有加硫性エラストマー組成物
JPS63132925A (ja) エポキシ基含有エラストマ−組成物
JPS6126621A (ja) アクリルゴム加硫性組成物
JPH083285A (ja) エポキシ基含有加硫性エラストマー組成物
JPS608007B2 (ja) カルボキシル基含有エラストマ−加硫配合物
JPH0322415B2 (ja)
JPS63189451A (ja) 加硫可能なアクリレ−ト系エラストマ−組成物
JPS6330550A (ja) アクリレ−ト系エラストマ−加硫性組成物