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JPH05331395A - 水性記録用インク - Google Patents

水性記録用インク

Info

Publication number
JPH05331395A
JPH05331395A JP14032692A JP14032692A JPH05331395A JP H05331395 A JPH05331395 A JP H05331395A JP 14032692 A JP14032692 A JP 14032692A JP 14032692 A JP14032692 A JP 14032692A JP H05331395 A JPH05331395 A JP H05331395A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
ink
solubility
soluble
recording ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14032692A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Ishibashi
修 石橋
Michiya Tsukahara
道也 塚原
Junko Shimizu
純子 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP14032692A priority Critical patent/JPH05331395A/ja
Publication of JPH05331395A publication Critical patent/JPH05331395A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】いったん印字された文字等が耐水性を有し、か
つ印字時のにじみがなく、ノズルの目詰まりが起こりに
くく、着色剤が顔料である場合は顔料粒子の分散安定性
に優れたインクジェット記録用水性記録インクを提供す
ること。 【構成】 少なくとも水と着色剤と水溶性高分子で構成
される水性記録用インクにおいて、水溶性高分子として
水に対する溶解度が異なる少なくとも二種類以上を含有
し、その一種類が20℃における水への溶解度が2重量
%以下の高分子を用いる。水への溶解度が2重量%以下
の水溶性高分子として、望ましくはポリビニルアルコー
ル類を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体インクを用いて記
録を行うインクジェットプリンタに供する水性記録イン
クに関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりインクジェット記録用のインク
組成物としては水等を基剤とした液体のインク組成物が
使われており、樹脂を含有させたものは特開昭55−6
0477、特開昭58−13675等に詳しく記載され
ている。これによると、水性インク中に水溶性樹脂を添
加することにより、水溶性樹脂が定着剤として作用する
ため記録紙上における文字のにじみを防止でき、指定紙
に限らずどんな記録紙に対しても高品位、高解像力の印
字が可能になる。また、水溶性樹脂は保湿効果を有する
ため、微細なインクジェットヘッドのノズル中でインク
が固化しにくく、目詰まりを防止する効果を有する。
【0003】一方、従来のインクジェット記録用インク
は着色剤として染料を溶解させたものが主なものであっ
たが、その記録物は染料の特性上、耐光性、耐水性に乏
しいものであった。それを解決するために、着色剤とし
てカーボンブラック、アニリンブラック等の顔料を用い
たインクが考案され、特開昭61−283875号公
報、特開昭64−6074号公報、特開平1−3188
1号公報等に示されている。顔料を着色剤とするインク
は、水性媒体中に顔料微粒子が分散されている分散系で
あるため、水溶性樹脂を顔料インクに添加するとにじみ
防止作用のみならず、樹脂が分散媒中の顔料粒子に吸着
して粒子を保護し、粒子の分散を安定化させる効果を奏
することが広く知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれまでのよう
に、水への溶解度が大きい水溶性樹脂をインクに添加し
た場合、紙上に印字された文字に水が付着すると固化定
着したインクが再び溶解し、文字がにじんで判読が困難
になるという欠点があった。
【0005】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、いったん印字され
た文字等が耐水性を有し、かつ印字時のにじみがなく、
ノズルの目詰まりが起こりにくく、着色剤が顔料である
場合は顔料粒子の分散安定性に優れたインクジェット記
録用水性記録インクを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような問題を解決す
るために本発明の水性記録用インクは、少なくとも水と
着色剤と水溶性高分子で構成され、水溶性高分子として
水に対する溶解度が異なる少なくとも二種類以上を含有
し、その一種類が20℃における水への溶解度が2重量
%以下の高分子を用いたことを特徴としている。望まし
くは、20℃における水への溶解度が2重量%以下の水
溶性高分子として、ポリビニルアルコール類を用いたこ
とを特徴としている。
【0007】20℃における水への溶解度が2重量%以
上の高分子を用いると、紙上にいったん定着したインク
は水が付着すると容易に再溶解するため、印字物に著し
い汚れが発生する。本発明は、溶解度がそれ以下の水溶
性樹脂を用いることにより、インクの再溶解を防止し、
印字物の耐水性が大きく向上する。
【0008】以下、本発明に用いられる水性記録用イン
ク組成物に、使用することができる材料に関して、詳細
に説明する。
【0009】まず本発明に用いられる水性インク組成物
に使用できる着色剤としては、直接染料、酸性染料、塩
基性染料、食用染料、反応染料、分散染料、建染染料、
可溶性建染染料、反応性染料、油性染料、有機顔料、無
機顔料等が挙げられる。これら着色剤の添加量は、着色
剤の種類、溶媒成分の種類、インクに対し要求されてい
る特性等に依存して決定されるが、一般にはインク全重
量に対し0.2〜20重量%、好ましくは0.5〜10
重量%の範囲とされる。
【0010】インク組成物用溶媒としては、低粘度であ
ること、安全性に優れること、取扱が容易であること、
コストが安いこと、臭気が無いこと等の理由より主に水
が用いられているが、インク中に不要なイオンの混入を
防止するためイオン交換水を用いる。
【0011】インクを紙上に定着させるために水溶性樹
脂を添加する。水溶性樹脂は溶解度の異なる2種類以上
を混合して用いる。このうち1種類は20℃における水
への溶解度が2重量%以下のものとし、印字物の耐水性
を向上させる目的で用いる。一般に水溶性樹脂の溶解度
は分子量の増加にしたがって減少するので、分子量の制
御を行えばどのような種類の水溶性樹脂でも使用可能で
ある。しかし分子量が増加すると同時にその水溶液の粘
度も上昇するので、粘度上昇が大きくない水溶性樹脂を
選択する必要がある。好ましい水溶性樹脂としては、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリプロ
ピレングリコール等が挙げられる。
【0012】前記の低溶解度の水溶性樹脂以外に、1種
類または2種類以上の水溶性樹脂を添加する。水溶性樹
脂としては例えばゼラチン、カゼイン等のタンパク質、
アラビアゴム等の天然ゴム、サボニン等のグルコキシ
ド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、リ
グニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子、ポリア
クリル酸塩、ポリアクリルアミド、スチレン−アクリル
酸共重合物塩、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合物
塩、スチレン−マレイン酸共重合物塩、ビニルナフタレ
ン−マレイン酸共重合物塩、β−ナフタレンスルホン酸
ホリマリン縮合物のナトリウム塩、ポリリン酸等のイオ
ン性高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラ
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルメチルエーテ
ル等の非イオン性高分子等を用いることができる。
【0013】また、水または水と水溶性有機溶剤を前記
インクに添加することができる。水溶性有機溶剤として
は、アルコール類、グリコール類が挙げられる。例え
ば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール
類、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、
プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、
ポリエチレングリコール等のグリコール類が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。また、水を主成
分とした媒体中に水不溶性ポリマーを分散させた分散
液、例えばアクリル酸エステル系、メタクリル酸エステ
ル系、スチレン系、スチレン−アクリル共重合体、オレ
フィン系及びアミノ基、アミド基、カルボキシル基、水
酸基等の親水性官能基を有するモノマー等の単独重合ま
たは共重合樹脂エマルジョン、マイクロエマルジョン、
内部3次元架橋した有機微粒子、パラフィンワックス、
ポリエチレンワックス、カルナバワックス等の天然・合
成ワックスエマルジョン、ラテックス、コロイド溶液、
懸濁液等を前記インクに添加することができる。
【0014】着色剤として顔料を使用する場合には、顔
料の分散をより良好に行うために、分散剤を添加するこ
とが好ましい。分散剤として、通常アニオン系、ノニオ
ン系界面活性剤、または高分子分散剤等を使用したもの
でも、ソープフリーでも構わない。例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸等、及びこれらの塩、ア
クリル酸エステル類、スチレンまたはその誘導体、ビニ
ルエーテル類、ビニルエステル類等のエチレン性不飽和
単量体等を単独、また2種類以上を混合及び重合させて
用いることが出来る。
【0015】その他、必要に応じて防カビ剤、防錆剤、
消泡剤、粘度調整剤、浸透剤、pH調整剤、ノズル乾燥
防止剤として尿素、チオ尿素、エチレン尿素等を添加す
ることができる。
【0016】本発明に用いられる水性記録用インク組成
物の作製方法は、着色剤に染料等を用いた溶解系インク
の場合は水を40〜80℃に加熱し、スクリューで等で
攪拌、混合、溶解させることで簡便に作製できる。また
顔料等を用いた分散系インクの場合の分散方法は、従来
から用いられている顔料微細分散法、例えばボールミ
ル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテー
タ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナ
イザー、パールミル、湿式ジェットミル等によってこち
らも簡便に作製することができる。
【0017】また、溶解あるいは分散後のゴミ、粗大粒
子、混裁物を除去するために、フィルターを用いて加
圧、または減圧濾過処理を1回以上の工程で行う、ある
いは遠心分離機を用いて遠心分離処理を単独、もしくは
濾過処理と組み合わせて行うのが好ましい。
【0018】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳しく説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。尚、文中の組成比は、すべてインク全重量に対する
各成分の重量%である。
【0019】(実施例1) 上記成分を混合して60℃で2時間攪拌、溶解した後、
0.8μm径のメンブランフィルタ(アドバンテック社
登録商標)を用い、2kg/cm2 の圧力で加圧濾過
し、本発明のインクを得た。水溶性樹脂として用いてい
るポリビニルピロリドン(K−30)は、東京化成製平
均分子量約40,000のポリビニルピロリドンであ
り、ポリビニルアルコール(K−17E)はデンカポバ
ール(電気化学工業(株)登録商標、溶解度0.7%)
である。
【0020】また吐出ノズル径40μm、圧電素子駆動
電圧80V、駆動周波数6kHz、解像度360ドット
/インチ、インク吐出量0.1μgに調整した試作24
ノズルインクジェット評価機を用いて、PPC用紙(ゼ
ロックス社登録商標PPC用紙)、再生紙(本州製紙登
録商標やまゆり)、ボンド紙(ミード社登録商標ギルバ
ートボンド25%コットン紙)、上質紙(王子製紙登録
商標OK上質紙L)にべた、アルファベット文字等を印
字し下記に示すテスト1〜7の評価を行った。評価結果
を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】(テスト1)文字印字サンプル目視による
印字品質評価。
【0023】評価結果は、次のように分類した。
【0024】 にじみが肉眼で観察されない・・・・・・・・・◎ にじみは見られるが文字は認識できる・・・・・△ 文字が認識できない・・・・・・・・・・・・・× (テスト2)Macbeth TR-927型(Kollomorgan社登録商
標)光学濃度計(アパーチャーサイズ4mm)によるべ
た印字部分の濃度評価。
【0025】評価結果は、次にように分類した。
【0026】 O.D.値1.3以上・・・・・・・・・・・・◎ O.D.値1.1以上1.3未満・・・・・・・△ O.D.値1.1未満・・・・・・・・・・・・× (テスト3)普通文字印字部分にスポイトで水滴を滴下
し、乾燥するまでそのまま放置して、印字された文字の
にじみを観察する耐水性評価。
【0027】評価結果は、次のように分類した。
【0028】 にじみが観察されない・・・・・・・・・・・・◎ 若干にじみが発生するが、文字は判別できる・・△ 著しくにじみが発生して文字が判別できない・・× (テスト4)300g/cm2 の圧力で罫線印字部分を
濡れた木綿布で擦り、印字汚れの発生を調査する耐水擦
性評価。
【0029】評価結果は、次のように分類した。
【0030】 汚れがほとんど観察されない・・・・・・・・・◎ 若干汚れがあるが、罫線の濃度はあまり低下しない・・
・・△ 汚れがあり、罫線の濃度が明らかに低下する・・× (テスト5)文字印字部分を、印字終了5分後指で擦
り、印字汚れを目視で観察する指触性評価。
【0031】評価結果は、次のように分類した。
【0032】 印字物汚れが観察されない・・・・・・・・・・◎ 若干印字物汚れが発生するが、文字は判別できる・・・
・・△ 印字物汚れで文字が判別できない・・・・・・・× (テスト6)36時間常温での連続印字中のドット抜け
の有無を調査する、連続吐出安定性評価。
【0033】評価結果は、次のように分類した。
【0034】 36時間以内にドット抜け10回以内発生・・・◎ 24時間以内にドット抜け10回以内発生・・・△ 1時間以内にドット抜け10回以上発生・・・・× 評価結果は、テスト1−6のいずれも◎であった。
【0035】(比較例1−1)これは、実施例1よりポ
リビニルアルコールを除き、その分をイオン交換水で補
ったものである。調製は実施例1と同様に行った。
【0036】この例においては、含まれている水溶性樹
脂が溶解性の高いポリビニルピロリドンのみであるた
め、固化定着したインクが再溶解しやすく、テスト3・
4の耐水性・耐水擦性評価が大きく悪化した。
【0037】(比較例1−2)これは、実施例1よりポ
リビニルピロリドンを除き、その分をイオン交換水で補
ったものである。調製方法は実施例1と同様に行った。
【0038】この例においては、ポリビニルピロリドン
が持つ保湿効果が損なわれるため、インクジェットヘッ
ドの目詰まり現象が発生し、テスト6の吐出安定性が悪
化した。
【0039】(比較例1−3)これは、実施例1と比較
して添加するポリビニルアルコールをデンカポバールK
−05(電気化学工業(株)登録商標、溶解度2.5
%)に変更したものである。調製方法は実施例1と同様
に行った。
【0040】 この例においては、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
アルコールともに溶解度が大きいため、固化定着したイ
ンクが再溶解しやすく、テスト3・4の耐水性・耐水擦
性評価が大きく悪化した。
【0041】(実施例2)これは実施例1と比較して、
添加する水溶性樹脂のうちの一種類をポリビニルアルコ
ールからポリプロピレングリコール(第一工業製薬製、
溶解度1.7%)に変更したものである。調製方法は実
施例1と同様に行った。
【0042】 この例でも、実施例1と同様に良好なインク特性が得ら
れた。比較例1−1〜1−3と同様に、ポリプロピレン
グリコールを除いたもの、ポリビニルピロリドンを除い
たもの、溶解度の高いポリプロピレングリコール(溶解
度2.9%)を添加したものを作製して試験を行った
が、いずれも対応する比較例と同様の結果が得られた。
【0043】(実施例3)これは実施例1と比較して、
添加する水溶性樹脂のうちの一種類をポリビニルアルコ
ールからポリビニルブチラール(電気化学工業登録商標
デンカブチラール#2000-L、溶解度0.6%)に変更し
たものである。調製方法は実施例1と同様に行った。
【0044】 この例でも、実施例1と同様に良好なインク特性が得ら
れた。比較例1−1〜1−3と同様に、ポリビニルブチ
ラールを除いたもの、ポリビニルピロリドンを除いたも
の、溶解度の高いポリビニルブチラールを添加したもの
(溶解度2.3%)を作製して試験を行ったが、いずれ
も対応する比較例と同様の結果が得られた。
【0045】(実施例4)これは実施例1と比較して、
水溶性樹脂であるカルボキシメチルセルロース(セロゲ
ン5A、第一工業製薬登録商標)を増粘剤として添加
し、水溶性樹脂を三種類含むようにしたものである。
【0046】 この実施例においても、実施例1と同様に良好な印字特
性が得られた。
【0047】(実施例5) ここで用いたカーボンブラックはMA−100(三菱化
成(株)登録商標)である。
【0048】インクの製造は以下の手順で行ったがこれ
に限定されるものではない。まずカーボンブラックと分
散剤をイオン交換水中にてペイントシェイカーを用いて
30分以上攪拌混合し、粒径が約1μm以下になったこ
とを顕微鏡観察により確認し、そこへポリビニルピロリ
ドンとポリビニルアルコールを添加し更に30分混合攪
拌し完全に溶解させる。その分散液にグリセリンとエタ
ノールを添加して5分攪拌し、孔径5μm、フィルター
直径47mmのステンレス製メッシュフィルターにて加
圧圧力1Kg/cm2で加圧濾過してゴミ及び粗大粒子
を除去し、平均粒径0.15μm、pH6の水性記録用
インクを得た。また孔径の大きいフィルターで前濾過を
行うのは、粗大粒子の捕集効率を高くするために好まし
い。
【0049】なお、顔料粒子分散型インクは、現時点で
は完全な溶液である染料インクと同程度の吐出安定性を
実現することは困難であるため、テスト6の吐出安定性
試験の評価基準を変更した。
【0050】(テスト6”)12時間常温での連続印字
中のドット抜けの有無を調査する、連続吐出安定性評
価。
【0051】評価結果は、次のように分類した。
【0052】 12時間以内にドット抜け10回以内発生・・・ ◎ 6時間以内にドット抜け10回以内発生・・・・ △ 1時間以内にドット抜け10回以上発生・・・・ × 複数の顔料粒子が凝集すると粗大粒子化し、インクジェ
ットヘッドのノズルの目詰まりが発生することがある。
このため、顔料粒子の保存安定性評価試験を行った。
【0053】(テスト7)ガラス製サンプル瓶密閉中に
おける環境温度70℃、湿度85%30日間でのカーボ
ンブラック粒子の粒径変化を400倍透過顕微鏡で観察
する保存安定性評価。
【0054】評価結果を下記のように分類した。
【0055】 30日で粒径に変化無し・・・・・・・・・◎ 30日で若干粒径変化が観察された・・・・△ 30日で明らかに粒径が大きくなった・・・× 評価結果は、テスト1−7のいずれも◎であった。
【0056】(比較例5−1)これは比較例1−1と同
様に、実施例5よりポリビニルアルコールを除き、その
分をイオン交換水で補ったものである。調製は実施例5
と同様に行った。
【0057】この例も比較例1−1と同様に水溶性樹脂
がポリビニルピロリドンのみしか含まれていないため、
耐水性・耐水擦性が悪化した。
【0058】(比較例5−2)これは比較例1−2と同
様に、実施例5よりポリビニルピロリドンを除き、その
分をイオン交換水で補ったものである。調製は実施例2
と同様に行った。
【0059】この例も比較例1−2と同様に吐出安定性
が悪化したほか、インク中の顔料粒子の分散安定性も悪
化した。
【0060】(比較例5−3)これは比較例1−3と同
様に、実施例5と比較して添加するポリビニルアルコー
ルをデンカポバールK−05(電気化学工業(株)登録
商標、溶解度2.5%)に変更したものである。調製は
実施例5と同様に行った。
【0061】 この例においても比較例1−3と同様に、固化定着した
インクが再溶解しやすく、テスト3・4の耐水性・耐水
擦性評価が大きく悪化した。
【0062】(実施例6)これは実施例5と比較して、
添加する水溶性樹脂のうちの一種類をポリビニルアルコ
ールからポリプロピレングリコール(第一工業製薬製、
溶解度1.7%)に変更したものである。調製は実施例
5と同様に行った。
【0063】 この例でも、実施例5と同様に良好なインク特性が得ら
れた。比較例5−1〜5−3と同様に、ポリプロピレン
グリコールを除いたもの、ポリビニルピロリドンを除い
たもの、溶解度の高いポリプロピレングリコールを添加
したもの(溶解度2.9%)を作製して試験を行った
が、いずれも対応する比較例と同様の結果が得られた。
【0064】(実施例7)これは実施例5と比較して、
添加する水溶性樹脂のうちの一種類をポリビニルアルコ
ールからポリビニルブチラール(電気化学工業登録商標
デンカブチラール#2000-L、溶解度0.6%)に変更し
たものである。調製は実施例5と同様に行った。
【0065】 この例においては印字濃度の若干の低下がみられたが、
それ以外の特性は良好であった。比較例5−1〜5−3
と同様に、ポリビニルブチラールを除いたもの、ポリビ
ニルピロリドンを除いたもの、溶解度の高いポリビニル
ブチラール(溶解度2.3%)を添加したものを作製し
て試験を行ったが、いずれも対応する比較例と同様の結
果が得られた。
【0066】(実施例8)これは実施例5と比較して、
水溶性樹脂であるアクリル酸−アクリロニトリル共重合
体を顔料分散剤として添加し、水溶性樹脂を三種類含む
ようにしたものである。
【0067】 この実施例においても、実施例5と同様に良好な印字特
性が得られた。
【0068】以上の実施例・比較例にみられるように、
少なくとも二種類以上の水溶性高分子を含む水性記録イ
ンクにおいて、水溶性高分子のうち一種類が20℃にお
ける水への溶解度が2重量%以下の高分子であることに
より、印字された文字の耐水性・耐水擦性・指触性が向
上し、インクジェットヘッドのノズルの耐目詰まり性や
顔料粒子の分散安定性を良好に保つことができる。
【0069】一方、20℃における水への溶解度が2重
量%以下の高分子だけを含むインクは、ノズルの目詰ま
りや顔料粒子の凝集が起こる。またそれを含まないイン
クは耐水性・耐水擦性が劣り、いずれもインクジェット
記録の水性記録インクとして不適当である。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、少
なくとも水と着色剤と二種類以上の水溶性高分子を含む
水性記録インクにおいて、水溶性高分子のうち一種類が
20℃における水への溶解度が2重量%以下の高分子で
あることにより、インクジェットヘッドのノズルの目詰
まりやインク中の顔料粒子の凝集を引き起こすことな
く、印字された文字の耐水性、指触性が大幅に向上する
という効果を有する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも水と着色剤と水溶性高分子で
    構成される水性記録用インクにおいて、水溶性高分子と
    して水に対する溶解度が異なる少なくとも二種類以上を
    含有し、その一種類が20℃における水への溶解度が2
    重量%以下の高分子を用いたことを特徴とする水性記録
    用インク。
  2. 【請求項2】 前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコ
    ール類であることを特徴とする請求項1記載の水性記録
    用インク。
JP14032692A 1992-06-01 1992-06-01 水性記録用インク Pending JPH05331395A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14032692A JPH05331395A (ja) 1992-06-01 1992-06-01 水性記録用インク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14032692A JPH05331395A (ja) 1992-06-01 1992-06-01 水性記録用インク

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05331395A true JPH05331395A (ja) 1993-12-14

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ID=15266219

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14032692A Pending JPH05331395A (ja) 1992-06-01 1992-06-01 水性記録用インク

Country Status (1)

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JP (1) JPH05331395A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1072956A3 (en) * 1999-07-19 2001-09-12 Agfa-Gevaert naamloze vennootschap Stable pigment dispersion and photosensitive recording material prepared therewith
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